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冷媒R-22の水平管内凝縮熱伝達

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u.D.C.53る.24:d21.57.044

冷媒R_22の水平管内凝縮熱伝達

CondensingHeat

Transfer

ofRefrigerant

R-22inside

HorizontalTubes

男*

夫*

Kimi。Matsumura Hideo Uzuhasbi

小形空調機の一つであるルームクーラにほ,冷媒操縦語注として一柳こフィン付パイプの多管式熱交換器が使 用される。効率のよい凝縦器を設計するた捌こは,空気側と冷蚊側の熱伝達特性を十分には超しておく必要が ある。しかるに後者の冷媒凝縮熱伝達についてほ文献も少なく正確な値が知らカ1ていない。本報告は水平管内 で冷媒R-22が凝縮液化するときの熱伝達を実験的に求めたものである。

1.緒

ロ ルームクーラに使用されている凝縮器は,直径が8∼16mmの水 、帽;内部の冷媒とパイプ外に取F)付けたフィンの間を流れる空気と の間に熱交換を行なわせ,内部の冷媒ガスを冷却して凝縮させる作 用をするものである。 すでに報告した「ルームクーラ用フィン形熱交換器+(1)において は空克とフィンとの熱伝達に関する実験を行ない,また「フィン形 熱交換器の熱貫流率の解析+(2)でほ熱交換器の性能に及ぼす種々の 閃子について熱貫流率の見地から検討を加えた。そしてその際冷媒 とパイプ内壁との間の熱伝達については測定技術の上から不明の点 が多いことを述べた。 冷媒の凝縮熱伝達に関する文献ほ少なく,Nusselt(3),Jakob(4), Rohsenow(5)などにより行なわれている理論的考察はほとんど中也 管内外の凝縮状態についてのものであり,しかも冷媒ガスの速度が きわめて小さく凝縮した液膜とガスとの間に摩擦が生じないという 仮定を設けている。またChaddock(6-,Chato(7)らほ水平管内の冷 媒の凝縮に関して水と空気の二柏流のデータをもとにして解析を行 ない,Potter(8)は水平円管内における冷媒R-12の凝縮熱伝達率の 実験値を報告しているがいずれも流速が非常に低いところのもので ある。 本報告ほ冷媒R-22が小径の水平管「ノづをルームクーラの凝縮器の 使用条件に近い状態で凝締して流れているときの熱伝達率を実測し たものである。

2.冷媒の凝縮

ルームクーラの凝縮器は第1図のような外観をしており,パイプ 内を流れる冷媒と,表面のフィンの問を流れる空気との問で熱交換 を行なう構造になっている。この凝縮器ほパイプ内径7・1mm,水平 長さ350mm,延べ水平管段数48本,パイプ肉厚1.Ommの寸法を 有している。 第2図は圧縮機から出た高温高圧の冷媒R-22ガスが凝縮器内で 冷却凝縮し完全に液化するまでの冷媒状態図を示すものである。第 2図において④点は圧縮機の出口における冷媒状態を示し過熱状態 ⑳で凝縮器にほいる。冷却されて⑳から⑥に達したとき飽和温度に なる。飽和戚にほいった◎から⑳に李る間は液化した冷媒がガス状 冷媒から分離し,水-■i ̄F管内を流れるうちに次斯こ液の量が増大して 気液混合の状態は⑳において終了する。その後若-1二の過冷却が・厨ノ〔烹 に至るまでの亨夜城で行なわれ,そこで膨張升またはキャピラリチュ ーブなどの減圧機構を経て蒸発召割こはいって行く∩ このように擬桁 器内の冷媒は気体一気液況令一液体と変化し,その状態変化の過程 は明確でないが,水平管の管卿こ凝縮付着した液冷媒は薄い険を形 * 日立製作所栃木工場 じ㌔⊂U\加三 言 ニ 第1図 ルームクーラ用凝縮器 地 利 城

(jう

過熱城

〕¢や(垂

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④⑳◎⑳ ユニ ケ・■しと(1爪▲卜【くg) 忙縮機出 口 ⑫ 凝糾2旨

霊驚器才芸

霊)飽

和 飽 和 液 域 第2図 冷 媒 凝 桁 状 態 図 第1蓑 実 験 範 囲 項 日 】 単 位 l水冷二砥管 力度量丑畳 温 托媒流水夙 縮冷媒却却 入 凝流冷冷冷 kg/cm2G ℃ kg/s kg/b m3/min 16∼20 90∼120 0.008∼0.016 8∼50

恒冷フィン凝縮器

19∼20 60へノ90 0.008∼0.03 10∼30 成して管の底部に流れ落ち下底にたまった液は末凝縮ガスとともに 水平方向に流れていると考えられる。

3.実験方法および装置

3.1実 験 方 法 実験は水冷却による二項水平管凝縮器により過熱ガス域,飽和 域,過冷却液成の熱伝達率の測定を行ないさらに空気冷却のフィン 形凝縮詩話で確認実験を行なった。実験範剛ま第l表のとおりであ る。 3.2 水冷却=重管測定装置 弟3図のような内管を冷媒,外管を冷却水が流れる水平管を8段

(2)

978 昭和39年6月 3¢ i了「雌 水 ⊥エ 樹脂花器剤 「ゝ q⊃ 熱花村(0.2¢1 第3図 水冷却二重管の熱電対取付構造 400- ー400 7( イ 機 り柵 圧 器 雅仙 北… キャピラリ ストし-十 観吉和 ウレタンフォーム断熱材 (●二i監性測道.小二) 第4図 冷凍サイクル系統図 設け,熱漏れを少なくするた捌こ断熱性能の高い発泡(ぽう)ウレ タンフォームで全体をおおってある。冷凍サイクルは舞4図のよう に2台の圧縮械と2台の蒸発器からなりバイ/ミスバルブで冷媒流量 を調節した。凝縮圧力は冷却水量とその温度で制御した。冷媒はガ ス状で上部よりはいり下部から出て行く。途中に冷媒の凝縮状態を 観察するために硬質ガラス製の透明管を設けてある。凝縮温度は各 段の管の両端部の圧力を測定してその飽和温度によって確認した。 冷媒流量は較正したオリフィスを圧縮榛入口直前に組み込み,蒸発 器を出た過熱ガスの圧力差を検出し次式により算出した。

C児=(三α)爪J耐.-ろ)‥

..(1) ここに G月‥ 量(kg/s) 凡:オリフィス断面積 38.47(mm2) 伊:重力加速度 9.8(m/s2) ろ,ろ:オリフィス前後の圧力(kg/m2G) rl:オリフィス入口冷媒比重量(9)(kg/m3) (∈α):オリフィス係数 0.60±0.02 3・3 空気冷却フィン形凝縮器測定装置 フィン形凝縮器は,フィンピッチ5mm,パイプ外径9.5mm,内 径7・1mm,横300×高さ300×幅60mmの大きさで,フィンとパイ プは接触熱抵抗を無視できるようにほんだで溶着してある。パイプ 列は2列22段で上部よりガス状ではいり液化して下部から出て行 く構造である。パイプの内部および表面には温度測定のため0.2¢ の銅一コンスタンタン熱電対を多数埋め込み両側の曲管部ほ断熱材 でおおった。 実験装置は弟5図に示すような絞り風胴付の実験毒で,冷媒と空 気の状態を自由に変化できる制御装置を肺えている。冷媒流量ほ水 冷却二重管試験の場合と同じくオリフィスによって測定した。

4.実験結果とその検討

ん1水冷却二重管の場合 弟4図の装置を用いて冷媒R-22凝縮状態を観察した結果,過熱 ガス域と過冷却液域は無色透明であり,飽和域においてほ,ガスス

三人 自冊 第46巻 第6号 第5図 風

第6図 凝縮初期の冷媒の流れ 第7図 凝縮後期の冷媒の流れ ピードが速いうちほ第る図のように下部にたまった凝縮液の表面が 非常に波だっており,ガススピードが遅くなるにつれて弟7図のよ うに次第に静かな流れになってくることがわかった。そして定常状 態でほ1∼2秒の周期で脈動波を生じている。これは策4図の凝縮 掛こ見らカ1るように測定管が縦方向に段になっているので上部にあ る程度たまった液が粘性抵抗に打ち勝って急激に流れ落ちるためと 推定される。 弟8図は凝縮圧力16kg/cm2G,冷媒流量が0.00953kg/sの場合 について凝肺管全長にわたって測定した一例を示したものである。 管の熱伝達率を算出する場合,冷媒と管壁温度との差のとりかたに より誤差が大きくならないよう冷媒と冷却水とほ対向流としてい る。冷媒流路の途中に冷媒観察管を入れているので測定管③と④, ⑤と⑥はそれぞれ同一の冷却水流路であるが図でほ不連続に示され ている。 冷媒と管轄との問の熱伝達率は ¢ A●』7' ここに α月:冷媒の熱伝達率(kcal/m2hdeg)

ー48-….(2)

(3)

R-22 の 水

979 第2表 熱 伝 達 率 計 算 例江 項 目 測定管 (∋ (蓼 Ⅲ∼Ⅱ Ⅱ∼Ⅰ (参 ④ ⑤ (む (う (申 単 位 Ⅰ∼Ⅱ Ⅱ∼ⅠⅡ Ⅰ∼Ⅲ Ⅲ∼Ⅰ Ⅲ∼Ⅰ Ⅰ∼Ⅲ Ⅰ∼Ⅲ Ⅲ∼Ⅱ Ⅱ∼Ⅰ 冷 却 水 量 低 位 水 温 虔 高 位 水 温 度 測定管水温虔差 水 側 熱 量 入 口 冷 媒 温 度 出 口 冷媒温度 平均(中間)冷媒温度 入 口 管 温 度 出 口 管 温 度 平 均 管 温 度 冷 媒 温 度 差 冷 媒 冷 媒 冷 媒 熱 伝 管入 U 菅山 口 管出入口 流 完二 熱 二止 一管温度差 庄 率 水 紐 皮 水 温 度 水子昆庶差 全 水 正 乾 き 度 110 100 90 80 70 60 0 5 ▲‖U ハU 4 (ヒ 型 ヨ 0 2 10 0

b 一 g ト

蜘℃℃写℃℃℃℃℃㌶叢℃℃謡

k k 2 3 591268628▲‖0325nO9 92360 1741胡6鵬927383粥495419.9.〇828224049845L l 1 4 2 3 5 5 9 4 (U 6 6 6 00 6 2 (U 5 7 4 1 9 ∩凸 7 (U 17374147773596649舶471497719463540501L 4 2 3 5 只) QU O 5 9・4 1 2 5 5 5 5 7 6 QU 1 3 4 0 7 ハリ 3 3 2 3 4 9 3 1 2 9 9 2 6 00 0 5 4 5 1 1 3 3 ■b 5 4 4・4 4 4 5 ∩凸 3 3 7 8 l り〟 几Jl ■ l A▲・4・4 4 3 3 1 3 2 3 4 6 2 2 3 5 5 00 3 4 4 6 0 5 2 3 5リJ 3 5 7 3 00 5 0 9 9 一 4 0 2 (U (‖0 8 0 2 3 2 4923nU555QUQU3 5 2 550700 20粥41247434243424142 【9.一L9237.41.4.札〇. 2 2 3 46155 1550 5 2023311011一一43383738一9. 2 4 1 2 5 3 nU 6 5 5 1 7 6 3 0 5 2 3 1 3 3 3 2 0 3 QU3521 755nU 5 253338546一【42393839一9. 1 2 7 5 4 9 0 4 3 ハU 2 9 6 qU O 2 3 3 7 0 2 nU 八‖> 0 2523318舶一 2 4235誕34 9.53 7.8 1,600 21.5 32.5 11.0 284.0 0.21 2 3 5 1967・4 13063 5 ハUO332ハU 83139438一42424139胡一9.【27031胡651〇. 〇 2 3 1 1 1 0 5 【】U 【J 6 (U 爪U 5 5 82933132414141383536■9. 2 3 1 0 1 1・4 3 00 6 nU AT-7 5 5 6 9 (U l l nO 82129541413739353032394167421298650 6 上段 冷喋i法度 巾f呈 管衷榊温度 下段 冷却水手塩腔 (実印は流れの方向)

::ニラ

一一触和城 冷媒洗竜 0.00953kg′′′s 一乍上勺凝売掛二十三プJ16kg/cm2G 冷却水一最①∼②那主管 ⑨∼④ ⑤∼⑥ ⑦∼⑧ 冷 粧 _十 ・・・一■■ト■■■■■■■■■■ ̄ '

● 17.52kg/h 20.42kg/h 25.80kg/11 臥12kg/上】 域 熱 過

こ二戸7

IllIlIII1111ⅠIlI†ltll= ⅠI tIlllt11Illl

㊥ ⑦ 舟 〔享二・ ・す〉 @ i目性符とi別芯化言毘 第8図 全域温度測定結果例 11111111111 (む 旬 ¢:測定区間の放熱量(kcal/h) A:測定区間の管内表面積(m2) 』r:冷媒と管壁との平均温度差(deg) で算出される。管内壁の温度は管外表面温度で代用しているが内外 の温度差ほJakobの変形式(10)を用いれば本実験範囲では外周温度 の0.1%以下であり問題ない。弟8図に示した測定結果から(2)式 を用いて熱伝達率を計算すると弟2表のようになる。これを乾き歴 と熱伝達率の関係で整理した結果が第9図である。乾き度が1以上 つまり過熱ガスの場合と,0以下つまり過飽和液の場合は飽和域の 0 0 0 0 6 4 (碧空N∈二〇リー二岩脊判【由薮

.1----トT

0 0,2 0.4 0.6 0.8 1.0 托 き 性 Ⅹ 第9図 乾き度と 熱伝達率 凝縮状態に比較して熱伝達率ほそれぞれ22クg,35%と小さい値であ る。過熱ガス域と過冷却液域の熱伝達率を冷媒流量を変えて測定し た結果ほ弟10図のようであり,熱伝達率は流量に比例し,同じ流 量でもガスより液のほうが大きい。一般に管内を流れる完全流体の 熱伝達率は次のような実験式で算出されるく11)(12)。 一Ⅳ比=0.023凡0・8+RO・4

(乎)=0・023(竿)Ot8(竿)0■4

または ここに 凡 月g 一打 α d ス l′ リ グ C ヌ セ ルト 数 レイ ノルド数 プラントル数 管内流体熱伝達率 管 内 径 流体の熱伝導率 流 速 (kcal/m2hdeg) (m) (kcal/mhdeg) (m/h) 流体の動粘性係数(m2/h) 重力加速度(m/h2) 流体の比熱(kcal/kgdeg) ‖(3) …‥(4) り:流体の粘性係数(kgh/m2) 弟10図の実測値を上記の無次元数で整理して比較すると第11図 のようになる。過熱ガス域は(3)式とほぼ一致しているが過冷却液

(4)

980 芸+L■コZ 昭和39年6月 日 立 芯名車亡\一dUご 芸鞍柳沼-威 500 ……600500 400 300 過弛純減 j地熱墟 ズ20kg//cm2(; ●16 6 8 10 15 20 ×10 ̄3 冷喋流j遠 Clく(kg.・/s) 第10図 過熱域過飽和域熱伝達率 過熱域 /もー マモ 無 過飽和域 ● ヽ ×20kg/m2G ●16 4 6 810 20 40 60 80100 200 ×103 レイノルド数 Re 第11図 過熱域過飽和域熱伝達率の無次元表示 域は測定値のほうが若干高い値を示している。この理由の一つとし

てASHRAEのDataBook(13)より引用した冷媒物性値の精度が多

分に影響を及ぼしていると考えられる。 次に策9図において点線で示した部分すなわち,凝縮開始直後 は,管壁温度が飽和温度以下でも中心の冷媒温度は飽和温度以上で ある場合もありデータのバラツキが大きかった。しかし凝縮膜ほ非 常に薄くガススピードが大きいので薄膜と壁との熱伝導ほ良好であ る。その上底部には凝縮流が少ないので有効伝熱面横が多く平均熱 伝達率は大きい。そして次斯こガスおよび底部液冷媒のスピードが 遅くなり,かつ底部液冷媒の管内を占める割合が多くなることによ り有効伝熱面積が減少してくると熱伝達率も低下してくることがわ かる。Cbaddock(6)は冷媒流速が遅い場合に管底にたまった液化冷 媒の占める割合を考慮して次のような計界方法を示している。すな わち水平管内に流れる液化冷媒からの熱伝導は無視してガスが接触 している面へのみ熱が伝達されるものと考えると平均熱伝導率αg は次のように表わされる。

αs=旦-α¢

7r α¢= ββ (β才・鮎)0・25 ‖(5) ‥(6) ‥(7) β=〔ん3・β児(pβ-β〝)ダ・γ/〃月〕0・ヱ5

¢=汀-〔0・47′

J(〝月)4d∫2・75

〕0■142

′=〔一旦欝〕0●25

第46巻 第6号 ここに α5 α¢ β J足 P点 Pガ 伊 r 〃児 平均凝縮熱伝達率 薄膜部の熱伝達率 蒋陵面積の関数 液化冷媒の熱伝導率 液化冷媒の比重量 ガス冷媒の比重量 重力加速度 冷媒の蒸発熱 (BTU/ft2hOF) (BTU/ft2bOF) (BTU/fthDF) (1b/ft3) (1b/ft8) (4.16×108ft/h2) (BTU/1b) 液化冷媒の絶対粘度(1b/hft) ¢:薄 片莫 角 度(rad) 鮎:冷媒とパイプ内壁との温度差(OF) J:パ プ長さ(ft) βf:パ プ内径(ft) df:パ プ内径(in) 本実験で得た飽和域の熱伝達率の値を上の計算式と比較してみる と舞12図のようになり,/ミラツキも大きくかつ全般的に実測値の ほうが高くなった。計算式は25∼50mmという大径の水平管にお いて0.3m/sという低速ガスを流したときのデータをもとにしたも ので本実験のように7.1mmの細管に3.5∼7m/sのガス速度ではい り凝縮する場合とはだいぶ凝縮状態が違うものと考えられる。すな わち理論式の原理によれば,ガス速度が遅い場合ほ凝縮薄膜の厚さ は表面せん断力と凝縮量と液膜の自重の関数となり,凝縮量が多く なれば壁を伝わり降りる薄膜の厚みが増し熱伝達率が低下してくる ことを示しているが,ガススピードが大きいと液膜が非常に蒔くな り,凝縮液の移動,膜および下部液の撹乱(かくらん)などのため 熱伝達率が高くなると考えられる。次に冷媒循環量と冷却水とを増 して放熱量を多くしてそれぞれについて弟9図のような乾き慶一飽 和成熟伝達率曲線を求め,その平均値を流量との関係で整理した結 果を弟13図に示す。すなわち本実験における範囲では飽和域平均 凝縮熱伝達率として α々=6・12×104G月0・75… ‖…‖…‥(10) ここに α尺:飽和域平均凝縮熱伝達率(kcal/m2hdeg) G々:冷 媒 流 量(kg/s) なる実験式を得ることができた。 ム2 空気冷却フィン形凝縮器の場合 前項でほ水冷却水平二重管を用いて求めた各域の熱伝達について 述べたが,これを実際の空冷凝縮器で下記のような項目の測定を行 なって確認した。 (1)温水試験による空気側熱伝達率の御足 (2)冷媒試験による熱貫流率の測定 (3)二重管試験で求めた各域の熱伝達率を用いて理論的に空冷 凝縮器の熱貫流率且を算出し(2)項の実験値と比較 まず絞り風洞にフィン凝縮器を取り付け入口空気温度を35℃に 保ち,50∼70℃の温水を2∼4J/minの速度で循環させ平均パイプ 温度と5F均空気温度との差を測定して空気側熱伝達率α。を求めた。 (野望N∈\一ヨ三岩谷制退避 0 ▲U O O <U <U O ▲‖) 0 0 ∧U O O ∧U 爪U 5 ∧U n】O A-3 2 1 1 600 (〕 0 0 \ \し ヽ、 lき乞き度 冷檻流誌 0.4-0.8 ●:0.0095kg/s 仇0145 )0 0 0 U O ● ● ● ● ○ 、---一 軌副〆亡(16kg/cm2G) ‥….(8) …‥(9)

-50-0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 冷媒一即た温度差△t(deg) 第12囲 温度差と 熱伝達率

(5)

R-22 の 水

981 0 0 0 1,000

(M登竜\一dU三三繚榊追撃宗則

0<U O O ▲‖U ▲‖XU 6 A-0 2 (野望N∈\一dU空 音昇榊竹坦感 ●○ l軒 ●16kg.・■川-2〔; 0 20 8 10 15 20 25 30×10 ̄ユ 冷杖流量 Gk(kg/s) 第13図 冷媒流量と熱伝達率 2 4 6 8 10 前面風速Vf(m/5) 第14図 空 気 側 熱 伝 達 率 弟14図ほその結果である。なお温水出入口温度差と空気出入口温 度,風速の総合誤差は3∼6%であった。 次にそのフィン形凝縮割こ冷媒R-22を通し凝縮熱貫流率gを実 測した。過熱ガス域の熱貫流率範は凝縮開始点を熱電対で測定す れば次の式から算出できる。 Qg=G月(才1-オ2)(冷妹流量).… ‥……(11)

Qg=叫C♪(f〃2一才叫)×与(風量)‥…=

…(12)

Ag=与A〃・…

範= Qg Ag(≠伽-f。椚) (11)∼(14)式より &= G児(才1一才2)

昔A〃〔才肋-ト+

些蜘

2ズ〃C♪r ‥(13) ‥(14)

‡〕

..(15)

払㌫・㌣弛〃

γG払方エAg 〟叫 ▲r一 に こ こ 過熱ガス域放熱量(kcal/h) 冷 媒 流 量(kg/h) 凝縮器入口冷媒エソタルピ 凝縮開始点冷媒エソタルビ (kcal/kg) (kcal/kg) 風 量(m3/h) 空気比重量(kg/m8) 空 気 比 熱(kcal/kgdeg) 空気入口出口温度(℃) ガス域パイプ長さ(m) パイ プ全長(m) 過熱ガス域空気側伝熱面杭(m2) A。:空気側全伝熱面積(m2) 才β爪:冷媒平均温度(℃) ≠〃椚:空気平均温度(℃) 範:過熱ガス域熱貫流率(kcal/m2hdeg) また飽和域の場合も同様に ∬5= G疋(才2-オ3)

与Aα〔′月∽一卜十

ここに ノら:飽和域熱貫流率 上C月(才2一言3) 2叫・C♪

‡〕

(kcal/m2hdeg) ‥(17) y:飽和域パイプ長さ(m) 才3:凝縮終了点冷媒エソクルピ(kcal/kg) なお,実際にほ,膨張機構としてキヤピラリを使用しているルー ムクーラがはとんどであり,その場合凝縮器内の過冷却液域範囲は きわめて小さいので確認実験でほ過冷却液域についてほ行なわなか った。 理論的にフィン形凝縮器の熱貫流率は次式により算出できる。 1

画一㌃ト⊥

(rd

 ̄瓦「α月

ここに Å

各域の熱貫流率(kcal/m2hdeg) 冷媒側/空気例の面積比(m2/m2) (18) αα:空気側熱伝達率(kcal/m乞hdeg) α児:各域冷媒側熱伝達率(kcal/m2bdeg) 空気側熱伝達率α。ほ温水試験より求めた策14図の値を用い,冷 媒側熱伝達率α月ほ二重管試験より求めた弟10図および弟13図の 値を用いればよい。実験値と計算値とを冷媒流量および風速との関 係で整理比較すると第15,ld図のとおりになる。国中点線は冷媒 流量が変化したときの理論熱貫流率ガであり飽和域に比較してガス 域ほ冷媒熱伝達率が小さいので流量の及ぼす影響が大きい。 過熱ガス域,飽和域ともに実験値のほうが若干低い値を示してい るが,最大10%(平均6%)の誤差であり比較的よく一致していると いえる。以上の結果から水冷却水平管における実験式は空冷式フィ ン形凝縮器の場合にも適用できるという結論を得た。

5.結

□ 直径7.1mmの水平銅管内で凝縮する冷媒R-22の熱伝達率を測 定した結果を要約すると次のとおりである。 (1)過熱ガス冷媒および過冷却液冷媒が管内を流れる場合の熱 伝達率の値は一般に用いられている完全流体の実験式 凡=0.023月β0・8汽0・4 によって求めた値と一致する。 (2)水平管内で凝縮した液は管の底部にたまって流れ,その上 〈仙名J小∈\忘じ三加+称嘆畔載繋感雫 0 0 2 冷媒流量 ノ0.04kg/s 一一一

/頭声:二:…

三二㌔一レーー′一札01

′/ ○計算値 ●実測値 1 2 3 4 5 6 前而風速Vr(m/s) 第15図 過 熱 域 熱 貫 流 率

(6)

982

昭和39年6月

第46巻

第6号 0 ∧U ハリ O O ∧U 7一LU 5 A】 3 2 (哲宗∈二已さS碧サ増光意)至芸唱 冷喋流量 小さくなるにつれてやや低くなる傾向にある。 /0.03kg・′′s

三表≠孝三三三≡三5

/ / ′一/ ○計㍍州・ 1 2 3 4 5 6 f】りirlrI軋.竣Vr(m.ノ・′s) 第16図 飽 和 域 熱 貫 流 率 部を末凝縮ガスが流れている。 (3)飽和域の熱伝達率ほ乾き慶が0.2以下においては急激に過 冷却液域の値に接近し,0.9以上においては急激に過熱ガ ス域の値に接近する。そして0.2∼0.9の範囲では乾き度が (4)飽和域平均凝縮熱伝達率は α児=6.12×104GRO・75 により算出できる。 終わりにのぞみ本実験に際し種々のご指導をいただいた東京大学 教授内田秀雄脚こ深甚な謝意を表する。 12345678910111213 松村,埋橋, 松村,埋橋: W.Nusselt: M.Jakob: Rohsenow: J.Chaddock 参 芳 文 献 太田:日立評論44,1228(昭37-8) 日立評論45,886(昭38-5) Ⅴ.D.Ⅰり占0,541(1916) Heat TransferリⅠ,664(1958) ASME Trans.,78,1645(1956) :Refrig.Engn&,4,36(1957) J・Cbato:ASHRAEJourna14,2,52(1962) Potter:Refrig.Engngリ5,45(1956) 長岡:冷凍31,341,194(1956) 大賀真二:伝熟語論とその適用43(1931) McAdams:Heat Transfer,219(1954) 日本機械学会:伝熱工学資料29(1959) ASHRAE:Guide&Data Book,276(1961)

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号 番 許 特 名 称 氏 名 特許登録日 6 7 〔凸 9 八U 1 2 3 4 5 6 7 n凸 9・4-【LJ 6 7 00 9 (U 1 2 47 474747 48 48 媚 鵬4848 48娼鵡4862626262 62 62 63 6363 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 4 4・d-4 ・4-4 4 .4 AT-1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4・』丁 4 ・4-4 4 4 4 遅 延 回 半 波 チ ョ ッ パ 回 路 方 式 信 号 対 雑 音 比 改 善 方 式 誘 電 体 力 率 測 定 装 置 指向性の選択自 由な受渡装置 増 幅 回 路 移 動 通 信 方 式 半 導 体 光 電 素 子 並 オ ー ド 検 波 非直線回路素子を利用せる超再生増幅回路 方式 位相神佑回路つき線型電子加速器 パイルドライバーのパイルガイド装置 過 大 入 力 信 号 制 限 装 置 緊 急 自 動 受 信 機 E L 真 空 通 路 Ⅹ 蒸 気 タ ー ビ ン 調 OTL回路方式による多重スピーカー系駆 動方式 電 話 器 に お る ベ 装 置 多 数 点 抵 抗 熔 接 装 置 誤 受 信 防 止 装 置 中性子エネルギスペクト ロメータ ガイガーミュラー計数管の最適動rF電圧設 定回路 雄吾人泰雄門郎公破門鼓康稔司樹 衛 衛 武久真秀武石五 右 誠真 書 善 浦村川島浦 上川田 島藤野崎井 部 部 三中市其三阿三北永阿田工大山油 嗣紀雄弥充寛彰夫範雄之坦清三一三朗 明一虎益 幹月文私 情真亮志 川藤木日川野井井辺廿脛本井岡島部木訪 与 前伊鈴鋲及岡坂村渡安川長松矢伊青諏 38.12.6 8 3 特許番号 33 3435 3637 38 39 40 4142 43舶 414645 414646 414647 414648 414649 414650 414651 414652 414653 名 内燃税関で駆動される油圧動力伝達装置に おける制動装置 走 査 型 Ⅹ 顕 徴 鎧 遠心式 ミ ー セ ット ラ ー 電 気 発 光 装 置 電子鋭傲鏡等の試料冷却装置 変 換 方 式 変速回転板械の軸駆動油ポンプ装置 変速回転耗械の圧油ポ ソ プ装置 流 体 変 速 機 ジャ ンクシ ョ ソレールの操作装置 非 常 減 速 指 令 発 生 装 置 ク ス ト ロ ン 電 気 線 輪 異 常 検 出 装 置 多 数 線 条 の 期 送 直流負荷電流の方向転換装置 超 小 形 水 晶 振動 子保 持方法 超小形水 晶 振動 子保持装置 置爪且置法 装装装造 換衡衡製 平平の 変 のの体 流閲開合 電機機重 圧燃燃状 電内・円球 氏 森 川 巌 寛磯雄一郎進郎義文夫夫夫彦啓郎郎敦夫一次夫坦二志雄志雄雄弘弘通夫枚 二 一 津 瑞秀嘆信 善治康文文康英 儀志 猛洋捕利 幸篤敏筏敏武 越政 野戸地山桐笹井田木藤藤木 上川谷藤本子田上井田 田 田浦藤藤谷山崎 田平菊丸片小平西樗伊伊樗閑井小刈佐竹金沢井長岩橘品橘品三工工高桑岡 特許登録日 3臥12.5

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