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岩医大歯誌 2巻1号 1977

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岩医大歯誌 2巻1号 1977

たは患児の体重10ポンド(約4,500夕)以上を目安と して行なわれる。硬口蓋の破裂は通常14ヵ月後,軟口 蓋は18ヵ月後を手術の時期としている。口蓋裂患者で

よく見かける上顎歯列の極端な変形を防ぐ意味で,破 裂の状態によっては手術を全くしないで患者はspeech applianceを装着し,隙裂は床によって補填される。

その為口腔内外の形態上の治療に加えて言語治療者の 役割も大きくspeech applianceの形態について臨床 医との合議および発音訓練が重要となる。また患者が 学令期に達すると集団生活の企画も言語治療の部門で 受け持っている。

 Lancaster Cleft Palate Clinicでの治療体系を見 て,この種の先天異常を持つ患者に対しては多くの専 門家が単に組織されるだけではなく,よく機能する teamでなけれぽならないことを痛感した。

演題5.金属焼付合金の熱膨張測定,その1,市販金    合金について

桂 啓文,兼子研一,池田政明,天日常光,

亀田 務

岩手医科大学歯学部理工学講座

 金属焼付用合金は鋳造時に寸法精度が良いメタルコ アーが陶材焼付の過程で変形を生じたり,装着後破析 あるいは陶材界面でのはく離を生じる欠陥がある。焼 付時の変形は主にdegassing操作時に起きたり,陶 材一金属界面に於ける熱膨張の差から生じる歪による 変形が起ると考えられる。そこで今回我々は市販され ている金合金を鋳造試料として微少定荷重熱膨張計を 使用し900℃まで昇温し繰り返し加熱冷却を行なっ て,熱膨張率,熱膨張係数,残留伸びを求めた。その 結果

1)degassing操作を行うと熱膨張率は1.38〜1.58  %,繰り返し加熱冷却を行うとdegassing時の熱膨  張率は小さくなる。

2)冷却時の残留伸びは5種とも認められ,残留伸び  の原因として鋳造時の応力緩和,金属結晶の均一化  によって現われると思う。

3)実験した金合金は400〜600℃の温度内で合金組成  分による新しい相変化により熱膨張係数の変化があ  ると思われ,これらの原因にはIn, Sn等の微量成  分によるものと考えられる。

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4)degassing操作は合金の変形,はく離を防止する  ために必要な操作と考えられるのでdegassing操作  は行うべきと思われる。

演題6.大型電子計算機による実験データ作図法の簡    略化

。平 孝清,松本範雄,鈴木 隆

岩手医科大学歯学部口腔生理学講座

 東北大学電子計算機センターに所属する,本学の Time Sharing System(TSS)を活用し,生理学実験 Data(主にHistogram)の作図処理を簡易に行う方法 を実施,検討した。まず,統計処理用電子計算機(TO−

SHIBA 800CUSC TYPE EDS−34801M)を用いて,

ネコの大脳皮質のsingle unit activityを計測し, Post Stimulus Time Histogramを得る。このDataをTSS 端末機に読込み可能なCodeに変換して,紙テープを punch outする。次いで, TSS端末機から東北大学電 子計算機センター作図機械(Drafter)を駆動し,作 図作業を遂行させる為の1)Command,2)Program,

3)Dataを入力し,作図する方法を取った。本法に使 用した言語は,FORTRAN 700で,特に作図用に開 発されたSubroutineをcallする方式をとった。この 結果,膨大なHistogramの作図に要する時間と労力 を,人手の場合の約数十分の一から数百分の一に短縮 出来,同時に,Dataに付随する情報を確実に,しか も自動的に記載する事が可能になった。

 そのProgramの詳細と作図結果の比較, Program 操作による,縦軸,横軸の任意調整など,種々の利点 につき発表した。

演題7.大脳皮質内の微小電極によるmarking tech−

   niqueの定量的吟味

。松本範雄,平 孝清,鈴木 隆

岩手医科大学歯学部口腔生理学講座

 猫の歯髄情報の受容と伝達機序を研究する際,大脳

皮質内の微小電極先端の位置の確認は,細胞の種類の

同定やneural networkの推定に重要な意i義を持つ。

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従来の電気凝固法によるmarking techniqueに改良 を加え,組織切片作製法を合理化し,spot sizeと電気 量との相関を系統的に調査した。

1).電極刺入点は大脳皮質表面の血管像顕微鏡写真を 示標として決定するが,ホルマリン固定後はその血管 像は消失し,刺入点が不明瞭になる。そこでsingle unit activityを記録後,頸動脈より墨汁を注入し,血 管像は固定後も消失することなく残存するよう配慮し た。これにより刺入点の推定を明確化でき,連続切片 の作製枚数を乃〜塘に節減できた。

2).生体と等価に考えられる模擬回路を用い,タング ステン微小電極(2.0μmX2.5μm)に生じる分極効果 を測定したところ,従来の直流方式では分極効果が大 きく電流は僅かに10秒程しか流れないことが分った。

持続時間0.5sec,1Hzの矩形波を用いると分極効果は 減少し,数μAの電流が断続的に流れることが確認さ

れた。

3).猫の大脳皮質に微小電極を刺入し,500μlnごとに 深さを変えてmarkingし,電気量(電流×時間)と spot面積の関係を計測した。一定の電流範囲内(200

〜 2800μA×sec)では電気量とmarking spotの面積 は正比例した。

4).上記の成績からcurrent−spot diameter curveを 求め,任意のspot sizeのmarkingが可能であること を組織標本で確認した。例えば直径約100μmのspot は400μA・secの通電を要することが分った。

5).この方法を適用して体性感覚領S田野のMolar dominant typeの細胞につきその局在を調べたとこ ろ,皮質第3層深部に相当することが分った。

演題8.臨床的にセメント質腫を疑わしめた骨腫の1    例 一特に走査型電顕的所見について一

遠藤隼人,本間隆義,藤岡幸雄,鈴木鍾美※

岩手医科大学歯学部口腔外科学第1講座 岩手医科大学歯学部口腔病理学講座※

 顎骨内に認められる孤立性の限局したX線不透過像 の診断にあたっては困難をきわめることが多い。最近 私達は下顎臼歯部にみられ,臨床的にはセメント質腫 を疑わしめた骨腫の1例を経験し,腫瘍組織の骨を走 査型電顕的に観察し,正常組織の骨と比較検討を行な い興味ある知見が得られたので報告する。

岩医大歯誌 2巻1号 1977  症例は49才の女性で,・6〕の鶴独による咀噌障害を主 訴として来院した。X線所見は7部に孤立した境界明 瞭な均質性のX線不透過像を認めた。顎骨の膨隆は認

られず,特に自覚的,他覚的症状はない。なお7は約 13年前抜歯をうけたというが詳細は不明である。処置 は,61の抜歯時に硬組織形成物は一塊として容易に摘 出された。摘出物は直径約10×15沈πの骨様硬,表面滑 沢で淡黄色であった。これからセメント質腫を疑わし めたが,病理組織学的検索の結果,硬性骨腫と診断さ

れた。

 走査型電顕的所見では摘出物を自然乾燥し,カーボ ン・金蒸着を行ったもので,正常顎骨の破砕断面でみ られるような骨コラーゲン線維束の層板構造は認めら れず,ごつごつした岩状のブロック片が無定型に密に 集積しており,matureな骨質の部分では,石灰小球

と考えられる構造物はほとんど認められず,また,比 較的広い骨小腔がみられ,その周辺の疎状を呈する immatureな骨質の部分や骨梁突起には,正常顎骨で みられるような石灰小球と考えられる構造物が連珠状 につらなって認められる。また骨梁の表面には,線維 芽細胞または骨芽細胞と考えられる細胞成分がネット を成しており,それら細抱成分に錯走してからみつく 線維成分が多数認められた。また,腫瘍平面には線維 性の被膜形成がみられ,硬組織全体を被覆する機序が 認められた。

演題9.下顎部骨移植に関する実験的研究 一新鮮自    家肋骨の透過型電子顕微鏡による観察一

近江啓一,工藤啓吾,藤岡幸雄 岩手医科大学歯学部口腔外科学第一講座

 われわれは,ラットの下顎部に新鮮自家肋骨移植を 行い,骨原性細胞の分化の過程および移植骨骨細胞の 運命について透過型電子顕微鏡により観察した。

 実験方法:ウィスター系雄性ラットの下顎骨に新鮮 自家肋骨を架橋的に移植し7日目,30日目で屠殺し た。採取した組織は2.5%グルタールアルデヒドおよ び1.0%オスミラム酸により二重固定され,さらに,

2.5%EDTANa2により30日間脱灰後,アルコール系 脱水を行いエポン包埋して観察した。

 成績:今回は移植骨中央部周囲の観察を行った。そ

の部分の骨に接して石灰化した密なコラーゲン線維層

がみられ,そこに存在する細胞は,突起を有し,かつ

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