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50 cover story 北朝鮮の核ミサイル開発が東アジアの安全保障環境を揺さぶるさ中に トランプ政権による核態勢の見直し (NPR) が発表された その賛否は真っ二つに分かれる 通常兵器による攻撃に対する核による報復 小型核の開発やSLBM への搭載などトランプ政権の方針は 世界の そして日本

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(1)

タイトルタイトル

トランプ版

核戦略と

抑止の現実

400

2018/3

Vol.

50

新国際時代を読むための情報・解説がここに

(2)

 北朝鮮の核ミサイル開発が東アジアの安全保障環境を揺さぶるさ中に、トランプ 政権による核態勢の見直し(NPR)が発表された。その賛否は真っ二つに分かれる。 通常兵器による攻撃に対する核による報復、小型核の開発やSLBMへの搭載などト ランプ政権の方針は、世界の、そして日本の安全保障体制にどのようなインパクトを 与えるだろうか。写真は、昨年11月の訪日時に横田基地で米兵を前にスピーチするト ランプ大統領(AFP=時事) cover story

50

●●●●●●

特集 II

国別好感度調査

18

8

24

26

金与正、ほほ笑み外交の裏に潜むもの

鈴木 琢磨 毎日新聞社部長委員

36

14

「ほほ笑み外交」、日本人の心には響かず

「イカの卵巣入りのスープ」が中国の歓待を象徴

e-World Premium Vol.50 INDEX

(写真はAFP=時事、時事)

64

68

72

4

春を届ける紅梅・白梅

松谷 稔 フォトグラファー in sight

トランプ版核戦略と抑止の現実

特集 I

ポスト平昌の心理戦

特集 II

小泉 悠 未来工学研究所特別研究員

「トランプNPR」はロシアを抑止できるか

米ロの核戦略比較に見る大国の核戦争観

NPRは日本の拡大核抑止を強化するか

トランプ政権の核態勢見直しを読み解く

西野 純也 慶應義塾大学法学部教授

「最大限圧力」で対話の好機見極めを

「ポスト平昌」、朝鮮半島に正念場

戸崎 洋史 日本国際問題研究所主任研究員

「柔軟性」が招く軍拡の懸念

ロシアの脅威に対応、米核戦略見直し

前嶋 和弘 上智大学総合グローバル学部教授

北朝鮮の路線転換のサインを見逃すな

「完全廃棄」目標に「対話と圧力」の枠組み再構築を

添谷 芳秀 慶應義塾大学法学部教授 interview 渡辺 公美子 時事通信社外信部記者 Economy 真壁 昭夫 法政大学大学院教授

経済成長支える働き方改革とは

58

「宴の後」のビットコイン

未来の通貨か、バブルのあだ花か

高岡 秀一郎 時事通信社外経部記者 GEO ECONOMY

48

54

Cyber Intelligence 湯淺 墾道 情報セキュリティ大学院大学学長補佐・教授

日本企業も懸念、中国のサイバー法

42

トルコ軍対クルド部隊、シリア情勢さらに複雑化

Middle East

勝者なきシリア北部侵攻作戦

池滝 和秀 中東ジャーナリスト 西川 恵 毎日新聞社客員編集委員 渡邊 頼純 慶應義塾大学総合政策学部教授

トランプTPP復帰は実現するか

「11合意」の経緯と日本の役割

Economic Partnership

(3)

 北朝鮮の核ミサイル開発が東アジアの安全保障環境を揺さぶるさ中に、トランプ 政権による核態勢の見直し(NPR)が発表された。その賛否は真っ二つに分かれる。 通常兵器による攻撃に対する核による報復、小型核の開発やSLBMへの搭載などト ランプ政権の方針は、世界の、そして日本の安全保障体制にどのようなインパクトを 与えるだろうか。写真は、昨年11月の訪日時に横田基地で米兵を前にスピーチするト ランプ大統領(AFP=時事) cover story

50

●●●●●●

特集 II

国別好感度調査

18

8

24

26

金与正、ほほ笑み外交の裏に潜むもの

鈴木 琢磨 毎日新聞社部長委員

36

14

「ほほ笑み外交」、日本人の心には響かず

「イカの卵巣入りのスープ」が中国の歓待を象徴

e-World Premium Vol.50 INDEX

(写真はAFP=時事、時事)

64

68

72

4

春を届ける紅梅・白梅

松谷 稔 フォトグラファー in sight

トランプ版核戦略と抑止の現実

特集 I

ポスト平昌の心理戦

特集 II

小泉 悠 未来工学研究所特別研究員

「トランプNPR」はロシアを抑止できるか

米ロの核戦略比較に見る大国の核戦争観

NPRは日本の拡大核抑止を強化するか

トランプ政権の核態勢見直しを読み解く

西野 純也 慶應義塾大学法学部教授

「最大限圧力」で対話の好機見極めを

「ポスト平昌」、朝鮮半島に正念場

戸崎 洋史 日本国際問題研究所主任研究員

「柔軟性」が招く軍拡の懸念

ロシアの脅威に対応、米核戦略見直し

前嶋 和弘 上智大学総合グローバル学部教授

北朝鮮の路線転換のサインを見逃すな

「完全廃棄」目標に「対話と圧力」の枠組み再構築を

添谷 芳秀 慶應義塾大学法学部教授 interview 渡辺 公美子 時事通信社外信部記者 Economy 真壁 昭夫 法政大学大学院教授

経済成長支える働き方改革とは

58

「宴の後」のビットコイン

未来の通貨か、バブルのあだ花か

高岡 秀一郎 時事通信社外経部記者 GEO ECONOMY

48

54

Cyber Intelligence 湯淺 墾道 情報セキュリティ大学院大学学長補佐・教授

日本企業も懸念、中国のサイバー法

42

トルコ軍対クルド部隊、シリア情勢さらに複雑化

Middle East

勝者なきシリア北部侵攻作戦

池滝 和秀 中東ジャーナリスト 西川 恵 毎日新聞社客員編集委員 渡邊 頼純 慶應義塾大学総合政策学部教授

トランプTPP復帰は実現するか

「11合意」の経緯と日本の役割

Economic Partnership

(4)

熱海市の熱海梅園では春の訪れを告げる梅が咲き誇る。樹齢100年を超える古木 を含め59品種472本の梅が植えられており、園内は甘い香りに包まれている。 (フォトグラファー 松谷 稔)

(5)
(6)

6

米議会で「核態勢の見直し」(NPR)について説明するマティス国防長官(前列左)

(2月6日、EPA=時事)

(7)

7

米議会で「核態勢の見直し」(NPR)について説明するマティス国防長官(前列左)

(2月6日、EPA=時事)

特集

I

特集

I

トランプ版

核戦略と

抑止の現実

トランプ版

核戦略と

抑止の現実

(8)

Nuclear Strategy 8 障 の 分 野 で の 経 験 や 知 識 の 不 足 が 大 き く 懸 念 さ れ て い た。 特 に 選 挙 戦 中 に は 日 米 同 盟 の 見 直 し の 可 能 性 の ほ か、 安 全 保 障 上 ラ イ バ ル 関 係 に あ る ロ シ ア と の 接 近 な ど、 米 国 の 安 全 保 障 を 根 本 か ら 誤 解 し て い る と も い え る 発 言 や 対 応 が 続 い て い た。 さ ら に 個 々 の 発 言 に も か な り ぶ れ が あ っ た こ と か ら、 政 権 発 足 後 に は 各 種 戦 略 の 混 乱 や 対 応 の 遅 れ が 危 惧されていた。   だ が、 安 全 保 障 チ ー ム は こ の 分 野 で 経 験 豊 富 な 人 物 が 登 用 さ れ た こ と も あ っ て、 ト ラ ン プ 政 権 発 足 後 の 安 全 保 障 政 策 は 極 めて安定している。 マティ ス 国 防 長 官 や ケ リ ー 大 統 領首席補佐官 ( 発足時は国 土 安 全 保 障 長 官 )、 2 月 に り 軍 拡 に 走 ら せ て し ま う 懸念も捨て切れない。   バノン去り安定した      安全保障チーム   そ も そ も、 な ぜ こ の タ イ ミ ン グ で ト ラ ン プ 政 権 は 核 戦 略 の 見 直 し を 発 表 し た の だ ろ う か。 政 権 発 足 か ら 1 年 が た ち、 政 権 の 方 針 が し っ か り 固 ま っ た こ と か ら、 今 後 の 核 戦 略 の 指 針 を 示 し た と み る の が 妥 当 な 線 だ ろ う。 実 際、 過 去 3 回 の N P R も い ず れ も そ れ ぞ れ の 政 権 が 発 足 し て 1 年 以 上 を 経 た 2 年 目 の 1 9 9 4 年、 2 0 0 2 年、 10年 に 公 表 されている。   ト ラ ン プ 氏 は 政 治 の 世 界 で は ア ウ ト サ イ ダ ー で あ り、 就 任 時 に は 安 全 保   ト ラ ン プ 政 権 が こ の ほ ど 発 表 し た 「 核 態 勢 の 見 直 し 」( N P R ・ N uc le ar P os tu re Rev iew ) が 大 き な 波 紋 を 生 ん で い る 。 「 核 な き 世 界 」 を う た っ た オ バ マ 大 統 領 時 代 か ら の 一 大 転 換 で あ る た め だ。 米 国 を 取 り 巻 く 安 全 保 障 環 境 の 急 激 な 悪 化 を ト ラ ン プ 政 権 の 安 全 保 障 チ ー ム が 懸 念 し、 戦 術 核 と 分 類 さ れ る 小 型 核 兵 器 に よ る 柔 軟 な 戦 略 を 進 め よ う と す る 動 き で あ る の は 間 違 い な い。 一 方 で、 米 国 の 核 を 過 剰 に 恐 れ た 「 敵 国 」 を よ

前嶋 和弘

上智大学総合グローバル学部教授

「柔軟性」が招く

北朝鮮、ロシアの脅威に対応、

米核戦略見直し

軍拡の懸念

(9)

特集 I トランプ版核戦略と抑止の現実 9 と い っ た 言 葉 を 繰 り 返 し て き た バ ノ ン 首 席 戦 略 官・ 上 級 顧 問 が、 昨 年 秋 に 事 実 上 更 迭 さ れ た の も 大 き い。   急 激 に 変 化 す る 国 際 情 勢 の 中 で 米 国 の 安 全 保 障 るのに十分だった。   さ ら に、 「 北 朝 鮮 へ の 圧 力 よ り も 中 国 と の 貿 易 戦 争 」「 世 界 の 警 察 官 で あ る よ り も、 ラ ス ト ベ ル ト ( さ び 付 い た 工 業 地 帯 ) の 労 働 者 の 生 活 を 救 済 し ろ 」 的である。 「 力による平和 」 と い う か つ て の レ ー ガ ン 政 権 と 同 じ ス ロ ー ガ ン は、 安 全 保 障 コ ミ ュ ニ テ ィ ー で は 広 く 共 有 さ れ て い る 考 え 方 で あ り、 国 防 総 省 の 官 僚 か ら の 信 頼 を 集 め 退 任 し た フ リ ン 氏 の 後 任 と し て 就 任 し た マ ク マ ス ター大統領補佐官 ( 国家安 全保障担当 ) という3人の 軍 出 身 者 が 中 心 と な っ て 進 め る 政 策 は、 現 場 を 知 り 尽 く し て い る 分、 現 実 西大西洋バハマ諸島海域で行われた米海軍原子力潜水艦「フロリダ」からの 巡航ミサイル「トマホーク」発射実験(03年1月、AFP=時事)

(10)

Nuclear Strategy 10 種 政 策 の 根 本 に は 前 政 権 に 対 す る 反 発 が 見 え 隠 れ す る。 こ れ は 同 政 権 の 「 D N A 」 と も 言 い 得 る も の で、 安 全 保 障 も 例 外 で は ない。   オ バ マ 政 権 下 の 10年 の N P R の 場 合、 「 核 の な い 世 界 」 を 核 廃 絶 と い う 高 ら か な 理 想 を 表 明 す る と と も に、 核 の 役 割 低 減 を 目 指 し た オ バ マ 政 権 の 狙 い が 込 め ら れ て い た。 10年 版 に あ っ た の は 「 米 国 が 手 本 を 示 せ ば ロ シ ア も 追 随 し て 核 放 棄 を す る。 中 国 も こ れ に 従 う 」 と い う 思 い が あ っ た。 政 策 の ど こ が 問 題 で あ るか。 同盟国をどのよう にして守るべきか。 その た め に 何 を す べ き か ─。 安 全 保 障 チ ー ム に と っ て、 バノン氏という不協 和 音 を 奏 で る 存 在 が 無 け れ ば よ り 現 実 的 に 状 況を分析できる。   オバマ政権への      アンチテーゼ   今 回 の N P R の 前 提 と な る ト ラ ン プ 政 権 の 安 全 保 障 チ ー ム が 考 え る 安 全 保 障 上 の 最 大 の 問 題 点 は、 2 期 8 年 に 及 ぶ オ バ マ 政 権 の 間 に 極 め て 大 き く な っ て し まった中国やロシア、 北 朝 鮮 と い う 安 全 保 障 上 の脅威に他ならない。 ま た、 ト ラ ン プ 政 権 の 各 グアムのアンダーセン空軍基地で北朝鮮のミサイルへの対応などを協議するダンフォード米統合参謀本部議長 (左から2人目)(2月8日、AFP=時事)

(11)

特集 I トランプ版核戦略と抑止の現実 11 拡 大 し て い る と の 懸 念 が あ り、 現 在 は 同 条 約 の 存 在すら危ぶまれている。   北朝鮮問題は   同盟国を守る 「 試金石 」   さ ら に、 ト ラ ン プ 政 権 の 北 朝 鮮 を め ぐ る 見 方 は、 オ バ マ 政 権 の 安 全 保 障 観 と 決 定 的 に 異 な る。 北 朝 鮮 の 自 然 崩 壊 を 目 指 し た オ バ マ 政 権 の 「 戦 略 的 忍 耐 」 の結果、北朝鮮はここ 数 年、 急 激 に 核・ ミ サ イ ル 開 発 を 進 め て お り、 完 成 が 近 い と さ れ る 核 搭 載 の 大 陸 間 弾 道 弾( I C B M ) の存在は、日米同盟そ の も の を 大 き く 揺 り 動 か す段階にまで至っている。   こ の 北 朝 鮮 情 勢 に つ い ては今、 一つの小論文が世 界的に注目され、広く…   こ の、 や や ナ イ ー ブ な オ バ マ 政 権 の 思 惑 は 大 き く 外 れ た。 今 回 の N P R に よ る と 冷 戦 時 代 の 最 盛 期 と 比 較 し て、 米 国 は 核 兵 器 保 有 数 を 85% 以 上 削 減 し た が、 中 ロ は 核 兵 器 の 近 代 化 や 拡 大 を 大 き く 進 め た。 核 軍 縮 自 体 に は 賛 同 す る も の の、 こ の 状 況 で は さ ら な る 核 軍 縮 の 進 展 は 期 待 で き な い と い う の が ト ラ ン プ 政 権 の 立 場である。   特 に 米 ロ 両 国 は、 オ バ マ 政 権 下 の 11年 に 新 戦 略 兵器削減条約 ( 新STAR T ) を 発 効 さ せ た も の の、 核 軍 縮 は 遅 々 と し て 進 ん で い な い。 ロ シ ア に つ い ては、中距離核戦力 ( IN F ) 全廃条約 ( 88年発効 ) 違 反 の 地 上 発 射 型 巡 航 ミ サ イ ル を 含 む 運 搬 能 力 を

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Vol.49(2018/2) 宥和に潜む陥穽 Vol.47(2018/1) 2017-18 引き継がれる危機 Vol.47(2017/12) アジア歴訪の功罪 Vol.46(2017/11) 習一強時代 Vol.45(2017/10)北朝鮮危機に 出口はあるか

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