物理学演習 第14回 角運動量・力のモーメント,回転運動の方程式 解答例
ウォーミングアップ
(1) ˙r= ˙r((cosθ)i+ (sinθ)j) +rθ((˙ −sinθ)i+ (cosθ)j)
(2) r×r˙ =r((cosθ)i+ sinθj)× {r((cos˙ θ)i+ (sinθ)j) +rθ((˙ −sinθ)i+ (cosθ)j)}
=r2θ((cos˙ θ)i+ sinθj)×((−sinθ)i+ (cosθ)j) =r2θ˙k (i×j=kなどに注意して計算)
《問A》角運動量の定義式l=r×mv=mr×r˙ に代入すればよい.
(1) l=m(3ti− 1
2t2j)×(3i−tj) =−3 2mt2k.
(2) l=m(vxi+vyj+vzk)t×((vxi+vyj+vzk)) =0.
(3) l=mR(cos(ωt)i+ sin(ωt)j+tk)×Rω(−sin(ωt)i+ cos(ωt)j+k)
=mR{(−ωtcos(ωt) + sin(ωt))i−(ωtsin(ωt) + cos(ωt))i}+mR2ωk.
《問B》円運動がxy面内でなされているとみなせば,回転軸の向きはz 軸でk方向である.ウォーミングアップの計算より,
r×r˙ =R2θ˙kであるから,l=r×(mv) =mR2θ˙k.
《問C》(1) ひもを引く力は,おもりに対して中心力となっているから,角運動量は保存する.
(2) このおもりの角運動量は,問題Bの結果よりl=mr2ω=mrvである.角運動の保存則より,mr0v0=mr1v1 が成り立つ ので,v1= r0
r1v0.
(3) 運動エネルギーの変化= mv12
2 − mv20
2 = mv21 2
( 1− v02
v12 )
= mv12 2
( 1− r21
r20 )
. ひもの張力がおもりを半径方向に移動する際にする仕事に等しい.
(4) 角運動量保存とv=rω を用いて,r02ω0=r21ω1. よってω1= r02
r12ω0= 1 k2ω0.
《問D》それぞれの質点の角運動量は(y軸向き)ml2ω, 2ml2ω になるので,この系の全角運動量L=ml2ω+ 2ml2ω= 3ml2ω.
回転運動の方程式は dL
dt =Nで,y軸成分だけを書けば,3ml2dω dt =N.
《問E》始めの角速度ω(0) = 300 rpm = 5 s−1= 10πrad/s,t= 10の角速度ω(10) = 5πrad/s. (一定の)角加速度をαとお けば,α= 5π−10π
10 =−π
2 . 回転運動の方程式I0α=N より,N =−π=−3.14 N·m.
また,時刻tにおける(単位時間あたりの)角速度はω=−π
2t+ 10πなので,t= 0からt= 20までの総回転角は
∫ 20 0
ωdt= 100π これを2πで割って,回転数は50.
《問F》回転運動の方程式より,4 ˙ω= 2. これを積分してω= 1
2t+C. 始め静止していたので ω= 1 2t.
よってt= 30における角速度はω= 1
2 ×30 = 15. 総回転数= 1 2π
∫ 30 0
ωdt= 225
2π = 3.58×101.