発行日 : 2014/2/13
世界の原油情報がここに凝縮されています。
毎週木曜日午後発行
週刊原油
NY原油価格100ドル超え
12日のNY原油3月限は+0.43ドル高の100.37ドル。米エネルギー情報局(EIA)統計でのガソリン在庫の予想外の減少 や、受渡場所となるオクラホマ州クッシング原油在庫のだぶつき解消などから、期近は一時、昨年10月18日以来の水準へ上昇 した。 3月限は、夜間取引から堅調に推移すると、立会い開始後は一段と上昇。1月の中国の原油輸入量が2カ月連続で過去最高と なったことや、OPEC(石油輸出国機構)が今年の世界石油消費見通しを上方修正したことが好感されるなか、米東部時間午前 10時30分に発表されたEIA統計で、暖房オイルを含む留出油在庫は予想されたほど減少しなかったが、ガソリン在庫が予想外に 減少したことに反応した。 また、クッシング原油在庫が昨年11月1日の週以来の水準へと減少し、引き続き在庫のだぶつきが解消されていることもあ り、期近ベースで昨年10月18日以来となる101.38ドルまで値を伸ばした。ただし、その後は短期的な買われすぎ感などか ら、一転して早めの利益確定を進める動きなどに押されることとなり、上げ幅を縮小した。中国税関総署がこの日発表した1月 の同国原油輸入が月単位で過去最高となったことが好感された。 米気象庁によると、今夜遅くから北東部地域は再び大雪に見舞われ、14日朝までの積雪量はニューヨーク市で最大20センチ メートルが予想されている。海外主要通信社が伝えた。リビア石油省のある高官によると、武装集団によってシャララ油田から ザウィヤ市の西岸港にある貯蔵地域を結ぶパイプラインのバルブが閉じられ、シャララ油田の原油生産が75%減少しているとの こと。 OPECは12日、月例報告を発表し、今年の世界石油需要の成長見通しから加盟国が増産したため、1月は2カ月続けて原油生 産が増加した。1月の加盟12カ国の原油生産高は前月を日量2万8000バレル上回る2971万バレル。サウジアラビアは日量 963万バレルと前月の974万バレルから減少したが、リビアは51万バレルと前月の24万バレルから倍増した。一方、2014の 世界石油消費高見通しは前年比1.2%(日量109万バレル)上回る9098万バレルと、前月見通しから4万5000バレル上方修正 された。また、今年の非OPEC加盟国の原油生産高は前年比で日量129万バレル増の5543万バレルの見込み。海外主要通信社 が伝えた。 EIAが12日発表した2月7日までの週間石油統計は以下の通り。事前予想は、原油在庫が前週比260万バレル増加、ガソリンが 10万バレル増加、留出油が213万バレル減少だった。 前週比 原油 3億6135万2000バレル +326万7000バレル増加 ガソリン 2億3309万8000バレル ▲185万3000バレル減少 留出油 1億1306万3000バレル ▲73万1000バレル減少 ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油受け渡し場所となるオクラホマ州クッシング原油在庫は3760万 3000バレルと、前週比▲267万3000バレル減少した。(日本先物情報ネットワーク)TOPICs
南北アメリカ大陸は、石油と天然ガスの貿易にとって重要な市場となっている
by
EIA
1月
20日
北米、中米、カリブ海、南米をまとめてアメリカとすれば、世界の石油と天然ガスの貿易にはアメリカは大きな割合を占めて いる。
1月20日発行されたEIAのLiquid Fuel and Natural Gas reportは、アメリカの過去10年間のエネルギー傾向と資源開発につ いて検証している。このレポートは石油と天然ガスに焦点を当て、生産消費、貿易、投資の面でこの地域は規模と重要性が際 立っていることを示している。レポートはこの地域全体をとらえて、他の世界との関係を探り、エネルギー生産と消費について 国ごとにデータに基づき分析している。その主要な結論は以下である。 欧州 アジア太平洋 アフリカ 旧ソ連邦 アメリカ 中近東 アメリカ 旧ソ連邦 アジア太平洋 中近東 アフリカ 欧州 ドライ天然ガス(兆立方フィー ト) 石油(日量百万バレル) 石油とドライ天然ガスの地域別生産量(03年~12年) ★ 2003年~2012年までに、米国はこの地域の他の国から 原油を輸入していた。主にカナダとメキシコ及びベネズエラであ る。平均日量501万バレルの輸入量であた。これらの数量は、米 国の生産が増加し続け、中国やインドへの輸出が始まると米国の輸 入量は減少する。 ★ 米国は2012年にはこの地域の国々に対して日量200万バ レルの石油製品を輸出していた。主にカナダとメキシコ向けであっ た。2003年には米国のこの地域への石油製品輸出は日量60万バ レルであった。 ★ アメリカ地域における炭化水素資源の抽出、開発、商業化 は、ひとえに外国投資に対する国家政策に関わってくるだろう。メ キシコは、最近エネルギー分野に対する外国の民間投資を認めるエ ネルギー政策に切り替えたが、他の国と共同開発をも目指してお り、たとえばカナダ、ブラジル、コロンビア、米穀等とのジョイン トベンチャーを考慮に入れている。 ★ この地域に対するアジアの投資はこの5年で拡大しており、 ことに中国の国営石油公社は原油と石油精製設備等の具体的な施設 への投資を行っている。 ★ アメリカは世界の天然ガス貿易の2割を占め、6兆立方 フィートの輸出入を行っている。天然ガスの貿易の8割はパイプラ インによるもので、隣国に送られ、残りがLNGの形で取引されて いる。EIAはアメリカからのLNGの輸出が増加すると予想し、こと に米国からの輸出が増えると見ている。LNG輸出ターミナルは、 パナマ運河の拡張にともなって追加され、右の地図で示されるよう な場所に建設される。 ★ 2012年にアメリカ諸国 は、世界で二番目に大きい石油 の生産者であり、消費者であっ た。また世界最大の天然ガスの 生産者であり、消費者であっ た。この地域の資源と埋蔵量を 調べると、アメリカは引き続き 石油と天然ガスの生産を将来に わたって増加させて行くだろ う。 ★ 原油と石油製品のアメリ カ域内貿易は、この地域の全貿 易量の大半を占める。 稼働中液化施設 建設中液化施設 計画中液化施設 稼働中再ガス化施設 建設中再ガス化施設 アメリカにおける液化プロジェクトと再ガス化プロジェ クト
TOPICs
EIA Short Terms Energy Outlook 2014年1月号より
★ EIAは、非OPEC諸国からの原油生産量は、2014年に日量+190万バレルと史上最大の伸びとなると予想している。 OPEC諸国の原油生産量は2014年に日量▲50万バレル減産すると予測され、いくつかのOPEC諸国は非OPEC諸国の増産に 対応するため減産を余儀なくされるものと思われる。 ★ こうした減産によりOPECの余剰生産能力は、2013年の日量220万バレルから日量270万バレルに増加する。 ★ OPECに求められる原油の生産量(世界の需要-非OPEC諸国の生産量-OPEC諸国の非原油生産量)、2013年の 3040万バレルから2014年は2960万バレルに減少すると予想する。 ★ 2015年にはEIAは非OPEC諸国からの供給量は日量+150万バレルの伸びとなり、世界の需要の伸びの+140万バレ ルをわずかに上回る。 ★ 2015年にOPECに求められる原油の生産量は、OPEC諸国の非原油生産量が+10万バレル増加するため、▲20万バ レルとなるだろう。リビア、イラク、アンゴラ等いくつかのOPEC諸国は減産を余儀なくされる。 ★ 2015年の余剰生産能力は、日量平均370万バレルに達するだろう。 ★ EIAは世界の予期せぬ生産障害は2013年には前年より70万バレル多い日量260万バレルあった。そのうちOPEC諸国 の増産により180万バレルはカバーされた。2013年末の生産障害量は日量310万バレルに達している。2014年初めの生産 障害量もほぼ同様な数字である。生産障害が生じている国では、ほとんど解決の見込みが立っていないので、今後の需給にど の程度影響するかは未知数である。世界の原油供給量
世界の原油需要量
★ EIAは2013年の世界の原油需要は、前年比+日量120万バレル増加したと予測している。2013年下半期の世界の原 油需要量は日量9100万バレルを超えている。 ★ EIAは2014年の世界の需要量は、前年比+日量120万バレル、2015年は前年比日量+140万バレル増となり、 2015年半ばまでには日量9300万バレルに達すると見ている。 ★ OECD諸国以外の国で、ほとんどすべての需要増は生じるだろう。非OECD諸国の需要は2014年は前年比日量+130 万バレル、2015年は+140万バレルと推定する。中国は単独で最大の需要増加国で、2014年は+40万バレル増、2015年 は+43万バレル増となる。中国の石油需要の増加率は2012年以前よりはなだらかになっており、GDP成長率が9%を超えて いた2009年~11年にかけては平均年+79万バレル増であった。 ★ 一方で、EIAはOECD諸国の需要は2014年は前年比日量+10万バレル、2015年はフラットと見込んでいる。こうし た需要の減退は主に日本と欧州で起きる。日本の石油消費量は2014年に年間日量▲12万バレル減となり、2015年には▲ 17万バレル減となるだろう。日本は発電エネルギーとして天然ガスの利用を進め、原子力も一部復旧するであろう。 ★ EIAは欧州の需要は2014年▲10万バレル、2015年は▲5万バレルと見込んでいる。非OPECからの供給
★ EIAは、非OPECからの2013年の供給量は日量+140万バレル増加し、年末までに5500万バレルを超えたと思ってい る。 ★ 非OPECからの供給は2014年には日量+190万バレル、2015年は日量150万バレル増となり、2015年半ばまでに 5800万バレルを超えるだろう。北米が非OPECからの原油供給増加の大きな部分を占める。★ EIAは、今後2年間の米国とカナダの生産量はそれぞれ年平均+98万バレル、+25万バレル増加すると見ている。 ★ 今後2年間のブラジルの生産量は、深海油田が寄与して年平均+15万バレル増となる。 ★ 今後2年間のカザフスタンの生産量は、年平均+13万バレルであるが、本格的な生産増は2015年以降である。
予期せぬ生産障害
★ 非OPEC諸国の予期せぬ生産障害は、2013年には平均日量▲80万バレルであった。2012年の▲90万バレルから少 し減ったが、2011年の▲50万バレルよりは多い。2013年の最後の2か月の生産障害は平均日量▲60万バレルで、南スーダ ン、シリア、イエメンによるものが7割を占めている。 ★ シリアとイエメンは、今後2年間にわたって引き続き解決せず、非OPEC諸国の生産障害の大半を占めるだろう。南スー ダンの生産障害は、2013年に減少し、第1四半期は▲33万バレルであったが、第4四半期には▲10万バレルまで改善してい る。しかし、2013年n12月後半に南アフリカでは武闘がエスカレートして▲5万バレルほどの追加の生産障害を引き起こし ている。 ★ EIAは、OPECの原油生産は2013年は前年比日量▲90万バレルの日量平均3000万バレルだったと推定している。主 にリビア、ナイジェリア、イラクにおける生産減少による。2014年には日量▲50万バレル減少すると予測している。これは サウジアラビアを筆頭として2014年には非OPECの増産に対応して生産調整を行うためである。2015年のOPEC諸国の生 産量は2014年の水準に近いと推定しているが、主要OPEC諸国は減産を続け、リビアの生産が回復し、イラクやアンゴラも 増産するだろう。 ★ 2013年のOPEC諸国の生産障害は、180万バレルであった。前年のほぼ倍である。OPECの生産障害は2013年下半 期に増加して▲250万バレルに達している。これは主にリビアの減産によるものである。2014年年初にはOPECの生産障害 はまだ増加傾向にあり、今後の見通しを不透明にしている。 ★ OPECの余剰生産能力は2013年には前年比10万バレル増の日量220万バレルとなっているが、それでも過去3年間 (2010年~12年)の平均余剰生産能力よりは▲90万バレル少ない。 ★ OPECの余剰生産能力は2014年に270万バレル、2015年には370万バレルに拡大するだろう。 ★ これらの余剰生産能力には現在米欧による経済封鎖により稼働を止めているイランの生産能力は含んでいない。 ★ EIAは、OECDの民間石油在庫は2013年末で26億バレルあり、供給の56日分と推定している。また2014年末と 2015年末も同様に26億バレルであると推定している。原油価格
★ ブレント原油価格は2013年12月までの6か月間の平均は108ドル~112ドル/バレルであった。EIAはブレント原油価 格は非OPEC諸国からの供給増が需要増を上回るため下落すると見ている。ブレント原油価格は2014年と2015年にはそれぞ れ、105ドル平均、102ドル平均になると予測する。 ★ WTI原油価格は、9月の平均106ドル/バレルから11月には94ドルに下落している。しかし12月の平均は98ドルだっ た。EIAは2014年のWTI原油価格は平均93ドル、2015年は平均90ドルと見ている。WTIはブレント原油価格よりも2012年 には▲18ドル安く、2013年7月には▲4ドルになった。2013年の第4四半期の平均は▲12ドルとなっている。2014年の WTIとブレント原油の差は▲12ドル、と見ている。OPECの供給
OECD石油在庫
株式会社コモディティー インテリジェンス4東京都中央区日本橋蛎殼 町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: [email protected] 発行元 : 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作成・表示 したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありませ ん。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正・加 工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情などの影響により、その価値を増大または減少するこ ともあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が発生した 場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。 以上の点をご了承の上、ご利用ください。 原油価格は、先行きの需給が非OPEC諸国からの供給量が世界の需要の増加量を上回ることから、弱含みとなるとEIAは見て いる。非OPEC諸国の原油供給が増加すれば、必然的にOPECの原油生産量は頭打ちとなる。経済的に余裕があった以前であれ ば、OPEC諸国は足並みをそろえて減産を行うところであるが、すでに予算化されて原油以外の収入に乏しい湾岸諸国は、原油 生産の減少による国家歳入の減少には耐えられなくなっている。そのため、サウジアラビアくらいしか、減産を行う余裕のある 国はなく、イランのようにできれば増産したい国ばかりであろう。リビア等生産障害がある国も、いずれ内乱がおさまれば為政 者がまず目指すのは原油生産の正常化による国家歳入の確保であろう。そうした点が以前のOPEC諸国とは異なる家庭の事情で あろう。逆に米国など原油を増産している国の生産は民間企業の論理に支えられており、原油価格が異常に下がれば、新興の弱 小資本油田は生産を制限せざるをえなくなる。 そうした価格メカニズムが成立すれば、上値は重く、かつ、下値にも限界があるというのが原油価格であろう。 従って当分80ドル~110ドルの間で原油価格は動くと予想する。 ★ 先月の短期予測ではブレント価格の差は9ドルであり、今回12ドルと拡大させた。これは以下の事情による。 ★ パイプラインが敷設される前までは、米国南部で生産されるたとえばルイジアナスイートのような軽質油は過去二年間 はブレント価格より高く設定されていた。北部の石油精製施設では、南部から輸送する軽質油を使うより、海外からブレント 原油を輸入して精製したほうが安くついた。しかし、パイプラインの開通により、北部で生産されるシェールオイルは南部に 運ばれ、南部の軽質油も北部での利用が進み、南部の軽質油はブレント原油に対してディスカウントになっているためであ る。 ★ EIAはこうしたメキシコ湾岸の安い軽質油価格はWTI価格となり、ブレント価格よりも更に安くなると見ている。南部の 軽質油は、WTI価格+パイプライン輸送コストで北部の精油所に運ばれ、さらにインフラが整えば、国際的な原油価格であるブ レントやドバイ価格よりもWTI価格は大きなディスカウントのまま2015年も推移すると見ている。 ★ エネルギー価格は非常に不透明であるので、予想価格と先物価格は一致しないことはしばしばある。2014年4月渡しの WTI先物価格は1月2日までの5日間の価格は平均98ドルであった。インプライドボラティリティーは16%であり、95%確実 ラインは86ドル~113ドルである。昨年同時期の4月渡し価格は93ドルであり、95%確実ラインは74ドルから117ドルで あった。