ヒトとマウスにおけるうま味受容に関する研究

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. ヒトとマウスにおけるうま味受容に関する研究 真鍋, 智宏. http://hdl.handle.net/2324/1441143 出版情報:Kyushu University, 2013, 博士(歯学), 課程博士 バージョン: 権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3).

(2) 区 分 論 文 題 目. ヒトとマウスにおけるうま味受容に関する研究. 氏. 論. 文. 内. 容. 名. の. 真鍋. 要. 智宏. 旨. うま味は、昆布だしの主成分であるグルタミン酸などのアミノ酸などで生じる 5 基本味のひとつであり、アミノ酸やタンパク質を検出するための重要な感覚であ る 。 ま た 、 か つ お 節 の 成 分 で あ る イ ノ シ ン 酸 ( IMP) な ど の 核 酸 の 添 加 に よ り 味 の強さが増強される相乗効果をその特徴とする。この受容機構に関しては、これ ま で に G タ ン パ ク 質 共 役 型 受 容 体 で あ る T1R1 が T1R3 と 二 量 体( T1R1+T1R3) をつくることでうま味受容体として機能していることや、これらを遺伝的に欠損 さ せ た マ ウ ス( T1R1-KO, T1R3-KO)で は 、 鼓 索 神 経 ( 舌 前 方 味 蕾 支 配 )の う ま 味 応 答 が 大 き く 減 少 し 相 乗 効 果 が み ら れ な く な る が 、舌 咽 神 経( 舌 後 方 味 蕾 支 配 ) の う ま 味 応 答 は 変 化 し な い こ と 、 そ し て T1R1-KO で 残 存 す る う ま 味 応 答 は 代 謝 型 グ ル タ ミ ン 酸 受 容 体 mGluR の 拮 抗 薬 に よ り 有 意 に 抑 制 さ れ る こ と が 報 告 さ れ て い た 。 こ れ ら の こ と は 、 T1R1+T1R3 が 舌 前 方 で 働 く 主 要 な う ま 味 受 容 体 で あ る こ と を 示 す と 同 時 に 、 残 存 す る う ま 味 応 答 が T1R1+T1R3 以 外 の 味 細 胞 で 発 現 が 報 告 さ れ て い る mGluR1 や mGluR4 に よ っ て 受 容 さ れ て い る 可 能 性 を 示 唆 す る 。 し か し 、 こ の mGluR1 と mGluR4 の う ま 味 感 受 性 へ の 機 能 的 な 関 与 に つ い てはほとんど不明である。 そ こ で 本 研 究 で は 、 mGluR4 を 遺 伝 的 に 欠 損 さ せ た マ ウ ス ( mGluR4-KO) を 用 い て 、味 応 答 特 性 お よ び グ ル タ ミ ン 酸 受 容 体( mGluR1, mGluR4, NMDA, AMPA, Kainate) の 作 動 薬 お よ び 拮 抗 薬 に 対 す る 感 受 性 に つ い て 鼓 索 お よ び 舌 咽 神 経 応 答記録により解析した。またヒトうま味受容体候補の遺伝子多型性とうま味感受 性との相関性についても解析を行った。 こ の 結 果 、(1) mGluR4-KO は 正 常 マ ウ ス に 比 べ て 、鼓 索 と 舌 咽 神 経 の 両 方 で う ま 味 に 対 す る 応 答 が 有 意 に 低 い が MPG と IMP に よ る 相 乗 効 果 は 明 確 に 認 め ら れ る こ と が 分 か っ た 。ま た mGluR4-KO の 舌 に T1R3 阻 害 剤 で あ る グ ル マ リ ン を 処 理 し て T1R1+T1R3 の 影 響 を 阻 害 し て も 、 舌 前 方 お よ び 後 方 の う ま 味 感 受 性 が 残 存 す る こ と が 分 か っ た 。( 2) グ ル マ リ ン 処 理 後 の マ ウ ス の 鼓 索 神 経 で は 、 mGluR1 作 動 薬 に 対 す る 応 答 が み ら れ 、 mGluR1 拮 抗 薬 処 理 に よ り う ま 味 応 答 の 抑 制 が み ら れ た 。 舌 咽 神 経 で は mGluR1 と NMDA の 作 動 薬 お よ び 拮 抗 薬 に 感 受 性 が あ る こ と が 分 か っ た 。 RT-PCR 解 析 の 結 果 、 舌 前 方 お よ び 後 方 の 味 蕾 に mGluR4、 mGluR1 お よ び NMDA 受 容 体 の mRNA が 発 現 す る こ と が 分 か っ た 。 ( 3)ヒ ト う ま 味 感 受 性 の 個 人 差 に 、こ れ ま で に 報 告 さ れ て い た T1R1-A372T、T1R3-C757R、 mGluR1-S993P に 加 え て 、 新 た に T1R1-M139T お よ び T1R3-T127I が 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 ま た フ ラ ン ス 人 の 2%に み ら れ る う ま 味 感 受 性 を 下 げ る T1R1-V110A は 日 本 人 で は 見 ら れ な い こ と が 分 か っ た 。 こ れ ら の 結 果 か ら 、 mGluR4 は 鼓 索 お よ び 舌 咽 神 経 支 配 領 域 で う ま 味 受 容 体 と し て 機 能 し て お り 、 さ ら に 舌 前 方 部 で は mGluR1 、 T1R1+T1R3 、 舌 後 方 部 で は mGluR1 お よ び NMDA も 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 う ま 味 受 容 体 の 遺 伝子多型性は直接うま味感受性に影響し、その感受性には人種差がある可能性も 示唆された。. 甲. 乙.

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