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カテゴリ帰属知識を使った多段階SS認識法における類似度関数の構成論

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全文

(1)

類似度関数の構成論

鈴木昇一

A construction theory of similarity-measure functions in the SS

multi-stage recognizing method using category-membership knowledges

Shoichi SUZUKI

要 約

本論文では,パターンϕが第j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjと似ている程度(類似

度;similarity measure)sim(ϕ,ωj)が

(1) (最大値到達性)∀jJ,simjj)=1 (2) (類似比例性)∥ϕ−ωj∥≤∥ϕ′−ωj∥⇒sim(ϕ,ωj)≥sim(ϕ′,ωj) (3) (単位区間存在性)∀ ∀ϕ, ,0jsim( ,ϕ ωj) 1≤ を持つだけの,例えば,内積( , )ϕ η ,ノルム ϕ = ( , )ϕ ϕ を使った内積形類似度 ∥ ∥ ∥ ∥ j j j sim ω ϕ ω ϕ ω ϕ ⋅ = ( , ) ) , ( を,例えば, (4) (直交性(S.Suzuki [B3] のaxiom 2,(ⅰ)) ∀jJ,∀iJ−{j},sim′(ωij)=1 を満たすように,例えば, ) | ) , ( | 2 tan( ) | ) , ( | 2 tan( ) , ( 2 2 ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ j j J k j j j T T T T T T T T m si ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅ = ′

∈ と改善する方法の一般化が与えられている. 静止画,動画,言語音声,会話音声,楽曲などを表しているパターンϕが記憶している有限個の パターンωjの集合Ω 内の,どのパターンと最も似ているかを決定するには,SS連想形多段階不動 点認識の理論に登場し,S.Suzukiの提案したaxiom 2を満たす類似度関数SM を使えばよい.本論文 は,この類似度関数SM をSS連想形多段階不動点認識の働きの実現に役立つように,構成する方法 を研究したものである. 本研究では,他の研究者による研究内容とは異なり, (a) 各カテゴリCjの代表パターンが単一でなくて,複数個が存在する場合類似度関数SM の構成

(2)

b) 視点を持つ視野において一致する度合いを与える場合の類似度関数 SM の構成 も論じられている.

キーワード

(1) パターンモデル (2) モデル構成作用素 (3) 視野 (4) 類似度関数 (5) 直交性類似度関数 (6) 同一知覚原理 (7) 多クラス認識

Abstract

Consider an amount sim( ,ϕ ωj)of similarity-measure to which an original pattern ϕ resembles the prototypical pattern ωj of the jth category Cjj∈ ), which is possessed of three properties: J

(1) (Maximum attainment nature)∀jJ,simjj)=1 (2) (Similarity proportionality nature)

) , ( ) , ( j j j j ϕ ω simϕ ω simϕ ω ω ϕ− ∥≤∥ ′− ∥⇒ ≥ ′ ∥

(3) (Unit section existence nature)∀ϕ,∀j,0≤sim(ϕ,ωj)≤1. For example there exists a similarity-measure

∥ ∥ ∥ ∥ j j j sim ω ϕ ω ϕ ω ϕ ⋅ = ( , ) ) , (

using an inner product ( , )ϕ η and the norm ϕ = ( , )ϕ ϕ , which satisfies the above-mentioned three properties (1),(2) and (3). We can modify this measure sm(ϕ,ωj)so that

(4) (orthogonality(axiom 2,(ⅰ) suggested by S.Suzuki [B3])) ∀jJ,∀iJ−{j},sim′(ωij)=1 may be satisfied by ) | ) , ( | 2 tan( ) | ) , ( | 2 tan( ) , ( 2 2 ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ j j J k j j j T T T T T T T T m si ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅ = ′

∈ . as its example.

In this paper how to generalize this way is presented here.

We can use a similarity-measure function SM which satisfies axiom 2 suggested by S.Suzuki and contains the above-mentioned properties (1)~(4) in order to determine that pattern ϕ, such as a still picture, an animation, a language sound, a conversation sound, and musical piece resembles most in appearance which prototypical pattern ω of finite memorized patterns. SM appears in the theory of SS associative type multi-stage fixed-point recognition. The method of constituting this function SM is studied here so that it may be useful to realization of work of SS

associative type multi-stage fixed- point recognition.

Unlike the contents of research by other researchers, the following two matters (a) and (b) are also discussed in this research :

a) Composition of the similarity-measure function SM in case the prototypical patterns of each category C are not single and plurality.

(3)

b) Composition of the similarity-measure function SM in the case of giving the degree which is in agreement in a view with a viewpoint.

Key words

(1) pattern model (2) model-construction operator (3) area of view

(4) similarity-measure function (5) similarity-measure function having orthogonality (6) principle of the identical perception between an original pattern and its model

(7) multi-class recognition

1.まえがき

パターン情報処理分野における技術は目標に到達しないレベルで,飽和になりつつある.この現 実を打ち破るのには,明確な根拠に基づいた理論構築が必要であるとの考えから,S.Suzukiは,パ ターン情報の知能理論[B1]~[B4]をmulti-class recognitionに関し,これまで構築してきた.本論文も その一環である. パターン認識・パターン連想型記憶の分野,マルチメディア情報検索の分野においては,パター ンϕが第 j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjと似ている程度(類似度;similarity measure) ) , ( j simϕω として, 実ヒルベルト空間Hでは, ∥ ∥ ∥ ∥ j j j sim ω ϕ ω ϕ ω ϕ ⋅ = ( , ) ) , ( (1.1) 実或いは複素ヒルベルト空間Hでは, ( , ) | ( , ) |2 ∥ ∥ ∥ ∥ j j j sim ω ϕ ω ϕ ω ϕ ⋅ = (1.2) がよく使われる.ここに,内積(ϕ,η),ノルム∥ϕ∥≡ (ϕ,ϕ)が導入されている.上記の2式(1.1), (1.2)の類似度関数sm は各カテゴリCjの代表パターンが単一の場合である. ϕがωjの非零定数倍の時,sim(ϕ,ωj)=1 (1.3) ,特に, ) ( 1 ) , ( j J simωj ωj = ∈ (単位正規性) (1.4) を満たすだけのこの類似度sim(ϕ,ωj)を,SS理論[B3],[B4]におけるaxiom 2を満たすように,つまり, (イ1) (単位正規性)sim′(ωjj)=1(jJ) (1.5) (イ2) (直交性)∥ωi− ∥ωj >0(ij) のとき,sim′(ωij)=0(ij) (1.6) (ロ) (総和規格化性)

∈ = ′ J j j m si (ϕ,ω ) 1 for any ϕ (1.7) (ハ) (原パターンϕとそのパターンモデルT との間の同一知覚原理) ϕ パターンϕのモデルをT と表すと, ϕ ) , ( ) , (T j sim j m

si ′ ϕω = ′ϕω for any ϕ and jJ (1.8) を満足するように,改良する研究はこれまで全くなされていない.配慮なしに類似度関数を構成し 使用しているというこの事実は驚きである.本研究は,この種の改良をも組織的に行うものである. 4性質(イ1),(イ2),(ロ),(ハ)を満たすように改良するには,簡単には,sim(ϕ,ωj)を

(4)

) | ) , ( | 2 tan( ) | ) , ( | 2 tan( ) , ( 2 2 ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ j j J k j j j T T T T T T T T m si ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅ = ′

∈ if ∥TωiTωj∥>0(ij) (1.9) と定義し直せばよいことがわかる.本研究では,他の研究者による研究内容とは異なり, (a) 各カテゴリCjの代表パターンが単一でなくて,複数個が存在する場合類似度関数SM の構成 b) 視点を持つ視野において一致する度合いを与える場合の類似度関数 SM の構成 をも論じる. 静止画,動画,言語音声,会話音声,楽曲などを表わしているパターンϕが記憶している有限個 のパターンωjの集合Ω内の,どのパターンと最も似ているかを決定するには,SS理論に登場してい るaxiom 2を満たす類似度関数SM を使えばよい.本論文は,SS多段階認識(SS連想形多段階不動点 認識)の働きに応用可能なこの類似度関数SM を構成する方法を研究したものである.

2.準 備

本章では,モデル構成作用素,類似度関数,大分類関数,カテゴリ選択関数,構造受精作用素, カテゴリ帰属知識とその変換法が説明される.次章で説明される類似度関数SM を用いるパターン 認識の数学的理論(SS理論[B3],[B4])におけるSS多段階認識法に備えるためである. 2.1 パターン集合Φ,モデル構成作用素T 一般に,処理の対象とする問題のパターンϕの集合Φ は,内積が(ϕ,η)と,また,ノルムが ∥ϕ∥≡ (ϕ,ϕ)と表現された或る可分な(separable)一般抽象ヒルベルト空間Hの,零元0を含む或 る部分集合である.例えば,η をηの複素共役として, M: q 次元ユークリッド空間R の可測部分集合q 2.1) ) (x dm :正値ルベーグ・スティルチェス式測度 (2.2) ) ( , , , 2 1 q q M R x x x x=< " >∈ ⊆ :実数値 q 変数の直交座標系 (2.3) を導入し,その内積(ϕ,η),ノルム∥ϕ∥を, (ϕ,η)=

M dm(x) ϕ(x)・η(x) (2.4) ∥ϕ∥= (ϕ,ϕ) (2.5) とする線形空間(ベクトル空間)としての可分なヒルベルト空間H=L2(M;dm)の特別な場合として, 2 R M= (2次元全平面) (2.6) 2 1 2 2 2 1 2 1 1 ) , ( ) ( dxdx x x x x dm x dm + = = (2.7) を選ぶことができる. 処理の対象とする問題のパターンϕの代りとなるパターンモデルT を考えるため,ϕ ϕの集合Φ , 並びに,写像 Φ → Φ : T (2.8) は以下のaxiom 1を満たさなければならない. Axiom 1(パターン集合Φ とモデル構成作用素Tとの順序対【Φ,T】の満たすべき公理)

(5)

mapping T ) . 0 0 0∈Φ∧T = (ⅱ) (Φ の錐性,Tの正定数倍吸収性;cone property) Φ ∈ ∀ϕ ,a⋅ϕ ∈Φ∧T (a・ϕ)=Tϕ for any positive real numbera∈ R++.

(ⅲ) (Φ の埋込性(embeddedness)と, T のベキ等性(idempotency)) . ) ( , ϕ ϕ ϕ ϕ∈ΦT ∈Φ∧TT =T

(ⅳ) (写像Tの非零写像性;non-zero mapping property of T) . 0 , ≠ Φ ∈ ∃ϕ Tϕ □

パターンと判明している元の集合(基本領域;basic domain) Φ を導入する.axiom 1の(ⅰ)の前半B

から, B Φ ∈ 0 (2.9) でなければならない.axiom 1を満たす対[Φ,T]の前半であるパターン集合Φ の内,最小のもの Φ は, axiom 1の(ⅱ)(ⅲ)の2前半を満足しなければならない故に,集合論再帰領域方程式(set-theoretic reflective domain equatio)(SS領域方程式)

Φ ⋅ ∪ Φ ⋅ ∪ Φ = Φ T R++ B (2.10) ここに, + + R :正実数r 全体の集合 ++ 2.11) パターンモデルT の集合:ϕ T⋅Φ={Tϕ|ϕ∈Φ} (2.12) パターン集合Φ の正定数倍の集合R++⋅Φ≡{r++⋅ϕ|r++∈R++,ϕ∈Φ} (2.13) を満たさなければならない. 方程式(2.10)の解Φ は ] [ B T B R ⋅ Φ ∪ ⋅Φ = Φ ++ 2.14) と表示される(文献[B3]の式(2.56)を参照). 零元0∈ΦB⊂Φは背景も前景も無いパターンである. 2.2 類似度関数SM “正常なパターン”(well-formed pattern)は,ある1つのカテゴリ(category)Cj(第j∈ J番目の類概 念)のみに帰属しているものとし,このようなCjの集まり(有限集合) C(J ={C) j| j∈ J} (2.15) を想定する.Cjの備えている性質を典型的に持っている(第 j∈ 番目の)代表パターン(prototypical J pattern)ωj(≠0)を1つ選定する.Cjは,典型(prototype)としての代表パターンωjを中心とした緩や かな(第j∈ 番目の)カテゴリであることを仮定したことに注意しておく.ここに, Jj Ω ≡ | j∈ }J ⊂Φ (2.16) が式(2.15)の全カテゴリ集合C(J に1対1に対応する代表パターンの集合である.式(2.16)の系 Ω は, ) 複素定数a の組{j a |j j∈ }についてJ

∈ = ⋅ J j j j a ω 0⇒∀jJ,aj=0 (2.17) が成立しているという意味で,1次独立(linearly independent)でなければならない.Ω を視察で決定 できる場合があるが,訓練パターン系列からΩ を適応的に決定する方法については,文献[B3]の付 録Iで説明されている.

(6)

Axiom 1を満たす式(2.8)のモデル構成作用素 T によって,式(2.16)の代表パターン集合Ω が変換 されて得られる系 { | } { j| } T⋅ Ω ≡ Tω ω∈ Ω = Tω j J∈ (2.18) も1次独立であると要請する.このとき,類似度関数(similarity-measure function) } 1 0 | { :Φ×Ω→ ssSM (2.19) を導入し, ( , j) 1,0 SM ϕ ω = に従って,パターンϕ∈Φは各々,ωjと確定的な類似度関係,相違関係にあ り,また,0<SM( ,ϕ ωj) 1< の場合は,あいまいな類似・相違関係にある (2.20) と,SM を解釈しよう. 式(2.19)の関数 SM は次のaxiom 2を満たすように構成されねばならない.Axiom 2の(ⅰ)では、ク ロネッカー(Kronecker)のδ記号 j i if j i if j i =1      = ,=0      ≠ δ (2.21) が導入されているが、特にaxiom 2の(ⅰ)なるこの正規直交性は、候補カテゴリの分離・抽出が効果 的に行われ,

候補カテゴリの鋭利な削減(a sharp reduction) (2.22) をもたらすために要請されている. Axiom 2(類似度関数 SM の満たすべき公理) (ⅰ) (正規直交性;orthonormality) , , ( i i j SM ω ∀ ∀ ,ωj)=δij. (ⅱ) (総和単位規格化性;unit-sum normality)

∈ = Φ ∈ ∀ J j j SM( , ) 1. , ϕω ϕ

(ⅲ) (写像 T の下での不変性;invariance under mapping T ) , j J SM T, ( , j) SM( , j).

ϕ ϕ ω ϕ ω

∀ ∈Φ ∀ ∈ = □

2.3 大分類関数BSC

大分類関数(rough classifier, binary-state classifier)と呼ばれる2値関数 ) 1 , 0 { :Φ J× → BSC (2.23) を,次のaxiom 3を満たすものとして導入し,解釈 パターンϕ∈Φの帰属する候補カテゴリの1つが第 j∈ 番目のCJ jであるならば, 1 ) , ( j = BSCϕ であることが望ましい (2.24) を採用しよう.この際,注意すべきは, 0 ) , ( j = BSCϕ であっても,パターンϕ∈Φの帰属する候補カテゴリの1つは,第 j∈ 番目のJ Cjでないとは限らない (2.25) としていることである.また,axiom 3の(ⅰ)からわかるように,カテゴリ間の相互排除性(the mutual exclusion of the one category from the other categories)

0 ) , ( }, { ,∀∈ − = ∈ ∀j J i J j BSCωi j , (2.26) を公理として要請していない事実に注意しておこう.この事実を補うのが実は,式(2.19)の類似度 関数SMが満たさなければならないとしているaxiom 2の(ⅰ)(正規直交性)である. Axiom 3 (大分類関数 BSC の満たすべき公理)

(7)

(ⅰ) (カテゴリ抽出能力;category separability) ( , BSC J j∈ ∀ ωj,j)=1.

(ⅱ) (写像 T の下での不変性;invariance under mapping T ) ). , ( ) , ( , , j J BSCTϕ j BSCϕ j ϕ∈Φ∀∈ = ∀ □ 2.4 カテゴリ帰属知識空間<Φ,2J > と,カテゴリ選択関数CSF 認識システムRECOGNITRONがパターンϕ∈Φに対し, 「パターンϕ∈Φが、式(2.15)の全カテゴリ集合C(J の部分集合 ) C(γ)≡{Cj|j∈γ} (2.27) 内の何れか1つのカテゴリCjに帰属する可能性がある」 (2.28) という“パターンϕ∈Φのカテゴリ帰属知識(categorical membership-knowledge)”を持っているとし よう.この知識を, <ϕ,γ>∈<Φ,2J> 2.29) と表す. J 2 , Φ < >

{<ϕ,γ>|ϕ∈Φ,γ2J} (2.30)

は,カテゴリ帰属知識空間(categorical membership-knowledge space)と呼ばれ、すべてのパターン Φ

ϕ と,すべてのカテゴリ番号のリストγ2Jとのなす順序の付いた対リスト(an ordered pair list)

<ϕ,γ>の集合である.ここに,2 は集合 J のすべての部分集合のなす集合,つまり,“すべてのカJ テゴリ番号の集合J のべき集合(power set)”を表わしている. カテゴリ帰属知識空間<Φ,2J >は式(2.14)のパターン集合Φ の意味領域である. パターンϕ∈Φ の帰属する候補カテゴリを絞り込むために使われるカテゴリ選択関数(category-selection function)と呼ばれる写像 J J CSF:Φ×2 →2 (2.31) は,包含関係(inclusion relation) J 2 ,∀ ∈ Φ ∈ ∀ϕ γ ,CSF(ϕ,γ))γJ 2 J (2.32) を満たし,然も,次のaxiom 4を満たすものとして,設定されるとしよう. Axiom 4(カテゴリ選択関数 CSF の満たすべき公理) (ⅰ) ϕ= 0∨γ=φの場合 如何なるカテゴリ番号k∈γも<ϕ,γ >の有効な候補カテゴリの番号ではない. (ⅱ) ϕ≠ 0∧γ≠φであり,かつ,SM( ,ϕ ωk) 0= ∧BSC( , ) 0ϕ k = の場合 カテゴリ番号k∈γは,<ϕ,γ>の有効な候補カテゴリの番号ではない (ⅲ) ϕ≠ 0∧γ≠φであり,かつ,

∈ = γ ϕ k k BSC( , ) 0の場合 ( , k) 0 SM ϕ ω > であるようなカテゴリ番号k∈γは,<ϕ,γ >の有効な候補カテゴリの番号であ る. (ⅳ) ϕ≠ 0∧γ≠φであり,かつ,

∈ > γ ϕ k k BSC( , ) 0の場合 (ⅳ-1) BSC(ϕ,k)=0なるカテゴリ番号k∈γは,<ϕ,γ >の有効な候補カテゴリの番号ではない. (ⅳ-2) BSC(ϕ,k)=1なるカテゴリ番号k∈γ は,SM( ,ϕ ωk) 0> であれば,<ϕ,γ >の有効な候補 カテゴリの番号である. □ 次の定理2.1では,式(2.35)の写像 CSF は,式(2.22)の類似度関数SM,式(2.27)の大分類関数BSC

(8)

を使用する形式で, その定義域がΦ×2Jであり,その値域が,パターンϕΦのカテゴリ帰属知識<ϕ,γ> J 2 , Φ

∈< >の“有効な”候補カテゴリの番号リスト(a list of significant category-numbers)の集合

である (2.33) の如く,構成されている. 次の定理2.1は,axiom 4を満たすように,式(2.35)のカテゴリ選択関数 CSF の構造を決定したもの である. [定理2.1](カテゴリ選択関数 CSF の構成定理) 次のように定義される式(2.31)の1つの写像 CSF は式(2.32)と上述のaxiom 4を満たす: (ⅰ) ϕ=0∨γ=φの場合 φ γ ϕ, )= ( CSF . (2.34) (ⅱ) ϕ≠ 0∧γ≠φの場合 = ) , (ϕγ CSF } 0 ) , ( | {k∈γ SM ϕωk > if

∈ = γ ϕ k k BSC( , ) 0 (2.35) {k∈γ|SM( ,ϕ ωk) 0> ∧BSC( , ) 1}ϕ k = if kΣγBSC(ϕ,k)>0 (2.36) (証明) 文献[B3]の定理E1である. □ 定理2.1のカテゴリ選択関数 CSF について,次のように解釈できる: 処理の対象とするパターンϕ∈Φが式(2.27)のカテゴリ集合C )(γ の何れか1つに帰属する可能性が あると想定した場合,更に絞り込んで,その内のカテゴリ集合 C(CSF(ϕ,γ))( ⊆ C )(γ ) (2.37) の何れか1つに帰属する可能性があると帰納推論(inductive reasoning)できる機能を備え, その出力CSF(ϕ,γ)はパターンϕ∈Φの有効な候補カテゴリの番号のリストを与えている. (2.38) ☐ 2.5 構造受精作用素A(μ) パターンの変換に使われる構造受精作用素 Φ → Φ : ) (μ A (2.39) の定義は次の通りである,式(2.18)の代表パターンモデル集合 T ⋅ Ω ,式(2.19)の類似度関数 SM , 並びに,式(2.23)の大分類関数 BSC の3者のみが使用されていることに注意する: (ⅰ) ϕ= 0∨μ=φのとき . 0 ) (μϕ= A (2.40) (ⅱ) ϕ≠ 0∧μ≠φのとき (ⅱ-1)

∈ = μ ϕ j j BSC( , ) 0 のとき

∈ ⋅ = μ ω ω ϕ ϕ μ j j j T SM A( ) ( , ) . (2.41) よって,

∈ = μ ω ϕ j j SM( , ) 0のとき,A(μ)ϕ=0である. (2.42)

(9)

(ⅱ-2)

∈ > μ ϕ j j BSC( , ) 0 のとき

∈ ⋅ ⋅ = μ ω ϕ ω ϕ ϕ μ j j j BSC j T SM A( ) ( , ) ( , ) . (2.43) ( , ) 1 ( , j) j. j BSC j SM T μ ϕ ϕ ω ω ∈ ∧ = =

⋅ (2.44) よって, ( , ) 1 ( , j) 0 j BSC j SM μ ϕ ϕ ω ∈ ∧ = =

のとき,A(μ)ϕ=0である. (2.45) □ 2.6 カテゴリ帰属知識の変換 2つのカテゴリ帰属知識<ϕ,γ>,<ψ,λ>∈<Φ,2J >間の等形式関係(equi-form relation) Δ = を <ϕ,γ>=Δ <ψ,λ> ⇔ϕ=ψ∧γ=λ (2.46) と定義する. 次に,式(2.39)の写像A(μ):ΦΦ,where μ2Jの定義域(パターン集合)Φ ,値域 Φ を共に,カ テゴリ帰属知識空間(パターン集合の意味領域)< Φ,2J > へと拡張して,写像 ( ) : ,2J ,2J , 2J TAμT < Φ >→< Φ > ∈μ (2.47) と考え,カテゴリ帰属知識<ϕ,γ >をカテゴリ帰属知識<ψ,λ>へと変換する働き > <ψ,λ =ΔTA(μ)T<ϕ,γ>∈<Φ,2J > (2.48) を説明しよう.この拡張された写像TA )Tを構造受精変換というが,この構造受精変換TA )Tが 施された結果のパターンψ∈Φとカテゴリ番号リストλ2J ϕ γ μ T TA( ∩ ) = ψ (2.49) ) , (ϕ μ γ λ= CSF ∩ (2.50) と定義する.式(2.50)に登場している写像 CSF:Φ×2J2Jはカテゴリ選択関数であり,定理2.1 で決定されている. 式(2.39)の ( )Aγ は,3式(2.18),(2.19),(2.31)の T⋅ Ω , SM , CSF で表現できる.それは,次の 定理2.2に示される(文献[B3]の定理G1). [定理2.2](構造受精作用素 ( )Aγ の表現定理) , 2J ϕ γ ∀ ∈Φ ∀ ∈ , ( , ) ( ) ( , k) k k CSF ' A SM T ϕ γ γ ϕ ϕ ω ω ∈ =

⋅ . □ 次の定理2.3も証明される.文献[B3]の定理G2がその特殊なものである. [定理2.3](カテゴリ帰属知識の表象定理) 式(2.18)の代表パターンモデル集合 T⋅ Ω が1次独立であるとしよう。このとき, ( ) ( ) , , Aγ ϕ=Aλψ⇔ <ϕ γ >=<ψλ>. □ ここに,カテゴリ帰属知識間の等構造関係(equi-structure relation)=は, , , ϕ γ λ < >=<ψ > , , CSF ϕ γ CSF λ ⇔ < >= <ψ > ∧ [∀ ∈j CSF( , )ϕ γ ∩CSF( , ),ψλ SM( ,ϕ ωj)=SM( ,ψωj) のように定義されている.

(10)

3.SS連想型多段階不動点認識法

本章では,類似度関数SM を用いるSS連想型多段階不動点認識法が簡単に説明される. axiom 1を満たすパターン集合Φ と式(2.8)のモデル構成作用素 T との対< Φ,T> ,axiom 2を満た す式(2.19)の類似度関数 SM ,並びに,axiom 3を満た式(2.23)の大分類関数 BSC とを用意する[B3], [B4].Axiom 4を満たす式(2.31)のカテゴリ選択関数 CSF は, SM と BSC とから,定理2.1で決定され ている. 3.1 入力パターン ϕ 内の不動点成分ϕfixedTϕを処理の対象とすること 処理の対象とする問題のパターン(入力パターン)ϕ∈Hが与えられたとき,このϕを基本領域ΦB に追加する.その後,式(2.14)のパターン集合 Φ を用意する. SS連想型多段階不動点認識の働きは,入力パターンϕ内の不動点成分ϕfixedTϕを処理の対象とす る.指摘しておきたいことは,パターンϕに対しaxiom 1を満たす写像 T の不動点ϕfixedを求めるとい うパターンϕのモデル化 “ϕ→ϕfixedTϕ” (3.1) により失われる情報は,写像T の不動点でない成分ϕnonfixed ≡ϕ−Tϕであることである. 写像A の零空間null(A)≡{ϕ∈H|Aϕ=0} (3.2) 写像A の値域range(A)={Aϕ∈H|ϕ∈domain(A)} (3.3) 写像A の定義域domain(A)={ϕ∈Φ⊆H∥| Aϕ∥<∞} (3.4) を持ち出すと,実は,任意のヒルベルト空間Hの元ϕについて, ∈ + = − + =Tϕ ϕ Tϕ ϕfixed ϕnonfixed ϕ ( ) H (3.5) を考慮すれば,わかるように, )) ( )( (I T range T null T fixed ≡ ϕ∈ − = ϕ (3.6) であり, 0 ] )[ ( ) )( (IT IT ϕ= IT ϕ−Tϕ ≠ (3.7) であれば, ) (I T null T nonfixed ≡ϕ− ϕ∈∉ − ϕ (3.8) であり,結局 ) ( ) (I T null I T range T nonfixed nonfixed ≡ϕ− ϕ∈ − ∧ϕ ∉ − ϕ (3.9) である.ここに,I は ∈ ∀ϕ H,Iϕ=ϕ (3.10) を満たすという意味で,恒等作用素である. 3.2 SS連想型多段階不動点認識の結果 不動点成分ϕfixedを入力パターンϕの代りに採用し,以後,SS連想型多段階不動点認識の働きを続 行することの意味を解説する. 入力パターンϕ∈Φを nonfixed nonfixed fixed fixed nonfixed fixed ϕ Tϕ ϕ Tϕ ϕ ϕ ϕ= + ∧ = ∧ ≠ (3.11) と分解し,T の不動点ϕfixed=Tϕ∈Φをϕの代りに採用し,可分なヒルベルト空間Hの元として表さ れた入力パターンϕを

(11)

0 1 2 max , t j j J ϕ ϕ ϕ ϕ Tω ∃ ∈ → → → → = ,ここに,ϕ0≡ϕfixed (3.12) というように,記憶T⋅Ω内の或るパターンωjのデルTωjとして再生し,然も, ] [ , 0 1 2 max j J j∈ → → → → t = ∃ λ λ λ λ ,ここに, 1 2J S S λ ⊃λ+∈ (3.13) というように(式(3.19)を参照),入力パターンϕが帰属するカテゴリはCjであると決定できるSS連 想形多段階不動点認識の働き(SS連想形多段階不動点認識の過程)を実行することになる. 3.3 SS連想型多段階不動点認識の方法 多段階にわたり,状態空間

∈ ∈ ≤ ∈ ≤ ≤ ⋅ = ≡ Ω ⋅ J j jJ j j j j search T a T a j J a FGC ( ) {ψ|ψ ω ,0 1( ), 1} (3.14) を探索し,帰納推理の働きで選択された或る構造受精変換 > Φ >→< Φ < J J t T TA(μ) : ,2 ,2 (3.15) の不動点 > Φ >∈< < J t tmax,λmax ,2 ϕ (3.16) を求めるSS連想形多段階不動点認識の方法は簡単には,次のように述べられる. [SS連想形多段階不動点認識の方法] (1) (初期化段階;initialization)γ⊆ を選び,J <ϕ λt, t> = <|t=0 Δ Tϕ γ, > (3.17) の下で, (2) (帰納推理化段階;recursion) > ∩ ∩ < = > < >= < Δ Δ + + ) , ( , ) ( , ) ( , 1 1 t t t t t t t t t t t CSF T TA T TA λ μ ϕ ϕ λ μ λ ϕ μ λ ϕ , 2 , 1 , 0 ,t= (3.18) を経て,カテゴリ帰属知識< >∈<Φ J> t t,λ ,2 ϕ の列 > <ϕtt ,t=0,1,2, (3.19) を求めていく.ϕt∈Φは,入力パターンϕ∈ΦのSS連想形多段階不動点認識の過程において,第 t 段 階で想起されたパターンモデルである. J t∈2 λ は,第t 段階パターンモデルϕt∈Φが帰属している 候補カテゴリの番号のリストである. 登場しているカテゴリの番号のリストの列 ) ( J t ⊆ μ ,t=0,1,2, (3.20) について説明しておこう.SS連想型多段階不動点認識の過程の第 t 段階で,ϕtが帰属するであろう 候補カテゴリの番号のリストμt(⊆J)が発想推理の働きで,選ばれなければならない. 通常,減少列に,つまり, φ μ μ μ μ

μ0⊇ 1⊇ 2⊇ ⊇ tt+1⊇ ⊃ (the empty set) (3.21) が成立するように選ばれる. (3) (終了段階;termination) カテゴリ帰属知識の不動点方程式(fixed-point equation) > < = > < = >

tmax+1tmax+1 ( ΔTAtmax)T ϕtmaxtmax ) Δ ϕtmaxtmax (終了基準) (3.22)

の成立する第tmax連想段階の<ϕtmax,λtmax>で終了させる と設定すると,大抵の場合,

max max

, t j t [ ]

j J ϕ Tω λ j

(12)

を満たす有限の非負整数tmaxが,不等式 1 | | max 0≤tJ − (3.24) が満たされる形で存在する[B26]. 式(3.23)が成立していれば,不動点類似度分布 max max ( t , j) 1 [ { }, t , k) 0] SM ϕ ω = ∧ ∀ ∈ −k J j SMϕ ω = (3.25) が得られる. カテゴリ帰属知識<ϕtt>に関する不動点方程式(3.22)の成立は,写像 Φ → Φ ∩ ) : ( max max T TAμt λt (3.26) の,第tmax段階パターンモデルϕtmaxに関する不動点方程式(3.28)と,写像 J J t t CSF(μmax∩λ,ϕmax):2 →2 (3.27) の,第tmax段階候補カテゴリ番号のリストλtmaxに関する不動点方程式(3.29)とを含んでいる: > < = > < = >

tmax+1,λtmax+1 ( ΔTAtmax)T ϕtmax,λtmax ) Δ ϕtmax,λtmax max max max max ) ( [TAμt ∩λt Tϕtt ⇔ (3.28) ] ) ,

( tmax tmax tmax tmax

CSF μ ∩λ ϕ =λ ∧ (3.29) □

4.類似度関数の構成論Ⅰ(視野を考慮しない場合)

本章では,先ず,axiom 2を満たす簡単な4種類の類似度関数 SM が構成される.次に,パターン ϕのモデルT が第ϕ j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjのモデルTωjとなす角θjを用いた axiom 2を満たす簡単な2種類の類似度関数 SM が構成される.内積の絶対値の自乗を使い,相違性 尺度を定義した後,axiom 2を満たす類似度関数 SM が一般的に構成される.最後に,各カテゴリに 複数個の代表パターンがある場合,axiom 2を満たす類似度関数 SM が一般的に構成される. 4.1 axiom 2を満たす簡単な4種類の類似度関数SM パターンϕのモデルT が第ϕ j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjのモデルTωjと似ている 程度(類似度;similarity measure)を構成したのが,次の定理4.1である. [定理4.1](式(2.19)の関数 SM の構成定理1) 次の4種類(イ)~(二)のように定義される式(2.19)の関数 SM は,axiom 2を満たす: (イ) ) | ) , ( | 2 tan( ) | ) , ( | 2 tan( ) , ( 2 2 ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ k k J k j j j T T T T T T T T SM ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ω ϕ π ω ϕ ⋅ ⋅ ⋅ ⋅ =

∈ if ∀jJ,∀iJ−{j},∥TωiTωj∥>0 (4.1) (ロ) 2 2 2 2 | ( , ) | tan( ) 2 max | ( , ) | ( , ) | ( , ) | tan( ) 2 max | ( , ) | j k k J j i i J k J k T T T T SM T T T T ϕ ω π ϕ ω ϕ ω π ϕ ω ϕ ω ∈ ∈ ⋅ = ⋅

if , { },|( , )|2 |( , )|2 j j j i T T T T j J i J j∈ ∀∈ − ω ω < ω ω ∀ (4.2)

(13)

(ハ) 2 1 1 2 )] 1 ( log [ )] 1 ( [log ) , ( ∈ − − + − + =

∥ ∥ ∥ ∥ k e J k j e j T T T T SM ω ϕ ω ϕ ω ϕ if ∀jJ,∀iJ−{j},∥TωiTωj∥>0 (4.3) (二) 1 2 2 1 2 2 )] ) max 1 ( [log )] max 1 ( [log ) , ( − ∈ ∈ − ∈ − − + − − + =

∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ i J i k e J k i J i j e j T T T T T T T T SM ω ϕ ω ϕ ω ϕ ω ϕ ω ϕ if 0∀jJ,∀iJ−{j},∥TωiTωj∥> (4.4) □ 4.2 パターン ϕ のモデル ϕT が第jJ番目のカテゴリCjの代表パターンω のモデルj Tω となj す角θ を用いたaxiom 2を満たす簡単な2種類の類似度関数j SM 実ヒルベルト空間Hで考えよう. パターンϕのモデルT が第ϕ j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjのモデルTωjとなす角を (0 )≤ θj(≤π)とすると, j j j j T T T T T a ( ϕ)≡( ϕ, ω )=∥ϕ∥⋅∥ω∥⋅cosθ (4.5) ] ) , ( [ cos1 ∥ ∥ ∥ ∥    j j j T T T T ω ϕ ω ϕ θ ⋅ = ∴ − 4.6) が成り立つ.このa T Tj( ϕ ω, j)は,T が代表パターンモデルϕ Tωjと相関がある程度(類似性の程度) であるから, j j j T T T b( ϕ)≡∥ϕ∥⋅∥ω∥⋅sinθ (4.7) は,T が代表パターンモデルϕ Tωjと相関がない程度(相違性の程度)である. = + 2 2 | ( )| | ) ( |aj Tϕ bj Tϕ ∥Tϕ∥⋅∥Tωj∥ (4.8) が成り立つ.非零条件 0 }, { ,∀∈ − − > ∈ ∀j J i J jTωi Tωj∥ (4.9) の下で,考えよう.このとき,次の定理4.2が成り立つ. [定理4.2](式(2.19)の関数 SM の構成定理2) 実ヒルベルト空間Hで考えよう.非零条件式(4.9)の下で, (ホ) ( ,SM ϕ ωj)= k J k j θ θ 2 2 cos 1 1 cos 1 1 − −

∈ = k J k j θ θ 2 2 sin 1 sin 1

∈ (4.10) と定義される式(2.19)の関数SM はaxiom 2を満たす. □ ここに, j j θ θ 1 cos2 sin = − (4.11) に注意しておく. [定理4.3](式(2.19)の関数 SM の構成定理3) 実ヒルベルト空間Hで考えよう.非零条件式(4.9)の下で, (へ) ( ,SM ϕ ωj)=

(14)

k k J k j j T T T T θ ω ϕ θ ω ϕ sin 1 sin 1 ⋅ ⋅ ⋅ ⋅

∈ ∥ ∥∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ if ∥Tϕ∥>0 p C )( j if ∥Tϕ∥=0 (4.12) と定義される式(2.19)の関数 SM はaxiom 2を満たす. □ 式(4.5)を考慮すれば, j j j j j j a T T T T

Tϕ∥⋅∥ω∥⋅sinθ = ( ϕ)⋅tanθ =( ϕ, ω )⋅tanθ ∥ ) ) , ( tan(cos ) , ( 1 ∥ ∥ ∥ ∥ j j j T T T T T T ω ϕ ω ϕ ω ϕ ⋅ ⋅ = − ∵ 式(4.6) (4.13) が成立していることに注意しておく. 4.3 相違性尺度を用いた一般化されたaxiom 2を満たす類似度関数SM 2条件 (a) (零点での無限性)fj(0)=+∞ (4.14) (b) (非零点以外での正値有限性)+∞> fj(u)>0 if 0< u≤1 (4.15) を満たす関数 + → ≤ ≤u R u fj:{ |0 1} (非負実数全体の集合) (4.16) を導入しよう.cj(Tϕ)を 2 | ) , ( | 1 ) ( ∥ ∥ ∥ ∥ j j j T T T T T c ω ϕ ω ϕ ϕ ⋅ − = (4.17)1 2 2 max ) ( ∥ ∥ ∥ ∥ k J k j j T T T T T c ω ϕ ω ϕ ϕ − − = ∈ (4.17)2 ] max exp[ 1 ) ( 2 2 ∥ ∥ ∥ ∥ k J k j j j T T T T a T c ω ϕ ω ϕ ϕ − − ⋅ − − = ∈ ,aj>0 (4.17)3 と定義する.ここで, 0 ) , ( = ⋅∥ ∥ ∥ ∥ j j T T T T ω ϕ ω ϕ if ∥Tϕ∥∥⋅ Tω∥j =0 (4.18) と約束している.cj(Tϕ)に,2性質 (c) , (∀ ∈j J c Tj ωj) 0= (4.19) (d) ∀ϕ∈Φ,∀jJ,0≤cj(Tϕ)≤1 (4.20) が認められ,T がϕ Tωjと相違している程度(相違性尺度)を表している.このとき,次の定理4.4が 成り立つ. [定理4.4](式(2.19)の関数 SM の構成定理4) ( , j) SM ϕ ω =

(15)

)) ( ( )) ( ( ϕ ϕ T c f T c f k k J k j j

∈ if

( ( ))>0 ∈ ϕ T c fk k J k ( p C )j if

( ( ))=0 ∈ ϕ T c fk k J k (4.21) と定義される式(2.19)の関数 SM は,条件式(4.9)と,条件 0 , > ∈ ∀j JTωj∥ (4.22) の下で,axiom 2を満たす. □ 2条件式(4.14),(4.15)を満たす式(4.16)の簡単な関数f を以下に7例,構成しておく. j (例1) u u fj 1 ) ( = (4.23) (例2) ) 2 cos( 1 1 ) ( u u fj ⋅ − = π (4.24) (例3) ) 2 sin( 1 ) ( u u fj ⋅ = π (4.25) (例4) ) 2 tan( 1 ) ( u u fj ⋅ = π (4.26) (例5) (1 )) 2 tan( ) (u u fj = ⋅ − π 4.27) (例6) ] exp[ 1 1 ) ( u a u f j j ⋅ − − = ,aj>0 (4.28) (例7) fj u logeu 2 1 ) ( =− ⋅ (4.29) □ 4.4 各カテゴリに複数個の代表パターンがある場合の,類似性尺度を用いた一般化された axiom 2を満たす類似度関数SM 条件式(4.9),(4.22)の下で考えよう. ) ( ,k j j kK η は第j∈ 番目のカテゴリCJ jに帰属するパターンとしよう.パターン集合 } | { ) (jj,k kKj Φ η (4.30) を,2条件 (一) ∀ ∈j Jj∈ Φ( )j (4.31) (二) ∀jJ,∀iJ−{j},Φ(i)∩Φ(j)=φ (4.32) の下で設ける(jJ).2条件 (a) (単位点での無限性)gj(1)=+∞ (4.33) (b) (非単位点以外での正値有限性)+∞>gj(u)>0 if 0≤ u<1 (4.34) を満たす関数 + → ≤ ≤u R u gj:{ |0 1} (非負実数全体の集合) (4.35) を導入する.

(16)

2条件式(4.33),(4.34)を満たす式(4.35)の簡単な関数g を以下に7例,構成しておく. j (例1) u u gj − = 1 1 ) ( (4.36) (例2) )) 1 ( 2 cos( 1 1 ) ( u u gj − ⋅ − = π (4.37) (例3) )) 1 ( 2 sin( 1 ) ( u u gj − ⋅ = π (4.38) (例4) )) 1 ( 2 tan( 1 ) ( u u gj − ⋅ = π (4.39) (例5) ) 2 tan( ) (u u gj = ⋅ π 4.40) (例6) )] 1 ( exp[ 1 1 ) ( u a u g j j − ⋅ − − = ,aj>0 (4.41) (例7) log (1 ) 2 1 ) (u u gj =− ⋅ e − (4.42) □ このとき,2性質 (c) , (∀ ∈j J q Tj ωj) 1= (4.43) (d) ∀ ∈ ∀ ∈ −j J, i J { },0jq Tj( ωi) 1< (4.44) を満たす関数 } 1 0 | { : ) (T⋅ Φ→ uuqj (4.45) を導入する.qj(Tϕ)はT がϕ Tωjと類似している程度(類似性尺度)を表している.このとき,次の 定理4.5が成り立つ. [定理4.5](式(2.19)の関数 SM の構成定理5) ( , j) SM ϕ ω = )) ( ( )) ( ( ϕ ϕ T q g T q g k k J k j j

∈ if

( ( ))>0 ∈ ϕ T q gk k J k ( p C )j if

( ( ))=0 ∈ ϕ T q gk k J k (4.46) と定義される式(2.19)の関数 SM は,axiom 2を満たす. □ 2条件式(4.43),(4.44)を満たす式(4.45)の簡単な関数qj(T⋅)を以下に7例,構成しておく. (例1) 2 , , 2 , , | ) , ( | max max | ) , ( | max ) ( ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ ∥ i i K J i k j k j K k j T T T T T T T T T q i j η ϕ η ϕ η ϕ η ϕ ϕ ⋅ ⋅ = ∈ ∈ ∈ (4.47) (例2) 2 , 2 , min max min 1 ) ( ∥ ∥ ∥ ∥ i K J i k j K k j T T T T T q i j η ϕ η ϕ ϕ − − − = ∈ ∈ ∈ (4.48)

(17)

(例3) ] min max min exp[ ) ( 2 , 2 , ∥ ∥ ∥ ∥ i K J i k j K k j j T T T T a T q i j η ϕ η ϕ ϕ − − ⋅ − = ∈ ∈ ∈ ,aj >0 (4.49) □

5.類似度関数の構成論Ⅱ(視野を考慮した場合)

本章では,まえがきで指摘しているように,これまでの他の研究者による研究内容に勝っている 式(2.19)の,axiom 2(2.2節)を満たす類似度関数 SM の構成論を論じる,いいかえれば, (a) 各カテゴリCjの代表パターンが単一でなくて,複数個が存在する場合 (b) 視点xM′を持つ視野M′(x)(⊆M′)において一致する度合いを与える場合 を併せた類似度関数SM の構成論が研究される. 図5.1 視点xM′を持つ視野M′(x)(⊆M′⊆M) Fig.5.1 A view M′(x)(⊆M′⊆M) having a viewpoint xM

5.1 式(2.19)の,axiom 2を満たす類似度関数SM の構成に必要な諸条件 Φ ∈ k j, ϕ は第j∈ 番目のカテゴリCJ jに帰属すると判明している第k Kj番目のパターンである として,パターンϕj,k∈Φ(kKj)の集合 } | { ) (jj,k kKj Φ ϕ (5.1) を導入する(j∈ ).各 ( )(J Φ j j J∈ )は,2条件 (CD1) (各代表パターンωjの包含条件)∀ ∈j Jj∈Φ( )j (5.2) (CD2) (非交差条件)Φ(i)∩Φ(j)=φ(ij) (5.3) を満たすように選ばれているとしよう(4.4節の3式(4.30)~(4.32)を参照). 視点xM′を持つ視野M′(x)(⊆M′⊆M)を備えた類似度関数SM を構成することを研究するため, q 次 元 ユ ー ク リ ッ ド 空 間 R の 可 測 部 分 集 合 M の 部 分 集 合 M ′ を 考 え る . M ′ の 部 分 集 合q ) )( (x M M′ ⊆ ′ は視点xM′を持つ視野とする. ) (x M ′x

M

(18)

関数 + → × Φ ⋅ ⋅ x J R T S( ,)( ): (非負実数全体の集合),xM′(x)(⊆M′⊆M) (5.4) を,2つの場合A,Bのいずれかにおいて考えよう. A.

> ) (x ( ) 0 M dm x であるように,M ′(x)を選んでいるとき 任意のパターンϕ∈Φについて,2性質 (イ) ∀xM′(x)(⊆M′⊆M),∀jJ,0≤S(Tϕ,j)(x) (5.5) (ロ) ∀ ∈x M x′( )(⊆M′⊆M),∀ ∈j J S T, ( ϕ, )( )j x = +∞ (5.6)

′ − = ∈ ∃ ) ( 2 , )( )| 0 ( ) )( ( | ) ( , x M jk j dm x T x T x K k if  

ϕ

ϕ

(5.7) を満たすとする. B.

′(x) ( )=0 M dmx であるように,M ′(x)を選んでいるとき この場合,M ′(x)は高々可算集合であるが, } { ) (x x M′ = (1つの座標点xM( M⊆ )のみからなる集合) (5.8) であってもよい. 任意のパターンϕ∈Φについて,2性質 (イ) ∀xM′(x)(⊆M′⊆M),∀jJ,0≤S(Tϕ,j)(x) (5.9) (ハ) ∀ ∈x M x′( )(⊆M′⊆M),∀ ∈j J S T, ( ϕ, )( )j x = +∞ (5.10) if  ∃kKj |,(T

ϕ

)(x)−(T

ϕ

j,k)(x)|2=0 (5.11) を満たすとする. 5.2 類似度関数SM の構成 5.2.1 式(5.4)の関数S(T⋅,⋅)(x)の設定 ①前節5.1の(イ),(ロ),或いは,(イ),(ハ)が満たされるように, ) ( , , ), )( , (T j x j J x M x S ϕ ϕ∈Φ ∈ ∈ ′ (5.12) が選ばれているとしよう. 5.2.2 関数sm(⋅,⋅)(x)の設定 ②sm(ϕ,j)(x)=

∈J k x k T S x j T S ) )( , ( ) )( , ( ϕ ϕ

∈ > J k x k T S( ϕ, )( ) 0 … のとき ( p C

∈ = J k j)… S(Tϕ,k)(x) 0のとき (5.13) と定義される関数 } 1 0 | { : ) )( , (⋅⋅ x Φ×Jsssm (5.14) について考えよう. 次の2定理5.1,5.3が成り立つ. [定理5.1](視点xM′を持つ視野M′(x)(⊆M′)を備えた式(5.14)の関数sm(⋅,⋅)(x)の構成定理1) 前節5.1の(イ),(ロ)を満たす場合は,条件

(19)

′ ∈ − > ⇒ ≠ ) ( 2 , )( )| 0 ( ) ( ( | ) ( min x M i kj K k dm x T x T x j i j ϕ ω (5.15) の下で,任意のxM(x)について,次の4性質(p),(q),(r),(s)が成り立つ: (p) (最大値到達性)∀ ∈j J sm, ( , )( ) 1ωj j x = (5.16) (q) (直交性)∀ ∈ ∀ ∈ −j J, i J { },j sm( , )( ) 0ωi j x = (5.17) (r) (総和単位規格化性)∀ ∈Φ,

( , )( )=1 ∈ x j sm J j ϕ ϕ (5.18) (s) (T-不変性)∀ϕ∈Φ,∀jJ,sm(Tϕ,j)(x)=sm(ϕ,j)(x) (5.19) □ [定理5.2](視点xM′を持つ視野M′(x)(⊆M′)を備えた式(5.14)の関数sm(⋅,⋅)(x)の構成定理2) 前節5.1の(イ),(ハ)を満たす場合は,条件 0 | ) )( ( ) )( ( | min 2 , > − ⇒ ≠ ∈ T x T x j i k K i kj j ϕ ω (5.20) の下で,任意のxM(x)について,上述の4性質(p),(q),(r),(s)が成り立つ. □ 上述の2定理5.1,5.2は,式(2.19)の関数 SM の密度関数に相当しているのが,視点xM′を持つ 視野M′(x)(⊆M′)を備えた式(5.14)の関数sm(⋅,⋅)(x)であることがわかる. 尚,次の定理5.3の2事柄(一),(二)にも注意しておく. [定理5.3](近似可定理) (一) 5.1節の(イ)を満たし,(ロ)を近似的に満たす場合,条件式(5.15)の下で,2性質(p),(q)が 近似的に満たされ,2性質(r),(s)が満たされる. (二) 5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす場合,条件式(5.20)の下で,2性質(p),(q)が 近似的に満たされ,2性質(r),(s)が満たされる. □ 5.2.3 関数sm(⋅,⋅)(x)の規格化積分値IS(ϕ,j)の設定

式(5.14)の関数sm(⋅,⋅)(x)の規格化積分値(normalized integral value)IS(ϕ,j) ③

′ ′ = M M x dm x j sm x dm j IS ) ( ) )( , ( ) ( ) , (ϕ ϕ (5.21) は,パターンϕ∈ΦのモデルTϕ∈Φが視点xM′を持つ各視野M′(x)(⊆M′)を考慮し,式(5.1)のモ デル集合Φ( j)と近似的に似ている程度を表す. このIS(ϕ,j)を,モデルTϕ∈Φが第 j∈ 番目のカテゴリCJ jの代表パターンωjのモデルTωjと似 ている程度と考え直す.このとき,3定理5.1~5.3を適用すれば,次の4事柄(1),(2),(3),(4)がい える. (1) (最大値到達性)∀ ∈j J IS, ( , ) 1ωj j = (5.22) が満たされるか,近似的に満たされる. (2) (直交性)∀ ∈ ∀ ∈ −j J, i J { }, ( , ) 0j IS ωi j = (5.23) が満たされるか,近似的に満たされる. (3) (総和単位規格化性)

∈ = Φ ∈ ∀ J j j IS( , ) 1 , ϕ ϕ (5.24) が満たされるか,近似的に満たされる. (4) (T-不変性)∀ϕ∈Φ,∀jJ,IS(Tϕ,j)=IS(ϕ,j) (5.25) が満たされる. □

(20)

不等式 { } 0 max ( , )i j(0) j(1) ( , ) 1,j i J∈ − j IS ω j s s ISω j j J ≤ ≤ < ≤ ≤ (5.26) を満たす2つの閾値sj(0),sj(1)の系 J j s sj(0), j(1), ∈ (5.27) を導入する. 5.2.4 規格化積分値IS(ϕ,j)をかさ上げ,そこ下げした関数QS(ϕ,j)の設定 その後,かさ上げ,そこ下げのための関数 ) (u f ) 0 ( 0 usj = … のとき ) 1 ( ) 0 ( 0 sj <u<sj > … のとき ) 1 ( 1 usj = … のとき (5.28) を導入し,量子化値(quantized value)QS(ϕ,j)を ④QS(ϕ,j)= ) 0 ( ) , ( 0…IS ϕ jsj のとき ) 1 ( ) , ( ) 0 ( )) , ( (IS j sj IS j sj f ϕ … < ϕ < のとき ) 1 ( ) , ( 1…ISϕ jsj のとき (5.29) と定義する. 5.2.5 式(2.19)の類似度関数SM の設定 ( , j) SM ϕ ω を, ⑤SM( ,ϕ ωj)=

∈J k k QS j QS ) , ( ) , ( ϕ ϕ

∈ > J k k QS(ϕ, ) 0 … のとき ( p C

∈ = J k j)… QS(ϕ,k) 0のとき (5.30) と定義される式(2.19)の関数 SM について,次の定理5.4が成り立ち,各カテゴリ毎に複数個の代表 パターンを設定し,かつ,視野を備えているようなaxiom 2を満たす類似度関数 SM が構成されたこ とがわかる. [定理5.4](各カテゴリ毎に複数個の代表パターンを設定し,かつ,視野を備えているようなaxiom 2 を満たす類似度関数SM の構成) (C1) 5.1節の(イ)を満たし,(ロ)を満たす場合 (C2) 5.1節の(イ)を満たし,(ロ)を近似的に満たす場合 (C3) 5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を満たす場合 (C4) 5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす場合 のいずれにおいても,式(5.30)のように呈された式(2.19)の関数 SM はaxiom 2を満たす. (証明) axiom 2,(ⅰ)の成立:2定理5.1,5.2,並びに,不等式(5.26)を満たすように,式(5.27)の

(21)

閾値の系sj(0),sj(1),jJを選定していることを考慮すれば,4つの(C1)~(C4)のいずれの場合でも, , ( , ) 1j j J QSω j ∀ ∈ = (5.31) , { }, ( , ) 0i j J i J j QS ω j ∀ ∈ ∀ ∈ − = (5.32) が得られる.よって, , ( ,j j) 1 j J SM ω ω ∀ ∈ = (5.33) , { }, ( , ) 0i j J i J j SM ω j ∀ ∈ ∀ ∈ − = (5.34) が成立し,証明が終わる. axiom 2,(ⅱ)の成立: 関数SM の定義式(5.30)から

∈ = Φ ∈ ∀ J j j SM( , ) 1 , ϕω ϕ (5.35) の成立は,明らか. axiom 2,(ⅲ)の成立:TT=T (axiom 1,(ⅲ)の後半) (5.36) が成り立っているから, ) )( , ( ) )( ), ( ( , , ) ( , x M x M M j J ST Tϕ j x STϕ j x ϕ∈Φ∀ ∈ ′ ⊆ ′⊆ ∀ ∈ = ∀ (5.37) を得,よって, ) )( , ( ) )( , (T j x sm j x sm ϕ = ϕ ∴   (5.38) ) , ( ) , (T j IS j IS ϕ = ϕ ∴   ) , ( ) , (T j QS j QS ϕ = ϕ ∴   (5.39) ( , j) ( , j) SM Tϕ ω SM ϕ ω ∴   = (5.40) が成立し,示された. □

6.節5.1の(イ),(ハ)を満たす

S

(

T

ϕ

,

j

)(

x

)

の諸例(視野を考慮しない場合)

定理5.4からわかるように,条件(C3),つまり,5.1節の(イ)を満たし,然も,(ハ)を満たす場合, axiom 2を満たす式(2.19)の類似度関数 SM を構成できる.本章では,式(5.4)の関数S(T⋅,⋅)(x)の諸例 を節5.1の(イ),(ハ)を満たす形で,構成する.また,定理5.4からわかるように,条件(C4),つまり, 5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす場合でも,axiom 2を満たす式(2.19)の類似度関数 SM を構成できる(7章). 6.1 構成例1 ] Re… は

の実部の意,また,η(x)はη(x)の複素共役の意 として, ] ) )( ( ) )( Re[( | ) )( ( | | ) )( ( | ] ) )( ( ) )( Re[( , 2 , 2 , x T x T x T x T x T x T k j k j k j ϕ ϕ ϕ ϕ ϕ ϕ ⋅ − + ⋅ (6.1) 1 = if (Tϕ)(x)=(Tϕj,k)(x)=0 (6.2) を約束しておく.そうすれば, ) )( , (T j x S ϕ , 2 2 2 , , Re[( )( ) ( )( )] 1 log [1 max | | ] 2 j | ( )( ) | | ( )( ) | Re[( )( ) ( )( )] j k e k K j k j k T x T x T x T x T x T x ϕ ϕ ϕ ϕ ϕ ϕ ∈ ⋅ = − ⋅ − + − ⋅ (6.3)

(22)

と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ハ)を満たす.何故ならば,不等式 2 , )( )| ( ) )( ( | 0 , T x T x M x∈ ≤ ϕ − ϕjk ∀ )] ( ) ( ) )( ( [ )] )( ( ) )( [(Tϕ xTϕj,k xTϕ xTϕj,k x = )] ( ) ( ) )( Re[( 2 | ) )( ( | | ) )( ( | , 2 , 2 T x T x T x x Tϕ + ϕjk − ⋅ ϕ ⋅ ϕjk = (6.4) ∴ Re[(Tϕ)(x)⋅(Tϕj,k)(x)] )] ( ) ( ) )( Re[( | ) )( ( | | ) )( ( | , 2 , 2 T x T x T x x Tϕ + ϕjk − ϕ ⋅ ϕjk ≤ (6.5) が成立するからである. 6.2 構成例2 ) )( , (T j x S ϕ ] | ) )( ( ) )( ( | min 1 [ log 1 2 , x T x T a k j K k e j j ϕ ϕ − + ⋅ = ∈ ,aj>0 (6.6) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ハ)を満たす. 6.3 構成例3 ) )( , (T j x S ϕ ] | ) )( ( ) )( ( | min max | ) )( ( ) )( ( | min 2 cos[ 1 1 2 , 2 , x T x T x T x T a i K J i k j K k j i j ϕ ϕ ϕ ϕ π − − ⋅ − ⋅ = ∈ ∈ ∈ ,aj>0 (6.7) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ハ)を満たす. 6.4 構成例4 ) )( , (T j x S ϕ 2 , )( )| ( ) )( ( | min 1 x T x T jk K k j ϕ ϕ − = ∈ (6.8) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ハ)を満たす.

7.節5.1の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす

S

(

T

ϕ

,

j

)(

x

)

の諸例(視野を考慮しない場合)

定理5.4からわかるように,条件(C4),つまり,5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす場合 でも,axiom 2を満たす式(2.19)の類似度関数 SM を構成できる.この近似構成を研究する. 5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす諸例をあげよう. 7.1 近似を使った構成例1 任意の実数値変数y について, +∞ = + + →0 2 2 1 lim ε ε y if y=0 (ε>0) (7.1) であるから, ) )( , (T j x S ϕ

(23)

2 2 ,)( )| ( ) )( ( | 1 max ε ϕ ϕ − + = ∈ T x T x k j K k j (7.2) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす. 7.2 近似を使った構成例2 記号δ( y)をDiracδ超関数とする.つまり,無限回連続的に微分可能な関数f で,ある有界領域の 外では,その値が0となる任意の関数 f に対し,

+∞ ∞ − = ⋅ − ∈ ∀a R, δ(y a) f(y)dy f(a),ここに,R は実数全体の集合 (7.3) が成立するのが,Diracδ超関数である. 任意の実数値変数y について, ) 0 ( ) ( 1 lim 2 2 0 ⋅ + = > + → ε δ ε ε π ε y y    (7.4) が成り立つから[A1],正数ε を十分小さく選んで, ) )( , (T j x S ϕ 2 2 , )( )| ( ) )( ( | 1 max ε ϕ ϕ ε π⋅ − + = ∈ T x T x k j K k j (7.5) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす. 7.3 近似を使った構成例3 任意の実数値変数y について, ) 0 ( ) ( ) sin( 1 lim+∞ ⋅ = y <a<+∞ y ay a π δ    (7.6) が成り立つから[A1],正数a を十分大きく選んで, ) )( , (T j x S ϕ 2 , 2 , sin{ | ( )( ) ( ( ) | } 1 max{max ,0} | ( )( ) ( )( ) | j j k k K j k a T x T x T x T x ϕ ϕ π ϕ ϕ ∈ ⋅ − = ⋅ − (7.7) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす. 7.4 近似を使った構成例4 任意の実数値変数y について, ) 0 ( ) ( ] 2 exp[ 2 1 lim 2 0 t y t y t t→+ π ⋅ − =δ   < (7.8) が成り立つから[A1],正数 t を十分小さく選んで, ) )( , (T j x S ϕ ] 2 | ) ( ( ) )( ( | exp[ 2 1 max 2 , t x T x T t k j K k j ϕ ϕ π − − ⋅ = ∈ (7.9) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ)を満たし,(ハ)を近似的に満たす.

(24)

8.節5.1の(イ),(ロ)を満たす

S

(

T

ϕ

,

j

)(

x

)

の諸例(視野を考慮した場合)

定理5.4からわかるように,条件(C1),つまり,5.1節の(イ)を満たし,然も,(ロ)を満たす場合, axiom 2を満たす式(2.19)の類似度関数 SM を構成できる.本章では,前章に引き続いて,式(5.4)の 関数S(T⋅,⋅)(x)の諸例を節5.1の(イ),(ロ)を満たす形で,構成する. 8.1 構成例1 節5.1のAでの条件

M′(x)dm(x)>0 (8.1) を仮定する. ) )( , (T j x S ϕ ] | | ) )( ( | ) ( | ) )( ( | ) ( ) )( ( ) )( )( ( | max 1 [ log 2 1 2 ) ( 2 , ) ( 2 ) ( ,

′ ′ ′ ∈ ⋅ ⋅ − ⋅ − = x M jk x M x M jk K k e x T x dm x T x dm x T x T x dm j ϕ ϕ ϕ ϕ (8.2) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ロ)を満たす. 8.2 構成例2 式(8.1)を仮定する. ) )( , (T j x S ϕ 2 , ) ( ( )|( )( ) ( )( )| min 1 x T x T x dm jk x M K k j ϕ ϕ − =

′ ∈ (8.3) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ロ)を満たす. 8.3 構成例3 式(8.1)を仮定する. ) )( , (T j x S ϕ ] | ) )( ( ) )( ( | ) ( min 1 [ log 1 2 , ) ( dmx T x T x a k j x M K k e j j ϕ ϕ − + ⋅ =

′ ∈ ,aj>0 (8.4) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ロ)を満たす. 8.4 構成例4 式(8.1)を仮定する. ) )( , (T j x S ϕ ] | ) )( ( ) )( ( | ) ( min max | ) )( ( ) )( ( | ) ( min 2 cos[ 1 1 2 , ) ( 2 , ) ( x T x T x dm x T x T x dm a i x M K J i k j x M K k j i j ϕ ϕ ϕ ϕ π − − ⋅ − ⋅ =

′ ∈ ∈ ′ ∈ ,aj>0 (8.5) と定義される式(5.4)のS(T⋅,⋅)(x)は,5.1節の(イ),(ロ)を満たす.

参照

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