朝霞市庁舎等の耐震化方針
平成26年1月
朝 霞 市
目 次
1.方針
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2.市庁舎の耐震化事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
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1.方針
市庁舎および市民会館の耐震化対応について、朝霞市庁舎等整備方針検討委員会により提言がなさ れた。市としては、この提言を十分尊重し、今後の方針を次のとおりとする。 (1)市庁舎 工法については、市庁舎に求められる「業務継続性」のニーズを考慮したうえで、費用面で比較 的低廉である免震工法が提言で選択されている。 耐震改修を選択した場合、概算工事費は約10 億円で、約 3 年で工事完成が可能である。一方、現 在地での建替えを選択した場合、概算工事費は約76 億円が必要となり、建物の完成までに約 10 年 を要することとなる(注1)。このため建替えの場合は、現状建物の耐震性能を最低限確保するため、 応急的な補強が必要であり、概算工事費はさらに増加する見通しである。従って、提言にあるとお り、概算工事費と工事完成までの期間の両面において、耐震改修が有利であると考えられる。 (注1)建替えの場合の概算工事費は、解体費約 2 億 9 千万円、仮庁舎費約 13 億円、建築費約 60 億円の合計。事業期間に約 8 年を要するほか、新庁舎のあり方を検討する期間として 約2 年を想定。 耐震改修における免震工法とは、建物の基礎部分に、免震積層ゴム、オイルダンパ、すべり支承 などの免震装置を組込み、地震の横揺れを直接建物に伝えないようにして、揺れを半分以下に低減 することで実質的に耐震性能を向上させるものである。 免震工法には数々の特徴があり、建物内にある電気や機械などの各種設備も同時に守られること から、建物の継続使用可能性が格段に高まる点や、工事範囲が比較的集中していることで、建物を 使用しながら、仮設庁舎へ移転することなく施工が可能な点など、市庁舎の耐震改修に適した工法 である。また、事務フロアにおいて有効床面積の減少がほとんどない点も、優れた特徴のひとつと 言える。 市の現状を考慮しつつ現実的に取りうる選択肢を考えたとき、検討委員会の提言にある「免震工 法による耐震改修」を行う案であれば、種々の要求条件を満足しながら耐震性能を確保することが 可能と判断される。 [結論]提言のとおり、耐震改修を行う。
2 (2)市民会館 耐震改修の場合、概算工事費は約4.7 億円で、約 3 年で工事完成が可能である。一方、建替えを 選択した場合、概算工事費は約 37 億円が必要(注2)となり、完成までに相当な期間を要するほか、 市民会館は現在地で建替えできないため、移転先によっては別途敷地購入の費用が追加されること となる。 提言では、耐震工法であっても建物を使用しながら施工可能と推測されており、耐震工法が最も 低廉かつ早期に耐震性能が確保できる手法であると考えられる。 (注2)建替えの場合の概算工事費は、解体費約1 億 9 千万円、建築費約 35 億円の合計。 [結論]提言のとおり、耐震改修を行う。まずは、様々な工法の中からさらに安価で適切なものを検 討した上で、耐震化事業に着手する。 (3)将来への準備 提言では、市庁舎・市民会館ともに耐震改修が選択されているが、どちらも約20 年後に建替えが 予想されることから、将来へ向けた施設改修基金の設立が提案されている。 [結論]市庁舎や市民会館だけでなく、市の公共施設の多くが建替え時期を迎えることを考慮し、施 設改修基金の設立を検討する。
2.市庁舎の耐震化事業計画
(1)費用と財源 市庁舎の耐震化事業は、設計委託、工事請負、工事監理の 3 つに大別される。これらに必要とな る費用および財源の内訳は、表1のとおりである。 歳出額のうち、工事請負の費用は、概算工事費見積を基本とし、同規模同用途建物の免震工事費 の平均的な実績値を参考に算出した。また、設計委託および工事監理の費用は、通常の業務委託の 積算方法によって算出した。 一方、財源については、平成25 年度時点の「緊急防災・減災事業債:充当率 100%」制度を利用 する計画とした。また、国庫補助については、平成25 年度時点の「社会資本整備総合交付金」にお ける「住宅・建築物安全ストック形成事業」を前提として金額を推定した。3 表1:歳出額と財源の内訳 単位:千円 歳出額 財 源 合 計 年 度 設計委託* 工事請負 工事監理 国庫補助 地方債* 一般財源* 平成25 年度 24,900 0 0 12,450 0 12,450 24,900 平成26 年度 40,000 0 0 0 40,000 0 40,000 平成27 年度 18,100 515,000 7,666 0 540,700 66 540,766 平成28 年度 0 515,000 15,334 0 530,300 34 530,334 合 計 83,000 1,030,000 23,000 12,450 1,111,000 12,550 1,136,000 *設計委託費 平成25 年度の設計委託費 24,900 千円は「基本設計」相当分で、この部分に ついては地方債の起債対象とならないため、一般財源と国庫補助のみを財源 としている。なお、平成26~27 年度の設計委託費の合計 58,100 千円は「実 施設計」相当分であり、この部分は起債対象となる。 *地方債 緊急防災・減災事業債による起債を前提としている。 *一般財源 表示した金額のほかに、平成26 年度には選定委員会の経費として 167 千円、 平成27 年度以降は地方債の償還が実質的な負担として付加される。 (2)要求される条件 耐震性能が不足しているために、本来守られるはずの生命や財産を損なうことがあってはならな い。耐震性能確保の必要性は論を待たないところであるが、特に市庁舎は災害直後に能力発揮を求 められる特性があることから、単に倒壊や崩壊しないだけでなく、建物が継続して使用可能な状態 を目指す必要がある。具体的には、大地震動後、構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用 できることを目標とし、人命の安全確保に加えて機能確保が図られている状態を、市庁舎の耐震性 能の要求水準として設定する。 (3)事業実施計画 耐震改修の工法については、近年技術革新が急速に進展し、多様化が進んでいる分野であり、最 新の知見に基づく合理的な工法の選択が求められている。今回は棟ごとに最も適切な工法を柔軟に 選択できるようにするため、技術提案により契約の相手方を決定する「公募型プロポーザル方式」 を導入する。 提言では免震工法が選択されているが、世の中にある多様な技術を広く比較検討できるようにす るため、要求水準を規定したうえで、広く耐震改修についての技術提案を求めるものとする。また、 工期の短縮や費用縮減だけでなく、市役所業務を継続しながら施工する点なども考慮し、設計委託、 工事請負、工事監理の3 要素を一体として技術提案を求めるものとする。 具体的には、耐震性能や施工条件だけでなく、上限額(11 億 3,600 万円)や事業完成時期(平成 29 年 3 月末まで)などの要求水準を予め規定して、これらを満足するような技術提案を公募する。 技術提案に対して、耐震性能、完成後の影響、施工中の影響、地域貢献、費用、工期、安全面、ラ
4 イフサイクルコストなどの視点からプロポーザル選定委員会によって採点を行い、最も高い評点を 得た事業者と契約交渉を行うこととなる。 プロポーザル実施から工事完成までの概略スケジュールは以下のとおり予定している。なお、設 計委託以降の工程については、プロポーザルの提案内容により変動するため、必ずしも以下のとお りとならない場合がある。 H25 平成26 年度 平成27 年度 平成28 年度 四半期 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 プロポーザル 選定 手続 設計委託* 基本 設計 実施 設計 認定 評定 工事請負 工事 施工 工事監理 工事 監理 *設計委託における「認定」は、建築基準法に基づく工法の国土交通大臣認定と、耐震改修促進法に基 づく耐震改修計画の認定をいう。「評定」は、耐震改修計画の認定申請にあたって必要となる専門機 関の評定をいう。
5 [参考]建物の現状 (1)建物の概要 ① 市庁舎 現在の市庁舎は、大別して以下の3 棟に分けられる。これらの棟は構造的に区切られており、別館 は新耐震基準の建物であるため、旧耐震基準で建築された本館と議場棟の耐震性能を確保することが 求められている。 棟 階数 構造 建築面積 延床面積 建築年 備 考 本館 5F, B1F RC 1,056.13 ㎡ 5,839.70 ㎡ 昭和 47 年 耐震化対象 議場棟 3F RC 1,064.43 ㎡ 1,506.60 ㎡ 昭和 47 年 耐震化対象 別館 5F S 613.41 ㎡ 2,493.16 ㎡ 平成4 年 (対象外) 所在地 朝霞市本町一丁目1 番 1 号 敷地面積 12,429.74 ㎡ 用途地域 近隣商業地域(許容建蔽率80%、許容容積率 200%)、高さ制限 25m ② 市民会館 市民会館は以下の3 棟から構成されている。このうち増築棟は新耐震基準であるため、旧耐震基準 で建築された会議棟とホール棟の耐震性能を確保することが求められている。 棟 階数 構造 建築面積 延床面積 建築年 備 考 会議棟 5F, B1F SRC, RC,S 2,727.78 ㎡ 5,808.17 ㎡ 昭和51 年 耐震化対象 ホール棟 5F, B1F 昭和51 年 耐震化対象 増築棟 2F S 648.68 ㎡ 1,148.52 ㎡ 平成9 年 (対象外) 所在地 朝霞市本町一丁目26 番 1 号 敷地面積 8,650.17 ㎡ 用途地域 第一種中高層住居専用地域(許容建蔽率60%、許容容積率 200%)、高さ制限 25m
6 (2)耐震診断結果 平成20~21 年度に実施した耐震診断(第 2 次診断)の結果は、以下のとおりである。 構造耐震指標* Is (目標値:0.75 以上) 市庁舎 市民会館 本館 議場棟 会議棟 ホール棟 階数 現況 判定 現況 判定 現況 判定 現況 判定 塔屋2 階 1.59 ○ 1.49 ○ 塔屋1 階 0.78 2.60 5 階 0.38 × 0.47 × 0.86 ○ 4 階 0.32 0.46 1.12 3 階 0.29 1.03 ○ 0.34 0.48 × 2 階 0.38 0.67 × 0.37 0.99 ○ 1 階 0.26 0.35 0.25 0.52 × 地下1 階 0.27 5.20 ○ *構造耐震指標 1981 年(昭和 56 年)以前の旧耐震基準で建築された建物の耐震診断を行う 際に利用する指標の一つ。建物の強度や粘り、形状、経年状況を総合的に判 断し指数化したもので、数値が大きいほど耐震性能が高くなる。通常、鉄筋 コンクリート造の建物にはIs を用いる。国土交通省の基本方針(平成 18 年、 国土交通省告示第184 号)では、Is 値が 0.6 未満の場合に「地震の振動及び 衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。」とし、とりわけ0.3 未満 の場合は「地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。」 とされている。市では公共建築物の重要性を考慮し、1.25 倍の 0.75 を「目標 値」として定めている。 この診断結果によると、市庁舎、市民会館ともに一部分で目標値である0.75 を下回っている。 一方、建物躯体の状態を調べるため、コンクリート強度とコンクリート中性化の診断を実施した。 その結果、コンクリート強度については全般的に強度の低下がみられるものの、コンクリート強度 下限値を下回る箇所はなかった。また、コンクリート中性化は、一部で中性化の進行がみられるも のの、比較的健全な状況にある。 診断結果をまとめると、市庁舎、市民会館ともに建物の躯体は比較的健全な状況にあるものの、 旧耐震基準で設計されたために、震度 6 強以上の強い揺れを受けると倒壊や崩壊のおそれがある、 ということになる。