Studies on the Liver Function in special Reference to the Influence of Steroidhormone By Tadahiko KUME Third Department of Internal Medicine (Director

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Studies

on the Liver

Function

in special

Reference

to

the

Influence

of Steroidhormone

By

Tadahiko

KUME

Third Department of Internal Medicine (Director : T. MASUYA)

Faculty of Medicine, Kyushu University, Fukuoka, Japan

With a view of clarifying the liver function under the influence of steroidhormone, the author

ob-served the liver nitrogen, the liver enzymes and the serum protein pattern of rats affected by the

removal of the suprarenal gland, the castration and the administration of steroidhormone.

a99

The results were as follows

1. a) The removal of the suprarenal gland was followed by a decrease in the level of protein,

cholinesterase and catalase activities in the liver, and a decrease in that of serum albumin.

b) The castration was followed by a decrease in the level of serum albumin and an increase in

that of serum r-globulin, without producing any appreciable change in the liver protein and enzymes.

2. a) Administration

of corticoid on normal rats was followed by a decrease in the level of protein,

cholinesterase and catalase activities in the liver, without producing

any appreciable change in the

serum protein pattern.

b)

Administration

of androgen on normal rats was followed by an increase in the level of the

liver protein and in that of serum protein.

c) Administration

of estrogen on normal rats was followed by a decrease in the level of protein,

cholinesterase and catalase activities in the liver.

3. The level of the liver nitrogen and the liver enzyme activities in male rats was higher than in

female rats, but there was no difference between male and female rats in the serum protein pattern.

In the male rats with chronic liver damage induced by the inhalation

of CC14 vapour was found

a decrease in the level of the liver nitrogen, cholinesterase and catalase activities, but in the female

rats was found a decrease in the level of the liver cholinesterase and catalase activities.

In the recovery process after chronic liver damage, were restored the liver enzyme activities more

quickly in female rats than in male rats.

4. The rats administered corticoid in the process of the inhalation of CC1, vapour were followed

by a decrease in the level of the liver catalase activities as compared with the control, but on the

contrary by an increase in that of albumin and a decrease in that of r-globulin in the serum protein

pattern.

5. In the rats with chronic liver damage induced by the inhalation of CC14 vapour, was examined

the effect of steroidhormone on the recovery from the liver damage :

a) Administration

of corticoid was followed by a decrease in the level of cholinesterase activity in

the liver, but on the contrary by an increase in that of serum albumin and a decrease in that of

serum r-globulin.

b)

Administration of androgen was followed by no remarkable change.

c) Administration

of estrogen was followed by a decrease in the level of the liver transaminase

activity.

d) The castration was followed by a decrease in the level of the liver transaminase activity.

But

when androgen was given to the castrated rats, found an increase in the level of the liver protein

and the liver transaminase activity and also that of serum albumin, and a decrease in that of serum

r-globulin.

e) Administration

of androgen with corticoid was followed by a decrease in the level of the

choli-nesterase activity, but by an increase in that of serum albumin and a decrease in that of serum

r-globulin.

f) Administration of estrogen with corticoid was followed by a decrease in the level of the liver

cholinesterase and catalase activities, and also by a decrease in that of serum r-globulin.

345

ス デ

ロ イ

ド ホ ル モ ン と 肝 臓 機 能

酬 大学医学部第三内科(

指 導_{主 任} 沢 田藤 一郎 名 誉 教授_{桝 屋富 一 教 授}

)

久

米

只

彦

第1章

ま

え

お

き

生 体 内 に於 け る物 質 代 謝 は,肝 臓 を中 軸 と して 回転 して い るが,こ の肝 臓 に 於 け る物 質 代 謝 は・ 肝 細 胞 内 に あ る酵 素群 の系 統 的 な 機 能 に よつ て営 な ま れ て い る.従 つ て,肝 臓 に於 け る酵 素群 は肝 臓 機 能 の担 体 と し て,近 時 注 目 され てお り,例 え ば,肝 臓 酵 素 の 変 動 を観 察 す れ ば,肝 臓 機 能 を推 定 す る重 要 な資 料 とな る事 が 判 つ て き―. 一 方,生 体 内 代 謝 は,内 分 泌 腺 に よ つ て絶 えず 看 視 され,調 整 され て い るが,こ の 内 分泌 腺 の代 謝 系 に及 ぼす 影 響 は,直 接,間 接 に肝 臓 機 能 に,投 影 され る もの と判 断 して 差 支 え ない.従 つ て,内 分 泌 腺 ホル モ ン の肝 臓 酵 素 に 及 ぼす 影 響 を観 察 す れ ば,そ の ホル モ ンの生 体 内 代 謝系 乃 至 肝 臓 機 能へ の 関与 様 式 を 推定 で き る事 とな る. 最 近,ス テ ロ イ ドホル モ ンが 肝 臓 病 の 治療 面 に,応 用 され る様 に な っ― が,こ れ は,か か るホ ル モ ンが, 生 体 内 代 謝系 に 関与 し― 結 果,代 謝 の場 を提 供 す る肝臓 に,何 等 か の影 響 を与 え,こ れ が 結 果 的 にみ て,肝 臓 病 の治 療 に対 し有 効 で あ ると判 断 し得 る― め で あ ろ う. 著 者 は教 室 に於 け る,ス テ 国 団 ・ル モ ン と肝臓 機 能 に 関 す る研 究 の環 と して・ ス テ 田 ドホ ル モ ン と 肝臓 酵 素活 性 の テt-・一…マを と りあ げ,こ の 関 係 につ いて,系 統 的 に追 究 した 結 果2,3の 知 見 を得 た の で報 告 す る.

第2章

コル チ コイ ドと肝 臓 機 能

第1節 緒 言 下 垂 体 副 腎皮 質 系 の生 理 学 的意 義 に就 いて は,既 に25年 来 各 方 面 か ら精 細 に検討 され てお り・ そ の結 果 ・ 生 体 内物 質 代 謝 に於 て,下 垂 休 謂 頗 系 の 占 め る役 割 は か な 朔 らか に され て し・る・ 従 つ て 副腎 頗 磯 能 難 暢 合,肝 騰 能 の 異髄 示 す 事 が予 想 出来 る.著 者 は この点 醐 らか に す る 貼 で 測 陥 麟 並 び に コル チ コ イ ド投 与群 に お け る 白鼠 の 肝灘 素活 髄 罐 し,醐 こ肝 鰍 能 を反 映 す る もの として 重 視 され て い る血 清 蛋 白像 を観 察 し―.肝 臓 酵 素 活 性 は臨 躰 的 な立 場 か ら・ 特 定 な代 謝系 に 関与 す る酵 素群 を・ 系統 的 噸 察 す る事 は 避 け,何 等 力・の意 味 で,肝 離 能 を反 映 す ると い われ て い る・ コ リンエ ス テ ラー ゼ・ カテ フoシン,カ タ ラー ゼ,ト ラ ンス ア ミナ ー ゼ の4酵 素 を と りあ げ―. 第2節 実 験 方 法 (・)実 験 動物 実 験 動 物 と して は,一 定 食 餌(青 米,鰍 及 び 蘇)をadlibitumに 与 え・ 一 定 期 間 飼 育 した 体重150∼200grの 成 熟Wistar系 雄 白鼠 を用 い,次 の3群 に分 けた. 第1群.副 腎摘 出群.長 浜 氏 法1)に よ り,エ ーテ ル麻 酔 の下 に,背 部 か ら皮 膚 切 開 を加 えて,後 腹膜 内 に は い り,可 急 的 無 菌 的 に,両 側 副 腎 を,そ の周 囲 脂 肪 と共 に完 全 に摘 出 し・ 摘 出後5日 間経 過 した 群 ― 第2群.コ ル チ コイ ド1mg投 与 群.Cortisoneacctatc(Schcring社 製)を 体 重100gr当 り・1日1mg宛 10日 間筋 注 した群. 第3群.コ ル チ コ イ ド5mg投 与 群,Cortisoneacetateを 体 重100gr当 り,1日5mg宛10日 間 筋注 し た群. 以 上 の各 白鼠 群 は,実 験 当 日迄,adlibitumに 食 餌 を 与 え,体 重 を測 定 し―後,エ ーテ ル で麻 酔 し,心

346 ス テ ロイ ドホル モ ン と肝臓 機 能(久 米)

臓 穿 刺 に よ つ て,採 血 し,失 血 死 せ し め ― ― そ の 後,0―85%生 理 的 食 塩 水(約100cc)で,門 脈 を 経 て,還 流 し,肝 _{臓 内 血 液 を 出 来 る 限 り充 分 洗 い 流 し た .切 除 し た 肝 臓 は,濾 紙 で 水 分 を 除 き,寒 剤 内 に て,直 ち に} 凍 結 させ て か ら 実 験 に 供 し た.

(2)肝 臓 窒 繁 の 定 量.採 取 し ― 肝 臓 に 就 い て,先 _{づ 肝 湿 重 量 を 測 定 し ― ― 次 い で,bladehomogenizer} を 用 い ・ 生 理 的 食 塩 水 を 溶 媒 と し て,20倍 のhomogenateを つ く り,こ のhomogenateに 就 い て,KieldahI 法 に よ つ て 総 窒 素 及 び 非 蛋 白 窒 素 を 定 量 し て,肝 臓 蛋 白 窒 素 量 を 算 出 し ―_{.そ の 後,こ れ 等 の 値 は 凡 て,肝} 臓 乾 燥 重 量 当 り に 換 算 し て 現 し ― ―(乾 燥 重 量 の 測 定 は,20倍homogenatelccを 磁 製 珀 蝸 に と り,之 を 105℃ 乾 滅 器 内 で ・24時 間 乾 燥 灰 化 せ し め て_{,用 い た 肝 臓 の 乾 燥 重 量 を 算 出 し ― が,こ の 際,溶 媒 と し て の} 生 理 的 食 塩 水 中 に 含 ま れ て い るhomogenatelcc当 りの 食 塩 量(約8.5mg前 後)を も,乾 燥 重 量 に 含 め て 計 算 し ―). (3)肝 臓 酵 繁 活 性 の 定 量 (i)コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性(ChE) _. Sαwyer氏 _{法2)に 準 じ ― .即 ち,基 質 と し て は,pH8の0.5%Acetylcholine-Veronal緩 衝 液 を 用 い ― .} 測 定 に 際 し て は ・ 上 記homogenatelccに,基 質2ccを 混 じ て,37℃ の 水 浴 中 で_{,1時 間 反 応 せ し め て か} ら ・0・04%Brom-CrecylPurpleを 指 示 薬 と し ―0.1%Eserine溶 液7ccを 加 え て ,反 応 を 停 止 させ,基 質 の 分 解 に よ つ て 生 じ た 酷 酸 を,N/50NaOHで _{滴 定 し ― .盲 検 値 と し て は,homogenate,Eserine-一 停 止} 液,基 質 の 順 に 添 加 し た も の を,木 _{実 検 と 同 様 に 操 作 処 理 し て 滴 定 し ― .前 の 値 か ら,こ の 盲 検 値 を 減 じ た} も の を 以 て,コ _{リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性 値 と し ― .} (ii)カ テ プ シ ン 活 性(Cath.) _. 之 の 測 定 に 当 つ て はP血 色 素 を 基 質 と す るAns。n法9・)をmodifyし た 平 山 法 ・)に準 じ ― .― だ,反 応 生 成 物 は 荻 原 の5)6)7)Tyrosin単 _{位 で 現 し ― .即 ち,基 質 と し て は,市 販 の 培 地 用 馬 血 色 素 を,2.59/dlの 割} に 溜 水 に 溶 解 し・ 遠 沈 し― 上 澄40ccに1mgの 割 に_{,Merthiolateを 加 え た も の を 用 い ―.(こ の 基 質 は 平 山} に よ る と・ 総 窒 素4CO9/d1非 蛋 白 窒 素109/d1程 度 で ,0℃ に 保 存 し て 約1週 間 位 は 使 用 に ― え る).緩 衝 液 は ・pH4・0の1M酷 酸 ソ ー ダ ・酷 酸 緩 衝 液 に,硫 酸 ア ン モ ニ・ウ ム を0 _{.02Mの 割 合 に 加 え ― も の を 用} い た ・ 使 用 す る場 合 は ・ 血 色 素 溶 液4容 に 緩 衝 液1容 を 加 え る .測 定 の 際 は,上 記homogenatel.5ccに 基 質1・5ccを 加 え ・37℃ の 水 浴 に ・10分 間 保 温 せ る 後,5%ト リ ク ロ ー―ル 酷 酸(TCA)3ccを 加 え ,5分 後 濾 過 し て ・ こ の 濾 液2ccにFolin試 薬3倍 稀 釈 液1cc,0・55M炭 酸 ソ ー ダ 液5ccを 加 え ,37℃ 水 浴 中 に 10分 間 保 温 して 発 色 せ し め た ― 盲 検 値 と し て は,homogenate,TCA,基 質 の 順 に 添 加 し て,5分 後 濾 過 し て 得 られ た 濾 液2ccに つ い て,前 述 と 全 く同 様 に 操 作 して ,Folin試 薬 に よ つ て 発 色 させ て,定 量 し ―.酵 素 活 性 の 単 位 は,Tyrosinelmg相 当 の660mμ 吸 収 を 示 す 非 蛋 白 性 物 質 を 生 成 す る が 如 き 単 位 を ,1単 位 と してつ く られ ― 標準 曲線 か ら活 性 値 を求 めて,之 を 〔PU〕Hb37。FR mg・eq―tyr・ で現 した. (iii)カ タ ラ ー ゼ'活 性(K.f―).

Eu「e「'J。sephs。n法s)に 準 じ たsumner-D。unceに よ るJodmetrieg)1・)を 用 い ―

.即 ち,基 質 に は0.01NH,02 水 溶 液 を 用 い ・ 反 応 温 度0℃ で ・ 上 記20倍homogenateを 後 述 のk値 に 従 つ て ,pH6.8の1%ア ラ ビ ヤ ゴ ム 液 で 適 当 に 稀 釈 し た も の を 酵 素 液 と し て 使 用 し ― .測 定 に 際 して は,基 質50cc中 に,上 記 稀 釈 酵 素 液1㏄ を 速 や か に ふ き こ み ・ 素 早 く・ よ く掩 絆 し て ・0分,3分,6分 _{,9分,12分 の 各 時 間 に5cc宛 採 りだ し,} 各 々 を10%硫 酸5cc中 に 入 れ て,直 ち に 反 応 を 停 止 さ せ_{,こ の 各 々 に5%沃 度 カ リ液1ccを 加 え て 生 じ た 沃} 度 を ・0・005Nチ オ 硫 酸 ソ ー ダ で 滴 定 し た_{.次 い で,Euler-J。 ・ephs・nに よ る 次 式 か ら,Katalase-fahigkcit} (Kat・ ￡)を 求 め ―.

Kat.f.=, k

/

日 本

内

分

泌 学

会 雑

誌

347 (但 し,図 上 に て 各 時 間 の チ オ 硫 酸 ソ ー ダ 消 費 量 を 結 ぶ 曲 線 を 外 挿 し て,0・04>k>0・025の 範 囲 に な る様, 20倍homogcnateを 適 当 に 稀 釈 し て 測 定 し ―.) (iv)グ ル タ ミ ン酸 ・オ キ ザ ロ酢 酸 ト ラ ン ス メ ア ミナ ー ゼ 活 性(GO-T・). Cαbaud、Leeper&Wr。blewskiの 法11)に 準 じ て,T。nhqzy変 法12)を 加 味 し て 測 定 し ―.即 ち、 基 質 に は, DLア ス パ ラ ギ ン 酸 ・αケ トグ ル タ ル 酸 ・ 第1燐 酸 カ リ液(pH7・4)を 用 い て,基 質0・5⊃c,500音 稀 釈 homogenateO・5ccを 加 え て,37℃ 水 浴 中 に20分 間 反 応 さ せ ― 後,100%TCA1滴 を 落 し て 反 応 を 停 め, 次 い で,5%ク エ ン酸 ・ア ニ リ ン 試 薬1滴 を 滴 下,室 温 で20分 間 放 置 し て か ら,2-4Dinitr・phenylhydrazin液 0.5ccを 加 え て 約5∼ ・6分 間37℃ 中 に つ け て,更 に トル オt-一一ル2ccを 加 え て,よ く振 盗 ・ 擁 絆 し た.次 に5 分 間 遠 沈 し て 採 りだ し た トル オ ー ル 層lccに,2.5%苛 性 カ リ ・ア ル コ ー ル 溶 液3ccを 加 え て 生 ず る 発 色 を, 波 長546mμ で 測 定 し た.盲 検 値 と し て は,溜 水,TCA,ク エ ン酸 ・ア ニ リ ン試 薬,基 質 の 順 に 添 加 し た も の を,本 実 験 と 全 く 同 様 に 処 理 し て 定 量 し た.予 め 作 製 し て お い た 焦 性 ブ ド ウ酸 に よ る 標 曲 準 線 か ら,焦 性 ブ ドウ 酸1γ/ccに よ る呈 色 度 を1単 位 と して,グ ル タ ミ ン酸 ・オ キ ザ ロ酢 酸 ト ラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 値 を 現 し た. 又,以 上 の 各 酵 素 活 性 値 は,す べ て 肝 臓 乾 燥 重 量 当 りに 換 算 して 現 し た. (4)血 清 蛋 白 並 び に 蛋 白 分 層 の 定 量 心 臓 穿 刺 に よ つ て 採 取 し た 血 液 か ら は,25℃3時 間 で 血 清 を 分 離 し て,総 蛋 白 量 は,日 立 式 蛋 白 計(屈 折 計 法)に よ り定 量 し,又Kunkel&Tiseliusの 水 平 式 濾 紙 電 気 泳 動 法13)に よ つ て 蛋 白 分 屑 を 定 量 し ―. 以 上 の 各 測 定 値 の 変 動 に つ い て は,推 計 学 的 に,そ の 有 意 性 を 検 討 し た.即 ち,以 上 の 各 測 定 値 は 各 群 の 危 険 率5%の 母 平 均 の 信 頼 限 界 と して 表 現 し ―.又,各 群 の 測 定 値 は,推 計 学 的 に 差 が 有 る か,否 か に つ い て 検 討 し ―.即 ち,先 づ 各 群 測 定 値 の 分 散 比 がF値 よ り少 な い 場 含 は,母 分 散 が 等 し い と み な し,型 の 如 く 検 定 し た.若 し,分 散 比 がF値 よ り大 で あ れ ば,母 分 散 が 等 し くな い と 判 定 し,近 似 法 に よ つ て 検 定 し た. 第3節 副 腎 摘 出 時 に 於 け る 肝 臓 機 能 (1)正 常 群(対 照 群).正 常 雄 白 鼠 肝 臓(8例)の 窒 素 量(総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量),肝 臓 酵 素 活 性(ChE.,Cath.,K― ￡,GO-T・),血 清 蛋 白 量 及 び 蛋 白 分 屑 値 の 測 定 値 は 第1表(表1-1及 び 表1 -2),第1図,等 皿 図,第Pt図,第IV図 及 び 第V図 に 示 し た.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 の 各 測 定 値―の 母 平 均 値 の 危 険 率5%の 信 頼 限 界 は,夫 々8.26±1―71g/100g,0.61土0.37g/100g,7.6ti・1.69g /1009で あ つ た.次 に,肝 臓 酵 素 活 性 と し て,ChE・,Cath・,K・ ￡,GO-T・ は 夫 々 ・8・9士1―85%・58・0士 13.60×lO-7〔PU〕 Hb37。FR

mg・eq・tyr, 95.8±10.50Kat.￡,36781士6380%で あ つ た.Douncei7)等(1950)に よ る と,

正 常Wistar系 雄 白 鼠 の 肝 臓 カ タ ラ ー ゼ 活 性 は,122土22―3Kat・ ￡ で あ り,同 種 の 白 鼠 を 用 い て 測 定 し た 著

348 ス テ 面イ ドホル モ ン と肝 臓 機 能(久 米) 図1--1正 常 群 図1-2肝 障害 群 図1-3肝 障 害 回 復群 者 の 成 績 で は,95・8」 ・10・50Kat・ ￡で あ り,D。un。e等 の 測 定 値 に 比 べ て 約80%程 度 の 値 と な つ て い る.百 漢21)に よ る と,肝 臓,血 液 及 び 脳 に 於 け る カ タ ラ ー ゼ 活性 は,季 節 的 変 動 を 示 す と 述 べ て い る の で,著 者 の 成 績 も,か か る 測 定 条 件 を 一 応 考 慮 す べ き も の で あ ろ う.Awaparα`7)等(1952),河 田 等46)(1958)に よ る と,正 常 白 鼠 の 肝 臓 表 1・-2 第1図 ス テ ロ イ ドホ ル モ ン と 白 鼠 肝 コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性 (註)斜 線 の 部 は 正常 群 の母 平 均 の 信頼 限 界 を示 す 横 線 は各 群 の 平均 値 を示 す

日 本

内

分 泌

学

会 雑

誌

349 図 皿一1正 常群 図 皿一一2肝 障 害 群 図 ∬-3肝 障 害 回復 群 ト ラ ン ス ア ミ ナ...・-li'活性(GO・T.)は 単 位Nmg当1590単 位 で あ り・著 者 の 得 た 成 績 で は ・乾 物 量 当36781士 6380%,単 位Nmg当558単 位 で あ つ た.即 ち,著 者 の 測 定 値 は,河 田 等 の 測 定 値 に 比 べ て,約3分 の1程 度 で あ つ ― が,こ の 点 に つ い て は 尚 検 討 を 加 え た い と 思 う.次 に,血 清 蛋 白 像 は,血 清 蛋 白 量7・5士0・42g/dl, 蛋 白分 屑 は,ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン,Al/rが 夫 々,44・5士3・66%,12.7±1.97%,8.6士0.78 %,17.8土2.50%,16.3土2.73%,2.82士0.57で あ っ た. (2)副 腎 摘 出 群 副 腎 摘 出 白 鼠5例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第 皿表(表 皿一1及 び 表ll-・2)図1-1,図 第 皿 図 ス テ ロ イ ドホ ル モ ン と 白 鼠 肝 カ テ プ シ ン活 性

(註)斜 線の部は正常群 の母平均の信頼限界 を示す

横線 は各群の平均値 を示す

第 亜表 コル チ コ イ ドと肝 酵 素 活 性 及 び血 清 蛋 白像 表 亜一― 第35巻 第4号

350 ス テ ロ イ ドホ ル モ ン と 肝 臓 機 瀧(久 米) 図mu--1正 常 群 図 凱一2肝 障害 群 図Wt--3肝 障 害 回 復 群 皿一玉,図M-1及 び 図1V― の 如 くで あ つ た.先 づ 総 窒 素 量 t非 蛋 自 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は,夫 々8.21士 3.34g/100g,o.44士o.25g/100g,6・5土o.73g/iooξ ∫で あ り.正 常 鮮 に 比 べ る と,い つ'れ も や や 低 値 を 示 し た が,推 計 学 的 に 正 常 群 と の 差 は 有 意 で は な か つ ―.次 に,肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE.,K.尤 は 夫 々4.5士1.69%, 45・9±26・5Kat￡ で,正 常 群 に 比 べ て,い つ れ も 准 計 学 的 に>i:i-'i,:,.,"rllの誠 少 を 示 し た.又,嫌th・ も47.2土17.35

×10『7〔PU〕 Hb370FR_{mgeq・tyr・} で や や低 値 を示 した が,正 常 群 との 差 は,有 意 で は な か つ ―.之 に反 し,GO-T― は 36780土13750%で 正 常 値 を 示 し ―.次 にL虹清 蟹 白 量 は7・7士0・239/d1で 、 正 常 群 と著 変 な く,蛋 自 分 屑 で は, ア ル,2ミ ン33・7土5・16%,α1一 グ ロ ブ リ ン13.0上4.5壬%♪ αiゾグ1」 ブ リ ン12.2土5.13%,β 一グ ロ ブ リ ン24.5士 蓑 土 一2 第 皿 図 ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン と 白 鼠 肝 カ タ ラ ー ゼ 活 性 (註)斜 線 の部 は正 常 群 の 母平 均 の 信 頼 限 界 を示 す 横 線 は各 群 の平 均 値 を示 す

臼 本

内 分

泌 学

会

離 誌

351 図IV-1 正 常 群 図IV--2 肝 障 害 群 図IV-3 肝 障 害 回復 後 8―55%,γ 一グ ロ ブ リ ン16・5士8・96%で,ア ル ブ ミ ン が 正 常 群 に 比 べ て 推 計 学 的 に 有 意 の 減 少 を 示 し ―.即 ち, 副 腎 摘 出 に よ つ て 肝 臓 酵 素 活 性 が 低 下 し,血 清 ア ル ブ ミ ン の 低 下 が み と め られ,肝 臓 機 能 の 低 下 を 示 唆 す る 所 見 が み と め ら れ ―. 第4節 コ ル チ コ イ ド投 与 時 の 肝 臓 機 能 (1)Cortis。neacetatelmg投 与 群

Cortisoneacetatelmg/100g宛10日 間 投 与 し ― 白 鼠3例 に 於 け る 各 測 定 値 は,ee _{-[表(表K-一 ・1及 び}

表ti-2)図1―,図 ∬-1,図 皿一1及 び 図1V-1の _{如 くで あ つ ― .即 ち,総 窒 素 量 は9.12土1.759/100gで,正 常}

群 に 比 べ て 僅 か に 増 加 す る 程 度 で あ るが,非 蛋 白 窒 素 量 が4・25土0・68g/100gと 正 常 群 に 比 し,著 明 の 増 加 を 示 し て,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.又,蛋 白 窒 素 量 は4・9土1.38g/100gと 正 常 群 に 比 し て 著 明 に 減 少 し て お り,之 は 近 似 法 に よ り有 意 の 差 を 示 し た.肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE.は4.5士1.87%で 正 常 群 に 比 べ て 有 意 の 差 を 以 て 減 少 し て い る .Cath・ は40・1圭41.60×10"7〔PU〕 _{mgeq・tyr―}Hb37。FR

で正常群 に比べて減少を

示 す が,有 意 の 差 は な か つ た.し か し,K・f'は46・5士31.22Kat.f,で 正 常 値 の2分 の1程 度 に 減 少 し,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.一 方,血 清 蛋 白像 は ア ル ブ ミ ン,α、一,α2-,β、一,γ一 グ ロ ブ リ ンが 夫 々42.9%,11. 4%,11・1%,18・8%,15―9%で あ り殆 ど変 化 を 示 さ な か つ た_. (2)Cortis。neacet。te5mg投 与 群 Cortiso駕acetate5mg/loo9宛lo日 間 投 与 し た 白 鼠3例 に 於 け る 各 測 定 値 は 第 江 表(表 卜1及 び 表 皿一2) 第IV図 ス テ ロ イ ド と ホ ル モ ン 白 鼠 肝 ト ラ ン ス ア ミ ナ ー ゼ 活 性 (註)斜 線 の部 は正 常i群の 母平 均 力 信 頼 限 界 を示 す 横線 は 各群 の平 均 値 を示 す

352 ス テ ロイ ドホル モ ン と肝 臓 機 能(久 米) 図1―,図K―,図 皿一1及 び 、T― の 如 く で あ つ ― ― 即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々 5.43士1.96g/100g,0.19土0.16g/100g,5.3土1.85g/100gで,正 常 群 に 比 べ て,い つ れ も 可 成 り減 少 し て い るが,有 意 の 差 は 示 さ な か つ た.肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE及 びCathは 夫 々7.3士2.77%,59.2士 47.25×10『7〔PU〕 Hb37。FR mgeq・tyr・ で,正 常 群 と 差 が な か つ た.し か し,K・fは23・8士15・42Kat・ ￡ で 正 常 群 に 比 し,推 計 学 的 に有 意 の 差 を 以 て著 明 に減 少 して い る.し か し,前 掲1mg投 与 群 との 間 に は有 意 の 差 が な か つ た.一 一方,血 清 蛋 白分屑 値 は,ア ル ブ ミン,α 、一,αゴ,β 、一,γ一グ ロ ブ リンが 夫 々,46%,11%,12%,1 7.2%,14%で _{正常 群 と殆 ど差 が な かつ た.} 第5節 考 按 教 室 の 浜 田14)の成 績 に よ る と,家 兎 の 両 側 副 腎摘 出 時,又 は コル チ ゾ ン(体 重kg当 り10mg3日 間)投 与 時 には,い つ れ も肝 臓 蛋 白が 減少 し,そ の 減少 は推 計 学 的 に有 意 で あつ ― と言 われ る― 著 者 の 成績 で も,同 様 の 傾 向 を示 したが,特 に コル チ ゾ ン投 与 群(lmg10日 間)に 著 明 で あつ ―.こ の場 含,興 味 あ る事 は, 肝 臓 窒 素成 分 の 内,非 蛋 白窒 素 の 増 加 が著 明 な点 で あ り,お そ ら く肝 蛋 白の異 化 が 充 進 し― ― め と も推 定 出 来 る.併 し,大 量 投 与 群 で は,非 蛋 白窒 素 が却 つ て 減 少 して い る ので,コ ル チ ゾ ン投 与 量 に よ つ て肝 蛋 白の 代 謝 に 複 雑 な反 応 が 起 つ て い る もの と判 断 で き る. 副 腎 摘 出 時 の 肝 臓 酵 素 活 性低 下 につ い て は,従 来 よ り報 告 が 多 く,副 腎 摘 出 に よつ てCytochromeC, Cytochromeoxydase,15)Catalase'6),Arginasels)19)20)2)2)及 び ア ミノ酸 ・酸 化 酵 素 活 性23)の低 下 が 認 め られ,之 が 副 腎 ホ ル モ ンの投 与 に よつ て 回 復 す る事 が 報 告 され て い る.著 者 の 成績 で も,副 腎摘 出 に よつ て,カ タ ラ ー ゼ_{,コ リンエ ス テ ラー ゼ活 性 の明 瞭 な 低 下が 認 め られ た.一 方 コル チ コイ ド投 与 時 に 於 け る肝酵 素 活 性 の} 第V図4塩 化 炭 素 ガス吸 入 に よ る白鼠 肝 臓 酵 素 の 変動

日 本

内

分 泌

学

会 離

誌

353 変 動 に つ い て は,報 告 が 少 いが,Eischeid24)等(1954)に よ る と,ト ラ ンス ア ミナ ー ゼの 低 下が 認 め られ る と い われ る.平 山等17)25)は家 兎 に 於 い て,コ ル チ ゾ ン投 与時 の 肝 臓 カ タ ラー ゼ活 性 の 低 下 を観 察 して い るが, 著 者 の 成 績 で も大 量投 与 群,少 量投 与 群 共 カ タ ラー ゼ活 性 の 低 下 が著 明 で あ り,更 に コ リンエ ス テ ラー ゼの 低 下 も認 め られ ―.別 に 報 告26)し―様 に,白 鼠 の 肝機 能 障 害 時 に は 肝臓 カ タ ラ ーゼ は低 下 し,そ の 回復 と共 に 増 加 す るの で,副 腎 摘 出 時,又 は コル チ コイ ド投 与 時 に は,肝 機 能 の 障 害 が 認 め られ る と判 断 して 差 支 え な い と思 う. 浜 田 に よ る と,副 腎摘 出家 兎 に お い て は血 清 アル ブ ミンの低 下 が 認 め られ るが,コ ル チ コイ ド投 与 時 に は 蛋 白分 屑 に 著 変 を み と めな か つ た と述 べ てい る.今 回 の著 者 の 成 績 に よ つて も,同 様 の所 見 で あ つ た.即 ち,こ の 成 績 か らみ て,副 腎摘 出 時 に は一 般 的 な 肝機 能 障 害 時 と同様 な血 清 蛋 白像 を認 め るが,コ ル チ コ イ ド投 与 時 に は肝 酵 素 系 の変 動 を示 す に も拘 わ らず,血 清 蛋 白像 の変 化 を示 さぬ 点 に 特 徴 が あ る.教 室 の長 峯27)の成 績 に よ る と,副 腎 摘 出 白鼠 のinvitroの 肝 切 片 の アル ブ ミン生 成 量 は低 下 して い るが,コ ル チ ゾ ン添 加 に よつ て 回 復 し,又 正 常 白鼠 肝 切 片 で は,コ ル チ ゾ ン添 加 に よつ て も,ア ル ブ ミン生 成 量 に変 動 を み とめ なか つ た と述べ て い る.従 つ て,コ ル チ コ イ ド欠 乏 時 に は,肝 臓 の ア ル ブ ミン生 成能 は低 下 す るが,こ の 過 剰 投 与 は,ア ル ブ ミンの 生 成 に対 し,必 ず し も抑制 的 に働 くもの で は ない と推 定 出来 る― 以 上 の 推定 は, 今 回 の 著 変 の成 績 に よつ て も支 持 され る もの で あ ろ う. 第6節 小 括 1 ―正 常 成 熟Wistar系 雄 白 鼠 肝臓 の 窒 素 成 分 は総 窒 素 量8.26土1―719/1009,非 蛋 白窒 素 量0・61士 0.37g/100g,蛋 白窒 素 量7・6士1―69g/100gで,酵 素 活 性 値 はChE:8・9士1・85%,Cath・:58・0士13・60×10-7

〔PU〕 Hb37。FR_mgeq・tyr, K.￡:95.8士10.50Kat.￡,GO-T.:36781士6380%で あ り,血 清 蛋 白 像 は,血 清 蛋 白 量7・5 士o.429/dl,ア ル ブ ミ ン44―5土3.66%,αrグ ロ ブ リ ン12.7±1.97%,α2一 グ ロ ブ リ ン8・6士o・78%,β 一グ ロ ブ リ ン17.8圭2―50%,γ 一グ ロ ブ リ ン16.3±2.73%で あ つ ―. 2 ― 白 鼠 の 副 腎 摘 出 時 に は 肝 臓 蛋 白 室 素 の 低 下,肝 臓 コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性,カ タ ラ ー ゼ 活 性 の 低 下 並 び に 血 清 ア ル ブ ミ ンの 低 下 が 認 め られ た ― 3.白 鼠 にCortisone(1mg∼5mg/100gr10日 間)を 投 与 す る と,肝 臓 蛋 白 の 低 下 で み と め ら れ,1m9投 与 群 で は 肝 臓 非 蛋 白 窒 素 の 著 明 な 上 昇 が み と め られ た.又,肝 臓 酵 素 活 性 の うち コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性, カ タ ラ ー ゼ 活 性 の 低 下 が 認 め られ た.併 し,血 清 蛋 白 像 に は 著 変 を 認 め な か つ ―.

第3章

性 ホル毛 ンと肝臓機能

第1節 緒 言 肝臓 機 能 が 障 害 され る と,ス チ ロ イ ドホ ル モ ンの 代 謝 が 障害 きれ,特 に 性 ホ ル モ ン代 謝 異常 の結 果,種 々 の性 腺 症 状 が あ らわれ て くる.例 え ば,肝 硬 変 症 に あ らわ れ て くる蜘 蛛 状 血 管腫,手 掌 紅 斑,Gynccomastia, 陰萎 な どに,Hyperestrogenism及 びHypandrogenismの 表徴 とみ な され て い る.従 つ て,か か るエ ス トロ ジ エ ン過 剰,ア ン ドロジ エ ン欠 乏状 態 が,肝 臓 機能 に対 し如 何 な る影 響 を もつ か は,臨 鉢 上 か らみ て か な り 重 要 な 意 義 を もつ もの とい え る.著 者 は,こ の点 を 明 らか に す る 目的 で,雌 雄 別 の 肝機 能,性 ホル モ ン過 剰 及 び 欠 乏 状態 に お け る肝 機 能 の変 動 につ い て 系統 的 な観 察 を行 つ てみ ―. 第2節 実験 方 法 (1)実 験 動物 一 定 食 餌(青 米,魚 粉 及 び 青菜)をadlibitumに 与 え,一 定 期 間飼 育 し― 体重150・-200grの 成 熟Wistar系 雄 白鼠 を次 の3群 に分 け た. 第1群.去 勢 群.エ ー テル 麻 酔 下 に,睾 丸 部 皮 膚 に切 開 を加 えて,可 急 的無 菌 的 に 睾丸 を と とだ し,副 睾 丸 は残 して,両 側 睾丸 を摘 出 し,摘 出 後10日 間 経 過 した群. 第2群.Androgen投 与群,正 常 雄 白鼠 に,Androgen(Testosteronepropionatc)を 体重100gr当 りlmg 宛 連 日10回 筋 注 した群.

354 ス テ ロ イ ドホル モ ンと肝 臓 機能(久 米) 第3群Estrogen投 与 群.正 常 雄 白 鼠 に,Estrogen(Estradiolbenzoate)を 体 重100gr当 り0・02mg宛 連 日10回 筋 注 し た 群. 尚,雌 雄 の 肝 臓 窒 素 量,肝 臓 酵 素 漕 陸,血 清 蛋 白 像 の 相 違 を 比 較 す る た め,雄 正 常 白 鼠 と 全 く同 様 に 飼 育 し ― 体 重150∼200grの 成 熟(非 妊 娠)wistar系 雌 白 鼠 に つ い て も,各 々 の 測 定 を 行 つ ―. (2)肝 臓 窒 素 の 定 量 (3)肝 臓 酵 素 活 性 の 定 量 (4)血 清 蛋 白 並 び に そ の 分 屑 の 定 量 以 上 の 定 量 法 に 就 い て は,前 項 に 記 述 し ― 如 く行 つ た. 第3節 雌 雄 別 の 肝 臓 機 能 既 述 の 如 く,正 常 雄 白 鼠8例 の 肝 臓 総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は,夫 々8・26±1・719/100g, 0.61土0.379/1009,7.6±1.699/1009で あ つ た が,雌 白 鼠(5例)は 夫 々5・68士0・879/1009,0・35±0・289 /100g,5.2士1.0691009で あ り,雌 は 雄 に 比 し,い つ れ も 減 少 し て お り,特 に,肝 臓 総 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.次 に,肝 臓 酵 素 活 性 即 ち,ChE・,Cath・,K・f',GO-T・ は 雄 白 鼠 で,夫 々,8・9

士1.85%p58.0±13.60×10『7〔PU〕 Hb37。FR_{mgeq・tyr・,} 95―8土10.50Kat.f,,36781±6380%で あ り,又,雌 白 鼠 は

夫 々,9.9土3.98%P37.6±15・7×10弓 〔PU〕 Hb37。FR

mgeq―tyr・, 62.5±2.77Kat.￡,28788士9775%で あ る の で,ChE.

で は,大 差 な い がCath・,K.￡ は,雌 が 推 計 学 的 に 有 意 の 減 少 を 示 し て い る.併 し,GO-T・ で は,推 計 学 的 に 有 意 の 差 を 示 さ な か つ た. 以 上 の 結 果 か ら み て,雌 は 雄 に 比 し,肝 臓 窒 素 及 びChE・ を 除 く肝 臓 酵 素 活 性 が 低 値 を 示 す 事 が 判 つ ―. 更 に 血 清 蛋 白,蛋 白 分 屑 は,雄 白 鼠 で,血 清 蛋 白 量7・5士0・42g/d1,ア ル ブ ミ ン,α 、一,αゾ,β 、一,γ一グ ロ ブ リ ン は 夫 々44.5土3.66%,12.7±1.97%,8.6士0.78%,17・8土2・50%,16・3±2・73%で あ り,雌 白 鼠 で は 血 清 蛋 白 量7・9士0・62g/d1,ア ル ブ ミ ン,α 、-pα2-,β 一,γ一グ ロ ブ リ ン は 夫 々49・0士14・35%,6・4±3.94%, 4.7士1.19%,15.61、5.19%,24―1土8.76%で,著 変 を み と め な か つ た. 第4節 去 勢 時 の 肝 臓 機 能 去 勢 雄 白 鼠5例 に 於 け る各 測 定 は,策 皿表(表 皿一1及 び 表M-2)図1-1,図 ∬-1,図M-1及 び 図 IV― の 如 く で あ つ た.即 ち,肝 臓 総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は,夫 々,8・34土0・599/100g, 0.72土0.11g/100g,8.8士0.31g/100gで,正 常 群 と 比 べ て 著 変 を 示 さ な か つ た.併 し 乍 ら,肝 臓 酵 素 活 性 即

ち,GhE.,Cath.,K・ ￡,GO-T・ は 夫 々8・4土4・12%,53・6土18・36×10『7〔PU〕

Hb37。FR

mgeq・tyr・, 86.6土16.80Kat.f.,

35178士14800%,で あ り,正 常 群 に 比べ て,い つ れ も,や や 減 少 の 傾 向 を示 した が 正 常群 との差 は有 意 で な か つ た.又,明 らか な所 見 を示 す の は血 清 蛋 白像 で あ り,血 清 蛋 白量7・0土0・519/dl,蛋 白分屑 値 は アル ブ

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355 ミ ン,α1-,α ジ,β一,γ一グ ロ ブ リ ンが 夫 々34・3」=8・26%,11・5土3・16%・9・3士1・72%・19・2±2・36%P23・7士 3・51%,を 示 し,正 常 群 に 比 べ て,ア ル ブ ミ ン が 減 少 し,γ 一グ ロ ブ リ ン が 増 加 し て お り,従 つ てAl/γ が 1.48±0.48で 減 少 を 示 し た. 第5節 性 ホ ル モ ン 投 与 時 の 肝 臓 機 能 (1)Andr・gen投 与 群.Testcsteroneproprionatelmg/100g宛10El間 投 与 し ― 白 鼠4例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第 皿 表(表19― 及 び 表 斑一2)図1―,図ff-1,図 皿一1及 び 図1V― の 如 くで あ つ た.即 ち,肝 臓 総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々10・17±0・71g/100g,0・98士0・13g/100g,9・2土0―58g/100gで 正 常 群 に 比 べ て,い つ れ も 増 加 し て い て,近 似 法 で 推 計 学 的 に 有 意 の 差 を 示 し ―.一 方,肝 臓 酵 素 活 性 即 ち,

ChE.,Cath.,K.￡,G・-T.は ヲミ々1・.7土6.38%,57・2±18―35×1・ 一・ 〔PU〕 躍 聡,.,79・5士25・ ・Kat・ ￡・

61163土7675%で 正 常 群 に 比 べ て,ChE.は 軽 度 の 増 加Cath・,K・f'は 軽 度 の 減 少 傾 向 を 示 し た ・ 之 に 反 し て,GO-T.は 堆 計 学 的 に 有 意 の 増 加 を 示 し ―.一 方,血 清 蛋 白 量 は8・3士0・95g/dl,蛋 白 分 屑 値 は ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン が 夫 々46―3士5.99%,9・1ti=1・94%,7・4±14・69%・20・8土0・71%・14・2士 11.69%で 正 常 群 に 比 べ て[C[L清蛋 白 量 及 び ア ル ブ ミ ン分 屑 の 増 加 を み と め る が ・ 推 計 学 的 に は 有 意 の 差 は な か つ た.又,グ ロ ブ リ ン分 屑 は,い つ れ も誓 度 の 減 少 を 示 し て お り,γ 一グ ロ ブ リ ン 分 屑 を 除 い て,他 の グ ロ ブ リ ン分 屑 は す べ て 推 計 学 的 に 有 意 の 差 が あ つ ―. (2)Estr。gen投 与 群.EstrasiolbenzoateO―02mg/100g宛10日 間 投 与 し た 白 鼠4例 に 於 け る 各 測 定 値 は, 第1旺 表(表 皿 一1及 び 表 糟一2)図1-1,図firl,図M--1及 び 図IV-1の 如 くで あ つ ―.即 ち,肝 臓 総 窒 素 量, 非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6.75±0.82g/100g,0・76土0・47g/100g,5・9士1・03g/100gで 正 常 群 に 比 べ て,肝 臓 総 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 減 少 を 示 し,非 蛋 白 窒 素 量 は や や 増 加 の 傾 向 を 示 して い る が,前2者 は 近 似 法 に よ つ て,推 計 学 的 に 正 常 群 と の 間 に 有 意 の 差 を み と め ―.叉,肝 臓 酵 素 活 性 即 ち ・ChE・ ・Cath・・K・￡・ GO-T.は 夫 々4.3土0.71%,54・1士10・21×10r7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq・tyr・, 38.3士7.75Kat.f.,32850士17450%で 正 常 群 に 比 べ る と,い つ れ も 減 少 を 示 し,特 にChE.,K.￡ は そ の 差 が 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ ―.一 方,血 清 蛋 白 量 は8.0士0.719/dlで 正 常 群 の7.5士0.429/d1に 比 し,や や 増 加 し・ ア ル ブ ミ ン はP48・1土12・39%で ・ や は り軽 度 の 増 加 を 示 し て い る.又,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン 分 屑 値 は 夫 々8・7士2・88%・9・2士7・84%・ 20.4±7.81%,13.7土6.00%で 正 常 群 に 比 べ て,い つ れ も 減 少 傾 向 を 示 し た. 第6節 考 按 動 物 の 雌 雄 別 の 肝 臓 窒 素 成 分,肝 臓 酵 素 活 性 に つ い て の 報 告 は 少 な い が,Adαmsis)(1952)は 白 鼠 の 肝 臓 カ タ ラ ・・-tiN活性 は,雌 雄 の 性 に よ る 差 が あ り,雄 性 が 常 に 雌 性 よ り『石値 を 示 す と報 じ て い る が,福 井18)も 白 鼠 に つ い て 同 様 な 測 定 結 果 を 報 告 し て い る.著 者 の 成 績 で も 雄 白 鼠 に 比 し,肝 臓 窒 素,肝 臓 カ タ ラ ー ゼ,カ テ プ シ ン,ト ラ ンス ア ミナ ー ゼ 等 は い つ れ も 高 値 を 示 し ―.こ の 成 績 か ら,直 ち に 雌 雄 別 の 肝 臓 機 能 を 推 定 す る事 は 差 控 え た い が,一 つ の デ ー ク と し て 報 告 し て お き た い. 表 皿一2

356 ス テ ロイ ドホル モ ン と肝 臓 機 能(久 米)

ACIamsls)(1952)に よ る と,去 勢 に よつ て 肝臓 の カ タ ラe-..tik活_{性 は減 少 しり 又Leathem2s)(1948)は 去 勢} に よつ て 血 清 アル ブ ミンの減 少,グ _{ロブ リ ンの 増加 を来 す と述 べ て い る.著 者の成績では,去 勢によつて肝} 臓 窒 素,肝 臓 酵 素 活 性 の変 化 は著 明 で は な かつ た が,カ _{タ ラー ゼ は減 少傾 向 を示 した .又,血 清 蛋 白像 で} は ・ 総 蛋 白 量 の減 少,ア ル ブ ミン減少,γ 一グ ロ ブ リ ン増 加 の所 見が 認 め られ た .Androgenを 投 与 し―場 合, 今 回 の成 績 で は 血 清蛋 白量 の 増 加,ア ル ブ ミン増 加,グ ロ ブ リ ン減 少 が 認 め られ ― の で,Androgenが 血 清 蛋 白を 増加 させ,こ の 増加 が アル ブ ミンの増 加 に よ る もの と判 断 して 差 支 え な い.こ の 場 合,肝 臓 の 窒 素 成 分 はす べ て 増 加 して い るの で,Androgenが _{蛋 白の 同 化 を充 め ― もの と判 断 で きる.肝 臓 酵 素活 性 で は,カ} タ ラー ゼが ・ や や 減 少 して い るが,コ リンエ ス テ ラ ー ゼ,ト _{ラ ンス ア ミナー ゼ は増 加 して い ― .Awapara29)} (1953)は 無蛋 白飼 育 白鼠 のGO-T.とGP-T.と を測 定 し,肝 蛋 白の 低 下 とGP-T.の 低 下 とが 平 行 す る事 を観 察 し― が,著 者 の 今 回 の 成績 で も,Androgen投 与 に よ る肝 蛋 白の 増加 と,GO-T― の増 加 が 同 時 に観 察 され る事 は興 味 深 い. K。ch。k;。n30)等(1956)はAndrogen投 与 に よつ て 肝臓 の トラ ンス ア ミナ ー一ゼ は 変 化 しな かつ ― と述 べ て い るが・Androgenの _{投 与 量 や投 与法 の差 異 に よ る もの で あろ う.} 雄 白鼠 にEstrogenを 投 与 した―場 合,そ の血 清 蛋 白 像 を観 察 す る と,Androgen投 与 と 同様 に血 清蛋 白並 び に アル ブ ミンの増 加 が み と め られ ― が,こ の場 合,肝 臓 蛋 白 量 は む し ろ減 少 して い るの で,血 清 ア ル ブ ミ ンの増 加 が,Androgenの 如 く蛋 白 同化 作 用 に よ る もの で あ るか ど うか は疑 わ しい_{.叉,McShan31)(1940)} に よ る と・ ス チ ル ベ ス トロール 投 与 に よ つて,肝 臓 の コハ ク酸 脱 水 素 酵 素 や,他 の酸 化 酵 素 系 は低 下 す る と い われ て お り,今 回の 著 者 の成 績 で も,肝 酵素 活 性 中ChE.,K￡ が 減 少 して い るの で,エ ス トロジ エ ン過 剰 状 態 は む しろ肝 機 能 を 抑 制 す る もの と判 断 して よい と思 う. 第7節 小 括 1 .白 鼠 の雌 雄 の 肝 臓 の 窒 素 成分,酵 素 活 性 を比 較 す る と,雄 は雌 に比 較 して,総 窒素,非 蛋 白窒 素,蛋 白 窒 素 の い つ れ も多 く,又,肝 _{酵 素活 性 の うち,カ テ プシ ン,カ タ ラー ゼ活 性 は雄 が 高 値 を示 した.併 し,血} 清 蛋 白像 に は著 変 をみ とめ なか つ た. 2.雄 白鼠 を去 勢 す る と,肝 臓 窒 素 成 分 に 異常 を認 めな か つ たが,カ _{タ ラ ーゼ活 性 の低 下 傾 向 を示 した.} 血 清 蛋 白像 で は血 清 蛋 白 量 が や や減 少 し,血 清 蛋 白分 屑 で は ア ル ブ ミン減 少,γ 一グ ロ ブ リ ン増 加 が 明 瞭 にみ とめ られ た. 3 .雄 白鼠 にTcstosteroneproprionate(1mg/100910日 間)を 投 与 す る と,1肝 臓 総 窒 素,蛋 白窒 素 の 増 加 を 認 め,ト ラ ンス ア ミナ ー ゼ活 性 の 著 明 な増 加,コ _{リンエ ス テ ラ ー ゼ活 性 の軽 度 の 増 加 を 認 め ―.又,血} 清 蛋 白像 で は総 蛋 白 量 の増 加 及 び アル ブ ミンの 増 加 を み とめ た― 4.雄 白鼠 にEstrasiolbenzoate(0.02mg/100910日 _{間)を 投 与 す る と,総 窒素,蛋 白窒素 の低下をみ と} め た.又,コ _{リンエ ス テ ラ ー ゼ,カ タ ラー ゼ活 性 の 明瞭 な減 少 を み とめ た.併 し,血 清蛋 白像 で は総 蛋 白 量} 及 び アル ブ ミンの増 加 をみ とめ た. 第4章 ス テ ロ イ ドホ ル モ ン と 障 害 肝 の 肝 臓 機 能 第1節 緒 言 著 者 は 前 章 に於 いて コル チ コイ ド,性 ホル モ ンの欠 乏,又 は過 剰状 態 が 肝 臓 機能 に対 し,か な り重 要 な意 義 を もつ点 を 明 らか に す る事 が で きた.本 章 で は,臨 鉢 的 な観 点 か ら,か か る コル チ コ イ ド,性 ホ ル モ ンが 肝 臓疾 患 の治 療 に 応 用 し得 るか 否 か に つ い て検 討 した .即 ち,一 般 に コル チ コイ ドは,eatabolic乃 至anti-anabolicな 作 用 を も ち,性 ホル モ ン特 に テス トス テ ロンはanabolicな 作 用 を持 つ て い るの で_{,か か る対 比} 的 な 薬理 作 用 を もつ ホ ル モ ンが 肝 障 害 の発 現,又 はそ の 回復 に対 し,如 何 な る作 用 を もつ か とい う点 につ い て追 求 して み た. 第2節 実 験 方法 (1)実 験 動 物 。 一 定 食 餌(青 米,魚 粉 及 び青 菜)をadIibitumに 与 え,一 定 期 間飼 育 し― 体重150∼

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会 雑

誌

357 200grの 成 熟Wistar系 雄 白 鼠 を,次 の4群 に 分 け ―.即 ち,先 づ 白 鼠 のCCI・ 肝 障 害 過 程 に,コ ル チ コ イ ドを 投 与 し,コ ル チ コ4ド が 肝 障 害 の 発 現 に 対 し,如 何 な る 態 度 を 有 す る か を 観 察 し ―.(第1群)― 次 い で,肝 障 害 の 回 復 過 程 に,コ ル チ コ イ ド,性 ホ ル モ ン を 投 与 し,コ ル チ コ イ ド,性 ホ ル モ ン が,肝 障 害 の 回 復 に 対 し,如 何 な る態 度 を 有 す る か を 検 討 し た(第2群)。 更 に,肝 障 害 の 発 現 及 び そ の 回 復 に 対 し ・ 性 差 が 如 何 な る 態 度 を 有 す る か を 検 討 し ―(第3,4群). 第1群4塩 化 炭 素 肝 障 害 群,F。rbes・M。rri。ne変 法32)に よ つ て 行 つ ―.即 ち,4塩 化 炭 素 を 加 熱 し て ガ ス を 発 生 せ し め,こ の ガ ス を,一 定 の 気 密 装 置 内 に 充 満 さ せ,こ の 気 密 装 置 内 で,白 鼠 を 半 昏 睡 状 態 に な る迄 ・ 約5∼10分 間 放 置 し た.こ の4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 を 隔 日1回 総 計30回 行 つ た 群. 第1A群Cortisonelmg併 用 投 与 群.4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 過 程50日 目(即 ち25回 吸 入 後)よ りCortIsone acetateを 体 重100gr当 り1mg宛 連 日10同 筋 注 し,こ の 間,4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 は 続 け,30回 目 の4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 を 終 つ ― 翌 日 の 白 鼠 群 ― 第1B群Cortisone5mg併 用 投 与 群.4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 過 程50日 目 よ り,Cortisoneacetateを 体 重 100gr当 り5mg宛 _{連 日10回 筋 注 し た 群 .} 第2群 肝 障 害 回 復 群.第1群 の 如 く30回4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 後,無 処 置 の ま ま10日 間 放 置 し ― 群 ・ こ の 群 を,雄 と 雌 に わ け て 観 察 し た.

第2A群 肝 障 害 後Cortisonelmg投 与 群.第2群 の10日 間 の 放 置 期 間(同 復 過 程)に,Cortisoneacetate

を 体 重100gr当 り1mg宛 連 口10回 筋 注 し ― 群. 第2B群 肝 障 害 後Cortisone5mg投 与 群.第2群 の10日 間 の 放 置 期 間(回 復 過 程)に,Cortisoneacetate を 体 重100gr当 り5mg宛 連 日10回 筋 注 し ― 群. 第2C群 肝 障 害 後Androgen投 与 群 ― 第2群 の10口 間 の 放 置 期 間(回 復 過 程)に ・Testosteronep「oP「lonate を 体 重100gr当 り1mg宛 連 日10回 筋 注 し ― 群. 第2D群 肝 障 害 後Estrogen投 与 群 ― 箪2群 の10日 間 の 放 置 期 間(回 復 過 程)に ・Estrasiolbenzonateを 体 重100gr当 り0.02mg宛 連 日10回 筋 注 し ― 群. 第2G群 肝 障 害 後Cortisone-Androgen投 与 群.第2群 の10日 間 の 放 照 期 間(回 復 過 程)に,Cortisone 及 びAndrogenを 夫 々,体 重100gr当 り1mg宛 併 用 し て 連 日10回 筋 注 し た 群. 第2H群 肝 障 害 後Cortisone-Estrogen投 与 群.第2群 の10日 間 の 放 置 期 間(回 復 過 程)に,Cortisone及 び Estrogenを 夫 々,体 重100gr当 り1mg及 び0.02mg宛 併 用 し て 連 日10回 筋 注 し た 群. 第2E群 肝 障 害 後 去 勢 群.第2群 の10日 間 の 放 躍 期 間(回 復 過 程)第1日 目 に,第3章 に お け る 第1群 と 同 じ方 式 に 従 つ て 去 勢 し た 群.

第2F群.肝 障 害 後 去 勢Androgen投 与 群.第2E群 の10日 間 の 放 置 期 間(回 復 過 程)に,Androgenを 体

重100gr当 り1mg宛 連 日10回 筋 注 し た 群. 第3群 雌 白 鼠4塩 化 炭 素 肝 障 害 群.成 熟 雌 白 鼠 を 第1群 と 同 様 に 処 置 し ― 群. 第4群 雌 白 鼠 肝 障 害 回 復 群.成 熟 雌 白 鼠 を 第2群 と 同 様 に 処 隈 し ― 群. (2)肝 臓 窒 素 の 定 量 (3)肝 臓 酵 素 活 性 の 定 量 (4)血 清 蛋 白 並 び に そ の 蛋 白 分 屑 の 定 量 以 上 の 定 量 に つ い て は,前 項 既 述 の 如 く行 つ た. 第3節4塩 化 炭 素 に よ る 肝 機 能 障 害 の 発 現 に 対 す る コ ル チ コ テ ロ イ ドの 影 響 (1)肝 障 害 群(対 照 劉 肝 障 害 雄 白 鼠12例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第1表(表1-1及 び 表1-2)図1--2,図 亜一2,図M-2,図1V-2及 び 第V図 の 如 くで あ つ た.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6・20土0・43g/100g,0―48士0・22g/100g,5・7士0・43g/100gで 正 常7洋 に 比 べ て,い つ れ も推 計 学 的 に 有 意 の 差 を 以 て 減 少 し て い る ― 次 に 肝 臓 酵 素 活 性 即 ちChE.,Cath.,K.￡,GO-T.は 夫 々3.2士0.67%,28・6土 5.52×10-7〔PU〕 Hb370FR

358 ス テ ロイ ドホ ル モ ン と肝臓 機 能(米 久) い つ れ も2分 の1以 下 の 減 少 を示 し て,そ の 差 推 計 学 は 的 に 有 意 で あ つ た.併 し,之 に 反 してGO-T・ は 殆 ど 変 化 し て い な い.叉.,血 清 蛋―白 像 で は 血 清 蛋 白 量 は7・2±0・47g/d1で 正 常 値 を 示 し て お り,蛋 白 分 屑 値 は,ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン が 夫 々41.5±1.07%,12.8士1.84%,9.8士0.92%,18・1士0・92%, 17・8士1.56%で 正 常 群 と 比 べ て ア ル ブ ミ ン減 少,グ ロ ブ リ ン増 加 の 所 見 が み と め ら れ た. 一 方_{,肝 障 害 雌 白 鼠5例 に 於 け る各 測 定 値 は 第1表(表1-1及 び 表1-2)及 び 第V図 の 如 くで あ つ た.} 即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6・72士1・08g/100g,0・70土0・90g/100g,6・0±4・659/1009 で 雌 正 常 群 に 比 べ て,い つ れ も 増 加 し て い る が そ の 差 は 有 意 で な か つ た.又,雄 障 害 群 に 比 べ て み る と,こ れ らの 値 は 推 計 学 的 に 有 意 の 差 は な か つ ―.又,肝 臓 酵 素 活 性 即 ち,ChE.,Cath.,K.￡,GO-T.は 夫 々3.2圭 1.67%,96.9士20.35×10-7〔PU〕 Hb37。FR

mg・eq・tyr・, 31.9士5.50Kat.￡,42620士3100%で 雌 正 常 群 に 比 べ て,ChE.,

K・￡ は 有 意 の 差 を 以 て 減 少 し て い る が,Cath・,GO-T.で は 増 加 傾 向 を 示 し,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ ―.又,雄 障 害 群 に 比 べ てChE・ は 変 化 な い が,Cath・,GO-T.は 共 に 増 加 を 示 し て お り,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ ― ― 即 ち,Cath―,GO-T.は 雄 と 異 り,肝 障 害 に よ り増 加 す る と い う特 異 な 所 見 を 示 し た. 又K・fは 雄 の4分 の3程 度 で あ り,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ る が,雌 の 正 常 値 が 雄 の3分 の2程 度 で あ る の で 同 様 に 減 少 し た も の と 判 断 す べ き で あ ろ う,血 清 蛋 白 像 で は 血 清 蛋 白 量,ア ル ブ ミ ン,α 、一,αジ,β一,γ一 グ ロ ブ リ ン は 夫 々9・2土0・769/dl,43・2士9・15%,7・0士2―89%,8.6士L26%,18.8士1.45%,22.4士8.12% で 雌 正 常 群 に 比 べ て 総 蛋 白 量 が 増 加 し,ア ル ブ ミ ン の 軽 度 の 減 少,γ 一グ ロ ブ リ ンの 軽 度 の 減 少 を 示 す 以 外 は 著 変 な か つ た.又,雄 障 害 群 に 比 べ て は 著 変 な か つ た ― (2)C。rtis。nelmg投 与 群.4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 中 にCortisoneacetate(lmg/100glO日 間)を 投 与 し ― 白 鼠3例 に 於 け る 各 測 定 値 は 第IV表,第V表,図1-2,図III-2及 び 図 皿一3の 如 く で あ つ た_{.即 ち,総} 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6・77±0・53g/100g,0.56士0・11g/100g,6・6土0・83g/100gで 対 第IV表4塩 化 炭 素 に よ る肝 機 能 障 害 の 発現 に対 す る コル チ コ4ド の影 響 第V表4塩 化 炭 素 障害 に よ る血 清 蛋 白像 の変 化 に 対 す る コル チ コ イ ドの影 響

ロ ズ玄 戸ヨ 分 ・泌 雪全 会 雑 誌、 359 照 群 に比 べ て 薩 度 の 増加 傾 向 を示 して お り。 蛋 白窒 素 量 の 増 加 は推 計 学 的 に 有意 で あつ ―.又,肝 臓 酵 素 活 性 即 ちChE・,Cath・,K.￡ は 夫 々1.5±3.26%,40.2士35.3×10-7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq・tyr・, 45.6土7.66Kat.f.で 対 照 群 に 比 べ てCath・,K・f・ が や や 増 加 し て い る が,こ _{の 差 は 有 意 で は な か つ ― ― 併 し,ChE.は 低 値 を 示} し,対 _{照 群 と の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た .叉,血 清 蛋 白 像 で は 蛋 白 分 屑,即 ち ア ル ブ ミ ン,ev、一,αゾ,β一,γ一一} グ ロ ブ リ ン が 夫 々47・9十19'75%,10.9士3。68%,9.6土2.29%,18.4土3.92%,13.1土8.34%で 対 照 群 に 比 べ て ア ル ブ ミ ン の 増 加,グ ロ ブ リ ン の 減 少 を 示 し,血 _{清 蛋 白 像 の 好 転 が み と め られ た .併 し,対 照 群 と の 差} は 有 意 で な か つ ―. (3)C。rtis。ne5mg投 与 聾 ―4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 中 に,Cortisoneacetate(5mg/100910日 間)を 投 与 し ― 白 鼠3例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第IV表,第V表,図1-2,図ll'-2及 び 図1旺 一2の 如 く で あ つ た.即 ち, 総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 自 窒 素 量 は 夫 々7.03士0.179/100g,0.43土0.319/100g,6.6±3.289/1009で 対 照 群 に 比 べ て 非 蛋 白 窒 素 量 は 変 化 な い が,総 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は,や や 増 加 傾 向 に あ る.又,肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE・,K.￡ は 夫 々2.8士5.78%,31.4士26.39Kat.￡ で 対 照 群 に 比 べ て,や や 減 少 し て い る が, Cath.は50.5±33.40×10『7〔PU〕 Hb37。FR rng・eq・tyr・ で対 照 群 に比 べ て 増加 を 示 して い る.併 し,値 の散 らば り が 大 き い の で 正 確 に は 何 と も言 え な い.又,血 清 蛋 自 分 屑 は ア ル ブ ミ ン,α 「,αゾ,β一,γ一グ ロ ブ リ ンが,夫 々 46・1±10・08%,11.1士1.75%P10.5士10。81%P18.5±3.51%,13.8士6.56%で 対 照 群 に 比 べ て,ア ル ブ ミ ンの 増 加,γ 一グ ロ ブ リ ン の 減 少 傾 向 を み と め,血 清 蛋 白 像 は,む し ろ 好 転 が 認 め ら れ た. 第4節4塩 化 炭 繁 障 害 肝 の 再 生 に 対 す る ス テ ロ イ ドホ ル モ ン の 影 響 (1)回 復 聾(対 照 騨),肝 障 害 回 復 雄 白 鼠8例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第1表(表1-1及 び 表 一ff-2)図 1-3,図II'-3,図1睡 一一3,図IV-3及 び 第V図 の 如 くで あ つ た.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々7・15士1―38g/100g,0.65士0.19g/100g,6.7土2.68g/100gで 肝 障 害 群 に 比 べ て,い つ れ も や や 増 加 の 傾 向 を 示 し て い る が,そ の 差 は 有 意 で な か つ た.又,肝 臓 酵 素 活 性 の うち,ChE.は6.7±1.21%で 肝 障 害 群 に 比 べ て 推 計 学 的 に 有 意 の 差 を 以 て 増 加 を 示 し て い る.又,Cath.,K.f,,GO-T.は 夫 々41.4士8.91× 10『7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq・tyr・, 45.3士9.75Kat― ￡,55125―6290%で 肝 障 害 群 に 比 べ て 増 加 の 傾 向 を 示 し て い る が, 有 意 の 差 は な か つ ―.又,血 清 蛋 白 像 で は,rfa清 蛋 白 量 は8・4士O・35g/d1で 肝 障 害 群 に 比 べ て 軽 度 の 増 加 を 示 す が,そ の 差 は 有 意 で な か つ た.更 に,蛋 自 分 屑 は ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ンが 夫 々39・3士 5.00%,9―0士2.53%,11.0士2.46%,20.0±L78,20.6土4.32%で 肝 障 害 群 に 比 べ て,ア ル ブ ミ ン の 減 少, γ一グ ロ ブ リ ン の 増 加 傾 向 を み と め,血 清 蛋 自 像 は,必 し ろ 増 悪 の 傾 向 を 示 し た.併 し,そ の 差 は 有 意 で な か つ ―. 一 方_{,肝 障 害 回 復 雌 自 鼠4例 に 於 け る 各 測 定 値 は,第1表(表 卜1及 び 表1-2)及 びV図 の 如 く で あ つ} ―.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 自 窒 素 量,蛋 自 窒 素 量 は 夫 々9・07土0・71g/100g,0・73土0・209/1009,8・4±0・399 /100gで 障 害 群 に 比 べ て,非 蛋 自 窒 素 量 は 変 化 な い が,総 窒 素 量 は 増 加 の 傾 向 に あ り,両 者 の 障 害 群 と の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.又,肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE.,K.f,は 夫 々6.3土1・83%,63・4士8.95Kat・ ￡ で 障 害 群 に 比 べ て 有 意 の 差 を 以 て 増 加 を 示 し て い る 。 併 し,Cath.は78.2±12.05×10'-7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq・tyr・, で 障 害 群 に 比 べ て 減 少 の 傾 向 を 示 し て い る が,正 常 値 に は 近 い 値 で あ つ た.又,GO-T.は42213土4580% で 障 害 群 に 比 べ て 変 化 な か つ た.又 、[血 清 蛋 白 像 は 血 清 蛋 白 量 が9.1士0.49g/d1で 障 害 群 に 比 べ て,や や 増 加 の 傾 向 を 示 し て い る.蛋 白 分 屑 で は ア ル ブ ミ ン,α 、一,αジ,β一,γ一グ ロ ブ リ ンが 夫 々37.7±12―35%,9.1± 4.37%,10.2上4.10%,18.9±3.30%,24.3±2.55%で 障 害 群 に 比 べ て ア ル ブ ミ ン の 減 少,γ 一グ ロ ブ リ ン の 増 加 傾 向 を 示 し て い た.即 ち,血 清 蛋 白 像 は 障 害 直 後 よ り,む し ろ 増 悪 の 傾 向 を 示 し ―.以 上 の 結 果 か ら, 障 害 に 対 す る肝 臓 の 態 度 を 雌 雄 別 に 比 較 し て み る と,第1表(表1-1及 び 表1-2)及 び 第V図 の 如 くな る.即 ち,肝 臓 窒 素 成 分 は 雄 で は 障 害 後 い つ れ も減 少 し,後 回 復 す る が,雌 で は 障 害 に よ つ て 減 少 せ ず,む し ろ 増 加 の 傾 向 を 示 し て い る.肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 活 性 は 雌 雄 共,障 害 直 後 減 少 し 芝

360 ス テ ロ イ ドホル モ ン と肝 臓 機 能(久 米) そ の 後 回復 して い る.カ テ プ シ ン活 性 は雌 雄 で は そ の態 度 が 異 つ て お り,雌 で は障 害 直 後増 加 し,そ の後 や や 減少,正 常 値 に 近 づ くが,雄 で は,む _{しろ障 害 直 後 減少 し,そ の 後 回復 す る .トラ ンス ア ミナ ー ゼ活 性 の} 態 度 も・ カ テ プ シ ンに似 てお り,障 害直 後,雌 雄 い つれ も増 加 し,そ の後 雄 は更 に 増加 し,雌 も減 少 しな い.従 つ て ・ トラ ンス ア ミナ ーゼ及 び カ テ プ シ ン活性 の結 果 を綜 合 す る と_{,か か る障害 条 件 に よ り肝臓 にお} け る蛋 白乃 至 ア ミノ酸 の病 的代 謝 が 充 進 す るもの と予 想 で きる.併 し,カ タラーゼ活性は雌雄共障害によつ て 減少 し・ そ の後 回復 す るので コ リンエ ス テ ラー ゼ活 性 と同様 の傾 向 を 示 し―が ,雌 は雄 は比 しその回復 が よ り速 や か な如 き所 見 で あつ た。 (2)コ ル チ コイ ド投 与 騨 (a)Cortisonelmg投 与 群.肝 障害 回復 過 程 にCortisoneacetate(1mg/100gr10日 間)を 投 与 した 白鼠 6例 に於 け る各 測 定 値 は,第N((1表,第 珊表 ,図1-3,図ll-3及 び 図 皿一3の 如 くで あ つ た― 即 ち総 窒 素 量, 非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々7.13士1.53g/100g,0.58士0.26g/100g,6.5土1.72g/100gで 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て 著 変 を 示 さ な か つ た.又,肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE.,Cath.は 夫 々1.4±0.95%,37.1±9.91 ×10一7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq―tyr・ ・で,回 復 群 に比 べ て 減 少 し殊 に,ChE.は その 減 少 が推 計 学 的 に有 意 で あつ た ― こ れ に 反 し て ・K― ￡ は50・6土18・30Kat・ ￡ が 回 復 群 に 比 べ て 軽 度 の 増 加 を 示 し て い る が,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で な か つ ―.又,血 清 蛋 白 像 で は 蛋 白分 屑 が ア ル ブ ミ ン,α 、一,α,一,β一,γ一グ ロ ブ リ ンは 夫 々46.2土6.80 %・9・7士0・41%・7・2士0・41%20・9士2・15%,16・8士4・12%で あ り,回 復 群 は 比 べ て ヘ ァ ル ブ ミ ン の 増 加, γ一グ ロ ブ リ ン の 減 少 傾 向 を 示 し,こ _{の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で な つ ― .} (b)Cortisone5mg投 与 群.肝 障 害 回 復 過 程 にCortisoneacetate(5mg/100gr,10日 間)を 投 与 し た 白 鼠3例 に お け る各 測 定 値 は,第 、1表,第W表,図1-3,図 _{π一3及 び 図 皿一3の 如 くで あ つ ― .即 ち,総 窒} 第M表4塩 化 炭素 障害 肝 の同 復 に対 す る コル チ コイ ドの影 響 第 禰表4塩 化炭 素 障害 鼠 血 清 蛋 白像 の 回復 に 対 す る コル チ コ イ ドの影 響 第35巻 第4号

竃 本

内 分

泌

学

会 維

誌

36茎

素 量,非 蛋 白 空 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々7・99土2・54g/100g,0・71±O・16g/1009,7・4土1・25g/100gで 画 復 群 に 比 べ て,や や 増 加 傾 向 を 示 し ―.叉,肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE・,Cath・,K・f'は 夫 々1・7士2・01%,30・7士

7.33×10『7〔PU〕 Hb37QFR_{mg・eq・tyr・,} 37.1土8.49Kat.f,.で 回 復 群 に 比 べ て,い つ れ も 減 少 し,殊 に,ChE.の 減 少 は

推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た.叉,血 清 蛋 白 像 で は,蛋 白 分 屑 が ア ル ブ ミ ン,α 「,αゾ,β一,γ一グ ロ ブ リ ン は 夫 々 46.1士7.84%,10.8士4.36%,11.2±7.02%,19―2士4.96%,12.6士7.84%で 回 復 群 に 比 べ て ア ル ブ ミ ン の 増 加,γ 一グ ロ ブ リ ン の 減 少 傾 向 を 示 し,こ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た ― 即 ち,血 清 蛋 白 像 の 好 転 が み と め られ ―. (3)性 ホ ル モ ン 投 与 騨 (a)Androgen投 与 群,肝 障 害 回 復 過 程 にTestosteroneproprionate(1mg/100gr,10日 間)を 投 与 し ― 白 鼠4例 に お け る 各 測 定 値 は 第VKI表,第 凪 表,図 卜3,図1卜3,図 随一3及 び 図IV-3の 如 く で あ つ た.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 自 窒 素 量 は 夫 々8・21士4・039/1009,0・49±0・359/1009,7・7土0・769/1009 で 対 照 と な る 回 復 群 の7.15士1.38g/100g,0.65±0.19g/100g,6.7士2.68g/100gに 比 べ て 総 窒 素 量, 蛋 白 窒 素 量 は 増 加 し 非 蛋 自 窒 素 量 は,や や 減 少 し て い る.し か し,之 ら の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で な か つ た. 又,肝 臓 酵 素 活 性 即 ちsChE.,Cath.,K.f,.GO-T・ は 夫 々7・1士1・64%P34・4土24・59×10'"7〔PU〕 Hb37。FR mg・cq・tyr・ 45.0±8.96Kat.f,,5317士23850%で 同 復 群 に 比 べ て 大 差 を み と め な か つ た.た だ,Cath・ は この 場 合,や や 減 少 し て お り,肝 臓 蛋 白 の 増 加 の 所 見 と 綜 含 す る とAndrogen投 与 が 肝 臓 蛋 白 の 異 化 を 抑 制 す る と も解 釈 で き る.血 清 蛋 白 量 は9.8土4・75g/d1で 回 復 群 に 比 べ て,や や 増 加 傾 向 を 示 し て い る が,蛋 白 分 屑 で は ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン が 夫 々36.1士12・78%,12・8・ 』8・93%,9・6土2―06%,20・6士4・28%・ 2LO±3.98%で 回 復 群 と大 差 を 認 め な か つ た. 第V盤表4塩 化 炭 素 障害 肝 の回 復 に 対す る性 ホル モ ンの影 響 第IXf表4塩 化 炭 素 障害 鼠 血 清 蛋 白 像 の 回復 に対 す る性 ホ ル モ ンの影 響

362 ス テ ロ イ ドホル モ ン と肝 臓 機 能(久 米) (b)Estrogen投 与 群.肝 障 害 回 復 過 程 に,Estrasiolbenzoate(0.02mg/1009,10口 間)を 投 与 し ― 白 鼠 4例 に お け る 各 測 定 値 は,第 ㎜ 表,第[IX表,図1-3 _{,図 ∬-3,図M-3及 び 図IV-3の 如 く で あ つ た.即 ち,} 総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々7・06±1.84g/100g,0.46士0.17g/1009,6.7士1・899/1009で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て 著 変 を み と め な か つ ―.肝 臓 酵 素 活 性 の う ち,ChE.,Cath.,K.￡ は 夫 々5.1±7.04%, 40・6士12.49×10-7〔PU〕 Hb37。FR mg・eq・tyr・, 50・9±4・78Kat・f'で 回 復 群 に 比 べ て 著 変 を 認 め な か つ ―.― だ, GO-T・ は 回 復 群 の55125土16290%に 比 べ て29801±10150%で50%程 度 に 減 少 し て お り,そ の 減 少 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ た ― 即 ち,Estrogenが 障 害 肝 の トラ ン ス ア ミナ ーゼ 活 性 を 抑 制 す る が 如 き 所 見 で あ つ た. 又,血 清 蛋 白 像 で は,血 清 蛋 白 量 及 び 蛋 白 分 屑 は 夫 々8.0士1・59g/dl,44.9土13.95%,8.9±3・18%,9・4 ±3・52%,18・9±3・97%,17・8士2.21%で 回 復 群 の8.4士0.359/dl,39.3±5.00%,9.0土2.53%,11.0、 』 2・46%,20・0士1・78%,20.6±4.320/oに 比 べ て ア ル ブ ミ ン増 加,グ ロ ブ リ ン減 少 を 示 唆 す る所 見 が 得 られ ―.又,ア ル ブ ミ ン,γ 一一グ ロ ブ リ ン比 は,回 復 群 の1.81±1.31に 比 し,2.57土0.90で あ り,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ ―.従 つ て,血 清 蛋 白 像 の 好 転 が 認 め られ ―. (4)去 勢 騨 (a)去 勢(対 照)群,4塩 化 炭 素 ガ ス 吸 入 に よ り肝 障 害 を 起 さ し め た 後,去 勢 し ― 白 鼠4例 に お け る 各 測 定 値 は,第X表,第M表,図1-3,図ff-3,図Wt--3及 び 図1V-3の 如 く で あ つ た.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6.09士0.42g/100g,0.63士0.19g/100g,6.5士0・629100gで 対 照 の 回 復 群 に お け る7・15士1・389/1009,0・65土0.199/100g,6.7士2.689/1009に 比 べ て 著 変 を 認 め な か つ ―.肝 臓 酵 素

活 性 即 ち,ChE・,Cath・,K・ ￡,GOーT.は 夫 々5.4士2.35%,40.5士7.74×10--7〔PU〕 Hb37。FR

mg・eq・tyr・, 35.6士21.40

Kat・ ￡,28560土6090%で 対 照 回 復 群 の6.7±1.21%,41.4士8.91×10s〔PU〕 正lb37。FR

mg・cq・tyr・, 45.3土9.57Kat.f.

第X表4塩 化 炭 素 障 害 肝 に 回復 に対 す る去 勢 の影 響

日 本

内 分

泌

学

会 雑

誌

363 55125土16290%に 比 べ る とChE.,K.￡ は 著 変 を み と め な か つ ― が,Cath・,GO-T・ は 低 下 の 傾 向 を 示 し ・ GO-T.の 低 下 は 推 計 学 的 に 有 意 で あ つ ―.従 つ て,Estrogen投 与 と 同 様 の 所 見 が み と め られ ―.血 清 蛋 白 像 で は,血 血 蛋 白 量 は9.2±0.87g/d1で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て や や 増 加 を 示 し ― が,蛋 白 分 屑 値 は ア ル ブ ミ ン,α 、一,α2-,β一,γ一 グ ロ ブ リ ンが 夫 々35.6士12.89%,10.1士2・19%,10・6士3・83%,22・0士4・27%・21・7 士6.29%で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て 著 変 を み と め な か つ ―. (b)去 勢 後Androgen投 与 群.肝 障 害 後 去 勢 して か らTestosteroneproprionate(1mg/100g,10日 間) を 投 与 し ― 白 鼠4例 に お け る各 測 定 値 は,第X表,第Xt表,図1--3,図K-3,図 皿一3及 び 図IV-3の 如 く で あ つ ―.即 ち,総 窒 素 量,非 蛋 白 窒 素 量,蛋 白 窒 素 量 は 夫 々8・11士4・59/1009,0・50士2・89/1009・7・7 ±2.82g/100gで 対 照 の 回 復 群 に 比 べ る と非 蛋 白 窒 素 量 を 除 い て,他 は 増 加 を 示 し た ― 又,去 勢 し ― 対 照 群 の6.09土0.429/1009,0.63±0.199/1009,6.5士0.629/100gに 比 較 す る と 非 蛋 白 窒 素 量 を 除 い て ・ 他 は 増 加 を 示 し ― が,そ の 差 は 有 意 で な か つ ―.肝 臓 酵 素 活 性 即 ち,ChE・ ・Cath・・K・￡・GO-T・ は 夫 々6―9圭4・19%

46.9土14.58×10嚇7〔PU〕 Hb37。FR_{mg・eq・tyr・,} 47.7土21.5,Kat.￡,35525士10790%で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て み る と

GO-T.を 除 いて,他 は何 れ も増 加 を示 し―.GO-T・ は減 少 を示 して い るが,そ の差 は有 意 で あ つ ―.又, 去 勢 し ― 対 照 群 の5・4土2・35%,40・5士7・74×-7〔PU〕 Hb37。FR mg・cq・tyr・, 35.6士21.40Kat.￡,28560土6090%に 比 べ る と,各 酵 素 活 性 共 増 加 を 示 し て い るが,そ の 差 は 推 計 学 的 に 有 意 で な か つ た.又,血 清 蛋 白 像 で は,血 清 蛋 白 量 は8.6土0.519/d1で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ る と 増 加 を 示 して い る が ・ 去 勢 し ― 対 照 群 の9・2士0・879/dl に 比 べ て 有 意 の 差 を 以 て 減 少 を 示 し ―.蛋 白 分 屑 値 で は ア ル ブ ミ ン,α 、一,■'2-,β一,γ一グ ロ ブ リ ン が 夫 々40―4± 13.4%,10.3士2.46%,11.0士0.87%,19・7土7・14%,18・6士2・57%で 対 照 の 回 復 群 に 比 べ て ア ル ブ ミ ン の 軽 度 の 増 加,γ 一グnブ リ ン の 軽 度 の 減 少 傾 向 を 示 し た.又,去 勢 し た 対 照 群 の35・6土12・89%・10・1士2・19% 10.6士3―83%,22.0土4.27%,21.7土6.29%る 比 較 し て も 同 様 に ア ル ブ ミ ン の 増 加,γ 一グ ロ ブ リ ン の 減 少 傾 向 を み と め ―.併 し,共 に 有 意 の 差 は 無 か つ ―. (互)コ ル チ コ イ ド,性 ホ ル モ ン併 用 投 与 群.

(a)Cortisone-Androgen併 用 投 与 群.肝 障 害 回 復 過 程 にCortisone(1mg/1009・10日 間)及 びTcstost-eroneproprionate(1mg/100g,10日 間)を 併 用 投 与 し た 自 鼠5例 に 於 け る各 測 定 値 は,第X俵,第X巫 表,

図1-3,図 江一3,図iu-3及 び 図IV-3の 如 くで あ つ た.即 ちP総 窒 素 量 ・ 非 蛋 白 窒 素 量 ・ 蛋 白 窒 素 量 は 夫 々6.61士1.039/100g、0.43士O.469/1009,6・1±0・879/1009で 回 灘 ゆ7・15土1・389/1009・0・65±0・199/1009 6―7±2.689/1009に 比 べ て 著 変 を 認 め な か つ た.肝 臓 酵 素 活 性 即 ち,GhE・ ・Cath・・K・￡・GO-T・ は 夫 々2・2士

1.28%,38.9±11.68×10'-7〔PU〕 Hb370FR mg・eq・tyr・, 41.9士4.00Kat.￡,25620士6740%で 対 照 群 に 比 咬 して,何 れ も 減 少 を 示 して い る が,殊 に,ChE・,GO-T― は 対 照 群 の6・7=ヒ1・21%55125士16290%に 比 し・ 推 計 学 的 に 有 意 の 差 を 以 て 減 少 し て い る.之 に 反 し て,血 清 蛋 白 像 で は ・ 血 清 蛋 白 量 は9・2土1・009/dlで 対 照 群 の 第Xl駿4塩 化 炭 素 障害 肝 の 回 数 に対 す る ス テu/ド ホ ル モ ンの影 響