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戦略的環境アセスメントの歴史的経緯と推進

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Academic year: 2021

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71 大学院研究年報 第10号 2016年10月

戦略的環境アセスメントの歴史的経緯と推進

飯 田 勝 平

1.研究の目的

 地球温暖化問題の深刻化により我々の環境意識 は高まりつつある.また持続可能な社会の形成を することが今日の環境問題の中で非常に重要な問 題となりつつある.そんな中で国や地方公共団体 でも政策評価の観点に環境を取り入れ始めた.そ れが1997年に制定された環境影響評価法である.

これにより環境アセスメントが導入された.これ は事業実施段階において環境にどのような影響が あるかを予測,評価する制度である.しかしこの 制度も限界が来ている.検討の幅が狭い,累積的 な影響評価の困難等が言われている.そこで注目 されだしたのが事業実施段階より前の計画段階で 行われる戦略的環境アセスメントである.本稿で は従来の環境アセスメントと戦略的環境アセスメ ントの違いを明確にしたうえで,戦略的環境アセ スメントの導入が政策に質の向上やその必要性を 見極める手段として有効なことを明らかにする.

そしてその導入を提言する.

2.研究の概要

 本稿は全 5 章で構成されている.第 1 章では戦

略的環境アセスメントの制度を見ていく.日本で 環境アセスメントが導入された経緯やそのきっか けとなった四大公害訴訟について触れ,環境影響 評価法に基づく環境アセスメントの手続きについ ても解説している.また戦略的環境アセスメント の制度,戦略的環境アセスメントが世界で注目さ れた経緯等について解説し,戦略的環境アセスメ ントガイドラインに沿ってその制度概要を見てい く.そして環境アセスメントと戦略的環境アセス メントの違いをのべ双方の関係性について言及す る.

 第 2 章では地方自治体における戦略的環境アセ スメント制度について解説する.本稿では埼玉県 と東京都について解説している.この 2 つの自治 体を選定した理由だが,埼玉県は全国の地方自治 体に先駆けて,「埼玉県戦略的環境影響評価要綱」

を作成し,事例を積み重ねているということ,東 京都は全国で初めて戦略的環境アセスメントを条 例として制定したという点を踏まえてである.

 第 3 章は事例分析である.ここでは神奈川県横 浜市の住民参加の道路づくりを取り上げる.当時 は戦略的環境アセスメントとして認識されていな かったが結果的に戦略的環境アセスメントの事例 となったものである.この事例は環境省サイドか らは戦略的環境アセスメントの事例として,一方 国土交通省からは住民参加の道路づくり,PI(パ ブリック・インボルブメント)としての重要な事 例として認識されており,計画段階の環境影響評

* いいだ しょうへい  公共政策研究科公共政策 専攻修士課程修了

論文審査委員主査 細野 助博

論文審査委員副査 志々目 友博 小林 秀徳

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価も含めた住民参加が政策の意思決定の透明化,

真に必要な政策の見極めが可能となった事例であ る.

 第 4 章では政策評価の観点から戦略的環境アセ スメントを見ることにより制度としての側面だけ ではなく,政策評価の環境という項目から見ると

どうなるのかを検証する.

 第 5 章は戦略的環境アセスメント導入に必要な ことやその条件,戦略的環境アセスメント導入に よる多くのメリットを述べたうえでその推進を提 言する.

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