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チューリップ球根の肥大特性と外皮発育に関する研究

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(1)

鳥取大砂丘研報 .(Bull,Sand Dune Res, Inst.,Tottori Un .) 13:25-30.1974 (25)

チュー リップ球根の肥大特性 と外皮発育 に関す る研究

竹 内 芳 親 (農学部砂丘利用研究勉設)

Studies on the Characteristics of「

rhickening Crowth and

the Development of Exoderniis of Tulip Bulbs

Yoshichika TAKEUCH

(Sand Dune Rescarch lnstitute,Faculty of Agriculture)

SuIHl】

4ary

The thickening growth of the innermost bulblet and the celi tissuc of the exodermis scale vere observed by the use of the tissue anatomical method.

1. The increase of innermost bulblet weight per day showed threc Pea■ s during 10

途よ

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詩野

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患温

4″

:I者

ttWilliam Pitt".

2. The cen growth of the exodermis scale was in three stages. The first stage is the meristematic Period. It was carly in April on the case of both cuitivars. In the case of both cuitivars, that stage took Place before flowering and before the veight of the innermost bulblet showed θα. 4g. The second stage is the thickening growth period.It

速 .1とご 群 為

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1.ま

え が き チュー リップ球根の肥大特性に関する研究は 吉野(1) によって詳細な報告がされている。またチュー リップ球 根の外皮発育に関する研究は西井 ら(2),筒 井(3),渡 辺 (4)などの報告がある。 著者はチュー リップ球根生産の合理的肥培管理の方法 を確立するための基礎資料を得ん として, とくに球根発 育後期に土中において外皮が裂開する

,い

わゆる圃場裂 皮現象の発生機構を明 らかにするため

,球

根の肥大特性 と外皮細胞の分裂

,肥

大について実験を行なった。

2.実

験材料 および方法 (1)供試品種および種球根 Apcldoorn 種は鳥取市吉岡の水田土壊で生産 された 球根を用い,William Pitt種は京都府竹野郡網野町の 砂丘畑土壊で生産 され,いずれ も球根重量14夕(± 0.5夕) の一枚葉か ら生産された丸球を使用 した。

(2)栽

培法および施肥量 実験圃場は鳥取大学砂丘利用研究施設内の実験圃 (普 通の砂丘畑

)を

使用 した。 施肥量は

,

鳥取地方における基準施肥量

, 10,当

(2)

竹 内 芳 親 11: 8 12: 10 1:10 2:10 3: 12 22 4! 4 16 23 28 5:3 8 13 18 23 28 6:3 10 17 24 71 2 N-23.5彩 , P-30,7K7, K-40.5形 を参考 とし

,合

計 量がこのようになるよう施用 した。 しか し春の追肥につ いては

,種

,施

肥量

,お

よび施肥時期によっては球根 肥大 と裂皮の関係が異 なると思われたので,この実験に ついては2月17日 と3月14日 に硝安化成

(N-15, P一

15J K-12)を

10,当 り20彰ずつ

,お

よび 4月20日に液 肥

(N-10, P-4, K-8)4ゼ

を施用 した。 灌水および薬剤散布などの肥培管理は鳥取地方におけ る基準栽培法にしたが った。 伸

)調

査方法 掘上げ調査は,11月 8日より球根収穫時までの間

,す

なわちApeldoOrnについては1970年 6月10日 までに26 回,Willね m Pittについては7月 2日までに29回行な った。 調査は新球根の中心内仔球を対象 とした。球根の肥大 第1表 球根の発育と外皮細胞の生長(品種Apcldoor=, 特性調査 については, 1回に10個の生体重

,乾

物重

,球

根 の高 さ

,球

根の縦径

,お

よび球根の横径を測定 した。 外皮細胞の発育については, 1回の調査球数10個体を選 び

,75%ア

ル コールに貯蔵 して後日調査 した。細胞の測 定にあた っては

,球

根の最大径付近か ら切片を取 り

,凍

結 ミクロ トームを使用 してプ レパ ラー トを使 った。 この ル パ ラー ト6枚 か ら大 きい細胞を30個選び細胞の縦 と 横の長さを測定 し平均値を求めた。 外皮 における細胞の 分裂期 および 肥大期の 推定は,

HuXleyら

(5)の相対生長の理論により算出推定 した。

3,実

験結果および考察 は ' 球根の発育

Apeldoornの 球根生長量を第 1表 にWillねm Pittの

それを第 2表 に示 した。 この結果を図示 したのが第 5図 である。

1球

根重宣

乾物重 →llR′

触隣

高 さ 径 0 03 0,05 0.27 1 02 1 04 2 07 3.55 4.94 6 20 018 10 32 12.44 12 88 13.37 7.2

57

64

81 125 17 6 32 3 44 2 45 4 49,4 50.1 52 2 52 6 54.2 1.4 4,0 4,3 51

65

81 15 7 25 8 25 8 32.4 37.2 40 3 41.2 44.3 45 4 46.3 46.4 46 4

38

20

27

31

40

53

110 17 8 183 23 7 26 9 29 7 30 6 34 9 33.4 35,1 35 2 37 0 ´ 32 29 29 87 5︲ 54 01 01 89 42 ︲2 ︲9 08 99 72 52 76 37 μ 45 49 52 59 72 76 ︲5 Ю 88 87 09 3︲ 53 80 25 ︲8 2︲ 16 0. 0.02 0.02 0 03 0.10 0.17 0.63 3.23 4 43 4 50 571 10.12 14 58 19.48 23.54 24,27 30 66 32 14 35.49 34.65 34.95 0 02 0 02 0 08 0.51 0,79 0.87 1.19 1 85 331 4 84 6 80 6 74 9,95 9.94 1181 11,71 41

57

66

8.5 148 175 25 7 40.3 42.3 43.1 43 8 50,0 50 6 53.1 54,4 54.5 55 4 57.0 55.5 55.5 55.1

蜘闘

﹁29

26飢

34

4545

5978

79

︲23

︲37

︲00

︲0︲

︲0298

9︲

7878

7457

53

(i)生

体重および乾物重

Apcldoornは

3月22日の調査か ら急速な球根重量の 増加がは じまる。 しか し4月16日か ら4月23日までの期 間は一時停滞 した。 この期間は

,

この品種の開花始め (4月 13日

)か

ら摘花 日 (4月20日

)ま

でのすなわち開 花期 と一致 している。4月23日の調査で再び急激な増加 がはじまるこの期間は1日当りの 平均球根増加量は1.7 多であ った。 この値は全生育期間をつ うじて最高値を示 した。 乾物量の調査では, 4月 4日より急速に増加 しその動 第 2表 球根の発育と外皮細胞の生長(品種William Pitt)

解 1弊

1撃

1.6 4.1 4.1

45

5.3 6.0 183 20,9 21,0 23 6 26.5 354 86.4 37.6 39 4 42 8 43 5 44.7 45.0 44.6

35

48

70

140 16.7 16.4 18.4 23,7 27 0 30 5 32.5 30,9 35.3 86 5 38.0 36.3 37.2

4 5

4 2

4 4

5 0

6 9

7 ︲

9 7

︲ 4 ︲

2 ︲ 5

2 ︲ 2

2 0 2

2 3 5

2 7 0

2 7 6

2 5 ︲

2 3 4

2 2 7

2 4 5

(3)

向は生体重 とほぼ同 じであ った。

William Pittの 球根重量は 4月 4日 の調査か ら急速 に増加が始まり, 4月23日か ら4月28日までは

,そ

の増 加が一時停滞 した。

Apeldoorn同

ようこの品種 も開花 期であ った。

このように Willlam Pittは Apeldoorn種に比 して 約14日間遅れた生育相を示 した。 (ii)球根の縦径および横径 球根の容積増加量を知 るために

,球

根の縦径

,横

径お よび球根の高 さを調査 した。その結果は第 1表 および第 2表 に示すごとく両品種いずれも

,球

根重量 と同 じ動 き を示 した。又その発育相の品種間ずれも同じであった。 Apeldoornは 3月22日の調査か ら生長を始め

,開

花 期に入 るとその生長を一時停止 し開花後再び生長をは じ めた。 William Pittで は4月 4日の調査から急速に増大が 始まり, 4月23日か ら4月28日までの開花期間は球根重 量 と同 じようにその生長を停止 した。摘花 日がすぎると 再び増大を始め6月17日頃まで続いた。両品種 とも球根 の高さの生長は

,球

根縦径

,横

径および球根重量などよ (27) りも約 1週 間早 くその生長を停止 した。 (2)球根肥大 と外皮 りん片細胞の関係

(i)外

皮 りん片細胞の生長 外皮 りん片細胞の生長は両品種いずれ も

,球

根の生長 と同 じ動向をたどり

,最

大 に達 した後は

,球

根 の成育が 進むけれども細胞は収縮をは じめる。 Apeldoornの外皮 りん片細胞は

, 3月

22日より大 き くなりは じめ4月28日最大 値に達する。 この時期の細胞 の大 きさは,287μ X 142μであった。次の 5月 3日の調 査では

,そ

の細胞はすでに収縮をじめており,この収縮 は収穫時まで継続 し

,収

縮の割合は横径の方が大 きか っ た。その結果は第 1図 に示すごとくである。

William Pittで は

, Apeldoornと

同 じように 3月

22日よ り横径

,縦

径 とも急速な増大をは じめる。開花時 はその生長を一時停止 して

,再

び増加をは じめ, 5月18

日に最大値を示 し(細胞の大 きさ285μ X 102 μ

),そ

れ 以後は収縮を始める。その結果は第 2図 に示すごとくで ある。

Apeldooraと Willlam Pittの 外皮 りん片細胞の収縮 割合を比較すれば

, Apeldoornの

方が大 きか った。 チュー リップ球根の肥大特性 と外皮発育に関する研究

η

径   ︵ μ ︶ 12月 第 二図 二月

2月 3月 4月

5月

6月

外皮細胞の生長 と中心内仔球の1日当りの肥大量(品種 Apeldoorn) 7月 球根肥大量

(4)

(28) 竹 内 芳 親 二月

2月

3月

4月 5月 6月 7月

第 2図 外皮細胞の生長量 と中心内仔球 の1日当りの肥大量 (品種 William Pitt) 細 胞 球 根 肥 大 量 か 偽 ︶ の   径   ︵ μ ︶ (11)球根の発育 と外皮 りん片細胞の生長 球根横径を ″(翻

),細

胞の大 きさを ノ(μ

)で

あら わし両対数グラフ上にプロッ トすれば

,両

者の関係は,, Apeldoornで は ノ==22 2″0。C, ==3.72,■・25, ノ=13.71 ″-0.48の 3本 の直線で示 され第 3図(第3表 )の ごとく である。この 3本 の直線は

,

第 1期 (ノ=222″ 0,6)で は4月 4日以前

,第

2期 (プ=3.72″■・23)は4月 4日よ り4月28日までの間, 第 3期 ()=13,71,0・48)は4月 28日以降の 3つ の生育育時期に分 けられ る。 HuXleyら(5)によれば球根肥大期においては

,細

胞分 裂による細胞数の増加 と細胞肥大 による細胞容積の増大 が

,球

根全体 の容積増大に支配的な影響をもたらす もの としている。 従来チュー リップのこの品種については

,第

2期 (細 胞肥大期

)の

始終期が明 らかにされていなか った。 この 結果よ り細胞肥大期は4月 4日頃か ら4月28日頃まで と 細 胞 の 大 き さ ︵ μ ︶ 細 胞 の 大 き さ ︵ μ ︶ 第4図

球 根 の 積 径 (協) 球根の発育と外皮細胞の生長(品種Willねm Pitt) 球根の発育 と外皮細胞の生長(品種Apeldoorn)

(5)

チュー リップ球根の肥大特性 と外皮発育に関する研究 (29)

考え ることが で きる。 また4月28日以降は 外皮 りん片 細胞は収縮するけれども球根全体は肥大す ると考え られ る。 この実験においては,この重要な第 2期 の始期にお ける球根径は

,約

16解

,球

重が約 4′ であ った。

一方William Pittで は前述のApeldoornと 同様に球 根横径 と細胞の大 きさとの関係を求 め

,第

1期 (ノ=18, 29″0,70)は 4月16日以前, 第 2期 ●=6834■・

04)は

4月16日よ り5月18日 の間

,第

3期(プ=70.4■ 0・

98)5

月18日以降の 3期 に分けられ,これを第 4図 (第4表) に示 した。 前述 と同様な理由により第 2期 は細胞肥大の重要な時 期で, 4月16日頃より5月18日頃まで と考えることが出 来 る。 この実験においては

,第

2期 の始期におけるこの品種 の球根径は約18期

,球

根重は約32夕 であった。 外 皮 細 胞 の 大 き さ 含 ︶ 球 根 重 量 お よ び 横 径

121 1月

2月

3月

4月

第 5図 中心内仔球の生長 と外皮細胞の肥大

4.摘

要 砂丘地におけるチュー リップ球根の肥大特性を明らか にするとともに

,外

皮 りん片の細胞を組織解剖的に比較 観察 した。 に

)中

心内仔球の1日当りの重量増大 は

,開

花前10日 頃, と開花後10日頃

,お

よび収穫前15∼20日頃に大 きな ピー クがある。このパターンは Apeldoorn,William Pittの 両品種 とも同 じであった。 (2)外皮 りん片における細胞の生長は 3段 階にわかれ ている。 第 1段 階は細胞の分裂期間で,Apeldoornでは4月上 旬であ り, William Pittで は4月下旬で,この両品種 ともその時期は開花前であり

,中

心内仔球重が4夕前後 の頃であった。 第 2段 階は細胞の肥大期で

, Apeldoornで

は4月上 旬か ら4月下旬の間,WilliamPitとでは4月下旬か ら5 月上旬までの間であ り

,中

心内仔球重が12夕 前後の頃で あ った。 第 3段 階は細胞の収縮期で

,外

皮細胞の木質化が始 ま り

,色

が着 きはじめる。 この時期はApeldoornで は5 月 中旬頃であ り,William Pittで は6月中旬頃であ っ た。 ● ' 外皮 りん片細胞の木質化による収縮が始ま ってか らも

,球

根の肥大は収穫の直前 まで続 いていた。 この二品種間における外皮裂皮強度の差異についての 原 因はこの実験結果か らは明 らかにすることがで きなか ったが

,外

皮 りん片細胞の木質化による収縮 と

,内

部 り ん片の肥大 との関係だけでな く

,外

皮 りん片の木質化す る細胞間の問隙量が関与するものと考え られ る。

(6)

竹 内 芳 親 第3表 球径および外皮細胞の大きさとその増加比(品種Apcld.oo■,) 第 4表 球径および外皮細胞の大 きさとその増加比 (品種 William Pitt) 1月 8日 4月16日 4月16日 5月18目15月18日 r月 2日 存 141.2 141.2 285.01 285.0 245,4 増 加 比 I 1

2.011

0.86 球 径(27t) 2.9 13.4 蜘

1語

ユ 増 加 比 1 6,4 1

i911

参 考 文 献

1.吉

野蕃人:チュー リップ球根生産に関する研究, 島根農科大学附属農場,1986

2.

西井謙治 ,筒井澄―・ 豊日篤治:チュー リップ園場 裂皮に関する研究

,

富山農試砺波園芸分場 研究報告, 1962

3,

衛井 澄:チュー リップ 外皮の 保護に 関す る研 究

j富

山農試砺波園芸分場研究報告

,1966

4.渡

辺俊三 :チュー リップ球根 の外皮組織 と裂開, 農業及園芸38(3):127卜1278.1963

5.Huえ

ley」.■nd J.TeiSSier: Terminology of relat e growth,Niture 137:F80マ31,1986.

明 8日14月4日

14月 4日 6月10日

参照

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