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厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金  難治性疾患等政策研究事業  IgG4 関連疾患の診断基準並びに治療指針の確立を目指した研究 

総合研究報告書(分担研究) 

IgG4 関連疾患(IgG4‑RD)における血清 Apoptosis inhibitor of Macrophage (AIM) の意義に ついて 

 

研究分担者  井戸  章雄     

鹿児島大学大学院  消化器疾患・生活習慣病学  教授   

研究要旨:IgG4 関連疾患(IgG4‑RD)の病態に、形質細胞やマクロファージ等の炎症細 胞し、膵や唾液腺組織で繊維化が特徴的である。マクロファージから分泌される Apoptosis inhibitor of Macrophage(AIM)は C 型肝炎患者の肝繊維化に関与すること から今回、IgG4‑RD(自己免疫性膵炎)における血清 AIM の意義について検討した。

当科において経験した IgG4‑RD(自己免疫性膵炎) 38 例とその他の膵疾患(健常コ ントロール含む) 64 例について血清 AIM 濃度を測定したところ、健常コントロール 群や IPMN 群と比較して IgG4‑RD(自己免疫性膵炎)群において血清 AIM 値は高値であ った。また、IgG4‑RD のステロイド治療の前後で血清 AIM 値の改善がみられた。IgG4‑RD における AIM は腫瘍性病変との鑑別や治療効果判定に有用である可能性が示唆され た。 

 

A.研究目的 

自己免疫性膵炎(AIP)を含む IgG4 関連 疾患は,高 IgG4 血症と病変腺組織中の著 明な IgG4 陽性形質細胞浸潤を特徴とする 疾患である.血清 IgG4 は IgG4 関連疾患の 活動性指標として有用であるが,臓器特異 性がない.膵病変の評価には,侵襲性の高 い内視鏡下の造影や組織採取などが必要 であり,AIP の簡便な診断法の確立が望ま れる. 

アポトーシス抑制因子 AIM(Apoptosis  inhibitor of Macrophage;AIM)は、マク ロファージから分泌される蛋白で、非アル コール性脂肪肝炎や動脈硬化などの炎症 が病態進展に関与する事が報告されてい る。われわれはマクロファージから分泌さ れる AIM が C 型肝炎において、肝線維化進 展に関与する事を報告した。 

IgG4 関連疾患(IgG4‑RD)の病態にはマ クロファージが関与する可能性が報告さ れており、IgG4‑RD において組織の線維化 進展は重要な要素である。本研究では

IgG4‑RD と AIM との関連を明らかにする事 を目的とした。 

 

B.研究方法 

当科において経験した IgG4‑RD(自己免疫 性膵炎) 38 例と膵疾患 42 例(慢性膵炎 6 例、膵管内乳頭粘液性腫瘍 IPMN 6 例、膵 癌 30 例)ならびに健常コントロール 22 例の血清 AIM 濃度を測定した。また、

IgG4‑RD においてステロイド治療前後の 血清が評価可能であった 17 例については 血清 AIM 濃度の変化についても検討した。 

(倫理面への配慮) 

  本研究は鹿児島大学倫理審査委員会に おける承認を得て行われた。患者情報は匿 名化し、同意文書を用い患者本人の同意を 得たうえで血清を使用した。 

 

C.研究結果 

(1) IgG4‑RD 38 例(平均年齢 64.8±10.3 歳、男性 25 例)、慢性膵炎 6 例(平均年 齢 57.3±6.9 歳、男性 6 例)、IPMN 6 例(平

(2)

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均年齢 68.3±7.4 歳、男性 4 例)、膵癌 30 例(平均年齢 69.5±7.7 歳、男性 13 例)、 健常コントロール 22 例(平均年齢 66.2

±9.3 歳、男性 13 例)を対象とした。 

(2) 血清 AIM 濃度は ELISA Kit を用いて測 定した。血清 AIM 濃度は、IgG4‑RD 3876.9

±3772.3 ng/mL、慢性膵炎 1670.4±767.6  ng/mL、IPMN 1822.4±543.2 ng/mL、膵癌  1740.1±1471.2 ng/mL、健常コントロール  1313.1±631.0 ng/mL であった。IgG4‑RD では他膵疾患および健常コントロールと 比較して血清 AIM 値が高値であった。 

(3) ステロイド治療前後において血清 AIM 濃度が評価可能であった 17 例におい て、血清 AIM 濃度は治療後に低下した。 

(治療前 AIM 5076.1±11272.2 ng/mL、治 療後 AIM 1865.1±882.0 ng/mL) 

 

D.考察 

IgG4‑RD において、血清 AIM 濃度は他の 膵疾患、特に膵腫瘍性病変(IPMN や膵癌)

との鑑別に有用となる可能性がある。また AIM は肝疾患において、組織の線維化進展 に関与している可能性が示唆されている ことから、IgG4‑RD における組織の線維化 にも関与することが予想される。IgG4‑RD において血清 AIM が高値であったことや、

治療に伴い血清 AIM 濃度の改善が得られ たことから、IgG4‑RD における炎症・繊維 化進展に AIM が関与する可能性が考えら れた。 

 

E.結論 

  IgG4‑RD(自己免疫性膵炎)において他 膵疾患と比較し、血清 AIM 値が高値であっ た。その病態に対する意義については、今 後さらに症例を蓄積し、更なる検討が必要 と考えられた。 

F.健康危険情報          なし 

 

G.研究発表   1.  論文発表  なし   

 

 2.  学会発表 

  Tanoue S, Hashimoto S, Ido A, The 3rd 

International  Symposium  on  IgG4‑Related Diseases & Fibrosis (Maui, 

USA) Feb.15‑18, 2017.       

H.知的財産権の出願・登録状況 

(予定を含む。)   

 1. 特許取得    なし 

 2. 実用新案登録    なし 

 3.その他    なし 

参照

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