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山本, 俊浩

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(1)

Kyushu University Institutional Repository

切欠きをもつFRP板の静荷重および繰返し荷重による 破損に関する研究

山本, 俊浩

(2)

第4章 FRP切欠平板の静荷重のもとでの破壊

4-1 緒言

FRPは現在構造材料として多くの分野で使用されている. 構造材として使用する際に は, 設計上から穴や切欠きをつけなければならないことがしばしばある. したがって切欠 きをもっFRP板の静荷重のもとでの強度と破壊に関する研究は重要であると考えられる.

この種の研究(l) - (9) は数多くなされているが, 緒論でも述べたように, FRP切欠平板 の破壊基準は未だ確立されていない.

第2章で異方性が顕著なFRP切欠平板の静荷重のもとでの破壊に対して線形切欠力学 の概念に基づく破壊基準を提案し, この破壊基準の理論的根拠を有限要素法による解析に

よって明らかにし, その破壊基準の有効性が予測された.

この章では, 応力集中部, 両側に切欠きあるいは中央に円孔, をもっ異方性が顕著なF RP板の静荷重試験を切欠きの幾何学的形状および円孔径を系統的に種々変えて行い, 異 方性が顕著なFRP切欠平板の破壊に対して, 先に提案した破壊基準が適用可能であるこ

とを実験的に検証する.

4-2 ガラス布基材エポキシ樹脂積層板

4-2-1 両側に切欠きをもっ板の引張試験

図4 - 1に切欠平板の引張荷重一伸び線図を示す. これは切欠深さを3 mm一定とし て切欠半径ρを種々変えたものである. 切り出し角度θ=0。 および450 の場合を併 せて示す. 試験片はすべて荷重増加の過程で破断し, 破断時の荷重(図中の×印〉はρ の増加とともに増加している. この試験で得られた切欠平板の破壊の形態を図4-2(a),

(b)に示す. ( a )は(1 = 0。 の場合で(b)は(1 = 450 の場合である. どの試験片

もρの大きさと無関係にぜい性的に破断している. なお, この図で破面付近の板幅全体に わたる白色領域は, 最大荷重点における破面の生成によって生じたものである.

- 70 -

(3)

EL-GE恥f

Tension 0.2

/と、1

,Z Ad 6

。= 00

込4 4

3

2

。 2 3 4

Elongation λ rnm 図4-1 切欠試験片の引張荷重一伸び線図

(4)

ρ = O. 2 mm

p = 0.5 mm

p = 1 mm

(a) e = 0。

図4-2 切欠試験片の引張りによる破壊の形態

72

(5)

p = 0.5 mm

(6)

20

z g EL-GEM

Bending p=2

。= 00

qg

o A g 10

π国

。ロロ

5

。 0.2 0.4 0.6 0.8

Deflection む mm

図4-3 切欠試験片の面内曲げモーメントーたわみ線図

74

(7)

p = Q. 5 mm

(8)

20 EL-GEM Hole

,Z と4 2p/W=O.1

込4 10

J司O

5

。 2 3 4

Elongation λ 町田1

図4-5 円孔をもっ試験片の引張荷重一伸び線図(2ρ/W = 0.1の場合〉

76

(9)

W = 20 mm, 2p = 2 mm

(10)

400 w= 10mm

200

「 EL-GEM

100

Hole

Tension

。 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25

2p/W

図4-7 破断時の公称応力引と円孔径/板幅(= 2p / W )との関係

78

(11)

図4-3に切欠平板の曲げモーメントーたわみ線図を示す. 切欠深さを4 mrn一定と して切欠半径pを種々変えたものである. 試験片はすべて荷重増加の過程で破断してい る. 破断時の荷重を×印で示す. この試験で得られた切欠平板の破壊の形態を図4-4に 示す. 切欠半径ρは0.2. 0.5および1 mrnの場合を示しているが, どの試験片もρ の大きさとは無関係にぜい性的に破断している. この図で下側が引張側である.

4-2-3 中央に円孔をもっ板の引張試験

図4-5は円孔径2p /板幅w = 0.1一定の場合で, 板幅および円孔径が異なる3 本の試験片の引張荷重一伸び線図である. 各試験片とも荷重増加の過程で破断し, 板幅の 広いもの, すなわち円孔径が大きいほど荷重は増加している.

図4-6に破壊の形態を示す. 円孔径2ρ/板幅w = 0.1一定の場合である. どの 試験片もぜい性的に破断しており, 破壊の起点はすべて円孔縁である. ただし, 円孔径が 0.4 mrn以下の場合は, 破壊の起点は必ずしも円孔縁とは限らない. なお, この図で破

面付近の板幅全体にわたる白色領域は, 最大荷重点における破面の生成によって生じたも のである.

図4-7は, 破断時の公称応力σn と円孔径2ρ/板幅Wとの関係を板幅Wごとに 表したものである. どの板幅の場合も, 円孔径2pの増加とともにGn は減少している.

また, この図より2ρ/板幅W が一定のとき, 板幅W(したがって円孔径2ρ〉の 増加とともにGn は減少していることがわかる. このように破断時の公称応力Gn は円孔 2ρと板幅Wの影響を受ける.

(12)

Z ,以

4

GF/PC

p = 1 Tension

/受く

ハ今 、ノ

3ト

0.5

。= 00 巳4 2

。= 900

同)吋OJ

。 0.5 1.5

Elongation λ mm

図4-8 切欠試験片の引張荷重一伸び線図

80 -

(13)

p = 0.5 mm

(14)

ρ こ0.25 mm

p = 0.5 mm

p = 1 mm

( b ) () = 900

図4-9 切欠試験片の引張りによる破壊の形態、

82

(15)

Z E GF / PC Bending

p=2

。= 00

6

qE

O

B

4

:.a 。ロH 。。 2

0.2 0.4 0.6 0.8

Deflection 6 mm

図4 -10 切欠試験片の面内曲げモーメントーたわみ線図

(16)

p = Q. 2 mm

p = Q. 5 mm

ρ =1 mm

図4 -11 切欠試験片の曲げによる破壊の形態

84

(17)

z

pと4

8

広4 6 Jco コq 4

2

GF / PC Hole

2p / W = 0.05

0.5 1 1.5 2

Elongation λ mm

2.5

図4 -12 円孔をもっ試験片の引張荷重一伸び線図C2p /W = 0.05の場合)

(18)

w = 10 mm, 2ρ = 0.5 mm

w = 20 mm, 2ρ = 1 mm

w = 40 mm, 2p = 2 mm

図4 - 13 円孔をもっ試験片の破壊の形態(2ρ/W = O. 05の場合)

86

(19)

100

80

60

40 20

GF/PC Hole Tension

0.05 0.1 0.15 2p /W

0.2 0.25

図4 -14 破断時の公称応力Onと円孔径/板幅(= 2p / W )との関係

(20)

pの増加とともに増加している. この試験で得られた切欠平板の破壊の形態を図4-9 ( a )および(b)に示す. ( a )はe = 0。 の場合で, (b )はθ = 900 の場合で ある. どの試験片もρの大きさと無関係にぜい性的に破断している.

4-3-2 両側に切欠きをもっ板の面内曲げ試験

図4-10に切欠平板の曲げモーメントーたわみ線図を示す. 切欠深さを4 mm一定と

して切欠半径ρを種々変えたものである. 引張りの場合と同様に, 試験片はすべて荷重 増加の過程で破断し, 破断時の荷重(図中の×印〉はρの増加とともに増加している.

この試験で得られた切欠平板の破壊の形態を図4 -11 に示す. どの試験片もpの大きさ と無関係にぜい性的に破断している. この図で下側が引張側である.

4-3-3 中央に円孔をもっ板の引張試験

図4-12は円孔径2ρ/板幅w = O. 05一定の場合で, 板幅が異なる3本の試験片 の引張荷重一伸び線図である. 各試験片とも荷重増加の過程で破断し, 板幅の広いもの,

すなわち円孔径が大きいほど荷重は増加している.

図4 -13に破壊の形態を示す. どの試験片もぜい性的に破断しており, 破壊の起点はす べて円孔縁である.

図4 -14は, 破断時の公称応力(Jn と円孔径2p /板幅Wとの関係を板幅Wごとに 表したものである. どの板幅の場合も, 円孔径2ρの増加とともにσn は減少している.

また, この図より2ρ/板幅Wが一定のとき, 板幅W(したがって円孔径2ρ)の 増加とともに (Jn は減少していることがわかる. EL-GEMの場合と同様に, 破断時の 公称応力(Jn は円孔径2pと板幅Wの影響を受ける.

4-4 破壊基準の適用

4-4-1 ガラス布基材エポキシ樹脂積層板

図4-15に, 両側に切欠きをもっ板の引張試験で得られた破断時における切欠底の最大 弾性応力(Jma.r ,cと切欠深さとの関係を示す. 図には板隔を一定にして切欠深さを変えた

- 88 -

(21)

広24 1500 1000

k

E

q

500

--{s]一一

ノ0.2

マ マ マ /

マ マ 0.5

ーム 合一一一ム一一一会 _L ムー/1.0 一日一一-é)

8 g

一一-

0ム

口一一一-bl一一一一口一一一一口で

"2.0 EL-GE恥1 8 = 00

0.1 0.2 0.3 0.4

2a/W

0.5 0.6

図4 -15 破断時の切欠底の最大弾性応力Gmax.cと切欠深さaとの関係

(22)

2000

EL-GE恥f

。= 00

� 。

2

広吋4 1500

I

1000

回口

Hole

tJ K Wmm

eE

10

。 500

。 Tension 20

Bending 40

。 2 4 6 8 10 12 14

1 / P mm-1

図4 -16 破断時の切欠底の最大弾性応力Omax,cと切欠半径〈または円孔の半径) pとの関係(() = 00 の場合)

1500

EL-GEM

1000

D O 6 E K 500

〆の/'-'

Tension

Bending

。 2 3 4 5

1 / p mm -1

図4 -17 破断時の切欠底の最大弾性応力Omax,cと切欠半径pとの関係 (() = 450 の場合)

90 -

6

(23)

も, 破断時における切欠底の最大弾性応力は切欠深さとは無関係に切欠半径ごとに一対ー に対応している. この実験結果は, 2章の切欠底付近の応力解析の結果より予測されたと おりである.

図4 -16に, 両側に切欠きをもっ板, 中央に円孔をもっ板の引張試験および両側に切欠 きをもっ板の面内曲げ試験で得られた破断時における切欠底の最大弾性応力σma.r,C と切 欠半径ρとの関係を示す. これはe = 0。 の場合である. 切欠平板の引張試験の場合は 一定のpごとに切欠深さαを1mm---5mmまで変えたもの, 円孔の場合は板幅が 10, 20および40 mmの場合を併せて示す. 図に示すように, Gma.r ,c 一ρ曲線は, 切 欠深さ, 板幅および引張りあるいは面内曲げの荷重の種類とは無関係にすべてのデータは 一本の曲線で表される. このことは2章の切欠底付近の応力解析の結果より予測されたと おりであり, 線形切欠力学の概念に基づく破壊基準が異方性が顕著なFRP切欠平板の破 壊に対してよく成り立つことを示している.

図4 -17に, θ =450 方向に切り出した試験片の破断時における切欠底の最大弾性応

力Gma.r,c と切欠半径ρとの関係を示す. ここには引張試験の結果と面内曲げ試験の結 果を併せて示している. この場合も, Gma.r ,cとρとの聞には一対ーの関係があり, 荷重 の種類とは無関係である. 図中の実線は図4 -16で求めたθ =0。 のσma.r,c一ρ曲線 である•e = 450 のσma.r,c - p曲線がθ =0。 のそれと異なることも2章で-求めた切 欠底付近の応力分布の違いによって予測されたとおりである.

4-4-2 短繊維ガラス強化ポリカーボネート板

(24)

色2

4

tK

cE

q J

E冨

υ 民同E

700 600 500 400 300 200 100

300

GF/PC

8 =

00 -[S}--一国\E

p三0.08

mm

ロ /0.25

一一一勾 v /

マ マ

/ 0.5

6Hて一 公一一 会 ム 〈 1 0

ム三

Q一。一一一-0一一一-OL一一-0一一

) 口一口一口一一一一口一一一一ロマー

0.1 0.2 0.3 0.4

2a

IW

( a) () = 00

GF/PC

。=

900

" 2.0

0.5 0.6

9/P

=

0.25

mm

マ マ マ

全斗-.,{_斗 A ð一/ 一

0.5

C

Q

θ 8

マ1。

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

2a

IW

(b) e = 900

図4 -18 破断時の切欠底の最大弾性応力Omax,cと切欠深さaとの関係

92 -

(25)

600

GF/PC 8 = 00

ハUハUFD

吋仏町/円

400

Hole Wmm 10

。 Tension 20

Bending 40

2 4 6 8 10 12 14

1 I P mm-1

ハU ハu nu nu qv

0.un伺ロ回

100

図4 -19 破断時の切欠底の最大弾性応力Oma,x .Cと切欠半径(または円孔の半径) pとの関係C(}

=

0。 の場合〉

400

GF I PC Tension 300

200

K cE

t q J

。 100

(26)

は一定のpごとに切欠深さαを1 mm'__' 5 mmまで変えたもの, 円孔の場合は板幅が 10, 20 および40 mmの場合を併せて示している. 図に示すように, (Jmax ,c 一ρ曲線

は, 切欠深さ, 板幅および引張りあるいは面内曲げの荷重の種類とは無関係にすべてのデ ータは一本の曲線で表される. このことは線形切欠力学の概念に基づく破壊基準が異方性 が顕著なFRP切欠平板の破壊に対してよく成り立つことを示している.

図4 -20に, 両側に切欠きをもっ板の 引張試験で得られた破断時における切欠底の最大 弾性応力(Jmax,cと切欠半径pとの関係を示す. これはe = 90。 の場合である. ここに は一定のρごとに切欠深さαを1 mm'__' 5 mmまで変えたものを示している. 図に示 すように, (Jmax ,c 一ρ曲線は切欠深さとは無関係に一本の曲線で表される. 図には実線 でe = 0。 の(Jmax,c-ρ曲線を示す. e = 90。 の(Jmax,c 一ρ曲線が, θ = 0。 の それと異なることは2章で-行った切欠底付近の応力解析の結果より予測されたとおりであ る.

4-5 F R Pにおける切欠きとき裂の取扱い

図4-21に, 引張りにおける破断時の最小断面の公称応力(Jn と切欠半径pとの関係 を示す. これらは切欠深さαが一定の場合である (a )はEL-GEMの場合で, 切 り出し角度。 =0。 および450 の場合を併せて示す. (b)はGF/PCの場合で, 切 り出し角度θ =0。 および90。 の場合を併せて示す. いずれの場合も, (Jn はρの減少 とともに減少しI Pが約o.2 mm以下でほぼ一定の値になっている. 切欠深さが一定の 試験片における(Jn - P曲線のこのような特性は等方性の硬質プラスチック(10)および 他のFRP切欠平板の場合(1 1) についても報告されている.

切欠半径がO. 2 mm以下の試験片について, ρを 0 とみなして, 次式にしたがって試 験材の破壊じん性KIcを求める.

KIC = FI向(1 - 2a/W)

ιJ

ここでWは板幅I aは切欠深さである. FIの値は西谷の計算値(1 2)を用いる.

図4-22に, 上記の式で求めたおcと切欠深さ 2αjWとの関係を示す. ( a )はE L-GEMの場合で切欠半径はO.08および0.2 mmである. (b)はGF/PCの場

- 9 4 ...:.

(27)

"'8

/。=0。

ro

\哨口、、、色ー---6

。=

450

。 100

EL-GE恥4 Tension

a=3mm

。 2 3 4 5

1 / p mm ーl

( a ) EL-GEM

(28)

EL-GE恥4

一? c? \信一

一ー六。=

450

Tension

0

• 20

5

刊二g 15

・吋ハ同一言

10

U-u角

0

0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

20 I、J EL-GEM ( a )

GF/PC

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c) t]

与 一

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900

Tension

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2 3

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U-凶一

0

0.1 0.4 0.5 0.6

20/W 0.3

0.2

GF/PC

、lj hu r''t、

破壊じん性KICと切欠深さaとの関係 図4 -22

96

(29)

材 料 。 KIC (MPa.

rm )

EL-GEM 16. 0

450 12. 0

GF/PC 5. 0

90。 2. 7

(30)

合で切欠半径は0.08および0.15 mmである• KIcの値は2 a / Wと無関係にほぼ一 定であり, 切欠半径とも無関係である. このことは, 切欠半径が約O.2 mm以下の範囲 ではき裂とみなすことができることを意味する. 表4-1にEL-GEMおよびGF/P

Cのおcの値を示す.

前述したように切欠半径が約O.2 mmから0.08mmの範囲では, 図4-16および 4 -19に示したように, 線形切欠力学の概念に基づく破壊基準も成り立ち, さらに, 切欠き をき裂とみなして応力拡大係数で整理することもできた.

すなわちこの実験事実は, き裂とみなして応力拡大係数で整理できる鋭い切欠きに対し ても, 線形切欠力学の概念に基づく破壊基準が適用できることを示している.

4-6結言

異方性が顕著なFRP切欠平板の破壊に対して線形切欠力学の概念に基づく破壊基準が 適用できることを実験的に検証するために, 応力集中部をもっ異方性が顕著な二種類のF

RP板の静荷重試験を行い, 次の結果を得た.

( 1 )引張りおよび面内曲げ試験ともに, 破断時における切欠底の最大弾性応力Umax,c

は切欠半径ρによって一意的に決まり, 切欠深さや板幅と無関係である. さらに 引張りおよび面内曲げ試験によって得られるUmax,c-ρ曲線は材料に固有な一本

の曲線で表すことができる.

( 2 )中央に円孔をもっ板の破断時における円孔縁の最大弾性応力Umax,cは円孔の半径 pによって一意的に決まり, 板幅とは無関係である. さらにこのσmax,c一ρ曲 線は, 材料に固有な一本の曲線で表すことができる. すなわち, 円孔をもっ板の Umax,c - p曲線は切欠平板のUmax,c-ρ曲線に一致する.

( 3 )破断時における公称応力Un は切欠半径(または円孔径)および板幅の影響を受け る. 両側に切欠きをもっ板で切欠深さが一定の場合, σn の値は切欠半径の減少と ともに減少するが, 切欠半径が約0.2 mm以下でほぼ一定の値に収束する. 中央 に円孔をもっ板の板幅一定の場合, Un の値は円孔径の増加とともに減少する. ま た円孔径と板幅の比が一定の場合, 円孔径の増加とともにUn の値は減少する.

- 98 -

(31)

して破壊じん性KIcを求めると, それは切欠深さと無関係にほぼ一定の値を示す.

破壊じん性KIcで整理できる鋭い切欠きに対しても, 線形切欠力学の概念に基づ く破壊基準がよく成り立つ.

( 5 )上述した(1), (2), および(4 )の結果は, 異方性が顕著なFRP切欠平板 の破壊に対して, 先に提案した破壊基準がよく成り立つことを示している.

参考文献

(1) Whitney, J. W. and Nuismer, R. J., Stress Fracture Criteria for Laminated

Composites Containing Stress Concentration, J. Compos. Mater., 8, (1974), 253.

(2) Nuismer, R. J. and Whitney, J. W., Uniaxial Faiture of Composite Laminates Containing Stress Concentrations, Fracture Mechanics of Composite, ASTM STP 593, (1975), 117.

(3)影山和郎・野中勝信・島村昭治・福田俊二, カーボンクロス強化複合材料の破壊じん 性とAE, 日本機械学会論文集(A編), 50-454, (1984) , 1260.

(4) Kawada, H., Mikami. T., Hori. S., Wakabaぅrashi. K. and Hayashi. 1.,

Effect of Notch Root Radius on Fracture of Glass Cloth!Epoxy Laminates, THE 29th Jap釦Congress on Materials Research, (1986), 221.

(5) Vipulanandan, C. and Dh訂marajan, N., Fracture Properties of Particle Filled Polymer Composites, J. Compos. Mater., 23, (1989), 846.

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Composites, Composites Science and Technology, 41, (1991), 77.

(9 )東郷敬一郎・天野敬治・石井 仁, ガラス短繊維強化ポリカーボネイトの混合モード 破壊靭性と破壊機構, 日本機械学会論文集(A編), 60-571, (1994), 734.

(10)百武 秀・西谷弘信, ポリカーボネートの静的破壊における切欠きとき裂の統一的取 扱い, 日本機械学会論文集(A編), 53-494, (1987), 189 3.

(11)川田宏之・細井健彦・平本治郎・林 都彦, ガラス/エポキシ積層板の破壊に及ぼす 切欠き半径の影響について(引張負荷の場合) , 材料, 36-403, (1987), 390.

(12)西谷弘信, 両縁にだ円弧切欠きまたはき裂を有する帯板の引張り, 日本機械学会論文 集(第1部), 41-349, (1975), 2518.

- 100 -

(33)

5-1 緒言

静荷重のもとでのFRP切欠平板の損傷は, 切欠底付近の高応力域では部材の表面だけ でなく, 内部にわたって微細な破壊, 例えば繊維の破断, 界面のはく離およびマトリック ス樹脂におけるき裂等が混合して生ずる. したがって, FRPにおいては, そのような複 雑な損傷を総合的な損傷として評価し, 損傷基準を確立する必要があると考えられる. こ のため, これまでにもこのような損傷を評価する方法として, アコースティック ・エミッ ション(AE)を用いて損傷の程度を評価しようとするもの(1)・(2), A Eパラメータと 損傷モードの対応関係を求めようとする研究(3), X線を用いてはく離発生を観察したも の(4〉, 超音波を用いてはく離長さおよび幅を測定したもの(5) および層聞はく離の発生

・進展挙動を明らかにしたもの(6) 等がある. このうちX線法および超音波法は不透明な FRPの板内部の微細なき裂等の検出に有効である. 光を透過するFRPについては, こ れまでに透過光を用いて損傷の広がりを調べ, 破壊機構について検討したもの(2) がある.

しかし損傷を実験を通じて定量的に評価する方法は未だ確立されていない.

本研究は, 切欠底付近に生ずる損傷を透過する光の輝度を測定することにより, 試験片 表面を含めた板厚全体の損傷の程度を定量的に表す損傷評価法を確立し, それを用いて第 2章で提案した損傷基準の合理性を検証したものである. 本章では, この研究に使用した 輝度測定システムを示し, このシステムを用いてFRP切欠平板の静荷重試験によって切 欠底付近に生ずる損傷を輝度測定で評価できることを実験的に検証する.

(34)

Light So町ce

ぱ3

Screen

/

E一十斗 に司

園田園・・・・・

CCD Camera

山\一

u

Computer

口ih

Processor

図5 - 1 輝度測定システム

102

(35)

に結像する入力光学系, 画像を電気信号に変換する撮像デノくイスと信号増幅器からなる.

入力光学系として, 光源にはタングステンハロゲンランプを用い, 電源には定電圧装置を

使用した. タングステンハロゲンランプは高輝度であり, その出力の安定性を利用して輝 度測定などの標準ランプとして広く使われている(1 6) 照明は, 内部の損傷を含めた総合 的な損傷を評価するために対象物体の背後から照明する透過照明とした. 撮像デバイスに は, 固体イメージセンサのなかで最も一般的であるCCDイメージセンサを用いた. C C Dイメージセンサは, 光電変換によって入射する光の強度に比例した電荷を蓄積し, 外部

からこのポテンシャルの位置を順次移動させて信号電荷を読み出す(l 7) 本研究に用いた CCDは40万画素で, インターライン転送方式(1 8) のものである. 各画素ごとに画像 データを取り込み転送する. インターライン転送方式は受光部の横に転送部を設けたもの で, 電荷転送効率がよい. また, カメラは1/1000秒電子シャッター機能をもち, 動きの 速い被写体でも鮮明な画像が得ることができる.

画像解析にはパーソナルコンピュータをホストとする画像解析装置を使用した. この画 像解析装置は約25万画素の画像メモリをもち, 濃淡画像の輝度を256階調で制御でき,

ディジタルベースでの画像データ入出力により画質を劣化させずデータ転送が可能である.

本研究で用いた計測項目は主に濃度(輝度)計測と二値画像計測(相対輝度面積)である.

画像出力装置には, 表示を目的としたクイックルック表示装置として最も一般的に用い られているCRTモニタを, 薗像の記録保存を目的としたハードコピー装置としてフィル

ムレコーダを用いた.

(36)

t::3

0.5 mm2

( a ) 切欠底付近の相対輝度

(b) 切欠底付近の輝度分布 図5-2 輝度測定の計測例

104

(37)

1. 濃度(輝度)計測

濃度計測により, 画面上の画素ごとの輝度を測定し, ある指定領域内の平均輝度を測定 する(7) -(9) その手順は以下のとおりである.

輝度計測は試験前の切欠底付近の面積約0.5 mm 2 の領域内(図5-2(a)の四角 で囲った領域)の平均輝度を測定し, ある応力ごとに保存した画像の同一箇所の平均輝度 を測定し, それを試験前の平均輝度で割ったものを相対輝度とする. 荷重の増加に伴って 切欠底付近に損傷が生じ, そのためその部分を透過する輝度は低下する. したがって, 相 対輝度は切欠底付近の輝度低下の程度, すなわち損傷の程度を表すと考えられる.

2. 二値画像計測(相対輝度面積)

濃淡画像から2値画像を得るための処理を2値化といい, 本研究では一般に用いられて いるしきい値処理を行った. あるしきい値以下に低下した輝度の領域を二値化し, その面 積を測定する(10) -(1 3)

荷重の増加に伴って, 切欠底付近に損傷が生ずる. そのためその部分を透過する輝度が 低下する. したがって損傷領域は他の部分よりも暗くなり, しきい値処理により損傷部分 と他の部分を二値化することができる. この処理を行うことにより, 損傷領域の面積を測 定することができる.

輝度分布を出力する方法として濃度変換を用いた. 256階調の入力画像をある階調の範 囲ごとに階調変化させ, 出力画像で濃度(輝度)分布を出力する(図5-2(b)). あ る階調とは試験前の状態を100 としたときのそれぞれの画素の相対値である. 図には70

%未満の領域, 71 � 75 %, 76�80 %, 81 �85 %の領域を色分けして表示している.

(38)

図5-3 EL-GEMの切欠底付近の損傷の形態(破断荷重の約90 %)

106

(39)
(40)

を図5-3および図5-4に示す. 図5-3はEL-GEMの引張破断荷重の約90 %で 除荷したものである. 上は透過光により切欠底付近を示したものであり, 下は矢印の方向 から観察したものである. 試験片表面および内部に発生した多数のき裂によって表面は白 い損傷域となり, 内部には多数の微小き裂が発生している. FRP切欠平板の切欠底には 一本のき裂が発生して破断に至るのではなく, ここに示すようなある領域をもった損傷域 が進展して破断に至る. 図5-4はGF/PCの場合で, 破断荷重の約90 %の切欠底付 近である. EL-GEMの場合と同様にこの場合も切欠底付近は試験片表面および内部に 発生した多数のき裂によって表面は白い損傷域となり, 内部には多数の微小き裂が発生し ている. しかしその損傷領域は破断直前(約90 %)においても切欠底近傍にあり, この 後急激に成長し破断に至る.

5-3-2 切欠底付近における輝度の変化

前述したように, FRP切欠平板の切欠底付近に生ずる損傷域は, 試験片表面および内 部の多数の微小き裂によるものである. これを評価するものとして本研究では, 前述した ように損傷部分を透過する光の輝度を測定した.

図5-5に, EL-GEMにおける切欠底の最大弾性応力と切欠底付近を透過する光の 輝度との関係を示す. 縦軸の相対輝度は切欠底付近(面積約0.5 mm 2内〉の平均輝度で,

試験前の状態をlとしたときの各応力における輝度の比である. (a)は引張試験の結果 であり, (b)は面内曲げ試験の結果である. どちらも切欠深さが一定の場合である. 切 欠底付近の相対輝度は応力とともに低下し, 破断直前に切欠底付近の相対輝度は約80 % まで低下している.

図5-6に, G F /P Cの引張試験で得られた最大弾性応力と切欠底付近を透過する光 の輝度との関係を示す. ( a)は切出し角度。=0。 の場合であり, (b)は切出し角 度。= 90。 の場合である. EL-GEMの場合と同様に, 応力の増加とともに切欠底付 近の相対輝度は低下している.

これらの観察結果より, この部分を透過する光の輝度が低下する理由は図5-3および 図5-4に示したように, 試験片表面および内部における微小なき裂等によるものと考え

られる. したがって輝度の低下度によって損傷の程度を表すことができると考えられる.

- 108 -

(41)

Eg 司口百ロ

qA J

-t-E

u d

b

・ーロU にロ

E J

-・E3

〉司U U

ι

1.00

? �込ム

0.95 0.90

�す

0.85

0.80

。 200 400

σ ( a )引張試験

1.05 1.00 0.95 0.90 0.85

EL-GEM Tension a=3 mm

600 800 1000 1200

ロlax 恥1Pa

EL-GEM Bending

a =4mm

(42)

1 .1

GF / PC

1.0 。= 00

ω υ 。=3mm

-D

E

0.9

- E

・。::>国U d 4 pmm

0.25

0.7 0.5

0.6

100 200 300 400

口lax 恥1Pa (a) () = 0。

1.1

GF / PC

Q

Q_q �

てでー守 ,..., ,..., 一一 r\ r、r\0

U t口J g

1.0 0.9

cーq〉B b

0.8

:(1Z

0.7

0.6

50 100 150 200 250

ロlax MPa

(b) e = 90。

図5-6 切欠底付近の相対輝度と切欠底の最大弾性応力Omaxとの関係(引張試験〉

110 -

(43)

図5-7は, 切欠底付近の損傷を相対輝度の分布で表したものである. これはEL-G EMにおける引張荷重増加の過程で切欠底付近に生じた損傷域の成長過程を示す. これら は切欠深さ一定でそれぞれ切欠半径pが(a) O. 5 mm, ( b) 1 mm, ( C) 2 mm の 場合である. この図は, 相対輝度R.Lの値が75, 80, 85, 90 �の4段階を損傷域の 濃淡の度合いで表している. 相対輝度とは試験前の輝度を 100 としたときの相対値であ る. したがって相対輝度が低い領域ほど輝度は低下しており, その領域は損傷が激しい領 域であると考えられる. 荷重の初期の段階から切欠底付近に相対輝度の高い領域が現れ:' 荷重とともにその領域は切欠底付近に広がり, その後さらに輝度の低下した領域が切欠底 付近に生ずる. 例えば(a )の場合, 最も激しい相対輝度75 �の領域は破断直前におい ても切欠底付近の狭い領域にのみ生じている. この傾向は切欠半径とは無関係にすべての 試験片に共通してみられた.

図5-8に, 図5-7 (a)に示した相対輝度のそれぞれの領域の面積を示す. この図 は各相対輝度の成長曲線である. 荷重の増加とともにそれぞれの領域の面積も増加してい る. このような成長曲線は切欠半径ごとに求められる. 一例として相対輝度85 �の領域 の面積と切欠底の最大弾性応力との関係を図5-9に示す.

図5-10はEL-GEMの面内曲げ試験で生ずる引張側の切欠底付近の損傷を相対輝度 の分布で表したものである. これらは切欠深さが一定で, 切欠半径pは(a)0.5 mm,

(b) 1 mm, (C) 2 mmの場合である. この図も引張試験の場合と同様に, 相対輝度 R.Lの値が75 ,_, 90 �聞を4段階で損傷域の濃淡の度合いを表している. 一例とし て相対輝度85 �の領域の面積と切欠底の最大弾性応力との関係を図5-11に示す. 引張

(44)

( a )切欠半径p = O. 5 rrun, 切欠深さa = 3 rrun, 破断時の切欠底の最大弾性応力

図5-7 引張試験における切欠底付近の損傷域の成長過程(EL-GEM)

--N

Omax = 446 MPa Omax = 669 MPa

σmax ,c = 1094 MPa

Omax = 817 MPa Omax = 966 MPa

(45)

c....コ

句協=489 MPa Oma.x = 594 MPa σmax = 756 MPa

Omax = 848 MPa

(46)

Omax = 325 MPa Omax = 406 MPa σmax = 487 MPa

(c) p = 2. 0 mm, a = 3 mm, omax,c = 657 MPa

図5-7 引張試験における切欠底付近の損傷域の成長過程(EL-GEM)

句協= 528 MPa

(47)

R.L. % EL-GEM Tension

p = 0.5 mm a=3 mm

ハU5ハU《J

QノQUQU守/

口O

く〉

10 8 6 4 2 g g

ωロON℃ω∞何回出伺Q

十nvnu

1200 1000

800 600

400 200

MPa

損傷域の成長曲線(試験片は図5-7 (a)と同じ〉

σ ロlax

図5-8

6 EL-GEM

a=3 mm R.L.= 85 % Tension 5

4 g g

3

2 ωロON力ω∞何何回・句。

(48)

トーー c1コ

Omax = 519 MPa Omax

= 683 MPa Omax

= 817 MPa

(a) p = 0.5 mm, a = 4 mm, omax,c = 967 MPa

図5 -10 面内曲げ試験における切欠底付近の損傷域の成長過程(E L -G EM)

σmω= 950 MPa

(49)

σmax = 458 MPa Omax = 603 MPa Omax = 740 MPa σmax = 849 MPa

(50)

トー・

cxコ

Omax = 304 MPa Omax = 401 MPa Omax = 471 MPa Omax = 516 MPa

(c) p=2.0 mm a=4 mm omax,c=558 MPa

図5 -10 面内曲げ試験における切欠底付近の損傷域の成長過程(EL-GEM)

(51)

% m5 時m ua d45 m=L B GR

pmm 0.5 2 EL-GEM

。 口

RU

4 3 2 E E

ωロON℃ω∞何回出何凸

。 800 1000 1200

MPa 600

ロ1ax

200 400

= 85 %)の成長曲線 損傷域(相対輝度R.L

図5 -11

(52)

-NO

Omax = 141 MPa Omax = 189 MPa σmax = 237 MPa

( a )ρ=0.5mm, a=3mm, σmax ,C = 281 MPa

図5 -12 引張試験における切欠底付近の損傷域の成長過程( G F / P C, e = 00 )

Omax = 249 MPa

(53)

Omax = 102 MPa Omax = 146 MPa 。max = 163 MPa σmax = 181 MPa

(54)

R.L. % GF/PC Tension p = 1 mm

0= 3 mm

nuζJハUζJnyoooo「/

0

。 6

5 4 3 2 呂田

ωロON℃ω∞何回口・旬。 十ハunu

250 150 200

MPa 100

σ ロlax

50

損傷域の成長曲線(試験片は図5-12(b)と同じ) 図5 -13

GF/PC Tension

。二3mm R.L.= 85 9ら 4

2 缶 3 百

ωロON-vω∞盟国・句。

0

0 300 400

MPa 200

O max

100

= 85 %)の成長曲線 損傷域(相対輝度R.L

図5 -14

122

(55)

90 %までは切欠半径程度の大きさである.

図5 -13に, 図5 -12 (a)に示した相対輝度のそれぞれの領域の面積を示す. E

GEMの場合と同様に, 荷重の増加とともにそれぞれの領域の面積も増加している. この ような成長曲線は切欠半径ごとに求められる. 一例として相対輝度85 %の領域の面積と 切欠底の最大弾性応力との関係を図5 -14に示す.

5-3-3 輝度による損傷の評価

2章で述べたように異方性が顕著なFRP板に関して, 切欠底付近の損傷基準は切欠底 の最大弾性応力と切欠半径によって決まる. したがって切欠底の最大弾性応力と切欠半径 が等しければ切欠底付近で同程度の損傷が起こると考えられる.

図5 -15に, EL-GEMの切欠底付近の相対輝度と切欠底の最大弾性応力Omaxの関 係を示す. 切欠半径pは0.5 mm一定で, 引張りおよび面内曲げの結果を併せて示して いる. 引張試験の場合, 切欠深さは1, 2, 3 , 4 および5 mmの5とおりである. この 図に示すように, Omaxとpが同じであれば, 切欠底付近の相対輝度は切欠深さや荷重の 種類とは無関係にほぼ一本の曲線で表される.

図5 -16に切欠半径pが0.5 mm一定の場合のEL-GEMの切欠底付近を輝度分布 で示す. (a), (b)は引張りで, 切欠深さが(a) 3 mmと(b)5 mmの場合,

( c )は面内曲げの切欠深さが4 mmの場合である. 列ごとに切欠底の最大弾性応力が ほぼ等しいときの切欠底付近を示している. ここに示すように, 切欠深さ, 引張りおよび 面内曲げの違いがあっても, 切欠底付近の損傷の形態は切欠底の最大弾性応力と切欠半径

(56)

EL-GEM p = 0.5 mm

Bending

l a

mm

・ I

4

αmm

2 3 4 5 Tension

ム口O〈〉マ 1.05

1.00 0.95 0.90 0.85 ωυロ何回刊何回三ω〉何百万凶

0.80

0 800 1000 1200

MPa 600

O max

400 200

切欠底付近の相対輝度と切欠底の最大弾性応力Omaxとの関係 (切欠半径p = O. 5 mm一定〉

図5 -15

124

(57)

MPa MPa ( a )引張試験(p = O. 5 mm, a = 3 mm, Omax ,C = 1094 MPa )

-M切

Omax = 676 MPa σmax = 826 MPa (b)引張試験(ρ=O. 5 mm, a = 5 mm, Omax,c = 1023 MPa)

011;邸= 977 MPa σmax = 451 MPa

(58)

T�nsion Bending amm Ia mm

1 ・I

4

2 3 4 5 EL-GEM

p = 0.5 mm R.L.= 85 %

ムロO〈〉マ 6.0

5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 回日

ωロON℃ω∞

SHH・旬。

。 800 1000 1200

恥1Pa 600

o max

400 200

= 85 %)の成長曲線

(切欠半径p= Q. 5 mm一定) 損傷域(相対輝度R.L 図5 -17

126

(59)

弾性応力Omaxの関係を示す. 図5 -18は() = 00 , 図5 -19 は() = 900 の引張試験 の場合である. 切欠半径pは1 mm および0.25 mm, 切欠深さは切欠半径が1 mm の場合は1, 2, 3および4 mmの4 とおり, p = 0.25 mmの場合はO. 5 mmから4

mmまでの 5 とおりとした. () = 0。 および90。 いずれの場合も切欠底付近の相対輝 度は, 切欠半径と切欠底の最大弾性応力のみ で決まり, 切欠深さとは無関係である. さら に詳しく切欠深さの影響を調べるために, 一例として() = 0。 の相対輝度90 %におけ

る切欠深さと切欠底の最大弾性応力との関係を図5 -20に示す. 切欠半径がO.25, O. 5 および1 mmの 3とおりに対して, 切欠深さをそれぞれの切欠半径以上の範囲で0.5

mmから4 mmの範囲で変化させた. この図に示すように, 切欠底付近に同程度の損傷が 生じるときの切欠底の最大弾性応力は切欠半径のみによって決まり, 切欠深さとは無関係 である.

図5 -21および図5 -22に, G F /P Cの切欠底付近の輝度分布を示す. 図5 -21は

。。 方向に切り出した場合で, 図5 -22は90。 方向に切り出した場合である. いずれ も切 欠半径pが1 mm一定で, 切欠深さが(a) 2 mm, (b) 3 mm, ( C) 4 mmの場 合である. 列ごとに切欠底の最大弾性応力がほぼ等しいときの切欠底付近 を示している.

ここに示すように, 切欠底付近の損傷の形態、は切欠深さと無関係に切欠底の最大弾性応力 と切欠半径が等しければよく似ている. しかしその形態は, 0。 方向 と900 方向とでは異 なる. これ はガラス繊維の配向の違いによると考えられ る. すなわち() = 0。 の場合は ガラス繊維は図中の縦方向に配列し, () = 900 の場合はガラス繊維は図中の横方向に配 列している.

(60)

GF / PC

。= 00

a mm

0.5

2 3 4 図ム口O〈〉

4E,. 4EE・

1.0

0.7 0.9

0.8 ωυ口何回何百三ω〉何百万肖

0.6

0 100 200 300 400

恥1Pa

切欠底付近の相対輝度と切欠底の最大弾性応力Omaxとの関係( () = 00 )

o max

図5 -18

GF / PC 8 = 900

0.25

図ム口O〈〉

4EE・4EB・

1.0

0.7 0.9

0.8 ωυロ何回同一百三ω乙百万肖

0.6

0 150 200 250

MPa 100

o max

50

切欠底付近の相対輝度と切欠底の最大弾性応力Omaxとの関係( e = 900 ) 図5 -19

128

(61)

3

k eE q

-g

GF/PC

。=

00

。 0.1

τ〉7

8

0.2

\7/

/P =

0.25

rnrn

マ一一

/0.5

zs:-

8 \ミ

0.3 0.4 0.5

2a

IW

図5 -20 =90

(62)

Omax = 111 MPa

Omax = 102 MPa

Omax = 158 MPa

切欠深さa= 2 mm

Omax = 155 MPa

切欠深さa= 3 mm

Omax = 115 MPa Omax = 154 MPa

切欠深さa= 4 mm

Omax = 187 MPa

Omax = 180 MPa

Omax = 178 MPa

図5 -21 切欠底付近の損傷域の成長過程(G F / P C, () = 00 ρ= 1 mm)

(63)

C人コ ・...

Omax = 102 MPa

切欠深さa= 2 mm

Omax = 111 MPa 切欠深さa= 3 mm

Omax = 121 MPa

(64)

GF / PC 8 = 00 R.L.= 85 9ら

G mm 0.5

2 3 4

図ム口O〈〉

4

3

2 缶 百

ωロON℃ω∞密口吋(凶

。 100 200 300 400

恥1Pa

= 85 %)の成長曲線( (:) = 00 )

σ max

損傷域(相対輝度R.L 図5 -23

川レ今ぺ

M四

GF /PC

8 = 900 R.L.= 85 % 2.0

g g

Gmm 0.5

2 3 4

図ム口O〈〉

1.5

1.0

0.5

ωロON℃ω∞吋何回句。

。 150 200 250

恥1Pa 100

O max

50

= 85 %)の成長曲線( (:) = 900 ) 損傷域(相対輝度R.L

図5 -24

132

(65)

ステムが有用であるとともに, 静荷重のもとで異方性が顕著なFRP切欠平板の切欠底付 近における損傷基準として, 第2章で提案した線形切欠力学の概念に基づく損傷基準が有 効であることを示すものである.

5-4 結言

光を透過する2種類のFRP切欠平板を用いて静荷重試験として引張試験および面内曲 げ試験を行い, 切欠底付近に生ずる損傷を輝度測定システムを用いて評価した. 得られた 結果は次のとおりである.

( 1 )切欠底付近の相対輝度は応力の増加とともに減少し, その値は切欠底の最大弾性応

力と切欠半径が等しければ, 切欠深さや荷重の種類(ヲ|張りと面内曲げ)と無関係 にほぼ同じであった.

( 2 )輝度分布で求めた損傷域の形態、は, 切欠底の最大弾性応力と切欠半径が等しければ,

切欠深さや荷重の種類(ヲ|張りと面内曲げ〉と無関係によく似ていた.

( 3 )一定量の損傷を受けた領域の面積は, 切欠底の最大弾性応力と切欠半径で決まり,

切欠深さや荷重の種類(ヲ|張りと面内曲げ)と無関係であった.

( 4 )以上の実験事実は, 損傷の評価方法として本研究で開発した輝度測定システムが有 用であるとともに, 異方性が顕著なFRP切欠平板の損傷基準として先に提案した 線形切欠力学の概念に基づく損傷基準が有効であることを示すものである.

(66)

する研究(繊維と樹脂の界面および経糸と緯糸聞のはく離の推定) , 材料, 41-464,

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