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戸邉 直人1)  苅山 靖2)  林 陵平3)  木越 清信1)  尾縣 貢1)

走高跳の踏切局面における下肢3関節の力・パワー発揮特性

1) 筑波大学体育系 〒 305-8574 茨城県つくば市天王台 1-1-1 2) 山梨学院大学スポーツ科学部 〒400-8575 山梨県甲府市酒折2-4-5 3)岐阜大学教育学部 〒501-1193 岐阜県岐阜市柳戸1-1 連絡先 戸邉直人

1. Faculty of Health and Sport Sciences, University of Tsukuba 1-1-1 Tennodai, Tsukuba, Ibaraki 305-8574

2. Faculty of Sport Science, Yamanashi Gakuin University 2-4-5 Sakaori, Kofu, Yamanashi 400-8575

3 Faculty of Education, Gifu University 1-1 Yanagito, Gifu, Gifu 501-1193

Corresponding author tobenaoto01@gmail.com

Abstract: In the take-off motion of the high jump, huge power exerted by the lower limb is required in a very

short time. Consequently, to achieve the take-off motion, improvement of power exertion ability is important, and most high jumpers work to achieve this. However, the components of the kinetics that contribute to high jump performance are unknown.

This study investigated lower limb joint kinetics during the take-off phase of the high jump and the relationships between kinetic variables and performance. Seven male high jumpers were investigated. Their take-off motions were filmed using an infrared camera (Vicon Motion System, 250 Hz), and the ground reaction force was recorded using a force platform (Kistler, 9287C, 1000Hz). The coefficients of correlation between the vertical velocity of the center of gravity of the whole body (CG) at the moment of take-off and kinetic variables were calculated. The following results were obtained:

1. The muscles involved in hip extension play a primary role in shock absorption at the moment of touchdown. Furthermore, the muscles involved in hip abduction, knee extension and ankle plantarflexion play a significant role in lifting the body in addition to the above functions.

2. The concentric power produced by hip abductors during the take-off motion may increase vertical velocity of the CG at the moment of take-off.

3. As it has been reported that single leg exercises impact the function of hip abductors, such exercises may im-prove take-off motion in the high jump.

These results illustrate the characteristics of take-off motion in the high jump, and these may be studied further to plan effective training aimed at improving performance.

Key words : 3-dimensional motion analysis, kinetics, hip abductors

キーワード:3次元動作分析,キネティクス,股関節外転筋群

Naoto Tobe1, Yasushi Kariyama2, Ryohei Hayashi3, Kiyonobu Kigoshi1 and Mitsugi Ogata1: Characteristics of joint kinetics of the lower limb during take-off motion in high jump. Japan J. Phys. Educ. Hlth. Sport Sci.

Ⅰ 緒 言 多くの競技スポーツで行われる跳躍運動では, より短い接地時間でより高く跳躍することが高 いパフォーマンスの獲得に重要であり(岡野ほ か,2017;図子ほか,1993),その時に下肢では バリスティックな SSC 運動が遂行されている(図 子・高松,1995).このことから,各種の跳躍運 動における下肢の力・パワー発揮特性を検討した 研究は多く(阿江ほか,1995;苅山ほか,2012, 2013; 苅 山・ 図 子,2015; 図 子・ 高 松,1995, 1996),跳躍運動で身体の鉛直速度を獲得するた めに,下肢では大きな力・パワー発揮が行われて

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いること,動作の相異によって下肢の力・パワー 発揮特性も異なっていることが明らかとなってい る. 陸上競技の走高跳は,助走から片脚で踏み切り, どれだけ高いバーを越えることができるかを競う 競技であり,踏切動作によって獲得した身体の鉛 直速度がパフォーマンスの決定に深く関係する要 因の 1 つである(阿江,1996a).また,走高跳の 踏切動作は,身体の屈曲伸展運動,身体の回転 運動,脚や腕の振り込み動作の 3 つの要素によっ て,身体の鉛直速度を獲得することを目的とした 動作であり(阿江,1996a,p.58),さらに,踏切 接地時に後傾した身体が踏切中に起きることによ って生じる起こし回転運動によって,踏切動作で 獲得される身体の鉛直速度全体の 60―65%を獲 得していることが報告されている(阿江,1996a, p.57).一方で,踏切動作では,0.14―0.23 秒の非 常に短い時間内に身体の水平速度が約 4m/s も減 少することが報告されており(Ae et al., 2008;阿 江 ほ か,2008,p.137;Isolehto et al, 2007, p.23), さらに,踏切動作中には体重の 5 倍以上もの地面 反力が記録されたことが報告されていることから (Coh, 2010, pp.132-134),踏切動作中の下肢では 非常に大きな力・パワー発揮が遂行され,それが パフォーマンスの獲得に大きく貢献していること が考えられる. 走高跳のような,助走を用いた片脚跳躍におけ る下肢の力・パワー発揮に関する研究では,主 に直線助走を用いた跳躍の分析によって(藤林 ほか,2013;Kakihara and Suzuki, 2001;志賀・尾 縣,2004;Stefanyshyn and Nigg, 1998),その力・ パワー発揮特性が明らかとされてきた.しかしな がら,今日の走高跳では空中でバーに背を向ける 姿勢となる背面跳が主流となっており,曲線を描 く助走から,踏切動作では身体の長軸回りの回転 を伴う特有の動作が用いられている.さらに,走 高跳の助走を分析した研究では,身体重心を低下 させる踏切準備局面において,身体の内傾動作を 用いた曲線走特有の動作で身体重心を低下させ ており(Ae et al., 1986; Dapena, 1995a; Panoutsako-poulos and Kollias, 2012;関岡・栗原,1978),ま

た,これによって踏切動作も曲線助走を用いた場 合に特有の動作が生じていることが推察される. 以上のことから,走高跳の動作は,直線助走を用 いた片脚跳躍の動作とは異なり,踏切局面におけ る動作や下肢の力・パワー発揮特性にも固有の特 徴を有していることが考えられる.これに対し, これまでの研究では,踏切動作における踏切脚の Stiffness 特性(Boden et al., 2017),下肢 3 関節の 関節トルクおよび関節トルクパワー(Okuyama et al., 2003),関節仕事(Goldmann et al., 2015)につ いて報告されている.しかしながら,これらの文 献ではキネティクスパラメータの算出が 2 次元的 なものに留まっていることや,各種キネティクス パラメータを算出するための座標系の定義が明示 されていないという不備があることに加え,パフ ォーマンスと各種キネティクスパラメータとの関 係性に関する検討は行われていない.したがって, 走高跳の踏切動作における下肢の力・パワー発揮 特性およびそのパフォーマンスとの関係性につい ては,詳細な解明には至っていないと言える. 一方で,走高跳の競技実践の現場では踏切動 作における力・パワー発揮の増大を狙いとした トレーニングが多く実施されている(稲岡ほか, 1993;Schiffer, 2012; 戸 邉 ほ か,2018; 図 子, 2013).これに対し,トレーニングにおける特異 性の原則(ザチオルスキー・クレーマー,2009, pp.6-8)を考慮すると,走高跳のパフォーマンス 向上を目的としたトレーニングをより効果的に実 施するためには,踏切動作における下肢の力・パ ワー発揮とパフォーマンスとの関係性に関する詳 細な解明が必要であると考えられる. 以上のことから,走高跳の踏切動作における下 肢の力・パワー発揮特性をより詳細に明らかにす ることができれば,走高跳における身体の鉛直速 度獲得の機序の更なる解明に貢献すると共に,走 高跳の実践現場における競技者やコーチに,より 効果的な技術の選択やトレーニング手法の考案に 寄与する実践的な知見を提供することができると 考えられる.そこで本研究では,走高跳の踏切動 作における下肢 3 関節の 3 次元的な力・パワー発 揮特性の明示と,それらとパフォーマンスとの関

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係性について明らかにすることを目的とした. Ⅱ 方 法 1. 対象者 対象者には,大学陸上競技部またはクラブチー ムに所属している左脚踏切を専門とする男子走高 跳選手 7 名(Age, 20.43 ± 1.81 years;Height, 1.78 ± 0.09 m; Mass, 69.24 ± 6.60 kg;Personal Best, 2.08 ± 0.13 m)を用いた.実験を開始するにあたり, すべての対象者に本研究の目的,方法および実験 に伴う安全性を十分に説明し,実験への参加のた めの同意を得た.なお,これらの手順は,筑波大 学人間総合科学研究科研究倫理委員会の承認を得 て行われた. 2. 実験試技 本研究では全助走を用いた試合形式での走高跳 を実験試技とし,対象者には全力で跳躍するよう 指示した.その際のバーの高さの設定は,各対象 者の指定した任意の高さから開始し,成功の度に 5 cm 間隔で上昇させ,同じ高さでの連続 3 回の 失敗があるまで試技を行わせた.なお,分析試技 については,成功試技のうちの最も記録が高いも ので,かつ,踏切動作がフォースプラットフォー ム上で行われたものとした. 3. 測定項目および測定方法

光学式自動動作分析装置(Vicon Motion Sys-tem,250 Hz)を用いて,各試技における助走から 着地までの身体各部位(47 点)の座標データを 収集した.静止座標系は,地面と平行でかつバー と垂直に交わる軸を X 軸,地面と水平で,かつ, バーと平行の軸を Y 軸,鉛直軸を Z 軸とする右 手座標系と定義した.また,本研究では,後述す る踏切足接地時における身体重心速度ベクトルの 水平成分を Y’ 軸,水平でかつ Y’ 軸に直交する 軸を X’ 軸,鉛直を Z 軸とする右手系の座標系を 被験者ごとに定義した. 得られた身体各部位の座標は,座標成分ごと に最適遮断周波数を Wells and Winter(1980)の

方法にもとづいて決定し,Butterworth Low-Pass Digital Filter を用いて平滑化した.なお,決定 された最適遮断周波数は 6―12 Hz の範囲であっ た.また,踏切動作における地面反力を測定する ために,フォースプラットフォーム(Kistler 社製, 9287C)を用いて地面反力を測定した.地面反力 は,1000 Hz のサンプリング周波数で A/D 変換し た後,パーソナルコンピューター(DELL 社製, DXP061)に取り込み,X’ 軸,Y’ 軸,Z 軸成分を 算出した.なお,Xʼ 軸成分は被験者からみて左 方向の反力を正,右方向の反力を負の値,Y’ 軸 成分は被験者からみて後方の反力を正,前方の反 力を負の値とし,Z 軸成分は上方の反力を正,下 方の反力を負の値とし,以下では X’ 軸を左右方 向,Y’ 軸を前後方向,Z 軸を鉛直方向の地面反 力とする. 4. 算出項目 本研究では,運動自由度を 3 として,14 の関 節によって連結された 15 の剛体セグメントモデ ルを用いて全身をモデル化した.測定によって得 られた身体の 3 次元座標から,阿江(1996b)の 身体部分慣性係数を用いて,部分および全身の重 心,慣性モーメントを算出した.また,身体重心 の変位を時間微分することによって身体重心速度 を算出した. 身体に貼付したランドマークをもとに,下肢 3 関節の関節角度および角速度を算出するために, それぞれの関節中心を算出した.足関節および膝 関節については,関節における内顆および外顆の 中点,股関節については,臨床歩行分析研究会の 提唱する推定法(倉林ほか,2003)を用いて関節 中心および関節角度を算出した.本研究では,股 関節では屈曲伸展,内外転および内外旋角度を, 膝関節では屈曲伸展角度を,足関節では底背屈お よび回内外角度を算出した.また,算出された角 度を時間微分することで角速度を算出した.符号 の正負については,股関節では伸展および外転, 外旋を正の値,屈曲および内転,内旋を負の値, 膝関節では伸展を正の値,屈曲を負の値,足関節 では底屈および回外を正の値,背屈および回内を

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負の値として示した. 身体座標点の 3 次元座標値と,フォースプラッ トフォームにより計測された地面反力データとを 用いて逆動力学的計算を行い,股関節屈曲伸展軸, 股関節内外転軸,股関節内外旋軸,膝関節屈曲伸 展軸,足関節底背屈軸,足関節回内外軸周りの関 節トルクを算出した.また,関節トルクと関節角 速度の内積を関節トルクパワー(以下「トルクパ ワー」と略す)とし,正および負のトルクパワー を時間積分することで関節仕事を算出した.なお, 関節角度および関節トルクの算出に用いた座標系 は苅山ほか(2013)の方法に準じた. 5. 動作の局面定義およびデータの規格化 本研究においては,踏切局面を踏切足接地から 踏切足離地までとし,各被験者が踏切局面に要し た時間を 100%としてデータを規格化し,1%ご とに平均化した.なお,各種キネティクスパラメ ータについては被験者の体重で除すことによって 規格化した. 6. 統計処理 各変数は平均値±標準偏差で示した.また, 全ての統計処理には,統計パッケージ(SPSS ver. 22, IBM 社製)を用いた.各変数間の関係性の有 無については相関係数を Pearson の方法を用いて 算出し,有意性は危険率を 5%未満で判定した. Ⅲ 結 果 Table 1 には,本研究における対象者のパフォ ーマンス,踏切時間,踏切接地時および離地時の 身体重心高と踏切局面における身体重心高の減少 量,踏切接地時および離地時の身体重心速度を示 した. Fig.1 には踏切局面における地面反力の時系列 的な推移を規格化時間で示した.X’ 軸,Y’ 軸, Z 軸いずれにおいても 20%時付近で最大値が記 録された.X’ 軸では,60%時付近にかけて左方 向の反力が認められ,60%時以降は右方向への反 力に転じた.一方,Y’ 軸では,ほぼ全体を通じ て後方への反力が記録され,身体の加速成分とな る前方への反力は認められなかった. Table 2 には踏切局面における下肢 3 関節の関 節トルクの最大値,トルクパワーの最大値および 最小値,関節仕事の値を示した.なお,股関節内 外旋軸,足関節回内外軸の関節トルクに関しては 最小値も示した.また,Fig.2 には踏切局面にお ける股関節の関節角度および角速度,関節トルク, トルクパワーの時系列的な推移を規格化時間で示 した. 股関節屈曲伸展軸に着目すると,角度変位では, 接地から 10%時付近にかけて伸展した後に,30 %時付近にかけて屈曲し,以後は離地まで伸展し たことが認められた.関節トルクでは,接地から 10%時付近にかけて伸展トルクの大きな鋭波が認 められ,その後,わずかに屈曲トルクに転じた後, 30%時付近にかけて再び大きな伸展トルクの発揮 が認められた.また,その後は 60%時付近から 離地直前まで屈曲トルクの発揮が認められた.伸 展のトルクパワーでは,接地から 10%時付近ま で大きな正のトルクパワーが発揮され,その後, 30%時付近にかけて大きな負のトルクパワー発揮 が認められた. 股関節内外転軸に着目すると,角度変位では, 接地から 40%時付近にかけて内転し,その後は 離地まで外転したことが認められた.関節トルク では,接地直後から 10%時付近にかけて外転ト ルクの第 1 波形が認められ,その後も 70%時付 近にかけて外転トルクが発揮され続けたことが認 められた.外転のトルクパワーでは,接地直後か ら 40%時付近にかけて負のトルクパワーが発揮

Table 1 Kinematic variables about take off phase in high jump.

Variables mean±SD

Performance (m) 1.95±0.12 Contact time (s) 0.153±0.006 CG height (m) Touch down 0.86±0.05

Take off 1.25±0.06 Horizontal velocity (m/s) Touch down 7.00±0.34 Take off 4.10±0.19 Vertical velocity (m/s) Touch down 0.21±0.20 Take off 4.16±0.24

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Fig.1 Averaged patterns of ground reaction force during take off phase in high jump. Table 2 Kinetic variables about take off phase in high jump.

Joint torque (Nm/kg) Joint torque power (W/kg) Joint work (J/kg) Minimum Maximum Negative Positive Negative Positive Hip Extension - 11.96±5.09 -35.32±36.21 34.67±24.19 -0.24±0.38 0.15±0.11 Abduction - 8.76±3.29 -51.75±10.18 25.74±6.38 -0.60±0.46 0.40±0.21 External-Internal -1.44±0.79 0.69±0.26 -4.90±1.97 10.96±9.10 -0.04±0.03 0.06±0.03 Knee Extension - 5.86±1.29 -61.13±13.35 41.80±17.88 -1.90±0.75 0.98±0.33 Ankle Plantarflexion - 3.98±0.22 -22.63±7.83 33.54±3.34 -0.70±0.41 1.11±0.36 Eversion-Inversion -1.69±0.50 0.20±0.14 -19.87±5.31 4.92±2.39 -0.11±0.06 0.01±0.01

Fig.2 Averaged patterns of joint angle, joint angular velocity, joint torque, joint torque power of hip joint during take off phase in

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され,その後は 70%時付近まで正のトルクパワ ー発揮が認められた. 股関節内外旋軸に着目すると,角度変位では, 接地から 60%時付近にかけて内旋し,90%以降 は外旋したことが認められた.また,関節トルク および外旋のトルクパワーは,全体を通じて低い 値で推移したことが認められた. Fig.3 には踏切局面における膝関節の関節角度 および角速度,関節トルク,トルクパワーの時系 列的な推移を規格化時間で示した.膝関節屈曲伸 展軸の角度変位に着目すると,接地から 60%時 付近まで屈曲し,その後は離地まで伸展したこ とが認められた.関節トルクでは,接地直後か ら 10%時付近まで伸展トルクの第 1 波形が認め られ,その後,90%時付近にかけて伸展トルクが 発揮され続けたことが認められた.伸展のトルク パワーでは,10%時付近から 60%時付近まで大 きな負のトルクパワー発揮が認められ,その後は 90%時付近にかけて大きな正のトルクパワーが発 揮された後,離地にかけてわずかに負のトルクパ ワーに転じたことが認められた. Fig.4 には踏切局面における足関節の関節角度 および角速度,関節トルク,トルクパワーの時系 列的な推移を規格化時間で示した.足関節底背屈 軸に着目すると,角度変位では,接地直後から 10%時付近まで底屈し,その後は 60%時付近ま で背屈した後に離地にかけて底屈したことが認め られた.関節トルクでは,接地直後から離地にか けて継続した底屈トルクの発揮が認められた.底 屈の関節トルクパワーでは 10%時付近から 60% 時付近まで負のトルクパワーが発揮された後,離 地にかけては正のトルクパワーが発揮されたこと が認められた. 足関節回内外軸に着目すると,角度変位では, 接地から 20%にかけて極めて高い角速度で回外 し,その後は離地にかけて回内したことが認めら れた.関節トルクは全体を通じて低い値で推移し, 回外のトルクパワーでは,接地から 20%時にか けて負のトルクパワー発揮が認められ,その後は 低い値で推移したことが認められた. Table 3 には踏切離地時身体重心鉛直速度と踏 切局面のキネティクスデータとの間の相関係数を 示した.踏切離地時身体重心鉛直速度との間には, 股関節外転のトルクパワー最大値(r = 0.793,p < 0.05)と股関節外転の正の仕事(r = 0.762,p < 0.05)において有意な相関関係が認められた. Ⅳ 考 察 本研究では,走高跳の踏切動作における下肢 3 関節の 3 次元的な力・パワー発揮特性および,そ れらとパフォーマンスとの関係性を明らかにする ことを目的に,走高跳の踏切動作における下肢 3 関節の 3 次元キネティクス的分析を行った. 1. 走高跳の踏切局面における下肢 3 関節キネ ティクスの特徴 股関節屈曲伸展軸では(Fig.2),関節トルクも

Fig.3 Averaged patterns of joint angle, joint angular velocity,

joint torque, joint torque power of knee joint during take off phase in high jump.

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トルクパワーも接地から 25%時付近にかけて活 発に発揮され,地面反力の前後成分および鉛直成 分がピーク値を示した 20%時付近では,伸展ト ルクによる大きな負のトルクパワーを発揮してい た.このことから,股関節伸展筋群はエキセント リックなパワー発揮によって踏切接地による衝撃 に抗う働きをしたと考えられる.また,股関節屈 曲伸展軸では関節トルク,トルクパワー共に接地 瞬間から立ち上がり,他の関節軸よりも早い段階 から力・パワーを発揮したことが見て取れる.こ の力・パワー発揮の様相は,走高跳と同じ動作形 態(助走付き片脚跳躍)であるリバウンドロング ジャンプ運動における,落下衝撃を増大させた場 合と類似しており(藤林ほか,2013),このこと から,股関節伸展筋群は助走を用いた片脚跳躍で, 踏切接地時の衝撃が大きな場合に,その衝撃に抗 するために最も早い段階から力・パワー発揮を行 う特性を有していることが考えられる.一方,踏 切 30%時付近以降のコンセントリック局面にお いて正のトルクパワーが認められたのは 40 %時

Fig.4 Averaged patterns of joint angle, joint angular velocity, joint torque, joint torque power of ankle joint

during take off phase in high jump.

Table 3 Correlation coefficient between vertical velocity of CG at take off and kinetic variables.

Joint torque Joint torque power Joint work

Maximum Negative Positive Negative Positive

Hip Extension 0.326 -0.716 0.343 -0.67 0.465

Abduction -0.146 -0.593 0.793* -0.655 0.762*

Knee Extension 0.148 -0.596 0.717 -0.175 0.091

Ankle Plantar flexion 0.477 -0.116 0.238 0.598 0.595

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付近のみであり,さらにその値は小さかった.以 上のことから,走高跳の踏切動作における股関節 伸展筋群は,主に接地衝撃に抵抗する役割を担っ ていることが推察される. 股関節内外転軸では(Fig.2),主に踏切接地か ら 40%時付近にかけて外転トルクによる負のト ルクパワーが発揮されており,股関節外転筋群が エキセントリックなパワー発揮を行うことで,股 関節伸展筋群と同様,踏切接地時の衝撃に抗して いると考えられる.このようなトルクやトルクパ ワー発揮は,片脚跳躍における特徴的なものであ り,骨盤の挙上下制運動と深く関係し,身体の姿 勢保持の役割(苅山ほか,2013)も有していると 考えられる.さらに,40%時付近から 70%時付 近にかけては外転トルクによる正のトルクパワー が発揮されており,このような外転筋群によるコ ンセントリックな力・パワー発揮は,片脚跳躍に おける骨盤の挙上運動を導き,身体重心の鉛直速 度の獲得に貢献していることが報告されている ( 苅 山 ほ か,2013,pp.106-107,2018,p.188;佐 渡・藤井,2014).これに対し,本研究においても, 外転トルクによる正のトルクパワー最大値および 外転トルクによる正の関節仕事は,踏切離地時鉛 直重心速度との間に有意な正の相関関係が認めら れたことから(Table3),走高跳においても股関 節外転筋群は身体の鉛直重心速度の獲得に貢献し ていることが推察できる.以上のことから,走高 跳の踏切動作における股関節外転筋群は,接地か ら 40%時付近にかけての局面ではエキセントリ ックなパワー発揮によって接地の衝撃への抵抗と 姿勢保持の働きを,踏切局面の 40%時付近から 70%時付近にかけてはコンセントリックなパワー 発揮によって,身体重心の鉛直速度の獲得に貢献 する働きを有していることが考えられる. 股関節内外旋軸では(Fig.2),接地から 60%時 付近にかけて内旋し,90%以降は外旋したものの, 関節トルク,トルクパワー共に踏切全体を通じて 低い値であった.背面跳の踏切動作では,クリア ランスに向けて身体の長軸周りの回転が発生する ため,股関節内外旋に関する筋群の力・パワー発 揮はこの動作と関係していることが推察される. しかしながら,実際には関節トルク,トルクパワ ーは共に低い値であったために,踏切動作で生じ る身体の長軸周りの回転運動は,腕や振り上げ脚 の振り込み動作といった,踏切脚の力・パワー発 揮とは異なった要因による影響が大きいと考えら れる(Dapena, 1995b). 膝関節屈曲伸展軸に着目すると(Fig.3),関節 トルクでは 10%時付近から 90%時付近にかけて 継続的に伸展トルクが発揮された.また,トルク パワーに着目すると,10%時付近から 60%時付 近にかけて大きな負の伸展トルクパワーが発揮さ れ,負の関節仕事は下肢 3 関節の中で最も大きな 値を示した一方で,60%時以降は大きな正の伸展 トルクパワーを発揮した.走高跳と同様の助走付 き片脚跳躍である走幅跳の踏切局面では,膝関節 による緩衝によって,身体重心水平速度の減少量 が増大する可能性が示唆されている(志賀・尾縣, 2004,p.163).このことから,走高跳の踏切局面 における膝関節伸展筋群は,踏切接地後 10%時 から 60%時にかけてはエキセントリックなパワ ー発揮を行い,踏切接地の衝撃に抗う働きと,起 こし回転運動の鉛直移動距離を大きくする働き を,60%時以降はコンセントリックなパワー発揮 によって,身体の上昇に貢献する働きを有してい ることが推察できる. 足関節底背屈軸に着目すると(Fig.4),5%時 付近から踏切離地まで継続的に底屈トルクが発揮 された.このトルクの最大値はあまり大きくない ものの,10%時付近から 60%時付近にかけては 継続的に負の底屈トルクパワーが発揮され,負の 関節仕事は下肢 3 関節で 2 番目に大きな値を示し た.さらに,60%時以降には正のトルクパワー発 揮が活発に行われ,正の関節仕事は下肢 3 関節で 最も高い値を示した.足関節は下肢 3 関節の中で 最も遠位に位置する関節であり,より近位に位 置する膝関節や股関節で発揮された力を地面へ と授受する働きを有している(阿江ほか,1995, p.100;図子ほか,1998,p. 598).さらに,足関 節の特性として,アキレス腱という非常に長い腱 を有している一方で,動作に関与する筋は他の 2 関節と比較して小さいことが挙げられる.以上の

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ことから,走高跳の踏切局面における足関節底屈 筋群は,発揮できる力は小さいものの,アキレス 腱による弾性エネルギーの貯蔵と再利用によって (Komi and Bosco, 1978),膝関節や股関節で発揮 されたパワーを利用し,大きなパワーおよび仕事 を発揮することで,10%時から 60%時にかけて はエキセントリックなパワー発揮による踏切接地 の衝撃に抗う働きと,60%時以降はコンセントリ ックなパワー発揮によって踏切終盤の身体の鉛直 速度の獲得に貢献する働きを有していることが推 察できる. 足関節回内外軸に着目すると(Fig.4),発揮さ れた関節トルクは小さいものの,踏切接地から 20%時付近にかけて非常に大きな角速度で回外し たことが認められた.走高跳の踏切動作において 足関節は,接地からその直後にかけて大きく変 形することが報告されており(Coh, 2010, p.134), 足関節回内外軸の急激な変位がこれに該当するも のであると考えられる.足関節回内外軸の動作に は大きな筋群や腱は関与しておらず,踏切接地時 の衝撃を受け止めるために十分な力・パワー発揮 を行うことができないために,急激な変位が生じ ていることが推察できる.また,この時に伸長さ れる足関節内側の靭帯は,走高跳において障害が 好発する部位であることが報告されており(水村 ほか,1988;Mok et al., 2011),障害予防の観点か ら,足関節回外の急激な角度変位を抑制する試み が重要であろう. 2. トレーニング実践への示唆 走高跳の踏切動作における踏切脚のキネティク スに関して,本研究では股関節伸展筋群および外 転筋群,膝関節伸展筋群,足関節底屈筋群が大き な力・パワーを発揮し,特に股関節外転筋群の働 きが走高跳のパフォーマンスの獲得に強く関与 していることが明らかとなった(Table3,Fig.2, 3,4).トレーニングにおける特異性の原則(ザ チオルスキー・クレーマー,2009,pp.6-8)を考 慮すると,走高跳の踏切局面における下肢の力・ パワー発揮の改善を目的としたプライオメトリク スやウェイトトレーニングでは,力・パワー発揮 特性が走高跳と類似した手段や方法を選択するこ とが,より競技特異的なエクササイズになると考 えられる.これに対し,片脚でのリバウンドジャ ンプ運動では,両脚の場合と比較して股関節外転 の力・パワー発揮が有意に大きかったこと(苅山 ほか,2013),さらに,片脚でのスクワットエク ササイズでは,両脚の場合と比較して,股関節外 転に関与する中殿筋の動員が増大したことが報告 されている(吉田ほか,2003).以上のことから, 走高跳のパフォーマンス向上を目的としたトレー ニングでは,股関節外転筋群の動員が活発になる 片脚系のエクササイズを選択することが有効であ ると考えられる. 3. 本研究の限界と今後の課題 本研究では大学陸上競技部またはクラブチーム に所属している男子走高跳選手 7 名を対象として 踏切脚の関節キネティクスについて検討した.そ のため,本研究で得られた知見を他の年齢層,他 の競技種目を専門とする競技者,女子選手および 本研究で対象とした被験者とは異なる競技水準の 競技者などにそのまま当てはめることには限界が あると考えられる.また,背面跳を用いた走高跳 は,多様な技術タイプが存在していることが報告 されており(渡辺ほか,2009,p.327),さらには, それらの技術タイプを類型化することの必要性が 指摘されている(渡辺,2012,pp.160-161).以 上のことから,走高跳の踏切脚における力・パワ ー発揮特性についても,様々な技術タイプの存在 を考慮した検討を行うことが今後の課題であると 考えられる. Ⅴ 結 論 本研究の目的は,走高跳の踏切動作における下 肢 3 関節の 3 次元的な力・パワー発揮特性の解明 と,それらとパフォーマンスとの関係性について 検討することで,走高跳のパフォーマンスの向上 に役立つ知見を明示することであった.本研究に よって得られた知見は以下の通りである. 1) 走高跳の踏切動作では,股関節伸展筋群は主に

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踏切接地の衝撃に抗う働きを,一方で,股関節 外転,膝関節伸展,足関節底屈筋群は踏切接地 の衝撃に抗う働きとともに,踏切後半に身体の 鉛直速度獲得に貢献していることが示唆され た. 2) 走高跳の踏切動作では,股関節外転筋群のコン セントリックなパワー発揮が,身体の鉛直速度 を獲得するために特に貢献している可能性が示 唆された. 3) 股関節外転筋群のトレーニングには片脚系のエ クササイズが有効である可能性が先行研究によ って提示されており,走高跳のパフォーマンス 向上を目的としたトレーニングでは,それらの エクササイズ種目を用いることが有効であると 考えられる. 以上の結果は,走高跳の踏切動作における下肢 3 関節の力・パワー発揮特性を示すものであり, 走高跳のパフォーマンス獲得のためのより専門性 の高いトレーニングの実施に役立つものであると 考えられる. 文 献 阿江通良(1996a)陸上競技の高く跳ぶ動作と遠く跳ぶ 動作:How they jump.バイオメカニズム学会誌,20: 57-62.

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Published online 2019/10/28

Table 1  Kinematic variables about take off phase in high jump.
Table 2  Kinetic variables about take off phase in high jump.
Table 3  Correlation coefficient between vertical velocity of CG at take off and kinetic variables.

参照

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