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3913 東証マザーズ
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2016 年 9 月 30 日 (金)
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企業調査レポート
執筆 客員アナリスト
山田 秀樹
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Company Research and Analysis Report FISCO Ltd. http://www.fisco.co.jp
伪
IoT ネット接続技術でスマートホーム、 セキュリティ分野
などに注力
sMedio<3913> は、 パーソナルコンピューターやスマートデバイス、 TV、 その他ポータブル 機器に対する組込みソフトウェアの開発会社である。 2007 年 3 月 (前身のビデェイス株式会 社) の設立当初はソフトウェア開発 ・ 販売による収益が主体であったが、 現在はライセンス 収入主体の事業になっている。 2016 年 8 月発表の成長戦略で、 同社は事業領域の見直しを行った。 従来は、 一般家庭 用のデジタル家電を中心とした BtoBtoC (直接の顧客は機器 ・ OS メーカーや通信事業者な どで、 エンドユーザーは一般消費者) の戦略の色合いが強かった。 しかし、 今回の見直し により、 同社の強みとする 1) ワイヤレス接続の技術、 2) セキュリティ関係技術、 を軸として、 周辺のソリューションを直接の顧客に訴求する BtoB を含めた戦略 (既存の BtoBtoC も継続 する) にシフトする。 これに伴い、 それぞれの技術に対応したカンパニーと先端技術研究の 2 カンパニー ・ 1 研究グループの体制を採用することとしている。 また、 米国、 中国などに海 外子会社を設立するなど、 海外取引を積極的に展開しており、 海外売上高比率は約 40 ~ 50% である。 2016 年 12 月期第 2 四半期の連結業績は売上高 689 百万円 (期初予想比 108.5%)、 営 業利益 154 百万円 (同 533.2%)、 経常利益 -1 百万円 (期初予想から 25 百万円の悪化) であった。 売上高が期初予想を上回ったのは、 海外向けの売上が想定を上回ったこと、 AI、 顔認識技術の受託開発案件を獲得できたこと、 などによるものである。 営業利益が期初予想 を上回ったのは、 上記の売上高の拡大と外注費などの経費削減によるものである。 営業利 益の拡大に対し経常利益が悪化した要因は、 期初以降の円高による外貨預金 (主に米ドル) の為替差損 (-157 百万円) によるものである。 同社によると、 2016 年 7 月に発表したタオ ソフトウエアの買収手続きが完了するのが、 2016 年 9 月になることを理由に、 2016 年 12 月 期通期予想は年度当初 (売上高 1,219 百万円、 営業利益 53 百万円、 経常利益 44 百万円) のままとしている。伪
Check Point
・ 2 つの中核技術に対応した事業体制を今後推進する ・ ライセンス収入主体の収益モデル、 AI や顔認識技術の収益拡大も ・ 19/12 期は最大で売上高 25 億円、 営業利益 6.8 億円が目標sMedio
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会社概要
2 つの中核技術に対応した事業体制を今後推進する
(1) 沿革 同社は、 PC やスマートデバイスへ向けて最先端のソフトウェアを高い競争力で提供するこ とを目的として、 2007 年 3 月に前身のビデェイス株式会社として創業した。 以来、 ストリーミ ング、 デジタルメディア再生、 クラウドサービス、 ワイヤレス接続関連技術開発を行ってきて いる。 創業当初から台湾、 上海などのアジアに開発拠点を置き、 米国始め世界の市場へ拡販し ていく体制を構築している。 沿革 年月 沿革 2007年 3月 ソフトウェア開発、 販売を目的としてビデェイス株式会社を東京都港区南麻布に設立 (資 本金 500 千円)2007年 5月 台湾に開発拠点となる子会社 VideAce Technology Co. を設立
2007年11月 本社を東京都港区新橋へ移転
2008年 3月 上海に完全子会社の開発拠点 VideAce Technology Inc. (現社名 sMedio Technology (Shanghai)Inc.) を設立
2009年 1月 台湾の Rolltech Technology Co. Ltd の株式を段階的に取得し、 約 95% 株式を取得し子会 社化
2009年 9月 ロールテック株式会社に商号変更
2010年 4月 本社を東京都中央区日本橋本町へ移転
2010年 8月 株式会社 sMedio に商号変更
2011年 7月 sMedio Technology (Shanghai) Inc. が中国成都に支店開設
2011年10月 米国カリフォルニア州に完全子会社 sMedio America Inc. を設立
2012年 2月 米国において Syncable 事業を取得 2013年 3月 台湾台北市に支店を開設、 スマートデバイス部門の一部保守メンテナンスサービスを開始 2015年 3月 東京証券取引所マザーズに株式を上場 2015年 6月 ( 株 ) 情報スペース (岡山) を 100% 子会社化。 スマートフォンデータのバックアップサービ ス提供 2015年 8月 ( 株 ) ブイログを設立。 クラウド型のネットワークカメラ ・ 見守りサービスを開始 2016年 9月 Android ソフト開発に実績のあるタオソフトウェア ( 株 ) を 100% 子会社化 出所 : 会社資料よりフィスコ作成
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(2) 事業内容 同社は、 「巨大に成長する IoT 市場の中で、 ネットワーク技術及びセキュリティ分野に注力 する」 (2016 年 8 月発表の成長戦略より) としている。 近年、 IoT を対象市場とした企業は 多いが、 後述する同社の中核技術が応用できる分野に特化して、 具体的に事業領域を定義 している。 同社の IoT 市場の定義では、 「2020 年には全世界で 500 億個のデバイスがインターネット につながる。 国内市場も 16.9% の成長率で、 2020 年にはユーザー支出額が 13.8 兆円に達 する見込み。」 としている。 そのなかで、 同社が応用する中核技術とは、 同社保有の Media 処理技術 / 無線通信技術 と著作権保護 / 認証技術であり、 大別すると、 前者はワイヤレス接続技術に、 後者はセキュ リティ&プライバシー技術となる。 これらの保有技術に磨きをかけて、 IoT 社会に必要な無線 接続とセキュリティ分野でのリーディングカンパニーを目指す、 としている。 sMedio の今後の展開 出所 : 会社資料より そして、 この 2 つの中核技術に対応した事業体制 (カンパニー制) を今後推進するとして いる。 a) IoT コネクティビティ事業 (ワイヤレスコネクティビティカンパニー) PC、 スマートフォン、 ウェアラブル端末、 TV、 ホーム機器などを、 Gateway ルーターを介 して無線接続する技術を応用した事業である。 Bluetooth と Wi-Fi など規格の異なる機器間で も相互接続を可能とする。sMedio IoT Device Gateway Solution
出所 : 会社資料より
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ここでは、 スマートフォンから VLOG のネットワークカメラを介して、 家庭内や店舗内の映像 を見ながら、 IoT デバイス搭載機器のリモートコントロールを可能とする VLOG サービスによ るスマートホーム IoT ソリューションなども提供している。 VLOG サービスによるスマートホーム IoT ソリューション 出所 : 会社資料よりb) IoT セキュリティ & プライバシー事業 (セキュリティ & プライバシーカンパニー)
子会社のタオソフトウエアが提供するスマートフォン向けのセキュリティソリューションと、 同じく子会社の情報スペースが提供するクラウドデータバックアップが主体の事業である。 「RiskFinder (Android アプリの脆弱性を検知し、 不正アクセスから防御するプライバシー保護 セキュリティソフト)」 などのソリューションを提供している。 近年、 スマートフォンアプリの脆弱 性を狙った個人情報漏洩事件が多発しており、 セキュリティ対策として市場の需要は高いと思 われる。 その他、 個人情報データのバックアップ及び複数機器間でのデータ同期ソリューショ ンなども提供している。 セキュリティソリューション 出所 : 会社資料より
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c) 先端技術研究グループ 前記 2 つのカンパニーに加え、 グループ間にまたがった開発者で構成する先端技術研究 グループを発足させ、 まずは、 AI (人工知能) を応用した事業領域に注力した研究を行うと している。 同社によると、 人工知能関連産業の市場規模予想では、 2015 年の 3 兆 7,450 億 円から 2030 年で約 87 兆円に達する。 そして、 顔認証可能なデバイスとそのライセンス件数 は 2015 年の 2,850 万件から、 2024 年には 1 億 2,850 万件に達する。 具体的な研究分野は、 コグニティブ (知覚認識) のソフトウェアソリューション (顔認証 + 機械学習) で、顔認識エンジンの開発を開始している。 応用分野は、セキュリティ、モバイル、 監視分野である。 AI を応用した顔認識エンジン SDK 出所 : 会社資料より伪
2016 年 12 月期第 2 四半期決算と通期予想
海外向け売上、 新規事業受託などで売上高 ・ 営業利益は順調
に拡大
2016 年第 2 四半期決算 ・ 通期見込 (単位 : 百万円、 %) 15/12 期 16/12 期 第 2 四半期累計 通期 第 2 四半期累計 通期 ( 予想 ) 売上高 643 1,196 689 1,219 前期比 ・ 前年同期比 - 22.2% 7.2% 1.9% 進捗率 53.8% - 56.6% - 営業利益 142 153 154 53 前期比 ・ 前年同期比 - -22.8% 8.6% -64.9% 進捗率 92.8% - 291.7% - 経常利益 155 144 -1 44 前期比 ・ 前年同期比 - -52.4% - -69.0% 進捗率 107.3% - - - 出所 : 短信等からフィスコ作成 注 : 四半期決算開示は 14/12 期第 3 四半期より ■会社概要sMedio
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8 月 10 日発表の 2016 年 12 月期第 2 四半期連結決算の業績は、 売上高 689 百万円 (前 年同期比 7.2% 増)、 営業利益 154 百万円 (同 8.6% 増)、 経常利益 -1 百万円 (前年同期は 155 百万円) であった。 売上高については、 海外向けの売上が堅調であったこと、 及び AI、 顔認識技術の受託開 発案件を獲得できたこと、 などにより前年を上回った。 営業利益についても、 売上高の拡大 と外注費などの経費削減により、 前年を上回った。 一方、 営業利益の拡大に対し経常利益 が悪化した要因は、期初以降の円高による外貨預金 (主に米ドル) の為替差損 (-157 百万円) によるものである。 為替リスクの状況詳細については後述する。 2016 年 12 月期通期予想は年度当初と同じで、売上高 1,219 百万円、営業利益 53 百万円、 経常利益 44 百万円を見込んでいる。 第 2 四半期時点で当初年間の営業利益を大幅に上回 りながら、 年間見込みの営業利益を修正していない。伪
収益区分別の売上高 ・ 構成比
ライセンス収入主体の収益モデル、 AI や顔認識技術の収益拡大も
収益区分別の売上高 ・ 構成比 (単位 : 百万円、 %) 2014 年 12 月期 2015 年 12 月期 2015 年 第 2 四半期 2016 年 第 2 四半期 売上高 構成比 売上高 前期比 構成比 売上高 構成比 売上高 前年 同期比 構成比 ライセンス ・ ロイヤリティ収入 877 89.6% 1,011 15.2% 84.5% 573 89.1% 513 -10.6% 74.4% 保守サービス サポート収入 88 9.0% 75 -15.1% 6.3% 41 6.5% 16 -59.2% 2.5% 受託開発収入 13 1.4% 110 720.3% 9.2% 28 4.4% 159 461.8% 23.2% 全社合計 979 100.0% 1,196 22.2% 100.0% 643 100.0% 689 7.2% 100.0% 出所 : 短信等からフィスコ作成 同社は、 収益区分別の売上高を情報開示している。 ソリューション別などの事業区分や区 分別の損益などの情報開示については今後の課題と考えられる。 (1) ライセンス ・ ロイヤリティ収入 同社の主軸となるライセンス ・ ロイヤリティによる収入。 同社の開発技術による特許権 ・ 著 作権を有した組込みソフトウェアが、 顧客の販売した機器 ・ OSなどに搭載されている場合に、 顧客から得られる使用料である。 顧客から一定期間 (四半期単位) ごとに、 出荷実績報告 に基づいて支払われる。 対象となる機器 ・ OSのライセンス数が順調に伸長しており、 同社 の収益性を確保する重要かつ安定した収入源。 米国 Microsoft 社など海外比率が 5 割程度 となっている。sMedio
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為替リスクの状況
保有外貨残高の圧縮で今後のリスクは軽微に
同社のロイヤリティ収入のおおむね 5 割が米ドル建の入金である。 一方で、 取引先への米 ドル建の支払ロイヤリティも全支出の 2 ~ 3 割程度あり、 外貨建現預金について従来は円転 を急ぐ必要はなかった。 もともと、 ロイヤリティは出荷実績とその報告書に応じて収支が確定 するものであり、 一般的な受発注取引とは違い、 為替予約などのリスクヘッジ効果も限定さ れるためである。 しかし、 2016 年 12 月期第 2 四半期は年初以降の円高 (2015 年 12 月末 120.37 円に対し、 2016 年 6 月末 102.86 円) の影響で、 大幅な為替差損が発生し営業利益 が丸々相殺されてしまい、 若干の経常損失となった。 ■収益区分別の売上高 ・ 構成比sMedio
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㻝㻡㻠 㻙㻝㻡㻣 㻞 㻙㻝 㻞㻠 㻙㻞㻜㻜 㻙㻝㻡㻜 㻙㻝㻜㻜 㻙㻡㻜 㻜 㻡㻜 㻝㻜㻜 㻝㻡㻜 㻞㻜㻜 営業利益 (実績) 為替差損 その他 経常利益 (実績) 経常利益 (期初予想) (百万円) 㻞㻜㻝㻢年第㻞四半期の為替差損と経常利益 出所 : 同社決算説明資料よりフィスコ作成 今後、 為替レートの変動が円高 ・ 円安いずれの方向に振れるかは予測困難であるが、 同 社では外貨預金残高、 特に米ドルの保有率を引き下げる方向で一定のリスク回避が可能と みている。 2016 年 7 月末時点では、 米ドルの残高は 2015 年 12 月末比の約 3 分の 1 (約 3 億円相当。 全預金残高の 26.9%) と大幅に圧縮した。 また、 今後展開する新規事業につい ては基本的に国内向けで、 国内実績を積んでから海外へ展開する、 という方針である。伪
資産 ・ 負債 ・ 資本の状況
高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフロー
2016 年 12 月期第 2 四半期末で同社の自己資本比率は 83.3% となっている。内部留保が厚く、 総資産のうち約 8 割が現預金残高でキャッシュフローも潤沢である。 ロイヤリティ収入が主体 のため、 売掛金残高も比較的少ない。 今後、 新規事業開発に注力することで、 M&Aによる 投資や受託開発部分の売掛金の増加も想定されるが、 全体のバランスシート上では影響は 軽微と思われる。伪
人材採用状況
2016 年 8 月現在で人材採用活動は行っていない。 現時点では、 特に人材の過不足につ いては発生していない。 基本的に、 少数精鋭の技術者によって自主開発による技術力を社 内に蓄積し、 それを応用したソリューションを展開していく方針である。 必要に応じて M&A な ども行うが、 人材採用については慎重である。sMedio
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中期計画 (2019 年まで)
19/12 期は最大で売上高 25 億円、 営業利益 6.8 億円が目標
2019 年までの中期計画では、2019 年で売上高 20 億円~ 25 億円、営業利益 5.4 億円~ 6.8 億円を目標としている。 指標値に幅を持たせているのは、 市場環境の変化のスピードが速く、 不確定要素が多いためである。 なお、 当面は 1 部上場、 配当について予定はない。 中期計画 (2019 年まで) 出所 : 会社資料より株式会社フィスコ ( 以下「フィスコ」という ) は株価情報および指数情報の利用について東京証券取引所・ 大阪取引所・日本経済新聞社の承諾のもと提供しています。 “JASDAQ INDEX” の指数値及び商標は、 株式会社東京証券取引所の知的財産であり一切の権利は同社に帰属します。 本レポートはフィスコが信頼できると判断した情報をもとにフィスコが作成 ・ 表示したものですが、 その 内容及び情報の正確性、 完全性、 適時性や、 本レポートに記載された企業の発行する有価証券の価値 を保証または承認するものではありません。 本レポートは目的のいかんを問わず、 投資者の判断と責任 において使用されるようお願い致します。 本レポートを使用した結果について、 フィスコはいかなる責任を 負うものではありません。 また、 本レポートは、 あくまで情報提供を目的としたものであり、 投資その他 の行動を勧誘するものではありません。 本レポートは、 対象となる企業の依頼に基づき、 企業との電話取材等を通じて当該企業より情報提供 を受けていますが、 本レポートに含まれる仮説や結論その他全ての内容はフィスコの分析によるもので す。 本レポートに記載された内容は、 資料作成時点におけるものであり、 予告なく変更する場合があり ます。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はフィスコに帰属し、 事前にフィスコへの書面による承 諾を得ることなく本資料およびその複製物に修正 ・ 加工することは堅く禁じられています。 また、 本資料 およびその複製物を送信、 複製および配布 ・ 譲渡することは堅く禁じられています。 投資対象および銘柄の選択、 売買価格などの投資にかかる最終決定は、 お客様ご自身の判断でなさ るようにお願いします。 以上の点をご了承の上、 ご利用ください。 株式会社フィスコ