西松建設技季長VoE.22 U,D.C. 725.42:628,474:624.157.3
ごみ焼却施設ごみ ピッ ト部のニューマチ ックケーソン工法での施工 Cons t r uc t i onofRe f us ePi ti nRe f us eI nc i ne r a t i on by Pne uma t i cCa i s s on Me t hod
田中 和夫 * 早野 幸夫*
KazuoTanaka YukioHayano 榊 原 基恭 *
MotoyasuSakakibara
要 約
一宮市 ごみ焼却施設建設工事 の ごみ ピッ ト部 (面積約1,000m2,深度18m)を,ニ ューマチ ック ケー ソン工法 で施工 した.一般 に, この規模 の工事 は山止 め開削工 法で実施 され るが,GL‑ 19m以深 に径 の大 きい玉石層があ り山止 め壁 の施工が 困難 であ るな どの理 由か ら当工法 の採用 と な った.当 ピ ッ トは隔壁 が ないため部材厚 が大 き く,かつ ,平面形状 が非対称 であ るため,汰 設精度 の確保 が難 しい とい う課題 が あ ったが ,沈設姿勢計測 お よび沈設荷 重制御 な どを厳密 に 実施 し,高精度沈設 に成功 した.
目 次
§1. は じめ に
§2.工事概 要
§3.近 隣,地質,地形状況
§4.沈下精度 に対す る検討
§5.おわ りに
§1.はじめに
一般 に,ケー ソン工法 にはオー プ ンケー ソン工法 とニ ューマチ ックケー ソ ン工法 の二つの工法があるが,水 中 掘削 によるオープ ンケー ソン工法での施工 を実施す る場 合,排水 ピッ ト部 は開削後 の施工 と しなければな らない.
水 中掘 削 で は精度 の確 保が 困難 で あ る こ とな ど施工性 , 工期 ,経済性 の面 で問題 が生 じる.従 って,本工事 ごみ
ピッ ト郭 では, これ らの こ とを考慮 し,ニューマチ ック ケー ソン工法で施工す るこ ととなった.
当ケー ソ ンは ごみ ピッ ト部 (内空平面45.2m X16.2m)
*中部 (支)NKK一宮 (也)
と排水 ピッ ト部 (内空平面5.7mX5.5m)か らなるL型 の ケー ソ ンで あ り,全 体平 面 寸法 は49.2mX27.7m (A‑
1,066m2)の大型 ケー ソ ンであ る. また,側壁厚 は最 大 2.0m,作業室 スラブ厚 は排水 を考慮 して2.0m‑2.5mとな
っている.
なお,当工事 は,ケーソ ンの施工 と併行 して周囲の構 造物 の築造 をデ ィープウェル を使用 して行 ったので,ケ ー ソ ンの作 業気 圧 管理 が難 しい状 況 下 で の施工 とな っ た.本稿 は,悪条件下での施工精度 の確保 について報告 す る.
§ 2.
工事概要工事件名 :‑富市 ごみ焼却施設建設工事 発 注 者 :日本鋼管株式会社
施工場所 :愛知県一宮市奥町字六丁 山52番地 工 期 :自 平成7年1月15日
至 平成10年3月20日 用 途 :ごみ焼却施設
工事規模 :(1)敷 地 面 積 39,458.43mコ (2)建 築 面 積 5,825.13m2
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ごみ焼却施設ごみ ピッ ト部のニューマチ ックケーソン工法での施工
(3)法定延床面積 17,640.62m2
(4)軒 高 31.0lTl (5)最 高 高 さ 34.3m (6)最 高 階 高 5.5m (7)最 大 ス パ ン 26.0m (8)構 造 種 別 S遷 ・R
C 造
sRC造 (9)地下地上階数 地下2階
地上5階 塔屋2階
なお,施工 を行 う際の フローチ ャー トを図‑ 1に,紘 工手順 を図‑ 2に示す. また, ごみ ピッ ト平面 ・断面図 を図‑3に,刃口金物設置状況お よび土砂 セ ン トル築造 状況 を写真‑1お よび写真‑2に示す.
☆ニ ェ‑マチ ックケ‑ ソン工
刃 口 金 物 据 付
け
埋めコンク リ一一ト
セン
ト ル 音 さ 分 を 乱 さ な い
刃口
劇・ 1 位 慈・ 刃 口 扱 け
地盤の幾度 ・盈頓の設置土砂セン トル領碇
①飼裂
内 枠 i i I② 富 士 . 転
任 ③走行 レール設鑑◎天上
郎 均 し コ ン ク l J ‑ T , 打
殺①lR、
2 R . の 手 持 範② 埋
め込み配管送免.娩RzL 折土iiq7時
①スべ′Y
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人力 一 級奴・ケーソンの全
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托賃fi.田舵柵訊撃地下水以 下は三三°鼠
① 下段の支保 工殺鼠
① 3Rの横束 ②埋込み髭管の縫 ぎ足 し (Dシャフ ト総 ぎ足 し (構袋完 了) (かや敵の文隈工投匿
・沈下髄様団 ・ケー ソンの餓解
① 4Rの構築 ② 榎込み配管の潅 ぎ足 し
① 上段の支保 工を匿
・ケーソンの深度.傾斜、移動
・麓環他生の舵り過 ぎ 地盤反力の級浅く之力餅)
妨水の水質夜盗 (迭気状 折気絶, ロック ・シャフ トの解捧一酸気
Egl‑ 1 施工 フローチ ャー ト
二 二 ‑・
§ 3. 近隣,地形,地質状況
当敷地は‑富市の北西部 にあ り,名鉄名古屋本線 「い わ と」駅の北西約1kIⅥの所 に位置 している.
この付近一帯 は,木 曽川等の河川 によって形成 された 平坦地で犬 山市 を扇頂 とす る半径約 12kmの犬 山扇状地 を 中心 とす る我国有数の広 さを誇 る沖積平野である.
西松廷設技報 VoE.22
写真‑ 1 刃 口金物設 馴 犬況
写真‑2 土砂 セ ン トル築造状況
西松建設技報 VoL22 ごみ焼却施設ごみ ピッ ト部のニューマチ ックケーソン工法での施工
図‑ 2 施工手順
地質 については,表層部 に地表の表土,盛土 (Fl)下か ら比較的軟弱 な沖積層 の粘性土(C)と砂層(S)が2枚 ず つ分布 し,その下位のGL‑10.0m〜 …11.5mか らは調査 地周辺の良好 な基礎地盤 とな り,玉石‑巨襟 を多量 に含 む洪積層第‑襟層(G)が15m〜20m程 の層厚 で堆積 して いる.
①表土 ・盛土(Fl)
造成等 に伴 う盛土で,層厚 は0.65m‑0.75m,N値 は測 定 されていないが,比較的締 まった状態.
②上部 ・粘性土(Cl)
表土 ・盛土(F)下 よ り分布 し,土質 は砂質 シル トで全 体 に砂分 を多 く混入す る不均 質 な土性 であ る.N値 は 2‑8(平均N‑5)であ り,概ね "軟 らかい"状態.
③上部 ・砂(Sl)
上部粘性土(Act)下のGL‑3m〜‑8m付近 に分布 し, 土質はシル ト質砂 〜細砂 ‑砂 よりなる.細砂 〜申粒砂 を 主体 とし,砂粒子が比較的均 一 な土質である.N値 は8
‑29(平均N‑20)で,概ね "中位"の締 ま り方.
④下部 ・粘性土(C2)
上部砂(Asl)下のGL‑7m‑11m付近 に分布 し,土質 は砂混 じりシル トである.N値 は7‑14(平均N‑10)で あ り,概 ね "中位"の締 ま り方.
⑤下部 ・砂(S2)
下部粘性土(Ac2)中に狭在する薄層 であ り,土質は細 砂 よ りな り,砂粒子均一である.N値 は17で "中位"の 締 まり方.
⑥第‑裸層 ・玉石混 じり砂磯 (G)
層厚14.9m〜21.1mを有 し,土質は玉石混 じり砂磯で,
≠80‑400mm程の玉石 を点在 している.玉石は硬質な濃 飛流紋岩類 よ りな り,横 間を充てんする砂分 は粗砂 を主 体 としている.なお,ボー リング掘削時には,所 々で泥 水 の逸水が確認 されている.N値 はN>60が連続 して記 録 され,"密な〜非常 に密な"締 まり方.
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ごみ焼却施設ごみ ピッ ト部のニューマチ ックケーソン工法での施工
2‑2平面図 1/ 200 49.200
西松建設技報 VoL22
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§ 4.
沈下精度に対する検討 4‑ 1 問題点および その背景図‑3 ごみ ピッ ト平面 ・断面図
L型 の形 状 を とる. また ,底 盤 に は長 辺 方 向 で2.0m‑
2.5mの水勾配 を とってい るので,重量 バ ラ ンス的 に も厳 しい状 況 であ った.
ピ ッ ト周 囲 には北側 に1本 ,南側 に5本 の計6本 の デ イ 当 ピ ッ トは内法寸法45.2mX16.2mの ごみ ピ ッ トに内法 ‑ プ ウェルが施工 済みであ った・ また,南側 の建物 基礎 寸法5.7mX5.5mの排水 ピ ッ トお よ
び
階段 室 の取 り付 けた 工事 の ための 山止 め支保工 の設備等 の影響 もあ って,作西松建設技報 VoL22 ご み 焼 却 詫 言受ご み ピ ッ ト部 の ニ ュ ー マ チ ッ ク ケ ー ソ ン 工 法 で の 施 工
平成7年 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 ュo 月
10 20 38 ーけ 28 30 lO 20 .% ー8 ZO 30 lO 20 30 1○ こけ 38 10 =0 38 t○ 2B
土 砂 セ ン トル 工 II
刃 口 金 物 工
構 施 工 lR 2R .lR̲ 4R I
抜 装 .掘 削 設備 エ a 珍
江 下 沼 削 I
I
i
匝 ー
亀 力 設 備 工
l
j盈 気 設 備 工
! i
残 土 設 備 エ
場 内 片 付 け
胸 考 太コンク ‑ ト打改臼 諾沈下掘削進捗状況 7月3日より昼夜作真顔始
lR : 5月 9日 8月 9日 4. 262m
図‑4 実施工程
業室内での水位差が発生 し,内圧の調整が非常 に難 しか った.即 ち,水位 の高 い方 に合わせて内圧 を上 げた時は エアがケーソン刃先の地盤 を通 りエアブローが生 じるた め内圧が急激 に変化 し,ケーソンの沈下抵抗力が小 さ く なって不等沈下 を起 こす可能性がある.一方,水位 の低 い方 に合 わせて内圧 を小 さ くす る と作業室内の一部で出 水す る恐れがあるといった状況 となった.
4‑2 対策の検討,計画
ニューマチ ックケーソンの沈下方法 は,基本的 に刃口 の抵抗力 を小 さ くす ることによって沈下の促進力 と沈下 抵抗力 を運転 させ沈設す る ものである.荷重が不足 した 場合 には水荷重の注水や,滑材の注入 を行 うことで,局 面摩擦力 を低減 させ沈下促進力 を保持 させ る. また,当 ごみ ピッ トケー ソンは建築構造物であ り,躯体の変形 を 最小 限に抑 え,高い精度 を確保す る必要があった. した が って計測結果 をあ らゆる方向か ら推測 し,特 に,傾斜, 移動 または山止め支保工 に設置 したひずみ計等 を利用 し
た躯体の変形等 を考慮 しなが ら施工 を実施 した.
当ケー ソンの沈下量15mの うち13mまでは全 て 自然沈 下で施工 を進 めて きたが,残沈下量2mの ところで不等 沈下 を起 こ し,同時 に沈下力不足 となった. これ を機 に 水荷重 による沈下掘削 に踏み切 り,水荷重 を加 えること によって偏荷重が増加す る恐れ もあったが,ケーソン刃 口の低 い方の土砂 を残 し,高い方のみ を掘削す ることに よ り修正 を行 った.なお,ニューマチ ックケーソン工法 は,一般 に特有の機械設備 を有す るために,オープンケ ーソンよ り割高 にはなるが、作業室内で作業員が直接掘 削す るため,傾斜修正が他の工法 よ りも容易であ り,狗 一で高精度 な沈下が可能であるとい う優れた特徴 を有 し ている. したが って,今回の ような不慮の事態 に対応す ることがで きたの も,工法選定が適確であったためだ と いえる. これによ り,沈下終了時 には長辺方向34mm,痩 辺方向16mmとい う誤差 とな り,管理 目標値内で完了す る ことがで きた.なお,実施工程表お よび各仮設計画図 を 図‑4お よび図‑5に示す. また、 ごみ ピッ ト全景お よ び沈下掘削状況 を写真‑ 3お よび写真‑ 4に示す.沈下 掘削施工実績 を表‑ 1に示す.
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ごみ焼却施設 ごみ ピッ ト部のニ ューマチ ックケ‑ソン工法での施工
ロ切 スサンプリング
図‑ 5 各仮設計画図
写真‑ 3 ごみ ピッ ト全景
写真‑ 4 沈下掘削状況 (作業室内)
秦‑ 1 沈下掘削施工実績
西松建設技報 VoE.22
管理項目 位 置 管理目標値 実 績
基準高 AB ±100mm
/ /
以内 +25‑9mmmm C/ /
+9mmD
/ /
‑25mm傾斜 A〜BB′‑‑C 高低差
/
/ 3979mm以内/ ∫
3146mm(mm(11//11,,429225)) C〜Dj
J 97l J
34mm(1/1,429)§ 5. おわりに
残沈下量2mの ところで不等沈下 を起 こ した ものの, それ まではすべて自然沈下で施工 を進めることがで き, 水荷重 も当初予定 していた約6,800tとい う数量 か ら約 2,000tまで抑 えることがで きた. また,非対称 な形状 や他工事 による影響 など悪条件の中であ りなが ら高い精 度で工事 を完了することがで き,当初の目標 を達成する
ことがで きた.
最後 に,本工事 において数多 くのご指導,ご協力 を頂 いた関係者各位 に厚 くお礼 申 し上げる.