社会
系教
科教
育学会
『社会系教科教育学研究』第13
号 2001
(pp.29-36)
開かれた価値観形成をはかる社会科教育
一
単
元「
 ̄
私
の
ラ
イ
フ
プラ
ンー
社
会
を
よ
りよ
:社会の自己組織化に向けて
く生
き
る
た
め
にー」
の
場
合
一
A Study
On The Open-Ended Values Formation in the Social Studies Education :
Toward An Auto-poiesis
of Society
-On The Lesson
Plan
“Creating]My Life Plan: To Have
A Better Life
”
−
溝
口
和 宏
(鹿
児
島
大
学)
1。は
じめに
近年の社会科教育学研究においては
,従
来の社
会科における市民的資質育成の
あり方を批判的に
検討する
,あるいは新たな視点から市
民的資質育
成論を提唱する論文が数
多く見られ
る
。例
えば,
池野
,佐
長,豊嶌
,吉村氏らの研究は,従来,社
会科教育の
目標として自明視
されてきた
,匚
社会
科は社会認識形成
を通
じて市
民的資質
を育成す
る
」
という定式に疑問を表明する点
,あるいは,匚
市
民的資質を育成すること
」の
さらなる明晰化を要
請する点て共通
した傾向を読み
とることができ
る1
)
。従来の定式化は
,それ
がもつ曖昧さのゆ
え
に批判を受けている
。こう
した批判の背景には,
これ
まで市民的資質の内実が十分に明らかに
され
て
こなか
った経緯が関係
していよう。
わが国の社会科教育において
,市民的資質の育
成という課題
を単元や授
業の
レベル
で直接的に実
現
させ
ようと
してきたもの
と
して
,厂
理解」匚
認識
」
匚
問題解決
」を原理とする社会科教育論があげら
れる
‰
しか
しながら,
「 ̄
理解」の立場は
,共感
的な理解にもとづいて形成され
る社会認識の内容
が社会発展に寄与す
る態度の
形成という態度
目標
に規定され
たものである点て
,
「 ̄
認識」の立場は
,
社会変革
を担う態度の
形成のため教授される知識
体
系が
,史的唯物論という特定の
「 ̄
科学的」社会
観に規定されたもの
である点で
,子
どもの認識
を
閉ざす
一方厂
ことになると
問題解決」の立場は,子どもの
して批判
されてきた3
自主的
)
。
自
立的思想形成を意図
し
,認識
を規定す
ることに
よ
る価値注入の危険性
を回避
しようとす
るものの
,
子
どもの社会生活上の問題から学習を進展させる
こ
とが
困難
と
なる
こ
とか
ら
,子
どもの
社
会
認識
の
深
ま
りは
浅
く常識
的
で
,知識
成
長の
面
で問
題が
残
る
との
批
判
を受け
てき
た‰
2
。
「意思決定」型授業論の限界
と変革への視座
近年
,従来の論の問題点を克服す
るもの
と
して
提唱され
てきたのが
「意思決定
」型の社会科教育
論である
。この立場の
主張
を誤解を恐れずに示せ
ば
,以下の
ようにまとめ
られ
よう5
)
。
社会においては人々の間で鋭い意見の対立がみ
られ
る問題が存在
してきた
し
,今も存在
している
。
と
りわ
け社会が急激に
変化する現代において
,わ
れわれは様
々な課題に直面
してお
り
,今後も直面
する
ことが予想
され
る
。また
これ
らの
課題は
,価
値観の違いによって解決策が分かれ
るような
,合
理的な解決が
困難であるような,問題ばか
りであ
る
O将来の
主権者である子
どもも
,いずれ
こうし
た問題に直面
し決断を求め
られ
るがゆ
えに
,論争
問題に対処
しうる能
力を早い段階か
ら子どもの
う
ちに形成
していくことが社会科の担うべき目標
と
なる
。そ
して,この能
力は
,論争問題
を取
り上げ,
それ
らに対する解決策を
一人ひ
とりの子どもに立
案させた
り
,特定の
状況において取
りうる選択肢
の
中か
ら最も合理的と思われるもの
を吟味
し選択
させることを通
して育成
される
。
厂
意思決定
」型社会科は
,まず第一に,
丁
意思
決定
」能力を一教科と
しての社会科で育成すべき
目標
とみ
なす
。第二に,
「
“意思決定」能
力育成の
ため
,社会的対立を生
じさせている様
々な論争問
題を学習内容と
して取
り上げる
。第三に
,論争問
題を解決
しうる最も合理的と思われ
る解決策
を子
どもに選
択
・決
定
させ
る
方法
に
よ
り匚
意
思決
定
」
の
能
力を育
成
す
る
。論
争
問
題
を
内容
とす
る
こ
と
で
,
特
定の
立
場か
らの
価
値注
入
を
回避
しつつ
,形
成
さ
れ
る
認識
を社
会
生活
上の
問
題か
ら社
会の
構
造
的
問
題
に関わ
るもの
へ
と拡
げよ
うとす
る
点て
評価
で
き
る
もの
とな
って
いる
。
しか
し,それ
でも
な
お克服
すべ
き
,い
く
っか
の
問
題
点が
残
され
て
いる
。
第
一の
問題
点は
,合
理的
意
思決
定能
力と
い
う能
力概
念
を
一教
科の
目標
と
して提
唱
した
点て
ある
。
意
思決
定
それ
自体
は
,個
人
レベ
ルか
ら集
団
レベル
の
決
定ま
で
を含
む活
動
で
あるた
め
,集
団での
合
意
形
成や
その
前
提
と
なる社
会
形
成の
能
力とい
った
目
標
ま
でも
一教
科の
目標
と
して
抱
え込み
かね
な
い
。
総
合
的
学習の
目標
と
してな
らまだ
しも
,他教
科
に
並
列す
る
一教
科
と
しての
社
会
科の
目標
概
念
と
して
は
広す
ぎるの
では
な
いか
。
「意思
決定
」型社会
科
は
,その
目標
を社会
認
識体
制の
成長
を促
す
こ
と
を
焦
点とす
る
新た
な
目標概
念
に
,具
体
的
には
,
開か
れ
た価
値
観
・社
会観
の
形
成
とい
う
目標
概
念
に置
き
換
えるべ
き
では
な
いか
。
第
二の
問
題
点は
,教
授
内容
と
しての
論争
問題
を
自明
な
もの
とみ
なす
点て
ある
。意
思
決
定型の
社
会
科
は
,論争
問題
解決
の
ため
に
考
え
られ
る
,あ
る
い
は
提
案
され
て
いる行
動
計
画や
政
策の
是
非
を
,
子
ど
も
一人ひ
と
りに
評価
させ
,最
も
望ま
しい
と考
える
選
択
肢
を決
定
させ
る
,
とい
う方
途
を
とる
。そ
こ
で
求め
られ
るの
は
,現在の
社
会
が直
面
して
いる
問題
を
一人ひ
と
りの
子
ども
が
どの
よ
うに
解決
してゆ
く
か
,
とい
う
ことで
あ
る
。その
ため
,あ
らか
じめ
子
ど
も
を制
度
設
計の
問
題状
況
の
中に
投
げ
込
む操
作
を
,
具
体
的
には
,社
会
制度
の
不備
に
よ
って何
らか
の
被
害
を被
った
人
々の
立
場に
共感
させ
た
り
,社
会
問題
に
おけ
る対
立や
ジ
レンマ
を
示
し
,その
解
決
策
を構
想
す
るテ
ク
ノク
ラ
ー
トの
立
場に
立た
せた
りす
るな
どの
操作
が
な
され
る
こ
とと
なる
。
しか
しなが
ら
,匚
社
会
問題」それ
自体
は実在
す
るもの
では
な
く
,問題
と
され
る匚
社
会
状況
」の
実
在
も
自明では
な
い6
)
。実在す
るの
は
,個
々の
事実
に対
す
る人
々の
解釈
や
意味
づけ
で
あ
り
,その
解
釈
に基
づ
く人々の
言
動や
行
動
で
ある
。個
々の
事
実の
解
釈
や
事実
に
対
して付
与
され
る意
味
が異
な
るが
ゆ
えに
,対象
となる
事
実が
「問題
」
とな
る場
合
も
あ
ー
れ
ば
,ならない場合もある。・
だ
とすれ
ば,個人の
自己決定と社会問題に関する決定とが
同列で論
じ
られる
という前提に立つことはできない
。与えら
れた論争問題に対
し望ま
しい解決策を決定すると
いう従来の
方法は再検討を要するの
ではないか
。
第三点は
,子
どもの
自己決定と社会のあ
り方に
ついての決定を同質の
ものとみ
なす点である
。す
なわ
ち
,個人
レベルの意思決定と社会
レベルの意
思決定
との
質的差異が明確に区別
され
ていない
点
,
区別され
る場合でも
,ある特定の集団
(クラス集
団など)における集合的決定と民主主義社会にお
ける社会的決定
との質的差異について区別され
て
いない点てある
。
民主主義社会における社会的決定とは
,特定の
集団によってなされる合意形成
,あるいは
,集合
的決定のみ
を指すものではな
い
。民主主義社会に
おける決定は
,どの
ような社会をつくりあげるか
についての決定が
,プランの立案
・選
択
(立法
)
,
選択された
プランの実行
・運用
(行政)
,プラン
の妥
当性の判断
(司法
)といった
三権を司る機構
の連関の
中で漸進的になされ
てきている
。従
来の
匚
意思決定
」型授
業論は,このような匚
民主主義
社会における社会的決定
」の特質を見通せるもの
となっているであろうか
。民主主義社会では,決
定における三局
面を異なる機構が担ってお
り
,統
一的な視
点からその決定
を捉
えることが
困難であ
るがゆ
えに
,社会科教育は,こうした社会的決
定
をめ
ぐる一連の連関を授業や単元の中で繙いてゆ
く必要が
あるの
ではないか。
3
。変革への視座
:社会の
自己組織化に向けて
(1)匚
自己の社会構想にも
とづ<
<問題>の構築
」
社会問題そのものが構築的性格をも
っもの
であ
るな
らば
,社会
を構成するすべ
ての人間にとって
の問題
を予め仮
定して教授すべ
き内容
を構成
して
いくことは困難である
。だとすれば
,どのような
構成の
方法があ
り得
るだろうか
。
本稿では
,暫
定的ではあるが,その
方法と
して
社会生活についての
自己決定から自己の社会構想
へ
と至る授
業構成の
方法
を提起
した
い
。社会
問題
を取
分
自身の
り扱うこれまでの社会科授業においては
より良き生を構想するという部分が欠落
,自
30−
していたの
ではないか
。自分が
この社会の
中でど
のように生きてい
くのか
,生きていきたいのか
,
それ
を今の社会は許容するであろうか
,許容
しな
いとすれ
ばそれは
なぜなのか
,許容させるには何
か必要か
。こうした一連の問いに答える中で,子
どもは
,
自らの決
定の実現可能性を探るとともに,
必然的に現在の社会のお
り方を規定
している過去
の社会における決定
(判断)を対象化
し
,自らの
決定
(判断)と比較考察する必要に迫
られ
よう
。
その場合
,子どもは個
人と社会の
関係
を形づくっ
ている構造や原理に対
して
自覚的に
なり
,自らの
ために社会
を組織する
,す
なわち,社会をつくり
あげてゆ
く必要性
を学んでいくの
ではないか
。自
己決定をベ
ースに社会を認識させ
ていくことが,
社
会の
問題
を自己の
問題
と
して捉
え返す
ことに
なっ
ていくのではなか
ろうか
。厂
自主的自立的に社会
のお
り方を考える
」ことの
できる市
民の育成
をめ
ざすのであれ
ば
,こうした学習過程は不可欠のも
の
となるのではないか
。
また
,意思決定は何
らかの価値を実現するため
に行われる選
択
・判断の総称
であるが,それは事
実
としても把握
しうる現象であることか
ら
,意思
決
定は
,学習の
対象,す
なわち知識の
対象となる
。
過去になされ
てきた社会的問題解決のための決定
(選択
・判断)の基準
を対象化
しつつ,自らの選
択
・判断の
基準
を作
り上げるとともに
,
自らに
とっ
ての新たな問題
を構成
していくことこそが
,開か
れた価値観形成
を保障する社会科授
業となるので
はなか
ろうか
。
4
。授
業単
元
田
単元
設
定の
理
由
以上の
考
察
をも
とに
,
一
人ひ
と
りの
子
どもが
自
らの
選
択
や
自己決
定
をベ
ー
ス
に
,既
存の
社会
の
あ
り方
を分
析
的か
つ
批判
的に
検
討
して
い
ける
よ
うな
教
授
単
元
を構
想
・開発
した
。
テ
ー
マ
には
「現
代の
社
会
保障
制
度
」
を選
択
した
。
わ
が
国に
おける社
会
保
障制
度は
,理
念
的には
すべ
ての
国
民の
生活の
向上
と発
展
に寄
与す
る
こと
を
目
的
と
して
い
る
。
しか
し一方
では
,社会
に
お
いて
多
様
なラ
イ
フス
タ
イル
を選
択す
る
人々が
現
実
に存
在
す
る
にもか
かわ
らず
,社会
保
障制
度が
容
認す
る
ラ
イ
フス
タ
イル
,具体
的には
,血縁
と法律
婚
を基
底
と
した
家
族
関係の
み
が
保護
の
対象
とな
り
,特
定の
ラ
イ
フス
タイ
ルの
固
定化
を助
長す
る
,
と
い
う制
度
の
逆機
能の
状態
も
生
じて
いる
。開
発
した
授
業単
元
では
,
こ
う
した
制度
の
背後
に
潜む
イデ
オ
ロギー
を
明
らか
に
しなが
ら
,
自
らが選
択
した
ライ
フス
タ
イ
ル
に
照
ら
して
,既存の
社
会
保
障制
度
を批判
的に
検
討
させ
る
こと
をね
ら
いと
した
。
(2
)単元の構成
単元の構成は
,4段階の
構成
とし,単元を通
じ
て今日の社会保障制度の
あり方とその背後に
ある
社会規範
・イデオ
ロギー
を明らかにする中で,自
らの制度に対す
る判断基準
を確立させるような構
成をとった
。
まずパ
ー
ト1では
,社会生活における自己の
お
り方の決
定を
,具体的には
,定職か
フリーター
か
,
結婚するか
しないか
,子
どもをもつかもだないか
等の将来のライフスタイルに
ついての
自己決定を
行うとともに
,現実に存在する
多様なライ
フスタ
イル
を認識
させる
。続
くパー
ト2では
,社会生活
における自己のお
り方に関わる社会制度を分析す
る
。具体
的には
,年金制度や扶養控除手当,児童
手当や相続税など
,ライフステージ
ごとに
自らの
生活に関わ
って
くる社
会保障制度
を取
り上げ
,パー
ト1で自らが選択
したライフス
タイル
によれ
ば保
障の程度が
どの
ようなもの
となっていくのかを考
察
させ
る
。パー
ト3では,社会制度の
妥当性に
関
する社会的判断基準の把握を行う
。具体的には
,
嫡出子と非嫡
出子との相続比率の格差を憲法違反
と
して訴えた訴訟を取
り上げ
,高等裁判所
レベル
では裁判所の判断が分かれ
ていたが
,最高裁は
民
法体系を支える血縁
,法律婚の
イデオ
ロギー
を根
拠に合憲の
判決
を下
したことを認識
させ
,その妥
当性について考察させる
。最後のパー
ト4では
,
それ
までの
考察
をふま
え
,今
日の社会保障制度の
あ
り方に関する
自己の判断を確
立させ
る
。自らが
選択
したライ
フスタイルに照
らした場合
,制度に
は問題かおるのかないのか
,問題かおると
して,
制度を変えるのか自らの
生き方を変えるのか
,制
度
を変えるの
であれば
どこをどのよ
うに変えるの
か
。以下,単元の実際
を示す
。
j Z j Q り 工 り 乙 Q り く ぐ (4)
授業 の実 際
単 元
テ ーマ
学習 目標
と ① ② ③ ④ ⑤ ① ② 能 技 剛 く教 授 書「 わ たしのラ イフプ ラ ン ー社会を よ りよく 生きる た めに ー」
公 民科 現代 社会 厂
現代 の民 主政 治 と民主 社 会 の倫 理」
「 私 たちの くらし と社会制 度」
お け る ー ジ の ど の多 様 な 社 会 保 障制 度 が 関 わ っ て い る 。 わ っ て く る 。 わ っ て く る 。 つて く る 。 :, 婚 姻 , 異 性 愛 , 男 性 に よ る片 働 き, を 重 ん じ る制 度 ス テ ー ジの 各 段 階 で 関 連 し て く る 社 会 福 祉・ 社 会 保 障 制 度 は, 血 縁, 婚 姻 , 異 性 愛 , 男 性 に よ る片 働 き, を 重 ん じ る制 度 い る。 にお いて は, 第 3 号 被 保 険 者 の 保 険 料 負 担 が な く, 国 民 年 金 の 給 付 を受 け る こ と が で き 優遇 さ れて い る。 者 控 除 ・ 配 偶 者 特 別 控 除 に お い て は, 給 与 所 得 者 の 配 偶 者 の年 収 に 制 限 を 設 け , 専業 主 婦 ( 専 業 主 夫 ) の 税 控 除 を 行 う こ り , 家 庭 に し ば る 傾 向 を生 み 出 し て い る 。 扶 養手 当 に お い て は, 給 付対 象 が , 母 子 家 庭 に 限 定 さ れて お り, 男 性 ・ 父 親 が 生 計を 支 え る とい う 旧来 の 考 え の ま ま制 度 礎年 金 に お い て も, 給 付対 象 が 「 子 の あ る妻 も し く は子 」 に限 定 さ れ て お り , 男 性 ・ 父 親 が 生 計 を 支え る と い う 旧 来 の かが え る。 につ い て は , 婚 姻 関 係 と 血 縁 関 係 が 重 視 さ れ, 内 縁 関 係 や 非 嫡 出 子, 血 のつ な がり の な い 子 ど も は異 な っ た 処 遇 を 受 け け る嫡 出子 と非 嫡 出 子 の 格 差 に つ い て は異 な る判 決 が見 ら れ る。 ( 法 の 下 の平 等 ) の観 点 か ら す る と, 非 嫡 出 子 ・ 嫡 出 子 は本 人 の 選 択 によ る も の で は な い の で , 法 律 婚主 義 を 理 由 と 分 につ いて , 非 嫡 出 子 を 差 別 す る こ と はで き ない 。 (両 性 の 合 意 に基 づ く 婚 姻 ) の観 点 か ら す る と, 適 法 な婚 姻 に 基 づ く 家 族 関 係を 保 護 す る とい う法 の 精 神 は 尊 重 さ れ る べ きで あ る。 技 能 ・ 態 度 目 標 > (1) 自 分 の ラ イ フ ス タ イ ル と異 な る 価 値 観 に つ い て , 説明 や 発 表 ・ 意 見 交 換 を 通 じ て 理 解 す る と と も に , 社 会 制 度 の面 か ら 見 る 方 法 もあ り , 自 分 の生 き方 に活 用 し よ う と す る。 (2) 資 料 か ら各 制 度 の もつ 特 性を 理 解 し, 自 ら の 制 度 設 計 にお い て 活 用 す る こ と が き る。4 学 習 過 程
教 師 の指 示 ・ 発 問 資 料 教授 ・ 学 習 活 動 生 徒 に獲 得 さ せ た い 知 識第
一
次
社
泉
皆
昔
呂
労
台
高
建
1 自 分 が 将 来 , 希 望 す る ラ イ フ ス タ イ ル に つ い て , 以 下 の 各 視点 を 参 考 に考 え な さ い。 / 白 八 冖ヽ丶− ノ-7 ’アカ ハ1 ? 名 ぷ 7 嗷.?丶袍 よ \ T : 発 問 す る。 P : 発 問 につ い て考 え る。 ヽt」ノJ'ニ ノ 1 /'`/ 1'' c ″「」/廴,'a」pお'二し7口、.丶/ ① 高 校( 大 学) 卒業 後 , ど のよ う な 進 路を と るか , あ る い は ど のよ うな 仕 事 に 就 き た い か。 ② 結 婚 す る か , し ない か 。 ③ 子 ど もは 何 人 欲 しい か , そ れと も も た な いか 。 ④ 子 ど もが 生 ま れ た後,. 仕 事 に就 く か 就 か ない か , 就 く 場 合 , ど のよ うな 仕 事 に 就 く か。 2 自 分 が 考 え た ライ フ ス タ イ ル に つ い て , ① ∼ ③ の 視 点 を 基 準 に し て, グ ル ープ に 分 か れな さ い 。/ −y-7 ’7癶yi!W 丶丶LyT丶力・゛,I J へ
T : A ∼ L の ラ イ フ ス タ イ ルを 提 示 し グル ープ を 編 成 す る 。 P : 席を 移動 す る。 A 正 社 員 一結 婚 す る 一子 ど もを もつ B 正 社 員 一結 婚 す る 一子 ど もを もた な い ※正 社 員 は, 公 務員 を 含 む。 年 収141 万 円 以 上 と し, 厚生 年 金 保 険 ・ 共 済 組 合 C 正 社 員 一 結 婚 し ない 一子 ど もを も つ 二 加 入 者 と す る。 D 正 社 員 一 結 婚 し ない 一子 ど もを も た な い E 自 分 で 事 業 を 起 こ す, もし く は 事業 を 継 ぐ 一結 婚 す る 一 子 ど もを もつ F 自 分 で 事 業 を 起 こ す, もし く は 事業 を 継 ぐ 一結 婚 す る 一 子 ど もを も たな い . G 自 分 で 事 業 を 起 こ す, もし く は 事業 を 継 ぐ 一結 婚 し な い 一 子 ど もを もつ 口 国 民 年 金 保 険 加 入 者 す H 自 分 で 事 業 を 起 こ す, もし く は 事業 を 継 ぐ 一結 婚 し な い 一 子 ど もを も たな い I フ リ ー タ ー, パ ート もし く は家 事手 伝 一結 婚 する 一子 ど もを もつ J フ リ ー タ ー, パ ート も し く は家 事手 伝 一結 婚 する 一子 ど もを も たな い ※ フ リ ー タ ー, パ ート は ,年 収141 万 円 未 K フ リ ー タ ー, パ ート もし く は家 事手 伝 一結 婚 しな い 一子 ど もを もつ 二 満 と し, 国民 年 金 保 険 加 入 者 と す る。 L フ リ ー タ ー, パ ート もし く は家 事手 伝 一結 婚 し な い 一子 ど もを も たな い 3 就 職 に 対 す る 若 者 の意 識 調 査 や 結 婚 に 対 す る 意 識 調 査 の 結 果 等 か ら 様 々 な ラ イ フ ス タ イ ル が あ る こ と を 説 明 す る。 ま た, D I N K S や 別 居 婚 , シ ン グ ル ( 独身 ) 等 具 体 例を 挙 げ て 説 明 す るo 4 グ ル ープ ご と に話 合 い , 自 分 た ち で 理 想 的な ライ フ ス タイ ルを 作 り 上 げ な さ い。 資 料 1 意 識 調 査 結 果 T : 意 識 調 査 の結 果 を もと に , 現 代 の 様 々 な ラ イ フ ス タ イ ルを 説 明 す る。 P : 説 明を 聞 く。 T : 机 間 巡 視 し 話 し 合 い を 促 す。 P : 一 人 ひ とり の考 え を 出 し合 い 一 つ の形 を 作 るo < 言 葉 の 意 味 >
厂D IN K S」 と は, double income no kids の 略 で , 共
働 き で 子 ど も の い ない 夫 婦 のこ とo 「 別 居婚 」 と は, 男 女 が 戸 籍 上 夫 婦 で あ る も の の, 別 居 状 態 にあ り , 生 計 も 別 に し て 夫 婦 関 係を 維 持 する こ と 。
5 各 グ ル ープ ご と に , ど のよ う な 基 準 で, ど の よ う な ラ イ フ ス タ イ ルを 理 想 と し た か, 発 表 し , 意 見 交 換 しな さい 。 T : 生 徒 の発 表 の要 点 を 整 理 する 。 P : 各 自 他 グ ル ープ の 意 見 を メ モし 、 多 様 な 考 え 方 が あ る こ とを 理解 する 。 疑 問 等 あ れば 質 疑 応 答 す る 。 < 予 想 さ れ る基 準 点 > ○ ど のよ うな 仕 事 の形 が い い の か。 ○ 結 婚 す べ きか , し な く て も い い か。 ○ 子 ど も は もつ べ きか , も た な い べ きか 。 ○ 人 間 が生 き る上 で 大 切 な こ と, 大切 な も の は何 か。 ○ 各 個 人 が ラ イ フ ス タ イ ル を 決 定 す る 要 因 と な る もの は 何 かo
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6 各 自 選 択 し た ラ イ フ ス タ イ ル に は様 々 な 社 会 保 障 制 度 が 関 わ っ てい る。 現 在 の 日 本 の 社 会 福 祉 ・ 社 会 保 障 制度 に は , ど の よ う な 制 度 が あ り , ど の よ う な 考 え の もと に , 施 行 さ れ て い る の だろ う かo 具 体 的 な 制 度 に つ い て, 考 察 し て み よ う。 ① 働 き始 め たと き 希望 す る ラ イフ ス タ イ ル ( 正 社 員 , 自 営 業 ・ パ ート ・ 無 職 ) に 合 わ せ て , 考 え て い く こ と と す る。 < 公 的年 金 制度 > ・20 歳 にな っ た ら, 年 金 を 払 わ な け れば な り ま せ ん 。年 金 につ い て 調 べ て みよ う。 ・ あ な た の 希望 す る ラ イ フ ス タ イ ルで は, 第 何 号 被 保 険 者 にな る か 。 ・ 希 望 す る ラ イ フ ス タ イル で は, ど れ く ら い の負 担 を し な け れ ば な らな い の だ ろ う か。 ・ 希望 す る ラ イ フ ス タ イ ル にお い て , 給 付 は ど のよ う にな っ て い る の だろ う か 。 ・ 第 3号 被 保 険 者 は, 負 担 ゼ ロ な の に 基 礎 年 金 が 給 付 さ れ る が , そ の 仕 組 み は ど う な っ て い る の だ ろ う か 。 ま た, ど う し て そ のよ う な負 担 のし く み に な っ てい る のだ ろ う か 。 ・ 国 民 年 金 の 第 3号 被 保険 者 制 度 に は , 問 題 が あ る と 考 え ら れ る か。 そ の 理 由 は 何 かo ま た ど の よ うな 改 正 案 が 考え ら れ るか 。 資 料 2 公的年 金の仕組 み 資 料 3 被 保 険 者 の 類型 資 料 4 各 年 金 の 負 担 と 給 付 額 資 料 4 各 年 金 の 負 担 と 給 付額 T :年 金 の 意 義 に つ い て の資 料 配 布 。 P :資 料 を 読 む 。 T : 発 問 するo P : 資 料 か ら 読 み取 るo T : 発 問 す る。 P : 資 料 か ら 読 み取 る 。 T : 発 問 す るo P : 資 料 か ら 読 み 取 るo T : 発 問 す る。 P : 資 料 を も と に 考 察 し , 発 表 す る。 T : 発 問 す るo P :負 担 の面 か ら 推 測 し , 発 表 す る 。 公 的年 金 は, 次 の 三 種 に分 け ら れる 。 国民 年 金 ( 基 礎 年 金) 厚生 年 金 ( 報 酬 比 例 の年 金 ) 共 済年 金 ( 報 酬 比 例 の年 金) ○ < 第 1号 被 保 険 者 > 日 本 国 内 に 住 ん で い る20 歳 以 上60 歳 未 満 の 農 業 , 自営 業 な ど の人 や 学 生o O < 第 2号 被 保 険 者 > 厚生 年 金 保 険 ・ 共 済 組 合 に 加 入 し て い る人 。( 会 社 や 役 所, 学 校, 法 人 に勤 めて い る人 ) ○ < 第 3号 被 保 険 者 > 第 2 号 被 保 険 者 に扶 養 さ れ て い る 配 偶 者 で20 歳 以 上60 歳 未 満 の人 。 恕 脱 俗 ぷ回 建 言 で あ る こ と。 ・ 第 1 号 被保 険 者 : 定 額 負 担 ( 国民 年 金 )。 ・ 第 2 号 被保 険 者 : 定 額負 担 ( 国 民 年 金 ) 十 所 得 比 例負 担 ( 厚 生 年 金)。 皿 ・ 第 1 号 被 保険 者 : 基 礎 年 金 が 給 付 ・ 第 2 号 被 保険 者 : 基 礎 年 金 十 厚生 年 金 が 給 付 ・ 第 3号 被 保 険 者 の 給 付 を , 他 の被 保 険 者 が共 同 負 担 し て い るo 1985 年 の 法改 正 に よ り , 国 民 皆 年 金 の 制 度 が 整 え ら れ たた めo <問 題 あ り > ・ 独身 者 ・非 婚 者 や 共 働 き, 国 民 年 金 制 度 の 中 で 払 い 続 け て い る 者 の 「 犠 牲」 の 上 に, サ ラ リ ー マ ン 専業 主 婦 ( 専 業 主 夫 ) 優 遇 政 策 が 維 持 さ れて い る 。 = 片 働 き 夫 婦 を 助 長 し て い るo ・ 専業 主 婦 の 行 っ て い る 家 事 労 働 は, 単 身 労 働 者 や 共 働 き夫 婦 も行 って お り ,不 公平 で あ る 。 ・ 個人 が 負 担 し 個 人 で給 付 を 受 け る 仕 組 み に す るべ き 。 < 問題 な し > ・ 社 会 保 障 制 度 は 所 得 のあ る人 が 所 得 に 応 じ て 負 担 し , 必 要 性 の 高 い 人 に 給 付 す べ き であ り , 所 得 の な い 専 業 主 婦 に は 負 担 さ せ る べ き で はな く, 専 業 主 婦 か ら 負 担 を 求 め る と 結 局 未 納 , 未 加 入 者 が 発 生 し, 女 性 の 年 金 権 の確 保 が困 難 と な る ので , 現 行 制 度 の ま ま でよ い 。 本 次 の以 下 の 部 分 は 、 紙 幅 の 都 合 に よ り 詳 細 な 教 授 学 習 過 程 を 省 略 し 、 取 り 扱 う ラ イ フ ・ ス テ ー ジ 、 各 ラ イフ ス テ ー ジ で 関 わ っ て く る 社 会 保 障 制 度、 お よ び主 要 な 発 問 を 記 す。 ② 結 婚 し た と き <税 制 度 > ○ 配 偶 者 控 除 ○ 基 礎控 除 ○ 配 偶 者 控除 ○ 配 偶 者 特 別 控 除 ○ 扶養 手 当 ③ 子 ど もを もっ た ら ○ 扶 養 控 除 ○ 児 童手 当 ○ 児 童 扶 養 手当 ④ 子 ど もが 生 ま れ た 後 の ラ イフ ス タイ ル ○ 年 金 制 度 ○ 配 偶 者 控除 ○ 配 偶 者 特 別 控 除 ○ 扶養 手 当 ⑤ 配 偶 者 が 死 亡 し た 場 合 ○ 遺 族 基 礎 年 金 ○ 相 続税 資 料 5・ 6 所 得 税 の 説 明 資 料 7 各種所得控 除制度 資 料 8 基 礎控除の説明資料 資 料 9 配 偶 者 控 除 の 説 明 と対 象 資 料10 配 偶 者 特 別 控 除 の 説明 と対 象 ○ 基 礎 控除 : 所 得 税 額 の計 算 を す る 場 合 に, す べ て の 税 者 が, 無 条 件 に総 所 得 金 額 な どか ら 差 し 引 く こと が でjqj §j§J (38万 円 )o ・ 専 業 主 婦 は所 得 が な い = 納 税 し て い な い ので , 控 除 は 受 け ら れ な いo o 配 偶 者 控 除 ○ 配 偶 者 特 別 控 除 : ・ 内 縁 関 係 ・ 事 実婚 , 同 性 愛 カ ップ ル が 控 除 を 受 け ら れ な い。 ・ 法 的 婚 姻 家 族 の みを 対 象 と し て お り , 他 の家 族 形 態 や シ ン グ ル な どを 対 象と し て い な い 。 ・ 片 働 き 家 族を 優遇 す る 制 度 で あ る。 ・ 配 偶 者 が 仕 事を 控 え て , 家 庭 に入 る こ とを 助 長 す る 事 に つ な が るo・ そ の制 度 は ど の よ う な も のかo ま た な ぜ そ のよ う な 制 度 が 設 け ら れて い る の か。 ・ 制 度 に よ る 保 障 ・ 保 護 の対 象 と な っ て い る の はど うい う人 な の だ ろ う か 。 逆 に, 対 象 にな ら な い の は ど のよ う な 人 か 。 ・ 対 象 に な る 人 と な ら な い 人 は権 利 の面 に お い て 実 際 に ど のよ うな 違 い が あ る の か ? ・ あ な たの 希望 する ラ イ フス タ イル は ,保 障 ・ 保 護 の対 象 と な るか 。 ・ 希 望 す る ラ イ フ ス タ イ ル に お い て , そ の 制 度 はど のよ う な 役 割 を 果 た すと 考 え ら れ る かo ・ そ の制 度 に は, ど ん な 価 値 観 が 内 在 化 し て い る と 言え る の だろ う か 。 資 料U 配 偶 者 控 除 ・ 配 偶 者 特 別 控 除 に 関 わ る 計 算 式 資 料12 扶 養 手 当 給 付 の 対 象 と 手 当 の 金 額 資 料13 扶 養 控 除 の 説 明 と 対 象 資 料14 児 童 手 当 の 説 明 資 料 資 料15 児 童 扶 養 手 当 の 説 明 資 料 資 料16 遺 族 基 礎 年 金 の 説 明 と対 象 資 料17 相 続 税 の 説 明 資 料 資 料18 相 続 税 の 適 用 計 算式 と対 象者 T : 資 料 配 布o P : 資 料を 読 む。 T : 発 問 す る。 P :資 料 から 推 測し 、 答え る。 T : 発 問 す るo P : 自 分 の ラ イフ ス タ イ ル と 照 合 し 発 問 に 答え るo ○ 扶 養手 当 : ・ 同 性愛 カ ップ ル が 控 除 を 受 け ら れな い 。 ・ 基 本 的 に片 働 き家 族を 優 遇 す る 制 度 で あ るo 配 偶 者 が 仕 事 を 控え て, 家 庭 に 入 る こ とを 助 長 する 事 にっ な が る。 ○ 扶 養控 除 二 納 税 者 に 所 得 税 法 上 の扶 養 親 族 が い る 場 合 に は, 一 定 の 金 額 の所 得 控 除 が 受 け ら れ るO ・ 同 性 愛 カ ッ プ ル ( パ ート ナ ーが 養 子 に 入 る手 続 きを と ら な い と控 除 対 象 に な ら な い) ・年 金 制 度 は , 第 3号 被 保 険 者 の 保 険 料 徴 収 が な く, 国民 年 金 の給 付 が あ り , 負 担 の点 で 不 公 平 と い う面 があ るO ・ 配 偶 者 控 除 ・ 配 偶 者 特 別 控 除 は , 片 働 き家 族 を 特 に保 護 す る 制 度 で あ り , 配 偶 者 が 仕 事を 控 え て , 家 庭 に入 る こ とを 助 長 する 事 に つ な が る。 ・ 扶 養 手 当 は , 基 本 的 に片 働 き 家 族 を 保 護 す る 制 度 で あ る。 配 偶 者 が 仕 事 を 控 え て 家 庭 に 入 る こ と を , 助 長 す る事 に つ なが る。 ・ 子 ど もを も っ て 働 こ うと す る 場 合 に, 働 く こ と に制 限 を 加 え る が , そ れ に よ っ て育 児 に 集 中 し や す い 環 境 を 作 り や す いO ・ 育 児 に 集 中 し た い 人 にと っ て は, む し ろ 歓 迎 する よ う な 制 度 で あ るO O 遺 族 基 礎 年 金 : ・ 女 性 が 死 亡 し た 場 合 は, 子 あ る 夫 も し く は , 子 に は支 給 さ れ な い の で、 生 活 を 支 え る 女 性 ( 妻) が , 死 亡 し た場 合を 想 定 し て い な い し 、 男 性 が 働 い て 家 庭 を 支 え る こ と を 前 提 とし て い る 。 ・ 同 性 愛 カ ップ ル の パ ート ナ ー に は 支給 さ れな い 。( 子 に は 支 給 さ れ る ) の で、 多 様な 家 族 形 態 を 認 め てい な い 。 ○ 相 続 税 : ・ 遺 言 状 が な い 場 合 , 婚 姻 関 係 に あ る 配 偶 者 は , 相 続 税 につ い て , 高 額 の控 除を 受 ける こ と が で きる が , 内縁 関 係 の パ ー ト ナ ーは 相 続 す る権 利 が な い 。 ・ 遺 言 状 が な い 場 合 , 婚 姻 関 係 に な い ( 内 縁 関 係 の ) 血 のつ な が り の あ る 子 ど も ( 非 嫡 出 子 ) は 婚 姻 関 係 に あ る 配 偶 者 の子 ど も( 嫡 出子 ) の 2分 の 1 し か 相 続 で きな いO ・ 遺 言 状 が な い 場 合 , 婚 姻 関 係 に あ る 配 偶 者 の 連 れ 子 ( 被 相 続 人 と 血 の つ なが り はな い ) は 相 続 す る 権利 が な いO ・ 婚 姻 関 係 に あ る配 偶 者 ・ 血 の つ な が り の ある 子 ど もO ・ 婚 姻 関 係 に ない ( 内 縁 関 係 の ) パ ート ナ ーO ・ 血 のつ な が り の ない 子 ど も。 ・ 婚 姻 関 係 に あ る 配 偶 者 , 血 のっ な が り の あ る 子 ど もが 優遇 さ れ る 。
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7 こ れ ま で の学 習 を 踏 ま え て , 現 在 の社 会 保 障 制 度 に お い て , 特 に 保 護 さ れ て い る , あ る い は 優 遇 さ れて い る の は , ど のよ う な ラ イ フ ス タ イル の人 た ち かを 考 え て みよ う 。 ・ 現 在 の 日 本 で は, ど の よ う な 人 々 を 対 象 に 社 会 福 祉 ・ 社 会 保障 の 制 度 が 整 備 さ れ て い る の か 。 年 金 制 度, 税 控 除 , 扶 養 ・ 児 童 手 当 ・ 児 童 扶 養 手 当 ・ 相 続 税 な ど の 該 当 す る 条 件 を ま と め た一 覧 表を 見 な が ら 意 見 交 換 し な さいo 8 ライ フ ス タ イ ル の 間 で 保 障 の 格 差 が 生 じ て い る が , こ の こ と は 「 平 等 」 と 考 え る べ き だ ろ うかo 「平 等 」 で な い と 考 え る べ き だ ろ う か。 ・ 次 の 資 料 を 読 み, こ の 事 例 は 平 等 で あ る か 不平 等で あ る か 判 断 し よ う。 / 迭 耻「 \ 資 料18 各 制 度 の 保 護 対 象 を 明 確 に し た 一覧 表 下 の資 料 T :資 料 を 提示 し, 発問 す る 。 P : こ れ ま で の 学 習 を 振り 返 り答 え る。 T :資 料 を 提示 し, 発問 す るo P :資 料 を 読 み, 答 え るo <制 度 に よ っ て 優遇 さ れる 対 象 > ・ 公 的 年 金 制 度 → 第 3号 被 保 険 者 ・ 配 偶 者 控 除 → 年 収103 万 円以 下 の 配 偶 者 ・ 配 偶 者 特 別 控 除 → 年 収141 万 円以 下 の 配 偶 者 ・ 扶 養 手 当 → 年 収130 万 円 以 下 の 配 偶 者, 一 定 収 入 以 下 の 父 母 ・ 祖父 母 , 子・ 孫 , 弟 妹(年 齢 制 限あ り), 重 度 心 身 障 害 者 ・ 扶 養 控 除 → 年 収130 万 円以 下 の配 偶 者 ・ 児 童 手 当 → 就 学 前 の子 ど も ・ 児 童 扶 養手 当 → 寡 婦 家 庭 の 子 も し く は子 ・ 遺 族 基 礎 年 金 → 寡 婦 家 庭 ・ 相 続 税 → 婚 姻 関 係 に あ る 配 偶 者 , 血 の つ な が り の あ る 子 ど も A さん は,Bさ ん と 婚 姻を 結 ば な い 状 態 で C さ んを 出 産 し た 。 そ の 後, A さ ん はD さん と 婚 姻を 結 び, ま た, 離 婚 し ,Eさん と 婚 姻 を 結 ん だ。 そ の 間 , A さん は 5人 の子 ど もを もう け た。 そ の 後, C さん は 3人 の 子 ど もを もう け た が, 昭和38 年 に亡 くな っ た 。 A さ ん とD さ ん の 間 に生 ま れ たF さ ん は ,子 ど もを 3人 も うけ た が , 昭 和62 年 に 亡 く な っ た。 A さん は昭 和63 年 に 亡 く な っ た 。Cさん の 3人 の子 ど もは , 自 分 の 財 産 分与 の 取り 分 か , F さ ん の 3人 の子 ど も の 財 産分 与 の取 り 分 と 比 べ て少 な い こ と を 不 服 と し, 裁 判 所 に 訴 え た。 Cさ ん の 3人 の 子 ど も の主 張 F さ ん の 3人 の子 ど も の 主 張 ○ 結 婚 し て 生 ま れ た子 ど もと 結 婚 し な い で生 ま れ た 子 ど も で, 相 続 額 に ○ 民法 は 基本的 に きち んと 結婚 し たカ ップ ルを 前提 と して 定 めら れてい るo 差 が あ る の はお か し い 。 ○ 上 の 事 項 は, 憲 法24 条 の 両 性 の 合 意 に基 づ く婚 姻 の 尊重 か ら も,正 当 ○ 子 ど もの 取り 分 と そ の親 の 取 り 分 と は 関係 な いo イヒ で き るo (1) こ の 格 差 は, ど の 法 律 に よ っ て 規 定 さ れ て い るか 。 (2) 非 嫡 出 子 と嫡 出子 で 相 続 額 に 格 差 が あ る の は なぜ だ ろ う 。 (3) C さ ん の 3人 の子 ど も の 主 張 とF さ ん の 3人 の 子 ど も の主 張 の中 で正 当 で あ る と 言 え る の はど ち ら だ ろ う か。 上 の資 料 T : 説 明 す る 。 T : 発 問 す るo P: 資 料 を 見 て 答え る 。 T : 発 問 す るo P : 比較 し て答 え る。 ・ 民 法900 条 に あ る 。 ・ 婚 姻 を 結 ん で生 ま れた 子 ど も で は ない か ら。 ・ 結 婚 し て 産 ま れ た子 供 を 制 度 が 擁 護 し てい る か ら 。 ・ C さ ん の主 張が 正 当 で あ る 。 非 嫡 出 子 と嫡 出 子 は 同 じ 子 ど もな の に扱 い が 違 う の は お か し い 。34 ―
(4 ) 裁 判 所 はど の よう に 判断 し た の だろ う か ? ・ 東 京 高 等 裁 判 所 の判 決 は ど の よ う な も の だ っ たかO ・ 最 高 裁 判 所 の 判 決 は ど の よ う な も の だ っ た かO (5 ) な ぜ, 裁 判 所の 判 断 はこ の よ うに 食い 違 っ て い る の だ ろ う か 。 あ な た は 異 な る 判 決 に つ い て ど う 考 え る かo 最 高 裁 の 判 決 要 旨 を 読 み考 え な さ いO 資 料19 平 成 5 年 東 京 高 等 裁 判 所 判 決 要 旨 資 料20 平 成 7年 最 高 裁 判 所 判 決 要 旨 T :資 料 を 提示 す る。 P : 資 料 を 読 み, 答 え るo T : 資 料を 提示 す る。 P : 資 料 を 読 み答 え る。 T : 発 問 す る。 P : 答 え るo ・F さ ん の主 張 が も っと も で あ る。 ( あ え て ) 結 婚 し な か っ た ん だ か ら , 結 婚 し た人 の 子 ど も と 同 じ 扱 いを す る のは お か し いo ・ 東 京 高 等 裁 判 所判 決 で は , C さ ん の主 張 が 支 持 さ れ た。 ○ 法 律婚 主 義 を 理 由 と し て 相 続 分 につ き非 嫡 出 子 を 差 別 す る こ と は, 論 理 的 に で き な い ( 非 嫡 出 子, 嫡 出 子 は本 人 の 選 択 によ る もの で は ない )。 ( 憲 法14 条 法 の下 の平 等 ) ○ 非 嫡 出 子 の 相 続 分 の 取 り 決 め は妻 の 相 続 分 と は 無 関 係 で あ る。 ・ 同 様 の 判 決 は 他 に も, 東 京 高 裁 の93 年 の 判 決 と 東 京 高 裁 の 94年 の判 決 に 見 ら れ る。 ・ 最 高裁 判 所 判 決 で は, F さん の主 張 が 支 持 さ れ た。 ○ 民 法 は 法 律 婚 主 義 を と る か ら 相 続 分 の 差 異 は法 律 婚 主 義 の 論 理的 帰 結 で あ る 。 ○ 適 法 な 婚 姻 に基 づ く家 族 関 係 を 保 護 す る と い う立 法 目 的 そ れ 自 体 は , 憲 法24 条 (両 性 の 合 意 に 基 づ く 婚 姻 ) の 趣 旨 に 照 ら し, 現 今 にお い て 尊重 さ れ るべ き で あ る 。 ・ 現 在 は 同 様 の事 例 に 関 し て は こ の 最 高 裁 判 所 の 判 断 が 基 本 と な っ てい る。 ・ た だ し 、 最 高 裁 判 所 の 裁 判 官 の 中 で も Cさ ん の主 張 を 支 持 し た 裁 判官 はい た。 ( 回 答 例) ・ 制 度 の考 え 方 と人 々 の 考 え 方 が 食 い 違 っ て き て き て い る の で は な い か 。 制 度 の 背 後 にあ る 考 え 方 に縛 ら れ な い 生 き 方 を 選 ぶ 大 が 増 え て きた か ら で は な い か。
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9 現 在 の 社 会 福 祉 , 社 会 保 障 制 度 に 問 題 が あ る と 認 め る か , 認 め な い か 。 ど う し て そ の よ う な 判 断 を 行 っ た の かo ま た 問 題 が あ る と 見 な す 場 合 で も、 制 度 を 変 え る べ き だ と 考 え る の か 、 そ れ と も、 制 度 に合 わ せ て 自 分 の生 き方 を 変 え る の か ? 10 問 題 が あ る と 見 な す 場 合 、 そ れぞ れ, ど の よ う な 制 度 を 制定 す れ ば い い か , 自 分 の 考 え を 具 体 化 し て ま と め 、 発 表 し な さい 。 問 題 は ない と考 え る 場 合 は 、 問 題 が あ る と 考 え る人 々 に対 し て 現 状 維 持 で よい と す る 理 由 の 説 明を ま と め発 表 し な さ い 。 n 制 度 に関 し て さ ら に ク ラ スで 議 論 す る か, ど う か を 決 め な さ い 。 ま た, そ の 決 定 の理 由を ま とめ な さ い 。 T : 現 在 の 制 度 の 問 題 点 を ま と め さ せ る。 P : 自 分 が 問 題 だ と 思 う 制度 に関 し て, 問 題 で あ る と す る 理 由を ま と め る 。 T : 各 自 , 9で ま と め た , 現 制 度 の問 屆 点 を もと に , 自 分 か 考 え る 制 度 を 具 体 化 さ せ る 。 説 明を まと めさ せるo P : 具 体 化 し た案 を 発 表 す る 。 説 明を ま と め 発 表 す る。 T : 発 問 す る。 P : 制 度 内 容 に 関 し て 話 し 合 う か ど う か の決 定 理 由を ま と めるo ( 予 想 さ れ る 回 答) ア 問 題 はな い ( 問 題 と し て 認 めな い , 現 在 の制 度 で よ い )。 なぜ な ら ∼ だ か らで あ る 。 イ 問 題 が あ るo な ぜな ら∼ だ か ら で あ る。 ・ 制 度 に は 問 題 か お るが 、 生 き方 を 変 え る方 が 楽 か も。 ・ 人 々 の多 様 な 生 き 方 に 合 わ せ た制 度 に な る方 が 望 ま し い 。 (予 想 さ れる 回 答 ) ○ 現 在 の , 年 金 制 度 は, 専業 主 婦 ( 夫 ) の 国 民 年 金 (基 礎年 金) 分 を シ ン グ ル の人 な ど が払 わ な い と い け な い ので , そ の 分を 夫 が 払 う制 度 を 制定 す る。 ○ 私 は , 結 婚 しな く て も , 事 実 婚 で あ れば , 配 偶 者 控 除 が 受 け ら れ るよ う に, 制 度 を 変 え ま し た。 ( 予 想 さ れ る 回 答) ○ 話 し 合 っ た ほ う が い い 。 な ぜ な ら, 多 く の人 と 話 し 合 い , 議 論 し た方 が, よ り よ い 制 度 が生 ま れ る と考 え る か らO O 話 し 合 う 必 要 は な い 。 各 自 が 望 ま し い 制 度 を 考 え て い け ば よ いo 変 更 を 望 む 人 た ち が 制 度 の変 更 に 向 け て 主 体 的 に活 勁 す れ ば よ い 。 ○ 資 料 資 料 1 内 閣 府 男 女 共 同 参 画社 会 に 関 す る世 論調 査 結 婚 観 、 家 庭 観 等 に 関 す る 意 識 http://www8.cao.goj p/danjyo/index.htm1、 資 料 2 『 国 民 年 金 の話 平 成12 年 度 版』 社 団 法 人 日 本 国民 年 金協 会 平 成12 年 度 7月 p4 、 資料 3 『 国 民 年 金 の 話平 成12 年 度 版 』 社 団 法人 日本 国 民 年 金 協 会 平 成12 年 度 7月 p8 ∼9 、 資 料 4 『 年 金 白 書 −21 世 紀 の 年 金 を 厂構 築』 す る 』 社 会保 険 研究 所 1999.10 p 213、 資 料 5 『平 成12 年 度版 知 って お き たい 税 情 報 』 国 税 庁 平 成12 年 度 7月 p3 、 資 料 6 伊 田 広 行 『 シン グ ル単 位 の社 会 論 』 世 界 思想 社 1998 年 4月20 日 p72 、 資 料 7 社 会 保障 入 門 編 集 委 員 会 『平 成12 年 度 版 社 会 保 障入 門 』 中央 法規 平 成12 年10 月20 日 p 108、 資 料 8 基 礎控 除 htt p://www.taxanser.nta.goj p/1199.HTM 、 資 料 9 配 偶 者 控 除http:/∠Www.taxanser.nta.goj p/1191.HTM 、 資 料10 パ ート と税 金htt p://www2.iustnet.nejp厂sovokaze/44-2.html 、 資料n 配 偶 者 控 除 と 配 偶者 特 別控 除 に関
す る 計 算 式 、 資 料12 扶 養 手 当 htt : w ww.hokudai.ac.゜ ゜imuk soumubu ‘in°ika fu oteate.html、htt p://www.kVoto-u.ac.i
p/Jinii/huyou/hu-hou.htm 、 資 料13 扶 養 控 除htt p://www.taxanser.nta.go.ip/1180.HTM 、 資 料14 児童 手 当 ・ 児 童 扶 養 手 当 http://www.city.hiratsuka.kanagawa.ip ∠
hoiku/iteate.html 、 資 料15 『 国民 年金 の話 平 成12 年 度 版 』 社 団 法人 日本 国 民 年 金 協 会 平 成12年 度 7月 p30 、 資 料16 『平 成12 年 度 版 知 っ てお き たい 税情 報 』 国 税 庁 平 成12 年 度 7月 p25 、 資 料17 相 続 税 に 関 す る計 算 式 ( 省 略)、 資料18 各 社 会 保障 制 度 ライ フ ス タ イ ル別 一 覧 表 (省 略 )、 資 料19 『 ジュ リ ス ト1079 号(1995 年11 月15日 号 )』有 斐 社p48 ∼49 、 資 料20 『 ジュ リ スト1079 号(1995 年11 月15 日 号)』 有 斐 社p44 ∼47 ○ 参 考 文献 ・ 健 康 保 険 組合 連 合 会編 『 社 会 保 障 年 鑑 2000 年 版 』 東 洋経 済 新 報 社 2000 年 、 社 団 法 人 日 本 国民 年 金 協 会緇 『 国 民 年 金 の話 平 成12 年 度 版 』2000 年、 伊 田 広 行 『 シ ン グ ル単 位 の社 会 論 ジェ ンダ ーフ リ ーな社 会 へ』 世 界思 想 社 1998 年 、 財 団 法 人 社 会 保 険 協 会緇 『 平 成12 年 度 厚 生 年 金 保 険 の 早 わ か り』 2000 年、 国 税 庁 『平 成12年 度 知 って お き た い 税 情 報 』2000 年 、 社 会 保 障 入 門 編 集 委 員 会 編 『 社 会 保 障 入 門 』中 央 法 規 出 版 2000 年 、 大 村 敦 志 『家 族 法』 有 斐 閣 法 律 学叢 書 田 純一 ・ 棚 村政 行 ミネ ル ヴ ァ書 房 研 究 所 編 『 リ ー デ ィ ン グ ス 日本 の社 会 保 障 3 年 金 』 有 斐 閣 1992 年、 佐 藤進 ほ か編 『 別 冊 ジュ リス ト 社 会 保 障 判 例 自 選 』有 斐 閣 2000 年 、 戸 部 恆 盛 ・ 咼 橋 和 之 緇 『 別 冊 ジュ リ ス ト 憲 法 判 例百 選 I 』 有 斐 閣 1994 年、 島 田 と み子 『年 金 入 門 』 岩 波 新 書 1991 年 、 伊 田 広 行 『 シ ン グ ル単 位 の恋 愛 ・ 家 族 論 』 世 界 思 想 社 1998 年、 大 脇 雅 子 ほ か『 働 く女 た ち の 裁 判 』 学 陽 書 房 1996 年 、 阿部 徹 ほ か緇 『 離 婚 の裁 判 例 』 有 斐 閣 1994 年 、 法務 省 民 事 局 参 事 官 室 編 『 婚 姻 制 度 に 関 す る 民 法 改 正 要 綱 試案 及 び試 案 の説 明 』 日 本 加 除 出 版 株 式 会 社 1994 年 、 坂 脇 昭 吉 ・ 中 原 弘 二 編 著 『 現 代 日 本 の 社 会 保障 』 ミ ネ ル ヴ ア書 房 1997 年、 井 上 達 夫 ほ か 編 『 法 の 臨 界 [ Ⅲ] 法実 践 へ の提 言 』 東 京 大 学 出 版 会 1999 年、 今田 高 俊 『 自 己 組 織 性 一社 会 理 論 へ の 復 活 −』 創文 社 1986 年 、 吉 田 民 人 ・ 鈴 木 正 仁 編 著 『 自 己組 織 性 と は な に か 21 世 紀 の学 問 論 に む け て』 ミ ネ ルヴ ア書 房 1995 年 、 竹 田 青 嗣 ・ 橋 爪 大三 郎 『 自 分 を 生 か す思 想 ・ 社 会 を 生 き る思 想 』 径 書 房 1994 年 、 井 上 俊 ほか 編 『 社 会 構想 の社 会 学 』 岩 波書 店 1996 年 、『 ジ ュ リ スト1079 号(1995 年n 月15 日 号 )』 有 斐 社