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Der Deutsche Markt für Flugzeugteile und –komponente

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ドイツの航空宇宙産業に関する市場調査

(Industry Report)

2011年10月

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【免責条項】 ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および利益の 喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロがかかる損害の可能性を知らさ れていても同様とします。 © JETRO 2011 本報告書の無断転載を禁ずる。 本報告書に関する問い合わせ先: 日本貿易振興機構(ジェトロ) 機械・環境産業部 機械・環境産業企画課 〒107-6006 東京都港区赤坂1-12-32 TEL: 03-3582-1673 Email:TNA-Cdr@jetro.go.jp

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目次 1. ドイツ航空宇宙産業の概観 1 1.1 民間航空 2 1.2 宇宙航空 2 1.3 防衛と安全 2 2. ドイツ航空宇宙産業の製品グループ別市場統計 3 3. 貿易統計 5 3.1 輸出 5 3.2 輸入 8 4. 市場動向 10 5. ドイツの航空宇宙技術(研究機関および研究プログラムの一例) 12 6. 認証に関する規定 13 7. 規格に関する規定 14 8. 産業クラスター 15 8.1 航空クラスター・ハンブルク都市地域 8.2 航空宇宙クラスター・バイエルン(bavAIRia e.V.) 8.3 ベルリン・ブランデンブルク・エアロスペース連盟 8.4 バーデン・ヴュルテンベルク航空宇宙フォーラム 8.5 NRW アエロスペース 8.5.1 ABC クラスター・航空宇宙 NRW 8.5.2 ノルトライン・ウェストファーレン・統合衛星ナビゲーション・ユーザー協会 8.6 ASIS アエロスペースイニシアティブ・ザクセン 8.7 ヨーロピアン・エアロスペース・クラスター・パートナーシップ(EACP) 9. 展示会・見本市 17 9.1 ILA ベルリン・エア・ショー 9.2 AIRTEC 9.3 アビオニクス・ヨーロッパ Avionics Europe 9.4 エアクラフト・インテリアズ・エキスポ 9.5 AERO 9.6 インター・エアポート・ヨーロッパ 9.7 アビエーション・エキスポ・ヨーロッパ 9.8 エア・マグデブルク 9.9 エアロスペース・テスティング・ヨーロッパ 9.10 エア・カーゴ・ヨーロッパ 10. 業界団体・組織 18 10.1 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI) 10.2 ドイツ連邦航空局(LBA) 10.3 ドイツ航空宇宙研究センター(DLR) 10.4 無人機に関するドイツ語圏ワーキンググループ 10.5 ドイツ・アビエーション研究協会 10.6 ドイツ・アビエーション研究協会 11. 総括 19 12. 出所一覧 19

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1 1. ドイツ航空宇宙産業の概観 航空宇宙産業は、経済的にも技術的にも極めて重要な産業分野とされるが、ドイツにおける 当該産業は世界屈指のレベルにある。 独航空宇宙産業連盟(BDLI)によると、経済危機で先行きの不透明感が強まったが、業界売 上高はここ数年伸び続け、2010 年にはこれまでの記録を更新し 247 億ユーロに達した。売 上は民間航空、宇宙航空、防衛と安全の全てのセグメントにおいて成長基調にあり、2010 年は前年比 4.5%増を確保した。特に研究開発分野は約 17%の高い伸び率を示している。 航空宇宙産業における業界売上高の推移 出所: BDLI 2011 セグメント別の売上シェア 2010 年(単位:%) 出所: BDLI 2011 3 つのセグメント全てが好調だが、航空エンジン、装備品、素材技術では、A380 の納期遅 延や小型ローカル機・ビジネスジェットの需要の落ち込みを背景に、成長は限られた。 業界の従業者数は、2010 年に前年比 1.8%増の 9 万 5,400 人に増加した。雇用の拡大には軍 用機産業より、民間機と宇宙航空産業の貢献が大きかった。 19.5 20.2 22.7 23.6 24.7 0 5 10 15 20 25 2006 2007 2008 2009 2010 業界売上高(10億ユーロ) 26.2 8.5 65.3 民間航空 宇宙航空 防衛と安全

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2 ドイツ航空宇宙産業における従業員数の推移 出所: BDLI 2011 企業規模に応じた売上高と従業員の分布(2010 年) 企業の規模 従業員数 (百万ユーロ) 売上高 売上高比率 (%) 従業員数 (人) 従業員比率 (%) 1-50 462.38 1.87 1,626 1.70 51-250 2,101.36 8.50 7,350 7.70 251-500 1,953.21 7.90 7,924 8.30 501-2000 3,667.49 14.84 19,253 20.18 >2000 16,535.36 66.89 59,285 62.12 合計 24,719.80 100 95,438 100 出所: BDLI 2011 1.1 民間航空 売上高と雇用の面で、民間航空部門はドイツ航空宇宙産業で最大の比率(約 65%)を占め ている。2010 年の当該セグメントの売上高は、前年比 3.2%増の 161 億ユーロに拡大し、従 業員数は前年と同水準の 6 万 2,200 人で推移した。2009 年には旅客機と貨物機の需要が大 幅に減尐したが、2010 年は世界経済が回復したことからエアラインの発注も増加した。 1.2 宇宙航空 宇宙航空のセグメントは、売上高が前年比 6.7%増の 21 億ユーロに拡大するなど、2010 年 は好調に推移した。同売上高は航空宇宙産業全体の 8.5%に相当する。当該セグメントの従 業員数も前年比 8.1%増の 6,700 人に拡大した。宇宙航空ではドイツがフランスに次いで欧 州で 2 番目の規模を誇る。 1.3 防衛と安全 同セグメントの売上高は 2010 年、前年比 7.2%増の 65 億ユーロに拡大し、業界全体に対す る売上シェアは 26.2%となった。従業員数も同 6.3%増の 2 万 2,600 人に拡大した。同セグ メントには軍用機、無人機(UAS)、輸送・攻撃ヘリから航空エンジン、人工衛星などまで が含まれる。同セグメントは売上を伸ばす一方で、防衛計画の見直しによる予算の削減など の問題にも直面している。 86 88 93 94 95 80 82 84 86 88 90 92 94 96 2006 2007 2008 2009 2010 従業員数(単位:千人)

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3 2. ドイツ航空宇宙産業の製品グループ別市場統計 製品によるグループ分け: グループ 1 -航空宇宙システム グループ 2 -駆動技術 グループ 3 -装備品 グループ 4 -素材技術・コンポーネント 製品グループ別の売上高の 5 年間の推移(単位:100 万ユーロ) グループ 1 グループ 2 グループ 3 グループ 4 合計1 前年比増減 2006 年 12,277.7 2,533.5 3,702.8 779.5 19,488.4 +5.1% 2007 年 12,562.7 2,767.3 4,135.1 767.8 20,233.0 +3.8% 2008 年 13,613.3 2,985.8 5,300.4 841.8 22,741.4 +12.4% 2009 年 13,974.2 2,915.6 6,045.2 722.4 23,657.4 +4.0% 2010 年 14,940.0 2,894.9 6,066.0 728.9 24,719.8 +4.5% 出所: BDLI 2011 製品グループ別の売上高比率の 5 年間の推移(単位:%) グループ 1 % グループ 2 % グループ 3 % グループ 4 % 2006 年 63 13 19 4 2007 年 62 14 20 4 2008 年 60 13 23 4 2009 年 59 13 27 3 2010 年 60 12 25 3 出所: BDLI 2011 2010 年の製品グループ別の売上高比率(単位:%) 出所: BDLI 2011

1 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)に加盟していない企業(約 10%)に関する推定値を含む。BDLI によると航 空宇宙産業に関連する企業の約 90%が BDLI に加盟している。 3% 12% 25% 60% グループ1: 航空宇宙システム グループ2: 駆動技術 グループ3: 装備品 グループ4: 素材技術・コンポーネント

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4 製品グループ別の従業員数の 5 年間の推移(単位:人) グループ 1 グループ 2 グループ 3 グループ 4 合計 2 前年比増減 2006 年 52,155 8,550 22,230 2,565 85,500 +5.1% 2007 年 53,133 8,571 23,503 3,001 88,208 +3.2% 2008 年 55,346 8,852 25,720 3,053 92,971 +5.4% 2009 年 51,589 10,121 29,206 2,816 93,732 +0.8% 2010 年 51,680 10,910 30,132 2,716 95,438 +1.8% 出所: BDLI 2011 製品グループ別の従業員数比率の 5 年間の推移(単位:%) グループ 1 % グループ 2 % グループ 3 % グループ 4 % 2006 年 61 10 26 3 2007 年 60 10 27 3 2008 年 60 10 27 3 2009 年 55 11 31 3 2010 年 54 11 32 3 出所: BDLI 2011 2010 年の製品グループ別の従業員数比率(単位:%) 出所: BDLI 2011

2 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)に加盟していない企業(約 10%)に関する推定値を含む。 11% 32% 54% 3% グループ1: 航空宇宙システム グループ2: 駆動技術 グループ3: 装備品 グループ4: 素材技術・コンポーネント

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5 ドイツの航空宇宙産業では、売上高(2010 年:60%)でも従業員数(同:54%)でも「航 空宇宙システム」メーカーが圧倒的に高い比率を占めている。一方、「素材技術・コンポー ネント」のメーカーは売上高、従業員数ともに 3%(2010 年)と最も小さいグループである。 3. 貿易統計 3.1 輸出 経済危機に見舞われた 2009 年には、売上高に輸出が占める割合は減尐したが、2010 年には 早くも 2008 年水準に迫るほどの回復を示した。2010 年の輸出比率は 68%、約 165 億ユー ロだった。経済全体の回復が貢献した。 ドイツ航空宇宙産業における輸出額の推移(2007-2010 年) 出所: BDLI 20113 ドイツの航空宇宙業界にとって最大の輸出相手国は、ここ数年フランスとなっており、中国 がこれに続く。米国への輸出は 2010 年に大幅に減尐した。ブラジル向けの輸出は、同国の 経済成長に合わせて増大し、6 番目に大きい輸出相手国となった。 これら主要輸出相手国と比較して、日本向けの輸出は限定的なものにとどまっている。ただ、 2009 年には前年の 250 億ユーロから 500 億ユーロに倍増し、2010 年も 2009 年とほぼ同じ 水準を保った。 輸出主要相手国と日本への輸出高の推移 2008-2010 年(単位:100 万ユーロ) 相手国 2008 年 輸出額 2008 年 相手国 2009 年 輸出額 2009 年 相手国 2010 年 輸出額 2010 年 フランス 11,405 フランス 12,191 フランス 12,051 中国 1,376 中国 1,950 中国 2,327 米国 1,233 英国 1,462 UAE 1,412 英国 980 米国 1,389 米国 780 日本 25 日本 50 日本 53 出所: ドイツ連邦統計局 2011

3 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)に加盟していない企業(約 10%)に関する推定値を含む。BDLI によると航 空宇宙産業に関連する企業の約 90%が BDLI に加盟している。 15.181 16.81 16.055 16.488 14 14.5 15 15.5 16 16.5 17 2007年 2008年 2009年 2010年 総輸出額(単位:10億ユーロ)

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6 ドイツ航空宇宙産業の日本向け輸出高の推移 2008-2010 年(単位:100 万ユーロ) 出所: ドイツ連邦統計局 2011 ドイツ国内で生産された航空機部品・コンポーネントの多くが国外で販売されている。部品 やコンポーネントの輸出においてフランスが重要な輸出相手国となっており、その多くをエ アバス・グループの生産拠点間(ハンブルクとトゥールーズ)の企業内物流が占めている。 製品グループ別輸出高の推移 2007-2010 年(単位:100 万ユーロ) グループ 1 グループ 2 グループ 3 グループ 4 合計4 前年比増減 2007 年 10,212.6 2,394.0 2,134.4 440.0 15,181.1 2008 年 11,430.4 2,427.9 2,458,3 493.8 16,810.4 +10.75% 2009 年 10,851.4 2,514.8 2,243.1 445.6 16,054.9 -4.5% 2010 年 11,243.3 2,452.9 2,361.6 430.6 16,488.4 +2.7% 出所: BDLI 20115 製品によるグループ分け: グループ 1 -航空宇宙システム グループ 2 -駆動技術 グループ 3 -装備品 グループ 4 -素材技術・コンポーネント 表から明らかな通り、2008 年は輸出が前年比 10.75%増に大きく拡大した。2009 年は経済 危機を背景にマイナス成長となったが、2010 年には再び成長基調を取り戻した。グループ 別では、「航空宇宙システム」メーカーと「駆動技術」メーカーが特に高い輸出比率を誇っ ている。一方、「装備品」と「素材技術・コンポーネント」のメーカーは、国内売上高が約 半分を占め、相対的に輸出比率が低かった。

4 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)に加盟していない企業(約 10%)に関する推定値を含む。BDLI によると航 空宇宙産業に関連する企業の約 90%が BDLI に加盟している。 5 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)に加盟していない企業(約 10%)に関する推定値を含む。 25 50 53 0 10 20 30 40 50 60 2008年 2009年 2010年 日本への輸出額

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7 グループ別の輸出高に占める比率(2010 年) 出所: BDLI 2011 2010 年は「航空宇宙システム」メーカーが輸出高の 68%を占め最大だった。「航空エンジ ン」と「装備品」はそれぞれ 15%、14%でほぼ同等だが、「航空宇宙システム」からは大 きく水を空けられている。 輸出比率の高い企業を製品グループ別に挙げると以下の通り: グループ 1: 航空宇宙システム - Airbus - Astrium - EADS Konsortium - Eurocopter グループ 2: 駆動技術 - MTU - Rolls Royce グループ 3: 装備品 - Diehl Konsortium - Liebherr - EADS Konsortium グループ 4: 素材技術・コンポーネント - Aleris Aluminum Koblenz GmbH - Otto Fuchs KG

- Aerotech Peissenberg GmbH & Co. KG

15% 14% 68% 3% グループ1:航空宇宙システム グループ2:駆動技術 グループ3: 装備品 グループ4: 素材技術・コンポーネント

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8 3.2 輸入 主要輸入相手国と日本からの輸入高の推移 2008-2010 年(単位:100 万ユーロ) 相手国 2008 年 輸入額 2008 年 相手国 2009 年 輸入額 2009 年 相手国 2010 年 輸入額 2010 年 フランス 9,616 フランス 10,125 フランス 12,734 英国 2,564 英国 3,096 英国 2,810 米国 2,557 米国 2,046 米国 2,299 スペイン 310 スペイン 478 スペイン 451 オーストリア 188 ブラジル 250 ブラジル 221 日本 52 日本 54 日本 69 出所: ドイツ連邦統計局 2011 フランスは輸入相手国としても最大のパートナーであり、その輸入額は右肩上がりに増加し ている。その他の主要相手国も若干の入れ替わりはあるものの、ほぼ一定している。 ブラジルからの輸入は 2009 年に大幅に増大。2010 年は若干減尐したものの、前年同様、輸 入相手国として 5 位の座を維持した。これら主要相手国に比べ、日本からの輸入は低い水準 にとどまっている。ただ、ここ数年は増加基調を保っており、2010 年の増加率は大きなも のとなった。 ドイツ航空宇宙産業の日本からの輸入高の推移 2008-2010 年(単位:100 万ユーロ) 出所: ドイツ連邦統計局 2011 52 54 69 0 10 20 30 40 50 60 70 2008年 2009年 2010年 日本からの輸入額

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9 航空機部品・コンポーネントの輸入 ドイツへの航空機関連部品・コンポーネントの輸入品は、航空機向けプロペラ・ローターと その部品、降着装置とその部品、ヘリコプター部品、人工衛星部品、人工衛星打ち上げロケ ットの部品に分類される。 出所: ドイツ連邦統計局 2011 2006 年のドイツの航空宇宙産業は、前年に売上が伸びたことから活況を呈し、部品やコン ポーネントの輸入も記録的な水準に達した。ただ、その後 2 年間は、エアバスの A380 の生 産が遅延するなどの問題が生じたため、同社のサプライヤーなどにも影響が及び、輸入も低 迷した。2008 年以降は成長基調を維持しており、2010 年には輸出額が 5 年来の水準に達し た。 主要輸入品目別輸入額の推移 2006-2010 年(単位:千ユーロ) 2006 年 千ユーロ 千ユーロ 2007 年 千ユーロ 2008 年 千ユーロ 2009 年 千ユーロ 2010 年 航空機向けプロペ ラ・ローターとその 部品 14,023 23,928 22,049 12,783 18,858 降着装置とその部品 191,785 224,601 210,215 207,098 243,793 ヘリコプター部品 7,088,254 6,352,331 6,183,648 6,756,963 6,875,853 人工衛星の部品 84,032 112,760 29,224 45,194 77,113 人工衛星打ち上げロ ケットの部品 30,908 12,898 5,224 2,335 1,297 出所: ドイツ連邦統計局 2011 ドイツの航空宇宙産業で最大の輸入品は、ヘリコプター部品である。当該部品の輸入は 2007-2008 年に一時的に落ち込んだが、2009 年以降再び増加基調にあり、2010 年は 2006 年を若干下回る水準まで回復した。 プロペラ・ローターとその部品の輸入額は、輸入全体とは逆のカーブを描いて推移しており、 2007 年と 2008 年に輸入が増大している。経済危機の影響が 2009 年に現われ、当該輸入額 は前年の約半分に落ち込んだ。2010 年からは回復基調を示しているが、依然として経済危 機以前の水準には達していない。 降着装置とその部品の輸入は他の部品に比べ安定的に推移している。 人工衛星部品の輸入は 2007 年のピークの後、2008 年に大きく落ち込んだ。しかし、2009 年には 2008 年のほぼ 1.5 倍にまで回復。その後も回復基調を続けている。 人工衛星打ち上げロケットの部品の輸入は過去 5 年間減尐し続けており、2010 年には 4 年 前の約 24 分の 1 にまで減尐した。 7.436 6.745 6.464 7.051 7.312 5.8 6 6.2 6.4 6.6 6.8 7 7.2 7.4 7.6 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 航空機部品・コ ンポー ネントの輸 入(単位:10億ユ ー ロ)

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10 4. 市場動向 グローバリゼーションの進展に伴い、航空機による貨物や旅客の移動も増加傾向にある。専 門家による数々の予測によると、旅客数は今後年6%ずつ増加していくことが見込まれる。 このような状況下では、効率の改善により、燃料費高騰によるコスト増大や二酸化炭素の排 出量増加を抑制することが大きな課題となる。これらの要求に応えるには、高い技術力と絶 え間ない革新、高度な専門性を持つ従業員、長期にわたる開発・製造が必要となる。このた め、航空機業界は産業クラスターを構築し、システムメーカーと部品メーカーは様々な協力 関係が可能となるよう互いに近接して設備を構えている。エアバスとの結びつきが強いハン ブルクやトゥールーズに典型的な産業クラスターが展開している。 ドイツの航空機産業はこれまで、強い国際競争力を背景に主導的な役割を果たしてきた。し かし、業界の統合整理のプロセスは加速しており、国内でも多くのサプライヤーが存続のリ スクにさらされている。近隣諸国ではすでに、サプライヤーの数が大幅に減尐している。ド イツのサプライヤーが国際競争力を維持するには、その優位性とイノベーション力を強化し、 外国市場に適合する独自製品を開発することが求められる。 ドイツの航空機産業の業界売上高は2009年に2000年の2倍となり、当該売上高がドイツの製 造業全体に占める割合は6%から13%に拡大した。経済危機により国内製造業の売上高が 30%落ち込んだ2009年には、業界売上高が製造業全体に占める割合は約20%に達した。 (航空機市場は国際的な市場であり、売上の8割が国外に依存しているため、国内の景気と は必ずしもリンクしない。).6 システムメーカー 民間機においてはシステムメーカー大手のエアバスとユーロコプターが決定的な影響力を及 ぼしている。 エアバスはドイツ航空機産業のバックボーンである。エアバスは国際化のプロセスの中で、 システムの統合と最終組み立てに特化していくことになった。エアバスはボーイングに並ぶ 市場シェアを獲得し、世界最大の旅客機 A380 を提供している。同社の従業員は世界で 5 万 2,000 人、そのうちの 1 万 4,500 人をハンブルクが占めている。2009 年の売上高は 286 億 ユーロでボーイングに次ぐ業界 2 位だった。 2010 年には前年より 12 機多い 510 機の航空機を納品し、民間機部門で世界一となった。納 品数は 9 年連続で増加している。2010 年の新規受注は計 644 件だった。2010 年末の受注残 は計 3,552 機(4,800 億米ドル)となった。同社は今後 20 年間で約 2 万 5,000 機の新型航空 機の世界需要が見込まれるとしている。 エアバス A380 の主要サプライヤー:

Albert Mühlenberg Apparatebau GmbH & Co. Assytem Aerospace GmbH

Alcoa Extrusions Hannover GmbH & Co. KG Comtas Composite GmbH

Dreager Aerospace, EDAG-SIGMA

ESW - Extel Systems Wedel Gesellschaft für Ausrüstung mbH FFG Fahrzeugwerkstätten Falkenried GmbH

Item Industrietechnik und Maschinenbau GmbH Labinal GmbH

Matzen & Timm GmbH Monogram Systems

Saertex Stade GmbH & Co. KG Stute Verkehrs-GmbH

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ユーロコプターはヘリコプター大手として、民生機の国際市場で約 50%のシェアを握る。 また、世界で使用されているヘリコプターの約 3 割を同社製が占めている。

ユーロコプターの主要サプライヤー: Aleris Aluminium Koblenz GmbH Becker Flugfunkwerk GmbH Behr Industry GmbH & Co. KG Dannetec Fine-tec GmbH Diehl Aerospace GmbH

Goodrich Rosemount Aerospace GmbH Heggeman GmbH Hexel Composites GmbH 駆動技術 排ガスと燃料消費の削減が求められる中、効率的なエンジンの開発は業界全体においても中 心課題となっている。また、経済的な視点からも、航空機の製造コストの 25%を占めるエ ンジンは、極めて重要だ。ロールスロイスの子会社ロールスロイス・ドイツは、航空エンジ ンの開発と製造で世界のトップ 3 に数えられ、エアバスとボーイングの全てのプログラムで 納品している。ドイツのエンジン工業は、世界的な比較において高い競争力とイノベーショ ン力を誇っており、独航空宇宙産業連盟(BDLI)に参加している航空エンジン関連企業の売 上高は、ここ数年計 30 億ユーロを維持している。主要企業は MTU Aero Engines AG と Rolls-Royce Deutschland Ltd. &Co.KG の 2 社で、ドイツの航空エンジン関連企業の総売上 の約 80%を占める。Rolls-Royce Deutschland が総合システムインテグレーターとモジュー ルメーカーを兼任するのに対し、MTU はモジュールメーカーに専念。両社の協力関係も強 化されている。売上高からみると、MTU がドイツで最大の航空エンジンメーカーとなる。 同社の 2008 年売上高が前年比 5.8%増の 27 億ユーロだったのに対し、Rolls-Royce Deutschland の同年売上高は約 10 億 8,000 万ユーロだった。 特殊コンポーネント・部品メーカーにおいても、ドイツは優位にある。中堅メーカーとして FAG Aerospace や Leistritz、Aerotech Peissenberg などが高い技術力と品質を誇っている。 駆動技術分野の主要サプライヤー:

Aircraft Philip GmbH & Co. KG Bodycote Wärmebehandlung GmbH Diehl Aerospace GmbH

Goodrich Control Systems GmbH Goodrich Rosemount Aerospace GmbH Hexel Composites GmbH

Hoffmann Alloys GmbH & Co. KG Hydro Systems KG 装備品・原材料 ドイツにおける装備品生産は、依然として中小企業に支えられており、市場は極めて断片化 している。ドイツの航空機産業に属する企業の 6 割以上が装備品および素材の分野に属して いる。一方、売上高が業界全体に占める割合は、3 割以下にとどまっている。ここ数年は、 他の分野と同等の成長率は達成できず、業界売上高に占める割合も低下している。 Premium Aerotec GmbH の設立により、エアバスなどに納品するストラクチャーメーカーが 強化された。また、Diehl/Thales がエアバスの Laupheim 工場を買収し Diehl Aircabin GmbH を設立したことにより、キャビンの装備品において統合が進み、新たな体制となった。

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12 5. ドイツの航空宇宙技術(研究機関および研究プログラムの一例) ドイツの航空機産業は、規模こそ比較的小さいが、戦略的には極めて重要な意味を持ってい る。業界の研究開発への投資額は売上高の平均 17%に達しており、自動車産業などの他の 業界と比較して高い水準にある。 ドイツ航空宇宙局(DLR)www.dlr.de DLR の研究開発予算および運営費は、約 6 億 7,000 万ユーロ。 LuFo IV (6 億 100 万ユーロ、2007-2013 年) 1995 年から実施されている連邦政府の民間航空機研究プログラム。現行のプログラムであ る IV では次世代航空機に搭載する技術について研究している。ヘリコプター・アシスタン トシステムや効率的なエンジン、コストと製造時間を短縮できるコンポジット生産技術、革 新的なボードシステムなどに注力。経済的にも環境保全の面でも可能性を秘めているオール 電化の航空機の開発にも取り組んでいる。 応用航空技術センター(ZAL) 実用寄りの航空機研究のための実験用インフラの構築、中小企業へのコンサルタント、ハン ブルク航空産業クラスターに加盟する企業間の協力体制の促進、知識・情報の共有などを目 的とした施設。ハンブルク市が ZAL 設立に 1,000 万ユーロ、航空産業向けの燃料電池の研究 開発費として 370 万ユーロ拠出している。 Ariane Ariane の宇宙船開発プログラムには、欧州の専門知識を持つエンジニア、研究者約 1 万人が 従事している。ドイツの宇宙船産業界はフランスに次いで重要なパートナーで、生産の 20%以上を占めている。 Ariane の全作業量の 60%を専門技術を有する中堅企業が担っている。これら企業にはドイ ツ国内の約 150 社が含まれる。これらの 3 分の 1 が非宇宙産業、残りの 3 分の 2 が宇宙産業 に属する。 Vega

「Venus(Vega New Upper Stage)」プロジェクトの下、未来の人工衛星打ち上げシステ ムを開発している。ドイツのシステムメーカーは、ドイツ航空宇宙局(DLR)のコンセプト に基づいて、欧州の人工衛星打ち上げロケット「Vega」の上段部分を開発している。

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13 6. 認証に関する規定 概観 出所: O.K.7 EU 指令 Nr. 1702/2003 航空機とそれに属する製品、装備品の部品の生産設備を運営するために必要となる認可。当 該認可は国単位のもので、ドイツでは連邦航空局(LBA)が管轄している。開発業務やメン テナンス業務についても当該認可が必要となる。型式承認や環境保護規定などについても規 定している。 Part 21:当該指令で特に重要な部分で、航空機に関する認可基準や関連する構造部品・装 備品、開発および生産設備について規定している。 EU 指令 Nr. 2042/2003 航空機に関する欧州連合の共通の規定とケルン欧州航空安全庁(独ケルン)の設置を通じ、 域内のハーモナイゼーション促進と中央集権的な認可システムの法的根拠を明確にしている。 航空機とその部品、装備品について、航空適性(型式承認を含む)と環境保護基準について 根本的な規定を定めている。 EU 指令 Nr. 216/2008 航空機と航空技術を用いた部品、装備品に関する航空適性の維持およびそれらの業務に従事 する組織、人員について認可を授与する。 Luft VZO ドイツでは、Luft VZO が航空機に対する認可を与えている。航空機器、航空エンジン、プロ ペラなどの動力源や装備品、備品に関する型式承認、認可を与える。 AQAP 軍用機分野の標準。ISO 9000 基準に類似したプロセス指向型の規格。

7 Kronsteiner, Orion:『従業員のモチベーション VS 品質管理』2010 年 航空会社, 卸売業者, 顧客 開発設備 Part 21J 生産設備 Part 21G メンテナンス設備 Part 145 AQAP 2000

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14 連邦航空局(LBA) www.lba.de 航空機の登録の際には型式認証または単品認証が必要となるが、LBA は生産設備が規定基準 を満たしているかを検査する。航空関連部品やコンポーネントのメーカーは LBA の認可が 必要となる。また、メンテナンスや開発用の設備に関しても同様の認可を必要とする。 ドイツにおける認可設備数の推移 2007-2010 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 認可生産設備数 150 149 151 151 認可メンテナンス設備 数 430 501 593 593 認可開発設備数 15 23 24 24 出所: LBA 2011 独航空宇宙工業連盟(BDLI)の専門委員会 法律に関するワーキンググループ BDLI の法律に関するワーキンググループは、航空宇宙産業に影響を与える国または欧州の 法的な問題について取り扱う。 7. 規格に関する規定 概観 出所: O.K.8 AS9120A AS9120A は航空・宇宙業界向けに納品するサプライヤーに対する品質マネジメント規格。 ISO 9001 の上に構築された規格で、トレーサビリティや製品の安全性・信頼性について厳 しい審査基準を設けている。

8 Kronsteiner, Orion:『従業員のモチベーション VS 品質管理』2010 年 航空会社, 卸売業者, 顧客 ISO 9000 ISO 9001 ISO 9004 ISO 14001 EN 9100

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15 8. 産業クラスター 8.1 航空クラスター・ハンブルク都市地域 www.luftfahrtstandort-hamburg.de エアバス、ルフトハンザ・テヒニーク、ハンブルク空港の 3 つの大企業のほか、300 以上の 中小企業、数多くの技術・学術系研究施設、優れたノウハウや経済競争力の強さなどがそろ っており、3 万 9,000 人以上が航空産業に従事している。航空機キャビン分野におけるイノ ベーションに対し、「クリスタル・キャビン賞」を授与している。 航空クラスター・ハンブルク都市地域の横断的構造(2010 年) Airbus Deutschland GmbH Lufthansa Technik AG Hamburg Airport その他の中小企業 300 社 業種 航空機組立 メンテナン ス、 分解修 理、内装 空港運営 製品・システムの提供 従業員数 1 万 4,500 人 7,500 人 5,700 人 8,800 人 活動 航空機の開発と 最終組立て デザイン、 メンテナンス、 機器・航空エ ンジンの保守 空港運営 コーティング、 素材加 工、機器の製造、 計測 技術、サービス業: キャ ビンシステム、エンジ ニアリング、ソフトウ ェア、ドキュメンテー ション 強み 航空機ボディ、 ボディシステ ム、キャビン、 キャビンシステ ム 内装、分解修 理、機内エン ターテイメン ト、 ロジステ ィクス、職業 教育 3 つのターミナ ル、ショッピ ングエリア、 近郊交通網 学術研究機関や大手企 業とコーティング技 術・テキスタイル、キ ャビンシステム等を開 発 出所: Luftfahrtstandort Hamburg, 2011

8.2 航空宇宙クラスター・バイエルン(bavAIRia e.V.) www.bavairia.net

bavAIRia e.V.はバイエルンにある「航空宇宙」と「衛星ナビゲーション」の 2 つのクラスタ ーのマネジメントを請け負っている。クラスターの構成が強固なことから、航空宇宙クラス ターの代表例とされる。2010 年の従業員数は、航空宇宙クラスターの産業、研究部門(空 港の従業員、技術要員を除く)が 3 万 6,000 人、衛星ナビゲーションクラスターが 1,500 人 だった。両者の売上高は年間計 70 億ユーロに上っている。 8.3 ベルリン・ブランデンブルク・エアロスペース連盟 www.bbaa.de 中小企業からグローバル企業まで航空宇宙関連企業 100 社以上に加え、研究施設や大学も参 加。ベルリン・シェーネフェルト国際空港をベルリン・ブランデンブルク国際空港として拡 張する計画が同地域の航空産業の発展を後押ししている。 8.4 バーデン・ヴュルテンベルク航空宇宙フォーラム www.lrbw.de

南西ドイツの航空宇宙産業を代表するクラスター。Future Aerospace Network(FAN)や German Aerospace Academy(ASA)プロジェクトなどに取り組んでいる。

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16 8.5 NRW アエロスペース 8.5.1 ABC クラスター・航空宇宙 NRW www.abc-cluster.de ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州のアーヘン、ボン、ケルンにある中小の航 空宇宙関連企業約 200 社(ハンブルクやミュンヘン、トゥールーズにある業界大手のサプラ イヤーなど)の協力関係を促進している。 8.5.2 ノルトライン・ウェストファーレン・統合衛星ナビゲーション・ユーザー協会 V. – (AIR) e.V. (旧 NAVISAT e.V.) www.navisat.de

8.6 ASIS アエロスペースイニシアティブ・ザクセン www.aerospace-saxony.de 145 の企業と研究機関で構成され、従業員は計 5,000 人に上る。装備品やその改造、コンポ ーネントの製造などを主要産業とし、クラスター全体の売上高は約 7 億ユーロとなる。 8.7 ヨーロピアン・エアロスペース・クラスター・パートナーシップ(EACP) www.eacp-aero.eu – ハンブルク 欧州の航空宇宙産業クラスターのネットワーク。

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17 9. 展示会・見本市 9.1 ILA ベルリン・エア・ショー (2012 年 9 月 11-16 日) www.ila-berlin.de ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)とメッセ・ベルリンが主催し、ベルリン・ブランデンブル ク新国際空港の西側会場で行われる。民間輸送、宇宙輸送、防衛と安全、装備、駆動技術、 素材などがテーマとなる。インターナショナル・サプライヤー・センター(ISC)や ILA ヘ リセンター、ILA キャリアセンターが併催されるほか、数多くのコンファレンスも予定され ている。 2010 年は 47 ヵ国 1,153 の団体が出展。訪問者数は約 23 万 5,000 人で、うち 12 万 5,000 人 が専門家だった。見本市開催中に成立した商談の総契約額は 165 億ドル(約 140 億ユーロ)。 9.2 AIRTEC フランクフルト (2011 年 11 月 2-4 日) www.airtec.aero 設計、エンジニアリング、検査、シミュレーションからライフサイクルサポートまで航空宇 宙産業のサプライチェーン全体をカバーする見本市。新技術やイノベーション、トレンドに ついて、多彩な視点を提供する。 9.3 アビオニクス・ヨーロッパ Avionics Europe ミュンヘン (2012 年 3 月 21-22 日) www.avionics-event.com アビオニクス業界の国際的なネットワークプラットフォームとして知られる。新情報やトレ ンド、新製品・新技術の開発動向を紹介している。 9.4 エアクラフト・インテリアズ・エキスポ ハンブルク(2012 年 3 月 27-29 日) www.aircraftinteriorsexpo.com 3 日間の日程で行われる航空機キャビンに関する専門家見本市。2011 年のクリスタル・キャ ビン賞は革新的なインテリアのコンセプトに対し授与された。 2011 年は 500 以上の団体が出展し、さまざまな製品やイノベーションを紹介。訪問者数は 約 7,800 人でそのうちの 49%が上級管理職だった。 9.5 AERO フリードリヒスハーヘン (2012 年 4 月 18-21 日) www.aero-expo.com 航空機全般に関する国際専門見本市。2011 年は 29 カ国から 630 団体が出展。米国の出展企 業が最も多く、43 社に上った。 9.6 インター・エアポート・ヨーロッパ ミュンヘン (2011 年 10 月 11-14 日) www.interairport.com 2009 年には 29 ヵ国の計 542 団体が出展。123 ヵ国 1 万 2,035 人の専門家が同会場を訪問し た。 9.7 アビエーション・エキスポ・ヨーロッパ(2012 年 6 月 22-24 日) www.expo.aero/europe 140 社以上の出展者が超軽量航空機からビジネスジェットまで幅広いテーマの新製品やサー ビスを展示。メンテナンス、修理、清掃、スペア部品からアビオニクス、燃料までを網羅し ている。

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18 9.8 エア・マグデブルク(2012 年 6 月 29 日 –7 月 1 日) www.air-magdeburg.de 航空スポーツ、プライベート機・商用機に関する国際見本市。約 7,000 平米の会場で、航空 スポーツの新モデルや最新トレンドを紹介する。モーターパラグライダーから超軽量航空機、 シングルまたはツインエンジンのビジネスジェットなどが出品される。 9.9 エアロスペース・テスティング・ヨーロッパ ハンブルク (2013 年 4 月 9-11 日) www.aerospacetesting.com 航空宇宙産業の専門見本市。航空宇宙業界における施工、テスト、パイロット生産、品質管 理、コンプライアンスなどをテーマとした展示を実施している。 9.10 エア・カーゴ・ヨーロッパ ミュンヘン (2013 年 6 月 4-7 日) www.aircargoeurope.com 航空貨物業界の見本市およびコンファレンス。約 160 団体が貨物輸送、物流、テレマティク ス、電子商取引などの幅広いテーマで製品やサービスを紹介している。 10. 業界団体・組織 10.1 ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)www.bdli.de 航空宇宙業界に属する約 190 社が加盟する業界団体。同団体の主要な活動分野は航空、装備 品・素材、防衛・安全、宇宙輸送などからなる。 10.2 ドイツ連邦航空局(LBA) www.lba.de 10.3 ドイツ航空宇宙研究センター(DLR) www.dlr.de ドイツにおける航空宇宙産業の研究センター。航空宇宙、エネルギー・交通に関する研究開 発で国内および国際的な協力関係を促進している。連邦政府の委託を受け、ドイツの宇宙開 発のプランニングや実施を担当。 10.4 無人機に関するドイツ語圏ワーキンググループ www.uavdach.org 民間空域への無人航空機システムの導入に関するフォーラム。そのために必要となる研究や 技術認定についてメーカーとユーザーが討論する場を提供している。 10.5 ドイツ航空宇宙協会(DGLR)www.dglr.de 航空宇宙の研究、学術、技術に関する非営利団体として、技術および知的なイノベーション を通じ、ドイツの航空宇宙産業立地を推進することを目指す。 10.6 ドイツ・アビエーション研究協会 www.garsonline.de

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19 11. 総括 ドイツは多くの産業分野において先進的な技術を誇っているが、航空宇宙産業でも、研究、 開発、生産、運用、保守などの面で極めて多様な技術を保有しており、このことが産業立地 や輸出等の面で多大な恩恵を与えている。 このところの世界経済の回復は航空機産業に力強い刺激を与えている。2011 年 6 月にル・ ブルジェ空港で開催されたパリ航空ショーでは、航空大手 5 社(エアバス、ボーイング、ボ ンバルディア、エンブラエル、ATR)が当初の見通しであった 1,200 件を大きく上回る商談 をまとめた。特にエアバスは好調で、予約および受注件数が 700 件を上回り、契約総額は 700 億ドルに達した。燃料効率の良いエアバス A320neo は会期中に 681 機を受注した。見 本市閉幕後も中国やシンガポールから A320 や A330 に 100 機以上の予約が殺到した。 A320neo や A350 の市場投入は、メーカーはもとより、サプライヤーチェーン全体の雇用を 促進し、生産キャパシティの拡大が部品やコンポーネントのサプライヤーを含む業界全体を 活性化している。 特にインドや中国などのアジアにおける旅客機、貨物機の需要拡大はドイツの多くのサプラ イヤーにとって朗報となっている。競争力のある製品を供給できる日本のサプライヤーにも 参入のチャンスがあるが、国際競争を勝ち抜くにはイノベーション力を強化し、市場の要求 に応える製品を開発し、供給することが求められる。 . 12. 出所一覧 本文中で出所を明示していない統計データ、数値については以下のデータを参考にしている。 - ドイツ連邦統計局 - ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)

- 国連統計局の Commodity Trade Statistics Database 同様に出所を明記していない情報は以下を参考にしている。:

- ドイツ航空宇宙産業連盟(BDLI)

- ハンブルク世界経済研究所『航空産業の未来展望』2010 年

- 関連企業、業界団体、見本市、研究所、組織の Web サイト

- Kronsteiner, Orion:『従業員のモチベーション VS 品質管理』2010 年 - 独日刊紙 Web サイト Handelsblatt online

- EU 指令(www.luftrecht-online.de)

- その他インターネット資料

参照

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