Title
早期産児の臼蓋形態の超音波断層装置による検討( 内容の要
旨(Summary) )
Author(s)
宗宮, 優
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第985号
Issue Date
1995-06-21
Type
博士論文
Version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15286
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氏名(本籍) 学位の種類 学位投与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 宗 吾 優(岐阜県)
博
士(医学)
乙第 985 号 平成 7 年 6 月 21日 学位規則第4条第2項該当 早期産児の日章形態の超音波断層装置による検討 (主査)教授 松 永 隆 信 (副査)教授 正村
静 子 教授 近 藤 直 美 論 文 内 容 の 要 旨 1980年Grafが超音波診断装置を用いて新生児股関節を描出して以東確定診断が困難であった新生児期から 生後3か月までの先天股脱ならびに臼蓋形成不全をも発見可能となり,新生児,乳児股関節のスクリーニングに 必須の検査になってきた0しかし新生児期の1か月間で超音波画像上の形態は著しく変化し,中にはGrafの分 類にあてはまらない臼蓋形態もみかける0申請者は胎児期の臼蓋の骨化過程を明らかにする目的で胎児期後半の 股関節形態と近似すると考えられる早期産児に着目しその臼蓋発育過程を超音波断層装置を用いて経時的に観察 し検討した。 対象 1991年2月より1992年3月までの1年2カ月問・岐阜市内2カ所の新生児・未熟児センターで検診した在胎日 数160-258日(228・34±21・65日)の男76児女75児計151児の早期産児を対象に股関節超音波検査を行った。な お・正期産の低出生体重児59児と周産期異常で同センター入院中の成熟児122児を比較対照群とした。 方法 アロカ社製SSD500ポータブル型超音波断層装置と7・5MHzリニア型ブローベを使用して撮像し感熱記録紙に 記録した0在胎週数と出生後週数の和を仮に妊娠後週数と名付け,妊娠後週数30退から44週では2過ごとに,44 退から60週では4過ごとにできる限り検査した0検査項目はGrafのa乳 β角,Graf分類に加え,臼底軟部 組織から骨性臼蓋囁までを骨性臼蓋・臼底軟部組織から1abrum先端までを軟骨性臼蓋とし,それぞれによる骨 頭被覆率を骨性臼蓋被覆率,軟骨性臼蓋被覆率とし・これらを計測した。また白蓋囁の形状についてはangular typet roundtype・defecttypeの3型に分け・骨性臼蓋の形状についてはconcavetype,flat type,COnVeX typeの3型に分類した。なお・α角・β角・骨性臼蓋被覆率・軟骨性臼蓋被覆率・骨性臼蓋・軟骨性臼蓋・骨頭径についてはt検定を・またGraf分類のtype・臼蓋噴の形感・骨性臼蓋の形態についてはCatm。d
procedureを用いたロジスティ、ツク分析を行った。 結果 妊娠後週数で比較してみると,α角は早期産児群では成熟児・低出生体重児群に比べ有意に大きく全経過中 600以上ありt34週を頂点とした下方凸のカープを描いて増加していた○一方β角は早期産児群では逆に低出生 休重児群・成熟児群に比べ小さい傾向にあった。早期産児において骨性臼蓋幅は全体として漸増傾向にあるもの の34退から48週の間ははぼ一定であった。骨頭径もおおよそ同様の変化を示したが,38週までの骨頭径の増加率 が骨性臼蓋の増加率よりも大きいために骨性臼蓋被覆率は34退から42過において低くなり,その後は骨性臼蓋の 発育が骨頭径のそれを上回るため漸増した。軟骨性臼蓋被覆率をみると・妊娠後過数全経過観察中90%前後で推 移した。Graf分類をみると早期産児群ではtypeIが70%以上占めていた。しかし妊娠後週数の経過と共にtype Ibの割合が増加し・48週を除き40%を占めていた0日蓋囁の形態をみるとangulartypeが漸増傾向に,rOund typeは漸減傾向にあった。骨性臼蓋の形態は各群問に明らかな差はなかった。 51考察
妊娠後週数の正期(37週から42過)頃においてはα角の減少・β角の増加・骨性臼蓋被覆率の減少を認め,他 家の死体児の形態学的研究の結果とはぼ一致していた。すなわち,早期産児群の超音波画像上の股関節形態は胎 児期及び新生児期の股関節の発達過程を反映しているといえる。
また,早期産児は神経生理学的にflexer dominant positionにあるものの窮屈な胎内から開放され,自由に
股関節を動かすことができるようになるため,臼蓋荷重部にも圧迫が加わってこの部の骨化が進み,超音波画像 上はa角は大きくGrafのtypeIが多く,一見早期産児群の臼蓋発育が良好であるかのような形態を示した。し かし妊娠後週数44週以降の骨性臼蓋,骨頭の発育は遅く,typeIbが増加し,骨頭の被覆率も減少していた。早 期産児では出産後は正期産児に比べて臼全体への圧迫刺激が減少し,その後の臼蓋の発育を延遅させる可能性が あり,これが未熟児に出生後の先天性股関節脱臼が多い一因と推論する。