芭 蕉連句年
盤P日
廣田
二
区良
芭墓審饗は・仏?湖申の﹃俳譜一葉集﹄(姦+年⊥八二㌣刊)鎗まぞ・肇爵氏の﹃轡蕉
一代集﹄(昭和六年⊥九三丁刊)にまで至つてゐ竪勝峯氏の護は・文政以謄和に至るまで2巴蕉研究の集
積の上になされてゐるのであつて︑﹃一葉集﹄からみて︑やはり一世紀以上を経ただけの豊富確実さを加へてある︒
しかし・その後のなみなき研究者の努力に義て︑﹃轡蕉一代集﹂も訂正され︑繕されなけかばならない点が
多く明らかにきれてきた︒それらの研究の成果の上に立つて︑当然新しい︑完全な芭蕉全集が編纂されなほさなけれ
ばならないであらう︒その基礎になるべき業績として︑すでに俳句・俳文・書簡等には︑すぐれた完全に近い作品集
が刊行され︑作品の制作年代についても綿密正確な推定がなされてゐる︒それによつて︑われわれは︑芭蕉の生涯に
わたつての作風・思想の展開のあとを見︑かれの作品の全体を知ることができるのであるが︑さうした中で︑全作品
ニ を収めた連句集はまだ刊行されてをらず︑年代推定にしても︑全作品にわたつては︑勝峯氏の線からは推し進められ
てゐない︒昭和二十六年刊の拙著﹃芭蕉連句集﹄も所収作品は︑歌仙・百韻合はせて四十八巻にすぎず︑同書附録の
芭蕉連句年譜
一1‑一
人文研究第十一輯
芭蕉年譜に掲げた連句作品も歌仙・百韻・五十韻・四十四だけをとりあげたにすぎなかつた︒完全な芭蕉全集編纂の
ための基礎作業の一環として︑信頼のおける芭蕉連句集を編纂することは私の念願とするところであるが︑そのしご
との一端として︑ここに﹁芭蕉連句年譜﹂を作つてみることにした︒このしごとは︑芭蕉の全作品にわたつて︑その
真偽を判定し︑制作年代を推定した上でなされなければならない︒つまり︑﹁年譜﹂は︑作品の真偽判定と制作年代
考証の結論として作製されるべきものである︒私も当然﹁年譜﹂といつしよに作品の真偽判定と制作年代に関する考
証も発表する予定でをつたが︑与へられた紙幅の制限から︑今回は﹁年譜﹂だけしか発表できなくなつてしまつた︒
真偽判定︑年代考証(成立考)については︑追つて︑なるべく近い将来に発表したいと考へてゐることを附記してお
く︒
年譜凡例
乃一全作品を制作年代順に排列して↓連番号を附した︒(同年同季の作品については︑厳密には制作の順序が判定できない場合が少くない︒さうした場合には︑同蝋出典所収のものについては出典における排列の順序︑出典の異る場
合には︑発句の季語等から適宜順序を与へてみた︒)
.二作品番号の下の()の申の符号は︑﹁百﹂は百韻︑﹁歌﹂は歌仙︑﹁半﹂は半歌仙︑﹁和漢﹂は和漢歌仙を示
し︑その他はすべて句数をあらはした︒たとへば五十韻は﹁五〇﹂︑四十四は﹁四四﹂︑表八句は﹁八﹂︑二十四
句の端物は﹁二四﹂の如くである︒
三附句は()でかこんで︑その一部分を示しておいた︒
四.連衆は全員を最初の一巡の順に挙げておいた︒従つて︑最初に挙げてあるのが発句の作者である︒また︑何名かを隔てて出てくる作者は︑その聞に・:⁝を引いてそのことを示しておいたコこれによつて作品の成立の事情も見う
一2一
るものがあるであらう︒
五出典は︑原則として最古の板本を挙げることにしたが︑中には一般によく知られてゐるものを採つた場合もあ
る︒刊本のないものは︑信頼するに足る写本稿本によつた︒
六備考欄には︑年代推定について参考になる事項︑なほ考慮を要する点﹂日時のはつきりルないもの等について適
宜摘記した︒
七普通の芭蕉作品集に採られてゐる作品の申︑真偽の疑はしいものとして本年譜に採らなかつたものを﹁存疑﹂と
して後に一括して掲げた︒これらは真偽判定の考証を経て︑芭蕉作品集から除き去られるべきものであらう︒なほ
参考として︑ぽれらの存疑作品につき︑賛川他石氏の年代推定(日本名著全集﹃芭蕉全集﹄)を参考までに記して
おいた︒
制作年代作
口 口口
年謁簸亙日謡種類発句(附句)連衆出典
寛文五乙巳(三)
七丁未(茜)
一〇庚成
(昌ゼ)
延宝三乙卯(三二)
二
避 三一(百)野は雪にかるれどかれぬ紫苑哉 蝉吟・季吟・正好・一笑・一以芭蕉桃青翁宗房御正伝記
昌(附)(1今を峠と︑2しやかの槍︑3おだ巻の)
三(附)(1がけ作り︑2冷じき) 宗房
1助勝・正朝・宗房2長忠・定就・宗房
四(百)いと涼しき大徳也けり法の水 宗因・旋画・幽山・桃青・信章木也・吟市・少才・似春 ,続山井
一葉集
談林俳譜 備考
貞徳十三回忌追善俳譜︒
寛文七年︑もしくはそれ以前作
年代推定は豊葉集﹄による︒
芭蕉連句年譜
一3一
人文研究第十一輯'
四丙辰(三三)
五丁巳(三四)
六成午
(三5) ︑ 誠(附)(茄子の煮物︑あな蔵のふた︑かねにズかはん)
六(附)(飾竹の︑都出て︑寝てね︑三ろ魅︑さザミは)
七(百)此梅に牛も初音と暗つべし
((百)梅の風俳譜国にさかむなり
弛(歌)実や月間口千金の通り町
一〇(百)色付や豆腐に落て薄紅葉●コ(歌)わすれ草煎菜につまん年の暮
三(百)あら何ともなやきのふは過てふぐと汁
三(百)物の名も蛸や古郷のいかのぼり一四(百)さぞな都浄瑠璃小歌は愛の花
蓋(百)須磨ぞ秋志賀奈良伏見でも是は
芙(百)見渡せば眺むれば見れば須磨の秋
一七一(歌)のまれけり都の大気江戸の秋酬八(歌)青葉より紅葉散けり旅ぎせる
亮(歌)塩にしてもいざことつてん都鳥昌︒(附〜(夘遷灘亀護が醒鍵も)
三(附ソ(﹁蚊にさ〜れ行﹂ほか一九句) 桃青
桃青
桃青・信章
信章・桃青
桃青・二葉子・紀子・卜尺
桃青・杉風・︑
桃青・千春・信徳
桃青・信章・信徳
信徳・桃青・信章
信章・信徳・桃青
似春・四友・桃青
桃青・四友・似春,
春澄・似春・桃青
似春・春澄・桃青
桃青・春澄・似春
1︑2︑3︑4宗房5晩秋・桃青
﹁桃青 ノ
江 江 続 当 戸 戸
両 両 連 世 吟 吟
集 集 珠 男
一江戸通り町琶蕉・杉風 }両吟一葉集
江戸三吟
延宝末魯 ,
一昌二(附)(鯛売声に︑ずいきの声)
江 江 江 芝 芝 江 江
早 早 旱 肴 肴 豆 豆
歌 歌 歌仙 仙 ニ ニ 仙 集 集 吟 吟
江戸通り町
江戸広小路
愚句(桃青)
量(百)錦とる都にうらん百つ〜じ 塵塒・千春・卜尺・暁雲﹄共角芭蕉・素堂・似春・昨雲・言水::.嵐蘭・峡水 一真澄の鏡. 剛 延宝四年又はそれ以前作︒
又は六年作か︒五年又はそれ以前作か︒
へ又は五年作か.
六年又はそれ以前作︒
右に同じ︒
蔑‑
天和元辛酉
(三八)
二壬成
(三九)
三癸亥
(四〇)
天和年申
貞享元甲子
(四一) ︑ 昌四(吾)鷺の足薙脛長く継添て
量(百)春澄にとへ稲負鳥といへるあり
昌六(百)世に有て家立ば秋の野中哉
昌七(四)附贅一つ愛に置けり日ク露
昌八(歌)花にうき世我酒白く食黒し
秀(歌)詩あきんど年を貧ル酒債哉
三〇(歌)飽やことし心と臼の轟と
三(附)(鳶のゐる花の賎屋と)
言三(歌)夏馬の遅行我を絵に見る心かな
ゴ三(歌)胡草垣穂に木瓜も無家かな
三四(三)栗野老山歯朶尉が秋こそあれ
三誠(二)芭蕉野分その句に草鮭かへよかし
三六(二)宿まいらせん西行ならば秋のくれ
三七(二)華の咲身ながら草の翁かな
天(歌)師の桜むかし拾はん落葉哉
発(二)霜寒き旅寝に蚊屋を着せ申し
四〇(二)能程に積りかはれよみの㌧雪
四一(六)此海に草鮭捨ん笠しぐれ
芭蕉連句年・譜 桃青・其角・才丸・揚水
其角・才丸・揚水・桃青
才丸・揚水・桃青・其角
揚水・桃青・其角・才丸
芭蕉二晶・嵐雪・其角・嵐蘭
其角・芭蕉
李下・其角⁝:芭蕉
(はせを)
神巴一焦・鷹︹塒・一晶
慶塒・一晶・芭蕉
青府・一品・桃青
李下・芭蕉
雷枝・翁
勝延・翁
塔山・芭蕉・木因・如行.
如行・芭蕉
木因・はせを
芭蕉・桐葉・東藤・叩端・如行コ山
i次 次 次 次
韻 韻 韻 韻 虚 虚 虚
1栗 栗 栗 蓑 一 谷
虫
庵 葉 木 小集 集 因
一葉集
熱 幽 後 元 春 幽 春
暴 蘭 の 蔑 と 蘭 と
仙 集 旅 韻 秋 集 秋
又は三年作か︒
又は二年作か︒
以下六孟まで
﹃野ぎらし紀行﹄
の旅中の作︒
一一5̲
,
︑ ㍉(貞享元)
\ 人文
貞享二乙丑
(四昌)
伽
研究第十一輯/﹂
四昌(二)しのぶさへ枯て餅買ふ舎り哉
四三(歌)狂句こがらしの身は竹斎に似たる哉
四四(歌)はつ雪のことしも袴きてかへる
豊(歌)つ㌧みかねて月とり落す舞かな
四六(歌)炭売のをのがつまこそ黒からめ
四七(歌)霜月や鶴のぞくならびゐて
四ハ(六)いかに見よと難面うしをうつ霰
究(三)市人にいで是うらん笠の雪
吾(四)馬をさへ詠むる雪のあした哉
玉一(歌)海くれて鴨の声ほのかに白し 芭蕉・桐葉善
芭蕉・野水・荷分・重五・杜国
正平.
野水杜国・芭蕉・荷分・重五
正平
杜国・重五・野水・芭蕉・荷分
正平
重五・荷分・杜国・野水・芭蕉
羽笠
荷号・苗蕉・重五・杜国羽笠
︑野水
羽笠・荷曾・重五へ杜国・芭蕉
野水
翁・抱月・杜国
芭蕉・閑水・東藤・桐葉
翁・桐葉・東藤・コ山
琶(二)われもさびよ梅よりおくの藪椿
翌(二)梅白しきのふや鶴を盗まれし
茜(三)梅絶えて日永し桜いま三日
至(三)我桜鮎割枇杷の広葉哉
美(二)樫の木の花にかまはぬすがたかな
毫(三)辛崎の松は花よヴ朧にて 雅良・翁
芭蕉・秋風
湖春・翁
秋風・芭蕉・湖春
芭蕉・秋風
芭蕉・千那 熱口三歌仙
冬の日
冬の日
冬の日
冬の日
冬の日
冬の臼
﹁7
笈日記
熱田三歌仙
織筥物語
春と秋
熱田三歌仙
春と秋
熱田三歌仙
春と秋鎌倉街道
(貞享二)
貞享三丙寅
(四三) 鼠
ご三
四
四六
一 }八(歌)何とばなしに何やら床し重草
昌七莞(歌)つくみ\と榎の花の祖にちる
六〇(一茜)杜若我に発句のおもひあり四
六唱(歌)ほと㌧ぎす愛を西へかひがしへか
〆
杢(三)おもひ立木曽や四月のさくら狩
盗(歌)牡丹蘂深くはひ出る蜂の別哉
六四(二)夏草よあづま路まとへ五三日九
奎(附)(コ一町ほど﹂ほか九句)
昌突(百)涼しさの凝くだくるが水車
き話 六七(百)日の春をさすがに鶴の歩み哉
六八(歌),花咲て七日鶴見る麓哉
究(二)古池や蛙飛びこむ水の音
ぎ(五)深川は莫さく野も野分かな
蕉連句年譜 芭蕉・叩端・桐葉
桐葉・芭蕉・叩端・閑水・東藤
⁝⁝桂揖
芭蕉・知足・桐葉・叩端レ業言
自笑・如風・安信・重辰
如行・叩端・閑水・はせを・
桐葉・東藤・コ山・桂揖
はせを・東藤・桂揖・叩端・
桐葉・コ山⁝⁝閑水
芭蕉・桐葉・叩端
知足・桃青
翁清風・芭蕉・嵐雪・其角・才丸
コ斎・素堂
其角・文鱗・枳風・コ斎・芳里
杉風・仙化・李下・挙白・朱弦
蚊足・ちり・芭蕉・揚水・不卜
千春・峡水
芭蕉・清風・挙白・曽良・コ斎
其角
はせを・其角
風爆・芭蕉・一晶・琴蔵・虚洞 熱田三歌仙
熱田三歌仙
千鳥掛
幽蘭集
幽蘭集
ゆめのあと
千鳥掛
春と秋
芭蕉翁古式
̀之俳譜璽
鶴の歩
一橋
不猫蛇
丙寅紀行 貞享元‑二年作
芭 貞享三年以前作
一7一