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感情体験の分析(Ⅷ) : 嫌悪について

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Academic year: 2021

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感情体 験 の分析(皿)

一 嫌 悪 に つ い て 一

男*

Analysis of Some Emotional Experiences (8th report)

: On Disgust

Masao Suzuki

[Abstract] This is the 8th report of successive studies on analysis of some emotional experiences. In

these studies a special questionnaire was revised, which contains 20 emotional words. Those are joy,

sorrow, anger, hatred, fear, humiliation and so on. The results of this study suggested that on the

experience of disgust there are three kinds of disgust toward the person who don't have an attitude, the

situation which we can't protect one's own interests and the state which doesn't maintain the normal range.

They occur when the appropriate

thing for oneself is injured in the thing with the effective factor that faces

us. は じ め に 本 研 究 は、 感 情 体 験 につ い て の一 連 の 研 究 の第8報 で あ り、 本 稿 で は、 嫌 悪 感 情 に つ い て、 こ の 感 情 を 最 も強 く感 じた体 験 の 自由 記 述 に基 づ い て、 そ の 感 情 の特 徴 を分 析 す る もの で あ る。 第1報(上 杉 喬,榧 場 真 知 子,馬 場 史 津2002)に お い て は 、 嫉 妬 、憎 い 、 怒 りの 感 情 体 験 を 分 析 した 。 そ の結 果 、 嫉 妬 体 験 は① 好 意 ・愛 情 に 関す る嫉 妬 、 ② 能力 に関 す る嫉 妬 、③ モ ノ に 関 す る嫉 妬 の3種 類 が あ り、 そ の 嫉 妬 感 情 が 生 起 す る特 徴 は 、A自 分 に と っ て大 切 なモ ノ(所 有 し た い 好 意 ・愛 情 、 所 有 した い 能 力 、 所 有 した い 物)が 、B自 分 で は な く、C身 近 な 人 に あ る(好 意 ・愛 情 が 向 け られ る 、 能 力 を 持 っ て い る 、 物 を所 有 して い る)と い う3者 関 係 にお い て 、C身 近 な人 に 対 して嫉 妬 感 情 が 生 じる とい う もの で あ っ た。 また 、 憎 い お よび 怒 り体 験 は 、 ① 他 者 か ら の行 為 、 ② 自分 の 行 為 、③ 社 会 的 事 象 の3種 類 が あ り、 そ の憎 い ・怒 り感 情 が 生 起 す る特 徴 は 、 A自 分 に と っ て 大 切 な モ ノ(大 切 に して い る 人 、 大 切 に して い る心 、 大 切 に して い る物)が 、B 行 為 者(他 者 、 自分 、 社 会 的 事 象 の 行 為 者)と の2者 関係 に お い て 、B行 為 者 に よ っ て 、A大 切 な モ ノ が 「奪 わ れ る」 また は 「壊 され る」 場 合 に生 じる とい う もの で あ っ た。 憎 い と怒 りは類 似 し た特 徴 を有 す る が 、 そ の 違 い は 、 憎 い が 自 身 の直 接 的被 害 と、怒 りが よ り間接 的 な被 害 と結 び つ い て い る点 に あ っ た 。 *す ず き まさお 文 教大 学人 間科 学部 非常 勤 講師 ・生活 科学研 究 所客員 研 究員

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第2報(鈴 木 賢 男,鈴 木 国威,上 杉 喬2002)に お い て は 、喜 び 、 悲 しい の感 情 体 験 を分 析 し た。 そ の結 果 、 喜 び お よ び悲 しい 体 験 は 、① 人 の 存 在 に関 わ る もの 、② モ ノ に 関 わ るモ ノ 、③ 心 (好 意 ・愛 情 や 充 実)に 関 わ る も の の3種 類 が あ り、 喜 び の 感 情 は 、A自 分 に と っ て 大 切 な モ ノ (大 切 に して い る 人 、 大 切 に して い る 心 、 大 切 に して い る 物)が 、B自 分 自身 との2者 関係 にお い て 、B自 分 自 身 がA大 切 な モ ノ を 「得 る」 場 合 に は 喜 び が 、 逆 に、 「失 う」 場 合 に は 悲 しみ が 生 じる とい う も の で 、 そ の意 味 で 喜 び と悲 しみ は、 そ れ が 生 起 す る 上 で 「得 る⇔ 失 う」 の対 極 的 な 関係 に あ る こ と を明 らか に した 。 第3報(上 杉 喬,岡 本 か お り,平 宮 正 志,吉 川 延 代2003)に お い て は 、 驚 き、 寂 しい 、 愛 し い 、空 しい の感 情 体 験 を分 析 した 。 そ の 結 果 、 驚 き体 験 は 、 ① 大 切 なモ ノ(心 ・物 ・能 力 ・人) を得 る こ と に対 す る もの 、 ② 大 切 なモ ノ(心 ・物 ・能 力 ・人)を 失 う こ とに対 す る もの 、③ 思 い もよ らな い 事 実 ・出 来 事 ・考 え方 に対 す る もの 、 ④ 思 い も よ らな い 大 きな変 化 に対 す る もの 、 ⑤ 身 の危 険 を 感 じる 出 来 事 に対 す る もの の5種 類 が あ り、 驚 き の感 情 は 、Aそ れ らの 出 来 事 が 、B 自分 自身 に と っ て 、 予 想 外 ・想 像 外 ・偶 然 ・初 め て ・稀 な場 合 に 生 ず る とい う も の で あ っ た。 愛 しい体 験 は 、A自 分 に と っ て大 切 なモ ノ(人 ・物 ・心)が 、B自 分 と の 関係 で 、 自分 よ り力 が 弱 く無 力 で 自分 を頼 りに して い る と感 じる場 合 に生 ず る とい う もの で あ り、 また 、 寂 しい お よ び空 しい体 験 は 、A自 分 に と っ て大 切 なモ ノ が 、B自 分 自 身 に 「満 た され て い な い 」 場 合 に生 じる と い う もの で あ っ た 。 寂 しい と空 しい は 、類 似 した特 徴 を有 す る が 、 そ の違 い は、 寂 しい が 、 今 ま で あ っ た もの が 欠 け て し ま って 今 は無 い状 態 、 空 しい は、 求 め て も得 られ ず 今 も無 い状 態 、 と結 び つ い て い る点 に あ っ た 。 第4報(鈴 木 賢 男,上 杉 喬2003)に お い て は、 失 望 の感 情 体 験 を分 析 した 。 失 望 体 験 は 、① あ る はず の モ ノ(人 ・心 ・物 ・能 力 ・機 会)を 失 う こ と に関 す る もの 、 ② 期 待 す る モ ノ(人 ・ 物 ・成 果 ・能 力 ・機 会 ・環 境 ・運)が 得 られ な い こ と に 関 す る もの 、 ③ 直 面 した くな か っ た こ と (人 間性 ・事 件 ・失 敗)に 直 面 す る こ と に 関 す る もの が あ り、 失 望 の 感 情 は そ れ ら の事 象 が 生 起 した場 合 に生 ず る とい う もの で あ っ た 。 第5報(右 山 裕 一,上 杉 喬2004)に お い て は 、屈 辱 の 感 情 体 験 を分 析 した 。 そ の結 果 、 屈 辱 体 験 は 、 ① 自分 の 立 場 を直 接 に 人 か ら貶 め られ る(侮 辱 、 恥 辱)、 ② 自分 の 立 場 を 自 ら弱 め て 間 接 的 に人 か ら貶 め ら れ る(敗 北 、 大 失 敗)、 そ して 、 ③ そ の 状 況 に耐 え忍 ば ざ る を得 な い 場 合 に 生 じる 、 と い う もの で あ っ た。 第6報(上 杉 喬,芝 塚 梨 華,高 橋 直 美,平 宮 正 志2004)に お い て は 、 恐 れ 、 充 実 、 恥 ず か し い につ い て の感 情 体 験 を分 析 した 。 そ の 結 果 、恐 れ 体 験 は 、 ① 目前 に迫 っ て い る 危 害 ・危 険 に対 す る恐 れ 、② 日常 生 活 に潜 ん で い る危 害 ・危 険 に対 す る恐 れ 、 ③ 自分 の 行 く先(遠 くな い 将 来) に対 す る恐 れ 、 ④ 人 に危 害 を及 ぼ し う る 自分 へ の 恐 れ の4種 類 が あ り、 そ の 恐 れ感 情 が 生 起 す る 特 徴 は、A自 分 に損 害 を与 え るモ ノ に、 直 接 的 あ る い は 間接 的 に 、B自 分 が気 づ い た 場 合 に生 じ る とい う も の で あ っ た 。 充 実 体 験 は 、① 達 成 す る こ と、② 携 わ っ て い る こ と、③ 暇 な 時 間 が な い こ と、 ④ 新 鮮 な体 験 をす る こ と、 ⑤ 良 い 状 態 にあ る こ と、 ⑥ 好 き な人 と関 わ っ て い る こ との6種 類 が あ り、A自 分 に と っ て 有 意 義 な モ ノ に対 し て 、B自 分 が 焦 点 づ け られ て い る場 合 に生 ず る も の で あ っ た 。 恥 ず か しい 体 験 は 、① 異 性 との接 触 、 ② 統 制 の 効 か な か っ た 自分 、 ③ 上 手 くい か な か った 自分 、④ 変 調 を き た した 自分 の 身 体 、⑤ 人 前 に さ ら さ れ て い る 自分 、⑥ 見 聞 き した 内容 に 関 す る6種 類 の も の が あ り、A表 に は 出 した くな い と思 っ て い る モ ノ が 、B自 分 の 身 に起 こ っ た 変 化 に よ っ て 、 思 わ ず 露 呈 され て しま っ た状 況 と な っ た 場 合 に生 起 す る もの で あ っ た 。

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第7報(鈴 木 賢 男,上 杉 喬2006)に お い て は 、 満 足 につ い て の 感 情 体 験 を分 析 した 。 そ の結 果 、 満 足 体 験 は1意 味 ・意 義 の あ る時 間 に対 す る 満 足 、H抱 い て い た 願 望 の 成 就 に対 す る 満 足 、 皿対 人 的 関係 上 の承 認(再 認)に 対 す る 満 足 、IV生 理 的 な心 地 よ さの 持 続 に対 す る 満 足 の4種 類 が あ り、 そ の満 足 感 情 が 生 起 す る 特 徴 は 、A自 分 に とっ て の大 切 なモ ノ(有 意 味 な経 過)が 、B 自分 自 身 との2者 関係 にお い て 、 「切 望 して い た 」 「希 望 して い た」 「想 定 し て い た 」 「幸 せ な ひ と と き」 「心 惹 か れ た 」 「存 分 に した 」 「が ん ば って や っ た 」 状 況 下 で 、 「前 件Xと そ れ に続 く後 件Y の2条 件 の 成 立(充 足 、 拡 大 、 増 量)後 に、B自 分 自 身 が 、A自 分 に と っ て の 大 切 な モ ノ(有 意 味 な 経 過)を 「得 る」 場 合 に生 じる もの で あ る と考 え る こ とが で きた 。 以 上 と同様 に、 本 研 究 に お い て も、 嫌 悪 の 感 晴が 生 起 す る 上 で の特 徴 を検 討 す る もの で あ る。

1.調 査 質 問紙 本 研 究 で使 用 した 質 問 紙 は 「体 験 した 感 情 」 と して嫉 妬 、 後 悔 、憎 い 、 満 足 、 屈 辱 、 空 しい 、 愛 しい 、 不 安 、 喜 び、 苦 しい 、 驚 き、 恐 れ 、 怒 り、 寂 しい 、 充 実 、 嫌 悪 、 た め らい 、 恥 ず か しい 、 悲 しい 、 失 望 の20感 情 を挙 げ 、 「あ な た の今 ま で の 体 験 の 中 で 、 次 の1か ら20の よ う な 感 情 を最 も強 く抱 い た体 験 ・出来 事 を思 い 出 して 、 そ れ が ど ん な 出 来 事 だ っ た の か 、 分 か る よ う に書 い て 下 さい 。 ま た、 そ の 出来 事 が い つ 頃(何 歳 位)の 事 な の か も書 い て下 さい 」 と教 示 し、 「そ の 感 情 を体 験 した 出 来 事 」 を30字 程 度 の ス ペ ー ス に 自 由記 述 す る もの で あ った 。 2.調 査 対 象 ・時 期 ・手 続 き B大 学 の 「感 情 心 理 学 」 の 授 業 に お い て 、1999年 度(227名)、2000年 度(190名)、2001年 度 (190名)の 受 講 生 、 合 計607名(男 性203名,女 性404名)を 対 象 に 、 授 業 初 日 に 調 査 用 紙 を 配 付 し 、 翌 週 の 授 業 で 回 収 と い う 手 続 き を と っ た 。 調 査 は 記 名 式 で あ っ た 。 3.感 情 体 験 時 の 年 齢 1つ の 出 来 事 に対 して1つ の 年 齢(学 年 、 何 歳 頃 や何 歳 位 を用 い た 表 記 も含 む)が 記 述 され て い た 人 数 は541名(89.1%)だ っ た。 そ れ 以 外 は複 数 の 年 齢 、 も し くは 年 齢 に 幅(期 間)が あ る 記 述 だ っ た 。 複 数 の 年 齢 が 記 述 さ れ て い た 場 合 、 そ の感 情 を強 く抱 い た 初 め て の 年 齢(例:5 歳,15歳 →5歳)を 採 用 し、 年 齢 に幅 が あ っ た 場 合 、 中 央 値(例:高 校 生 →16歳)を 採 用 して 、 一 定 の 年 齢 を定 め る こ と に した 。 4.嫌 悪 体 験 の 分 類 調 査 対 象 者607名 の う ち、 具 体 的 に 「嫌 悪 」 体 験 の 内 容 を明 記 した 者 は561名(92.4%)で あ り、 未 記 入 ・特 に な しは40名(6.6%)、 明 確 に記 入 拒 否 を明 記 した 者 は2名(0.3%)、 「マ ン ガ を見 て い た と き」 「自分 の して い る こ と」 等 の 文 意 不 明 が4名(0.7%)で あ っ た 。 内 容 を 明 記 し た561名 の 中 で 、 「嫌 悪 」 体 験 を した 年 齢 が 未 記 入 の 者 は66名(10.9%)で あ っ た 。 4-1嫌 悪 の対 象(何 に嫌 悪 した か)に よ る 分 類 嫌 悪 体 験 の561名 の 記 述 か ら、 嫌 悪 感 情 が 向 け られ た 「対 象(誘 発 要 因 そ の もの で は な く、 そ れ を内 包 して い る全 体)」 の 類 似 性 に つ い て 分

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類 した と こ ろ、 次 の40の 特 性1)∼40)に 区 分 す る こ とが で き、40特 性 は さ ら に10の 類 型(① ∼⑩)に ま とめ る こ とが で きた 。 そ して 、 これ らの類型 は最終 的 に3つ の体系(1∼ 皿)と し て ま とめ る こ とが で きた。 次 に、40特 性 に分 類 され た 具 体 例 と体 験 時 の 年 齢 を示 した 。 1人 に対 す る 嫌 悪 ① 自己 嫌 悪(自 分 に対 す る嫌 悪) 1)不 注 意 な 言 動 を して しま っ た 自分(迂 闊):例 え ば、 「自分 が 知 ら な い うち に他 人 の こ と を 悪 く言 っ て し ま っ て い た こ と(12歳)」 「高 校 受 験 の勉 強 の 時 、 ス トレス で 食 べ す ぎ、 太 り す ぎた こ と(14歳)」 「バ イ ク の鍵 を つ け た ま ま置 い て い っ て し ま う こ とが あ っ た の だ が 、 そ れ を 注 意 して い た と きに 同 じ過 ち を して バ イ ク を盗 ま れ た(19歳)」 2)性 格 や 能 力 に 問 題 を感 じ た 自分(欠 落):「 走 れ な く て 自分 に負 け た 自分 に対 し(16)」 「そ の 時 付 き合 っ て い た 彼 に も う ま く心 が 開 けず に 、 言 い た い こ とが 言 え な い 自分 が い や だ った(16)」 「自分 が ひ ど くだ ら しな い 人 間 だ と思 っ た と き(20)」 3)意 図 的 に悪 い こ と を して し ま っ た 自分(故 意):「 皿 を割 っ た の を妹 のせ い に した こ と(9)」 「中学 の 部 活 で 自分 が して い な い こ と(練 習 態 度)を 後 輩 に 強 要 し よ う と した 自分(14)」 「友 達 と何 気 な く険悪 な ム ー ドに な っ た時 、 遠 ま わ しに で も 、相 手 の事 を傷 付 け る よ う な事 を、 い っ て し ま っ た時 、 自分 は人 間 が小 さ い と思 っ た(18)」 4)感 情 が 高 ぶ り我 を 忘 れ て し ま っ た 自分(興 奮):「 姫 役 の取 り合 い を した と き(5)」 「感 情 に ま か せ て お 母 さ ん を 怒 鳴 っ た 時(14)」 「新 聞 の 勧 誘 が 自分 は い らな い と何 度 も言 っ て い る の に な か な か 帰 ら な い の で 、 無 理 や り ドア を 閉 め た と き(19)」 ② 近 親 者 嫌 悪(関 係 の深 い 身 近 な 人 に対 す る嫌 悪) 5)言 動 が 理 解 で きな くな っ て し ま っ た 身 近 な人(亀 裂):「 父 が 私 を叱 っ た 時 、 母 が 私 を か ば い 、 父 と母 が 大 喧 嘩 を した 時 が あ っ て か ら、 父 が 私 や 妹 を説 教 す る時 は 、 異 常 な ほ どそ う 思 う(7)」 「中学 校 時 代 、 矛 盾 して い た 先 生 に対 して(14)」 「彼 氏 の 考 え て い る事 が 全 く分 か ら な か った 時 、 む か つ い た(1g)」 6)望 ま し くな い言 動 を して い た 身 近 な人(失 望):「 友 人 が 他 入 の 悪 口 を言 っ て い る の を見 た と き(5)」 「友 人 が む や み に 他 人 を傷 つ け て い る の を見 た 時(15)」 「彼 氏 が い る の に遊 び ま くっ て い る友 達 を見 て(20)」 7)信 じ て い た の に裏 切 り を行 っ た 身 近 な 人(背 信):「 簡 単 に 約 束 を破 る 友 人Bに 対 して (19)」 「父 の不 徳 を 知 っ た(20)」 「影 で は 私 の 恋 人 と連 絡 を と りあ っ て い た の に表 面 は 、 友 達 面 し て、 親 切 そ う に相 談 に乗 っ て い た 友 達 が 、 とて も汚 ら し く見 え た(20)」 8)愛 情 に 乏 しい 言 動 を示 した 身 近 な人(薄 情):「 父 親 に新 聞 紙 で 、 顔 面 をた た か れ た と き (11)」 「受 験 に失 敗 し た途 端 、 態 度 が 変 わ った 親 に嫌 気 が さ した(19)」 「お や が 一 人 暮 ら し を認 め て くれ な か っ た と き(1g)」 ③ 他 者 嫌 悪(身 近 とは言 え ない 他 者 に対 す る嫌 悪) 9)不 真 面 目 で い い か げ ん な 言 動 をす る 人(不 誠 実):「 授 業 に出 な い の に 、 ノ ー トを 借 りに くる 人(19)」 「合 宿 した 時 、 遊 ん で ば っ か りの 先 輩 を見 た(20)」 「一 度 部 活 を 辞 め た 人 が 半 年 後 何 事 もな か っ た よ う に戻 っ て きた と き(20)」 10)自 己 中心 的 で わ が ま ま な言 動 をす る人(身 勝 手):「 禁 煙 席 で た ば こ を吸 っ て い る 人 に対 して(13)」 「他 人 の迷 惑 を考 え な い 人 を見 る 。 電 車 内 な ど(18)」 「自分 の家 の 隣 の 空 き地 に

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ゴ ミ を捨 て て い く人 を見 た と き(18)」 11)不 謹 慎 な 態 度 で 人 に接 して い る 人(無 神 経):「 他 人 の こ と を ま っ た く思 い や れ な い 人 に 出会 う(16)」 「警 察 の 人 を疑 う こ と か らは じ め る調 査 方 法 とそ の 態 度(18)」 「バ イ ト先 の え ら い 人 が 口 ば か りで 自分 は何 も し な い と き(19)」 12)自 分 とは 合 わ な い 考 え や 性 格 を もつ 人(不 協 和):「 ク ラ ス にす ご く合 わ な くて嫌 い な子 が い た(13)」 厂下 級 生 で む か つ く奴 が い た(17)」 「バ イ トで 、 社 員 が 変 わ り、 新 し く来 た 人 に対 し、 この 人 とは性 格 上 合 わ な い と感 じた 時(19)」 13)良 識 が 感 じ られ な い よ う な 言 動 を す る 人(不 心 得):「 教 室 の 中 で大 声 で 人 の 悪 口 を言 っ て い る ク ラス メ イ トが で きた と き(15)」 「人 の 約 束 を破 っ て も悪 び れ な い 人 に 会 っ た と き (18)」 厂彼 女 を、 無 理 や り 自分 の元 か ら引 き離 した 相 手 に対 して(19)」 14)裏 表 が あ っ て信 用 で きな い 言 動 を す る 人(不 一 致):「 自分 が 言 っ て い た こ と とや っ て い る こ とが 違 う人 だ と分 か っ た時(19)」 厂きれ い 事 ば か り言 っ て い る団 体 や 人 を み た と き(19)」 「や た ら と厳 しい バ イ トの上 司 が 、 そ の 上 役 に媚 び て い た と き(21)」 ④ 性 別 嫌 悪(異 性 ・同性 に対 す る嫌 悪) 15)同 性 と して 認 め が た い 人(異 分 子):厂 転 校 し た 時 の 挨 拶 が な ま っ て い た こ と を女 の 子 ま で が か らか っ た こ と(10)」 「夜 に放 送 して い る テ レ ビで 、 わ ざ と ら しい 上 目づ か い な ど女 の 子 が 男 に こび てい る の が み え み え な 時(20)」 16)相 反 す る性 別 を もつ 異 性(異 邦 人):「 小 学 生 の 頃 、 ク ラス の男 子 に対 し、 な ぜ だ か わ か ら な い が 、 嫌 悪 感 を感 じた(11)」 「兄 や 父 の 男 臭 さ を感 じた時 。 汚 い と思 っ た(13)」 H事(状 況)に 対 す る嫌 悪 ⑤ 迫 害 嫌 悪(被 害 を受 け た こ とに対 す る嫌 悪) 17)自 分 の 権 利 や所 有 物 が 侵 害 さ れ た(剥 奪):「 割 り込 み を され た と き(7)」 「か つ あ げ さ れ た と き(15)」 「車 を カ ラオ ケ の駐 車 場 にお い とい た ら、 当 て逃 げ され た(20)」 18)つ け ね ら わ れ て心 身 と も に追 い 込 まれ た(窮 地):「 小 学 校 の 時 、 い じめ ら れ て い た(8)」 「一 回 振 っ た 人 が しつ こ く追 い か け て きて 、 精 神 的 に追 い つ め られ た 時(18)」 「バ イ ト先 の 人 で ス トー カ ーの よ うに つ け て きた 人 を見 た 時(20)」 19)一 方 的 な状 態 で 性 的 な辱 め を う け た(陵 辱):「 初 め て 、 痴 漢 に あ っ た と き(15)」 「電 車 で盗 撮 され た 時(19)」 厂この 間バ イ トで セ ク ハ ラ さ れ た と き(20)」 ⑥ 受 難 嫌 悪(困 った 状 況 の 渦 中 に い る こ と に対 す る嫌 悪) 20)面 倒 な事 態 に巻 き込 ま れ た(迷 惑):「 夜 、 駅 の ホ ー ム で 酔 っ払 い に しつ こ くか ら まれ た 時 。 そ の酔 っ払 い に対 して(16)」 「夜 中、 寝 て い る時 に、 そ れ を読 ん だ ら眠 れ な くな る よ う な深 刻 な 内 容 の メ ー ル が届 い た と き(不 明)」 「ウエ イ ター を して い て 態 度 の 悪 い客 を接 客 す る 日寺(19)」 21)不 自 由 を感 じる ほ ど拘 束 さ れ た(束 縛):「 い つ もい つ もず っ とつ い て くる女 の 子 が い た と き(9)」 「彼 女 の 実 家 が厳 しい た め に 自分 の家 に長 く居 る こ とが で きな い こ と(19)」 「部 活 で 自分 の 仕 事 が で きて な い と き。 大 学 で(19)」 22)義 務 と して 仕 方 な くや ら さ れ て い た(強 制):「 プ ー ル の練 習 を し な け れ ば い け な か った こ と(9)」 「ク ラ ス で 嫌 わ れ て い た 子 に 縦 笛 を貸 す は め に な っ た こ と(10)」 「学 級 委 員 に さ せ ら れ た(10)」 23)相 容 れ な い 人 と会 う は め に な っ た(不 運):「 い や な 友 人 と一 緒 に い た 時(10)」 「嫌 い な

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同 級 生 が す れ 違 っ た と き(14)」 「一 度 喧 嘩 を した 人 と挨 拶 を した こ と(20)」 24)仲 の 良 い 人 との 間 が ギ ク シ ャ ク して しま っ た(軋 轢):「 親 と け ん か した 時(13)」 「気 ま ず くな っ た 友 達 に嫌 悪(15)」 「ケ ン カ して彼 女 との仲 が 上 手'くい っ て な い と き(20)」 ⑦ 埒 外 嫌 悪(自 分 に と って の基 準 を外 さ れ た こ と に対 す る嫌 悪) 25)自 分 の落 ち 度 を厳 し く指 摘 され た(非 難):「 部 活 で 楽 器 を吹 くの が 苦 手 で先 輩 に 怒 られ た と き(13)」 「バ イ トで の先 輩 に文 句 を言 わ れ た と き(17)」 「わが ま ま と か 、納 得 い か な い と か 、 一 方 的 に言 わ れ る(20)」 26)自 分 へ の接 し方 が 失 礼 だ っ た(無 礼):「 部 活 の 先 生 に 『お 前 だ よ!そ こ の で か い 女!!』 と言 わ れ た 時 か ら(15)」 「自分 の こ と しか 考 え て い な い 人 と話 して い る時 。 こち ら の話 しを 聞 い て くれ な い 。 この 時 は ひ どか っ た(17)」 「そ の気 が な い の に しつ こ く遊 び に誘 わ れ た こ と(19)」 27)自 分 の 考 え や 性 格 とは 合 わ な か っ た(相 違):「 相 手 の 意 見 に納 得 で き な い 時(9)」 「あ ら ゆ る面 で 自分 と価 値 観 の合 わ ない 人 の行 動 を感 じた 時(17)」 「親 との 話 し合 い の 中 で価 値 観 の 違 い に気 付 い た と き(19)」 皿 物(様 子)に 対 す る嫌 悪 ⑧ 異 物 嫌 悪(異 様 な 刺 激 を放 つ もの に対 す る 嫌 悪) 28)鼻 をつ く よ う な臭 い(吸 着):「 飲 み 会 か ら帰 っ て くる 父 の背 広 が 煙 草 臭 か っ た と き(6)」 「魚 屋 の 前 を通 っ て生 臭 い に お い を か い だ と き(16)」 「電 車 に乗 っ た と き、 オ ヤ ジが 臭 か っ た(19)」 29)口 に した くは な い食 物(摂 取):「 初 め て納 豆 を食 べ た 時(7)」 「小 さい 頃 にゼ リ ー状 の プ ル ー ン を飲 ま され た て 以 来 、CMと か で 見 る の も い や(10)」 「豚 肉 の脂 身 を じ ゃが い も と間 違 え て 食 べ て し ま っ た と き(12)」 30)無 理 に お しつ け られ る よ うな皮 膚 接 触(密 着):「 父 の 髭 で じ ょ り じ ょ り され た こ と(17)」 「あ る イ ベ ン トで もみ くち ゃ に され た と き。 暑 苦 し くて 参 りま した(19)」 31)片 付 け られ て い るべ き排 出 物(汚 物):「 汚 い もの に触 らな け れ ば な らな か っ た と き(6)」 「自分 は 清 潔 好 きで 汚 い 物 が嫌 い(15)」 ⑨ 生 態 嫌 悪(異 様 な姿 形 や行 動 を とる もの に対 す る嫌 悪) 32)汚 ら しい 状 態 で い る さ ま(不 潔):「 人 の 口 つ け た 物 を差 し出 さ れ た と き(6)」 「よ だ れ を た ら し た り して 、 不 潔 に して い る男 の 子 に対 して(10)」 「夕 食 で 兄 が ペ チ ャ ク チ ャ音 を立 て て 食 べ る の を見 る(15)」 33)恥 も外 聞 も な い状 態 で い る さ ま(醜 態):「 電 車 で椅 子 に横 に な っ て寝 て い る人 を 見 た 時 (16)」 「電 車 で酔 っ ぱ らい を見 た と き(18)」 「朝 、 電 車 で げ ろ を吐 い て い た 中年 男 性(20)」 34)密 か に忍 び よ り蔓 延 る さ ま(暗 躍):「 見 ず 知 らず の 人 を刺 す 夢 を見 た と き(14)」 「遊 ん で い て 変 な 人 に声 を か け ら れ た 時(15)」 「オ ウ ム事 件 の 実 体 が 明 る み にで た と き(17)」 35)予 測 しが た い 細 か い 動 き を す る さ ま(蠕 動):「 ヘ ビ の展 覧 会 に 行 っ た 後 か ら、 た と え テ レ ビ の 画 面 で あ っ た と して もい や な気 分 で す(5)」 「ゴ キ ブ リ と対 面 した と き(11)」 「買 っ て き た キ ャベ ツ に虫 が つ い て い た 時(19)」 36)傷 を お っ た 死 体 が 放 置 さ れ て い る さ ま(惨 死):「 道 路 わ きで 蛙 が 車 に轢 か れ て 死 ん で い た の を見 て気 持 ち悪 く嫌 悪 感 を抱 い た(9)」 「猫 や 犬 が ひ き殺 さ れ て い る所 を見 た 時(16)」 「元 荒 川 の土 手 を通 っ て い た と き、20cmく らい の 蛙 が死 んで い る の を見 た と き(20)」

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⑩ 性 的 嫌 悪(隠 され るべ き性 的 な もの に対 す る嫌 悪) 37)下 品 に感 じ られ る性 を 題 材 に した 表 現(卑 猥):「 テ レ ビで お 笑 い 芸 人 が くだ ら な い 芸 (シ モ ネ タ)を して い た の を見 た 時(8)」 「い か が わ しい ビデ オ の 内容 が ひ どか っ た(20)」 38)倒 錯 した よ う な性 衝 動 の 発 露(露 出):「 家 の 前 で 露 出狂 に 出 会 っ て し ま った 時(7)」 「学 校 帰 りに変 な お じさ んが い て 、 い や ら しい様 子 だ っ た と き、 吐 き気 が した(14)」 「ア ル バ イ ト先 で 、露 出狂 の 変 質 者 が 現 れ 、見 て しま っ た(18)」 39)性 的 成 長 の 現 れ と して 変 化 した 身体 の局 部(性 徴):「 初 め て 生 理 に な っ た 時 、 嬉 し さ と 同 時 に嫌 な感 じが した(11)」 「色 々 な と ころ に毛 が 生 え て きた と き(13)」 40)性 的 な欲 求 が発 現 され た もの(官 能):「 交 わ る こ と。Sex(14)」 「性 的 な も の に対 して (15)」 4-2嫌 悪 体 験 の 誘 発 要 因(何 を 引 き 金 と して嫌 悪 が 生 じた か)に よ る分 類 嫌 悪 体 験 の 記 述 か ら、 「何 を 引 き金 と して嫌 悪 が 生 じた か 」 に つ い て分 類 した と こ ろ、561名 の記 述 内 容 に含 ま れ る 誘発 要 因 の 特 性 か ら、 次 の27種 類 に 区分 す る こ とが で きた 。 これ らは 、9(a∼i)の 領 域 に分 け る こ とが で き、 更 に3つ の 系 統(A∼C)と して成 立 させ る こ とが で きた 。 カ テ ゴ リ に含 ま れ る 具体 例 と体 験 時 の 年 齢 を以 下 に示 した 。 な お 、体 験 記 述 を分 類 す る上 で 要 と な っ た誘 発 要 因 の 語 句 に傍 点 を記 した 。 A)社 会 秩 序 維 持 系 嫌 悪 a)道 徳 性 嫌 悪:他 者 の心 身 へ の損 害 を もた らす 言 動 に対 して 誘 発 さ れ る嫌 悪 1)原 則 違 反(他 者 が 嫌 が る 言 動)要 因:本 人 が 気 に して い る こ との指 摘 ・一 言 多 す ぎ な ど 例 と して は、 「自分 で は そ ん な つ も りの な い言 葉 で 、 他 人 を傷 つ け た(14)」 「喧 嘩 を して い て 、 相 手 の 気 に して い る こ と を言 っ て し ま った と き(14)」 2)法 律 違 反(他 者 の権 利 の侵 害)い じめ ・痴 漢 ・窃 盗 ・セ クハ ラ ・ス トー カ ー ・暴 力 な ど 「男 の 人 が 女 の人 に暴 力 を振 る っ て い る の を見 た時(18)」 「バ イ ト先 の ロ ッ カ ー で お 金 が な くな っ た 。 人 の もの盗 む って(20)」 ほ 3)規 律 違 反(他 者 へ の迷 惑)泥 酔 ・露 出 ・投 棄 ・騒 音 ・占拠 ・禁 煙 無 視 ・騒 音 ・割 込 な ど 「ポ イ捨 て して い る 人 を見 て(19)」 「近 所 に暴 走 族 が 住 ん で い て 、夜 中 も騒 音 が ひ どい(20)」 b)品 格 性 嫌 悪:他 者 の 信 用 ・信 頼 を損 な う言 動 に対 して誘 発 され る嫌 悪 4)不 正 直(真 意 の 隠 蔽)裏 表 ・言 動 不 一 致 ・口先 だ け ・偽 善 な ど 「女 とい る と き と男 が い る と き とで し ゃべ り方 が 変 わ る 女(14)」 「友 達 が 口 で は 調 子 い い こ と を 言 い つ つ 、 実 際 はぜ んぜ ん 違 う こ と を して い た(19)」 5)不 謹 慎(品 性 の無 さ)冷 淡 ・軽 薄 ・怠 惰 ・下 品 ・強欲 ・勝 手 ・不 貞 ・無 精 ・傲 慢 ・嫉 妬 「人 をい じめ て喜 ぶ 人 を見 た と き(13)」 「お しゃべ りな女 を見 た と き。 口が 軽 い(20)」 6)不 義 理(信 頼 の裏 切)う そ ・浮 気 ・無 責 任 ・心 変 わ りな ど 「友 達 に嘘 を つ か れ た こ と を 知 っ て し ま っ た と き(14)」 「自分 の彼 が 浮 気 して い た(19)」 c)礼 節 性 嫌 悪:他 者 へ の 節 度 をわ きま え な い言 動 に対 して 誘 発 され る嫌 悪 7)非 礼 行 為(節 度 な い 接 し方)執 拗 ・無 遠 慮 ・悪 口 ・無 神 経 ・独 善 ・不 誠 実 ・依 存 な ど 「や た ら と干 渉 して くる友 人(20)」 「い く ら注 意 して も聞 い て くれ な い人(不 明)」 8)威 圧 行 為(高 圧 的 な接 し方)無 理 難 題 ・強 引 ・猜 疑 ・威 嚇 な ど

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「学 校 の 先 生 に成 績 下 げ るぞ と脅 され た(17)」 「手 をつ な ぎた くな い 時 に無 理 矢 理 手 を持 た れ た 時(19)」 9)侮 辱 行 為(軽 ん じた接 し方)一 方 的 ・無 茶 苦 茶 ・不 公 平 ・非 難 ・嫌 味 な ど 「知 ら ない 先 生 に理 由 も聞 か れ な い ま ま怒 鳴 られ た 時 。 先 生 に対 して(16)」 「バ イ トの給 料 が 働 い た よ り少 なか っ た(17)」 B)周 辺 事 態 保 全 系 嫌 悪 d)快 適 性 嫌 悪:不 適 な 事 態 に対 して 誘 発 され る嫌 悪 10)不 都 合(自 分 の 意 に 沿 わ ない)邪 魔 ・干 渉 ・拘 束 ・誤 解 ・損 害 な ど 「牛 乳 が 嫌 い で 、 そ れ を飲 ま な け れ ば い け な か っ た(5)」 「授 業 中 に 、 す ぐ後 ろ の 人 が 話 し た り笑 っ た り して い て集 中 で き な い(21)」 11)不 具 合(自 分 と は 噛 み 合 わ ない)相 性 の 合 わ な い 人 ・期 待 した 反 応 の ない 人 な ど 「価 値 基 準 が 合 わ ず 、合 わ ない と感 じる よ う に な っ た と き(16)」 「兄 の こ と しか頭 に な か っ た母 親 との 仲 が し っ く りこ なか っ た(17)」 12)不 愉 快(自 分 に とっ て 鬱 陶 しい)嫌 い な授 業 ・嫌 い な人 との 遭 遇 な ど 厂自分 の 嫌 い だ っ た 人 と同 じ ク ラ ス に ク ラス 替 えで 決 ま って し ま っ た と き。 後1年 一 緒 に 生 活 す る こ と を考 え る と(12)」 「周 りの 人 の 反 応 が わ ざ と ら しい と感 じた 時(19)」 e)清 潔 性 嫌 悪:不 潔 な事 態 に対 して誘 発 され る嫌 悪 13)不 清 浄(清 潔 さ に支 障 を きた す)吐 瀉 物 ・排 泄 物 ・排 出物 ・漏 出物 な ど 「遊 び に来 た友 人 が ボ ロ ボ ロお 菓 子 を こぼ した りす る の を見 た 時(19)」 「夏 の暑 い 日 に す っ こ い太 っ て毛 深 い 男 の 人 が だ らだ ら汗 をか い て い るの を見 た と き(19)」 14)不 浄 化(清 潔 さ の損 壊 が 進 展 す る)異 臭 ・生 臭 さ ・煙 草 臭 さ な ど 「幼 稚 園 の 同 じク ラ ス に グ リ ン ピ ース 臭 い 子 が い た と き(4)」 「ホ ー ム レ ス の 人 の か な りの 異 臭 を まの あ た りに した(18)」 15)不 衛 生(清 潔 さが 保 証 され ない)兼 用 さ れ た風 呂 の 湯 ・兼 用 さ れ た箸 な ど 「父 親 が 入 っ た 後 の お風 呂 や 、 父 親 に少 しで も触 られ る こ と(14)」 「父 親 が 私 の箸 を持 っ て い る の を見 た 時(15)」 ゆ f)安 全 性 嫌 悪:不 穏 な事 態 に対 して誘 発 され る嫌 悪 16)不 健 全(挙 動 が 知 れ な い)変 質 者 ・変 な人 な ど 「家 に帰 る途 中 、 変 質者 に会 っ て し ま った(17)」 「変 な男 が や け に くっ つ い て 隣 の 席 に座 っ て きた と き(17)」 17)不 可 解(事 情 が 知 れ な い)意 図 不 明 ・性 徴 変 化 ・悪 夢 な ど 「あ る 人 か ら気 持 ち悪 い 手 紙 を貰 っ た 時(17)」 「何 回 もお金 の こ とで だ ま さ れ て き た友 達 が 、 自分 の こ と を 『親 友 だ』 とい っ て きた と き(17)」 18)不 気 味(得 体 が 知 れ な い)遺 骸 ・ゴキ ブ リ ・虫(毛 虫 ・蛾)・ ヘ ビ ・ワ ニ ・小 動 物 な ど 「動 物 園 で 肩 に オ ウ ム をの せ られ た こ と(8)」 「小 さ い 虫 に対 し て。 ご飯 粒 ぐ らい の は大 丈 夫 。 そ の 半 分 以 下 に な る と気 持 ち悪 くて 耐 え られ ない(不 明)」 C)自 浄 作 用 回 復 系 嫌 悪 g)自 発 性 嫌 悪:自 身 の 活 動 性 を 下 げ てい る作 用 に対 して 誘 発 され る嫌 悪 19)意 欲 抑 制(気 楽 に な れ な い)萎 縮 ・人 見 知 りな ど 「一 歩 踏 み 出せ な か っ た 自分 に(18)」 「カ ナ ダ に行 っ て 自分 の 人 見 知 りが 、 激 しい と い う こ

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と にあ ら た め て気 が つ い た と き(20)」 20)意 欲 低 下(強 気 に な れ な い)自 己 否 定 ・自信 喪 失 ・自尊 欠 如 な ど 「自分 に は何 もな く、 自信 が 持 て な い こ と(20)」 「自分 自 身 が役 に立 っ て な い な あ と感 じた 時 に、 自 己嫌 悪(20)」 21)意 欲 停 滞(真 剣 に な れ ない)無 気 力 な ど 「全 て の こ と にや る気 が 無 い 自分 を ど う し よ う もで き な い と き(20)」 「や る 時 に や れ ない 自 分 が 嫌 で た ま ら なか っ た(17)」 h)自 律 性 嫌 悪:自 身 の 統 御 性 を下 げ て い る作 用 に対 して 誘 発 さ れ る嫌 悪 22)制 御 失 敗(達 成 が で き な い)失 敗 ・失 態 ・敗 北 な ど 「部 活 の大 会 で 、 自分 の チ ー ム の 足 を引 っ ぱ っ て しま っ た こ と(15)」 「大 学 受 験 に失 敗 し 自 己 嫌 悪 に 陥 った(18)」 23)制 御 困 難(充 分 に で き な い)優 柔 不 断 ・膠 着 状 態 な ど 「自分 の優 柔 不 断 さ に嫌 悪 した(14)」 「自分 の 思 い 通 り に行 動 で きな い 自分 に嫌 気 が さ した と き(19)」 24)制 御 不 能(調 整 が で きな い)体 調 不 良 ・機 能 低 下 な ど 「高 校 入 試 の 時 に試 験 中具 合 が 悪 くな った こ と(15)」 「急 激 に視 力 が 落 ち て 、 め が ね を か け な くて は な ら な くな っ た こ と(15)」 i)自 制 性 嫌 悪:自 身 の制 動 性 を下 げ て い る作 用 に対 して 誘 発 され る 嫌 悪 25)意 志 断 裂(改 善 が で きな い)悪 習 慣 ・悪 癖 な ど 「大 学 受 験 期 に進 路 を半 分 投 げ 出 した 自分 に(18)」 「何 回 怒 られ て も、 同 じ こ と を繰 り返 し て し ま う 自分(19)」 26)意 志 薄 弱(我 慢 が で きな い)暴 飲 暴 食 ・肥 満 ・計 画倒 れ な ど 「次 の 日 の朝 に バ イ トが あ る の に 、前 日 の夜 に飲 み す ぎた 時(19)」 「授 業 を休 ん だ り、 ダ ラ ダ ラ して い る 自分 に 自 己嫌 悪(19)」 27)意 志 断 絶(冷 静 に な れ な い)ケ ン カ ・入 つ 当 た り ・キ レ る な ど 「自分 の イ ライ ラ を他 の 人 にぶ つ け て しま っ た と きの 自分 に対 して(12)」 「母 親 と け ん か し て 、 暴 言 を は き なが ら、 自分 で 自分 を い や だ と思 っ た(20)」 4-3嫌 悪 体 験 の 場 面(ど の よ う に して 誘 発 要 因 が 顕 在 化 した か)に よ る分 類 嫌 悪 体 験 の記 述 か ら、 「どの よ う に して 誘 発 要 因 が 顕 在 化 した か 」 に つ い て分 類 した と こ ろ 、561名 の記 述 内 容 の表 現 か ら、次 の6段 階 に 区 分 す る こ とが で きた 。 分 類 と具 体 例 を以 下 に示 した。 α出 没(不 意 に 目 に す る ・耳 にす る) 1)露 出:父 親 が 自己 中 心 的 な と こ ろ を あ らわ に した と き 2)発 覚:バ イ ト先 の 入 が 、 恋 人 が い る の に不 倫 して い る と知 った 3)接 近:嫌 い な 人 が 隣 に い る と き 4)漏 洩:考 え て い る事 が 上 手 に伝 え られ ず 、 相 手 を 困 らせ た β接 触(向 か い合 う はめ に な る) 1)侵 害:な れ な れ しい 男 に体 を触 られ た こ と 2)対 峙:同 性 の 人 か ら告 白 され て 、毎 日電 話 を も らい に 、 最 後 に は手 紙 まで も らっ た こ と 3)過 失:思 っ た こ とをす ぐ口 に して相 手 を傷 つ け た 時

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4)受 難:電 車 が 混 ん で い る こ と γ付 着(自 分 に つ い て ま わ る) 1)処 遇:自 分 で努 力 せ ず 、 い つ も頼 っ て こ られ た と き。 2)自 覚:好 きな 人 に夢 中 に な っ た だ け で 、勉 強 を捨 て て しま っ た 自分 へ δ定 着(蔓 延 して常 態 化 す る) 1)評 価:自 分 が 一番 偉 い と思 っ て い る 人 に 2)性 分:優 柔 不 断 で 人 との付 き合 い が あ ま り得 意 で な い 自分 に対 して う ん ざ り した時 3)境 遇:中 学 の 時 、 部 内 の 人 間 関 係 が 上 手 くい か な か っ た時 4)習 慣:小 学 校 の 帰 りの会 で 、 誰 か の こ と を皆 の前 で 文 句 を言 う習 慣 が あ っ た こ と ε活 性(一 気 に顕 在 化 す る) 1)対 立:友 人 とけ ん か して い た 後 の 自分 に対 して 2)着 手:親 の財 布 か ら、 お金 を盗 ん だ事 3)誘 引:深 酒 を して 記 憶 が な く朝 起 きた と き 4)暴 発:友 達 に暴 言 を は い て し ま っ た ζ残 留(取 り残 され た ま ま に な る) 1)無 為:友 達 と喧 嘩 して か ら。 ず っ と口 も きい て な い し、 まず 会 わ な くな っ た 2)無 策:す べ っ た と きの 自分

1.嫌 悪 体 験 の 「対 象(何 に)」 の 分 布 表1.に 「嫌 悪 の 対 象(何 に 嫌 悪 し た か)」 に よ っ て 分 類 し た3体 系 と 、 こ れ を 構 成 す る10類 型 、 お よ び40特 性 に お け る 、 全 体 と 性 別,年 齢 区 分 別 分 布 を 示 し た 。 1-1.対 象3体 系 の 全 体 頻 度 全 体 と し て 、 嫌 悪 体 験 の 記 述 か ら 判 断 さ れ た 対 象3体 系 に よ る 出 現 頻 度 は 、 『1人 』 に 対 す る 嫌 悪 が316名(56.3%)、 『II事(状 況)』 に 対 す る 嫌 悪 が155名 (27.6%)、 『皿 物(様 子)』 に対 す る 嫌 悪 が90名(16.0%)で あ り 、 『1人 』 に 対 す る 嫌 悪 が 、 最 も 高 い 出 現 率 を 示 し た 。 1-2.対 象3体 系 に お け る 構 成 比 『1人 』 に 対 す る 嫌 悪 は 、 ① 自 己 嫌 悪(134名,23.9%)、 ② 近 親 者 嫌 悪(93名,16.6%)、 ③ 他 者 嫌 悪(79名,14.1%)、 ④ 性 別 嫌 悪(10名,1.8%)の4つ の 区 分 に 分 類 さ れ た 。 こ の 『1人 』 に 対 す る 嫌 悪 内 で の 構 成 比 は 、 ① 自 己 嫌 悪 が42.4%、 ② 近 親 者 嫌 悪 が29.4%、 ③ 他 者 嫌 悪 が25.0%、 ④ 性 別 嫌 悪 が3.2%と な っ て お り 、 自 己 嫌 悪 が 最 多 の 比 率 を 示 し て い る こ と が 認 め ら れ た 。 ま た 、 次 の 『H事(状 況)』 に 対 す 嫌 悪 は 、 ⑤ 迫 害 嫌 悪(37 名,6.6%)、 ⑥ 受 難 嫌 悪(71名,12.7%)、 ⑦ 埒 外 嫌 悪(43名 、7.7%)、 そ の 他(4名,0.7%) の3つ の 区 分 に 分 類 さ れ た 。 こ の 『II事(状 況)』 に 対 す る 嫌 悪 内 で の 構 成 比 は 、 ⑤ 迫 害 嫌 悪 が 23.9%、 ⑥ 受 難 嫌 悪 が45.8%、 ⑦ 埒 外 嫌 悪 が27.7%と な っ て お り、 受 難(困 っ た 状 況 の 渦 中)嫌 悪 が 最 も 高 い 比 率 を 示 し た 。 そ して 最 後 の 『皿 物(様 子)』 に対 す る 嫌 悪 は 、 ⑧ 異 物 嫌 悪(18名, 3.2%)、 ⑨ 生 態 嫌 悪(58名,10.3%)、 ⑩ 性 的 嫌 悪(14名,2.5%)の3つ に 分 類 さ れ た 。 こ の 『皿 物(様 子)』 に 対 す る 嫌 悪 内 で の 構 成 比 は 、 ⑧ 異 物 嫌 悪 が20.0%、 ⑨ 生 態 嫌 悪 が64.4%、 ⑩ 性 的 嫌 悪 が15.6%で あ り、 生 態(異 様 な 姿 形 や 行 動)嫌 悪 が 最 大 比 率 を 示 し て い る こ とが わ か っ た 。 1-3.10類 型 に お け る 内 部 構 成 比 更 に 、3体 系 ご と で 分 類 さ れ た 類 型 ① ∼ ⑩ に お け る そ れ ぞ れ

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の 特 性1)∼40)の 構 成 比 を 見 て み た 。 『1人 」 に 対 す る 嫌 悪 ① 自 己 嫌 悪 に お け る 特 性 の 構 成 比 は 、2)性 格 ・能 力 に 問 題 を 感 じた 自 分(55名,9.8%)が41.0%で 最 も 高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、1)不 注 意 な 言 動 を し て し ま っ た 自 分(33,5.9)24.6%、3)意 図 的 に 悪 い こ と を し て し ま っ た 自 分(25,4.5)18.7%、4)感 情 が 高 ぶ り我 を 忘 れ て し ま っ た 自 分(16,2.9)11.9%に な っ て い た 。 ② 近 親 者 嫌 悪 で は 、5)言 動 が 理 解 で き な く な っ て し ま っ た 身 近 な 人(40,7。1)43.0%を 筆 頭 に 、6)望 ま し く な い 言 動 を し て い た 身 近 な 人(31,5.5)33.3%、7)信 じ て い た の に 裏 切 り を 行 っ た 身 近 な 人(13,2.3) 14.0%、8)愛 情 に 乏 し い 言 動 を 示 し た 身 近 な 人(9,1.6)9.7%と い う 順 位 で あ っ た 。 ③ 他 者 嫌 悪 で は 、11)不 謹1真 な 態 度 で 人 に 接 し て い る 人(16,2.9)20.3%、10)自 己 中 心 的 で わ が ま ま な 言 動 を す る 人(14,2.5)17.7%、12)自 分 と は 合 わ な い 考 え や 性 格 を も つ 人(14,2.5) 17.7%、13)良 識 が 感 じ ら れ な い よ う な 言 動 を す る 人(12,2.1%)15.2%、9)不 真 面 目 で い い か げ ん な 言 動 を す る 人(11,2.0)13.9%、14)裏 表 が あ っ て 信 用 で き な い 言 動 を す る 人(9,1.6) 11.4%で あ り 、 概 ね 均 等 し た 比 率 を示 し て い た 。 ④ 性 別 嫌 悪 で は 、16)相 反 す る 性 別 を も つ 異 性 (6,1.1)60.0%と15)同 性 と し て 認 め が た い 人(4,0.7)40.0%で 、 こ れ も均 等 的 な 比 率 で あ っ た 。 従 っ て 、 特 に 比 率 の 高 か っ た 「性 格 ・能 力 に 問 題 」 「言 動 が 理 解 で き な い 」 「不 謹 慎 な 態 度 」 「相 反 す る 性 別 」 を 中 心 と し た こ れ ら の 項 目 内 容 の 意 味 か ら 、 こ の 嫌 悪 の 全 体 的 特 性 は 、 『必 要 な 適 性 を 示 し え な い 人 』 で あ る こ と を 理 解 す る こ と が で き た 。 『H事(状 況)」 に 対 す る 嫌 悪 ⑤ 迫 害 嫌 悪 で の 特 性 の 構 成 比 は 、18)つ け ね ら わ れ て 心 身 と も に 追 い 込 ま れ た(15,2.7)が40.5%で 最 も 高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、19)一 方 的 な 状 態 で 性 的 な 辱 め を う け た(14,2.5)37.8、17)自 分 の 権 利 や 所 有 物 が 侵 害 さ れ た(8,1.4)21.6に な っ て い た 。 ⑥ 受 難 嫌 悪 で は 、20)面 倒 な 事 態 に 巻 き込 ま れ た(24,4.3)33.8%を 筆 頭 に 、23)相 容 れ な い 人 と 会 う は め に な っ た(23,4.1)32.4、22)義 務 と し て 仕 方 な くや ら さ れ て い た(9, 1.6)12.7、24)仲 の 良 い 人 と の 間 が ギ ク シ ャ ク し て し ま っ た(9,1.6)12.7、21)不 自 由 を 感 じ る ほ ど拘 束 さ れ た(6,1.1)8.5と い う順 位 で あ っ た 。 ⑦ 埒 外 嫌 悪 で は 、26)自 分 へ の 接 し 方 が 失 礼 だ っ た(17,3.0)39.5%、27)自 分 の 考 え や 性 格 と は 合 わ な か っ た(14,2.5)32.6、25) 自 分 の 落 ち 度 を 厳 し く指 摘 さ れ た(12,2.1)27.9と 、 均 等 的 な 比 率 を 示 し て い た 。 従 っ て 、 特 に 比 率 の 高 か っ た 「つ け ね ら わ れ て 」 「面 倒 な 事 態 に 巻 き込 ま れ て 」 「接 し方 が 失 礼 」 を 中 心 と し た こ れ ら の 項 目 内 容 の 意 味 か ら 、 こ の 嫌 悪 の 全 体 的 特 性 は 、 『当 然 の 権 益 が 守 ら れ え な い 事(状 況)』 で あ る こ と を 理 解 す る こ とが で き た 。 『皿 物(様 子)」 に 対 す る 嫌 悪 ⑧ 異 物 嫌 悪 で の 特 性 構 成 比 は 、28)鼻 に つ く よ う な 変 な 臭 い と29)口 に し た く は な い 食 物 が と も に(7名,1.2%)、38.9%で 最 も 高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、 30)無 理 に 押 し つ け ら れ る よ う な 皮 膚 接 触 と31)片 付 け ら れ て い る べ き 排 出(泄)物 が と も に (2,0.4)、11.1%で あ っ た 。 ⑨ 生 態 嫌 悪 で は 、35)予 測 しが た い 細 か い 動 き を す る さ ま(21,3.7) 36.2%を 筆 頭 に 、32)汚 ら し い 状 態 で い る さ ま(16,2.9)27.6、34)密 か に 忍 び よ り蔓 延 る さ ま (9,1.6)15.5、33)恥 も外 聞 も な い 状 態 で い る さ ま(7,1.2)12.1、36)傷 を お っ た 死 体 が 放 置 さ れ て い る さ ま(4,0.7)6.9と い う順 位 で あ っ た 。 ⑩ 性 的 嫌 悪 で は 、38)倒 錯 し た よ う な 性 衝 動 の 発 露(6,1.1)42.9%、37)下 品 に 感 じ ら れ る 性 を 題 材 に し た 表 現(4,0.7)28.6、39)性 的 成 長 の 現 れ と し て 変 化 し た 身 体 の 局 部 と40)性 的 な 欲 求 が 発 現 さ れ た も の が と も に(2,0.4) 14.3%で 後 に 続 い て い た こ と が わ か っ た 。 従 っ て 、 特 に 比 率 の 高 か っ た 「鼻 に つ く」 「口 に し た く な い 」 「予 測 し が た い 」 「汚 ら し い 」 「倒 錯 し た 」 を 中 心 と し た こ れ ら の 項 目 内 容 の 意 味 か ら 、

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本 嫌 悪 の 全 体 的 特 性 は 、 『正 常 な 範 囲 を維 持 しえ な い物(様 子)』 で あ る と理 解 す る こ とが で きた 。 2.嫌 悪 体 験 の 性 別 に お け る 「対 象 」 の 分 布 表1.に は性 別 の度 数 と と も に、 男 女 の%比(女 性 合 計 に お け る%÷ 男 性 合 計 にお け る%)を 示 し、 こ れ に よ り、1を 下 回 る も の が 、 男 性 の相 対 比 が 女 性 よ り多 く、1を 超 え る もの は 、 女 性 が 男 性 よ り も多 い こ とを表 した 。 どち らか の性 別 の み で あ っ た 場 合 は 、男 女%比 を 求 め る こ とが で きな い の で 、 そ の 場 合 に は 、 記 号(一)を 記 す こ と に した 。 そ の 結 果 、 女 性 の み の嫌 悪 対 象 とな っ て い た もの は 、19)一 方 的 な状 態 で 性 的 な辱 め を うけ た 事(14名)と15)同 性 と して 認 め が た い 人(4名)、31)片 付 け られ て い るべ き排 出(泄)物 の3 つ で あ っ た 。 ま た 、女 性 が 男 性 の2倍 以 上 の 相 対 比 を示 した も の の 中 で 、 比 が 最 も大 きか っ た も の は 、18)つ け ね らわ れ て心 身 と も に追 い込 ま れ た(男 女 比7.5)で あ り、次 い で 、26)自 分 へ の接 し方 が 失 礼 だ っ た(4.0)、 そ して 、16)相 反 す る性 別 を もつ 異 性 と38)倒 錯 した よ う な性 衝 動 の発 露(と も に2.7)で あ り、 計7つ の 特 性 で 女 性 上 位 の 嫌 悪 対 象 が 認 め られ た 。 更 に 、3体 系 ご との 小 計 に よ る男 女 比 で は 、 『1人 』 に対 す る嫌 悪 で0.9、 『H事(状 況)』 に対 す る 嫌 悪 が1.7、 『皿物(様 子)』 に対 す る 嫌 悪 が0.9と な っ て お り、 他 の 体 系 に比 べ2倍 程 度 の 比 を 示 し て い る 『II事(状 況)』 に対 す る嫌 悪 が 、 全 体 と して女 性 上位 の 嫌 悪 対 象 とな っ て い る こ と を確 認 す る こ とが で き た 。 他 方 、 男 性 の み の 嫌 悪 対 象 と な っ て い た もの は、30)無 理 に押 しつ け られ た よ うな 皮 膚 感 触 (2名)の み で あ り、 男 性 が 女 性 の2倍 以 上 の相 対 比(表 で は0.5以 下)を 示 した もの の 中 で 、 比 が 最 も大 き か っ た もの は 、14)裏 表 が あ っ て 信 用 で き な い 人 と33)恥 も外 聞 も な い 状 態 で い る さ まが 、 と もに 同 列(0.4)と な っ て い た 。 そ れ に 次 い で は 、21)不 自 由 を感 じる ほ ど拘 束 され た(0.5)で 、計4つ の 特 性 で 男 性 上 位 の 嫌 悪 対 象 が 認 め られ た 。 な お 、 性 的 嫌 悪 に関 して は 、 実 数 が そ れ ぞ れ1や2で 余 りに も小 さい こ とか ら、 結 果 と し て の記 述 を避 け る こ と に した 。 3.嫌 悪 体 験 時 の 「年 齢 」 区 分 の 構 成 表1.の 年 齢 区 分 の右 欄 最 下 段 に は 、 嫌 悪 体 験 全 体 の 年 齢 区 分 ご との 頻 度 が 示 さ れ て い る 。 こ れ に よ る と 、対 象 者 が 報 告 した 嫌 悪 体 験 にお い て 記 述 した体 験 時 年 齢 の 区 分 に お い て 、 最 も頻 度 が 多 か っ た もの は 、18∼20歳(241名,43.0%)、 次 い で15∼17(134,23.9)、12∼14(71, 12.7)で あ り、12∼20歳 の 中 学 時 代 か ら大 学 時代 ま で で 、 年 齢 区 分 全 体 の79.5%を 占 め る も の で あ っ た 。 そ れ 以 外 の各 年 齢 区 分 の比 率 は1割 に も満 た な い もの で あ る こ とが 示 され た 。 3体 系 の 小 計 にお い て は 、 い ず れ も最 多 頻 度 を 示 した 年 齢 区 分 が18∼20歳(146.8%,1 41.9%,皿31.1%)で あ る こ と に は 変 わ りは な い が 、12∼20歳 の 範 囲 を ま とめ る と、 『1人 』 に 対 す る 嫌 悪 で は85.4%が この 年 齢 範 囲 で 出 現 して い て 、 『II事(状 況)』(77.4%)や 、 『皿 物(様 子)』(62.2%)に 対 す る 嫌 悪 の場 合 よ り も高 い 比 率 を 示 して い る こ とが 認 め られ 、 よ り顕 著 な体 系 間 の 違 い を示 す こ と とな っ た 。更 に 、そ の他 の 年 齢 区分 で は、4∼5,6∼8歳 で 『皿物(様 子)』 に対 す る嫌 悪 の小 計 比 率 が 比 較 的 高 く、 他 の 体 系 よ り も2倍 以 上 の 差 が 認 め られ た こ とや 、9∼ 11歳 で 『II事(状 況)』 『皿物(様 子)』 に対 す る嫌 悪 が 比 較 的 高 く、12∼14歳 に な る と 『1人 』 に対 す る嫌 悪 の 比 率 が 、 他 の対 象 よ り2倍 程 度 高 い もの で あ る こ とが 認 め られ た 。 4.嫌 悪 の 「誘 発 要 因 」 の 分 布

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表1嫌 悪体験 の対 象別 分 布 と年齢 区分別 分布 内 容 全体 性別度数 男女の% 比 年 令区分 度数 % 男性 女性 4-5 6-8 9-11 12-14 15-17118-20121-26 不明 1 人 自 己 嫌 悪 1不注意 な言動をしてしまった 自分 33 5.9 9 24 1.4 2 7 6 1 17 1 1 2性格 ・能力 に問題を感 じた 自分 55 9.8 19 36 1.0 2 12 35 1 3 3 3意図 的 に悪いことをしてしまった自分 25 4.5 11 14 0.7 3 7 3 10 1 1 4感情 が高ぶり我 を忘 れてしまった自分 16 2.9 5 11 1.2 1 1 3 6 5 その他 5 0:9 4 1 o.i 2 1 1 2 近 親 者 嫌 悪 5言動 が理解で きなくなってしまった身近 な人 40 7.1 17 23 0.7 2 2 3 9 13 9 1 1 6望 ましくない 言動をしてい た身 近な人 31 5.5 10 21 i.i 1 3 7 8 1 12 7信 じていたのに裏切 りを行 った身 近な人 13 2.3 4 9 1.2 3 2 8 8愛 情に乏しい言 動を示した身近 な人 9 1.6 3 s 1.1 .1 2 6 他 者 嫌 悪 9不 真面 目でいいかげんな言動 をす る人 11 2.0 4 7 0.9 3 7 1 10 自己中 心的でわ がままな言動をする人 14 2.5 6 8 0.7 1 1 2 10 11不 謹慎 な態度 で人 に接 している人 16 2.9 6 10 0.9 3 3 6 4 12 自分とは合わない考 えや性 格をもつ人 14 2.5 4 10 1.3 3 5 1 5 1 13 良識が感じられないような言動をする人 12 2.1 5 7 0.7 1 1 3 7 14裏 表があって信 用できない言動 をする人 9 1.6 5 4 0.4 6 2 1 その他 3 0.5 2 1 0.3 1 1 1 嫌 性 悪 別 15 同性 として認 めがたい人 4 0.7 4 一 1 1 2 16 相反す る性別 をもつ異 性 6 1.1 1 5 2.7 i 1 1 2 1 (小計) 316 56.3 115 201 0.9 5 4 16 51 71 .; 8 13 1.6 1.3 5.1 16.1 22.5 一.: 2.5 4.1 皿 事 ( 状 況 ) 迫 害 嫌 悪 17自分 の権利や 所有 物が侵害 された 8 1.4 2 6 1.6 1 2 5 isつけね らわれ て心身 ともに追い込 まれた 15 2.7 i 14 7.5 1 1 3 i 4 5 19一方 的な状態で性 的 な辱 めをうけた 14 2.5 14 一 2 3 9 受 難 嫌 悪 20 面倒 な事態 に巻 き込まれ た 24 4.3 6 18 1.6 1 1 10 6 3 3 21 不 自由を感 じるほど拘 束され た 6 1.1 3 3 0.5 1 1 3 1 22 義務 として仕方 なくやらされていた 9 1.6 4 5 0.7 1 2 5 1 23 相容 れない人と会うは めになった 23 4.1 8 15 1.0 1 1 3 4 11 2 i 24 仲 の良い人 との間 がギクシャクしてしまった 9 1.6 2 7 1.9 4 2 3 埒 外 嫌 悪 25 自分の落ち度 を厳しく指摘された 12 2.1 4 8 1.1 1 2 2 7 26 自分へ の接 し方 が失礼だった 17 3.0 2 15 4.0 1 6 10 27 自分の考 えや 性格 とは合 わなかった 14 2.5 4 10 1.3 1 1 5 5 1 1 その他 4 0.7 1 3 1.6 1 2 1 (小 計) 155 27.6 37 118 1.7 2 6 15 13 42 65 6 6 1.3 3.9 9.7 8.4 27.1 41.9 3.9 3.9 皿 物 ( 様 子 ) 異 物 嫌 悪 28鼻につくような変 な臭 い 7 1.2 3 4 0.7 1 1 1 1 1 2 29口にしたくはない食物 7 1.2 3 4 0,7 1 2 1 1 2 30無理 に押 しつけられるような皮膚 接触 2 0.4 2 一 1 1 31片付 けられているべき排出(泄)物 2 0.4 2 一 i 1 生 態 嫌 悪 32汚らしい状態 でいるさま 16 2.9 5 11 1.2 2 2 5 7 33恥も外 聞もない 状態でいるさま 7 1.2 4 3 0.4 3 4 34密か に忍び より蔓延 るさま 9 1.6 3 6 1.1 1 5 2 1 35予測 しがたい細 かい動 きをするさま 21 3.7 7 14 1.1 4 2 3 i 1 6 1 3 36傷 をおった死 体が放 置されているさま 4 0.7 1 3 1.6 2 i 1 その他 1 0.2 1 1 性 的 嫌 悪 37下 品に感 じられる性 を題 材 にした表現 4 0.7 2 2 0.5 1 2 i 38倒錯 したような性 衝動 の発 露 6 1.1 i 5 2.7 1 1 2 2 39性 的成長の現 れ として変化した身 体の局部 2 0.4 1 1 0.5 1 1 40性 的な欲求が発 現されたもの 2 0.4 1 i 0.5 1 1 (小 計) 90 16.0 33 57 0.9 6 9 11 7 21 28 1 7 6.7 lo.o 12.2 7.8 23.3 31ユ i.i 7.8 合 計 561 ioo.o 370 695 一 13 19 42 71 134 241 15 26 2.3 3.4 7.5 12.7 23.9 43.0 2.7 4.6

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表2.に 「嫌 悪 の 誘 発 要 因(何 を 引 き 金 と し て 嫌 悪 が 生 じ た か)」 に よ っ て 分 類 し た3系 統 と 、 こ れ を 構 成 す る9領 域 、 そ し て 、 こ れ に 属 す る 計27種 類 の 要 因 に お け る 、 全 体 と性 別,嫌 悪 体 験 の 場 面 別 分 布 を 示 し た 。 4-1.3系 統 に お け る 分 布 全 体 と し て 、 嫌 悪 体 験 の 記 述 か ら 判 断 さ れ た 誘 発 要 因 の 領 域 に よ る 出 現 頻 度 は 、 『A社 会 秩 序 維 持 系 嫌 悪 』 が278名(49.6%)、 『B周 辺 事 態 保 全 系 嫌 悪 』 が197名 (35.1%)、 『C自 浄 作 用 回 復 系 嫌 悪 』 が78名(13.9%)で あ り 、 『A社 会 秩 序 維 持 系 嫌 悪 』 が 、 最 も高 い 出 現 率 を 示 した 。 4-2.系 統 内 に お け る 領 域 構 成 比 『A社 会 秩 序 維 持 系 』 に お け る 誘 発 領 域 は 、a道 徳 性(90名, 16.0%)、b品 格 性(125,22.3)、c礼 節 性(63,11.2)の3つ に 分 類 さ れ た 。 こ の 系 統 内 で の 内 部 構 成 比 は 、a道 徳 性 が32.4%、b品 格 性 が45.0%、c礼 節 性 が22.7%で あ る こ と に な り 、 社 会 秩 序 維 持 系 で は ② 品 格 性 の 誘 発 要 因 が 最 多 の 比 率 で あ る こ とが 認 め ら れ た 。 ま た 、 次 の 『B周 辺 事 態 保 全 系 』 に お け る 領 域 で は 、d快 適 性(138名,24.6%)、e清 潔 性(20名,3.6%)、f安 全 性(39 名 、7.0%)に 分 類 さ れ た が 、 同 系 統 内 部 で の 構 成 比 は 、d快 適1生 が70.1%、e清 潔 性10.2%、f 安 全 性19.8%で 、 周 辺 事 態 保 全 系 で はd快 適1生 の 誘 発 要 因 が 最 多 と な る こ とが わ か っ た 。 最 後 に 、 『c自 浄 作 用 回 復 系 』 の 領 域 は 、g自 発 性(22名,3.9%)、h自 律 性(22名,3.9%)、i自 制 性(34 名,6.1%)に 分 類 さ れ 、 系 統 内 で の 構 成 比 に 関 し て は 、g自 発 性28.2%、h自 律 性28.2%、i自 制 性 が43.6%で あ り、 自 浄 作 用 回 復 系 で は 、i自 制 性 の 誘 発 要 因 が 最 も 高 い 比 率 を 示 す こ と に な る こ と が 認 め ら れ た 。 4-3.27種 類 の 誘 発 要 因 次 に 、9領 域a∼iに お け る27種 類 の 構 成 比 を 見 て み た 。 」A社 会 秩 序 維 持 系 」a道 徳 性 の 中 で は 、2)法 的 違 反(40名,7.1%)が44.4%で 最 も高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、3)規 律 違 反(27,4.8)30.0%、2)原 則 違 反(23,4.1)25.6%に な っ て い た 。b品 格 性 で は 、5)不 謹 慎(74,13.2)59.2%を 筆 頭 に 、6)不 義 理(33,5.9)26.4%、4) 不 正 直(18,3.2)14.4%と い う 順 位 で あ っ た 。c礼 節 性 で は 、7)非 礼 行 為(32,5.7)50.8%、9) 侮 辱 行 為(19,3.4)30.2%。8)威 圧 行 為(12,2.1)19.0%で あ っ た 。 領 域 の 中 で 過 半 数 を 超 え る 比 率 を 示 し た 種 類 は 、b品 格 性 の5)不 謹i真、c礼 節 性 の7)非 礼 行 為 で あ る こ とが 認 め ら れ た 。 _[旦 周 辺 事 態 保 全 系 」d快 適 性 の 中 で は 、12)不 愉 快(58名,10.3%)が42.0%で 最 も高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、10)不 都 合(50,8.9)36.2%、11)不 具 合(30,5.3)21.7%に な っ て い た 。e清 潔 性 で は 、14)不 浄 化(10,1.8)50.0%を 筆 頭 に 、13)不 清 浄 と15)不 衛 生 が と も に (5,0.9)25.0%で 続 い た 。f安 全 性 で は 、18)不 気 味(23,4.1)59.0%、16)不 健 全 と17)不 可 解 が と も に(8,1.4)20.5%で あ っ た 。 こ の 領 域 の 中 で 過 半 数 を 超 え る 比 率 を 示 し た 種 類 は 、e 清 潔 性 の14)不 浄 化 とf安 全 性 の18)不 気 味 で あ る こ と が 認 め ら れ た 。 上 自 浄 作 用 回 復 系 』g自 発 性 の 中 で は 、19)意 欲 抑 制 と20)意 欲 低 下 が と も に(9名, 1.6%)40.9%で 最 も 高 い 比 率 を 示 し 、 次 い で 、21)意 欲 停 滞(4,0.7)18.2%と な っ て い た 。h 自 律 性 で も 同 様 に 、22)制 御 失 敗 と23)制 御 困 難 が と も に(9,1.6)40.9%で 、24)制 御 不 能 が (4,0.7)18.2%と な っ た 。i自 制 性 で は 、27)意 志 断 絶(14,2.5)41.2%、25)意 志 断 裂 と26) 意 志 薄 弱 が と も に(10,1.8)29.4%で あ っ た 。 こ れ ら3つ の 領 域 の 中 で 、 過 半 数 を 超 え る 比 率 を 示 し た 種 類 を 認 め る こ と は で き な か っ た 。 5.嫌 悪 体 験 の 性 別 に お け る 「誘 発 要 因 」 の 分 布 表2.に も性 別 度 数 と と も に 、 男 女 の%比(算 定 方 法 前 出)を 示 し、 こ れ に よ り、1を 下 回 る

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表2嫌 悪体験 の誘 発要 因別 分 布 と場 面別 分布 要 因 全体 性別度数 の%比男女 嫌悪体験の場面 不 明 度数 % 男性 女性 出没 接触 付着 定着 活性 残 留 社 会 秩 序 維 持 系 嫌 悪 道 徳性 1) 原則違 反 23 4.1 5 18 1.8 22 1 2) 法 的違 反 40 7.1 10 30 1.5 12 6 16 3 3 3) 規律違 反 27 4.8 8 19 1.2 13 9 1 3 i 品格性 4) 不正直 18 3.2 8 10 0.6 13 1 4 5) 不謹 慎 74 13.2 27 47 0.9 39 4 4 27 6) 不義理 33 5.9 10 23 1.1 17 4 2 7 3 礼節性 7) 非礼 行為 32 5.7 5 27 2.7 2 18 9 2 1 8) 威圧行為 12 2.1 4 8 1.0 6 5 1 9) 侮辱行為 19 3.4 5 14 1.4 14 4 1 (小 計) 278 49.6 82 196 1.2 96 84 41 45 9 3 34.5 30.2 14.7 16.2 3.2 1.1 周 辺 事 態 保 全 系 嫌 悪 快適性 10)不都合 50 8.9 14 36 1.3 4 23 11 10 2 11)不具合 30 5.3 9 21 1.1 10 8 11 1 12)不愉快 58 10.3 30 28 0.5 22 4 32 清潔性 13)不清浄 5 0.9 1 4 2.0 4 1 14)不浄化 10 1.8 5 5 0.5 10 15)不衛生 5 0.9 1 4 2.0 1 3 1 安 全性 16)不健全 8 1.4 1 7 3.4 5 3 17)不可解 8 1.4 4 4 0.5 5 3 18)不気味 23 4.1 8 15 0.9 18 1 4 (小計) 197 35.1 73 124 o.s 79 45 11 59 1 2 40.1 22.8 5.6 29.9 0.5 1.0 自 浄 作 用 回 復 系 嫌 悪 自発性 19)意欲抑制 9 1.6 4 5 0.6 2 7 20)意欲低 下 9 1.6 5 4 0.4 1 8 21)意欲停 滞 4 0.7 4 一 4 自律性 22)制御 失敗 9 1.6 3 6 1.0 6 1 1 1 23)制御 困難 9 1.6 4 5 0.6 2 1 6 24)制御 不能 4 0.7 1 3 1.5 3 1 自制性 25)意 志断裂 10 1.8 4 6 0.7 4 5 1 zs)意 志薄弱 10 1.8 2 8 2.0 4 4 2 27)意 志断絶 14 2.5 4 10 1.2 1 1 2 10 (小 計) 78 13.9 27 51 0.9 11 1 14 38 13 1 14.1 1.3 17.9 .・ 16.7 1.3 不 明 8 1.4 3 5 一 2 1 2 3 合 計 561 100.0 185 376 一 .. 131 66 144 23 s 3 33.5 23.4 11.8 25.7 4.1 1.1 0.5 もの が 、 男 性 の 相 対 比 が 女 性 よ り多 く、1を 超 え る も の は 、 女 性 が 男 性 よ り も多 い こ と を表 した 。 前 記 同様 、 片 方 の性 別 の み で あ っ た 場 合 は 、 男 女%比 を求 め る こ とが で きな い の で 、 そ の場 合 に は、 記 号(一)を 記 した 。 そ の 結 果 、 女 性 の み の 誘 発 要 因 とな っ て い た も の は 、21)意 欲 停 滞(4名)の み で あ っ た 。 ま た 、 女 性 が 男 性 の2倍 以 上 の 相 対 比 を示 した もの の 中 で 、 比 が 最 も大 きか っ た もの は 、16)不 健 全(男 女 比3.4)で あ り、 次 い で 、7)非 礼 行 為(2.7)、 そ して 、13)不 清 浄 と15)不 衛:生、26) 意 志 薄 弱(と も に1.8)で あ り、 計6つ の種 類 で 女 性 上 位 の 誘 発 要 因 が 認 め られ た 。 女 性 上 位 の 誘 発 を系 統 別(小 計)で 見 る と、2.0を 超 え る もの な く、 どの 系 統 も1程 度 の 比 を示 して い た。 他 方 、 男 性 の 場 合 、男 性 の み の 誘 発 要 因 とな っ て い た もの は な か っ たが 、 男 性 が 女 性 の2倍 以 上 の相 対 比(表 で は0.5以 下)を 示 した もの の 中 で 、 比 が 最 も大 きか っ た もの は、20)意 欲 低 下

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で あ り(0.4)、12)不 愉 快 ど14)不 浄 化 が と も に 同 列 で(0.5)、 こ れ に 続 い て お り、 計3つ の 種 類 で 男 性 上 位 の 誘 発 要 因 が 認 め ら れ た 。 6.嫌 悪 体 験 の場 面 の 分 布 表2の 右 欄 は 、 嫌 悪 体 験 の 場 面(ど う の よ う に して 誘 発 要 因 が顕 在 化 した か)に つ い て の 分 類 ご とに 、 そ の 出現 頻 度 を、 嫌 悪 の 誘 発 要 因 ご とに示 した も の で あ る 。 全 体 の 合 計(右 下 欄)で 見 る と、 体 験 場 面 と し て 最 も 出 現 比 率 が 高 か っ た も の は 、 α出 没 (188名)33.5%、 次 い で 、 δ定 着(144名)25.7%、 β接 触(131名)23.4%と な っ て お り、 こ れ ら で全 体 の82.5%を 占 め て お り、他 の γ付 着 、 ε活 性 、 ζ残 留 は10%程 度 以 下 に留 ま る もの で あ っ た 。 ま た 、 こ れ を誘 発 要 因 の系 統 別 で 見 て み る と、 『A社 会 秩 序 維 持 系 』 の 中 で 最 も出 現 比 率 の 高 か っ た もの は α出没(96名)34.5%、 『B周 辺 事 態 保 全 系 』 も同様 に α出 没(79名)40.1% で あ るの に対 して 、 『C自 浄 作 用 回復 系 』 の み が δ定 着(38名)48.7%と な っ て い る こ と が 認 め ら れ た 。 更 に 、 特 定 の体 験 場 面 を領 域 間で 比 較 す る と、 出 没 は 『B周辺 事 態 保 全 系 』 で 比 較 的 高 く、 接 触 は 『A社 会 秩 序 維 持 系 』、 付 着 ・定 着 ・活 性 は 『C自 浄作 用 回 復 系 』 とな っ て い る こ と が わ か っ た 。 ま た 、 δ定 着 は 、 い ず れ の系 統 にお い て も一 定 程 度 の 比 率(15%以 上)が 確 保 さ れ て い る こ と を認 め る こ とが で きた 。 7.嫌 悪 体 験 の 「対 象 」 と 「誘 発 要 因 の 領 域 」 表3.に 、 嫌 悪 体 験 の対 象(何 に嫌 悪 した か)類 型 ご とに 、 誘 発 要 因(何 を引 き金 と した か) の9(a∼i)領 域 の 頻 度 の分 布 を示 した 。 『1人 』(小 計)に 対 す る嫌 悪 の 場 合 の 誘 発 領 域 で は、 最 も 出現 比 率 の 高 い もの がb品 格 性 で 115名(36.4%)、 次 い でd快 適 性52名(16.5)、a道 徳 性46名(14.6)と な っ て い た 。 『II事(状 況)』(小 計)に 対 す る嫌 悪 の 誘 発 領 域 は 、d快 適 性65名(41.9%)を 筆 頭 に 、c礼 節 性39名 (25.2)、a道 徳 性35名(22.6)と な っ て お り、 『m物(様 子)』(小 計)に 対 す る 嫌 悪 の場 合 は 、e 安 全 性37名(41.1)、d快 適 性21名(23.3)、e清 潔 性18名(20.0)の 順 位 で あ っ た 。 い ず れ も、9 領 域 あ る 中 で の上 位3位 ま で で 、 合 計 比 率70∼90%を 示 して い る こ と、d快 適 性 が い ず れ の 対 象 の 場 合 に も、 誘 発 領 域 と して 、 比 較 的 高 い 比 率 を示 して い る こ と を認 め る こ と が で きた 。 ま た 、 『皿物(様 子)』 に対 す る 嫌 悪 の場 合 は 、上 位 で あ る誘 発 領 域 は 、 同一 の系 統(A周 辺 事 態 保 全 系) に分 類 され て い る もの で あ っ た が 、 他 の対 象1・IIで は 、 系 統 の異 な る もの が含 ま れ て い る こ と も わ か っ た 。 更 に 、 嫌 悪 の 誘 発 領 域 別 に対 象 類 型 内 で の構 成 比 が 最 も高 か っ た もの を見 て み る と、a道 徳 性 で は 迫 害 嫌 悪(83.3%)、b品 格 性 で は 性 別 嫌 悪 と近 親 者 嫌 悪 、 他 者 嫌 悪(50.0,49.5,46.8)が 同 程 度 で並 び 、c礼 節 性 で 埒 外 嫌 悪(55.8)、d快 適 性 で 受 難 嫌 悪(67.6)、e清 潔 性 で 異 物 嫌 悪 (50.0)、f安 全 性 で生 態 嫌 悪(55.2)で あ っ た 。 これ らは い ず れ も単 独 で 過 半 数 を超 え て い る こ と か ら、 特 定 の 誘 発 領 域 と特 定 の対 象 が 比 較 的 直 接 に結 びつ い て い る もの が あ る こ とが わ か っ た 。 ま た 、 過 半 数 を超 え て い る わ け で は な い が 、g自 発 性 、h自 律 性 、i自 制 性 は 、 他 の対 象 と比 べ て い ず れ も 自己 嫌 悪(16.4,14.9,22.4)で の 出 現 比 率 が 最 も高 い こ とが 認 め られ た。 8.嫌 悪 体 験 の 「対 象 」 と 「場 面 」 表4.に 嫌 悪 体 験 の 対 象(何 に嫌 悪 した か)の 類 型 ① ∼⑩ にお け る場 面(ど の よ う に して 誘 発

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表3嫌 悪 体験 の対 象別 の誘発 要 因の領 域 別分 布 嫌悪の対象 誘発要因の領域 社会秩序維持系 周辺事態保全系 自浄作用回復系 不 明 内 容 計 道徳性 品格性 礼節 性 快適性 清潔性 安全性 自発性 自律性 自制性 1 人 自 己嫌 悪 134 28 27 2 2 22 20 30 3 23.9 20.9 20.1 1.5 1.5 16.4 14.9 22.4 2.2 近親者嫌悪 16.693 6.56 49.546 14.013 29.027 1 1.1 他者嫌悪 79 11 37 9 21 1 14.1 13.9 46.8 11.4 26.6 1.3 性別嫌悪 10 1 5 2 2 1.8 10.0 50.0 20.0 20.0 (小計) 316 46 115 24 52 2 1 22 20 30 4 56.3 14.6 36.4 7.6 16.5 0.6 0.3 7.0 6.3 9.5 1.3 ∬ 事 ( 状 況 ) 迫害 嫌悪 37 31 5 1 6.6 83.8 13.5 2.7 受難 嫌悪 12.771 5.64 1.41 14.110 67.648 1.41 2 4 1 2.8 5.6 1.4 埒外嫌悪 7.743 7.03 55.824 16 37.2 その 他 0.74 1 3 25.0 75.0 (小計) 155 35 5 39 65 1 2 4 4 27.6 22.6 3.2 25.2 41.9 o.s 1.3 2.6 2.6 皿 物 ( 様 子 ) 異物嫌悪 18 9 9 3.2 50.0 50.0 生態嫌悪 58 4 2 12 8 32 10.3 6.9 3.4 20.7 13.8 55.2 性的嫌悪 14 5 3 1 5 2.5 35.7 21.4 7.1 35.7 (小計) 16.090 10.09 5.65 21 18 37 23.3 20.0 41.1 合 計 100.0561 90 125 63 138 20 39 22 22 34 8 16.0 22.3 11.2 24.6 3.6 7.0 3.9 3.9 6.1 1.4 要 因 が 顕 在 化 した か)別 の 分 布 を 示 し た 。 『1必 要 な 適 性 を 示 し え な い 人 』 に 対 す る 嫌 悪 の 場 面 で 、 最 も 出 現 比 率 の 高 い も の は 『定 着 』 で113名(35.8%)、 次 い で 『出 没 』95名'(30.1)と な っ て い た 。 『II当 然 の 権 益 が 守 ら れ え な い 事(状 況)』 に対 す る 嫌 悪 の 場 面 は 、 『接 触 』60名(38.7)、 『付 着 』34名(21.9)、 『皿 正 常 な 範 囲 を 維 持 し え な い 物(様 子)」 の 場 合 に は 、 『出 没 』64名(71.1)、 『接 触 』17名(18.9)で あ り、 い ず れ も 、6通 りの 体 験 場 面 が あ る 中 で 、 上 位2位 ま で の 合 計 比 率 で 全 体 の60∼90%を 示 し て い る こ と を 認 め る こ とが で き た 。 ま た 、 『m正 常 な 範 囲 を 維 持 し え な い 物(様 子)』 で の 『出 没 』 は 単 独 で 過 半 数 を 占 め て い る こ と が わ か っ た 。 更 に 、 嫌 悪 体 験 の 場 面 別 に 、 対 象 内 で の 構 成 比 が 過 半 数 を 超 え て い る も の を 見 て み る と 、 『出 没 』 で は 性 的 嫌 悪(92.3%)、 生 態 嫌 悪(69.0)、 異 物 嫌 悪(61.1)、 性 別 嫌 悪(60.0)、 『接 触 』 で は 埒 外 嫌 悪(60.5)、 『付 着 』 で は 迫 害 嫌 悪(51。4)と な っ て お り、 特 定 の 場 面 と特 定 の 対 象 が 比 較 的 決 定 的 に 結 び つ い て い る も の が あ る こ と が わ か っ た 。 ま た 、 過 半 数 を 超 え て い る わ け で は な い が 、 『定 着 』 『活 性 』 に お い て は 自 己 嫌 悪(41.0,13.4)、 『残 留 』 が 迫 害 嫌 悪(8.1)で 比 較 的 そ の 他 の 対 象 よ り も高 い 比 率 を 示 し て い た 。

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表4嫌 悪 の対 象別 の嫌 悪体 験の 場面別 分 布 嫌 悪の対 象 嫌 悪体 験の場 面 不明 内 容 計 出没 接触 付着 定着 活性 残留 1 人 自己嫌 悪 134 11 26 22 55 18 1 1 23.9 8.2 19.4 16.4 41.0 13.4 0.7 0.7 近親者嫌悪 93 40 16 5 30 1 1 16.6 43.0 17.2 5.4 32.3 1.1 1.1 他者嫌悪 79 38 11 4 25 1 14.1 48.1 13.9 5.1 31.6 1.3 性 別嫌 悪 10 6 1 3 1.8 .1! 10.0 .30.0 (小計) 316 95 54 31 113 19 2 2 56.3 30.1 17.1 9.8 35.8 6.0 0.6 0.6 H 事 ( 状 況 ) 迫害嫌 悪 37 2 12 19 1 3 6.6 5.4 32.4 51.4 2.7 8.1 受難嫌悪 12.771 20 22 8 16 4 1 28.2 31.0 11.3 22.5 5.6 1.4 埒 外嫌 悪 43 4 26 7 6 7.7 9.3 60.5 16.3 14.0 その他 4 3 1 0.7 75.0 25.0 (小計) 155 29 60 34 23 4 4 1 27.6 18.7 38.7 21.9 14.8 2.6 2.6 0.6 皿 物 ( 様 子 ) 異物嫌悪 18 11 6 1 3.2 61.1 33.3 5.6 生 態嫌 悪 58 40 11 1 6 10.3 69.0 19.0 1.7 10.3 性 的嫌 悪 14 13 1 2.5 92.9 7.1 (小 計) 90 64 17 1 8 16.0 71.1 :・ 1.1 8.9 合 計 561 188 131 66 144 23 6 3 100.0 33.5 23.4 11.8 25.7 4.1 1.1 0.5

1.嫌 悪 体 験 の 特 徴 1-1.嫌 悪 体 験561の 記 述 か ら、 ど の よ う な対 象 に対 して 嫌 悪 感 情 が 生 じて い る か につ い て 分 類 した 結 果 、 全 て の 嫌 悪 体 験 は 、 『1人 』 『II事(状 況)』 『皿 物(様 子)』 に対 す る もの の い ず れ か で あ り、 そ れ ぞ れ の体 系 内 に含 まれ る特 性 項 目の 内 容 か ら、 『1必 要 な適 性 を示 しえ ない 人 』 『II 当 然 の 権 益 が 守 りえ な い 事(状 況)』 『皿正 常 な範 囲 を維 持 しえ な い 物(様 子)』 と し て 、 そ れ ぞ れ の 対 象 の 性 質 を理 解 す る こ とが で き た。 この3体 系 の 共 通 性 は 、 い ず れ も、 自身 に とっ て 「許 容 で き な い不 適 切 な モ ノ」 を対 象 と して い る こ と に あ り、 こ の特 性 を もつ 対 象 が 一 定 の 最 低 限 の 適 切 さ(自 己 の 基 準)を 阻害 す る こ と に よっ て 、 切 迫 的 に嫌 悪 の 感 情 を体 験 す る こ と を示 唆 す る もの で あ っ た 。 そ の 意 味 で は 、 よ り期 待 され る水 準 が得 ら れ な い こ とに よっ て 生 じる と思 わ れ る 「不 満 」 感 情 とは 、 相 対 す る対 象 の 特 性 が 異 な る もの で あ る こ とを予 見 す る も の と な っ た 。 ま た 、

参照

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