© 2020 Japanese Proteomics Society
総説
アプタマー技術による大規模疾患プロテオミクス
古市真木雄
1,2,和賀 巌 *
1,2,3,小田吉哉
4 *E-mail: [email protected] 1 フォーネスライフ株式会社:103-0023 東京都中央区日本橋本町 3-8-3 2 NECソリューションイノベータ株式会社デジタルヘルスケア事業推進室:136-8608 東京都江東区新木場 1-18-7 3 東北大学 革新的イノベーション研究プロジェクト,産学連携機構:980-0845 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 468-1 4 東京大学大学院医学系研究科リピドミクス社会連携講座:113-8654 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学医学部教育研究棟 13F (受付 2020 年 9 月 30 日,改訂 2020 年 10 月 17 日,受理 2020 年 10 月 19 日) 近年,質量分析技術の発展や新技術の出現により,大規模な疾患プロテオーム研究事例が増えてきた.本報告では,血 液中の数千種類のタンパク質を同時に解析できる修飾型人工 DNA 配列(アプタマー)を用いた Affinity Proteomics 技術に 焦点を当てて,多数の検体が用いられている最近の大規模研究を中心に幾つかの研究例を報告する.今回紹介する技術の 特徴は,まず抗体の代わりに数千種類の修飾型アプタマーを準備し,血液中の各標的タンパク質に特異的に結合させ,洗 浄し,標的タンパク質と結合したアプタマーのみを遺伝子チップで捕捉して定量する,つまりタンパク質を遺伝子のよう にマイクロアレイ上で測定する技術である.本法は多検体測定と定量性に優れていることから臨床応用例が多い.国内に おける臨床プロテオーム研究分野の発展と社会実装の一助になると考えて最新動向を総説として記述した. 1 序 論 生活習慣を変えることで,避けることのできる病を可能 な限り未然に防ぎ,健康に老いて,天寿を全うすることは 誰もが望むことではなかろうか?近年,病気の一歩手前, 所謂「未病領域」へ人々の関心が高まり,疾患プロテオー ム研究が進展し,発症リスクや予後を予測する試みも始 まっている. 人体を構成する三大要素のうち「タンパク質」は水を除 くと約半分の質量を占め,体の構造維持や生命活動の中で 重要な機能・役割を担っている.また,タンパク質はヒト が生きていくために欠かすことができない三大栄養素の一 つでもある.タンパク質は,遺伝子に保存された遺伝情報が, 転写,翻訳されることで発現し,ユビキチン・プロテアソー ム系などの分解メカニズムにより量的な制御がなされてい る.ヒトでは,約 19,000 種の遺伝子でコードされている 約 3 万∼ 5 万種ともいわれるタンパク質が生命活動を支え ている.このタンパク質は多種多様な機能を持っているこ とから表現型に近いバイオマーカーとして考えられている. 人生に大きな影響を与える「病」と「老い」を理解するた めにも,プロテオーム研究が精力的に行われている. 血液は体内をくまなく循環していること,および低侵襲 性で繰り返し採取可能なことから,ヒトの血液を用いて, 貧血,肝臓や腎臓の異常,高脂血症,糖尿病などの病気を 主とした体内の異常を検知するためのプロテオーム解析が 行われてきた.健康成人においては,血液中に含まれるタ ンパク質は約 2,200 種類ともいわれる.しかし怪我や病気 による細胞のダメージや細胞死により組織・細胞内から流 出した成分が血液中に流入することにより数千種類ものタ ンパク質が血中に含まれているとされる1). 生活習慣病の多くは,偏った食生活や運動不足などに よって引き起こされる身体の異常な状態である.単一のバ イオマーカーよりも複数のバイオマーカーを用いて総合的 に理解することで,ある疾患と別の疾患との関連や疾患の 予兆を把握できると考えられている.昨今では血中バイオ マーカーと,がんや心血管疾患などの生活習慣病の関係に 着目し,血液を用いて疾病リスクを算定する試みが身近な 医療サービスの一つとして提供される時代になってきた. 近年の目覚ましい質量分析装置の改良2)∼ 4)や新技術5) の出現により,血液中の数百種類のタンパク質を同時に解 析できるようになってきた.しかしながら,定量性とスルー プットを考えると質量分析による血漿・血清プロテオミク スには未だ大きな壁がある.この課題を解決するためにプ ロテオーム解析技術の一つとして,検体中に含まれる約 5,000種のタンパク質を複雑な工程を経ずに同時に解析で きる SOMAscan®と呼ばれるアプタマーを用いた手法が米 国で開発され世界中の研究者によって活用されている.本 稿ではこの手法を活用した研究を俯瞰し,その特徴を紹介 したい.Proteome Letters 2020;5:56 したタンパク質等の標的物質(3)とインキュベートする (4).標的物質と特異的な相互作用を持つ配列は標的物質 に結合するが,相互作用しない配列は遊離の状態で溶液中 に漂う.ビーズを洗浄することで標的物質に結合する配列 のみ(6)が得られる.この配列を PCR で増幅することで クローンを増やし(7),次のラウンドのライブラリとして 用いる.この 1 連の工程を 1 サイクルとし,通常は 7–12 サイクル繰り返すが,後半の工程では洗浄工程の条件をよ り厳しくし,標的物質に強く結合する配列を得ることがで きる.最終的に特定の物質に対して高い親和性を示す核酸 が,アプタマーである.抗体と同様に立体構造を認識して 機能するなど,アプタマーと抗体の共通点は多く,抗体様 核酸とも呼ばれる.このアプタマーは化学合成で製造する ため,品質維持が比較的容易で,ロット間差が小さい.化 学修飾が容易なことから産業応用が多方面から期待されて きた.実際に実用化されたものは老人性黄斑変性症の治療 薬として使われる Macugen®や,筆者らが開発した研究用 試薬 Immuno-AptamerTMなどがある.アプタマーは先に挙 げた抗体の種々の産業上の課題に対して有利であるが,普 及を推進するような応用事例がまだ充分ではないと筆者ら は考えている.本稿で紹介する SOMAscan テクノロジーは, アプタマーの化学修飾の容易さとマイクロアレイ技術の強 みを組み合わせて実現したハイスループット定量解析テク ノロジーである. 2-2 解離速度が遅い修飾型アプタマーについて タンパク質は,ポリペプチド鎖と呼ばれるアミノ酸が折 り畳まれて複雑な立体構造を形成し,20 種のアミノ酸残 基の性質により,抗体に代表されるような複雑な相互作用 や,酵素において見られるような化学反応の場を提供して いる.SOMAscan®で利用するアプタマーには,デオキシ チミンの代わりにデオキシウラシルの 5 位に必須アミノ酸 の側鎖を模倣した 4 種類の修飾塩基を用いている.天然の DNAよりも結合多様性を持ったランダムライブラリーを 出発材料(Fig. 1,(1))として準備する.Fig. 2 にこの修 飾塩基とアミノ酸との化学構造の比較を示す.疎水的な性 質を持つアミノ酸の側鎖部分が構造変換されている.この 修飾型アプタマーを用いることにより,標的となるタンパ ク質との特異的な相互作用をもつアプタマーの開発が可能 になった.非修飾の天然核酸で得られたアプタマーと比較 して,解離が遅いこと7)が特徴で,Slow-Off-rate Modified Aptamerを略して SOMAmer®と称する. この修飾型アプタマーはタンパク質の立体構造を敏感に 認識し,変性したタンパク質には結合しない.修飾型ア プタマーと標的タンパク質への特異的な相互作用は X 線 結晶構造によって明らかにされ,複合体構造がタンパク 質立体構造データベース(PDB)に数件登録されている. 2 原 理 2-1 アプタマーについて 抗体は,異物を排除するために生物が持つ防御システム の一部として,異物の立体構造を認識することで機能する. その特異的な結合力を活かして標的物質を検出する等,生 命科学研究ツールとして欠くことができない生体材料であ る.抗体はインフルエンザ検査薬や抗がん剤等の医薬品と して,産業界で多く活用されている.しかしながら,抗体 はロット間差など品質管理が容易ではないことや,化学修 飾が困難なこと,生産コストが高いことなど,産業用途の 課題も指摘されている.また,現状ではマルチプレックス での同時検出は数百種類程度に限られている. 1990年代,多様な核酸配列を保有するプールの中か ら,標的物質にだけ強く結合する塩基配列を選択する技術 (SELEX:Systematic Evolution of Ligands by Exponential
enrichment)が報告6)された.この手法で取得される核 酸リガンド,またはアプタマー(Aptamer)の一般的な 取得スキームを Fig. 1 に示す.アプタマーは,ラテン語 の aptus(適する,Fit する)に由来する名称である.(1) 5’末端と 3’ 末端それぞれに PCR で増幅するための固定長 領域を持つランダムライブラリーを準備する.次に(2) 緩衝液中でフォールディングさせ,ビーズなどに固定化
Fig. 1 Schematic diagram of Aptamer development
(1) DNA random pool was synthesized including PCR primer-regions. N means A, T, G, and C amides mixed reaction process, Black and grey rectangle indicate the primer regions. (2) Each synthesized DNA fragments make 3-dimensional structures depends on their each DNA sequence nature. (3) Target protein (triangle) was immobilized to beads or plates. (4) Synthesized DNA mixture is incubated with target protein. (5) After washing, Aptamer candidate, which potentially bind to the target tightly, is selected. (6) Aptamer candidate molecules are harvested and subject to amplify. (7) Preparation of amplified Aptamer candidates by PCR, then used of further selections.
離のタンパク質を除去し,修飾型アプタマー標的タンパク 質複合体のみを得る.光照射によりリンカー部分を切断し てビーズを除去する.次に標的タンパク質をビオチンで標 識する(上記(2)ではアプタマー部分がビオチン化).(5) 修飾型アプタマー・標的タンパク質複合体は,新たにビオ チンで標識された標的タンパク質を介して別途準備された ストレプトアビジンビーズに再補足される.(6)修飾型 アプタマーは,タンパク質変性緩衝液中でビーズから溶液 中に放出される.ビオチン化されていた標的タンパク質は ビーズに残るのでビーズごと除去する.(7)修飾型アプタ マーは,マイクロアレイチップ上の相補的な塩基配列にハ イブリダイズされ,蛍光プレートリーダによって測定され る.蛍光強度は元の試料中の標的タンパク質量に比例して, 蛍光強度として定量され,解析される.(8)SOMAscan® のダイナミックレンジは,各修飾型アプタマー試薬の検出 Fig. 3に立体構造の一例としてサイトカインの 1 種である インターロイキン(interleukin-6)と修飾型アプタマーの 複合体を8)示す.Fig. 2 に示した修飾塩基をステックモデ ルで示したが,修飾基の多くは分子境界面に位置し,特異 的な分子間相互作用に寄与している.同時に,この修飾塩 基はアプタマー自身の立体構造の安定化にも寄与している. 血小板由来成長因子 BB(Platelet-Derived Growth Factor-BB)に結合する修飾型アプタマーとの結合部位の接触面積 の大きさは,抗体と抗原との複合体のその大きさに匹敵す ることが観察された9). 2-3 タンパク質の検出法について 生体試料中に存在するタンパク質を修飾型アプタマーで 捕捉し,試料中に含まれるタンパク質を定量的に測定する 技術が開発された.標的タンパク質の量に応じた修飾型ア プタマーをオリゴヌクレオチドとしてマイクロアレイ上で ハイブリダイゼーションさせて,試料中に含まれるタンパ ク質濃度を測定可能な相対的蛍光単位(RFU)に変換する ことで定量化される.Fig. 4 に SOMAscan®の測定プロセ スのフローを示す.(1)測定対象となる生体試料を準備する. ヒトの生体試料の中では,血漿が最も多く解析に用いられ ている.次いで血清,CSF,尿の測定,喀痰や培養細胞の 懸濁液を用いた報告もある.1 回の測定には(約 5,000 種 類のタンパク質測定)75 μl が使用される.(2)対象試料 が血漿の場合,測定に用いられる検体を 3 段階に希釈する. 測定前の操作としては,この希釈のみである.約 5,000 種 類の修飾型アプタマーを 5’ 側からフルオロフォア,光切 断可能なリンカー,およびビオチンで標識し,試料と一緒 に混合して一定時間インキュベートする.(3)修飾型アプ タマー・標的タンパク質複合体が形成される.(4)ストレ プトアビジンビーズ上にアプタマーを固定し洗浄する.遊
Fig. 2 Comparison of chemical structure between modified Aptamers and amino acid residues
Fig. 3 An example image of the structure of affinity molecule, Aptamer (black) complexed with target protein Interleukin-6 (Grey). The modified nucleotides are shown in stick. PDB code; 4NI7
Proteome Letters 2020;5:58 3-1 対象疾患 Fig. 5に,論文に記載されている対象疾患例とその報告 数を示す.現時点では,心血管疾患や糖尿病など,生活習 慣に関連が深いとされる疾患が最も多い.生活習慣病は文 字通り,運動習慣や食生活,睡眠などの休養,喫煙,飲酒 などの生活習慣によって引き起こされる疾病で非常に多様 な要素が関連している.Fenland, HUNT3, Covance といっ た世界的にも著名な大規模コホートの検体を用いた解析は 興味深い.血液中のタンパク質のプロファイルを計測する ことにより,1 回の検査のみで,エコーや放射線機器,エ ルゴメータなど検査機器・検査施設の予約から診断結果を 得るまで時間のかかる機器分析を不要にする「リキッドヘ ルスチェック」の提唱に至った報告もある11).そこでは 大規模なコホートを用いて開発,検証され,多少のサンプ ル由来のノイズに左右されない頑強な 11 の疾患情報に関 する予測をしたり,体内の成分をデジタル化して提供した りすることに成功し,次世代の健康診断方法の提唱にも言 及している. 次に報告事例が多いのは,インフルエンザや結核といっ た感染症分野の研究である.培養細胞を用いて感染するイ 範囲と試料の 3 段階希釈液の組み合わせから 10 の 8 乗に 達する.希釈されていない測定液では,最も微量に存在す るタンパク質(pM オーダーの濃度)が検出されるように 設計されており,最も希釈された測定液では,μM の濃度 レンジのタンパク質が定量できるように設定されている. 本法の特長としては,再現性が優れており,同じ検体を繰 り返し測定した場合,CV 値は中央値で 5%程度であると 報告されている10). 3 修飾型アプタマー技術を活用した研究および解析の 現状 修飾核酸を活用したアプタマーを利用したプロテオミ クスプラットフォームは,アフニティプロテオミクス (Affinity Proteomics)とも呼ばれ11),本法を活用した研究 報告事例は,レビューも含めれば 200 報以上公表されてい る.修飾型アプタマー技術を活用した研究はアメリカ合衆 国における実用例を中心に,欧州やカナダ,東アジアや中 東,アフリカなどからも報告されている.現時点で公表さ れている論文を俯瞰し,各国の研究者がどのような疾患プ ロテオーム解析を報告しているか調査した.
Fig. 4 Schematic diagram of the amount of protein-measurement method with modified Aptamer (SOMAscan)
(1) Human Biological sample (HBS) droplet, which contains various kinds of proteins. (2) Diluted HBS in three stages are mixed with 5000 aptamers solution. (3) Aptamer binds its target protein. (4) Complex of Aptamer-target protein is immobilized on the beads. Excess amount of aptamers and nonspecific interacting molecules are washed away, then the complex are released by cleavage of photo linker site. (5) Biotibnated-target protein is immobilized on the beads. (6) Aptamers are released from proteins in the denature solution. (7) Aptamers are captured with its complimentary sequence on the DNA chip. (8) DNA chip are read out by fluorimeter. Each signal reflect the protein concertation in HBS
的な傾向を確認したうえで規模を拡大する研究例も散見さ れる.検体数で特筆すべきは一つの報告あたり 500 検体以 上の臨床試料を用いた研究例が 22 パーセントも占めるこ とである.本法のスループットの高さを反映している. 3-3 大規模疾患プロテオミクスによる予後予測 1,000検体以上を占める研究の報告例を Table 1 にまとめ た.先に挙げたように生活習慣病に関して様々なコホート を活用して研究されている点に加え,なかなか効果を一概 に見出だすことが難しい食事の効果や老化の影響をゲノム やメタボロームといった他のオミックスを用いて分子レベ ルで解明する研究がみられ興味深い. この中で特記すべきは,大規模疾患プロテオーム技術と コホート研究の組み合わせで見出された Prognosis と言わ れる予後予測技術の創生である.遺伝子解析技術では到達 が容易ではない,常に変動している体の現状の解釈と,今 後何らかの疾患に罹患,あるいは再発する可能性について, 非小細胞性肺がん15),初発の脳梗塞や心筋梗塞予測11), 脳梗塞や心筋梗塞の再発20),末期腎不全21)をはじめ複数 ンフルエンザ株によって宿主細胞に与える影響の違いを明 らかにする研究12)や,結核が休眠状態から活動状態に移 行する兆候を調べることでより効果的な治療効果を探る研 究13)などが,大規模プロテオーム解析プラットフォーム の成果として報告されている.近年我々の生活に大きな影 響を与えている Covid-19 の解析にも威力を発揮すること が期待され,現在いくつかのプレプリントも公開されてい る. さらに,高悪性度漿液性癌(HGSC)などの婦人科系が ん14)や悪性胸膜中皮腫(MPM)15)といった悪性新生物(が ん)や,デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)といっ た希少疾患16),第二相で非常に有望な効果を示した薬剤 の効果について評価する研究17),多発性硬化症(MS)な どの免疫疾患18),アルツハイマー型認知症のような認知 症19)など臨床での実用例が疾患プロテオミクスの成果と して報告されている. その他では,加齢による影響,運動などの介入評価,手 術の術後評価,産婦人科系の疾患や,消化器系,耳鼻科, 小児系疾患,および皮膚疾患とメジャーな診療科を網羅す るように様々な疾患領域で研究がおこなわれている.疾患 別に研究の報告例を整理すると,同一研究グループが,同 じ症例に注目して繰り返し本技術を活用している事例が散 見され,信頼性が高い技術と評価されていることがわかる. 3-2 検体数 Fig. 6に SOMAscan®を用いた研究報告例に対し,どの くらいの数の検体が使用されているかをまとめた.本法で は,検体数の多少に関わらず一定のコストが必要となり, 検体数が少ない場合,割高になることから,小規模の報告 例は少ないと考えていた.しかしながら,我々の予想に反 し検体数が少ない研究例も数多く報告されている.少量で 網羅的に測定が可能なことから,検体入手そのものが困難 な希少疾患の研究に用いられていたり,少量の検体で全体
Fig. 5 The disease category reports with affinity proteomics technology
Fig. 6 Sample size analysis of human blood proteomics repots with affinity proteomics technology
Proteome Letters 2020;5:60 Table 1 A ffinity pr oteomics r esear ch cases mor
e than thousand human blood samples
Case
Tar
get Disease or Subjects
Blood Pr oteins Number of Samples R esear ch Or ganization R efer ences 1 Compr
ehensive Indicators of Health
5000 17000 Somalogic, MRC, UC SD 11 2 Pr ognostic Pr oteomic Signatur e for T uber culosis Pr ogr ession 1129 & 4000 1470 Somalogic 13 3 Influencing Albuminuria 3622 3301 Gr
eifswald University (Ger
many) 21 4 Human Plasma Pr oteome Pr ofiles A cr
oss the Lifespan
2925 4263 Stanfor d University 22 5 Pr
oteomic and Metabolomic Cor
relates of Healthy Dietar
y P atter ns 1373 1713 Boston University 23 6 R epr oducibility and V ariability of Pr otein Analytes 4001 4001
Johns Hopkins Bloomber
g School of Public Health
24 7 A trial F ibrillation 1373 1885 Boston University 25 8 Osteopor osis not described 2286
Xi’an Jiaotong University (China)
26 9 Car diovascular Disease 1129 7333 NIH 27 10 End-Stage R enal Disease 1317 4023 University of T
ennessee, Health Science
28
11
Car
diovascular and Metabolic Disease
4137
5457
Novar
tis & the Icelandic Hear
t Association
29
12
Genomic atlas of the human plasma pr
oteome
1300
3301
The University of Cambridge & Mer
ck 30 13 Assessment of V ariability 1305 2624 NIH 31 14 A ctive Pulmonar y T uber culosis 4000 1470 Somalogic 32 15 Mesothelioma 813 2361 Somalogic , University of Pittsbur gh, Colorado University 33 NCBI database
was the subject to find out aptamer–based affinity pr
oteomics r esear ch cases. To clarif y the typical r esear ch cases with a lar ge-scale human blood pr oteomics analysis, accor ding to
the sample number was selected as a selection criteria for r
esear
ch quality and cr
博士を含む米国 SomaLogic 社のメンバーとの知的交流に 深い感謝の意を示します. COI 著者の MF,IW は NEC グループにてアプタマー研究を 推進してきており,本論文に記載された技術を国内展開す るフォーネスライフ株式会社設立をサポートしている.ま た,YO は同社の技術アドバイザーであることを記載する. 文 献
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の疾患に対して予後予測が報告されている.現在健康なヒ ト血液サンプルの中に,未来のリスクを見出す予測技術は, 今後多くの人々の行動変容に結び付く可能性にも言及して おきたい. さらに,スタンフォード大学国際チームが,血液中のタ ンパク質を調べることで,「老化」の程度に関する情報を 提供できる「プロテオーム時計」を提案22)し,これは健 康な老化を促進するための戦略立案を提供できる可能性が ある.彼らは血漿サンプル中のタンパク質を測定すること で,年齢とともに著しく変化するタンパク質を特定した. 多くのタンパク質は男女で異なるものもあったが,性別に 関係なく高精度で年齢を予測できるタンパク質のグループ を定義している.ほとんどの血漿タンパク質の発現量は経 時的に変動し,34,60,および 78 歳でピークを示す 3 つ の大きなタンパク質変化の波が認められ,ヒトは直線的に 老化しないことが本研究で示された.60 および 78 歳で変 化した数百種類のタンパク質の中には,心血管疾患やアル ツハイマー病への関連が示唆されているものがある.日本 でも 30–40 歳を厄年,60 歳を還暦という形で区切っている. 病気などの災難を未然に防ぎ,この世に与えられた人生を 歩むための疫学的な古来の人々の知恵が,本研究によって 分子論的に支持される可能性もあるかもしれない. 4 結 論 生活習慣病に代表される慢性疾患の多くは,複雑にかか わりあう様々な因子のバランスが崩れて引き起こされてい ると考えられている.生体では,各細胞内で遺伝子の情報 をもとにタンパク質が合成され,様々な化学反応や活性化 が起こる.すなわち,プロテオームの情報だけでなく,ゲ ノムやトランスクリプトーム,メタボロームといった,い わゆるマルチオミックスとして情報を得たうえで,生命を 分子ネットワークシステムとして理解することが重要であ ると筆者らは考えている.しかしながら,ゲノム,トラン スクリプトーム等と比較し,プロテオーム技術は,スルー プットの面では他のオミックス技術と比較し後塵を拝して きた.修飾型アプタマー技術は血中の 5000 種類のタンパ ク質測定を,高い精度かつハイスループットで実現するプ ロテオームプラットフォームである.このような技術は, 臨床的有用性をもつ新たな疾患マーカーを発見する探索 ツールとしてだけでなく,他のオミックスや,飛躍的な進 化を遂げる AI(人工知能)の技術などを組み合わせたシ ステム制御の概念で人類が疾病に立ち向かう新しいツール として利用される日もそう遠くないかもしれない. 謝 辞 本報告は,著者らの 2006 年から共同研究活動を進めて きた Larry Gold 博士,Nebojsa Janjic 博士,Steve Williams
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Large-scale Disease Proteomics by Aptamer Technology
Makio Furuichi
1,2, Iwao Waga*
1,2,3, Yoshiya Oda
4*E-mail: [email protected]
1FonesLife Corporation, 3-8-3 Nihonbashi-honcho, Chuo-ku, Tokyo 103-0023, Japan 2NEC solution Inovators, Ltd. 1-18-7 Shinkiba, Koto-ku, Tokyo 136-8627, Japan
3Tohoku University, Center of Innovation Project, Enterprise Partnerships, 468-1 Aramaki Aza Aoba, Aoba-ku, Sendai,
Miyagi 980-0845, Japan
4The University of Tokyo Graduate School of Medicine, Experimental Research Bldg 13th Floor, 7-3-1 Hongo, Bunkyo-Ku,
Tokyo 113-8654, Japan
(Received on September 30, 2020; Revised on October 17, 2020; Accepted on October 19, 2020)
According to the resent progress on the mass spectrometric technologies and the other novel approaches for quantita-tive protein analysis, the large-scale proteome researches with disease related human specimens have increased. In this report, affinity proteomics are focused on, which could analyze thousands of proteins in blood at the same time. As the technical feature, thousands of artificial DNA aptamers are prepared, then bound to proteins in the blood. The signals on the microarray of each aptamer reflects each target protein amounts. In addition to the technical points, the novel trends and new findings found in more than 200 papers, which might contribute to the future of the proteome research field and social implementation, are also described as our review report.