九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Association of Decreased Percentage of
Vδ2+Vγ9+ γδ T Cells With Disease Severity in Multiple Sclerosis
古再麗阿依, 買買提江
http://hdl.handle.net/2324/2236086
出版情報：九州大学, 2018, 博士（医学）, 課程博士 バージョン：
権利関係：
（別紙様式２）
氏 名 グ ザ リ ア イ マ マ テ ィ ジ ャ ン
論 文 名 Association of Decreased Percentage of Vδ2+Vγ9+ γ δ T Cells With Disease Severity in Multiple Sclerosis
論文調査委員 主 査 九州大学 教授 馬場 義裕 副 査 九州大学 教授 大賀 正一 副 査 九州大学 教授 飛松 省三
論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨
多 発 性 硬 化 症（multiple sclerosis, MS）患 者 に お い て T 細 胞 受 容 体（TCR） のγ鎖 、α鎖 、δ鎖 領 域 に deletion-typeの コ ピ ー 数 多 型（copy number variation, CNV）が あ り 、疾 患 感 受 性 を 有 す る 。し か し 異常なTCRのγδ遺伝子再構成がどの ようにMS の病態に影響するかは解明されていない。そこで、本研究では、MS 患者にお ける γδ 型 T 細胞のレパトワの変化をフローサイトメトリー法で解析し、臨床的・免疫学 的指標との関連を検討した。無治療寛解期 MS 患者 30 人、年齢・性別を合わせた健常者 23 人より末梢血単核細胞を単離し、細胞表面染色および細胞内サイトカイン染色を行い、
リ ン パ 球 分 画 の 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、MS 患 者 で は 健 常 者 と 比 較 し 、γδ 型 T 細 胞 中 の Vδ2+およびVδ2+Vγ9+細 胞 の 割 合 が 有 意 に 減 少 し 、Vδ1/Vδ2比が上昇して いた。また、γδ 型 T 細 胞 中 の インターフェロン（IFN）-γ+Vδ2+およびインターロイキ ン（IL）-17A+IFN-γ+Vδ2+細 胞 の 割 合 、 そ し て Vδ2+γδ型 T 細 胞 中 の IFN-γ+細胞の 割合も MS 患 者 で 有 意 に 減 少 し て い た 。 さ ら に 、γδ 型 T 細 胞 中 の Vδ2+および Vδ2+Vγ9+細 胞 の 割 合 は Expanded Disability Status Scale score や Multiple Sclerosis Severity Score と 負 の 相 関 を 示 し た 。 一 方 、 年 齢 、 発 症 年 齢 、 罹 病 期 間 、 年 間 再 発 率 と の 相 関 は 見 ら れ な か っ た 。 健 常 者 で は 、CD3+T 細 胞 中 の Vδ2+および Vδ2+Vγ9+細 胞 の 割 合 が CD4+T 細 胞 中 の CD25+CD127lo w/ -制 御 性 T 細 胞 割 合 と 強 い 正 の 相 関 を 示 し た が 、MS 患 者 で は そ の 相 関 が 見 ら れ な か っ た 。 以 上 よ り Vδ2+Vγ9+のγδ型 T 細 胞 の 減 少 は MS の 疾 患 障 害 度 と 関 連 し 、Vδ1/Vδ2 比は重症度の指標になりうると考えられる。
以上の成績はこの方面の研究に知見を加えた意義あるものと考えられる。本論文につい ての試験は、まず論文の研究目的、方法、実験成績などについて説明を求め、各調査委員 より専門的な観点から論文内容およびこれに関連した事項について種々質問を行なったが いずれについても適切な回答を得た。
よって、調査委員合議の結果、最終試験は合格であると判定した。
