詮券需給の圖式的表現
■
木村増
三
序
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誰雰の市場償格の問題は︑その時々の取引成立に俘なう個々の橿格形成の問題と︑個別誰雰・誰券群または総誰雰
について考えられる市償水準の問題とに︑大別することができる︒市慣水準の問題は︑さらに︑市償の安定的水準
(謹舞需給者の期待の欺態をほぼ一定と假定した場合︑もしくは︑期待の歌態が現實にぼぼ一定している場合に︑誰
雰市償の落ちつくべき安定的水準)の問題と︑誰券市慣がある水準から他の水準へ移動する際の市慣憂動過程の問題
とに︑分けることができる︒本稿では︑このうち誰券市償の安定的水準について︑その基盤である鐙券需給の欺態
と︑それにもとつく市慣水準の成立とを︑いかに圖表化するかという問題を︑若干考察してみたいと思う︒
̀誰雰需給は︑.直接には︑鐙券の側面から諮雰需要および誰雰供給として把握・表現することもできれば︑代金であ
る貨幣の側面から貨幣供給および貨幣需要として把握・表現するとともできる︒誰雰市償水準の基盤たる需給欺態に
ユ やっいて︑誰券の側面からその圖式的表現を試みたものにウィリアムズ﹃投資贋値の理論﹄があり︑貨幣の側面から表
現したものにケインズ﹃雇傭・利子および貨幣の一般理論﹄がある︒本稿では︑この爾者を手がかりとして考えて行
鐙雰︑需給め圖式的表現
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きたいと思う︒22
ー ウ ィ リ γ ム ズ ﹃ 投 資 便 値 の 理 論 ﹄ Q ︒ ゲ 昌 蟹 を 已 置 ヨ ⁝ ︑︑ 目 ゲ ① 9 ゲ φ ︒ 噸 ︒ h 冒 く ︒ ︒・ け ヨ ・ 具 く 巴 目 ρ .・ 日 O も︒ ○︒ ) 第 一 編 第 一 部 の 第 三 章 ﹃ 限 5
ゆ界意見と市場慣格﹄(℃ヤHH〜自)ーウィリアムズはこの章において︑個別謹券についての︑需給朕態およびそれにもとつく市
偵水準の︑謹雰の側面からする圖表化あ試みている︒ウィリアムズに︑個々の債格形威の問題と市債水準の成立の問題との匠別
な考えていないボ︑その分析している問題ほ︑私見によれげ︑市偵水準の成立にほかならない︒なぜなら︑個々の慣絡形成にお
いてに︑その時々に市場の表面に現われる需給だけが問題であつて︑したがつて需給全般の朕態はその部分部分が市揚に出現す
うに慮じて遂次成立する償格の連鎖において間接的に表現される︑︑ととなり︑ま牲その需給全般の飛態が安定していろ場合のみ
叛らず墜動しつつある揚合なも考察の範園内に含むのであろが︑ウィリアムズに︑需給の全体な競野に入れ︑かつその歌態を一
定の輿えられたものとし糞上で︑市慣の落ちつく高さな考察しているからであろ︒
2ケィyズ﹃雇傭・利子および貨幣の一般理論﹄(一・寓・囚⑦同昌①3き日ヶ︒O︒昌①﹁巴目げ︒9蜜o州厨日℃︼o聴づ9e吻H鼻︒話緯碧山嵐oコ⑦審︑.
HOωa)第十三章﹃利子率の一般理論﹄(℃℃・日ひ帆〜H刈爵臨野谷九十九氏邦鐸書一・九八ー一二〇頁)および第十五章﹃流動性への心
理的ならびに産業的動因﹄(で℃.H置〜NOP邦課室口二三凸ハ﹁二五二頁)︒ーケィyズにここで︑特定の謹券群(債券)について︑
その需給全般の歌態およびそれにもとつく債格水準(債券偵格水準︑し穴がつて債券利回りないし債雰利牽水準)の成立を︑貨
幣的側面からの表現な以て︑考察していろ︒
ゆウィリアムズは二りの圖表を掲げているが︑いすれも︑市場にただ一種類の株式しか存在しない場合の表示であ
る︒しかしこれは︑市場にただ一種類の債雰しか存在しない場合にもあてはめて考えることができるから︑市場にた
だ一鍾類の鐙雰しか存在しない場合の圖表だと解してよいであろう︒ます軍純な方の圖から見て行こう︒(第一圖)
この圖においては︑誰券需給者は鐙寡投資者のみから成る(鐙券投機者は除外する)と假定されていも︒したがつ
亀 置 て謹券需給者は︑
第 一 図
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日投資の目的で現にその株式を所有している人女N.6
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5 ︑および口株式投資の意向をもち︑かつそれに用
い得る貨幣を所有する人々︑から成つている︒これらの投資者は各自に︑その株式
ヘユ の眞の橿値について自己の意見(將來に劉する各人の豫測にもとついた)をもつ︒
この圖の場合には︑一株百ドルに値すると考える人を最高とし︑一株二十ドルに値
すると考える八を最低として︑各人の意見はその聞に分布しでいる︒
圏において太く引かれた曲線は一種の需要曲線であつて︑曲線上の各顯は︑縦軸
によつて測られる一定の償値(▽)に封して︑それと同{またはそれ以上の償値を
認める人々の需要株敏の合計(R)を︑横軸によつて示している︒この場合需要株
蝕は︑それと同一またはそれ以上の償値を認める現株式所有者の所有株敏(現所有
者の持績需要)と︑同様の意見を竜つ貨幣所有者の買入可能株敏(買入需要)との合計である︒需要株敏は︑便値百
ドルに封しては最も少なく︑より低い償値に劃しては逐次増加し︑償値二十ドルに劃しては投資者のすべてが何らか
の株数を需要するに至り︑需要株数は最大限度に達する︒横軸の目盛は百万株軍位であるから︑贋値二十ドルに封す
る需要株数は︑圖において六百万株である︒
この株式の現存厳量は五百五十万株であつて︑すべて投資者によつて所有されている︒横軸において五百五十万株
の黙から垂線を立て︑これと曲線との交わる黙を皿とする︒市場橿格は皿の高さに決定される︒すなわち,市場債格
は︑その慣値に封する需嬰株籔が現存株激にちようど一致するところの償値の高さに決定される︒この市場償格と同
一の高さの償値を認める人々の意見を︑限界意見と呼ぶ︒そこで︑市場償格は限界意見において決定される︑という
ハ ことができる︒総投資者の意見の分布が攣化し︑需要曲線の形が攣ると︑市場償格は︑新しい需要曲線において需要
鐙劣需給の圖式的表現 ■
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唖
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株敏と現存株数とが一致する慣値の高さ(限界意見)に攣化する︒
ウィリアムズの読明の要鮎は以上に講き惹のであるが︑これに劉して芙干の補足と吟味を加えてみょう︒
eウィリアムズはこの圖を以て︑一定の需要曲線にもとつく市場慣格の決定を読明するものであると同時に︑その需
要曲線にもとつくあらゆる取引が終了した後の需要の瓶態をも示すものであると考乏ている︒すなわち︑圖の需要曲
線は︑市場慣格を限界顯(1})の高さに落ちつかせるに必要なある量の取引を誘焚する歌態を示すと同時に︑またそ
の取引が完了した後の需要の歌態をも示すものとして考えている︒彼が︑需要曲線は︑現存株数五百五十万株が市場
慣格以上の慣値を認める人々によつて所有せられ︑他方非所有者が貨幣を手持してより低い慣格で五十万株を買おう
としている歌態を示すと云つているのは︑あきらかに︑取引完了後の歌態をさしている︒
しかるに︑取引を誘焚する需要曲線と︑取引完了後の需要曲線とでは︑形が異なるはすであるゆなぜなら︑取引が
平均して市場償格で行われたとすれば︑費手(限界鮎以下の意見をもつ現所有者)は︑その所有株敏の費却によつて
す 得た貨幣で︑より低い橿値に封しては費却した株数よりもさらに多くの株数を需要し得るからである︒そこでわたく
しは︑ウィリアムズの圖における需要曲線は︑取引を誘獲する需要の歌態のみを示すものと解する︒
同圃の需要曲線は︑市場に出現する需給ないしは︑取引に結實する需給を︑直接には示していない︒結局において
取引に結實する需給は︑㈲限界貼以上の意見をもつ貨幣所有者の買入需要︑働限界黙以下の意見をもつ株式所有奢の
る 費却供給︑の二つである︒右のほか,限界貼よりわすかに高い意見をもつ株式所有者の供給と︑限界黒よりわすかに
低い意見をもつ貨幣所有者の需要とが︑市場に出現するであろうが︑彼らの需給は結局満たされない︒
圖において︑限界鮎における需要総株敏は示されているが︑その内鐸すなわち現株式所有者の持績需要と貨幣所有
者の買入需要とがそれぞれいくらであるかは示されていない︒委た限界外の投資者(限界鮎以僻下の橿値タ認める人
ハう 々)の償値二十ドルに封する需要株激は岡に示されす︑その内課すなわち株式所有者の所有株藪(これは市場橿格に
封しては費却供給となる)と︑貨幣所有者の買入可能株激(これは市場假格に封しては貨幣の持績となり︑需要とし
て現われない)とがそれぞれいくらであるかも示されていない︒
ただ︑限界内の投資者のうちに︑貨幣所有者が含まれているとすれば︑その限界勲における買入需要株数と同一の
株数が︑限界外の投資者によつて所有されているはすである︒したがつてその数はわからないが︑限界内貨幣所有者
の需要株数と︑限界外株式所有者の所有株敏ρ市場償格における費却供給量)とは相ひとしい︒そこで市場償格は︑
一定の需嬰歌態を前提とすれば︑ウィリアムズの表現とは別に︑買入需要株敏と費却供給株敏とが一致する高さに決
定される︑と云うこともできる︒
偶圖において︑貨幣所有者の所有貨幣量がいくらであるかは直接には示されていないが︑橿値二十ドルに野する需要
株数を分析すれば︑これを計算することができる︒すなわち︑橿値二十ドルに封しては︑全投資者が需要圏内にはい
るのであるから︑需嬰総籔六百万株の中には︑株式の現所有者の所有総株籔五百五十万株が︑すべて持績需要として
含まれているはすである︒そこで淺りの需要五十万株が︑貨幣所有者のものである︒慣値二十ドルに劉しては︑貨幣
所有者の所有貨幣の全額が買入需要となるのであるから︑貨幣総額は一千万ドルである︒
㈲以上において︑ウィリァムズの圖表には︑需給状態を樺成するさまざまな要素が︑多くは不明瞭のまま淺されてい
ることをみた︒その原因はおもに︑株式所有者の需給歌態と貨幣所有者の需給欺態とを︑匿別して表示しなかつたこ
とにある︒そこでわたくしは︑圖表の簡明さをあまりそこなうことなしに︑ウィリアムズの圖表をつぎのように書き
直してみた︒(第二圖)
圖においてA曲線はウィリアムズの需要曲線と同じものであり︑B曲線は新たに書き加えた︑株式所有奢のみの需
誼券需給の圖式的表現