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The spatial method for analyzing the multiple effect of infrastructural elements on the distribution of activity points

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Academic year: 2021

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(1)

基盤的施設が活動分布に及ぼす複合的な影響を考慮した空間分析手法

市村 信・岡部篤行

The spatial method for analyzing the multiple effect of infrastructural elements on the distribution of activity points

Makoto ICHIMURA , Atsuyuki OKABE

Abstract: This paper proposes a new method for analyzing the multiple effect of infrastructural elements on the distribution of activity points. First, the paper defines the new function, called the multiple cross K-function, which is an extension of the cross K-function. Second, the paper discusses the advantages of this method using hypothetical data sets.

Keywords: 複合的な影響(multiple effect), クロスK関数法(cross K-function method),

マルチプル・クロスK関数法(multiple cross K-function method)

1.はじめに

本研究の目的は,地域の基盤的要素(以下,基 盤施設と呼ぶ)が地域で生じる非基盤的要素また は諸活動の分布(以下,活動分布と呼ぶ)に及ぼ す複合的な影響を分析する手法を提案することで ある.具体的には,2 種類の点オブジェクト分布 の空間相互関係を示す関数であるクロスK関数法 を複数オブジェクト分布に拡張した,新たな分析 手法を提案する.

複合的な影響を分析する手法として多次元最近 隣距離法(Okabe and Yoshikawa1989)がある.

たとえば,点オブジェクト分布として基盤施設A,

B及び活動分布Nがあるとする.相互最近隣距離 法によりNAに近いところに多く,Bに近いと ころにも多いことがそれぞれわかったとしても,

AにもBにも近いところだけに多いのか,Aに近 いかBに近いかどちらかの条件を満たしていると ころはすべて多いのかはわからないが,多次元最 近隣距離法によればそのような複数種類の基盤施 設の複合的な影響を分析することが可能である.

しかし,多次元最近隣距離法は相互最近隣距離 法と同様に,活動分布点から最も近い基盤施設群 までの距離のみを利用するため,分布の広域的な 傾向が無視されやすいという欠点がある.クロス K関数法はより広範囲な情報を利用することによ って相互最近隣距離法の欠点を補うものであるが,

多次元最近隣距離法においても同様の拡張を行う ことが考えられる.

なお,クロスK関数は2つの分布の間に相互関 係があるかどうかを分析するものである.特に都 市においては,互いに相手の立地に影響を及ぼし ていると考えられる施設が多くあるため,クロス 市村: 113-8656 東京都文京区本郷7-3-1

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 TEL:03-5841-6259 E-mail: ichi@ua.t.u-tokyo.ac.jp

(2)

K関数によりそれらの関係を分析することが多い.

その結果,2つの分布に類似性が認められた場合,

相互の相関関係,さらには因果関係(一方が他方 を引き起こす)の存在の可能性も考えられるとい うことになる.ただし,一般には鉄道や商業施設 などの基盤施設が,住宅立地や犯罪発生などの活 動分布に及ぼす一方向の影響に着目されることが 多い.そこで,本研究では基盤施設にあたる点オ ブジェクトの位置は固定されているものとして,

これを基準としたときの活動分布の特徴について 扱う狭義のクロスK関数を拡張することにする.

2節では,新たな分析手法について定義をする.

3節では,本手法の解析能力について検討する.4 節でまとめと今後の課題について述べる.

2.マルチプル・クロスK関数法の定義

まず,分析対象領域に2種類の基盤施設AB 及び活動分布 N が分布しているとする.さらに,

Ana個,Bnb個,Nm個の点オブジェクト から成るとし,A,B の各点オブジェクトをそれ ぞれAi(i=1,2,…, na),Bj(j=1,2,…, nb)で表すこ ととする.

ここで,距離パラメータをt,分析対象領域をR として,各領域を以下のように定義する.

Dai(t):中心Ai,半径tの円領域 R Dbj(t):中心Bj,半径tの円領域 ∩ R Daibj(t):Dai(t) Dbj(t)

Dai-aibj(t):Dai(t) から Daibj(t) を除いた領域 Dbj-aibj(t)Dbj(t) から Daibj(t) を除いた領域 このとき,マルチプル・クロスK 関数Kab(t) Ka-ab(t)Kb-ab(t)を以下のように定義する.

∑∑

= =



 

=

na b

i n j

aibj ab

t t D

K

1 1

) ) (

(

活動分布 の個数

に含まれる N

∑∑

= =

 

 

=

na b

i n j

aibj ai ab

a

t t D

K

1 1

) ) (

(

活動分布 の個数

に含まれる N

∑∑

= =



 

=

na b

i n j

aibj bj ab

b

t t D

K

1 1

) ) (

(

活動分布 の個数

に含まれる N

なお,有限の対象領域におけるマルチプル・ク ロスK関数の期待値は,活動分布Nの密度を

λ

N

したとき,

で表される.

:基盤施設A,:基盤施設B,×:活動分布N)

2-1 Dai-aibj(t)等のイメージ(t=100のとき)

2-2 Dai-aibj(t)等のイメージ(t=200のとき)

なお,一般の狭義のクロスK関数を分解したも のがマルチプル・クロス K 関数であるといえる.

すなわち,基盤施設Aを基準として活動分布N 見た狭義のクロスK関数をKa(t)とすると,

B ab a ab

a n

t K t t K

K ( ) ( )

)

( +

= となる.

[ ] ( )

N

n i

n

j aibj

ab

a b

t D t

K

E = ∑∑ × λ

= =

)

( )

(

1 1

の面積

[ ] ( )

N

n i

n j

aibj ai ab

a

a b

t D t

K

E = ∑∑ × λ

= =

( ) ( )

1 1

の面積

[ ] ( )

N

n i

n j

aibj bj ab

b

a b

t D t

K

E = ∑∑ × λ

= =

( ) ( )

1 1

の面積

(3)

3.本手法の解析能力の検討 3.1 複合的な影響のパターンの例

本手法の解析能力を検討するため,本節ではサ ンプルデータを用いた解析を行う.

例として,従来の手法により「NAに近いと ころに多い」かつ「NBに近いところに多い」

ことがそれぞれわかった場合を考える.このとき,

複合的な影響を考慮した場合の3種の点オブジェ クト分布間には表3-1 に挙げたような関係の存在 が一例として考えられる.併せて,各パターンに マルチプル・クロスK関数を適用した場合に期待 される結果についても記した.

3-1 複合的な影響のパターンの例

パターン 特徴 及び 想定される本手法の適用結果

NAにもBにも近いところだけに多い.

[想定結果] 0近傍において,Kab(t)が特に大

Aに近いもしくはBに近いかのどちらかの 条件を満たしているところはすべて多い.

[想定結果] 0近傍において,Kab(t) Ka-ab(t)Kb-ab(t) が同程度に大

N A に近いところだけに多く,かつB Aに近接する傾向がある.

[想定結果] 0近傍において,Kab(t)及び Ka-ab(t) が特に大

3.2 サンプルデータの概要

3-1 の①~③のパターンに合致する傾向をも つサンプルデータを用いて解析を行う.ここでは,

1000×1000の領域に,各点オブジェクトの個数が

na=8,nb=8,m=25となるようA,B,Nを配置 した.なお,A,Bはいずれも固定して配置し,N を①~③のパターンに合うようそれぞれ配置した.

:基盤施設A,:基盤施設B,×:活動分布N)

3-1 パターン①の傾向を持つサンプル①

3-2 パターン②の傾向を持つサンプル②

3-3 パターン③の傾向を持つサンプル③

3.3 結果

サンプル①にマルチプル・クロスK関数を適用 した結果が図3-4である.

3-4 サンプル①の本手法適用結果(K関数)

ところで,マルチプル・クロスK関数の3種の 関数はそれぞれ期待値を示す曲線の形状が異なっ ているため,視覚的に直接比較を行うことが困難 である.そこで,活動分布が完全にランダム分布 である場合にL(t)=0となるように基準化を行い,

(4)

これをマルチプル・クロスL関数とする.本研究 では,便宜的に以下の式を用いた.

} 1 )]

( [ ) ( { )

(t =t× K t E K tL

マルチプル・クロスL関数をサンプル①~③に 適用した結果は以下の図3-5~3-7のようになった.

なお,各K値について,二項分布の検定(有意 水準 1%)により統計的に有意となる距離帯につ いては太線で示してある.

3-5 サンプル①の本手法適用結果(L関数)

3-6 サンプル②の本手法適用結果(L関数)

3-7 サンプル③の本手法適用結果(L関数)

この結果において,距離t =0の近傍(ここでは

t =300程度まで)に着目すると,サンプル①,②,

③のいずれも表 3-1で示した想定結果に概ね合致 していることがわかる.

4.まとめ

複合的な影響を分析する手法として, マルチプ ル・クロスK関数の提案を行い,その手法の解析 能力について検討した.これにより,多次元最近 隣距離法よりも広範囲な情報を利用しながら,複 合的な影響について分析することが可能となった.

今後,現実のデータに対して本手法を適用し,そ の有用性について検証を行うのが望ましい.

しかし,本手法の問題点として次のようなこと が挙げられる.

まず,本手法は各基盤施設からすべての活動分 布点までの距離を利用するものであり,分布間の 類似性から因果関係の示唆を得るような分析にお いてはあまり必要とされない,非常に離れた点に ついての情報も多く含むことになる.それにより 分析・考察の精度を落としてしまう可能性もある.

このため,距離パラメータtの有効範囲の検討や,

各基盤施設の影響圏を想定するローカル・マルチ プル・クロスK関数法の検討が必要である.

また,式⑺の基準化式にも不十分な点があり,

今後の検討課題である.

謝辞

本研究を進めるにあたり,東京大学空間情報科 学センターの佐藤俊明研究員から貴重な助言を数 多くいただきました.ここに記して,深く感謝申 し上げます.

参考文献

吉川徹・岡部篤行(1991)多次元最近隣距離法に よる都市基盤施設が中高層住宅の地域的分布に 与える複合的影響の分析,日本都市計画学会学 術研究論文集, 26, 523-528.

Okabe, A. and Yoshikawa, T.1989The multi nearest neighbor distance method for analyzing the compound effect of infrastructural elements on the distribution of activity points, Geographical Analysis, 21, 216-235.

参照

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