Internationalization of hospitals and nursing in Japan: Lessons learn from the Guideline CLAS (Culturally Linguistically Appropriate Care), USA
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(2) にモデル患者の体験を来院から治療を通して評価する方. ることの必要性が述べられた.また,会場からの質問. 法があるが,モデル患者を外国人と想定して院内での評. に,医学教育のように看護学教育のカリキュラムにも国. 価を行うとよいと提言した.会場からの質問では,病院. 際標準のようなものができるのか?とあった.クラーク. の国際化対応には多様な方策があげられるが,最も推奨. 博士から,医療に関する文化は世界各国で異なるので,. するのは何か?があった.クラーク博士は,文化ケアの. そのような動向はないと思うが,コンピテンシーに関し. ニーズを見極めることが第一と述べた.倶知安厚生病院. ては,何らかの統一基準の議論がみられ,台湾,カナ. の例では,外国人患者がどれだけいて,英語を話せる職. ダ,韓国,米国などからなる合同班の検討がみられると. 員がどれだけいるかを把握していた.そこから質の高い. 述べた.. ケアを提供するために何をするのか計画する必要があ. わが国の病院や看護を取り巻く環境の変化は激しく,. り,さらにそれらの情報を教育に役立てることが求めら. 地域包括ケアや₂₀₂₅年問題と,看護実践および看護教育. れる.整形外科のオーストラリアの患者が多いのであれ. の課題が尽きないところである.外国人患者の視点から. ば,整形外科オーストラリア病棟のように,患者を集め. 気づかされアクションをとりはじめた病院と看護の国際. て専用の病棟を設営することも考えられる.以前,ロサ. 化が,看護評価学を通して,看護の様々な課題への気づ. ンゼルスの中国人の多い地域では,中国・アジアセン. きや橋渡しとなるものと考える.. ターとなった施設があったと紹介した.次に,看護の国. 国内外から講演者として登壇くださったシンポジスと. 際化教育を進める方策について質問があった.野地か. の方々ならびに熱心に討議くださった会場の参加者の. ら,看護学生や看護職の文化対応能力を測定し現状分析. 方々,通訳の労をおとりいただきましたオフィス・ガン. を行い,授業や演習・実習だけでなく,国際交流の機会. ルームの通訳士の方々に御礼申し上げます.. や FD(Faculty Development)など多様な機会につなげ. 病院と看護の国際化に向けた文化対応能力の評価 ─国内病院調査の中間報告─ 野地 有子 千葉大学大学院看護学研究科 し,病院における看護職の文化対応能力とその教育およ. ₁ .はじめに. び環境整備にむけた課題を明らかにする目的で国内病院. 国際的な医療環境の変化を受け,病院の国際化はアジ. 調査を実施したところである.本報告は,その中間報告. ア諸国では急速に進展がみられるが,日本は立ち遅れて. と位置づけられる.研究組織は,表 ₁ に示した.. ₁︶. いる .日本在住の外国人数は₂₁₈万人を超え定住化も進 み,外国人患者をめぐるトラブルも多くなってきてい. ₂ .病院調査前の現状分析. る₂︶.わが国で生まれる子どもの ₃ %で両親のどちらか. 外国人患者の受け入れに関する調査事業は,厚労科. が外国人ともいわれ,外国人患者とその家族の受け入れ. 研,日本医師会,民間研究所,自治体などからの報告が. も問題となってきている.このような社会変化のなか,. 平成₂₀年以降にさまざま事業報告としてみられている.. わが国でも,多くの病院で外国人患者を受け入れてきて. 医療ツーリズムに関するものは,政府調査研究事業,民. いる.₃₀₀床以上の公立病院の₉₅%で外国人患者の利用が. 間研究所からの情報が平成 ₉ 年頃からみられる.外国人. みられ,通訳や NGO,ボランティアの活用など ₇ 割の病. 患者の受け入れを推進する団体や,関係者の様々な報告. 院で対応しているが,外国人患者の看護ケアに関する一. から,外国人のための医療提供の課題として,事前の診. ₃︶. 貫性のある学習の機会が少ないという報告がみられる .. 療情報の提供,ビザ(査証)入国手続き,設備,医療通. そこで,平成₂₅~₂₇年度科学研究費補助金による「アジ. 訳士,支払,病院マナーの ₆ つの課題がみられた.. ア圏における看護職の文化的能力の評価と能力開発・臨. 外国人患者の看護に関する調査について,医学中央雑. 床応用に関する国際比較研究」(基盤研究(A))を開始. 誌から「外国人」+「患者」+「看護」のキーワーズから会. 74. J Jpn Acad Nurs Eval Vol. 5 No. 2 (2015).
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