修 士 論 文
視 認 性 を保 っ た状 態 で の現在 日本 で扱 われ て い る 常用 漢 字 の簡 略化
平成23年 度
(10893527)
中野陽平
首都 大学東京大学院
システムデザイ ン研究科 博士前期課程 イ ンダス トリアル アー ト学域
指導教員 工藤強勝
提 出 日:2012年3月9日
Simplification of general use Kanji in Japan keeping legibility
Summary
I simplified the notation of general kanji currently used in Japan, especially the font MINCHO , keeping its legibility.
It is thought that Japanese language has more complicated linguistic structure compared with English and others due to a mixture ideograms and phonograms.
Besides that, I think a redesign of Japanese kanji which is similar to the Japanese own identity focusing on the visual simplification of it is required to maintain and spread Japanese complex culture in the social background advancing aging and globalizing.
Therefore I prepared variety types of simplified kanji and surveyed how much it could be proper to cut down the elements of each kanji doing the evaluation experiment by the
method of SD. So I redesigned all of Japanese kanji in common use.
言1
緒●
次・1
目‑ 3
1 ← ‑ ⊥ ‑ ← ‑ ⊥
湘 ⊥ ‑ ←
.本 研 究 の 背 景 1.1.先 行 研 究 1.
1.3.
2.本 研 究 の 目 的
2.先 行 研 究 考 察 先行研 究 との差異
「簡 略 化 」 の 定 義 3.1.
2.簡 略 化 し た 文 字 の 作 成 2
2.1.
2.1.
2.1.
「簡体 字/簡 化字」 との差異
1.暫 定的 な簡 略化 文字 の作成方法
1.っ がわ式漢字記憶術 を用いての部分 削除 2.各 種 部 首 の 簡 略 化
3.複 合 後の部位 的伸縮
3.簡 略 化 度 合 い の 適 正 調 査 3.1.調 査 資 料 の 概 要 決 定
3.1.1.
3.1.2.記 事 文 章
調査材料の文章決定
3.1.3.フ ォ ン ト概 要 の 決 定
1 1 2 3 4 4 4 5 6 6 6 7 7 8 8 8 9
3.2.簡 略 化 文 字 を置 換 した 文 章 の組 方 向 に 関す る評 価 実 験
3 3 Q U
2.1.調 査 対 象 2.2.調 査 概 要 2.3.調 査 結 果
3.3.簡 略 化 の度 合 い を決 定す る評 価 実 験 3.1.調 査 対 象
●●●
3 3 3
3.2.調 査 概 要 3.3.調 査 結 果
3.4.文 章 中へ の置 換 度 合 い を決 定 す る評価 実 験 3.4.1.調 査 対 象
3.4.2.調 査 概 要
0 0 0 0 1 2 2 2 2 8 8 8 1 1 1 1 ー ニ ー 1 1 1 ー ユ ー ‑
3.4.3.調 査 結 果
4.結 曇
5.謝 辞 6.参 考 文 献 7.引 用 文 献 8.付 録
8.1.常 用 漢 字2136字 を対象 に した簡 略 化 した漢 字 一 覧
0 6 4 ︽ ゾ ! 0 月 1 8 8 ー ユ ( ∠ ( ∠ ( ∠ ( ∠ ( ∠ ( ∠
1.緒 言
1.1.本 研 究 の 背 景
現在 世 界 で 話 され て い る言 語 は 千数 百 と も数 千 と も言 われ て い るが 、使 われ て い る文 字 の 種類 は 数 百 しか な い。も と も と文 字 を もた な い言 語 は他 か ら文 字 を借 りる 事 が 多 く、表 音 文 字 で あ る ロー マ字 は い ろい ろ な言 語 に広 く借 用 され た文 字 の代 表 例 だ とい え る。日本 語 は とい うと、中国 か ら漢 字 とい う表 意 文字 を借 用 す る一 方 で 、 漢 字 の 一 部 を用 い て 表 音 文 字 で あ る仮 名 文 字 を創 案 し、それ らを組 み 合 わせ て使 用 す る世 界 で も稀 な 言 語 の一 つ で あ る。日本 の言 語 学 者 で あ り国 語 学者 で もあ る金 田
一 春彦 氏 に よ る と、表 音 文 字 と表意 文字 を混 ぜ て し よ うす るの は 日本 と韓 国 だ け で あ り、近 年 で は韓 国 も北 朝鮮 も漢 字 の使 用 を控 え 、表 音 文 字 の ハ ン グル 文 字 を 主 に しよ う して い る こ とか ら、両方 を組 み合 わせ て使 用 す る言 語 は 世 界 で 日本 語 だ け に な るの だ と言 う。さ らに借 用 され た 漢字 につ いて も中 国語 読 み と 日本 語 読 み の双 方 を持 っ。 日本 の文 字 は本 質 的 に、社 会 の様 々な レベ ル で の 対 話 にお け る、 日本 語 の 話 し言葉 と借 用 され た 漢 語 の双 方 を表 現 す るた め、何 世 紀 に もわ た っ て漢 字 の複 雑 な再 分析 をお こな った 末 に生 み 出 され た もので あ る。日本 文 字 の複 雑 さは 日本 社 会 の複 雑 さそ の もの を反 映 して い る と言 え る。
そ して イ ン ター ネ ッ ト技 術 が飛 躍 的 に世 界 に広 が っ て き て い る現 代 、そ のネ ッ ト ワー クを通 じて これ か ら よ り一 層 国 際化 が進 む こ とが 予 想 され る。さ らに現 在 日本 で は2010年9.月15日 現 在 の総 務 省 の発 表 に よ る と65歳 以 上 の 人 口 は前 年 よ りも 46万 人増 え2944万 人 とな り、総 人 口に 占め る割 合 が23.1%と い う高 齢 者 社 会 とい う問題 も抱 え て い る。そ ん な 社 会 的 背 景 の 中、私 た ちが 住 む 日本 の 言 語 は先 に述 べ た 通 り表 音 文字 を用 い る英 語 や ハ ングル 文 字 な どに比 べ 、世 界 的 に も複 雑 過 ぎ るで あ る こ とが 強 く感 じ取 れ る。 そ こで 日本 の複 雑 な文 化 を維 持 し広 げ て い くた め に 、
日本 人 特 有 の複 雑 な ア イ デ ンテ ィテ ィに も似 た 日本 言 語 の文 字 、特 に漢 字 の簡 略化 とい う再 創 造 が 必 要 で あ る と私 は 考 え る。
1.1.1.先 行 研 究
文 字 の 簡 略 化 の先 行 研 究 と して は和 文 の ゴ シ ック体 に つ い て の研 究 が あ る。そ れ は高 速 道 路 で の標 識 上 の フ ォ ン ト、 公 団 フォ ン トを扱 うNEXCOが 調 査 した もの で あ る。 そ れ を以 下 に ま とめ る。
NEXCO中 日本 「新 東 名 夢 ロー ド懇 親 会 」第6回 資 料P.382‑5実 証 実 験 中 間報 告(5) 新 た な標 識(1)
(引 用 開 始)
標 識 板 のサ イ ズ を変 更 せ ず に 「レイ ア ウ トの 改 良 を行 っ た もの と従 来 の物 を比 較 」
《従 来 の レイ ア ウ ト》
和 文:JHゴ シ ック(公 団 フ ォ ン ト) 英 字:ヘ ル ベ チ カ 改
数 字:JHゴ シ ック(公 団 フ ォ ン ト) 文 字 サ イ ズ:和 文 →500㎜ 英 字 →250㎜
《新 レイ ア ウ ト》
和 文:ヒ ラギ ノ 英 字:ビ ア ロ グ 数 字:フ ル テ ィ ガ
文 字 サ イ ズ:和 文 →550㎜ 英 字 →300㎜
〈 実験 結 果 〉
外 国 人 を含 む 、20〜70代 の被 験 者109名 に よ る実 験 で 、 「従 来 の標 識 に 比 べ 、判 読 距 離 が 向上 した」(例:和 文 の判 読 距 離 が 、210mか ら243mに 向上 した(+16%))
〈新 レイ ア ウ ト標 識 の 基 準 策 定 〉
実 験 に よ り 「新 レイ ア ウ ト標 識 の 有 効 性 が 確 認 」 され た た め 、NEXCO3社 共 通 の 標 識 に 関す る技 術 基 準 を制 定 予 定(平 成22年7月)
(引用 終 了)
1.1.2,先 行 研 究 考 察
こ の結 果 は フォ ン トサ イ ズ がllO%に 増 え て い る こ とや 背 景 に使 われ て い る緑 色 を濃 く しコ ン トラ ス トを 上 げて い る な どの 差 異 もあ る。(図1)し か しフ ォ ン トの 変 更 がお こ な われ て い る こ とか らなぜ 従 来 の 「公 団 フ ォ ン ト」か ら新 レイ ア ウ トの フ ォ ン トへ と変 え る必 要 が あ った のか を考 えな けれ ば な らない 。
図1高 速 道 路 標 識 の 新 レイアウ ト(左)と 従 来 レイア ウ ト(右)の比 較
渡辺 茂 著 『漢 字 と図形 』(NHKブ ックス264、1976年)(2)で は 、そ の 中 で 第五 章 「漢 字 の 図形 特性 」にて 「瞬 間認 識 特性 」に つ い て触 れ て い る節 が あ る。そ こで は約0.1 秒 の 間 に ヒ トが どの よ うに 漢 字 一 文字 を 同定 す るの か につ い て 実 験 と考 察 が重 ね られ て い る。 そ して そ こで 見 えて くる の は、 「どん な とき で も 《瞬 時 に》 読 め る」
文字 で あ るた め に は、全 体 の外 形 の プ ロポ ー シ ョン は常 識 か ら余 り離 れ な い 方 が よ い とい う結 論 で あ る。
こ こか ら導 かれ る も の は漢 字 の 中 心部 分 は 「公 団 フ ォ ン ト」の よ うに、適 宜 間 引 かれ て も よい。そ の よ うな場 合 に人 間 の脳 とい うもの は 良 く出来 て い て 、ぼ ん や り とで も見 た り聞 い た り して い れ ば記 憶 に あ る もの を参 照 し情 報 を補 完 す る は た ら きをす るか らだ。ゆ え に シル エ ッ トを重視 す る こ とが望 ま しい の だ が 「公 団 フォ ン ト」 で は この シ ル エ ッ トそ の もの が 図1の 、 特 に 「京 」 の 文 字 の よ うに変 わ っ て し ま っ て い る。逆 に 高 速 道 路 の新 フォ ン トで あ る 「ヒ ラギ ノ」は 画数 な どが多 くて 文 字 の 細 か い 部 分 が 潰 れ て 消 え た り し て も シル エ ッ トは 保 っ て い る た め 採 用 され る 結 果 とな っ た の で は な い か とい う風 に仮 定 す る こ とが 出来 る。
1.1.3.先 行 研 究 と の 差 異
先 行 研 究 と して和 文 の ゴ シ ック体 につ い て の研 究 は あ り、加 えて そ れ を模 倣 して 既 に簡 略化 され た フ ォ ン トとい うもの もあ る[i]。ま た書 きに 対 して 重 心 をお い た 略 字 も既 に 存在 して い る。しか し新 聞や 書 籍等 の活 字 と して一 般 的 に使 用 され て い る 和 文 の 明 朝 体 につ い て 、且 つ そ の シル エ ッ トを そ の ま ま に簡 略化 した とい う事 例 が な い。 この 明 朝 体 は和 文 の 中 で深 く根 付 い て きた セ リフ体 で あ り、私 は この書 体 形 式 を大 切 に した い と考 えた。さ らに ゴ シ ック体 に比 べ 明朝 体 の 簡 略 化 は シル エ ッ ト が変 わ りに くい とい う特 性 も持 つ 。 以 上 を踏 ま えて フ ォ ン トを 明朝 体 に 設 定 した。
1.2.本 研 究 の 目 的
本研 究 の 目的 は 日本文化 のひ とつで ある 「日本 の漢字」の もつイ メー ジや意 味合 い を崩 さず に、複雑 な漢字 が文章 中にあっても見やすい文字 の制作 、つ ま りは高齢 化 社会へ の文字 とい う視点 か らの対策、新聞記事の情報 量増加 や安価 な書籍 の達成 な どがで きる よ うな漢字 の制作 をお こな う。そのために漢字 を小 さく して も、また は細 か くして も視認性 を保 てるかについて調査 し、その得 られた結果 に よって適切 な度合 いで簡略化 された常用漢字 を制作す るこ とにあ る。また この研究 と制 作は先 行研 究で は取 り扱 われてい ない明朝体 フォン トについてお こな う。
1.3.「 簡 略 化 」 の 定 義
日本 が ど う して 複 雑 な混 合 表 記 シ ステ ム 、混 合 文 字 に こだ わ る の か。StevenRoger Fischer著 のAHistoryofWriting(3)の 中で 日本 の盲 目の人 々 が仮 名 点字 を読 む の は,
目が 見 え る人 が 漢 字 仮 名 混 じ り文 を 読 む よ り易 しい とい うこ とが実 証 され た とい う報 告 が あ る。理 論 的 に考 え て、国 際的 に見 れ ば 先 に述 べ た 通 り、朝 鮮 が そ うしよ うと して い る よ うに漢 字 を全 廃 して 仮 名 だ け を使 うよ うに す れ ば 日本 社 会 全 体 に と っ て 、識 字 教 育 の 面 や 、教 育 期 間 の 長 さ な ど に 関 して 経 済 的 に も社 会 的 に も発 展 全 般 に 有 益 だ と考 え る外 国 人 もい るだ ろ う。
しか し効 率 に 関 して 言 え ば現 在 の表記 シス テ ム が 日本 語 特 有 の 、も との 中国 語 語
句 の殆 どが 日本 固 有 の音 韻 組 織 な い し歴 史 的変 化 を通 じて ま とま っ て しま っ た 同 音 異 義語 の 問題 を解 決 す る最 適 な もの で あ る こ とを理 解 して い る。も し 日本 語 にお い て 仮名 とロー マ 字 しか使 わ な けれ ば 、それ に よっ て そ うい っ た言 葉 らに曖 昧 さが 生 ま れ 文 字 表 記 の 目的 に反 す る こ と とな る。この 混合 表 記 の種 類 を減 らす とい う方 法 で は 日本 の 言 語 の 「簡 略 化 」 とは言 え ない 。そ こで 私 が 本 研 究 で 定 義 す る 「簡 略 化 」とは現 在 の 日本 で 用 い られ て い る混 種 表 記(平 仮 名 、片 仮 名 、漢 字 、ロー マ 字 、 ア ラ ビア 数 字)の 文化 を維 持 す るた め に最 も形 が複 雑 な漢 字 の簡 略 化 を 、本 研 究 に お い て は 日本 言 語 の簡 略化 と定 義 す る。
1.3.1.「 簡 体 字/簡 化 字 」 と の 差 異
この とき、中 国 で 制 定 され た簡 体 字 や 簡 化 字(簡 体字 とは文 字 全 体 の 簡 略 化 で あ り、簡 化 字 は偏 や 労 な ど一 部 が 簡 略 化 され た もの)と の 差 異 につ い て触 れ て お か な けれ ば な らな い 。それ は 大 き く分 け て2つ あ る。1つ 目は 日本 と中 国 との 両 文 化 で の 漢 字発 展 の 差 異 で あ る。例 と して 「机 」は 日本 で は 「つ くえ」だ が 、簡 体 字 で は 「機 」 の 略 字 で あ る。 ま た 、 「叶 」 とい う字 は 日本 語 で は 「か な う」 と読 む が 、 簡 体 字 で は 「葉 」 の 略 字 で あ る。 この よ うに 日本 語 で は 「机 」 と 「機 」、 「叶 」 と 「葉 」 は全 く別 の 音 と意 味 を持 っ て用 い られ て い る。そ こで簡 体 字 や 簡 化 字 が繁 体 字 や 日本 の 新 字 体 と混 同 され る ケ ー ス が あ るの で 本 研 究 に お い て は 日本 で 歴 史 的 変 化 を遂 げ た 状 態 の 現在 日本 で使 用 され て い る漢 字 、つ ま り 日本 で の 常 用 漢 字 に 限 定 す る とい
うこ とを明記 して お く。
そ して2つ 目 と して は簡 体 字 や 簡 化 字 は書 き を簡 略 化 す るた め の もの で あ る の に 対 して 、本 研 究 で扱 う 「簡 略 化 」 は読 み に重 き をお い て 調 査 、研 究 を お こ な うもの で あ る と し、現 在 日本 で使 用 され て い る漢 字 の シル エ ッ トを崩 さず に制 作 を進 め る。
2.簡 略 化 した 文 字 の 作 成
ここで簡 略化 の方法 につ いて考 える。1.3.で述べた通 り、混 種表記 の中で文化 を維 持 しなが ら簡 略化 をお こな う為に、漢字 の簡略化 を本研 究ではお こな う。またそ の 簡略化 をす るこ とに よって生 まれ る曖昧 さを感覚 的に最小 限 に抑 えて文字表 記 の 目的 に反 しない よ うな簡略化 の方 法 を考 え暫定的 に作成 し、それ をも とにそれ らを 組み合 わせ て評価 実験 を繰 り返 しなが ら文字 を作 り上 げる。
2.1.暫 定 的 な 簡 略 化 文 字 の 作 成 方 法
2.1.1.つ が わ 式 漢 字 記 憶 術 を用 い ての 部 分 削 除
つ が わ 式漢 字 記 憶 術 とは記 憶 法 を研 究 して い る津 川 博 義 氏 に よ る記 憶 術 で 、漢 字 の 読 み を記 憶 し、次 に 思 い 出 しに くい部 分 に丸 を付 けて 覚 え る とい うもの で あ る。 こ れ は記 憶 した こ とを思 い 出す き っか け に着 目 した記 憶 法 な の だ が 、この 記 憶 術 を逆 手 に取 れ ば 漢 字 の思 い 出 しに くい 部 分 を除 い た形 に よっ て も、既 にそ の漢 字 そ の も の の イ メ ー ジ は脳 内 で構 築 され て い る とい うこ とが考 え られ る。そ こで 思 い 出 しに くい箇 所 を消 す こ とで 、も し くはそ の漢 字 の シル エ ッ トを構 成 して い る部 分 だ け を 残 す こ とに よ っ て文 字 の 簡 略 化 を はか る。(図2)
薔薇 薔薇
欝欝憂憂 珊瑚礁
珊珊碓
図2つ がわ式漢字記憶術を用いての部分 削除の例
2.1.2.各 種 部 首 の 簡 略 化
日本 の 漢 字 は 、ご く ご く一 部 の変 わ っ た形 の部 首 が不 明 の漢 字 が あ る もの の 、必 ず い ず れ か の部 首 に所 属 して い る。そ こで 全 て の 漢字 の 基 本 と もな る部 首 の簡 略 化 を 部 首 毎 に統 一 す る こ とで の簡 略化 され た 文 字 を形 成 して い く。以 下 が そ の 制 作 物 の 例 で あ る。(図3)
黒 点 黒 点
聴聴視視 経過
経過
図3各 部首の部分 削除 による簡略化 の例
2.1.3.複 合 後 の部 位 的 伸 縮
これ らの 「つ が わ 式 漢 字 記 憶 術 を 用 い て の部 分 削 除」 と 「各 種 部 首 の 簡 略 化 」 を組 み 合 わ せ る こ とに よっ て簡 略化 した 文 字 を形 成 して い く。しか しそれ らに よ っ て部 分 的 な 削 除 をお こな っ た結 果 文 字 と して の漢 字 の サ イ ズ が 異 な っ た もの に な る こ
とが 予想 され る。そ こで 削 除 をお こ な った 部 分 を補 うよ うにそ の文 字 を構 成 して い る他 の 箇 所 を伸 縮 させ る こ とで バ ラ ンス を と る。(図4)
聴聴視視 経過
経迅
珊瑚礁 珊珊碓
図4簡 略化複 合/伸 縮移動適応 の例
3.簡 略 化 度 合 い の 適 正 調 査
3.1.調 査 資 料 の 概 要 決 定
3.1.1.調 査 材 料 の 文 章 決 定
文 字 の フ ォ ン トと して の 出来 を見 る た め の 文 章 の 選 定 は グ ラ フ ィ ックデ ザ イ ン の世 界 で も一 般 的 に この 文 章 で 具 合 を見 な さい とい う決 ま りは な く、敢 えて 挙 げ る な らば そ の文 字 が使 用 され る場 面 に あ う文 章 が好 ま しい とだ け され て い る。そ こで 本 研 究 が 日本 の漢 字 文 化 の 可 能性 を広 げ るた め の もの で あ る こ とか ら、文 化 に根 付 く よ うに と願 い を 込 め11月3日 ・文 化 の 日の新 聞記 事 よ り抜 粋 した。 さ らに評 価 実 験 で フ ォ ン トの 比 較 検 証 をお こな う上 で文 章 中に 多 種 の漢 字 が 登 場 す る よ うに経 済 面 や 国 際 面 な どの何 度 も 同 じ単 語 や 片 仮 名 が繰 り返 し表 記 され て い る記 事 を さ
けて 選 定 した。 そ の結 果 以 下 の 記 事 を使 用 す る こ とに決 定 した。
日本 経 済 新 聞
11月3日 付 の27面 【特集 】記 事
「第54回 日経 ・経 済 図 書 文 化 賞 受 賞4作 品 を読 む 」 よ り
「就 社 」社 会 の 誕 生 一ホ ワイ トカ ラー か らブル ー カ ラー へ一 菅 山真 次 著(4)
そ の引用記事 は次項 目に記載の文章 とした。
3.1.2.記 事 文 章
採 用行 動 解 明 した 大 著
長 期 雇 用 と年 功 賃 金 に よっ て特 徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シス テ ム は 、両大 戦 間 の 時代 に成 立 し、戦 後 の 労働 改 革 を経 て 完成 、そ れ は キ ャ ッチ ア ップ 型 工 業 化 を進 め る上 で 、企 業 が 熟 練 労働 者 育 成 を 内部 的 に行 うこ とを選 択 した 結 果 で あ る と考 え ら れ て き た。
本 書 は通 常 「終 身 雇 用 」と称 され る この特 質 を雇 用 継 続 の 問題 と して捉 え て い る の で は な く、入 り 口の 問題 、す な わ ち就職 が 一 回 限 りの選 択 に よっ て決 ま る 「就 社 」 で あ る とい う点 に 求 め 、企 業 の採 用 行 動 を様 々 な資 料 か ら解 明 した 大 著 で あ る。
(1)「企 業 封 鎖 的 」な 内 部 労働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ って も、1950年 にお い て も確 立 して い な か っ た(2)無 垢(む く)な 労働 者 を若 い うち に囲 い 込 み 、 基 幹 工 へ と養 成 す る こ とが一 般 化 した の は 、50年代 に職 安 に よ る需 要 供 給 と指 導 の 体 制 が構 築 さ れ て か らだ っ た(3)し か し、 労働 力 を 卒業 時 に直 接 採 りた い とい う志 向 は 、技 術 系 の ホ ワイ トカ ラー を 中心 に第1次 世 界 大戦 前 か らあ り、35年 ご ろま で に は多 くの 企 業 が職 員 を新 規 学 卒 者 の 定期 採 用 に よっ て雇 用 して い た(4)ブ ル ー カ ラー の 間 で も 、 熟 練 工 とい うよ りプ ロセ ス ワー カ..̲̲にお い て若 年 者 の 採 用 と職 場 内 訓 練
(OJT)に よ る育 成 が多 か っ た。
これ らは定 説 に 大 き な変 更 を迫 る斬 新 な もの で あ る。それ に加 え 、従 来 の見 解 の 根 拠 とな っ て い た調 査 個 票 を再 吟 味 し、そ の結 論 を覆 して ゆ く記 述 や 、組 織 ぐるみ で就 職 斡 旋(あ っせ ん)を 行 って い た 学 校 と事 実 上 従 業 員 の選 抜 を学 校 に委 ね て い た企 業 とのや りと り、高 度 成長 の 時 代 を全速 力 で駆 け抜 けて き た職 安 の 営 為 と思 い 入 れ を叙 述 す る部 分 な どは読 み応 えが あ る。
も っ とも、これ らの 発 見 事 実 を分 析 し、新 た な全 体 像 を提 示 す る とい う点 で は物 足 りな さが感 じ られ る。説 明 が ア ドホ ック に流 れ 、統 計 処 理 に 問題 が 散 見 され る の も残 念 で あ る。とは い え、今後 は誰 しも著者 が 見 い だ した 事 実 か ら出発 せ ざ る を得 な い。 そ うい う意 味 で は本 書 は 画期 的 な研 究成 果 とい え よ う。
3.1.3.フ ォ ン ト概 要 の 決 定
本 調 査 にお い て選 定 した 文 章 が新 聞記 事 で あ る た め 背 景 は新 聞紙 の 色 味 を 再 現 す る。さ らに フォ ン トサ イ ズ は新 聞や 文 庫 本 な どで現 在 標 準 と して扱 わ れ て い る 大 き さに設 定。フ ォ ン トは活 字 を あつ か う出版 物 の種 類 に よっ て も差 異 が あ り、同 じ 種 類 で も出版 社 に よ っ て あつ か っ て い るフ ォ ン トが違 う。さ らに著 者 の 意 向 に よ っ て フ ォ ン トを 変 えて あ る もの もあ るの で 、一 般 的 に グ ラ フ ィ ックデ ザ イ ンの 世 界 や コ ン ピュ ー タ な どで 広 く使 われ て い る明朝 体 を選 ぶ こ とにす る。行 間 も グ ラ フ ィ ッ クデ ザ イ ン の世 界 で 標 準 と され て い る、 フ ォ ン トサイ ズ(pt)の2倍 の 数 値 か ら1pt 引 い た もの に設 定 す る。 以 下 が そ の概 要 で あ る。
紙 面 の 色(C:8%、M:5%、Y:4%、K:4%) フ ォ ン トの 種 類 小 塚 明 朝Pro
フ ォ ン トフ ァ ミ リ ーR(レ ギ ュ ラ ー) フ ォ ン トサ イ ズ9.5pt
文 章 の 行 間18pt
3.2.簡 略 化 文 字 を置 換 した文 章 の 組 方 向 に 関 す る評 価 実 験
まず 組 み 方 向 に よっ て今 後 の調 査 に 差 が 生 じる可能 性 が あ るか を調 べ る。
3.2.1.調 査 対 象
本 研 究 の調 査 を お こな う上 で の調 査 対 象 で あ るが 、 書 籍 や 新 聞 の読 み 手 と して 、 日本 の 漢 字 を読 む 対 象 と して 、そ れ らは対 象 を絞 っ て な い こ とか ら年 齢 や視 力 の状 態 な どで カ テ ゴ リ分 け をせ ず 文 章 中 に 出 て く る標 準 時 の漢 字 を読 む こ とが で き る 者 を対 象 に調 査 をお こな う。
3.2.2.調 査 概 要
文 章 の組 方 向 が 縦 組 み と横 組 み の2構 成 の文 章 に 同 じ度 合 い に簡 略 化 した文 字 を 同量 の 割 合 で埋 め 込 み 、2構 成 そ れ ぞ れ につ い て のSD法 に よ る調 査 方 法 をお こな う。
そ の評 価 項 目に つ いて は質 問 「2構成 に対 して 、違 和 感 を感 じる/違 和 感 を感 じな
い」の1項 目を設 定す る。 結果 に差異が見 られ る場合 は続 いてお こな う調査 で引 き 続 き並列 して調査 をお こない、差異 が見 られ ない場合 は以後 この組方 向2種 につい ての調査はお こなわない。なお組 方向の変化 に よる印象 に変化 につ いての対照実験 として簡 略化 された文字 を含 まない文章で も同様 の調査 をお こない、結果 ででた差 異 を無視 で きるもの か ど うかを判 断す る基準 とす る。
3.2.3.調 査 結 果
● 同 文 章2構 成 間 に お い て 読 了 後 比 較 して 違 和 感 を(覚 え な い)1‑2‑3‑4‑5(覚 え る)
被 験 者abcdefghijklmn。pqrst Ave.
簡 略 漢 字:有11221211221112211211 1.4
簡 略 漢 字:無11121211211112211211 1.3
表1調 査 実 験3.2結 果
以上 の結果 よ り、縦組 み で も横組 みで も文字の組 み方 向に よって生 まれ る評価 の 差 は無視 でき るもの と考 え られ る。また縦組み と横 組み が どち らが優 位 かにつ いて は普段 どち らの組み構 成 を よ く目に してい るかで多少 の差 が生 まれ る と大 日本 印 刷 の研究結果 にはでてい る。 よって以下であつ か う2つの実験 について は生理 的な 面 を考慮 し、組 み方 向を横組 みについての ものだけに絞 ってお こな うこ とに した。
3.3.簡 略 化 の 度 合 い を決 定 す る評 価実 験
続 い て 簡 略 化 の適 正 な度 合 い を決 定す るた めの 調 査 実 験 をお こな う。
3.3.1.調 査 対 象
本研 究 の調査 をお こな う上での調 査対象 であ るが、書籍や新 聞 の読み 手 として、
日本 の漢字 を読 む対 象 として、それ らは対象 を絞 って ない こ とか ら年齢や視 力 の状 態 な どでカテ ゴ リ分 け をせず 文章 中に出て くる標準 時の漢字 を読む こ とが で きる 者 を対象 に調査 をお こな う。
3.3.2.調 査 概 要
簡 略 化 した文 字 を文 章 の 中に 埋 め込 み 、 どの程 度 の簡 略化 で 違 和 感 を感 じる か 、 さ らに 違 和 感 を感 じ る と して も読 む事 に 対 して は支 障 が な い の か を調 査 し文 字 の 簡 略 化 の文 字 と して の 限界 点 を探 して い く。簡 略 化 の度 合 い に よっ て 、 どの よ うな 差 異 が 生 じるか を見 る た め 、3種 類 の 度 合 い の違 う文 章 を用 意 しそ れ ぞれ に つ い て のSD法 に よ る調 査 方 法 を とる。 そ の評 価 項 目につ い て は 質 問 項 目(1)「 文 字 に対 して 、 違 和 感 を感 じる/違 和感 を感 じな い 」、 質 問項 目(2)「 漢 字 が 、読 む事 が 易 しい/読 む 事 が難 しい 」、 質 問 項 目(3)「 文 章 を、読 む事 が で き る/読 む事 が で き ない 」の3項 目を設 定 す る。一 定 数 の集 計 が取 れ た後 、評 価 の高 か っ た2種 とさ らに そ の2種 の 間 の 度 合 い の フ ォ ン トを1種 作 成 しそれ を加 えた3種 で 同様 に調 査 を お こ な う。(例:簡 略 化 の度 合 い10%、50%、90%で 調 査 を し、10%の もの と50%の も の が90%の もの よ り評 価 が 高 か った とき 、新 た に30%の もの を作 成 し10%、30%、
50%の3種 類 で 再 度 調 査 をお こ な う。)こ の調 査 を繰 り返 し適 正 な度 合 い をは か る。
3種 類 の 中で の優 劣 の付 け方 につ い て は先 に述 べ たSD法 で の評 価 項 目で あ る3項 目 内で5段 階 の段 階 を設 定 し、3項 目の 平 均値 な どで比 較 す る。
3.3.3.調 査 結 果
(以下 数段 階の簡略適応文 章/SD法 に基づ く数値比較表)
採 用行 動 解明 した大 著
長 期雇 用 と年 功 賃金 に よ って特徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シ ス テ ム は、両 大 戦 間の 時 代 に成 立 し、戦 後 の 労働 改 革 を 経 て完 成 、 そ れ はキ ャ ッチ ア ップ型工 業 化 を進 め る上 で 、企業 が熟 練 労 働者 育 成 を内部 的 に行 うこ とを選 択 した結 果 であ る と考 え られ て きた。
本 書 は 通常 「終身 雇 用」 と称 され る この特 質 を雇 用 継 続 の 問題 と して捉 えて い る ので は な く、入 り口 の問題 、 す な わ ち就 職 が 一 回 限 りの選 択 に よ っ て決 まる 「就 社」 で あ る とい う点 に求 め、企 業 の採用 行動 を様 々な資 料 か ら解 明 した大著 で あ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 に おい て も確 立してい なか った(2)無 垢(む く)な 労 働 者 を若 い うち に 囲い 込 み、基 幹 工 へ と養 成 す る こ とが一 般 化 した の は、50年 代 に職安 によ る需 要供 給 と指 導 の体制 が構 築 され てか らだ った(3)し か し、労 働力 を卒業 時 に直接採 りた い とい う志 向 は、
技 術 系 のホ ワイ トカ ラー を 中心 に第1次 世界 大戦 前 か らあ り、35 年 ごろ まで に は多 くの企 業 が職 員 を新 規 学卒 者 の定期 採 用 に よ っ て雇 用 してい た(4)ブ ル ー カ ラー の 間で も、熟練]二とい うよ りプ ロセ ス ワ ー カー に おい て若 年者 の採 用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育 成 が多 か った。
これ らは定 説 に大 き な変 更 を迫 る斬新 な もの で あ る。 それ に加 え、 従来 の見 解 の 根 拠 とな って い た調査 個 票 を再 吟 味 し、そ の 結 論 を覆 して ゆ く記述 や 、組 織 ぐるみで就職 斡 旋(あ っせ ん)を 行 っ て い た学 校 と事 実 上 従 業員 の 選抜 を 学校 に委 ね てい た企 業 とのや り と り、高 度 成 長 の 時代 を全 速 力 で駆 け抜 け て きた 職安 の営 為 と 思い 入 れを叙 述 す る部分 な どは読 み応 えが あ る。
も っ と も、 これ らの発 見 事実 を分析 し、新 た な全 体 像 を提 示 す る とい う点 で は物 足 りな さ が感 じられ る。説 明 が ア ドホ ック に流 れ 、統 計 処理 に 問題 が 散見 され る の も残念 で あ る。 とは い え、今 後 は誰 しも著 者 が見 い だ した事実 か ら出発 せ ざ る を得 な い。 そ う い う意 味 では本 書 は画期 的 な研究 成果 とい え よ う。
図5実 験 資 料A
採 用行動 解 明 した大著
長 期 雇 用 と年 功 賃 金 に よ って特 徴 づ け られ る 口本 の雇 用 シス テ ム は、 両大戦 間 の 時代 に成 立 し、戦後 の労 働改 革 を経 て完 成 、 そ れ は キ ャ ッチ ア ップ型 工 業化 を 進 め る上 で、企 業 が 熟練 労 働者 育 成 を 内部的 に行 う こ とを選 択 した結果 で ある と考 え られ て きた。
本書 は通 常 「終 身 雇 用」 と称 され る この 特質 を雇 用 継続 の 問題 と して 捉 え てい るの で はな く、 入 り口の 問題、 す な わ ち就職 が 一 回 限 りの選 択 に よ って決 ま る 「就社 」 で ある とい う点 に 求 め、企 業 の採 用行 動 を様 々な 資料 か ら解明 した大著 であ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 におい て も確 立 してい なか った(2)鉦 垢(む く)な 労 働 者 を若 い うちに 囲 い 込み 、基幹 工 へ と養 成 す る こ とが一 般 化 した の は、50年 代 に職 安 に よる需要 供給 と指導 の休 制が構 築 され て か らだ った(3)し か し、労働 力を卒 業 時に直接 採 りた い とい う志 向は、
技 術系 の ホ ワイ トカ ラー を 中心 に第1次 世界 大戦 前か らあ り、35 年 ごろ ま で には 多 くの企 業 が職 員 を新規 学 卒者 の定期 採 用 に よっ て 雇用 してい た(4)ブ ルー カ ラーの 間で も、熟 練工 とい うよ りプ ロセ ス ワ ー カ ー に お い て若 年 者 の 採用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育成 が多 か っ た。
これ らは定 説 に大 きな 変更 を 迫 る斬新 な もの で あ る。 それ に加 え、従 来 の 見解 の根 拠 とな って い た調査 個 票 を 再吟 味 し、そ の 結 論 を覆 してゆ く記述や 、組織 ぐるみ で就 職 斡旋(あ っせ ん)を 行 っ てい た学 枝 と事 実 上従 業 員 の選 抜 を学校 に委 ね てい た企 業 との や りと り、 高 度 成長 の時 代 を全 速 力 で駆 け抜 け て きた職 安 の営為 と 忌 い入 れ を叙述 す る部 力 な どは読み応 えがあ る。
もっ とも、 これ らの 発見 事 実 を分 析 し、 新 たな 全休 像 を 提 示 す る とい う点 で は物 是 りな さが感 じられ る。説 明 が ア ドホ ック に流 れ 、ti計 処 理 に 問題 が散見 さ れ るの も残 念 で あ る。 とは い え、 今 後 は誰 し も著 者 が 見 い だ した事 実 か ら出発 せ ざ るを得 ない。 そ う い う意 味 で は本書 は画 期 的 な研 究成 果 とい えよ う。
図6実 験 資 料B
採用 行動 解 明 した大著
長期 雇 月 と年 功 賃金 に よ って特 徴 づ け られ る 口本 の 雇用 シス テ ム は、 両大 戦 間 の時 代 に成 立 し、職後 の 労働 改革 を経 て 完成 、 そ れ は キ ャ ッチ ア ップ型 工業 化 を進 め る上 で、 企業 が 熟練 労 働 者 育 成 を 内部的 に行 う ことを慧択 した結呆 であ る と考 え られて き た。
本 書 は道 常 「終 身雇 用 」 と称 さ れ る この特 質 を 雇 用継 続 の問題 と して択 えて い る ので は な く、入 り口 の問題 、す な わ ち就 職 が 一 回限 りの¥yam択に よっ て決 まる 「就 祖 であ る とい う点 に 求 め、 企 業 の採 用行 動 を様 々な資 料 か ら解 明 した大著 で あ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 に おい て も碓 立 してい なか った(2)血 垢(む く)な 労 働 者 を若 い うち に 囲い 込 み、基 幹 工 へ と養 成 す る こ とが 一般 化 した の は、50年 代 に職 安 によ る需 要供給 と指導 の休制 が梢築 され てか らだ った(3)し か し、労働 力 を拳業 時 に1血接採 りたい とい う志 向 は、
技術 系 のホ ワイ トカ ラーを 中心 に第1次 世界 大戦 前か らあ り、35 年 ごろ まで に は 多 くの企 業 が職 員 を 新規 学 本 者 の定期 採 用 に よ っ て雇 月 してい た(4)ブ ル ー カラー の間 で も、熟練 工 とい うよ りプ ロセ ス ワー カ ー に おい て 若 年者 の採 用 と職 場 内訓 緯(OJT)に よ る育 成 が多 か った。
これ らは 定説 に大 き な変 更 を迫 る斬新 な もの で あ る。 それ に加 え、従 来 の 見解 の 枳 拠 とな って いた 調査 個 票 を 再吟 咲 し、 その結 論 を覆 してゆ く記述 や 、組 織 ぐるみ で就 職斡 旋(あ っせ ん)を 行 っ て い た学 技 と孕 実 上 従業 員の≧茎抜 を学 校 に委 ね てい た企 業 との や り と り、高 度 成 長 の 時代 を全 遠 力 で駆 け 抜 け て きた職 安 の営 為 と ,nい 入 れを叙 述 す る部Aな どは読 み応 えが あ る。
も っ と も、 これ らの究 見 事実 を 分析 し、新 た な全 休 像 を捉 示 す る とい う点 で は物 兄 りな さが 感 じられ る。説 明 が ア ドホ ッ ク に流 れ、 統 計 処理 に 問題 が散 見 さ れ るの も残 念 であ る。 とは い え、今 後 は誰 しも一t..,t者が見 い だ した票 実 か ら昌発 せ ざ るを 得 な い。 そ う
い う意 叶で は本 書 は画 畑 的 な研究 成果 とい え よ う。
図7実 験 資 料C
採用 行 動解 明 した大著
長 期 雇 用 と年功 賃 金 によ って特 徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シス テ ム は 、両 大 戦 間 の時 代 に成立 し、戦後 の労 働改 革 を経 て完 成、 そ れ は キ ャ ッチ ア ップ型 工 業化 を 進 め る上 で、企 業 が 熟練 労 働 者 育 成 を 内部 的 に行 うこ とを選 択 した結果 で ある と考 え られ て き た。
本 書 は通 常 「終 身 雇 用」 と称 され る この特 質 を雇 用 継 続 の 問題 として捉 え てい るの で はな く、 入 り口の 問題 、す な わ ち就 職 が一 回 限 りの選 択 に よ って決 ま る 「就社 」 で あ る とい う点 に求 め、企 業 の採 用行 動 を様 々 な資料 か ら解明 した大 著 であ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 にお いて も確 立 して いなか っ た(2)無 垢(む く)な 労働 者 を 若 い うち に囲 い込 み 、基 幹工 へ と養 成 す る ことが一 般 化 した の は、50年 代 に職 安 に よる需要 供給 と指導 の体 制 が構築 され てか らだ った(3)し か し、労働 力 を卒 業 時に直 接採 りたい とい う志 向は 、 技術 系 の ホ ワイ トカ ラー を中心 に第1次 世界 大戦 前 か らあ り、35 年 ごろ ま で に は多 くの企 業 が職 員 を新規 学 卒者 の定 期採 用 に よっ て雇 用 してい た(4)ブ ルー カ ラーの 間で も、熟 練 工 とい うよ りプ ロセ ス ワー カー にお い て若 年 者 の採 用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育成 が 多 か った。
これ らは定 説 に大 き な変更 を迫 る斬 新 な もの で あ る。 それ に 加 え、従 来 の見 解 の根 拠 とな っ てい た調 査個 票 を 再 吟味 し、 その 結 論 を覆 して ゆ く記 述 や、組織 ぐるみ で就職斡 旋(あ っせ ん)を 行 っ てい た学校 と事 実 上従 業 員 の選 抜 を学 校 に委 ね てい た企業 とのや り と り、高 度 成長 の時 代 を全 速 力 で駆 け抜 けて き た職 安 の営 為 と 思 い入 れ を叙 述 す る部分 な どは読 み応 えが ある。
も っ と も、 これ らの発 見事 実 を分 析 し、 新 た な全 体像 を提 示 す る とい う点 で は物 足 りな さが感 じられ る。説 明 が ア ドホ ック に流 れ、統 計 処 理 に問題 が散 見 され るの も残 念 で あ る。 とはい え、今 後 は誰 し も著 者 が 見 い だ した事実 か ら出発 せ ざ るを得 な い。 そ う い う意 味 で は本 書 は画期 的 な研究 成果 とい えよ う。
図8実 験 資 料D
●SD法 によって簡 略 化 の 度合 いを はか る調 査 実 験結 果
(1)文 字 に 対 して違 和 感 を(感 じる)1‑2‑3‑4‑5(感 じな い) (2)漢 字 に 対 して読 む 事 が(難 しい)1‑2‑3‑4‑5(易 しい) (3)文 章 として 読 む 事 が(出 来 な い)1‑2‑3‑4‑5(出 来 る)
被 験 者abcdefghjkmn。pqrst Ave.
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4.25 3.95 4.7 表2評 価 実 験3.3結 果
簡 略化 され て い な いA(図5)と 簡 略 化 の 度 合 いC(図7)を 比 べ て み る と質 問 項 目(1)と 質 問 項 目(2)に つ い て は簡 略 化 の度 合 い を大 き く した こ とに よっ て数 値 の低 下 が 強 くみ られ た 。 しか し質 問項 目(3)の 「読 む こ とが 出来 る/出 来 な い 」 の質 問 項 目に つ い て は簡 略 化 の 度 合 い に 関 わ らず シル エ ッ トを保 持 して さ え いれ ば数 値 に大 き な差 が で な い こ とが 分 か った 。
また 簡 略 化 され て い な いAと 簡 略化 の度 合 いB(図6)を 比 べ て み る と全 質 問項 目 で 平 均 的 にBに つ い て の数 値 が小 さ くな っ て い る もの の 、被 験 者 に よ っ て はAとB で 値 が 逆 転 して い る とい う結 果 が 見 られ る。この こ とか ら簡 略 化 に よ って 生 まれ る 簡 略 漢 字 の有 用 性 が あ る こ とが 分 か った。そ して さ らにそ れ を昇 華 す る た め にAと Bの 間 の 度 合 いDを 作 成 し、 同様 の実 験 をお こな っ た。
そ の 結 果 、Bよ りも総 合 的 に 数値 の 大 きいD(図8)を 作 成 で き た。
そ こで 以 上 の こ とか ら質 問 項 目(3)の よ うな簡 略 漢 字 の 可 読 性 の 可能 性 の 拡 が りよ りも、視 認 性 の保 持 や 文 字 表 記 と して の 目的 を考 え た上 で 、総 合 的 にポ イ ン ト の 高 か っ た度 合 いDに 簡 略 化 の 度 合 い を合 わせ 常用 漢 字 の 作成 をす る こ とに した 。
3.4.文 章 中へ の 置 換 度 合 い を決 定 す る評 価 実 験
最後 に適正 な簡略 化 をお こなった漢字 を どの程度 置換 す るのが適正 か を調査 す る実験 をお こな う。
3.4.1.調 査 対 象
本研究 の調 査 をお こな う上での調 査対象であ るが、書籍や新 聞の読み 手 として、
日本 の漢字 を読む対象 として、それ らは対象 を絞 ってない こ とか ら年齢や視 力の状 態 な どで カテ ゴ リ分 けをせず 文章 中に 出て くる標 準時の漢字 を読む こ とが で きる 者 を対象 に調 査 をお こな う。
3.4.2.調 査 概 要
簡 略 化 した 文 字 を文 章 の 中 に埋 め込 み 、 どの程 度 の 簡 略 化 で 違 和 感 を感 じるか 、 さ らに違 和感 を感 じる と して も読 む 事 に対 して は 支 障 が な い の か を調 査 し文 字 の 簡 略 化 の 文 字 と して の 限界 点 を探 して い く。置換 の 度合 い に よ って 、どの よ うな差 異 が生 じるか を見 る た め 、3種 類 の度 合 い の違 う文 章 を用 意 しそ れ ぞれ に つ い て の SD法 に よる調 査 方 法 を とる。 そ の評 価 項 目につ い て は質 問項 目(1)「 文 字 に 対 し て 、違 和感 を感 じる/違 和感 を感 じな い」、 質 問項 目(2)「 漢 字 が 、読 む 事 が 易 し い/読 む 事 が 難 しい 」、質 問 項 目(3)「 読 む事 が で き る/読 む 事 が で き な い 」 の3 項 目を設 定 す る。一 定 数 の集 計 が取 れ た後 、評価 の 高 か っ た2種 とさ らに そ の2種 の 間 の 度 合 い の フ ォ ン トを1種 作 成 しそ れ を加 え た3種 で 同 様 に調 査 を お こ な う。
(例:置 換 の 度 合 い10%、50%、90%で 調 査 を し、10%の もの と50%の もの が90%
の もの よ り評 価 が 高 か った とき 、新 た に30%の もの を作 成 し10%、30%、50%の3
種 類 で 再 度 調 査 を お こな う。)こ の調 査 を繰 り返 し適 正 な度 合 い を は か る。3種 類 の 中 で の優i劣の 付 け方 に つ い て は先 に述 べ たSD法 で の評 価 項 目で あ る3項 目内 で5段 階 の 段 階 を設 定 し、3項 目の 平 均 値 な どで比 較 す る。
3.4.3.調 査 結 果
(以 下 数 段 階 の 簡 略 適 応 文 章 とSD法 に 基 づ く数 値 比 較 表)
採 用 行動 解 明 した大著
長 期 雇用 と年 功 賃金 に よ って特徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シス テ ム は、 両大 戦 間の 時代 に成 立 し、戦 後 の 労働 改 革 を 経 て完 成 、 そ れ はキ ャ ッチ ア ッ プ型 工業 化 を進 め る上 で 、企 業 が熟 練 労 働 者育 成 を内部 的 に行 うこ とを選 択 した結 果 であ る と考 え られ て きた 。
本 書 は通 常 「終 身 雇 用」 と称 され る この特 質 を雇 用 継 続 の 問題 と して捉 えて い るの で は な く、入 り口 の問題 、 す な わ ち就 職 が一 回限 りの 選 択 に よ っ て決 ま る 「就 社」 で あ る とい う点 に求 め、企 業 の採用 行動 を 様 々な資 料か ら解 明 した大著 で あ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 にお い て も確 立 して い なか った(2)無 垢(む く)な 労働 者 を若 い うち に 囲い 込 み、基 幹 工へ と養成 す る こ とが一 般 化 した の は、50年 代 に職 安 に よ る需 要供給 と指 導 の体制 が構 築 さ れて か らだ った(3)し か し、労働 力 を卒業 時 に直 接 採 りたい とい う志 向は 、 技 術系 のホ ワイ トカラー を 中心 に第1次 世界大 戦 前 か らあ り、35 年 ご ろま で に は多 くの企 業 が職 員 を新 規 学卒 者 の定 期 採 用 によ っ
て雇用 して い た(4)ブ ルー カラー の間 で も、 熟練 工 とい うよ りプ ロ セ ス ワー カー にお い て若 年 者 の 採用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育成 が 多か った。
これ らは定 説 に 大 き な変更 を迫 る斬 新 な もので あ る。 そ れ に加 え、従 来 の見 解 の根 拠 とな っ てい た調 査個 票 を再 吟 味 し、 そ の結 論 を覆 して ゆ く記 述 や、組織 ぐるみ で就 職 斡旋(あ っせ ん)を 行 っ てい た 学校 と事 実 上従 業 員 の選 抜 を学 校 に委 ね て い た企 業 とのや りと り、 高 度 成長 の時 代 を全 速 力 で駆 け抜 け て き た職 安 の営 為 と 思 い入 れ を叙述 す る部 分 な どは読 み 応 えがあ る。
も っ とも、 これ らの発 見 事 実 を分 析 し、新 た な全 体 像 を提 示 す る とい う点 で は物 足 りな さが感 じ られ る。 説 明 が ア ドホ ッ クに流 れ 、統 計 処 理 に 問題 が 散 見 され るの も残 念 で あ る。 とはい え、今 後 は 誰 し も著 者 が 見 い だ した事 実 か ら出発 せ ざ るを得 ない 。 そ う
い う意 味 では本 書 は画期 的 な研究 成果 といえ よ う。
図9実 験 資料E
採 用行 動 解 明 した大著
長 期 雇用 と年 功 賃金 に よ って特 徴づ け られ る 日本 の雇 用 シ ステ ム は、 両大 戦 間 の 時代 に成 立 し、戦 後 の 労働 改 革 を経 て完 成 、そ れ はキ ャ ッチ ア ッ プ型工 業 化 を進 め る上 で 、企 業 が熟 練 労働 者 育 成 を 内部 的 に行 うこ とを選 沢 した結 果 であ る と考 え られ て きた。
本 書 は通 常 「終 身 雇 用」 と称 さ れ る この特質 を雇 用 継続 の 問題 と して捉 え て い るの で は な く、入 り口 の問題 、 す なわ ち就 職 が 一 回限 りの 選 択 に よ っ て決 ま る 「就 社」 で あ る とい う点 に求 め、 企 業 の採 用 行動 を様 々な資料 か ら解 明 した大著 で ある。
(1)「 企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 にお い て も確 立 してい なか った(2)無 垢(む く)な 労 働 者 を若 い うち に 囲い 込 み、基 幹 工 へ と養 成す る こ とが 一 般化 した の は、50年 代 に職 安 に よ る需 要供給 と指 導 の体制 が構 築 され てか らだ った(3)し か し、労働 力 を卒業 時 に直接 採 りたい とい う志 向 は、
技 術 系 のホ ワイ トカラー を 中心 に第1次 世界 大戦 前か らあ り、35 年 ごろ まで に は多 くの企 業 が職 員 を新 規 学卒 者 の定 期 採 用 に よ っ
て雇 用 して い た(4)ブ ル ー カラー の 間で も、 熟練 工 とい うよ りプ ロ セ ス ワー カー に おい て 若 年者 の採 用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育 成 が多 か った。
これ らは定 説 に大 き な変 更 を迫 る斬新 な もの であ る。 そ れ に加 え、 従 来 の見 解 の 根拠 とな って いた 調査 個 票 を再 吟 味 し、 そ の結 論 を覆 して ゆ く記述 や 、組 織 ぐるみで就 職斡旋(あ っせ ん)を 行 っ て い た学 校 と事 実 上 従 業員 の選 抜 を 学校 に委 ね て い た企 業 とのや りと り、高 度 成 長 の 時代 を全 速 力 で駆 け抜 け て きた職 安 の 営為 と 思い 入 れを叙 述 す る部分 な どは読 み応 えが あ る。
もっ とも、 これ らの発 見 事実 を分 析 し、新 たな全 体 像 を提 示 す る とい う点 で は 物足 りな さ が感 じ られ る。説 明が ア ドホ ッ クに流 れ、 統 計 処 理 に 問題 が 散 見 され るの も残念 であ る。 とは い え、今 後 は誰 しも著者 が見 いだ した事 実 か ら出発 せ ざ る を得 な い。 そ う い う意 味で は本 書 は画期 的 な研 究成果 とい えよ う。
図10実 験 資 料F
採 用行 動解 明 した大著
長期 雇 用 と年功 賃 金 に よ って特 徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シ ス テ ム は、 両大 戦 間 の 時代 に成 立 し、戦 後 の 労働 改 革 を経 て完 成 、 そ れ はキ ャ ッチ ア ップ型 工 業 化 を進 め る上 で、 企 業 が熟 練 労働 者 育 成 を 内部 的 に行 うこ とを選 択 した結果 で あ る と考 え られ て きた。
本 書 は 通常 「終 身 雇 用」 と称 され る この特質 を雇 用 継続 の 問題 と して 捉 えて い るの で は な く、 入 り口の 問題 、 す なわ ち就職 が 一 回限 りの 選 択 に よ って決 ま る 「就 社」 で あ る とい う点 に求 め、企 業 の採 用 行動 を 様 々な資 料か ら解明 した大 著 で あ る。
(1)「 企 業 封 鎖 的 」な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 にお い て も確 立 して いなか った(2)笹 垢(む く)な 労 働 者 を 若 い うち に 囲い込 み 、基 幹工 へ と養 成 す る こ とが一 般 化 した のは 、50年 代 に職 安 に よ る需要 供給 と指 導 の休 制 が構 築 され てか らだ った(3)し か し、労働 力を卒 業 時 に直 接 採 りたい とい う志 向は 、 技術 系 のホ ワイ トカラー を 中心 に第1次 世界 大戦 前か らあ り、35 年 ご ろ まで に は多 くの企 業 が職 員を新 規学 卒 者 の 定期 採 用 に よ っ
て雇 用 して い た(4)ブ ルー カ ラー の間 で も、 熟練 工 とい うよ りプ ロ セ ス ワー カー にお い て若 年 者 の 採 用 と職 場 内訓 練(OJT)に よ る育成 が多 か った。
これ らは 定説 に大 き な変更 を迫 る斬 新 な もの であ る。そ れ に 加 え、従 来 の見 解 の根 拠 とな っ てい た調 査 個票 を再 吟 味 し、 そ の結 論 を覆 して ゆ く記 述 や、組織 ぐるみ で就職 斡旋(あ っせ ん)を 行 っ てい た学校 と事 実 上従 業 員 の選 抜 を学 校 に委 ね て い た企 業 との や り と り、高 度 成 長 の時 代 を全 遠 力 で駆 け抜 けて き た職 安 の 営為 と 忌 い入 れ を叙述 す る部分 な どは読 み応 えが ある。
も っ と も、 これ らの 発見 事 実 を分 析 し、 新 た な全 休 像 を 提示 す る とい う点 で は物 足 りな さが感 じ られ る。説 明 が ア ドホ ッ クに 流 れ、統 計処 理 に問題 が散 見され るの も残 念 で あ る。 とは い え、 今 後 は誰 しも著 者 が 見 い だ した事 実 か ら出発 せ ざ るを得 な い。 そ う
い う意味 で は本 書 は画 期 的な研 究成果 とい えよ う。
図11実 験 資料G
採用 行 動解 明 した大 著
長 期 雇 用 と年 功 賃 金 に よ って特 徴 づ け られ る 日本 の雇 用 シ ス テ ム は、 両 大 戦 間 の時 代 に成 立 し、戦後 の労働 改 革 を 経 て完 成 、 そ れ は キ ャ ッチ ア ップ型 工 業化 を 進 め る上 で、企 業 が熟 練 労働 者 育 成 を 内部的 に行 うこ とを選択 した結果 であ る と考 え られ て きた。
本 書 は通 常 「終 身 雇用 」 と称 さ れ る この特 質 を雇 用 継 続 の 問題 と して捉 えて い るの で はな く、 入 り口 の問 題、 す な わ ち就職 が一 回 限 りの選 択 に よ って決 ま る 「就社 」 であ る とい う点 に求 め、企 業 の採 用行 動 を様 々 な資料 か ら解 明 した大著 で あ る。
(1)「企 業 封 鎖 的」 な 内 部 労 働 市 場 は 両 大 戦 間 に あ っ て も、
1950年 に おい て も確立 してい なか った(2)無 垢(む く)な 労働 者 を若 い うち に囲 い込 み 、基幹 工 へ と養 成 す る こ とが一 般 化 した の は、50年 代 に職 安 に よる需要供 給 と指導 の体 制が構 築 さ れてか らだ った(3)し か し、労働 力を卒 業時 に直接 採 りた い とい う志 向は、
技術 系 の ホ ワイ トカ ラーを 中心 に第1次 世界 大戦 前 か らあ り、35 年 ごろ ま で に は多 くの企業 が 職 員を 新規 学 卒者 の 定期 採 用 によ っ て雇 用 してい た(4)ブ ルー カ ラー の 間で も、熟練 工 とい うよ りプ ロセ ス ワー カ ー に お い て若 年 者 の採 用 と職 場 内訓 練(0∫r)に よ る育 成 が多 か っ た。
これ らは定 説 に大 きな 変更 を 迫 る斬 新 な もの で あ る。 そ れ に加 え、従 来 の 見 解 の根 拠 とな って い た調査 個 票 を再 吟 味 し、 そ の結 論 を覆 して ゆ く記 述 や、組織 ぐるみ で就 職斡 旋(あ っせ ん)を 行 っ てい た学 校 と事 実上 従 業 員 の選 抜 を学校 に委 ね てい た企 業 とのや り と り、高 度成 長 の時 代 を全速 力で 駆 け抜 け て きた 職安 の 営 為 と 思 い入 れ を叙 述す る部 分 な どは読み応 え があ る。
も っ とも、 これ らの発見 事 実 を分 析 し、新 たな 全体 像 を 提 示 す る とい う点 で は物 足 りな さが感 じ られ る。 説 明 が ア ドホ ックに流 れ 、統 計 処 理 に問題 が散 見 さ れ るの も残 念 で あ る。 とは い え、今 後 は誰 し も著 者 が 見 い だ した事 実 か ら出発 せ ざ るを得 な い。 そ う い う意 味 で は本書 は画期 的な研 究成 果 とい えよ う。