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<論文>女性のキャリア再考

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Academic year: 2021

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―  ―65 第53巻 第1号(2020年12月) p.65~78

女性のキャリア再考

古 武 真 美 抄録 長い間、日本の女性の働き方の特徴として、学校を卒業して就職するものの、結婚や出産というイ ベントに直面し退職する、そして、子育てが一段落したら、また働き始めるということが指摘されて きた。しかし、近年、このような働き方に変化が出てきた。すなわち、結婚や出産を経ても働き続け る女性が増えつつある。 働き続けることはキャリアが長くなるということであり、女性にとってキャリアはさらに身近で大 切なものとなってきている。 そこで、本稿では、日本における女性の働き方の変化を様々な視点から整理しながら、女性のキャ リアについての再考を試みる。 キーワード 女性、キャリア、再考、歴史、働き方、変化、法律、家族、世帯、企業、価値観、育児

Reconsideration of Female Career in Japan Furutake, Mami

Abstract

For a long time, the work style has been a characteristic of the Japanese female workers.  This is to say as following. Japanese women find a job at a company after graduation from school and work for few years. And, they retire for marriage or childbearing. After child care is over, they work again.  But, in recent years, the number of women who continue working has been increasing regardless of marriage or childbearing.

Their continued working will get their career longer. So the career will become more important and familiar to them.

In this paper, I organize the issue about some changes of Japanese female workers and reconsider their career from various viewpoints.

Key Words

Female employee, career, reconsider, history, work style, change, law, family, household, com-pany, values, childcare

目   次 1.はじめに 2.キャリア理論レビュー 3.企業内での女性の働き方の変遷    ~先行研究より~ 4.統計からみる働く女性の変化 5.女性のキャリアと法律 6.むすびに 近畿大学短期大学部准教授 2020年11月15日受理

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1.はじめに キャリアを狭義の意味で職業と関わる部分と捉 えた場合、「夫は外で働き、 妻は家庭を守るべき である」という性別役割分担意識に従うと、男性 は長いキャリアを持つが、女性は結婚や出産とと もにキャリアが途絶える。 かつて、日本の女性の典型的な生き方として、 学校を卒業したら会社に勤め、結婚し家庭に入り 子どもを育てる、そして、子どもの手が離れたら、 家庭生活に支障のない程度、つまり、夫に家庭の 負担が生じないように配慮しながら、短時間パー トで働く、というスタイルがあり、それは長い間 主流だった。 当時、女性にとって、仕事に邁進できる正社員 としてのキャリアは短く、あまりキャリアのこと を深く考えることもなかった。どちらかというと、 家庭をいかに円満に保てるか、ということが妻と しての任務であり、夫の仕事や子どもの学業の成 果で、自分の評価を測るという傾向すらあった。 ほぼ、女性はキャリアとは無縁の生活をしていた ともいえる。 しかし、いつのまにか、妻が家庭責任を担い、 夫は外で働くという専業主婦世帯よりも共働き世 帯が多くなって、すでに20年ほど経過した。女性 は結婚しても仕事を辞めなくなり、勤務年数も長 くなってきている。多くの女性にとってキャリア がますます身近で大切なものとなっている今、本 稿で日本の女性のキャリアについて過去を振り返 り再考していきたい。 2.キャリア理論レビュー キャリアについては、アメリカで先行して研究 され、多くの理論が発表されてきた。ここでは、 いくつか代表的なものを取り上げ、女性のキャリ アを踏まえながらレビューする。  ライフ・キャリア・レインボー(Life Career Rainbow) アメリカのスーパーは、キャリア発達とパーソ ナルな発達は関連性があるとし、キャリアを単に 職業と考えるのではなく、人生のある年齢や場面 における様々な役割(Life Roll)の組み合わせと 捉えた。そして、ライフロールは互いに影響しあ いながら、その人のキャリアは形成されていくと した。その概念を表現したのがキャリアの虹(Life Career Rainbow)である(図表1)。 ―  ―66

【図表1 Life Career Rainbow】

出所:渡辺三枝子・E.L. Herr『キャリアカウンセリング入門』2001,ナカニシヤ出版,p.83。 オリジナルは Nevill, D. D., & Super, D.E.(1986)

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スーパーは、人は生涯において9つの役割(子 ども、学生、余暇人、市民、労働者、配偶者、家 庭人、親、年金生活者)を演じ、それらの舞台は 様々である、そして、どの役割をどの時期にいく つ演じるのかは、人生を生きていく中で変化し、 各役割に費やす時間や優先順位は人により異なる。 キャリアは職業人の面だけで作られていくのでは なく、家庭やプライベートで担う役割を密接に複 雑に絡み合って形成されていく、とした。 そして、女性はキャリアを歩む中、複数の役割 を背負うことが多い。わかりやすいのは妻や母親 としての役割であろう。これらの役割を労働者と いう役割と同時に演じるケースも多い。まさしく スーパーのライフロールという考え方である。こ の複数の役割を上手くバランスをとりながら演じ、 キャリアを形成していくことになる。 たとえば、子育てをしている時期は、どうして も仕事に100%力を注ぐことが難しくなる。それ は、労働者と労働者以外の役割を同時に担い、か つ、労働者以外の役割に比重を多く取られる時期 だからである。しかし、子どもが成長すると、ま た仕事への比重を徐々に多くすることが可能となっ たりする。 スーパーのこの役割特徴、多重役割の考え方を ジェンダーの視点から論じたクック(2013)は、 「スーパーは、最も初期の研究から、長期的な視 点で、キャリアパターンに性別の違いがあること を理解していた。この性別の違いは、女性が家事 に深くかかわっていることと関連している。 最近になり、賃金労働者として働く女性が増え ているにもかかわらず、基本的なパターンは、少 ししか変化していない。つまり、女性は、賃金労 働者という役割へのかかわりが、まずは強くなる が、その後で弱くなるというように、生涯全体で 変化していく。その一方で、子育てや家事の義務 に対しては、大きな責任を負い続け、生涯全体で 変化がない。」 と男女では歩むキャリアが違う傾 向があり、その原因を女性と家事の結びつきの強 さにあるとしている。そして、「役割のなかには、 性別ごとに社会的に強制されて実行されるものが ある。そういった役割の実行が、中心的なアイデ ンティティとして考えられている。例えば、男性 にとっての賃金労働であり、女性にとっての家事 や家庭における役割である。」 と、家庭での役割 は女性のアイデンティティとして受け止められて いると述べている。  キャリア・アンカー(Career Anchor) キャリア・アンカーとはシャイン(1991)が明 らかにした概念である。アンカー(anchor)とは 船の錨という意味で、錨は船が流れないように船 につないで水底に沈めておくおもりのことである。 そこで、人は職業生活で、自分の軸となるもの、 自分の拠りどころとなるものを持つとし、それを キャリア・アンカーとした。 誰しも、職業生活において、自分は何が得意な のだろうか、自分は何を求めているのか、何をし たいのか、何をしている自分に価値を感じるのか、 ということを突き詰めると、いつしか、自分が必 ず戻りたくなるところ、自分が価値を見いだせる こと、自分らしく働ける分野があることに気づく。 これがその人のキャリア・アンカーである。自分 のキャリア・アンカーを知っておくことで、自分 のやりたい仕事が明確になり、社内での人事異動、 あるいは、転職の際にも仕事とのミス・マッチを 防ぐことができる。 具体的には、シャインはキャリア・アンカーを 次の8つに分類している(図表2)。 ただ、キャリア・アンカーは働き始めてすぐに 見つかるものではなく、自分のキャリア・アンカー に一貫性がみられるようになるには、少なくとも 10年の職業経験が必要という。したがって、 日 本の女性の場合、就業期間が短いため、キャリ ア・アンカーを見つける前に仕事を辞めてしまう ケースが多いと考えられる。 中川(2009)は15年以上の職業経験を持つ女性 ―  ―67

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にキャリア・アンカーについてのインタビューを 行い、「女性たちが働き続けることにこだわった 背景にある能力、価値、動機・ニーズは必ずしも 明らかにならなかった。」 という結果を受け、そ の理由を「現実を生きる女性はキャリアを10年以 上積み重ねた中年期以降、職業人以外にも多くの 役割を担って生きている。たとえある女性が正社 員として長年働き続けていたとしても、そのこと が即仕事中心の生き方であるとは限らない。」 して、女性の場合は、組織で働くことがキャリア であるという考え方を拡大し、私的領域も含めて キャリアを捉える必要性を指摘している。  計画された偶発性理論(Planned Happen- stance Theory) クランボルツ(2005)は、キャリアの8割は予 期せぬ偶然の出来事によって決定される、と提唱 した。すなわち、自分の将来のキャリアを綿密に 計画し、それに向かって進んでいっても、自分の 力ではどうすることもできない「偶然」の出来事 が生じ、計画通りに進めなくなる、そして、その 「偶然」の出来事が自分のキャリアを予期せぬ方 向に導いてくれることがある。だから、「偶然」 を活かしながら、柔軟に自分のキャリアを作って いこう、という考え方である。この理論を「計画 さ れ た 偶 発 性 理 論」( Planned Happenstance Theory)という。 そもそも、人は自分のキャリアを自分で完璧に コントロールできない。たとえば、キャリアに大 きな影響を与える会社の上司や同僚、職務を自分 で選べなかったりする。また、たまたま出会った 人から大きなビジネスチャンスを紹介された、会 社から命令されてチャレンジしてみた仕事が予想 外にやりがいのあるものだった、などというよう なことがある。 クランボルツは、これらの幸運は偶然ではない (Luck is No Accident)と考え、この偶然はいつ 来るのか、どこにあるのかわからない、だから、 この偶然を逃さないようにレッスンをしておこう とアドバイスしている(図表3)。 ―  ―68 【図表2 キャリア・アンカーのカテゴリー】 ① 専門・職能別コンピタンス (Technical/Functional Competence) 専門性のある特定の業界・職種・分野にこだわり、専 門性を追求していく。 ② 全般管理コンピタンス

(General Managerial Competence)

経営管理に関心を持ち、専門的な仕事に特化するので はなく、組織内の責任ある地位につき、部下を統率し ながら、組織の期待に応える。 ③ 自律・独立 (Autonomy/Independence) 組織内の規範に束縛されず、自分のやり方、自分の ペースで仕事を進める。 ④ 保障・安定 (Security/Stability) 生活の保障・安定を大切にする。リスクの高い冒険を 望まず、地道な生活を好む。 ⑤ 起業家的創造性 (Entrepreneurial Creativity) 自らのアイデアで新しい製品やサービスを開発する、 新たに起業、創業する。 ⑥ 奉仕・社会貢献 (Service/Dedication to a Cause) 人のために役立ちたい、社会のために尽くしたいとい う感覚を重要視する。 ⑦ 純粋な挑戦 (Pure Challenge) 何事にも、あるいは誰にでも勝ちたいと考える、困難 な問題に挑んでいく。 ⑧ 生活様式 (Lifestyle) 仕事と私生活のバランスを求める。個人の欲求と家族 の希望のバランスをとる。 出所:金井壽宏『キャリア・アンカー』白桃書房,2003を参 考に筆者作成。 【図表3 重要なレッスン】 ・将来何になるか、決める必要はない。 ・想定外の出来事があなたのキャリアに影響を及ぼすこと は避けられない。 ・現実は、あなたが考える以上の選択肢を提供しているか もしれない。 ・いろいろな活動に参加して、好きなこと・嫌いなことを 発見する。 ・間違いを犯し、失敗を経験しよう。 ・想定外の幸運な出来事をつくりだそう。 ・どんな経験も学びへの道。 ・仕事以外でも満足感を得られる活動に携わる。 ・内面的な障害を克服するために、 新しい考えや経験に オープンであり続ける。 出所:J. D. クランボルツ・A. S. レヴィン著, 花田光世・ 大木紀子・宮地夕紀子訳『その幸運は偶然ではないん です!』ダイヤモンド社,2005年,p.221222から抜粋。

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クランボルツは女性のケースとしてダイアナの 事例を挙げている。エンターテインメントの会社 で精力的に働いていたダイアナは、夫の転勤で会 社を辞め、夫についていく。そして、夫の赴任地 で、今までの仕事とは全く異なる業界の教育関係 会社に勤めることになった。彼女は違う仕事であっ ても基本は同じであり、仕事を遂行するために必 要な知識はこれからでも十分に身につけることが できるとポジティブに考え、チャレンジしていく。 その結果、その仕事にやりがいを感じるように なったのである。このように、想定外の出来事 が自分を成長させていくことがある。大切なこと は偶然ふりかかってきた出来事をどのように活か すのか、ということなのである。  ナ ラ ティブ・ア プ ローチ(Narrative Ap- proach) ナラティブ・アプローチはサビカス(2015)が 提唱したキャリアへのアプローチである。ナラティ ブ(narrative)とは、「物語」、あるいは「物語る 行為」であり、サビカスは本人にキャリアを語っ てもらうことで、キャリアを理解するという手法 を用いている。 近年、社会は急速に変化している。20世紀の組 織は、個人に対し安定した契約のもと、ある程度 予測できるキャリアの道筋を示すことができた。 しかし、21世紀の組織は、不安定で不確実であり、 その中で個人は自分自身のキャリアのコースを描 くことが難しい。そのため、人々は組織が示して くれるキャリアの中で生きるのではなく、自分自 身がストーリーの著者になり、いろんな場面にお いて、自分自身で決断、行動しながら、オリジナ ルなキャリアを作っていく必要がある。 個人のオリジナルなキャリアはその人自身にし かわからない。周りの人は、その人の歩みを見て、 なぜその方向に進んだのだろうか、どこへ向かっ ているのだろうか、と疑問を持っても、答えはわ からない。それはその人自身が持っていて、その 人自身に説明してもらうしかないのである。 したがって、サビカスはこの個人のキャリアス トーリーをその人自身に語らせる、という手法を 用いて、その人のキャリアを分析している。 荒木・佐藤(2018)は、子育て期の働く女性へ のキャリア支援を目的として、ナラティブ・アプ ローチを用いた研究を行っている。具体的にはワー クショップを開催し、「参加者同士が葛藤や問題 を共有した上で、仕事と家庭の肯定的な関係性に も目を向けながら経験を意味づけ、未来の子ども に向けて母親であり職業人でもある自己を物語る 作品を作成する活動」 を行った。これは、出産・ 育児による変化を受け入れつつ仕事と家庭のポジ ティブな関係に目を向けることが新たな自己像を 描くためには重要なのではないか、という考えか らである。そして、その成果を「事後に参加者の 仕事と家庭の関係に対する肯定的感情や将来への 希望が向上するなど、子育て期の働く女性のキャ リアを支援するものであったといえる」 として いる。 3.企業内での女性の働き方の変遷    ~先行研究より~ ここでは、日本の女性のキャリアの歴史を振り 返る。まず、女性の場合、非正規労働者として働 くことも多いが、本稿では正社員に限定して考え る。また、本稿は、近年の女性のキャリア再考を 目的としているため、1980年代以降の女性のキャ リアをみていく。海老原(2012)が、1980年頃か ら約30年間にわたる企業内での女性の働き方の変 化を着実に再現しているので、それをベースに次 の~の年代に分けて整理してみる。  1980年頃 この当時の女性の働き方は、「腰掛け OL 」「寿 退社」「職場の花」という言葉に象徴される。す なわち、結婚までの短期間、一時的に会社に勤め、 職場を華やかにしてくれる OL という働き方であ ―  ―69

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る。一般的に、女性は「短大を出て、たった三年 か四年会社に勤め、その間に、恋もして、人生を ともにする男を見つけ」、会社は「寿退社(結婚 退職)を前提に、女性社員を雇っていました」 いう。そのため、10年以上会社勤めをする女性は 少なかった。 そして、このころは男女別の募集・採用が許さ れていた。1984年の旧労働省による企業調査 状況をみてみよう(図表4)。募集については、 四大卒は、男子のみ募集64.7%、女子のみ募集1.7% であるから、圧倒的に男子に門が広く開かれてい た。一方、女子だけをみると短大卒の女子のみ募 集は37.7%であるから、四大卒より短大卒の方が 就職に強かったのである。また、採用についても 募集と同じ傾向がみてとれる。 すなわち、一般的な企業のニーズとして、男子 は四大卒、女子は短大卒を採用する、というのが 主流だった。さらに、当時は男女別に採用条件を 設定するということも行われており、企業は女性 に男性とは異なる働き方を求めていたのである。  1980年代後半 男女雇用機会均等法が1986年に施行され、四大 卒女性を対象とした総合職への女性採用が進んだ。 いわゆる均等法第一世代の女性たちである。それ まで、就職には短大が有利とされていたが、四大 卒の女性の就職にも光がさしてきた。しかし、こ の時期、企業はまだ男性社会であり、女性を戦力 として育成する体制は確立しておらず、均等法第 一世代の多くの女性たちは早期に退職していく。 男女雇用機会均等法施行と企業の女性採用の状 況については、永峰(1991)も、「均等法施行以 降の人事管理で、目立った変化が現れたことの一 つに、四年制大卒女子の優良企業への就職が進ん だことがあげられる。」 と述べ、その中身を「旧 来、四大卒女子は、民間の優良企業というよりは、 公務員、教師、中堅サービス業(出版、市場調査 など)に多くシフトしていたが、現在では就職 ルートは相当拡大した。 この変化は、均等法の啓発効果も若干あるだろ うが、営業、カウンターサービス、情報・通信サー ビス、企画調査、エンジニアリングなどに四大卒 女子を配置し始めたことが大きい。優良企業の場 合、これらの職域そのものが拡張し、四大卒レベ ルの女子が必要となってきたことの事情を反映し たものであろう。 旧来、短大・高卒を選好してきた企業が、四大 卒女子もとり始めたことは、女子の職域の上限を 拡げるうえで大きな変化である。」 と分析してい る。  1991年バブル崩壊 1991年バブル景気の終焉とともに、女性の働き 方が変化する。企業は景気悪化により新卒採用、 特に一般職の採用を抑制したため、短大卒の女性 の主な就職口が閉ざされてしまったのである。こ の頃から短大卒が四大卒より就職が有利であると いう神話が崩れていく。 不況により、多くの企業で採用が少なくなる中、 特に激減したのは事務系社員で、女子学生にとり 厳しい状況であった。新聞上で行われた大企業の 人事担当者による座談会 で、当時の採用実態を 反映しているものがある。そこでの人事担当者の 声は、「不況時の採用は短大卒、高卒の一般職女子 にしわ寄せがいく。」「就職雑誌のアンケートで 女子の人気度ナンバーワンに選ばれたが、長期計 画に基づいて採用は抑えめだ。今春は大卒二百人、 短大卒百五十人を採用したけれど、来春は大卒女 ―  ―70 【図表4 1984年の企業の募集・採用状況】 【短大卒】 【四大卒】 37.8% 男女とも公募した企業 33.6% 男女とも公募した企業 24.5% 男子のみ公募した企業 64.7% 男子のみ公募した企業 37.7% 女子のみ公募した企業 1.7% 女子のみ公募した企業 29.2% 男女とも採用した企業 31.4% 男女とも採用した企業 23.4% 男子のみ採用した企業 64.2% 男子のみ採用した企業 47.5% 女子のみ採用した企業 4.3% 女子のみ採用した企業 出所:労働省婦人局「昭和59年女子労働者の雇用管理に関する調査」 注  本表は、四大卒を公募した企業は24.8%、短大卒を公募した企業 は19.9%、四大卒を採用した企業は22.6%、短大卒を採用した企業 は20.3%の中での数字である。

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子百人に絞り、短大卒には遠慮してもらう。」「今 年は相対的に男子学生のレベルが上がり、その結 果、女子を採らないこともあり得るな。」 という 非常にシビアなものである。  1990年代半ば 緩やかな景気回復期に四大卒を対象とした総合 職としての新卒採用は一時的に少し就職状況がよ くなるものの、まだバブル崩壊後の採用削減が続 いており、女性の総合職採用はそんなに進まな かった。しかし、それ以上に短大卒を対象とした 就職は全く回復の兆しはなかった。その背景には、 一般職の仕事を正社員ではなく派遣社員に置き換 えるという企業の動きがあった。 伊田(1991)は、それまで女性正社員が担って きた事務の仕事を派遣労働者に任せていく当時の 状況を企業は「OA 化の進展で生じた大量の定型 的・低技能的事務処理作業を、人事コスト面を考 慮して女子派遣労働者によって、必要なときに必 要なだけまかなおうとしている」 からだとし、 それまで「企業特殊性が強かった事務労働が、OA 化のために規格化され、それが技能の一般化をも たらし」、その結果生じたことだと分析している。 また、古武(2011)は、女性事務職というカテゴ リーに、正社員と派遣労働者が混在していると指 摘し、企業は派遣労働者の特性を理解した上で活 用していくことが重要だとしている。  1990年代後半以降 やっと、女性が総合職として企業に採用される のが一般的なパターンになってきたのは、1990年 代終盤である。ちょうど、1992年から育児休業法 (現在は育児・介護休業法)が施行され、女性にとっ て結婚・出産しても退職せずに働き続けやすい環 境が整い始め、総合職の女性が普通に長期間勤務 するようになってきた。 企業の動きを確認してみよう。大手商社である 三井物産が1999年に成果主義を導入し、それまで あった事実上の男女別雇用管理であった一般職と 総合職の区別もなくし、一本化している。また、 自動車会社大手のマツダも2001年の採用から事務 系社員について、総合職と一般職の区別をなくす としており、女性も総合職として活躍してもらお うという動きが活発化しているのがわかる。 4.統計からみる働く女性の変化 前述3.のとおり、女性の働き方は大きく変化 してきている。ここでは、その変化について、視 点を変え統計データからみていきたい。具体的に は、勤続年数、学歴、世帯、性別役割分担意識を 取り上げる。  勤続年数 まず、女性の勤続年数の変化をみてみる。図表 5に、1997年から直近の2019年までの男女別の平 均勤続年数を示した。1997年当時の平均勤続年数 は女性8.4年、男性13.3年であり、男性の方が約5 年近く長い。それが、2019年になると、女性9.8 年、男性13.8年と、その差は4年にまで縮まって いる。この20年間、男性は平均勤続年数にほぼ変 化がないが、女性のそれは確実に伸びていること がわかる。  学歴 学歴は女性の働き方に関係すると考えられる。 なぜなら、まず、四大卒と短大卒では、雇用の入 口の段階で採用基準や労働条件、入社後には仕事 内容や人材育成プログラムが異なることがあるか らだ。そこで、ここでは女性の進学率の変化を男 性と比較しながらみていく(図表6)。 1980年頃、女性の進学率は、四年制大学12.3%、 短大21.0%と短大への進学率の方が高い。一方、 男性は四年制大学39.3%、短大2.0%と、四年制大 学への進学率がはるかに高い。当時は、高校を卒 業して進学する場合、男性は四年制大学、女性は 短大へ行くのが一般的であった。 ―  ―71

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前述3.でみたとおり、1980年当時は、男女別 の採用枠であった。基本的に企業は男性を長期間、 基幹的な仕事をしてもらう労働力として、女性を 結婚までの短期間、補助的な仕事をしてもらう労 働力として採用していた。そして、補助的な仕事 を担当する女性労働力として短大卒の女性が適任 だと考えられていたため、四大卒の女性に任せる 仕事がなく、必然的に四大卒の女性は就職が難し かったのである。女性が四年制大学よりも短大を 選んだ背景要因にはこのような当時の企業の採用 状況もあったと考えられる。 その後、2018年までの長期的な変化をみてみよ う。男性の場合、短大への進学率は横ばいである が、四年制大学への進学率が右肩上がりで増加し ており、2018年には56.3%に達している。男性が 四年制大学へ行くのは1980年頃よりもさらに一般 化したといえる。 次に、女性の進学率を長期的にみてみる。短大 の進学率は1994年頃までは微増傾向だが、その後、 一気に低下し、2018年には8.3%にまで落ち込んで ―  ―72 【図表5 勤続年数の推移】 注)数値は一般労働者の平均勤続年数である。 出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 【図表6 男女別進学率の推移】 出所:文部科学省「学校基本調査」

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いる。一方、四年制大学への進学率は、1990年頃 より右肩上がりに増加し、2018年には50.1%と半 数を超えている。1980年頃は短大への進学率が圧 倒的に高かったが、1996年頃を境に、四年制大学 への進学率の方が高くなるという逆転現象が起き ている。そして、現在、女性においても男性同様、 四年制大学へ進学するのが一般的なコースとなっ ている。 橘木(2020)は、この女性の四年制大学への進 学率の急激な増加という現象について、短大の進 学率の減少とセットで生じたものだとし、「過去 であれば経済的な理由でもって短大であきらめて いた女性が、家計が裕福になったので四年制大学 に進学するようになったと考えてよい。これに加 えて、女性が将来の職業生活を考えて、より技能 を高められそうで、かつ水準の高い大学で勉強し たい気持ちが強くなった理由もある。さらに、企 業側も短大卒に替えて、大学卒を多く採用するよ うになった事情も無視できない。」 と、各家庭が 経済的に豊かになったこと、女性自身の勉学意欲 の高まり、そして、企業側の女子学生の採用状況 が短大卒から四年制大卒へとシフトしたことをそ の要因として挙げている。 実際、企業の短大採用枠は減少傾向にある 大半の企業が男女ともに四大卒の学生を対象とし た採用活動をしている。いま、女子学生の就職活 動を考える場合、短大卒よりも四大卒の方が多く の企業に応募できるということである。このよう な就職状況も女性の四年制大学への進学率に影響 を与えていると考えられる。  専業主婦世帯と共働き世帯の比較 家庭を持ったときに、仕事との兼ね合いをどう するのかは、女性の働き方に大きく影響する。す なわち、専業主婦になるのか、それとも仕事と家 庭を両立するのか、の選択である。ここでは、専 業主婦世帯と共働き世帯の世帯数の比較をしてみ る(図表7)。 1980年当時は専業主婦世帯1,114万世帯、共働き 世帯614万世帯である。専業主婦世帯数は共働き ―  ―73 資料出所:1980~2001年は総務省「労働力調査特別調査」 2002年以降は総務省「労働力調査」 (注1) 「専業主婦世帯」は、夫が非農林業雇用者、妻が非就業者(非労働力人口と完全失業者の合計) の世帯としている。 (注2) 「共働き世帯」は、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯としている。 (注3) 2011年は岩手県、宮城県及び福島県を除く数値である。 【図表7 専業主婦世帯と共働き世帯の世帯数の推移】

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世帯数の約1.8倍であり、圧倒的に専業主婦世帯が 多かった。女性は結婚後、家庭に入るのが一般的 だったのである。ところが、1990年代になると、 両者の割合が拮抗してくる。そして、2000年以降 は、顕著に共働き世帯が増加していき、それに反 して専業主婦世帯が減少していく。2019年現在、 共働き世帯1,245万世帯、専業主婦世帯575万世帯 と、共働き世帯数が専業主婦世帯数の2倍以上と なっている。図表7をみると、共働き世帯数と専 業主婦世帯数がきれいに逆転していく様子がみて とれる。 1990年代以降、顕著になってきた共働き世帯の 増加について、大石(2017)は、その中身を詳細 に分析している。まず、最初は45歳以上という年 齢層で妻が働き始めるケースが表れる。これは、 結婚・出産を機に退職した女性が、育児から手が 離れるようになるとパートタイム労働者として再 就職していると考えられ、その要因は、バブル崩 壊後、夫の収入が減少したことを補う必要があっ たこと、IT 化、サービス経済化の進展により女性 が労働参加しやすくなったこと、税金や社会保険 の制度による専業主婦への保護枠が縮小したこと などとしている。その後、2005年以降になると、 20代後半から30代前半の比較的若い年齢層で週35 時間以上働く妻の割合が明らかに上昇していると し、正規労働者が結婚・出産を機に退職せずに就 業を継続するパターンが増加してきているとして いる。そして、その要因として、育児休業制度や 保育サービスの拡充があるのではないか、と指摘 している。  性別役割分担意識 山谷(2011)、竹田・山下・大石・正保(2015) 等、性別役割分担意識が弱いほど、女性の就業意 識が高まるとする研究は多い。 このように性別役割分担意識は女性の就業に影 響を与えていることから、ここでは、性別役割分 担意識の変化をみていく。性別役割分担意識とは、 「男は仕事、女性は家庭」、すなわち、男性は外で 働いて生活費を稼いでくる性、女性は家庭で家事 と育児を担う性というように、性別によって役割 は異なっていると考える意識のことである。 図表8をみると、1972年には、男女ともに性別 役割分担意識に賛成する割合が80%を超えていた が、年を追うごとに低くなり、2019年には、男女 とも半数に満たなくなっている。特に、女性の場 合、60%以上がこの考え方に反対としている。続 いて、実際に働く女性の状況を総務省の労働力調 査による女性の年齢階級別労働力率でみてみると、 1975年 に は2024歳66.2%、2529歳42.6%だった のが、2018年には2024歳74.8%、2529歳83.9% にまで高くなっており、性別役割分業意識を反対 する割合と比例するかのように、学校卒業後、社 会に出て働く女性は増えているのがわかる。 ―  ―74 出所:内閣府「男女共同参画に関する世論調査」「婦人に関する世論調査」 【図表8 性別役割分担意識の変化】

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個人が持つ価値観はキャリアに影響を与える。 女性の場合、まず、社会に出て働く意識が高いこ とがキャリアをスタートさせる第一歩となり、そ の後キャリアを継続していくときにも重要となる。 性別役割分担意識の支持率が男女ともに低下傾向 にあるということは、これからの女性のキャリア 形成に追い風となる可能性がある。 また、働く意識の醸成には、幼い頃からの家庭 内、学校内での教育は重要な役割を持つ。性別に 捉われない、各人の個性を活かすキャリア教育に 期待したい。 5.女性のキャリアと法律 女性のキャリアには働く環境が大きく影響する。 女性がキャリアを継続したいと望んでも、会社が そのような環境を整えていなければキャリアを断 念せざるを得ない。働く環境は企業が整備するも のであり、女性は自分自身で環境を準備できない。 そして、企業が労働者の就業環境を整備する際、 法律を遵守することは基本となる。したがって、 女性労働に関する法律が成立あるいは改正される、 と自然と女性の働く環境が変化すると考えられ る 女性の就業環境に影響を与えているとされる法 律には、まず、 前述3.に記述されている男 女雇用機会均等法、育児・介護休業法がある。そ れ以外に、次世代育成支援対策推進法、女性活躍 推進法も考えられる。ここでは、この4つの法律 を順にみてみる。  男女雇用機会均等法 1985年に成立し、1986年から施行されている。 労働者が性別により差別されることなくいきいき と個性を発揮し、働くことができるようにルール を定めている。 成立当初は、女性保護を目的とした福祉的性格 を持つ法律であった。企業が守るべき事項も努力 義務が多く、女性差別をしないことを形式的に整 えた企業が多かった。そこで登場した策がコース 別雇用管理である。それまでの男性採用を総合職、 女性採用を一般職とし、どちらの職も男女双方に 門戸を開いた。総合職は将来企業の幹部となりう る職種で、転勤に応じることが条件で、一般職は 補助的な仕事を行う職種で、転勤はないが、仕事 の幅や質が制限される。 しかし、表向きは、男女共通のコース別雇用管 理を敷いたものの、実態は、いままで通り男女別 雇用管理が行われ、総合職として入社した女性を 育てる教育プログラムもなく、それまで通り男性 と同様の働き方が求められた。 このように緩やかな規制でスタートした男女雇 用均等法であったが、1997年の改正で企業の姿勢 は変化をみせる。この改正はそれまでの努力義務 を義務化に強化し、採用から退職までの雇用にお けるすべてのステージで女性を男性と均等に扱う よう求めるものであった。女性の均等取扱いが義 務化となったことで、企業は女性を男性と同じよ うに育てようと考えていく。同時に労働基準法も 改正され、女性だけに認められていた深夜労働や 休日労働の保護枠も撤廃されたこともあり、総合 職の女性も男性と同じ条件で働けるようになり、 教育指導も行いやすくなった。 その後、2007年には、男性も保護の対象とし、 両性に開かれた法律となり現在に至っている。  育児・介護休業法 働く女性にとって、長らく、育児と仕事の両立 は大きな壁であり、労働基準法で決められている 産前6週間、産後8週間の休業だけでは、その後 復帰して育児と両立することが非常に難しかった。 また、日本の女性の合計特殊出生率は低下を続け、 1989年には1.57まで落ち込んだため、国も少子化 対策をとる必要性に迫られていた。 そのような中、育児休業法が1991年に成立、1992 年から施行された。出産後も働きたい女性にとっ ては念願の法律であった。そして、この法律では、 ―  ―75

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男女ともに子どもが1歳になるまで育児休業を取 得できると定められた。性別役割分担意識がまだ まだ強い当時、育児休業法が成立時より男性も対 象としていたことは画期的なことであった。 その後、わが国では少子化だけでなく、高齢化 も進み、介護の問題も大きな課題となり、介護休 業の定めを育児休業法の中に盛り込み、名称を育 児・介護休業法へと改正し、1995年から施行され た。 さらに、現在、育児面に関しては、子どもが病 気・けがをしたときのための看護休暇の義務化、 有期雇用者など休業を取得できる対象者の拡大、 職場復帰してからの短時間勤務制度の義務化、父 母がともに育児休業を取得する場合には、休業取 得可能期間を延長する など、 ますます充実した 法律の内容となっている。  次世代育成支援対策推進法 次世代育成支援対策推進法は、少子化が進行す る中、次世代の子どもたちが健やかに生まれ、育 成される環境を整備するために2003年に成立した 時限立法である。この法律では、国、地方公共団 体、企業、国民が担う責任を明確にしている。 この法律のもと、一定の規模以上の企業には、 従業員の仕事と子育ての両立支援について「一般 事業主行動計画」を策定する義務が課せられてお り、子育てを行う従業員のための雇用環境整備を 計画していかなければならない。 また、一般事業主行動計画を提出し、計画に沿っ て実行し、一定の基準をクリアした場合「子育て サポート企業」として、厚生労働大臣よりくるみ ん認定を受けることができる。この認定の証を 「くるみんマーク」(図表9)という。すでに、 くるみん認定を受けている企業がさらに高水準の 子育て支援の取組みを行った場合、プラチナくる みん認定を受けることができ、その認定の証が 「プラチナくるみんマーク」(図表9)である。 認定された企業は、これらのマークを広告や商 品に用いることができ、子育てに積極的に取り組 んでいることを社会にアピールできる。くるみん 認定企業は、2020年3月末時点で3,312社となって いる  女性活躍推進法 女性活躍推進法は、働く女性が個性と能力を存 分に発揮できる社会の実現を目指して、2015年に 成立した時限立法である。この法律により、国・ 地方公共団体、一定規模以上の企業は、女性の活 躍状況の把握・課題分析、課題解決のための数値 目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・ 周知・公表、女性活躍に関する情報公表を行わな ければならない。また、行動計画の届け出を行っ た企業の中、女性活躍に関する取組の実施状況が 優良な企業は、厚生労働大臣から「えるぼし認定」 (図表10参照)を受けることができ、認定企業は、 2020年3月末時点で1,056社 にのぼっている。 ―  ―76 出所:厚生労働省ホームページ 【図表9 くるみんマーク】 出所:厚生労働省ホームページ 【図表10 えるぼし認定マーク】

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6.むすびに 本稿では、日本の女性のキャリアについて、近 年、どのように変化をしたのかをいくつかの視点 から振り返った。まずは、企業で働く女性正社員 の状況の変化を5つの時代に分けて検討した。次 に、勤続年数、学歴、専業主婦世帯と共働き世帯、 性別役割分担意識の統計データから女性の働き方 の変化を考察した。そして、女性の働き方に影響 を与えたとされる法律を取り上げ整理した。 明らかになったこととして、女性の働き方は、 女性自身の意識という内的要因だけで決定される ものではなく、企業からのニーズ、家庭での役割 の状況など、複数の外的要因が絡んで決まってい くことが挙げられる。そして、女性の働き方に影 響を与える外的要因も何かの影響を受けている、 たとえば、企業からのニーズが法律内容の影響も 受けていたり、家庭での役割の状況が制度の整備 度合い、男性の意識等の影響を受けていたりする。 つまり、女性の働き方は自分自身の気持ちだけで なく、何層にも重なり複雑に入り組んだ外的要因 に左右されやすい面があるのである。 本稿では、女性の働き方の変化について表面的 にしか再考できなかった。女性の働き方に影響を 与える要因を細かく分析していくことが今後の課 題であろう。 (注)  エレン・ピエール・クック(2013)、134135ページ。  エレン・ピエール・クック(2013)、135ページ。  シャインが行ったスローン・スクール同窓生への長期 にわたる継続的な研究による。  2019年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」による と、男性一般労働者の平均勤続年数13.8年に対し、女 性一般労働者は9.8年である。  中川(2009)、162ページ。  中川(2009)、163ページ。  J. D. クランボルツ・A. S. レヴィン(2005)、1112ペー ジ。  荒木・佐藤(2018)、110ページ。  荒木・佐藤(2018)、112ページ。  海老原(2012)、17ページ。  海老原(2012)、18ページ。  当時の労働省婦人局「昭和59年女子労働者の雇用管理 に関する調査」による。  永峰(1991)、103ページ。  永峰(1991)、108ページ。  日本経済新聞1993年8月9日朝刊36ページ「人事担当 者座談会、「数」優先崩れた採用」。  と同じ。  と同じ。  と同じ。  伊田(1991)、155ページ。  伊田(1991)、155ページ。  日本経済新聞1999年7月1日朝刊17ページ。「成果主 義の賃金体系、三井物産が導入」 日本経済新聞1998年3月16日朝刊1ページ。「年功賃 金、三井物産が全廃」  日本経済新聞1999年8月27日朝刊15ページ。「マツダ、 一般職・総合職分けずに採用、2001年春入社から」  橘木(2020)、97ページ。  女子学生の就職の現状を的確に捉えていると考えられ る就職情報誌『就職四季報(女子版)』で短大卒学生 の就職状況をみてみた。2009年版では、285社中四大 卒採用250社、短大卒採用79社であったが、2020年版 では、340社中四大卒採用316社、 短大卒採用55社と なっており、短大卒採用割合は28%から16%に低下し ている。  古武(2008)(2009)  この制度は「パパ・ママ育休プラス」といわれている。  「くるみんマーク」は赤ちゃんが大切にくるまれてい る「おくるみ」と「職場ぐるみ・会社ぐるみ」で子育 てをサポートしていこう、という意味が込められてい る。  厚生労働省ホームページ(https:/ /www.mhlw.go.jp/ general/seido/koyou/jisedai/sekoujyoukyou.html) (閲覧日2020年10月1日)  厚生労働省ホームページ(https:/ /www.mhlw.go.jp/ stf/seisakunitsuite/bunya/0000129028.html)(閲覧 日2020年10月1日) 参考文献 全米キャリア発達学会,仙武・下村英雄編訳(2013) 『D・E・スーパーの生涯と理論』図書文化社。 エレン・ピエール・クック,榧野潤訳(2013)「役割特徴 と多重役割:ジェンダーの視点から」全米キャリア発 達学会,先武・下村英雄編訳『D・E・スーパーの 生涯と理論』図書文化社、126142ページ、所収。 エドガー H. シャイン著,金井壽宏訳(2003)『キャリア・ アンカー』白桃書房。 エドガー H. シャイン著, 二村敏子・三善勝代訳(1991) 『キャリア・ダイナミクス』白桃書房。 中川浩子(2009)「シャインの『キャリア・アンカー自己 ―  ―77

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分析表』による女性へのインタビュー調査の限界と可 能性」『東京女子大学紀要論集』第60巻1号、145167 ページ。 J. D. クランボルツ・A. S. レヴィン著,花田光世・大木紀 子・宮地夕紀子訳(2005)『その幸運は偶然ではない んです!』ダイヤモンド社。 マーク・L・サビカス著, 乙須敏紀訳(2015)『サビカス  キャリア・カウンセリング理論』福村出版。 荒木淳子・佐藤朝美(2018)「子育て期の働く女性のキャ リア支援を目的としたデジタルストーリーテリング・ ワークショップの開発と評価」『日本教育工学会論文 誌』41巻 suppl. 号、109112ページ。 海老原嗣生(2012)『女子のキャリア』筑摩書房。 永峰幸三郎(1991)「労働市場と女子雇用」p.91129「新・ 女子労働論」竹中恵美子編 古武真美(2011)「女性事務職における派遣労働者の活用」 『近畿大学短大論集』第44巻第1号、1120ページ。 伊田広行(1991)「ME 化と女子労働」p.131167「新・女 子労働論」竹中恵美子編 橘木俊詔(2020)『女子の選択』東洋経済新報社。 東洋経済新報社(2007)『就職四季報(女子版)2009年版』 東洋経済新報社。 東洋経済新報社(2018)『就職四季報(女子版)2020年版』 東洋経済新報社。 大石亜希子(2017)「1980年代半ば以降の雇用共稼ぎの増 加とその背景」『日本労働研究雑誌』2017年12月号、 No.689、416ページ。 山谷真名(2011)「妻の性別役割分業意識が就業選択に与 える影響の国際比較分析」『生活社会科学研究』第18 巻、6782ページ。 竹田美知・山下美紀・大石美佳・正保正恵(2015)「女子 大学生の生活環境と将来設計」『神戸松蔭女子学院大 学研究紀要人間科学部篇』第4巻、4358ページ。 古武真美(2008)「改正均等法がオフィスワーカーに与え る影響に関する一考察―これからの秘書教育に関連さ せて―」『近畿大学短大論集』第41巻第1号、2538ペー ジ。 古武真美(2009)「女性オフィスワーカーが望む育児支援」 『近畿大学短大論集』第42巻第1号、1327ページ。 ―  ―78

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