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渡 遺 正 博

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Academic year: 2021

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評価活動を重視したNIEの 単 元 開 発 ーデジタル新聞づくりを通してー

学 校 教 育 専 攻 総 合 学 習 開 発 コ ー ス 渡 遺 正 博

1.主題設定の理由

NIE (Newspaper in Education 

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教育に新聞をj

の略)と呼ばれる教育運動がある。新聞を教材 に使ったり(新聞活用),新聞の役割を学んだ り(新聞理解),自分たちで新聞を作成する(新 聞づくり)活動を通して

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生きる力jの育成 に役立てることを目的としている。新聞のもつ 多様な特性や記事内容,新聞記者との出会いな どを通して子どもと社会を結ぶ学習を行うこと ができる。 2002年度の NIE実践報告を概観す ると,実践者の創意工夫により児童が主体的に 学ぶ様子が紹介されている。その中で,

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なぜ,

新聞でなくてはいけないのかJ という問いに対 する理論の構築が課題となっているD

NIEを進める上でも,児童の実態から「つけ たい力Jを明確にし,どこで新聞の特性を生か すかをカリキュラム作成時から設定していくこ

とが必要だと考える。

2.研究の百的と方法

(1)教科と総合の関連を図り,新聞学習の3つ の 活 動 (

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新聞活用J、「新聞理解J、「新開づく

りJ)を児童の学習の中に取り組み,学習過程 での評価活動を通して児童の自己学習力を伸ば すNIEの単元を開発する。

(2)上記の単元の有効性について検証し, NIE  の教育効果を見取り NIEの単元開発について 提案する。

指 導 教 員 村 川 雅 弘

3.研究の概要

(1 )自己学習力を育てる継続的な評価活動

本研究では,研究対象校が総合的な学習の時 間につけたいとねらっている力を「自己学習カJ と定義するo そして 新聞づくりの特性と社会 科の指導内容,児童の実態と教師の願し、から「コ ミュニケーションカ」と「行動力Jと「自己・

相互評価力 J を中心に取り上げ単元を通しての 変容を見取る。

「自己学習力j を育てるには「自己評価力j

を高める必要がある。「自己評価力Jを高める には「相互評価jが重要な要素となる。児童が お互いの学習の様子(態度や成果としての作品) を意図的に相互評価し合い,自己評価を行う授 業の流れを考えた。それが「新聞づくり Jの過 程における「編集会議jであり「合評会Jであ る。この「会議」における児童の授業後の感想,

新聞作品の変容から

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自己学習力jの変容を 分析するD

(2)単元の実践(小学校4年生 1学級32名) 平成16年の9月から 12月にかけて,社会科 と総合的な学習を関連させ 4回の新聞を作成 した。 2回目の新聞では社会見学先の町につい て社会科で学習したことをまとめた。社会見学 では自分たちが追究したことを確かめるつもり で,現地の人に自ら進んでかかわりを持ち、意 見交流を行った。 4回の新聞とも合評会を開き,

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(2)

お互いの新聞について評価し合った。評価の観 点は児童と教師が専門家の助言も受けながら設 定した「よい新開づくりJの5点(レイアウト

・具体物・イラスト・文字・内容)である。ま た,単元終了後に新聞関係者からも専門家とし ての外部評価を受けた。 3回目の新聞からは,

「より多くの人に読んでもらいたしリという児 童の願し、から,記事をデジタル化し,ブログを 活用して小学校のホームページにリンクをはっ た。デジタル化により、児童も家庭からアクセ スして作品を見ることや作品にコメントを入れ ることができるD

(3)作品の評価

手書き新聞 (2回目に作成)とデジタル化し た新聞は回目に作成)について評価観点を決 め専門家と教師による評価を行った。デジタル 化により、特に紙面の構成や記事のまとめ方か

ら相手意識の向上を読みとることができた。

(4)単元の評価

質問紙調査を用いて事前と事後に児童の意識 に関する変容を分析した。特に文字を書くこと,

自分から調べることなどの項目が大きくプラス の変容を見せた。

相互評価を継続して行うことにより,お互い のよさを認め合う支持的な風土が学級に生まれ た。また,友だちから認められ,実際に新聞作 品の質も向上していることから,児童は自分の 学び方に対する自信を感じていることを記述し ている。

4.研究の成果と今後の課題

(1 )研究のまとめ

①教科と総合的な学習のねらいと共に,児童や 地域の実態、実践校の学校教育目標及び校内研 究テーマ,総合的な学習の計画と実際などを踏 まえて単元カリキュラムを作成したことでねら

いが明確化・組織化され,指導内容の関連を考 えて指導することができた。

②佐藤学 (2000)は

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学びJは対象と他者と 自分との「対話Jである』と述べている。本実 践で取り入れた新聞作品 友だち,自分自身と

「対話Jする「編集会議Jや「合評会jそして 授業の感想、を書く作業は,自己学習カを高める

ために効果的であることが明らかになった。

③新聞作品や活動の様子をデジタル化して可視 化することは,自分や友だちの成長の様子を具 体的に振り返ることができ,自己・相互評価力 の向上につながったD

(2)課題

①記述分析の方法や新聞評価の観点の再吟味と 精選を図る。

②地域の世論づくりを担うような,地域との連 携を視野に入れた単元を開発する。

③作成した新聞を使い,自分の変容を語る成長 発表会を企画する。

④学校でのNIE活動(中心)が、「どのようにJ (横軸)、「どこでJ(縦軸)で生かされていく かを傭敵するイメージ図を提案し、 NIEを学校 教育内だけでなく、社会人になってからも学び 続けていく際の道具の1っとしての可能性を今 後も考えていきたい円

[参考文献]佐藤学 (2000)

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学びjから逃走 する子どもたち』岩波書庄

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