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廃水素の低温燃焼処理に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

廃水素の低温燃焼処理に関する研究( 内容の要旨(Summary)

)

Author(s)

刑部, 友敬

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第346号

Issue Date

2008-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/23531

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 刑 部 友 敬(愛知県) 博 士(工学) 甲第 346 平成 20 年 3 25 日 環境エネルギーシステム専攻 廃水素の低温燃焼処理に関する研究 (StudyonExhaustedHydrogenTreatmentwithLewTbmperature Combustion) (主査)教 授 守 富 寛 (副査)教 授 箕 浦 秀 樹 教 授 栗 林 志頭真 教 授 竹 内 豊 英 准教授 神 原 信 志

論文内容の要旨

ますます増大するエネルギー消費に対して,エネルギー資源の多様化および化石燃料利 用で排出される環境負荷物質の低減は重要な課題である。その中で,クリーンかつ高いエ ネルギー効率が期待される水素エネルギーが注目されている。多様な一次エネルギーのほ か廃棄物やバイオマスなどを水素へ変換し,≠分散型の燃料電池発電システムや燃料電池車 に利用する場合,水素は重要なエネルギー媒体(エネルギーキャリア)として位置づけら れる。わが国でも水素燃料を中核とする時代に向けて,普及型燃料電池の開発など積極的 な取り組みがなされている中で,ほとんど研究されていない残存水素処理技術について安 全にクリーンに処理できる方法として,触媒流動層による水素燃焼処理および大気圧非平 衡プラズマによる水素処理について,実験的にその基本特性を明らかにした。各章ごとの 結果について以下に述べる。

第1章「序論」では,本研究の背景として我々が直面している環境尚題,化石燃料枯渇

問題を解決する水素社会実現のため,水素処理技術が必要不可欠であることを述べた。ま た,水素の最終処理方法にっいて,既往の研究を概説し,問題点を指摘し,本研究が対象 とする触媒流動層燃焼および大気圧非平衡プラズマを利用した水素処理について本研究 の意義を明確化した。 第2章「触媒流動層における水素の燃焼特性」では,水素エネルギー利用にともなう水 素オフガス処理方法として流動層を用いた水素の触媒燃焼法を提案し,その燃焼特性に及 ぼすパラメータを実験的に検討した結果,以下のことを明らかにした。 (1)伝熱制御した流動層触媒反応器では,層内温度とともに水素転化率は増加し,1畠0℃ 以上では99・8%以上の転化率となるが,60℃以下では初期水素濃度および水素供給速 度の影響を強く受ける。 (2)60℃以下の低温域では生成蒸気の凝縮等も考慮しなくてはならず,流動層触媒反応と

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-69-しては,150℃から200℃程度での温度制御が望ましい。 (3)流動層触媒反応装置内に熱交換器を挿入することにより,生成熱の約80%を高温水で 熱回収でき,層温度制御も容易となる。 第3章「ハニカム触媒流動層を用いた水素燃焼」では,ハニカム状触媒と流動層を組み 合わせることで,層内温度の低温化を図り,水素触媒燃焼における基礎特性について検討 した結果,以下のことが明らかにした。 (1)層温度の上昇にともない水素転化率も増加し,100℃では80%以上150℃での転化 率は約100%となる。 (2)ハニカム流動層反応器に熱交換器を挿入することにより,生成熱の60∼80%を高温水 で熱回収でき,層温度制御も容易となる。 第4章「大気圧非平衡プラズマによる水素の燃焼特性」では,FCV水素オフガスを無触 媒で安全・安価に処理するDBD装置の実用化可能性の評価を目的として,アルゴンガス で希釈した水素・酸素混合ガスのDBDによる水素酸化特性を調べた。水素濃度2.0vol%, 印加電圧31kV一定のもと,ガス温度(25-100℃),当量比(∂=0.05-2.0),ガス滞留 時間(♂=0.43-1.61s),繰返し数(鹿7-15kEz)が水素転化率に及ぼす影響を調べ た結果以下のことが明らかになった。 (1)DBDによって100℃以下の低温で水素を酸化でき,例えば,当量比0.05,排ガス温度 80℃の時,エネルギー密度4.4J/cm3で水素転化率100%が得られる。 (2)水素転化率は,ガス温度,当量比,ガス滞留時間,繰返し数の増加と羊よって増加した。 ガス滞留時間と繰返し数の影響は,エネルギー密度によって整理することができる。 DBDによるFCV水素オフガスの水素処理は,投入電力の観点から十分実用化の可能 性がある。 (3)DBDによる水素酸化の反応経路を探索するために,Hラジカルおよび0ラジカルの 生成量を仮定して,連続樽型反応器モデルにより反応解析を行うことで,Ⅱラジカル と0ラジカルの両方が生成されると仮定∠した場合,Ⅱ20の生成に大きな役割を果たす

OHおよびその前駆体であるⅡ02の生成が促進され,水素転化率は高くなる。

第5章「処理効率比較」では,触媒流動層における水素処理と大気圧非平衡プラズマに よる水素処理をエネルギー収支と処理効率およびランニングコストから比較した。 以上の結果から,残存水素処理技術として触媒流動層や大気圧非平衡プラズマを利用す ることは,低温,安価,完全処理の観点から将来有望な技術であるこtとが検証できた。本 技術をさらに実用化に向けてはまだまだ課題はあるが,今後の水素社会へ向けた研究のな かで進歩する技術を応用することで十分解決できるものであると考える。

論文審査結果の要旨

水素は化石燃料,バイオマスおよび廃棄物など多様な炭化水素資源や太陽エネルギーか ら製造でき,エネルギー利用においては高効率かつ低環境負荷であることからエネルギー キャリアとしての利用が国際的に有望視されている。わが国でも水素燃料を中核とする時 代に向けて,普及型燃料電池の開発の積極的な取り組みがなされているところである。燃

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-70-料電鱒や普及においては,水素に対する安全対策が必要となるが,残存水素の排気につい

ては空気希釈し大気開放するのが一般的であり,残存水素処理技術についてほとんど研究 されていないのが現状である。このような背景を踏まえ,本論文では,主に燃料電池から 排出される高濃度水素について,クリーンに完全処理できる方法として,触媒流動層によ る水素燃焼処理および大気圧非平衡プラズマによる水素処理の基本特性を明らかにし,流 動層とハニカムを組み合わせたハニカム触媒流動層燃焼処理技術を新たに提案し,さらに 実用化を目的としたときのそれぞれの技術の適合性についても検討している。 第2章では,触媒流動層に関しては,水素燃焼特性に及ぼすパラメ■一夕である層温度, 初期水素濃度,ガス流量,触媒量に着目して検討し,層内温度上昇とともに水素転化率は 増加し,150℃以上においてはほぼ完全燃焼可能すること,15℃の低温時でも燃焼反応は 進行し,初期水素濃度を10%程度にすることで70%以上の燃焼率を得ることを明らかにし ている。また,流動層触媒反応器は,層内の温度分布は均一であることから,熱交換器を 挿入することにより,生成熱の約80%を高温水で熱回収でき,層温度制御も容易となる という特徴を有することを明らかにしている。 第3章では,新たに提案・しているハニカム状触媒と流動層を組み合わせたハニカム触媒 流動層を用いた水素燃焼が流動層と同程度の処理能力を有し,熱交換器による温度制御が 可能で,触媒飛散の抑制と応答速度を速くするメリットがあることを実験的に明らかにし ている。 第4章では,大気圧非平衡プラズマによる水素の燃焼特性について検討し,水素転化率 は,ガス温度,当量比,ガス滞留時間,繰返し数の増加によって増加し,ガス滞留時間と 繰返し数の影響は,エネルギー密度によって整理でき,100℃以下の低温で水素を酸化で き,当量比0・05,排ガス温度80℃の時,エネルギー密度4.4〟cm3で水素転化率は100% となることを明らかにしている0また,水素酸化の反応経路を探索するために,Hラジカ ルおよび0ラジカルの生成量を仮定して,連続樽型反応器モデルにより反応解析を行うこ とで,馳0の生成に大きな役割を果たすOHおよびその前駆体であるHO2の生成促進が 重要な役割を果たすことにより,水素転化率が高くなることを明らかにしている。 第5章では,本論文で提案した水素処理技術の実用化の適性を検討している。その結果 によれば・実際の燃料電池自動車から排出される水素オフガス処理を想定し,最適化した 場合,触媒流動層による水素処理器のサイズは体積0・00汎粒子重量10・1g,白金0.001g となり非常にコンパクトで・初期投資のみで安価に安定に処理できるため定置型の燃料電 池の水素処理に適しており,プラズマ処理では,反応器内容積は0.11L,消費電力 0・035kWbで処理可能であり,燃料電鞄のオン・オフ切り替えの応答性が良好であること から,車載用燃料電池に適することを明らかにしている。

最終試験結果の要旨

これまでの研究業績および論文内容を中心とした事項について口頭試験を行った結果,合格 と認められた。

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