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平面作品における表現空間
教科・領域教育専攻 芸術系コース(美術) 土 井 麻 利 江作品の要旨
Iはじめに 学部,大学院での制作活動を通して,日本 画,油絵,彫刻,デザインといったジャンルの 固定概念に捉われない作品制作を行って来た。 素材や技法が変化しても,作品制作において, 共通している普遍的な概念を追及してきたとも 言える。素材や技法は様々に変化したが,空間 表現と,そこに内在する概念の可能性について は,一貫して追求してきた。空間表現とその内 在性という概念は,デ、ッザンにおける,主体と 客体の認識から始まり,学部時代の日本画の表 現から,空間重視の構図を学び,それを半立 体作品に転嫁させた作品制作へと推移していっ た。修了制作においても空間表現における作品 が,制作者(自身)鑑賞者という,作品から 見て“他者"という位置づけから見た場合,空間 表現への意識がどの様に平面作品と関連して いるのかという考察を継続して行っているこ とから,制作の主題を「平面作品における表 現空間」とし,作品の区分としては,半立体 作品を制作した。具体的には,長方形の合板 を重ね合わせて,厚みをつけた支持体(表面) の任意の範囲を挟り,なだらかな凹みを造る。 その支持体の表面を,凹面と平面部の境界線が 限りなく無くなるように滑らかに仕上げた。こ の作品の展示方法を壁掛け,或いは,壁に平行 して自立させる形式にすることで,平面作品と 立体作品の間という意味合いで,半立体作品と 指導教員 鈴 木 久 人 呼称している。次に,修了制作に取り組むに当 たって,主題の「平面作品における表現空間」 という概念について3つの観点からもう少し詳 細に述べたいと思う。 II I平面作品における表現空間」について 1 まずlつ日は「平面作品における表現空間」 と言えば,字面だけ見ると平面作品の特性であ る平面性を意図しつつ,表現方法に"空間"を用 いているという"矛盾"を字んでいる。その意図 としては,完全に平面的とも,完全に立体的と も分類されない表現を行うということである。 「平面作品における表現空間」を主題とした半 立体作品の表面は,一見すると,実際に凹んで いる物質を支持体として使用しているのか,凹 んでいる様に見える影を 表面に描いているだ けなのかが判別しづらい。そういった,絵画と しての2次元の表現か,立体としての3次元の表 現なのかが判断しづらい空闘を表現すること で,具体的な色や形では表現しきれない高次の 抽象的イメージの表出を試みている。2
そして.I
平面作品における表現空間」の 2つ自の観点は. 1-1で述べた様な,平面的で ありながら,立体的でもあるという“矛盾"を作 品に取り入れることにより,平面作品の平面性 とはどの様な事柄をいうのかという概念を浮彫 にするということである。その事を考えるには まず、我々の視覚的機能がどの様に平面作品を 認知しているのかという事に目を向けてみなく (1枚目)− 346 − てはならないだろう。我々の視覚は眼で捉えた 対象を網膜に焼き付ける事で,