Title
農村の経済更生計画について
Author(s)
金城, 功
Citation
沖縄史料編集所紀要(6): 25-72
Issue Date
1981-03-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/7177
Rights
沖縄県沖縄史料編集所
農村の経済更生計画 について
農
村
の
経
済
更
生
計
画
に
つ
い
て
は じ め に金
城功
昭 和 の 金 融 恐 慌 ' そ れ に 引 続 い た 不 況 は 農 山 漁 村 に 打 撃 を 与 え た 。 疲 弊 し て い -農 山 漁 村 を 放 置 す る こ と は 健 (-) 康 な 国 民 育 成 の 面 か ら も 問 題 が あ る と し て ' そ の 救 済 が 関 係 者 の 間 で 真 剣 に 考 え ら れ る よ う に な っ た 。 政 府 も 農 山 漁 村 救 済 の た め の 施 策 を お こ な う よ う に な っ た 。 農 山 漁 村 の 人 々 に 仕 事 を 与 え 直 接 的 な 救 済 を め ざ し た 匡 救 土 木 工 事 が 農 山 漁 村 で 発 注 さ れ た 。 不 況 下 の 農 山 漁 村 に お い て 賃 金 支 給 の た め の 匡 救 土 木 事 業 だ け で は ' 疲 弊 し て い る 農 山 漁 村 の 振 興 策 に は な -え な い と し 、 政 府 は 農 山 漁 村 の 根 本 的 な 振 興 策 と し て 、 農 山 漁 民 の 自 力 に よ る 経 済 更 生 計 画 を う ち だ し た 。 沖 縄 県 に 目 を 転 ず る と ' 県 経 済 の 救 済 と 県 の 産 業 振 興 の た め 、 「 沖 縄 県 振 興 十 五 ケ 年 計 画 」 が 県 の 要 請 に よ っ て 1 九 三 三 (昭 和 八 ) 年 か ら 実 施 さ れ た 。 町 村 段 階 で は 、 政 府 や 県 の 音 頭 取 -で 町 村 単 位 の 経 済 更 生 計 画 が 作 成 さ れ 、 町 村 を あ げ て そ の 実 行 に と -か か る よ う に な っ た 。(2 ) 小 論 で は 、経 済 更 生 計 画 に つ い て の 概 略 を 述 べ ' つ い で に 大 宜 味 村 経 済 更 生 計 画 を 検 討 す る こ と に す る 。 な お ' ﹃沖 縄 史 料 編 集 所 紀 要 ﹄ 第 四 号 で 紹 介 し た 「 大 宜 味 村 字 鏡 波 役 員 会 日 誌 」 に あ ら わ れ た 更 生 運 動 に か か わ る も の を 今 山 度 と -あ げ て ' 経 済 更 生 計 画 が 行 政 の 末 端 に 位 置 づ け ら れ た 部 落 で は ど の よ う に 現 出 し た か を 考 察 す る こ と に す る 。 l 農 山 漁 村 の 疲 弊 と 救 済 計 画 1 九 二 七 (昭 和 二 ) 年 の 三 月 に 端 を 発 し た 金 融 恐 慌 は ' 主 と し て 地 方 銀 行 を 破 綻 さ せ 農 村 の 地 主 を 破 産 に 追 い こ (3 ) む こ と に は な っ た が 、 農 村 に は 大 き な 影 響 を 与 な か っ た と い う 。 と は い え ' 恐 慌 後 の 日 本 経 済 の 回 復 は 思 う よ う に は こ ぼ ず ' 景 気 回 復 の 諸 施 策 も 農 山 漁 村 に は そ の 効 果 を 及 ぼ す こ と が な か っ た だ け で な く 一 般 物 価 が 農 産 物 ( 4 ) 価 栴 よ -相 対 的 に 高 -椎 持 さ れ て い た た め 、 農 村 は 徐 々 に 窮 乏 に お い こ ま れ て い っ た 。 じ り 貧 状 態 に 追 い こ ま れ て い -農 家 に 決 定 的 痛 打 を 与 え た の が 、 一 九 三 〇 ( 昭 和 五 ) 年 の 世 界 恐 慌 の 日 本 へ の 波 及 で あ っ た 。 農 産 物 価 格 が 著 し -下 落 し た た め に 農 家 購 入 の 工 業 製 品 価 格 と の 格 差 を 拡 大 さ せ ' 農 家 が 困 窮 に 追 い こ ま れ て い く 状 況 に あ っ た 。 1 九 三 〇 ( 昭 和 五 ) 年 の 農 村 と の か か わ -の あ る 事 項 を 年 表 (岩 波 書 店 ﹃ 近 代 日 本 総 合 年 表 ﹄ ) か ら 拾 い 出 し て み る と 次 の と お -で あ る 。 三 月 八 日 政 府 、 糸 相 場 崩 落 に 対 し 糸 価 安 定 融 資 補 償 法 発 動 を 声 明 -四 月 五 日 補 償 貸 出 開 始 六 日 株 式 ・ 綿 糸 ・ 生 糸 ・ 砂 糖 な ど の 相 場 暴 落 -
26-農村の経済更生計画 について 農産物価格 と-般物価 との関係 (円,1926年-100) 輯西光速 ・加藤俊彦 ・大島清 。大内力 『日本資本主 義の没落』Ⅰ 529ペ ー ジ 八 月 1 九 日 閣 議 ' 農 漁 村 救 済 の た め 七 〇 〇 万 円 の 融 資 を 決 定 八 月 二 五 日 全 国 町 村 長 会 臨 時 総 会 ' 農 村 救 済 宣 言 を 議 決 し 、 政 府 に 陳 情
一
〇 月 -生 糸 価 格 、7
0 0 斤 五 〇 〇 円 台 に 崩 落 ( 1 八 九 六 年 以 来 の 安 値 ) 二 一月 五 日 閣 議 、 失 業 対 策 公 債 三 四 〇 〇 万 円 発 行 を 決 定 ※ 大 蔵 省 預 金 部 ' 農 村 救 済 失 業 救 済 な ど の た め の 地 方 資 金 二 億 二 九 〇 〇 万 円 (昭 和 五 年 度 ) を 融 通 地 方 農 村 の 救 済 が 政 府 に と っ て -ゆ る が せ に で き な い も の で あ っ た こ と が ' 年 表 で み て も わ か る 。 福 沢 泰 江 は (5 ) 「 地 方 農 村 更 生 の 根 本 対 策 」 の 中 で ' 「 地 方 農 村 の 国 債 窮 乏 を 訴 へ た る は 、 昭 和 五 年 の 農 産 物 価 の 大 暴 落 以 来 の こ と で あ り 」 と ' 世 界 恐 慌 の 波 及 に よ る 農 村 の 窮 乏 を 述 べ て い る 。 全 国 的 な 農 産 物 価 格 の 暴 落 は 農 村 を 窮 乏 さ せ た 。 農 村 の 疲 弊 が 進 行 す る 中 で 、 全 国 町 村 会 臨 時 総 会 が 開 か れ 、 農 村 救 済 宣 言 を 決 議 L t 政 府 に 陳 情 せ ざ る を 得 な い と い う 状 況 に な っ て い た 。 農 村 の 不 況 は 、 翌 三 二 昭 和 六 ) 年 東 北 地 方 の 冷 害 凶 作 な どに
よ
っ て ま す ま す 深 刻 化 し て い っ た 。 右 の 表 か ら み て も わ か るよ
う
に
、 一 九 二 六 (昭 和 元 ) 年 の 米 の 価 格 を 10
0
と す る と 、 三 一 (昭 和 六 ) 年 に は 四 九 二 一、 ま ゆ の 場 合 は7
0
0
か ら 三 三 二 一(春 蚕 ) 、 四
〇
。 四 (夏 秋 蚕 ) と 下 落 し て い る こ と が わ か る 。 地 方 農 家 の 購 入 品 -下 落 し た と は い え 、 農 産 物 ほ ど で は な い た め 前 に も の べ た と お -そ の 格 差 に ひ ら き が で て 、 ま す ま す 農 家 の 経 済 が 窮 乏 化 し て い っ た こ と が 理 解 で き る 。 昭 和 六 年 度 に 大 蔵 省 預 金 部 は 、 失 業 救 済 、 農 村 救 済 、 中 。 小 商 工 業 救 済 な ど の た め に ' 地 方 資 金 三 億 四 千 万 円 (6 ) を 融 通 し 、 不 況 の 進 行 に は ど め を か け よ う と し た 。 「 日 本 の 経 済 全 体 と し て は 、 三 二 年 ご ろ か ら 、 満 州 事 変 に と も な う イ ン フ レ ー シ ョ ン の 作 用 も あ っ て ' 景 気 は 上 昇 に む か う の で あ る が 、 農 業 だ け は 当 面 の 時 期 に も 容 易 に 恐 (7 ) 慌 か ら ぬ け で る こ と が で き な か っ た 。 」 と い わ れ て い る 。 そ の こ と は 、 農 村 に お け る 不 況 が 長 期 化 し っ つ あ る こ と を お し え て -れ る 。 7 九 三 二 (昭 和 七 ) 年 の 不 況 へ の 対 応 状 況 を 年 表 か ら ひ ろ い 出 し て か か げ て み る こ と に す る 。 六 月 1 三 日 八 月 二二 日 九 月 三 日 九 月 五 日 九 月 七 日 九 月 二 七 日山
〇 月 五 日 衆 議 院 、 時 局 匡 救 決 議 を 可 決 第 六 三 臨 時 議 会 召 集 ( い わ ゆ る 時 局 匡 救 議 会 ) 昭 和 七 年 度 追 加 予 算 公 布 (農 村 救 済 な ど の 時 局 匡 救 計 画 実 施 ) 内 務 省 ' 国 民 自 力 更 生 運 動 の 開 始 を 命 ず る 金 銭 債 務 臨 時 調 停 法 公 布 (法 律 ) 農 林 省 に 臨 時 経 済 更 生 部 を 設 置 す る 旨 公 布 (勅 令 ) 農 林 省 へ 農 山 漁 村 経 済 更 生 計 画 助 成 規 則 を 公 布 --2
8-政 府 も 矢 継 早 に ' 農 村 の 救 済 、 振 興 に 手 を う っ た こ と が わ か る 。 疲 弊 し た 農 村 の 救 済 対 策 事 業 と し て の 土 木 事 業 は 、 直 接 的 な 救 済 の 面 を も っ て い た が 、 不 況 に あ え ぐ 農 山 漁 村 の 根 本 的 救 済 は 豊 山 漁 民 の 自 力 更 生 ' 計 画 的 な農村の経済更生計画 について 自 力 に よ る 更 生 こ そ 重 要 だ と い う こ と に な っ た ¢ 内 務 省 、 農 林 省 は タ イ ア ッ プ し て 国 民 自 力 更 生 運 動 の 開 始 を 命 じ 、 並 行 し て 農 林 省 内 に 経 済 更 生 部 を 設 置 し 、 地 方 農 山 漁 村 の 経 済 更 生 計 画 に と -く む よ う に な っ た 。 経 済 更 生 計 画 を 推 進 す る に は 、 地 方 町 村 を 動 か さ ぬ ば な ら ず 、 そ の た め に は 内 務 省 の 力 を か -ね ば な ら な か っ (8 ) た と い う 。 内 務 省 は 自 力 更 生 運 動 に 積 極 的 で あ -、 各 県 に 指 示 し て 経 済 更 生 課 を 設 置 せ し め た 。 政 府 の 主 唱 し た 経 済 更 生 計 画 は 、 各 町 村 の 経 済 的 な 自 力 更 生 運 動 で あ -、 町 村 民 の 精 神 作 興 運 動 で あ っ た 。 当 時 、 政 府 で 経 済 更 生 計 画 に か か わ っ た 人 た ち は ' 経 済 更 生 計 画 を 、 町 村 当 局 、 農 会 ' 産 業 組 合 、 学 校 の 四 本 柱 が (9 ) 一 体 と な っ て 総 動 員 し て 更 生 に と -む 精 神 運 動 で あ -、 経 済 運 動 で あ る と 規 定 し て い る 。 (10 ) 沖 縄 県 も 政 府 に 呼 応 し て 、 昭 和 七 年 十 一 月 八 日 諭 告 第 1 号 と し て 、 「 自 力 更 生 二 開 ス ル 件 」 を 発 し 、 同 時 に 沖 姐卿 E 縄 県 訓 令 甲 第 十 六 号 「自 力 更 生 二 開 ス ル 諭 告 ノ 件 」 を 、 県 庁 内 、 市 役 所 、 支 庁 、 町 村 役 場 、 県 立 学 校 、 公 私 立 学 校 、 各 か い に 出 し て 自 力 更 生 の 趣 旨 の 理 解 と 実 践 を 求 め た 。 〓 沖 縄 県 の 振 興 計 画 (12 ) 農 山 漁 村 の 不 況 は 先 に も み た と お り 全 国 的 な も の で あ り 、 沖 縄 県 も 例 外 で は あ -え な か っ た 。 「 ソ テ ツ 地 獄 」 と い う こ と ば に 象 徴 さ れ る よ う に 、 沖 縄 県 経 済 の 疲 弊 は 深 刻 そ の も の で あ っ た 。 沖 縄 県 の 疲 弊 の 状 況 と 県 の 対 策 を 次 に 概 観 す る こ と に す る 。 一 九 二 四 (大 正 十 三 ) 年 に 県 内 の 三 銀 行 ' 沖 縄 産 業 銀 行 ' 沖 縄 商 業 銀 行 ' 沖 縄 銀 行 が 破 綻 し 、 県 内 の 金 融 は 極
(13 ) 度 に 梗 塞 し た 。 た め に ' 産 業 は 萎 贋 沈 滞 、 県 民 は 疲 弊 困 燈 し 、 不 況 は 全 県 下 を お お こ と に な っ た 。 1 九 二 五 年 三 銀 行 が 合 併 し て 沖 縄 興 業 銀 行 が 設 立 さ れ た が う 資 金 の 不 足 か ら 銀 行 と し て 充 分 な 機 能 は な し え な か っ た と い う 。 不 況 回 復 の 目 途 が な -昭 和 へ と な だ れ こ み 、 そ の 農 村 に お け る 実 情 は 湧 上 聾 人 編 集 の ﹃ 沖 縄 救 済 論 集 ﹄ に お き (1 4 ) め ら れ て い る 通 -で あ る 。 7 九 二 七 (昭 和 二 ) 年 九 月 、 県 は 臨 時 県 会 を 開 き 政 府 の 低 利 資 金 か ら 四 百 万 円 を 借 -い れ る 件 を 議 決 し 、 内 務 大 臣 ・ 大 蔵 大 臣 に 四 百 万 円 の 起 債 許 可 を 申 請 し た 。 政 府 は 四 百 万 円 の 申 請 額 を 二 百 五 十 万 円 に 更 正 し 、 年 利 四 分 八 厘 と い う 条 件 で 沖 縄 県 の 申 請 を 許 可 し た 。 二 百 五 十 万 円 の 内 百 五 十 万 円 は 産 業 資 金 、 百 万 円 は 商 業 資 金 と し て 運 用 さ れ る こ と に な っ た 。 資 金 運 用 に あ た -7 九 二 八 年 二 月 に 関 係 規 程 を 制 定 し て p そ の 運 用 方 法 等 を 明 か に し た 。 そ の 結 果 、 商 業 資 金 百 万 円 は 、 1 九 二 五 (大 正 十 四 ) 年 に 設 立 さ れ た 沖 縄 興 業 銀 行 に 無 利 息 で 貸 付 け 、 同 銀 行 の 営 業 資 金 に 充 て ら れ る こ と に な っ た 。 産 業 資 金 百 五 十 万 円 は 県 が 直 接 運 用 に あ た り 、 肥 料 資 金 、 畜 産 資 金 ' 小 産 資 金 、 工 業 資 金 、 養 蚕 資 金 に あ て ら れ 、 昭 和 三 年 度 か ら 貸 付 を は じ め た 。 資 金 の 貸 付 は 、 ′資 金 難 の 業 者 の 窮 状 の 救 済 に あ っ た の で 、 貸 付 は 無 利 息 で お こ な わ れ た 。 そ の 貸 付 に よ っ て 、 7 椴 の 金 融 梗 塞 の 援 和 、 金 利 の 低 下 誘 致 に 7 時 的 な 効 果 を お き め た が 、 運 用 、 貸 出 し に あ た っ て 1 部 の 連 中 の 権 力 拡 張 に 利 用 さ れ 、 補 助 金 的 な も の と み な さ れ 貸 付 金 の 回 収 が う ま -い か な か っ た 。 そ の 上 、 7 九 三
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(
昭 和 五 ) ( 1 5 ) 年 頃 の 農 産 物 価 格 の 暴 落 は 農 民 を 窮 地 に 追 い こ ん だ 。 産 業 資 金 貸 付 は 、 業 者 の 救 済 が 目 的 で あ っ た た め 無 利 息 と い う こ と で あ っ た が p 県 か ら 政 府 へ の 償 還 に は 年 間 - 30-農村の経済更生計画 について 分 入 庫 の 利 息 が つ い た ひ そ の 利 息 を 貧 窮 し て い る 県 の ? 般 会 計 か ら 補 給 す る こ と も で き ず 、 県 は 昭 和 八 年 度 か ら 実 施 に こ ぎ つ け た 沖 縄 県 振 興 計 画 の 中 に 利 息 の 補 給 金 を 組 み い れ よ う と し た が p そ れ も か な え ら れ な か っ た o そ の 上 、 政 府 か ら は 県 へ の 1 時 資 金 の 貸 出 -阻 止 せ ら れ る 状 況 で あ っ た 。 政 府 に 対 し 、 償 還 の 意 志 あ る と と を 認 め て も ら う た め 、 一 九 三 七 (昭 和 十 二 ) 年 か ら は 、 産 業 資 金 の 貸 付 に 四 分 二 厘 の 利 息 を つ け 、 確 実 な る 償 還 計 画 を 、 (16 ) た て て そ の 苦 窮 を の -き る こ と に し た 。 政 府 か ら の 資 金 貸 出 も な ん と か 目 途 が つ け ら れ る よ う に な っ た o 沖 縄 県 の 疲 弊 は 特 に は な は だ し -' 政 府 主 唱 の 自 力 更 生 、 経 済 更 生 計 画 だ け で は ' 到 底 そ の 窮 状 打 開 は 困 難 だ と し 、 当 時 の 井 野 知 事 は 県 経 済 救 済 の 施 策 と し て 沖 縄 県 振 興 十 五 ケ 年 計 画 を 樹 立 し 、 県 経 済 の 振 興 に の り 出 す こ と に な っ た 。 県 と し て は ' 沖 縄 県 振 興 十 五 ケ 年 計 画 に よ っ て 政 府 か ら 金 を 引 き 出 し て 、 諸 施 設 を ほ ど こ し た 。 他 方 、 町 村 単 位 で は ' 町 村 の 経 済 更 生 計 画 が 作 成 さ れ ' 自 力 更 生 の 名 の も と に 経 済 更 生 に と り -む よ う に な っ た 。 両 計 画 は 相 ま っ て 、 県 経 済 の 振 興 、 救 済 の た め に 始 動 す る こ と に な っ た 。 三 沖 縄 に お け る 経 済 更 生 計 画 ( ア )負 債 整 理 内 務 省 は 1 九 三 二 年 九 月 に ' 国 民 自 力 更 生 運 動 の 開 始 を 訓 令 を も っ て 命 じ 、 農 林 省 に は 経 済 更 生 部 が 設 置 さ れ た 。 十 月 に は 、 農 山 漁 村 経 済 更 生 計 画 助 成 規 則 が 公 布 さ れ 、 町 村 の 経 済 更 生 計 画 樹 立 の 推 進 が は か ら れ た 。 政 府 の 農 山 漁 村 経 済 更 生 計 画 の 方 針 に 従 っ て ' 沖 縄 県 が 農 山 漁 村 の 更 生 施 設 に 手 を つ け た の は 1 九 三 二 年 十 日
で あ っ た 。 が 、 県 の と -み の 手 ぬ る さ に つ い て 、 更 生 協 会 幹 事 長 は 「 沖 縄 県 農 村 更 生 協 会 創 立 之 趣 旨 」 ( ﹃ 更 (17 ) 生 之 友 ﹄ 創 刊 号 、 昭 和 十 年 十 月 ) の 中 で 、 「当 時 県 に は 、 商 工 水 産 課 の 片 隅 に 経 済 更 生 係 と い ふ 輪 廓 の 泡 に 不 分 明 な 係 が あ り ま し て 、 二 一 の 兼 任 職 員 が 片 手 間 に 斯 -も 重 要 な る 大 事 業 を 行 っ て 居 た 」 (三 ペ ー ジ ) と の べ て い る 。 兼 任 職 員 で 、 手 な れ な い 業 務 で は あ っ だ ろ う が 、 県 は 政 府 の 方 針 に 従 っ て 町 村 の 経 済 更 生 計 画 を お し す す め た こ と は 、 次 の よ う に 経 済 更 生 計 画 町 村 の 指 定 が な さ れ た こ と に よ っ て 知 る こ と が で き る 。 昭 和 七 年 度 に 経 済 更 生 町 村 に 指 定 さ れ た の は 、 豊 見 城 ・ 南 風 原 ⑩ 越 釆 ◎ 本 部 の 四 ケ 村 で 、 豊 見 城 村 が 県 で は 最 (
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初 の 指 定 村 で あ った
。
以 下 昭 和 十 五 年 度 ま で の 指 定 町 村 の 状 況 は 次 の と お り で あ る O 昭 和 八 年 度 指 定 (十 ケ 町 村 ) 昭 和 九 年 度 指 定 (十 1 ケ 町 村 ) 村 。 今 帰 仁 村 。 平 良 町 昭 和 十 年 度 指 定 (五 ケ 町 村 ) 昭 和 十 1 年 度 指 定 (五 ケ 町 村 ) 昭 和 十 二 年 度 指 定 (五 ケ 町 村 ) 昭 和 十 三 年 度 指 定 (四 ケ 町 村 ) 昭 和 十 四 年 度 指 定 ニ ケ 村 ) 昭 和 十 五 年 度 指 定 (四 ケ 村 ) 兼 城 村 ・ 小 禄 村 ・ 害 屋 武 村 ・ 美 里 村 ・ 勝 連 村 。 伊 平 屋 村 。 東 村 。 大 宜 味 村 ・ 下 地 村 。 石 垣 町 大 里 村 ・ 佐 敷 村 ・ 美 和 志 村 ・ 仲 里 村 ・ 具 志 川 村 (良 ) 。 酉 原 村 。 輿 都 城 村 。 羽 地 相 ・ 恩 納 - 32 -高 嶺 村 ・ 座 間 味 村 ・ 北 谷 村 。 名 護 町 ・ 宜 野 湾 相 国 頭 相 ・ 摩 文 仁 村 ・ 具 志 頭 村 ・ 伊 江 村 。 伊 良 部 村 金 武 村 ・ 読 谷 山 村 ・ 浦 添 村 。 知 念 村 。 城 辺 村 久 志 村 ・ 具 志 川 村 (申 ) ・ 真 壁 村 。 多 良 間 村 東 風 平 村 ( マ マ ) 玉 城 村 。 大 浜 村 ・ 伊 平 屋 村 。 伊 是 名 村 (沖 縄 県 農 会 作 成 の 「 経 済 更 生 事 業 概 要 」 よ -O ﹃ 沖 縄 県 史 料 ﹄ 近 代 -に 所 収 ) 兼 任 職 員 に と っ て p 経 済 更 生 計 画 推 進 の 業 務 量 は 多 す ぎ た と み え て 、 7 九 三 三 (昭 和 八 ) 年 の 八 月 に 農 山 漁 村農村 の経済更生計画 について の 負 債 整 理 の た め に ' ま た 十 月 に は 経 済 更 生 の 業 務 に 専 任 す る 職 員 が そ れ ぞ れ 係 に お か れ た 。 経 済 更 生 計 画 の 目 的 は 、 支 出 を 制 し 収 入 を は か -、 負 債 を 整 理 し 、 食 糧 の 自 給 に つ と め 農 村 の 生 活 を 向 上 さ (19 ) せ ' 不 況 か ら の 脱 出 を は か る に あ っ た 。 経 済 更 生 計 画 の 推 進 上 、 農 山 漁 村 の 負 債 整 理 は 緊 急 を 要 す る こ と で あ っ た 。 政 府 に お い て は 、 1 九 三 三 (昭 和 八 ) 年 三 月 に 「 農 村 負 債 整 理 組 合 法 」 を 公 布 し 、 八 月 7 日 付 で 施 行 し た 。 七 月 に は 勅 令 に よ っ て 、 「 市 町 村 負 債 整 理 委 員 会 」 の 設 置 が で き る よ う に な -、 県 段 階 で の 事 務 整 備 が 緊 急 に 必 要 に な っ た 。 7 九 三 三 年 八 月 に 、 経 済 更 生 係 に 負 債 整 理 に 関 す る 専 任 職 員 が 配 置 さ れ る よ う に な っ た の は 右 の 理 由 に よ る も の で あ っ た 。 法 令 ・ 勅 令 を う け て 、 県 は 7 九 三 三 年 十 二 月 六 日 付 で 負 債 整 理 に 関 す る 告 示 。 県 令 ・ 訓 (2 0 ) 令 を 出 し た の で あ る 。 ? 九 三 四 (昭 和 九 ) 年 三 月 二 十 三 日 付 で 、 宮 古 の 与 那 覇 負 債 整 理 組 合 が 農 村 負 債 整 理 組 合 法 に 基 づ い て 設 立 認 (21 ) 可 さ れ た 。 七 月 以 降 に は 、 佐 敷 村 、 東 村 、 知 念 村 、 下 地 村 ' 東 風 平 村 、 伊 江 村 等 に 負 債 整 理 委 員 会 が 設 置 さ れ ' 農 村 の 負 債 整 理 と か か わ る こ と に な っ た 。 整 理 組 合 員 の 負 債 整 理 が ど の よ う な 方 法 で な さ れ た か を 次 に み る こ と に す る 。 負 債 整 理 組 合 員 が 負 債 整 理 の 希 望 を 組 合 に 申 し 出 る 際 に は 次 の 書 類 を 提 出 せ ね ば な ら な い 。 (22 ) 吊 誓 約 書
伺
所 定 の 用 紙 に ' 負 債 ・ 資 金 の 現 況 ' 過 去 一 ヶ 年 の 収 支 状 況 ' 家 族 の 状 況 、 経 営 業 務 の 概 要 を か き こ ん だ 詞 書 組 合 は 右 の 書 類 を 受 理 し た の ち '何
の 書 類 に 基 づ い て 検 討 を お こ な い 、 被 負 債 整 理 組 合 員 本 人 の 希 望 を も 充 分 (23 ) に 掛 酌 し 、 そ の 組 合 員 7 家 の 経 済 更 生 計 画 を 樹 立し
、 そ れ に 基 づ い て 組 合 員 は 負 債 償 還 に あ た る こ と に な る . 負 債 整 理 を 組 合 に 申 し で て ' 組 合 を し て 負 債 の 償 還 計 画 を た て さ せ る こ と は 、 個 々 の 組 合 員 に と っ て 非 常 に 勇気 を 必 要 と し た の で は な か ろ う か 。 秘 密 は 守 ら れ る と は い え 、 負 債 額 、 資 産 状 況 、 過 去 1 ヶ 年 の 収 支 状 況 を 報 告 し な け れ ば な ら な い と い う こ と は ' 組 合 員 に と っ て 抵 抗 を 覚 え る も の で あ っ た に 違 い な い 。 時 に は 、 組 合 の 計 画 に よ っ て ' 財 産 を 売 却 す る こ と に も な -' そ の 実 行 は 容 易 な こ と で は な か っ た よ う で あ る 。 新 里 弁 太 郎 は 、 「農 村 負 債 整 理 組 合 読 本 H L ( ﹃更 生 の 友 ﹄ 昭 和 十 四 年 八 月 ) の 中 で 、 負 債 整 理 組 合 は 「 隣 保 共 助 の 精 神 を 基 礎 と し て 組 織 せ し め 部 落 の 協 力 7 致 」 が 必 要 だ と 力 説 し 、 併 せ て 負 債 整 理 組 合 が 有 効 に 機 能 し て な い こ と を 次 の よ う に の べ て い る 。 「該 組 合 の 普 及 促 進 と 健 全 な る 運 営 の 助 長 が 遅 々 と し て 進 ま ざ る は 何 に 基 因 す る の で あ ろ う か 。 顧 ふ に 負 債 整 理 組 合 法 は 条 文 の 完 成 よ り も 人 を 中 心 と す る 運 用 の 妙 味 を 狙 ふ も の で あ り 云 々 」 ( 二 五 ペ ー ジ ) と 。 閉 鎖 的 な 村 落 共 同 体 の 中 で 人 間 関 係 も 加 わ -組 合 に よ る 負 債 整 理 が 容 易 で な か っ た こ と が う か が え る の で あ る 。 7 九 三 九 (昭 和 十 四 ) 年 時 点 の 本 県 の 負 債 整 理 組 合 の 状 況 を ﹃ 更 生 の 友 ﹄ (昭 和 十 四 年 八 月 号 ) で み る と ' 組 合 設 立 町 村 数 二 十 三 ケ 町 村 (七 十 五 組 合 ' 組 合 員 数 三 ' 八 五 八 人 ) ' 要 整 理 組 合 員 数 三 、
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五 五 人 、 要 整 理 負 債 敬 二 、 三 (24 ) 1 二 ㌧ 九 六 四 円 ' 資 金 供 給 決 定 額 二〇
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七 四 円 と い う 状 況 で あ っ た 。 そ の こ と に つ い て ' 新 里 弁 太 郎 は 、 「資 金 供 給 決 定 額 二〇
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七 四 円 の 小 額 に 止 り 経 済 更 生 の 片 棒 を か つ い だ 負 債 整 理 事 業 が 斯 -幼 稚 な る 状 態 で は 遺 憾 の 極 み で あ る 。 」 と の べ ' は ぎ し -し て い る 状 況 が う か が え る 。 負 債 整 理 制 度 は '農 山 漁 村 の 疲 弊 に 対 す る 救 済 対 策 と し て 創 始 さ れ 、隣 保 共 助 の 精 神 で 負 債 整 理 に あ た っ た が ' 1 九 三 七 (昭 和 十 二 ) 年 、 日 中 戦 争 の 勃 発 後 は 銃 後 の 固 め を な す 事 業 と し て 把 握 さ れ ' 負 債 整 理 の 事 業 が 進 め ら (25 ) れ る こ と に な っ た 。 負 債 整 理 組 合 だ け で な -、 後 述 す る 経 済 更 生 計 画 の な か で 組 織 さ れ た 諸 々 の こ と が ' 戦 争 勃 発 後 は 戦 争 遂 行 の 手 段 と し て 利 用 さ れ る よ う に な っ た の で あ る 。農村 の経済更生計画 につ いて (〟 ) 経 済 更 生 計 画 の 作 成 7 九 三 四 (昭 和 九 ) 年 七 月 山 日 ' 経 済 更 生 謀 が 設 置 さ れ 、 経 済 更 生 に 関 す る 業 務 は 独 立 し た 該 課 で あ っ か わ れ る こ と に な っ た 。 即 ち へ経 済 更 生 '負 債 整 理 ' 産 業 組 合 ' 副 業 、 産 業 資 金 貸 付 等 の 業 務 を 所 掌 し た の で あ る 。 昭 和 七 年 度 に 四 ケ 村 の 経 済 更 生 村 の 指 定 が な さ れ た こ と は 前 に み た が 、 指 定 が ど の よ う な 手 順 で な さ れ た か は 徴 す る 資 料 が な い の で 今 の と こ ろ 明 ら か に し 得 な い 状 態 に あ る 。 経 済 更 生 町 村 に 指 定 さ れ る と ' 該 町 村 は 各 自 の 町 村 の 計 画 作 成 時 の 現 況 を ふ ま え て 、 経 済 更 生 計 画 を 作 成 し 、 そ れ を 実 行 に 移 す こ と に な る 。 し か し 、 指 定 を う け た 町 村 で も 経 済 更 生 計 画 を 樹 立 す る こ と は 容 易 な こ と で は な か っ た よ う で あ る 。 ﹃ 更 生 之 友 ﹄ 創 刊 号 (昭 和 十 年 十 7 月 ) は 、 そ の こ と に つ い て ふ れ 次 の よ う に 当 時 の 現 状 を 記 述 し て い る 。 県 が 経 済 更 生 計 画 を 樹 立 せ し む る た め に 指 定 し た 町 村 が 既 に 三 十 に 達 し て 居 り ま す 。 処 が 計 画 が 完 成 し た 町 村 は 僅 か 十 四 ケ 町 村 に 過 ぎ な い と い う 現 状 で あ る が ' 指 定 町 村 は 目 下 総 動 員 の も と に 計 画 案 の 樹 立 に 1 大 活 躍 を な し 近 -完 成 を 見 る 運 び に な っ て 居 り ま す 。 (四 九 ペ ー ジ ) 町 村 の 経 済 更 生 計 画 は 、 県 が 示 し た 「 農 山 漁 村 経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 を -と に し て 樹 立 さ れ た 。 そ の こ と は 、 現 存 す る 町 村 経 済 更 生 計 画 の う ち 、 大 宜 味 村 ・ 羽 地 相 ・ 具 志 川 村 (久 米 島 ) の 計 画 を 県 の 示 し た 「 樹 立 様 式 」 と ひ き く ら べ て み る と 、 項 目 の た て か た が ほ と ん ど 同 じ で あ る こ と に よ っ て も わ か る 。 そ れ ぞ れ の 計 画 に は ' 項 目 配 列 の 異 動 や 強 調 項 目 に 差 が あ る 程 度 で あ る 。 そ れ 故 ' 「 経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 の 計 画 樹 立 要 項 と 経 済 更 生 計 画 樹 立 の た め の 参 考 目 次 を み る と 、 昭 和 七 年
度 以 降 指 定 を う け た 町 村 が い か よ う な 計 画 を 樹 立 し た か 推 測 で き る し 、 ま た 政 府 (県 ) が 計 画 樹 立 に あ た っ て 町 村 に ど の よ う な こ と を の ぞ ん で い た か も う か が う こ と が で き る 。 (2 6 ) 「 経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 の 「要 項 」 は 、 指 定 を う け た 町 村 及 部 落 の 実 体 に 基 き 計 画 を 樹 立 し 、 実 施 す る こ と を 指 示 し て い る 。 ま た ' 計 画 樹 立 に 際 し て は 、 収 支 の 均 衡 を 得 る こ と を 墓 標 目 標 と し 、 食 糧 の 自 給 を 旨 と し て 農 業 経 営 の 改 善 合 理 化 を 期 す る こ と が 、 更 生 計 画 に つ な が る の だ と い う こ と に 留 意 し て は し い と の べ て い る 。 他 方 、 常 に 町 村 民 の 民 意 の 発 揚 に 努 め 、 更 生 精 神 の 作 興 を は か る よ う な 計 画 で な け れ ば な ら な い と し て お -、 そ の 上 経 済 更 生 委 員 会 の 委 員 の 熱 意 あ る 努 力 を 期 待 す る 、 と 「要 項 」 は の べ て い る 。 要 す る に 、 経 済 的 に は 可 能 な か ぎ -' 自 給 を 旨 と し 、 精 神 約 ・に は 自 力 更 生 の 精 神 作 興 に つ と め る よ う な 計 画 を 樹 立 す べ き だ と い う こ と で あ る
。
「経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 の 参 考 目 次 を み る と 、 第 一 章 総 説 、 第 二 章 各 説 の 二 章 か ら な -た っ て い る 。 第 一 章 総 説 に お い て は う 計 画 目 標 を か か げ ' 第 二 章 各 説 で 目 標 達 成 の 具 体 的 計 画 を の べ る よ -に な っ て い る 。 第 二 章 で は ' 農 業 生 産 ' 販 売 に 結 び つ -改 良 増 殖 計 画 が た て ら れ る と 共 に ' 農 村 教 育 改 善 計 画 の 精 神 的 な 面 に 憂 さ を お い た 計 画 も た て る べ き だ と 、 県 は 「経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 に お い て そ の 雛 型 を 示 し て い る 。 経 済 更 生 の 指 定 を う け た 町 村 は 、 そ の 示 さ れ た 雛 型 を も と に し て 計 画 を 樹 立 し た こ と は 前 に み た と お り で あ る 。 「 計 画 樹 立 要 項 」 の 趣 旨 を 計 画 に も り こ む た め に 、 場 合 に よ っ て は か な り 背 の ぴ し た 数 字 を は じ き 出 す こ と に な っ た の で は な い か と い う こ と は 、 次 項 の 大 宜 味 村 の 経 済 更 生 計 画 を 検 討 す る 際 に 明 ら か に し た い 。 ---36 -(ラ ) 農 林 省 の 経 済 更 生 特 別 助 成農村 の経済更生計画 について 一 九 ≡ 二 (昭 和 七 ) 年 か ら 農 山 漁 村 経 済 更 生 の 計 画 樹 立 と そ の 実 行 を 推 進 し て き た 農 林 省 は 、 村 民 の 熱 意 と 努 力 に も か か わ ら ず 計 画 を お し す す め る こ と の で き な い 経 済 更 生 指 定 町 村 が あ る こ と を 知 -、 そ の ま ま 放 置 す れ ば 自 力 更 生 を 旨 と す る 経 済 更 生 計 画 が つ ぶ れ て し ま う こ と を 恐 れ た 。 熱 意 と 勢 力 に も か か わ ら ず 資 力 に 乏 し い た め に 、 そ の 計 画 の 遂 行 が で き な い 指 定 町 村 を 国 が 助 成 L t そ の 町 村 の 重 要 計 画 事 項 を 実 行 せ し め よ う と い う こ と に な っ た . か よ う な 趣 旨 の 経 済 更 生 特 別 助 成 が 昭 和 十 一 年 度 か ら ス タ -卜 し た O 当 時 ' 経 済 更 生 特 別 助 成 の 仕 事 に か か わ っ た 人 た ち の 証 言 に よ る と 、 経 済 更 生 計 画 を 推 進 し て い る 町 村 に 、 そ の 計 画 を 推 進 し 得 る だ け の し っ か -し た 熱 意 あ る 人 物 が い る 町 村 に 特 別 助 成 金 を 出 し た と い う こ と で あ る 。 人 物 (27 ) を 対 象 に し て 出 し た 助 成 金 で あ っ た が た め に 、 補 助 率 の な い 、 し か も 補 助 事 業 対 象 の な い 補 助 で あ っ た と い う 。 経 済 更 生 計 画 推 進 の 上 で い か に 人 々 の 精 神 作 興 に 力 点 を お き 、 ま た 人 々 の 熱 意 と 努 力 に 期 待 し て い た か が わ か る 。 い か に す ぼ ら し い 更 生 計 画 を 作 成 し て も 、 そ の 計 画 を 実 行 で き な け れ ば 画 餅 に 等 し い こ と に な る 。 計 画 を 画 餅 に し な い よ う な 熱 意 と 努 力 、 指 導 力 の あ る 人 間 に 大 き な 期 待 を か け て 、 補 助 し た こ と に な る 。 経 済 更 生 特 別 助 成 の 指 定 は 、 経 済 更 生 計 画 実 行 後 一 ヶ 年 以 上 経 過 し た 町 村 申 、 県 知 事 が 推 薦 し た な か か ら 農 林 省 の 調 査 の 上 で 決 め ら れ た 。 伊 江 村 を 例 に と る と ' 一 九 三 六 (昭 和 十 一 ) 年 四 月 、 県 か ら 経 済 更 生 の 指 定 村 と し て 認 め ら れ 、 計 画 が 樹 立 さ れ そ の 実 行 に と -か か っ た 。 そ の 努 力 が み と め ら れ 、 山 九 三 八 年 八 月 農 林 省 に よ っ て 経 済 更 生 特 別 助 成 村 に 指 定 さ れ た 。 政 府 の 補 助 を 得 て 、 伊 江 村 で は 1 九 四
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昭 和 十 五 ) 年 に 砂 糖 を 格 納 す る 倉 庫 を 建 設 し て い 肇 経 済 更 生 特 別 助 成 事 業 は 昭 和 十 六 年 度 で そ の 指 定 を 打 切 -' 昭 和 十 八 年 度 ま で に 助 成 事 業 の 全 部 を 完 了 さ せ る 方 針 を 政 府 は も っ て お -' 特 別 助 成 は 十 八 年 度 で 終 る こ と に な っ た 。昭 和 十 六 年 度 ま で に 、 沖 縄 県 の 特 別 助 成 町 村 と 助 成 金 交 付 状 況 を 県 農 会 作 成 の 資 料 か ら 掲 載 す る と へ 次 の と お -で あ る 。 特 別 助 成 町 村 助 成 金 交 付 状 況 指 定 年 度 町 村 名 助 成 対 象 事 業 ノ 所 要 経 費 昭 和 十 7 年 度 昭 和 十 二 年 度 小 禄 相 乗 村 大 宜 味 相 計 二 四 ㌧ 三 八 七 円 三 五 、 三 二 二 三 〇 、 九 七 四 九
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へ 六 八 三 -I---38-ll 羽 地 相 恩 納 村 兼 城 村 仲 里 村 具 志 川 村 下 地 相 計 三 7 、 7 九 九 三 ! 、 九 〇 〇 三 六 、 七 六 〇 二 八 、 七 〇 〇 二 七 ' 三〇
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三 九 へ 七 七 五 ? 九 五 p 六 三 四農村の経済更生計画 について 宿 宿 昭 宿和 和 和 和 千 十 千 蓋 ‡ ._.∫...一■ ′ヽ 義 四 年 年 年 皮 皮 皮 皮 I 将 兵 計 添 壁村 村 知 多 城 摩 高 越 今 伊 北 宜 実 意 南 良 文 帰 野 見 風 計 念 辺 計 嶺 来 計 江 谷 里 間 仁 仁 湾 城 原 村 村 村 村 村 村 村 村 村 村 村 村 村 ●ー■.一■ -■ -..■..■・.一■
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二 四 七 七 〇三 二 六 三 四 三 五 = 六 一 二四 二 二 二 三 二ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ〇 〇 〇二 L
ヽ lす 一 四 七ヽ ヽ ヽ 〇ヽ ヽ ヽ ヽ二 九 八 四 八 一ヽ ヽ ヽ ヽ ヽ〇三 七 六 一 二二 /一一一▲_」」ヽ -▲ノヽ 九 九 二 八 八一 ●_L▲ 〇五 三 五 八 六 〇 書 六 〇六 七 〇六 〇 五 九 八 二 五 二 七一〇 二 五 八 八 〇〇 〇 五 〇 七 八 七 〇八 九 〇 五 一 四 九 五 〇六 1ぎii 六八 八 一 九 〇二 八一
-ヽヽ ヽ ヽ ヽヽ
ヽ ヽヽ
ヽ ヽ ヽ 〇ヽ
六 六 六ヽ ヽ ヽ〇ヽ六 六ヽ ヽ 七二 五 〇 〇〇
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〇 〇 〇 〇 〇 ( ﹃ 沖 縄 県 史 料 。 近 代 1 ﹄ 「 知 事 事 務 引 継 書 類 」 所 収 )四 大 宜 味 村 の 経 済 更 生 計 画 (30 ) 大 宜 味 村 が 経 済 更 生 計 画 樹 立 村 と し て 、 県 か ら 指 定 さ れ た の が 二 九 三 三 (昭 和 八 ) 年 十 一 月 (昭 和 八 年 度 ) で 、 翌 昭 和 九 年 度 に は 「 大 宜 味 村 経 済 更 生 計 画 」 を 樹 立 し て い る 。 更 生 計 画 の 樹 立 は 、 先 に も の べ た と お -県 か ら 示 さ れ た 「 経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 に 別 し て な さ れ て い る の で ' 「 様 式 」 の 項 目 と 大 宜 味 村 の 更 生 計 画 の 項 目 は ほ と ん ど 同 じ で あ る 。 計 画 に お -こ ま れ た 中 味 は 、 「 経 済 更 生 計 画 樹 立 様 式 」 串 の 樹 立 要 項 の 趣 旨 (注 ⑳ 参 照 W を 充 分 と -い れ た が た め は 、 か な -大 宜 味 村 の 実 体 と 合 わ な い 計 画 を 作 成 レ た ーの で は な か ろ う か と 思 わ れ る 。 ﹃ 大 宜 味 村 史 ﹄ 通 史 (昭 和 五 四 年 三 月 刊 ) で も の べ ら れ て い る と お -、 「 大 宜 味 村 経 済 更 生 計 画 」 は 農 業 生 産 面 で は 、 県 の 示 し た 計 画 樹 立 要 項 .の 「自 給 」 に と ら わ れ て 、 ほ と ん ど の 作 物 を 自 給 す る よ -な か た ち の 無 理 な 計 画 (31 ) を だ て て い る こ と が わ か る 。 次 の 表 の 米 ' 甘 藷 、 豆 類 に つ い て み る と 、 目 標 達 成 年 度 の 昭 和 十 三 年 度 生 産 高 は 、 甘 藷 が 目 標 額 の 九 四 % に 達 っ し た だ け で 、 の こ -は 米 五 八 % 、 豆 親 二 7 % (大 豆 だ け で の 計 算 ) 黒 糖 三 八 % の 達 成 で あ る 。 目 標 と し て 目 論 ん で い た 消 費 の 分 を も 生 産 し 得 な い 状 況 で あ っ た 。 表 に い れ て な い 雑 穀 p 読 菜 魯 製 茶 ¢ 果 物 類 も 計 画 に お い て は 、 す べ て 自 給 す る こ と を 目 標 に し て い る が 、 米 二 忠 類 か ら お し て 目 標 ど お -に は い か な か っ た も の と 推 測 し た い 。 他 町 村 の 計 画 が 、 大 宜 味 村 の そ れ と 同 じ で あ っ た と は い わ な い が 、 計 画 樹 立 の 目 標 が 食 糧 覇 の 自 給 で あ っ た こ (3 2 ) と を 考 え る と 、 食 糧 は 自 給 す る か た ち で 、 計 画 は 樹 立 さ れ た も の と お も え る 。 政 府 。 県 の 示 し た 「 経 済 更 生 計 画 樹 立 要 項 」 を み た す よ う な 計 画 を 樹 立 し な い と 、 経 済 更 生 計 画 が 計 画 と し て - 4
0-農村 の経済更生計画 につ いて 主な作物の生産高計 画 栄 石 節 .得 計 画 石 丁 ① 計画樹立時 と目標 の数字 は 『大宜 味村経済更生計画』 ⑧ 昭和13年度 の数字 は 『沖縄県統計書
』
③ 13年度 欄 の%は 目標 (生産) に対す る もので ある。の 意 味 を も た な か っ た の で は な い か 。 そ の た め 、 冒 棟 は 食 糧 の 自 給 と い う か た ち で の 計 画 が つ -ら れ た -の と 思 う 。 政 府 ・ 県 か ら の 補 助 等 を う け る た め に は 、 政 府 や 県 の 意 に そ う よ う な 計 画 で な け れ ば な ら な か っ た の で は な
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カ 大 宜 味 村 の 経 済 更 生 計 画 申 、 農 業 生 産 物 に つ い て の 計 画 は ' あ ま -に も 自 給 を 中 心 に 考 え た た め か 計 画 自 体 に 失 速 を お こ し た き ら い も あ る が 、 更 生 計 画 が 経 済 的 な 面 と 共 に 精 神 的 な 面 に も 大 き な 期 待 を 寄 せ て い た こ と か ら す る と ' 目 標 を 高 -か か げ て そ れ に 向 け て の 村 民 の 更 生 へ の 精 神 昂 揚 を 考 慮 に い れ て い た の で は な い か と も 思 え る0
大 宜 味 村 で は ' 生 産 面 以 外 に お け る 更 生 運 動 も 盛 ん で あ っ た と い わ れ て い る 。 大 宜 味 村 の 更 生 熱 に つ い て 、 ﹃ 更 生 之 友 ﹄ 創 刊 号 (昭 和 十 年 十 1 月 ) は ' 「 7 も 二 も な -更 生 々 々 で 沖 縄 7 を 目 ざ し て 居 る 大 宜 味 村 -・・ ・。 何 で も 旧 慣 階 習 は 潔 よ -改 廃 す べ L と の 見 解 か ら 生 活 改 善 も 一 斉 に 断 行 し た が ' 此 の 夏 か ら は 従 来 の 盆 唄 が 余 -に も (33 ) 退 嬰 的 だ と い ふ の で 字 根 路 銘 を 中 心 に 新 し い 盆 唄 と 盆 鋼 を 作 っ て 」 ( 三 ペ ー ジ ) 演 じ 、 更 生 運 動 の も -あ が -と 精 神 面 の 作 興 を は か っ て い る 。 農 家 の 収 入 を 増 や し ' 支 出 を 制 す る こ と に よ っ て 、 農 家 の 生 活 改 善 ' 安 定 を 計 る の が 、 経 済 更 生 計 画 の 目 的 で (別 ) も あ っ た の で ' 大 宜 味 村 で も 生 活 改 善 に つ い て は 努 力 を は ら っ た 。 そ の あ ら わ れ が 諸 祝 の 簡 素 化 で あ っ た -' 前 に の べ た 「 更 生 盆 唄 」 で あ っ た 。 大 宜 味 村 に お け る 米 寿 の 祝 の 改 善 状 況 を ﹃ 更 生 之 友 ﹄ 創 刊 号 (昭 和 十 年 十 7 月 ) に み る と 、 次 の と お -で あ る 。 古 来 か ら 長 寿 の 村 と し て 米 寿 祝 が 七 八 組 は 毎 年 あ る 。 大 変 な 事 に は 男 女 八 十 七 歳 と な る と 「 神 ヨ 希 ク バ 速 カ ニ 彼 等 ヲ 昇 天 セ シ メ 給 へ 」 と 祈 る 時 代 が 来 た 。 何 が 斯 う さ せ た か と 愚 ふ と ' 翌 年 米 寿 の 旧 暦 八 月 八 日 が 来 る と ' 之 を あ や か る ぺ く 近 郷 近 在 一一一 42 ----農村の経済更生計画 について か ら お 祝 人 が 千 人 を 越 え 、 お 酒 だ け で も 7 石 以 上 を 乎 げ る 有 様 、 之 で は 家 族 全 体 が 干 乾 に な る と い ふ に あ る 。 成 程 之 で は 村 の 更 生 は 望 ま れ な い L t そ う か と 云 っ て お め で た を 嫌 遠 さ れ た と あ つ て は 長 寿 者 地 獄 、 其 処 で 更 生 計 画 に 依 り 之 が 根 本 的 改 選 を 断 行 し た の が 本 年 ' お 祝 者 は 直 接 縁 者 に 限 -' 盛 肴 は 山 皿 ' 吸 物 1 碗 ' 酒 は ア ヤ カ リ 酒 1 杯 ' 本 家 よ り 茶 碗 酒 1 杯 ' 凱 戚 7 同 よ -茶 碗 酒 7 杯 に 限 -' 祝 儀 は 金 弐 拾 銭 と い ふ 事 に 極 り 、 之 で 御 本 人 も 又 お 祝 の 家 も ホ ッ ト し て 救 は れ た わ け 。 ( 二 九 ペ ー ジ ) 経 済 更 生 運 動 は 、 大 宜 味 村 で み る と 、 生 産 面 で は そ の 目 標 に 今 叫 歩 と い う と こ ろ で あ っ た が 、 冗 費 節 約 、 生 活 改 善 等 の 面 で は か な り の 効 果 を あ げ た も の と 考 え て い る 。 各 部 落 に お け る 運 動 は 、 違 犯 者 へ の 罰 則 適 用 と い う こ と な ど に よ っ て 強 力 に 進 め ら れ た こ と が ' 次 項 で と -あ げ る 大 宜 味 村 鏡 波 の 例 で わ か る 。 生 活 改 善 、 冗 費 節 約 が 、 全 村 民 的 ・ 全 県 民 的 な 立 場 で 運 動 と し て お こ な わ れ た の は 、 経 済 更 生 計 画 推 進 の 1 環 と し て で あ っ た 。 更 生 運 動 促 進 の た め ' 経 済 更 生 計 画 樹 立 村 で は 、 更 生 共 進 会 が 催 さ れ て い た た 。 大 宜 味 村 の 更 生 共 進 会 の 審 査 (35 ) 項 目 を み て も わ か る よ う に 、 経 済 更 生 運 動 は 学 柁 教 育 、 産 業 、 生 活 改 善 、 金 融 、 納 税 と 多 方 面 に わ た -、 総 合 的 な 更 生 運 動 で あ っ た の で あ る 。 経 済 更 生 計 画 指 定 町 村 に は 経 済 更 生 委 員 会 が 設 置 さ れ て お -、 そ の 委 員 会 は 経 済 更 生 の 調 査 立 案 ' そ の 実 行 の (36 ) 指 導 督 励 に あ た っ た 。 そ の た め ' 毎 月 の 常 会 が 組 織 さ れ ' 町 村 の 経 済 更 生 に つ い て の 話 し 合 い が も た れ た よ う で あ る 。 大 宜 味 村 の 昭 和 十 五 年 十 二 月 四 日 の 村 常 会 で は 酒 販 売 ' 正 月 豚 の こ と に つ い て 次 の よ う な こ と を と り き め て い る 。 S 酒 問 題 ハ 販 売 日 ハ 二 戸 二 合 ヅ ツ 他 ハ 適 宜 部 落 デ ヰ メ ル コ ト
㈹ 正 月 豚 問 題 屠 殺 数 限 ナ シ 但 シ 村 外 送 出 ハ 禁 ズ ル コ ト (金 城 鍛 助 ﹃ 日 記 ﹄ よ -) 五 大 宜 味 村 綾 波 部 落 「 代 議 員 会 議 録 」 に み る 鏡 波 部 落 の 経 済 更 生 の 状 況 ( ア ) 消 費 節 約 ・ 生 活 改 善 現 存 す る 鏡 波 部 落 の 「 代 議 員 会 議 録 」 に ' 生 活 改 善 ・ 消 費 節 約 に 顛 す る 記 録 が で て -る の は 、 一 九 二 八 (昭 和 三 ) 年 か ら で あ る 。 昭 和 三 年 1 月 二 十 日 (旧 十 二 月 二 十 八 日 ) の 記 録 に は 、 ① 正 月 の 祝 は 二 月 三 日 に す る 。 ① 正 月 七 日 の 俗 称 「 ニ ン ト ー 」 は 親 兄 弟 ま で は す る こ と 、 他 は 全 廃 。 ⑧ 旧 正 月 子 供 等 金 銭 寄 与 は 全 廃 と で て い る 。 経 済 更 生 計 画 実 行 と は 関 係 な ノ\ 大 正 末 か ら の 経 済 不 況 の 中 で 消 費 節 約 等 の こ と が 部 落 内 で 話 し 合 わ れ て い た こ と が わ か る 。 消 欝 節 約 は 、 生 活 が 深 く 結 び つ い て い る 隣 部 落 と の 間 で も 互 に 守 る 必 要 が あ る と い う こ と や 、 正 月 祝 い の 祝 儀 に つ い て ' 宇 内 の 酒 代 五 銭 、 他 字 へ は 十 銭 と き め p 祝 い 酒 も 茶 碗 1 杯 盃 1 杯 と 制 限 し て (37 ) い る 。 昭 和 の 初 期 は 、 全 国 的 に は 金 融 恐 慌 に み ま わ れ 、 人 々 の 生 活 が -る し -な -つ つ あ っ た 時 期 で あ っ た 。 特 に 沖 縄 の 不 況 は は な は だ し い も の で あ っ た 。 地 方 の 1 寒 村 で あ る 鏡 波 部 落 で も 、 不 況 の 影 響 を う げ 、 生 活 す る 上 で い か に 消 費 を 節 約 す る か が 話 し 合 わ れ て い た こ と を 「 代 議 員 会 議 録 」 は お し え て -れ る 。 (38 ) 昭 和 五 年 一 月 二 十 二 日 (旧 十 二 月 二 十 三 日 ) の 記 録 に は 、 正 月 の 消 費 節 約 に つ い て 十 二 項 目 の こ と が か か げ ら れ - 44----
-農村の経済更生計画 について て い る O が p 昭 和 三 年 の 消 費 節 約 と 同 じ く 、 正 月 行 事 に 限 っ て の も の で あ っ た O 何 か 行 事 が あ る 時 に 、 祝 儀 の 額 と か ' 愚 物 を す る 範 囲 と か ' 招 待 す る 客 の 制 限 と か ' 酒 肴 の 数 量 等 に つ い て と -き め て い た よ う で あ る 。 一 九 三 三 (昭 和 八 ) 年 、 大 宜 味 村 は 経 済 更 生 計 画 村 と し て 指 定 さ れ ' 翌 三 四 年 に は 計 画 が 樹 立 さ れ た 。 経 済 更 生 計 画 は ' 先 に も み た と お -一 つ に は 消 費 の 節 約 に あ っ た の で 、 計 画 実 行 の 段 階 で 当 然 の こ と と し て 部 落 に お け る 消 費 節 約 が 問 題 に な っ た 。 あ る 行 事 に 限 っ た も の で な -、 年 間 の 生 活 を 通 し て の 節 約 を い か に す る か が 問 題 で あ っ た 。 鏡 波 「 代 議 員 会 議 録 」 の 一 九 三 五 (昭 和 十 ) 年 二 一月 7 九 日 の 記 録 に 、 「 経 済 更 生 計 画 案 二 依 -部 落 内 ノ 消 費 節 約 左 ノ 通 り 実 行 ス ル 様 決 定 セ -」 と あ り 、 消 費 節 約 が 更 生 計 画 に も と づ い た も の だ と 明 記 さ れ て い る 。 消 費 節 約 の 実 行 が 、 鱒 波 部 落 だ け で な -村 内 の 各 部 落 で も な さ れ て い た こ と の 証 で も あ る 。 ど の よ う な 消 暫 節 約 を な し た か ' 1 二 月 一 九 日 の 記 録 に は の こ さ れ て な い が 、 一 九 三 八 (昭 和 十 三 ) 年 7
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月 二 一 日 の 記 録 に 、 「消 費 節 約 (39 ) す べ き 事 項 」 と し て 十 四 項 目 が 記 載 さ れ て い る の で 、昭 和 十 年 の 消 費 節 約 事 項 -ほ ぼ 同 じ で は な か か っ た と 思 う 。 部 落 内 の 正 月 の 祝 儀 に は ' 現 金 の か わ り に 切 符 が 周 い ら れ る よ う に も な る 。 五 銭 十 銭 と 祝 儀 の 金 額 を き め て も 守 ら れ な か っ た の か ' あ る い は 守 り に -い 場 合 等 も あ っ て ' 切 符 採 用 と い う こ と で ' 消 費 節 約 の 実 を あ げ よ う と し 汀 こ と が わ か る 。 節 約 に か か わ る こ と は 、 慶 弔 時 の 行 事 だ け で な -、 商 品 の 売 買 に つ い て も 部 落 で と -き め て い る 。 即 ち 、 商 品 を 買 う 際 に 部 落 で き め た 以 上 の 金 額 で 購 入 し て は 困 る と し て い る 。 昭 和 十 年 五 月 十 1 日 の 記 録 に 次 の こ と が 記 さ れ て い る 。 魚 ハ 従 来 本 字 ハ 他 字 ヨ リ 高 価 デ 買 取 ッ テ 居 ル ノ デ 経 済 二 影 響 ヲ 及 ボ ス ノ デ 左 記 ノ 通 り 価 格 ヲ 定 メ 其 レ ニ 違 犯 シ タ ル モ ノ ハ 札 ヲ 渡 ス コ ト記 大 魚 7 斤 二 付 十 二 銭 小 魚 7 斤 二 付 六 銭 (主 こ ピ キ ) 字 鋲 波 で き め ら れ た 他 字 か ら の 魚 の 購 入 と い う 場 合 、 他 字 と は 明 ら か に 漁 業 を い と な ん で い る 字 大 栄 久 の こ と で あ ろ う が 、 大 兼 久 ・ 大 宜 味 ・ 鏡 波 は 三 ケ 字 と し て 、 生 産 面 や 個 々 人 で の 結 び つ き か つ よ か っ た の で 、 鏡 波 字 会 で き め ら れ た こ と が 守 ら れ た か あ や し い も の で あ る 。 た だ 、 部 落 と し て の 経 済 更 生 を 考 え て い -場 合 ' こ の よ う ( 4 0 ) に 商 品 の 価 格 に つ い て も 目 を ひ か ら せ て お か ね ば な ら な か っ た の か も 知 れ な い 。 部 落 の 生 活 改 善 の ? つ と し て ' 衛 生 組 合 設 立 を 一 九 三 六 (昭 和 十 〓 年 1
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月 二 心日 に き め た こ と を 、 「代 議 員 会 議 録 」 は か き し る し て い る 。 部 落 で は ' 1 九 三 四 年 の な か は 頃 か ら 、 豚 舎 改 善 を 部 落 の 代 議 員 を 中 心 に し て 進 め ら れ て い た が ' 部 落 民 全 体 へ の 衛 生 思 想 の 普 及 実 践 と い う 目 的 の も と に 、 経 済 更 生 計 画 の 1 環 と し て 衛 生 組 合 が 設 立 さ れ た 。 衛 生 設 備 に つ い て は ' 部 落 更 生 競 進 会 の 審 査 対 象 に も な っ て い た の で あ る 。 ∼ 4 6-(イ ) 生 産 面 の 状 況 県 は ' 一 九 二 七 (昭 和 二 ) 年 政 府 か ら 低 利 の 資 金 を か -い れ 、 百 五 十 万 円 が 産 業 資 金 と し て 県 で 直 積 運 用 さ れ る こ と に な っ た 。 そ の 資 金 を 利 用 し て の 産 業 施 設 が 町 村 に お い て も 設 置 さ れ る よ う に な っ た 二 九 二 九 (昭 和 四 ) 年 の 村 営 製 茶 工 場 の 鏡 波 へ の 設 置 、 一 九 三 二 (昭 和 七 ) 年 の 字 鏡 波 共 同 養 蚕 室 の 建 設 な ど は 産 業 資 金 の 活 用 に よ っ て な さ れ た も の と 思 う 。 人 々 が 真 剣 に 部 落 、 村 の 産 業 振 興 の た め に と -ん で い た こ と を う か が わ せ る 施 設 の 建 設 で あ っ た 。農村 の経済更生計画 について 一 九 三 三 へ昭 和 八 ) 年 二 月 に i 大 宜 味 相 は 経 済 更 生 計 画 村 に 指 定 さ れ て い る が 、 そ れ よ -前 の 八 月 二
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日 の 「 代 議 員 会 議 録 」 に ' 農 業 更 生 実 行 員 玉 名 の 選 定 が 代 議 員 会 で お こ な わ れ た と 、 記 る さ れ て い る 。 大 宜 味 村 の 経 済 更 生 計 画 指 定 と ' 鱒 波 部 落 の 農 業 更 生 実 行 員 の 選 定 が ど の よ う に か か わ っ て い た の か 証 す る 記 録 は 残 さ れ て な い が ' 無 関 係 で は な か っ た の で は な か ろ う か 。 沖 縄 県 の 経 済 更 生 は 、 経 済 更 生 計 画 の 実 行 だ け で は な -、 沖 縄 県 振 興 十 五 ケ 年 計 画 ' 副 業 奨 励 等 が か ら み あ っ て お し 進 め ら れ た の で あ る 。 1 九 三 五 (昭 和 十 ) 年 に ' 字 鏡 波 に も う け ら れ た 簡 易 水 道 は 振 興 十 五 ケ 年 計 画 の 中 で 進 め ら れ た 事 業 で あ り ' 同 じ 年 に 三 井 報 恩 会 か ら の 補 助 を 得 て 健 設 さ れ た 鏡 波 副 業 工 場 は 、 副 業 奨 励 規 程 や 軽 輩 更 生 計 画 の な か で 実 施 さ れ た も の で あ っ た 。 副 業 工 場 の 運 営 に つ い て は ' 県 か ら 字 経 営 で は な -産 業 組 合 を 組 織 し て 組 合 で 工 場 経 営 す る よ う に と の 注 意 が あ っ た と い う こ と で 二 九 三 五 (昭 和 十 ) 年 五 月 二 日 の 字 代 議 員 会 で 工 場 を 産 業 組 合 に 譲 る こ と を 決 め て い る 。 産 業 組 合 創 設 の 必 要 に 迫 ま ら れ た 鏡 波 の 代 議 員 会 は ' 設 立 委 員 二 十 五 名 の 人 選 を 区 長 に 1 任 し て い る 。 経 済 更 生 計 画 の 中 で ' 指 導 及 実 行 機 関 と し て の 各 種 組 合 の 設 立 強 化 を 打 ち 出 し て お -、 組 合 の 強 化 に よ っ て 経 済 更 生 の 実 を あ げ よ う と い う 考 え を ' 政 府 や 県 は も っ て い た よ う で あ る 。 鏡 波 副 業 工 場 の 経 常 を 組 合 に さ せ る よ う に と い う 指 導 も そ の あ ら わ れ で あ る と 思 っ て い る 。 経 営 の た め の 組 合 が 結 成 さ れ た と し て も ' 鏡 波 の 全 戸 が 組 合 に 加 入 さ せ ら れ た で あ ろ う か ら 、 実 質 的 に は 字 経 営 と か わ ら な か っ た の で は な い か 。 副 業 工 場 た る 木 工 場 の 経 営 に つ い て の 記 録 に は 組 合 の こ と は で ず に ' 字 経 営 と い う よ う に 規 程 さ れ て お -、 仮 り に 組 合 が で き た と し て も ' 部 落 の 人 々 は 部 落 の 工 場 と み な し て い た の で は な い か 。昭 和 十 三 年 7 月 五日 の 「代 議 員 会 議 録 」 に 、 木 工 場 字 経営 デ ハ 経営難 二 付 キ 個 人 二 鱒 波ノ名 義 デ 貸 付 ノ コ ト 且 、 今 儀 ノ 経営層 山 切借 受 ル 事業 者 が 負 魔 ス ル コ ト 2 、 字 ノ 不 自 由 シ ナ キ 様 二 時 事 々々 ニ ロ 用 ノ 精 米 製 粉 ハ 必 ズ ス ル コ ド 3 P 貸 付 年 期 ハ 五 ヶ 年 ト シ 満 一 ヶ 年 ハ 無費 ト シ テ 7 ケ 年後 ハ 其 ノ 時 ノ 協 議 二 依 り 相 当 ノ 貸費 ヲ 徴 収 ス ル コ ト とあ り 、字 (組 合 ) 経 営 によ る 工 場 経 営 が お も わ し -なか っ た こ と を 伝 え て い る 。 木 工 場 の 欠損 額 を う め あ わ せ 5紺 内 る た め に 、 部 落 有林 の 立 木 を 売 っ て お -、 産 業 振 興 の た め に 設 立 さ れ た 副 業 工 場 の 経 営 が 部 落 の 負担 の 中 で 推 持 さ れ て い た こ と が わ か る 。 (42 ) 鏡 波 「 代 議 員会議 録 」 の 1 九 三 六 講 和 十 二 年 九 月 九 日 の 記 録 に は 、 農 事 改 良 組合実行項 目 に 関 す る 件 、 農 業 先 進地 域 の 視 察 に 関 す る 件' 組 合 の 作物 試 作 地 の 件 が で て お -、 部 落 とし て 又 は 改 良組 合 とし て 、 部 落青 年 団 に 寄 せる 期 待 の 大 き か っ た こ と を示 し て い る 。経 済 更 生 計 画 の 中 で 、 男 女 青 年団 の 活動 が 大 き く と り あ げ ら れ て お り 、 部 落 更 生 競 進会 の 審 査 対 象 に も な っ て いて 各 部 落 と も 青年 団 の 活動 は 活 発 で あ っ た と 推 量 さ れ る 。 部 落 の 人 々の 年 頭 に 必 要 な 物 資 を 璽 冗 す る 店 が 鏡波 に も あ っ た 。 組 合 店 で あ っ たが p 7 九 三五 年 九 月 四日 の 代 (43 ) 議 員会 で 、 字 山 円 の 共 同 店 に し 字経 営 に す る こ と を き め 、 組 合 か ら 五 三 三 円 山 八 銭 で 員 い と っ て い る . 部 落 の 人 々の 生 活 と 深 -かか わ っ て い た 店 で あ っ たた め p字 の 責任 で 経 営 す る こ と によ っ て 人 々の 要 求 を み たL t 部 落 の 店 で あ る と い う 意 識 を た か め ' ひ い て は 経 済 更 生 の 1 目 標 で あ る 消費 節約 を も 実 現 しよ う と い う 意 図 が あ っ た の で は なかろ う か 8 7 九 三 五 年 に 字 一 円 の 共同店 に な っ た 店 も 二 九 三 八 (昭 和 十 三 ) 年 回 策遂 行 上 p 塵 波 部 落 も 大 宜 味 産 業 組 合 - 4
8-農村の経済更生計画 について に 加 入 す る よ う に と の 県 か ら の 通 牒 が あ 、-、 共 同 店 を 解 散 し 大 宜 味 産 業 組 合 に 加 入 す る こ と に な り 、 共 同 店 は 大 (4 4 ) 宜 味 産 業 組 合 の 組 合 店 と し て 引 継 が れ る こ と に な っ た 。 経 済 更 生 計 画 も ' 1 九 三 七 年 日 中 戦 争 の 勃 発 に よ っ て 銃 後 の 守 -と し て の 色 彩 が 濃 -な り 、 行 政 の 末 端 に あ る 部 落 の 更 生 計 画 も 「時 局 二 鑑 -」 と い う こ と で 戦 争 遂 行 の 手 段 と し て 位 置 づ け ら れ る よ う に な っ た 。 貯 金 の 奨 励 (4 5 ) -、 戦 争 勃 発 以 降 は 「愛 国 貯 金 」 と し て 、 各 戸 に 割 -あ て ら れ た 。 そ れ が ま た 更 生 競 進 会 の 審 査 の 対 象 に な っ た の で あ る D 「 愛 国 貯 金 」 は 、 政 府 か ら 県 へ 、 県 か ら 市 町 村 へ 、 市 町 村 か ら 各 部 落 へ と 劃 -あ て ら れ た 。 鏡 波 は 、 昭 和 十 三 年 十 月 の 段 階 で 、 1 戸 平 均 1 三 円 四 三 銭 全 体 と し て 二 7 九 六 円 の 割 -当 額 で あ っ た 。 部 落 で は 劃 -当 金 額 の 貯 金 を 達 成 す る た め 、 農 産 物 売 上 額 に 対 し ' 或 は 出 稼 者 か ら の 送 金 額 に 応 じ て 何 % か の 貯 金 を さ せ た し 、 ま た よ -利 用 さ れ て い た 横 合 の 数 を へ ら す こ と に よ っ て 貯 金 を 奨 励 し た の で あ る 。 (ラ ) 更 生 簿 の 記入 奨 励 農 家 の 経 済 更 生 は 、 農 民 が 各 自 の 農 業 経 営 状 況 ' 家 計 を 具 体 的 に 知 -' そ の こ と に よ っ て 各 白 の 農 業 経 営 を 改 善 し て い -な か で 実 現 さ れ る と ' 関 係 者 は 主 張 し ' そ の た め に は 農 業 蒋 記 を つ け る べ き だ と い う こ と が 強 -い わ れ た 。 そ の 簿 記 の 記 帳 奨 励 に と -く ん だ の が ' 農 村 更 生 協 会 で あ っ た 。 沖 縄 県 農 村 更 生 協 会 は ' 7 九 三 五 (昭 和 十 ) 年 七 月 1
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日 に 県 主 催 の 経 済 更 生 計 画 指 定 町 村 の 集 会 が -た れ た と き に 、 指 定 町 村 の 賛 同 を 得 て 設 立 さ れ た 。 更 生 協 会 は 経 済 更 生 計 画 指 定 町 村 の 横 の 連 絡 機 関 ' 経 済 更 生 の 強 力 な 推 進 機 関 と し て 機 能 す る こ と に な る 。 沖 縄 1 の 篤 農 家 と い わ れ た 羽 地 相 の 宮 城 東 平 が 昭 和 五 年 度 に お い て 農 業 所 得 二 八 五 円 で あ っ た の が 、 昭 和 九 年度 に は 七 一 六 円 と 所 得 を ふ や し て お り ' そ れ は 昭 和 五 年 度 か ら 農 業 経 営 改 善 調 査 農 家 に 指 定 さ れ 、 完 全 な る 樽 記 (4 6 ) の 記 入 を お こ な う こ と に よ っ て 、 経 営 の 内 容 が 判 然 と し 改 善 を 加 え た か ら だ と 、 ﹃ 更 生 之 友 ﹄ は の べ て い る 。 更 生 協 会 に と っ て 、 農 民 に 農 業 蒋 記 を 記 帳 さ せ る こ と が 一 つ の 課 題 で あ っ た o た め に 、 更 生 協 会 は 、 簡 便 な 「 更 生 縛 」 を 作 成 し 、 そ れ の 記 帳 を す す め た 。 冒 頭 部 で は 、 7 九 三 五 (昭 和 十 ) 年 二 一月 三 日 に ' 国 頭 郡 更 生 町 村 連 合 更 生 樽 普 及 協 議 会 を 開 催 し 、 山 九 三 六 (昭 和 十 こ 年 早 々 に 簿 記 の 記 帳 生 活 を さ せ る よ う に し た と い う 。 県 農 会 技 師 。 更 生 協 会 幹 事 の 神 谷 清 次 郎 は ' 更 生 簿 記 帳 指 導 の た め 1 九 三 五 年 二 一月 一 五 日 か ら 翌 年 一 a. (47 ) 二
日
ま で 指 定 町 村 で 蒋 記 記 帳 講 習 会 を 開 い て い ろ 。 大 宜 味 村 に お い て は 、 1 九 三 五 年 二 一月 〓 ハ 日 に 塩 屋 。 津 波 両 学 区 域 を 対 象 に 塩 屋 校 で ' 翌 一 七 日 に は 、 i< (48 ) 宜 味 校 区 及 害 如 素 校 区 を 対 象 に そ れ ぞ れ 講 習 会 が 開 か れ ' 更 生 簿 の 記 入 に つ い て 神 谷 か ら 指 導 を う け て い る 。 大 宜 味 村 に お け る 講 習 会 で 感 じ た こ と を ' 講 師 で あ っ た 神 谷 清 次 郎 は 次 の よ う に の べ て い る 。 講 習 会 は -塩 屋 ' 善 如 嘉 ' 大 宜 味 各 小 学 校 の 二 教 室 宛 を 借 り て 開 催 し た の で あ っ た が 、 時 間 も 正 確 で 集 り も 良 -男 女 共 非 常 な る 熱 心 で あ る 。 村 当 局 は 此 の 更 生 樽 の 成 績 を 共 進 会 の 成 績 に 採 点 L t 部 落 と 競 争 せ し む る と の 事 で あ る 。 ( 一 二 月 7 三 日 ' 大 宜 味 村 で は 更 生 部 落 共 進 会 が 開 催 さ れ た 注 ) 如 何 に 村 当 局 が 村 の 更 生 の 為 ' 必 死 の 活 動 で あ る か が 察 せ ら れ る 。 之 は 当 局 が 更 生 の 実 績 は 各 戸 の 得 記 に 依 り 明 か に せ ら る ゝ と 云 ふ 事 を 深 -認 知 せ ら れ て 居 る 査 証 と し て 深 -敬 意 を 表 す る 次 第 で あ る 。 土 地 に 恵 ま れ な い 大 宜 味 村 が 農 村 ユ ー ト ビ ヤ ー と し て 輝 -日 も 遠 -あ る ま い と 思 う 。 ( ﹃ 更 生 之 友 ﹄ 二 号 二 三 ペ ー ジ ) 国 頭 郡 更 生 町 村 連 合 更 生 簿 普 及 協 議 会 で は ' 7 九 三 六 年 早 々 に 簿 記 の 記 帳 生 活 を さ せ る よ う に し て お り ' ま た 大 宜 味 村 で も 更 生 薄 記 帳 の 講 習 会 を 開 催 し ' 村 当 局 と し て は 簿 記 の 記 帳 を 部 落 更 生 共 進 会 の 審 査 に 加 え る と し て - 50-農村 の経済更生計画 につ いて い る が 二 九 1三 ハ (昭 和 十 7 ) 年 早 々 に 簿 記 の 記 帳 普 及 に と -ん だ か ど う か 疑 問 で あ る 。 と い う の は 、 鏡 波 「代 議 員 会 議 録 」 に 簿 記 の こ と が で て く る の は 、 一 九 三 七 (昭 和 十 二 ) 年 に な っ て か ら で あ る 。 大 宜 味 村 で は 「 更 生 簿 」 の 購 入 と そ の 記 帳 を 奨 励 し た で あ ろ う が 、 そ の 普 及 は 容 易 で な か っ た よ う で あ る 。 た め に 1 九 三 七 年 に な る と ' 半 ば 強 制 的 に 記 帳 を 部 落 に 割 -あ て た も の と 思 う 。 「 代 議 員 会 議 録 」 の ' 一 九 三 七 年 二 月 三 日 の 記 録 に 、 r 東 生 得 二 関 ス ル 件 」 と い う 標 壇 で 次 の よ う な こ と が 記 さ れ て い る 。 更 生 簿 記 入 ハ 経 済 更 生 ノ 重 要 ナ ル 点 二 置 カ レ 本 字 二 三 十 五 部 割 当 ラ レ シ ニ 其 代 ハ 字 ヨ -支 出 シ 代 議 員 青 年 団 へ 配 付 シ 記 入 セ シ メ ル コ ト ニ 決 定 セ リ 「 更 生 簿 」 三 五 部 の 割 -当 の あ っ た 鏡 波 で は 、 代 議 員 と 青 年 団 に 記 帳 さ せ る こ と に な っ た 。 年 間 を 通 し て 記 帳 す る こ と は ' 並 大 抵 の こ と で は な か っ た 。 部 落 民 誰 に も と い う 訳 に も い か ず 代 金 は 字 負 担 と い う こ と で 、 一 部 の 者 に 半 ば 強 制 さ れ た か た ち で の 記 帳 と な っ た よ う に 思 う 。 「 更 生 蒋 」 の 記 帳 の こ と が 二 月 三 日 に 記 録 さ れ て い る の は 妙 だ と 思 っ た 。 「 更 生 簿 」 で あ れ ば 、 暦 年 で 記 録 す る よ う に な っ て い る 筈 だ の に と 思 っ た か ら で あ る 。 し か し 、 旧 暦 に よ る 記 帳 と な れ ば 二 月 三 日 は 旧 の 1 二 月 二 二 日 に あ た -p 不 思 議 で も な ん で も な -な る 。 「更 生 樽 」 の 原 物 を み た こ と が な い の で 断 定 は で き な い が 、 「 更 生 縛 」 の 記 帳 は 旧 暦 で -ぎ っ て な さ れ て い た の で は な い か と 思 っ て い る 。 鏡 波 「 代 議 員 会 議 録 」 に み る か ぎ -、 大 宜 味 村 に お い て は 、 昭 和 十 六 年 の 時 点 ま で ほ と ん ど の 行 事 が 旧 暦 で あ -、 農 業 暦 も 旧 暦 で な さ れ て い た こ と を 考 え る と 、 「更 生 蒋 」 の 記 帳 も 旧 暦 で と い う こ と に な っ た と し て も 、 不 思 議 で は な い ⑳
鏡 波 に お け る 「 更 生 蒋 」 の 記 帳 が 、 全 体 的 に 続 け ら れ た の か 、 個 々 に ま か さ れ た の か 、 「 代 議 員 会 議 録 」 で は 知 る こ と は で き な い 。 ( エ ) 鱒 波 で み る 経 済 更 生 計 画 事 業 大 宜 味 村 が 経 済 更 生 指 定 村 と し て ' そ の 計 画 を 樹 立 す る と 、 磯 波 部 落 に お い て も 村 の 封 画 を 実 現 す べ -更 生 へ の と -く み が な さ れ た こ と に つ い て は 、 こ れ ま で 二 へ 三 ふ れ て き た 。 副 業 工 場 の 設 置 、 衛 生 組 合 の 設 立 、 農 事 改 良 組 合 の 設 立 、 消 費 節 約 を 通 し て の 生 活 改 善 運 動 々 の あ ら わ れ と し て の 諸 慶 弔 行 事 の 簡 素 化 、 祝 儀 の 金 額 の 統 7 と 切 符 の 使 用 、 貯 金 の 奨 励 に 伴 な う 横 合 の 減 少 と 更 生 の た め に 意 欲 的 に と -ん で い る こ と が ' 「 代 議 員 会 議 録 」 を め ノ\ る と よ く わ か る の で あ る 。 農 事 改 良 組 合 に よ る 農 業 先 進 地 城 の 視 察 も 更 生 計 画 の 7 環 と し て な さ れ た の で あ る 。 1 九 三 六 (昭 和 十 一 ) 年 、 農 林 省 が 経 済 史 生 特 別 助 成 を 実 施 す る と 、 初 年 度 の 昭 和 十 一 年 度 に 大 宜 味 村 が 特 別 助 成 村 と し て 農 林 省 か ら 指 定 さ れ て い る 。 村 が 農 林 省 の 特 別 助 成 村 に 指 定 さ れ る こ と に よ っ て 、 助 成 金 が 鏡 波 部 落 の 事 業 に も 支 出 さ れ て い た こ と を ' 「 代 議 員 会 議 録 」 を 通 し て み る こ と が で き る 。 一 九 三 六 (昭 和 十 1 ) 年 二 月 二 九 日 の 「 代 議 員 会 議 録 」 に 、 「 経 済 更 生 特 別 助 成 金 二 関 ス ル 件 」 の 見 出 し で ' 次 の よ う に 記 さ れ て い る 。 1 金 四 〇 〇 円 助 成 金 1 金 五 〇 〇 円 年 利 1 分 九 厘 1 金 一 〇 〇 〇 円 年 利 三 分 九 犀 -52
-農村 の経済更生計画 につ いて 右 金 街 左 記 事 業 ヲ 遂 行 ス ル タ メ 借 入 ス ル コ ト ニ 万 場 叫 致 ニ テ 決 定 セ -ィ 、 味 嘉 川 線 改 修 並 二 延 長 ロ P 農 道 ノ 新 設 共 同 耕 作 地 ノ 設 置 ハ 、 畜 産 ノ 増 殖 奨 励 農 業 の 基 盤 整 備 と し て の 農 道 の 改 修 新 設 は 、 政 府 や 県 の 助 成 が な け れ ば 思 い き っ て 手 が つ け ら れ る も の で は な い 。 昭 和 十 五 年 度 に 特 別 助 成 村 に 指 定 さ れ た 城 辺 村 ' 知 念 村 ' 多 良 間 村 の 計 画 も 農 道 の 新 設 改 修 を あ げ て お り 、 当 時 の 沖 縄 に お い て 農 業 の 基 盤 整 備 が 著 し -お -れ て い た こ と を 示 す 一 つ の 証 拠 だ と 思 っ て い る . 鏡 波 部 落 で 経 済 更 生 助 成 金 に よ っ て 、 道 路 の 新 設 を 決 定 し た の は 、 一 九 三 六 (昭 和 十 〓 年 八 月 七 日 の こ と で あ っ た 。 経 済 更 生 助 成 金 ニ テ 農 道 新 設 線 路 決 定 ノ 件 昧 嘉 川 嫁 ハ 1 般 ノ 利 用 価 値 多 為 メ 延 長 新 設 ス ル コ ト ニ 決 定 セ リ 代 議 員 会 で き め た よ う に 、 味 嘉 川 の 農 道 の 新 設 改 修 が な さ れ た が 、 四
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円 の 助 成 金 が 交 付 さ れ た の か ど う か に つ い て は 、 記 録 が 残 さ れ て な い 。 し か し 、 大 宜 味 村 へ の 特 別 経 済 更 生 助 成 金 交 付 が 1 三 、 二〇
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円 (三 七 ペ ー ジ の 表 参 照 ) _に の ぼ っ て お -、 単 純 に 部 落 割 -し て も 山 部 落 八〇
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円 余 に な る の で 、 昧 嘉 川 線 の 新 設 に 四C
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円 前 後 の 助 成 金 は 交 付 さ れ た も の と 推 量 さ れ る 。 荷 車 の 通 れ る 農 道 の 新 設 整 備 に よ っ て 味 嘉 眉 に あ る 田 畑 の 耕 作 に は 非 常 な 便 を も た ら し た と い う 。 (オ ) 部 落 の 融 和 経 済 更 生 計 画 推 進 の た め 、 部 落 で は 区 長 、 会 計 の あ り 方 等 に つ い て も い ろ い ろ と 話 し 合 わ れ た よ う で あ る 。 結論 を 先 に い え ば 、 部 落 の 融 和 を 計 り 経 済 更 生 を 推 進 し 得 る 区 長 で あ -、 会 計 で な け れ ば な ら な い と い う こ と で あ る 。 「 代 議 員 会 議 録 」 に 記 録 さ れ て い る そ れ ら の こ と を 拾 い 出 し て 考 え て み る こ と に す る 。 昭 和 十 1 年 七 月 十 五 日 (旧 五 月 二 十 七 日 ) 朝 七 時 協 議 事 項 二 字 ノ 執 務 時 間 ハ 朝 八 時 迄 卜 定 メ 当 局 者 ハ 必 ズ 執 務 時 間 迄 ハ 事 務 所 二 務 メ ル コ ト 二 本 村 ハ 経 済 更 生 指 定 村 ノ 為 メ 区 長 代 理 卜 字 会 計 ヲ 兼 任 セ シ メ ル コ ト ト シ 任 期 ハ 釆 ル 昭 和 十 三 年 末 日 迄 卜 定 ム 経 済 更 生 計 画 を 推 進 し て い -上 で 、 事 務 処 理 を 円 滑 に な ら し め る た め の 1 つ の 措 置 と し て 右 の よ う な こ と が 話 し 合 わ れ た の で あ る 。 一 九 三 八 (昭 和 十 三 ) 年 末 に は ' 「部 落 常 会 規 約 」 を 審 議 し 原 案 通 -決 定 し た と あ る が 、 そ の 規 約 が 残 さ れ て な い の で 中 味 に つ い て は 知 る こ と は で き な い が 、 経 済 更 生 計 画 推 進 と 日 中 戦 争 勃 発 に よ る 銃 後 の 守 り を 強 固 に し よ う と い う 意 図 の も と に ' 部 落 の 融 和 と 事 務 処 理 を 明 確 に す る た め に 規 約 が 制 定 さ れ た も の だ と 理 解 し て い る 。 県 は 1 九 四