[論文要旨]
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国立歴史民俗博物館が所蔵する二つの初期洛中洛外図屏風 「歴博甲本」 と「歴博乙本」 について、 描かれた人物すべて (甲本=一四二六人、 乙本=一一七二人) をデータベー ス化する作業を終え、横断検索も可能となったため、両者のデータを定量的に比較す る形で、その違いについて、特に不明な点が多かった乙本について考察を試みた。
乙本は全体的に甲本よりも簡略化されており、またひとつの場面に、場面と関わる 形で特定の種類の人物を集中させる傾向が見られる。生業の種類が少ないことや、僧 侶を宗派別に描かないことなど、人物に個性が乏しく、また男性の老人が全く見られ ないことや尼僧をほとんど描かないなど、偏りもかなり著しい。
しかし、それは単純に甲本よりも質と量が下がったことを意味するのではなく、乙 本独自の観点ないし嗜好から選択が行われた結果でもある。尼僧が排除される一方で 着飾った女性が目立つし、振売や農民について、野菜を扱った独自の場面が多く見ら 洛中洛外図屏風 「歴博甲本」 と「歴博乙本」 の人物データベースによる比較
Use of the Character Database for Comparison of Rekihaku A and B V ersions of Folding Screens of Scenes in and around Kyoto
KOJIMA Michihiro, MORISHITA Kana, OYABU Umi
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