高齢ドライバーのためのミラーリング法による
メタ認知教育プログラム開発
― 平成 23 年度(本報告) タカタ財団助成研究論文 ―
研究代表者
太田 博雄
研究実施メンバー
報告書概要
本研究では、個人対応型・参加型の教育方法を開発するために「ミラーリング法」の応用を試みた。ミラーリング 法はもともとフィンランドにて開発された教育方法であるが、その内容は他人の運転振りを見て、自分の運転振りを 振り返り、正しい自己理解につなげるという考え方である。筆者はこの考え方をもとに新たな安全運転教育法「他者 観察法」として作り直した。 昨年度の研究では、この「ミラーリング法」による教育の可能性を検討すべく、教育効果測定を行ったところ、教 育直後には指導員評価の上昇と自己評価の低下(過剰な自信の修正)という安全性についていえば望ましい方向へ変 化したものの、3ヶ月後にはこの教育効果が消滅するに至った。そこで、今年度は、教育によって得られた安全性を いかに定着させるが課題となった。その方法として、森田療法などで効果を上げている「日記療法」に着目し、その 応用を試みることで解決を図った。具体的には、参加者に対して教育後さらに1週間にわたり、自身の運転ぶりを自 己評価表に記録するよう求めた。自分の行動を記録することは、自らを客観視する技能(メタ認知機能)を培う効力 があるといわれる。そして、その結果は、3か月経過後もなお、教育効果が持続しうるというものであった。この結 果が確かなものか否かについては、さらなる教育の実践によって証明されなければならないが、これからの安全教育 が、従来のようなトレーナーによって教え込まれる形ではなく、運転者自身の責任のもとで、自らが安全行動を学習 しうる技能教育に進む可能性が認められた。目次
高齢ドライバーのためのミラーリング法による メタ認知教育プログラム開発 第 1 章 はじめに 第 2 章 目的 第 3 章 方法 3.1 調査参加者について 3.1.1 教育実施場所 3.1.2 教育実施群と教育非実施群の等質性の検討 3.1.3 運転頻度 3.1.4 運転目的 3.2 教育内容 3.3 教育効果測定 3.3.1 運転行動評価 3.3.2 自己評価 3.3.3 認知機能検査 3.4 データ分析方法 第 4 章 結果 4.1 指導員評価 4.1.1 教育実施群と教育非実施群での指導員評価の差の検定 4.1.2 指導員評価の教育前後の変化率 4.1.2.1 指導員評価平均値 4.1.2.2 類型別指導員評価 4.2 自己評価 4.2.1 自己評価平均値 4.2.2 類型別自己評価 4.3 認知機能と安全運転 4.3.1 ストループ効果と運転行動評価 4.3.2 認知機能と教育効果 第5 章 まとめと今後の課題 参考文献 付録(資料)第
1章
はじめに
従来の交通安全教育は、ややもすると一方的な教え込みの教育が多かったように思われる。たとえば、事故統計を 用いて高齢者の一時不停止による事故の多さを指摘したうえで、「一時停止を守りましょう」と呼びかけるといった 教育内容である。事故情報を共有し、それによってドライバーの意識を喚起する点では有効と思われる。しかしなが ら、この教育方法には問題もある。個人対応でない点である。一般的な情報の提供は、あくまでも一般論であり、自 分の問題として捉える程度については弱い可能性がある。参加者たちは、一時不停止による事故が多いことは理解し たが、「私は大丈夫」と思う傾向も強い(ポジティブ幻想1))。いわば他人ごととして受け取る可能性が高いのであ る。事実、一時停止をきちんとしているかどうかをたずねると多くのドライバーはきちんと停止していると高い自己 評価を行う。しかし、実際に運転してもらうと一時停止をきちんとしているドライバーは少ない。筆者らが参加した 青森での「一時停止・確認キャンペーン」にて行った調査では、80 パーセント以上のドライバーは十分な減速をする こともなく通過した(太田博雄 20042)3))。そもそも主観的世界と客観的世界の間には乖離がある。 本研究テーマに付した「メタ認知」だが、メタ認知の「メタ」とは「上位」とか「背後の」という意味の接頭語で ある。メタ認知とは「認知の認知」ということになる。「見る自分をもう一人の自分が見ている」ことを私たちはし ばしば経験する。メタ認知によって、私たちは日ごろの自分の行動をコントロールしていると考えられる。運転行動 においてもメタ認知が関わっている。自分の現在の運転ぶりをモニターし、その安全性を評価することによって、安 全運転の実行に結びつくことになる。しかし、自分自身の運転行動をどの程度客観的に認知しているかというと、先 に述べた一時停止行動のように不十分と言わざるを得ない。ここに、メタ認知技能の教育が必要となる。 メタ認知の重要性とその教育の必要性については、ヨーロッパでの初心者教育プログラムの指針のなかでも指摘さ れている。その指針は GDE モデル4)として提案された。GDE モデルでは、初心ドライバー教育における教育内容が述 べられている。つまり、安全なドライバーを作るための教育として、何を教えるべきなのかが述べられている(表1 参照)。この GDE モデルのベースとなっているのが、オランダのミション5)やフィンランドのケスキネン6)による運 転行動モデルである。ケスキネンはミションのモデルをより洗練させて階層モデルを構築したが、そのなかで、彼は 運転の安全度が運転技能だけで決まるのではないことを明確化した。安全のためにどの程度の運転技能が必要かは、 上位にある危険予測力の程度によって決定するし、どの程度の危険予測力が必要かは、さらに上位にある運転計画性 によって決まる。例えば、約束の時刻に間に合うための余裕のある出発時刻に頓着しなければ、結果として急ぎ運転 となり、時には危険と知りながら近道を利用してしまう。急ぎ運転や危険発生の可能性の高い道を運転するときには、 より高い危険予測力が必要になってくるし、より高い運転技能も求められる。従って、危険予測力や運転技能を向上 させても、より上位の安全性を高めなければ真の安全性は実現できないのである。そして、最も高次レベルに位置す る資質として感情コントロール力が挙げられる。イライラしたり、カッとなったときにいかにして自分を制御できる かは、先行車への接近や速度オーバーなどの危険行動を抑制することにつながる。従って、高齢者にあっても、高次 レベルの安全性が高ければ衰えた運転操作技能を補うことも可能になるというシナリオが可能になる。 GDE モデルでは、ドライバー教育内容として、このような各次元での運転行動に影響を及ぼす内容と、それぞれの 次元において発生しうる危険性と、さらに、各次元における自分の特徴についての正しい自己理解を挙げ、その教育 の必要性を述べている。 表1 GDE モデル 知識・技能 発生可能な危険 自己評価 レベル4 感 情 コ ン ト ロ ー ル・自己コントロー ルと運転 感情コントロールや危 険敢行傾向と危険発生 自 分 の 感 情 コ ン ト ロ ー ル 力 や 危 険 敢 行 傾 向 レベル3 運転計画 不十分な運転計画や運 転目的からくる危険発 生 自 分 の 運 転 計 画 や 運 転 目 的 と 安 全 性 に つ いて レベル 2 危険予測力やコミ ュニケーション力 不十分な危険予測から くる危険発生 自 分 の 危 険 予 測 や コ ミュニケーション力 レベル 1 運転技能や車両特 性 技能や法規理解の不十 分さからくる危険発生 自 分 の 運 転 技 能 や 法 規理解 本研究は、個人対応型・参加型の教育方法を開発するために、「ミラーリング法」の応用を試みた。ミラーリング 法はもともとフィンランドのコイビストミッコネン7)によって開発された教育方法である。人格形成過程において「反対的形成」がある(北村晴朗 1968 8))。「反面教師」とか「人の振り見て我が振り直せ」ということわざに当 たる。筆者は人の運転振りを見て、自分の運転振りを振り返り、正しい自己理解につなげるという考え方で、安全運 転教育を工夫してみた。昨年度の研究では、176名の高齢者の参加を得て、「ミラーリング法」による教育の可能性 を検討すべく、教育効果測定を行った。教育実施群と教育非実施群を設けて、両群の比較に基づきながら効果の有無 を検討した。教育前に行われた実走行での指導員評価には両群に差が認められなった(教育非実施群については対応 する時点にあたる)。そして、教育直後(教育非実施群については対応する時点にあたる)は両群の間で評価平均に 差が認められた。しかしながら、3ヵ月後に再び参加者の運転行動を評価したところ、教育の効果は消滅してしまっ た(図1)。教育前(教育非実施群については対応する時点にあたる)の指導員評価を基準とした評価変化率を見ても 同様の結果であった。教育実施群の自己評価については教育直後に有意な低下が認められた。しかしながら3ヶ月後 には教育前の水準に戻っていた。 教育直後には指導員評価の上昇と自己評価の低下(過剰な自信の修正)という安全性についていえば望ましい方向 へ変化したにもかかわらず、3ヶ月後には教育前に戻ってしまったのである。安全教育によって得られた安全運転の 傾向を定着させる方法を考えなければならない。このヒントになるのは、森田療法などで利用されてきた「日記療法」 と言われるものであった。「日記療法」とは、日記をつけて毎日の出来事を記録に残すという形で今日あった出来事、 感じたこと、不安や怒りなどを素直に書きとめ、客観的に自分自身を振り返り、受け止め、修正する契機にすること を目指した方法である。「日記療法」は広く認知療法において行われる手法といえる。そして、最近は、アルコール 依存症やダイエットなどにも応用されている。今年度の研究においては、この「日記療法」を安全運転教育において も導入できないかどうかを検討したいと考えた。
指導員評価平均値
注:非教育群の測定は教育群の測定日に対応して行った P<.01 n.s. n.s. 図1 教育実施群と教育非実施群での指導員評価の変移第 2 章 目的
本研究は「ミラーリング法」(他者観察法)による安全運転教育の効果測定を行うことを目的に行われた。「ミラー リング法」はフィンランドにおける安全教育プログラムとしてコイビストとミッコネンによって作られた教育プログ ラムであるが、それに基づき筆者が「他者観察法」として作り直した。様々な交通場面での交通行動の映像を教材と して作り上げたものである。その教育プログラム内容は、他者の行動や意見を見聞きすることにより、自身の運転ぶ りをかえりみて、自らが自らの安全性についての気づきを促すという内容である。すなわち、本研究は、ドライバー のメタ認知技能を高める教育手法を開発することを目指している。 昨年度の研究結果では、この「他者観察法」による安全運転教育が一定の効果のあることが認められた。すなわち、 実走行運転を教育の前後に行い、走行中に行われた指導員評価を比較したところ、教育実施群は教育非実施群と比較 して、有意に安全運転評価の高まりを見せた。また、教育前後に指導員が使用した運転行動評価表(全 24 項目、5 段階評価法)と同じ評価表を用いて、日ごろの運転ぶりについて自己評価を行ってもらっところ、教育後には教育実 施群では有意な自己評価の低下が認められた。このことは、過剰な自己評価が教育の結果、修正されたことを意味す ると考えられる。しかしながら、この教育の効果は長続きしなかった。3 か月後に再び検査を行ったところ、運転行 動評価においても自己評価においても教育実施群は教育非実施群と比べて有意な差異が認められなかった。 従って、本年度の主要なテーマは、教育効果の持続性を如何に保つかにある。その方法の一つとして、本研究では、 認知行動療法においてその効果が認められている「日記療法」を応用し、その効果の検討を試みることを目的の一つ とした。そして、本年度のもう一つのテーマは、特に高齢者に認められる認知機能の低下が運転の安全性と教育効果 に及ぼす影響を検討することである。認知機能を如何にして測定するかは多くの研究と、それに基づく診断が行われ ているが、本研究では、特にストループ効果に着目して、ストループ効果の強さから推定した認知機能の高低と安全 運転行動および教育効果の関係を検討する。ストループ効果とは、色と語の意味とが不一致なカラーワードに対して、 色命名(color naming)反応がなされるとき、反応時間が増大し反応が困難であるという認知的葛藤現象ないし効果で ある(嶋田博行 1994 9))。この現象は、注意能力について言えば、二重課題場面での注意配分力に関連しており、 先行研究によると軽度認知症(アルツハイマー型)の診断テストとして有効であることが指摘されている(Parasuraman, R. &Nestor, P. 1993 10))。第 3 章 方法
3.1 調査参加者について 3.1.1 教育実施場所 青森モータースクール、弘前モータースクール、八戸モータースクール、浪岡モータースクールの4校で安全運転 教育が行われた。全参加者数126名中、各校での参加者の内訳は、表2のとおりである。参加者の募集方法としては、 老人クラブ連合会や交通安全母の会などに依頼して参加者を募った。 表2 教育実施場所(教習所)と参加者数 調査場所 参加者数 パーセント 青森モータースクール 45 35.7 弘前モータースクール 49 38.9 八戸モータースクール 25 19.8 浪岡モータースクール 7 5.6 合計 126 100.0 各協力校ミラーリング法による教育実施した群とミラーリング法ではなく従来型の教育実施を行った群(従来型の 教育としては道路交通法改正についての講習を行った。なお、これ以降、ミラーリング法による教育が行われた群を 「教育実施群」、従来型の教育を行い、ミラーリング法を用いなかった群「教育非実施群」と名付けることとする) に分けて教育効果を検討した。教育群は61名、非教育群は65名であった。両群の振り分け方法は、申し込みに従って ランダムに行った。 表3 4教習所ごとの教育群と非教育群の参加者数 調査場所 教育実施群 教育非実施群 合計 青森モータースクール 20 25 45 弘前モータースクール 23 26 49 八戸モータースクール 12 13 25 浪岡モータースクール 6 1 7 合計 61 65 126 3.1.2 教育実施群と教育非実施群の等質性の検討(性・年齢・運転頻度について) 教育群と非教育群の等質性について参加者の性と年齢について分散分析により検討した。参加者は総数127名であ り、そのうち男性が103名(81.1%)、女性が24名(18.9%)であった。 表4 参加者の性別割合 参加者数 パーセント 男 103 81.1 女 24 18.9 合計 127 100.0参加者の平均年齢は73.8歳(標準偏差5.1)であり、60歳から86歳にわたっている。図1に分布図を示した。 0 2 4 6 8 10 12 14 61 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 age n u m be r o f su bj e c ts 図1 参加者の年齢分布 教育群と非教育群の年齢構成の等質性を分散分析により検討したところ、有意な差は認められず(平均年齢:教育 実施群74.2歳(標準偏差4.5歳)、教育非実施群74.2歳(標準偏差4.9歳)、F(1,117)=0.002, n.s.)年齢についての 両群の等質性が確認された(表4)。 表5 教育群と非教育群の年齢比較 参加者数 平均値 (年齢) 標準偏差 教育実施群 55 74.2 4.5 教育非実施群 64 74.2 4.9 性別について両群の等質性を検討するために、カイ二乗検定を行ったところ、有意差が認められ(χ2=4.219, df=1, p<.05)、性別についての両群の等質性は認められなかった。教育非実施群において女性参加者が多い片寄が認めら れる。 表6 教育群と非教育群の性別比 教育実施 群 教育非実 施群 合計 男 54 49 103 女 7 17 24 合計 61 66 127 3.1.3 運転頻度 図2に参加者の一週間での運転回数の調査結果を示した。56.1パーセントの参加者は毎日運転していると答えてお り、参加者の活動的な運転生活が認められる。週4 日以上運転している参加者は124名中103 名(83.2%)であった。
表7に教育実施群と教育非実施群の運転頻度についてのクロス集計を示した。両群間には有意な差は認められなか った(χ2=6.452, df=3, n.s)。 図2 参加者の運転頻度 表7 教育実施群と教育非実施群別にみた運転頻度 教育実施群 教育非実施群 合計 毎日 39 30 69 週 4-5 日 15 19 34 週 2-3 日 3 9 12 週 1 回 2 6 8 ほとんどしない 0 1 1 合計 60 65 125
3.1.4 運転目的 参加者の日ごろの運転目的5項目について3段階評価(1;少ない ― 3:多い)でたずねた。図3に平均値で示 した。買い物や旅行と答えた方が多く、車を使った活発な生活ぶりをうかがわせるが、病院への通院のための運転も 多くみられた。 図 3 運転目的 3.2 教育内容(資料 12 参照) 「ミラーリング法」(他者行動観察法)により、参加者自身による日ごろの運転ぶりについての振りかえりと、自 身の安全度についての気づきを支援するために、コーチング技法により教育が進められた。コーチング技法による気 づき教育の手法については、協力校である青森、弘前、八戸、浪岡の各モータースクールの指導員各 2 名、計 6 名を 対象に 2009 年以来 10 回に渡ってトレーニングを行ってきた。また昨年度の調査においては教育および運転行動評価 を行った。教育は 3、4 名を一組みとした少人数によるディスカッション形式で行われた。 はじめに日ごろの運転ぶり等を内容としたアンケート調査の記入を求め、次に,認知機能検査としてストループテ ストを行った。さらに 24 項目の運転行動面について、日ごろの運転ぶりについて 5 段階尺度で評価を求めた。その 後で、教育前での運転行動評価を行うために第 1 回目の実走行を各教習所内コースで行った。実走行後、参加者は再 び教室に戻り、映像に映し出された他者行動(車線変更時の方向指示器の使用などの運転行動)の観察を行いながら 自身の日ごろの運転ぶりについての振りかえりと問題点についての気づきを行うよう支援が行われた。 この気づき教育ののち、再び教習所コースにて実走行を行った(第 2 回目の実走行)。最後に、再び自己評価表に より自己評価を行って安全教育を修了とした。なお、他者観察内容は、自動車工業会にて 2009 年に開発した教材を 用いた。 教育効果を明確化するために、参加者は教育実施群と教育非実施群に分けられた。ただし、教育非実施群について は、3ヶ月後に再度効果測定を行う際に教育実施群と同様の教育を行った。 次ページ以降にに調査研究計画のダイアグラムと調査風景を示す。
Pre[80 分] 運転歴調査表(資料 4)と自己評価表(資料 5)の記入[10 分] ストループテスト[10 分] テスト走行[40 分]:録画および指導員評価(資料 6,7) Post:効果測定[40 分] 自己評価[10 分] テスト走行[30 分]:録画および指導員評価
教育の流れ
教材として、「車線変更時の安全運転 (自工会作成11))」を使用(資料12) ミラーリング法による教育[60 分] 3か月後:効果測定[40 分] 「自己評価」の再評価[10 分] テスト走行[30 分]:録画および指導員評価教育実施群
改正道交法についての講習 従来型の安全教育[60 分] 日記による運転評価(1 週間)教育非実施群
ミラーリング法による安全教育に使用された映像
自己評価表記入風景
他者行動観察時の討論 他者行動観察時の討論 3.3 教育効果測定 3.3.1 運転行動評価 教育実施群と教育非実施群を合わせた全参加者 125 名を対象にして、4 つの教習所(青森、弘前、八戸、浪岡)ご とに各校の構内コースを運転してもらい、24 項目について指導員による評価が行われた。指導員評価は表8に示され たチェック表を用いて、右折時、左折時の合図や確認行動などを対象にして、不十分な行動が観察されたときにチェ ックを入れ、その数をもとに 5 段階評価が行われた。指導員評価は、教育前、教育直後、3 ヶ月後の3つの時点で行 われた(なお、教育非実施群については、教育実施群に対応する時点で測定を行った)。各評価項目でのチェック数 と 5 段階評価への換算方法は資料6(つづき)を参照されたい。
表8 指導員による運転行動評価チェック表 右折 合 図 (しない・不適・続・戻し) 右折方法(線離れ・右斜め・右外・ふらつき・ 左振り) 安全確認(しない・不十分) 安全速度 左折 合 図 (しない・不適・続・戻し) 左折方法(巻き込み防止措置・大回り・ふらつ き・右振り) 安全確認(しない・不十分) 巻き込み確認 安 全速度 見通しの悪 い 交差点 徐行(なし・不足) 安全確認(しない・不十分) 一時停止 の交差点 不停止(徐行なし・徐行あり)・停止位置(交差 点進入・停止線越え) 安全確 認(しない・不十分) 進路変更 合 図(しない・不適・続・戻し) 安全確認(しない・不十分) 急ハンドル 駐車車両 合 図(しない・不適・続・戻し) 安全確認(変更・脇見) 安全速度 側方間 隔 急ハンドル カーブ 走行位置(内回り・外回り) 安全速度 その他 優先判断 急ブレーキ 3.3.2 自己評価 指導員評価表と同一の評価表(資料 5)を用いて、参加者が日ごろの運転ぶりを考えて 5 段階評価による自己評価 を求めた。自己評価は、教育前(教育非実施群については、教育実施群に対応する時点)、教育直後(教育非実施群 については、教育実施群に対応する時点)、3 ヶ月後の3つの時点で同じ調査表に色違いで評価を求めた。同じ調査表 に記入を求めた理由は、参加者が前回にどう評価したかがわかるようにして、その比較もできるように考慮したため である。 3.3.3 認知機能検査 ストループ効果により認知機能の診断を行った。ストループ効果は軽度認知症診断テストの一つとして可能性の高 いテストと言われる。認知症診断テストとしてはMMSE、CERADなどもよく知られている。昨年度の調査では、これら の検査を用いて、認知機能の高さを運転行動および教育効果の検討を行ったが、本年度はストループ効果との関連を
検討した。ストループ効果とは、色と語の意味とが不一致なカラーワードに対して、色命名(color naming)反応がな されるとき、反応時間が増大し反応が困難であるという認知的葛藤現象ないし効果である。文字と色のコンフリクト 条件であるカラーワードテスト(資料1)、文字を丸い図形に置き換えて色を並べたカラーテスト(資料2)そして、 文字を黒、背景を白としたパネルを刺激課題としたワードテスト(資料3)の3課題を設けて各々のテストでの色また は文字読み取りに要した所要時間を比較検討した。 3.4 日記法 安全教育によって得られた安全運転の傾向を定着させる方法を考えなければならない。この方法を、森田療法など で利用されてきた「日記療法」に求めた。「日記療法」とは、日記をつけて毎日の出来事を記録に残すという形で今 日あった出来事、感じたこと、不安や怒りなどを素直に書きとめ、客観的に自分自身を振り返り、受け止め、修正す る契機にすることを目指した方法である。「日記療法」は広く認知療法において行われる手法といえる。 今年度の研究においては、この「日記療法」を参考にして、「日記法」と名付け、安全運転教育に導入した。参加 者のうち教育実施群に教育後1週間にわたり毎日の運転後に自分の運転ぶりについて振り返り、日記(資料11)に記 入をしていただくようお願いした。 3.5 データ分析方法 教育実施群と教育非実施群との比較を行いながら、運転行動評価、自己評価についての変化について教育効果を検 討した。教育直前の評価を基準として、教育直後そして3ヶ月後の3時点で評価変化率を指標として、教育実施群と 教育非実施群との比較の上で検討を行った(教育非実施群については、教育実施群に対応する時点)。 ストループ効果については、教育実施群を対象に運転行動評価と教育による評価変化率について、その関係性を明 らかにした。具体的には、相関係数またはストループ効果の程度に応じてグループ分けを行い教育効果についての差 異を検討した。
第
4章 結果
4.1指導員評価 4.1.1 教育実施群と教育非実施群での指導員評価の差の検定 教育効果を、教育前・教育直後・教育3ヶ月後について、教育実施群と教育非実施群との比較の上で検討を行った。 図4は運転行動についての指導員による評価平均値の変化を示した。教育実施群は教育前が4.23(標準偏差.25)、教 育直後が4.46(標準偏差.22)、3ヶ月後が4.46(標準偏差.21)、教育非実施群は教育前が4.26(標準偏差.27)、教育 直後が4.31(標準偏差.56)、3ヶ月後が4.39(標準偏差.23)であった。3つの測定時点での両群の平均値の差の検定 を行った(一元配置分散分析)。教育前では両群の差は認められなかった(F(1,120)=.450, p=.504)。教育直後では両群 間で異なる傾向が見られた(F(1,121)=3.459, p=.065)。3ヶ月後は両群間に差は認められなかった(F(1,111)=2.488, p=.118)。 図4 教育前後の指導による運転行動評価 次に、確認、合図、速度の安全性について類型別指導員評価について検討を行った。 確認行動について見ると、教育実施群は教育前が3.89(標準偏差.51)、教育直後が4.28(標準偏差..40)、3ヶ月後 が4.22(標準偏差.42)、教育非実施群は教育前が3.98(標準偏差.47)、教育直後が4.02(標準偏差.63)、3ヶ月後が 4.12(標準偏差.43)であった。3つの測定時点での両群の平均値の差の検定を行った(一元配置分散分析)。教育前で は両群の差は認められなかった(F(1,120)=.870, p=.353)。教育直後では両群間で異なる傾向が認められた (F(1,121)=6.673, p=.065)。3ヶ月後は両群間に差は認められなかった(F(1,111)=1.480, p=.226)。 合図行動について見ると、教育実施群は教育前が4.37(標準偏差.48)、教育直後が4.58(標準偏差.37)、3ヶ月後 が4.51(標準偏差.41)、教育非実施群は教育前が4.27(標準偏差.48)、教育直後が4.35(標準偏差.64)、3ヶ月後が 4.43(標準偏差.41)であった。3つの測定時点での両群の平均値の差の検定を行った(一元配置分散分析)。教育前で は両群の差は認められなかった(F(1,120)=1.127, p=.272)。教育直後では両群間で有意な差が見られた(F(1,121)=5.155, p=.025)。3ヶ月後は両群間に差は認められなかった(F(1,111)=1.000, p=.320)。 速度行動については、教育実施群と教育非実施群との間では、教育前においてすでに有意な差が認められた(教育 実施群:4.74教育非実施群:4.92 F(1,120)=6.190, p=.014)。教育直後に両群の差は消失したが(教育実施群:4.81教 育非実施群:4.84 F(1,121)=.070, n.s.)、3か月後において再び教育非実施群において有意に高い指導員評価が認めら れた(教育実施群:4.79 教育非実施群:4.93 F(1,111)=9.065, p=.003)。 4.1.2 指導員評価の教育前後の変化率 4.1.2.1 指導員評価平均値指導員評価平均値の差について3つの測定時点で検討を行ったが明確な効果が認められなかった。そこで、教育前 の指導員評価と教育直後、3ヶ月後の指導員評価の変化率を求め、教育群と非教育群の間での有意差検定を行った。 変化率は以下の計算式により行われた。 教育前と教育直後の評価変化率=(教育直後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価 教育前と3カ月後の評価変化率=(3か月後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価 図5に教育前の指導員評価を基準とした教育直後および3ヶ月後の指導員評価変化率を示した。教育直後の変化率 は教育実施群が0.057(標準偏差0.068)、教育非実施群は0.026(標準偏差0.038)、教育後3カ月の時点では教育実施 群が0.064(標準偏差0.063)、教育非実施群は0.030(標準偏差0.068)であった。いずれの時点においても、教育実施 群が教育非実施群に比べていずれも高い変化率を示した(教育直後:F(1,120)=11.004, p=.001、3ヶ月後:F(1,111)=7.033, p=.009)。すなわち、指導員評価の伸び率が教育非実施群に比べ、教育実施群のほうが高い値を示した。 参考として、前年度行われた教育結果について、同様に指導員評価変化率を図6に示した。教育直後では教育実施 群が教育非実施群に比較して指導員評価変化率に有意差が認められた(教育実施群:平均値.05(標準偏差0.069)、 教育非実施群:平均値0.02(標準偏差0.054)F(1,156)=11.040, p=.001)が、3ヶ月後は消失した(教育実施群:平均値.043 (標準偏差0.088)、教育非実施群:平均値0.037(標準偏差0.089)F(1,144)=.155, p=..695)。 前年度との大きな違いは、教育後1週間にわたって毎日の運転後に車線変更についての自己評価表に記入するとい う「日記法」を導入した点であった。 図5 教育直後と3ヶ月後の指導員評価平均値変化率 図6 教育直後と3ヶ月後の指導員評価平均値変化率(昨年度の結果) 変化率 ** ** ** n.s.
4.1.2.2 類型別指導員評価 確認行動について、図7-1に教育前の指導員評価を基準とした教育直後および3ヶ月後の指導員評価変化率を示 した。教育直後の変化率は教育実施群が0.112(標準偏差0.136)、教育非実施群は0.031(標準偏差0.086)、教育後3 カ月の時点では教育実施群が0.108(標準偏差0.165)、教育非実施群は0.037(標準偏差0.111)であった。いずれの時 点においても、教育実施群が教育非実施群に比べていずれも高い変化率を示した(教育直後:F(1,120)=16.333, p=.000、 3ヶ月後:F(1,111)=7.518, p=.007)。 図7-1 教育直後と3ヶ月後の指導員評価変化率(確認行動) 合図行動について、図7-2に教育前の指導員評価を基準とした教育直後および3ヶ月後の指導員評価変化率を示 した。教育直後の変化率は教育実施群が0.050(標準偏差0.138)、教育非実施群は0.039(標準偏差0.116)、教育後3 カ月の時点では教育実施群が0.051(標準偏差0.128)、教育非実施群は0.047(標準偏差0.128)であった。いずれの時 点においても、教育実施群と教育非実施群は差が認められなかった(教育直後:F(1,113)=.227, p=..634、3ヶ月後: F(1,111)=.021, p=.884)。 図7-2 教育直後と3ヶ月後の指導員評価変化率(合図行動) 速度行動について、図7-3に教育前の指導員評価を基準とした教育直後および3ヶ月後の指導員評価変化率を示 した。教育直後の変化率は教育実施群が0.025(標準偏差0.108)、教育非実施群は-0.001(標準偏差0.035)、教育後3 カ月の時点では教育実施群が0.029(標準偏差0.120)、教育非実施群は0.012(標準偏差0.148)であった。教育直後の ** ** n.s. n.s.
時点においては、教育実施群と教育非実施群の間に異なる傾向が見られたが、3ヶ月後には差異は認められなかった (教育直後:F(1,120)=3.534, p=.063、3ヶ月後:F(1,111)=.398, p=.530)。 図7-3 教育直後と3ヶ月後の指導員評価変化率(速度行動) 図8に2年間にわたる指導員評価平均の推移を教育実施群と教育非実施群について示した。教育非実施群において も上昇傾向が認められることは、同じ教習所での走行―コースにおける実走行の慣れによる学習効果を思わせる。教 育実施群では教育直後において著しい上昇を示すが、3ヵ月後には教育非実施群に近い指導員評価に戻っていること がわかる。そして、2年目の教育実施前の時点では両群ともほぼ同じ評価となっている。
3.8
3.9
4
4.1
4.2
4.3
4.4
4.5
1年目教育前
1年目教育直後
1年目教育
3ヵ
月後
2年目教育前
2年目教育直後
2年目
3ヵ
月後
指導員評価
教育群
非教育群
図8 2年間にわたる指導員評価平均値の変化4.2自己評価 4.2.1自己評価平均値 図9に自己評価平均値の変化を教育実施群と教育非実施群について示した。 図9 自己評価平均値の変化 指導員評価の変化率計算と同様に、教育前の自己評価と教育直後、3ヶ月後の指導員評価の変化率を求め、教育群 と非教育群の間での有意差検定を行った。変化率は以下の計算式により行われた。 教育前と教育直後の評価変化率=(教育直後の自己評価-教育前の自己評価)÷教育前の自己評価 教育前と3カ月後の評価変化率=(3か月後の自己評価-教育前の自己評価)÷教育前の自己評価 図10に教育前と教育直後および3ヶ月後の自己評価変化率を示した。教育直後の変化率は教育実施群が-0.031(標準 偏差0.0618)、教育非実施群は0.047(標準偏差0.093)、教育後3カ月の時点では教育実施群が-0.041(標準偏差0.115)、 教育非実施群は-0.014(標準偏差0.08)であった。教育直後では教育実施群が教育非実施群に比べて高い負の変化率 を示した(F(1,124)=6.441, p=.012))、しかし、3ヶ月後には両群の差が認められなかった(F(1,115)=2.106, p=.149)。 図10 自己評価平均値の変化率 4.2.2 類型別自己評価 確認行動について、図11に教育前と教育直後および3ヶ月後の自己評価変化率を示した。教育直後の変化率は教育 実施群が-0.051(標準偏差0.128)、教育非実施群は-0.024(標準偏差0.094)、教育後3カ月の時点では教育実施群が-0.37 * n.s.
(標準偏差0.133)、教育非実施群は-0.011(標準偏差0.100)であった。いずれの時点においても、教育実施群と教育 非実施群との間に差は認められなかった(教育直後:F(1,115)=1.668, p=.199、3ヶ月後:F(1,115)=1.441, p=.232)。 図11 自己評価の変化率(確認) 合図行動について、図12に教育前と教育直後および3ヶ月後の自己評価変化率を示した。教育直後の変化率は教育 実施群が-0.060(標準偏差0.112)、教育非実施群は-0.001(標準偏差0.111)、教育後3カ月の時点では教育実施群が-0.062 (標準偏差0.126)、教育非実施群は-0.021(標準偏差0.100)であった。教育実施群と教育非実施群との間には教育直 後において有意な差が認められた。3か月後では有意差は認められなかったが異なる傾向が認められた(教育直後: F(1,124)=8.705, p=.004、3ヶ月後:F(1,115)=3.8611, p=.052)。 図12 自己評価の変化率(合図) 速度行動について、図13に教育前と教育直後および3ヶ月後の自己評価変化率を示した。教育直後の変化率は教育 実施群が-0.014(標準偏差0.073)、教育非実施群は0.012(標準偏差0.109)、教育後3カ月の時点では教育実施群が-0.030 (標準偏差0.124)、教育非実施群は-0.008(標準偏差0.096)であった。いずれの時点においても、教育実施群と教育 非実施群との間に差は認められなかった(教育直後:F(1,115)=1.101, p=.296、3ヶ月後:F(1,115)=1.101, p=.296)。 n.s. n.s. ** +
図13 自己評価の変化率(速度) 図14に2年間の自己評価平均値の推移を示した。教育実施群と教育非実施群では異なった推移が感じられる。教育 実施群では1年目、2年目ともに教育実施直後において自己評価が低下した(1年目教育前自己評価:平均値 3.96 標準 偏差 .67、1年目教育直後自己評価:平均値 3.81 標準偏差 .64、t=2.412, df=54, p=.000。 2年目教育前自己評価:平 均値3.98標準偏差 ..64、2年目教育直後自己評価:平均値3.85標準偏差 .65、t=4.013, df=59, p=.000)。教育非実施群で は1年目教育前と教育直後の測定時点との比較においても、また2年目の教育前と教育直後の測定時点での自己評価平 均値にも差は認められなかった。 3ヵ月後の自己評価平均値を見ると、教育実施群では2年目教育前との比較では有意な差が認められた。しかし、教 育非実施群では有意な差が認められなかった。 このことは、2年目の教育後は、教育実施群において、自己評価においても指導員評価と同様に教育直後に低下が 認められることを示す。そして、3ヶ月経過時点においても自己評価の低下が維持されていたことを示す結果といえ よう。自己評価についても、2年目に導入した「日記法」が効果をもたらした可能性がある。 3.65 3.70 3.75 3.80 3.85 3.90 3.95 4.00 1年目教育前 1年目教育直後1年目 3ヵ月後 2年目教育前 2年目教育直後2年目 3ヵ月後 教育実施群 教育非実施群 図14 2年間にわたる自己評価平均値の推移
**
** **
n.s. n.s.4.3認知機能と安全運転 4.3.1 ストループ効果と運転行動評価 ストループ効果と運転行動との関連を検討した。さらに、ストループ効果と安全教育効果との関連についても検討 を試みた。 表12は、文字と色のコンフリクト条件(カラーワードテスト)での色読み取り、ワードテストでの文字読み取り 時間、カラーテストでの色読み取り時間の平均値、標準偏差、最小値、最大値を示した。文字と色の葛藤条件では平 均44.3秒、.「白黒条件」では16.6秒、「カラー条件」では23.2秒であり、「ストループ条件」においては他の条件 の2倍ほど長かった。 表12 3条件での読み取り時間 読み取り所要時間 度数 最小値 最大値 平均値 標準偏差 カラーワードテスト 126 21.07 98 44.3 16.0 ワードテスト 126 10.07 35 18.6 4.4 カラーテスト 126 12 50 23.2 6.7 全参加者について、カラーワードテストでの色呼称所要時間と実走行テストでの指導員評価平均値との相関を求め たところ、統計的に有意な関係が認められた(r=-.258,n=126, p=.003)。(図15) さらに、ストループ効果からみた認知機能の高低と教育効果の検討を行うため、参加者のうち教育実施群60名につ いてカラーワードテストにおける色呼称所要時間と1回目(教育前)の実走行での指導員評価平均値の相関を求めた ところ、両者の間には負の相関が認められた(r=-.298, n=60, p=.021)。すなわち、カラーワードテストでのカラ ー読み取り時間が遅い参加者ほど指導員による運転行動評価が低かったことを意味する。 類型別に運転行動評価を見ると、速度行動の評価について負の相関が認められた(r=-.292, n=60, p=.024)。確 認については傾向が認められた(r=-.242, n=60, p=.062)。 図15 ストループ効果と指導員評価平均値 ストループ効果と運転行動の安全性との関連を示唆するものであったが、ここで疑問となるのは、この結果が、文 字と色の葛藤状態で生じた色呼称の遅延、すなわちストループ効果によるものなのかという点である。すなわち、カ ラーワードテストにおける呼称遅延が、参加者の加齢に伴った呼称時間そのものの遅延による可能性も疑われる。そ こで、文字の色を黒で印刷し、文字と色が葛藤状態にないカードの読み取り(ワードテスト)と、文字を使用せずに
丸いマークに色を付けて、その色を読み取る所要時間(カラーテスト)も測定した。 その結果、ワードテストでの読み取り所要時間と指導員の運転行動評価平均値との間に有意な相関が認められなっ た(r=-.127, n=51, p=.373)。カラーテストでの読み取り時間との間でも有意な相関が認められなかった(r=-.127, n=51, p=.349)。このことは、運転行動評価との負の相関は、読み取り自体の遅さの問題ではなく、文字と色の葛藤状態で 起こる認知的葛藤場面(ストループ現象)が理由ではないかとの結果を示唆している。 さらに、ストループ効果の程度と運転行動との関連をとらえるために、参加者をストループ効果について大・中・ 小の3グループに分け(分割点を33.3%ごとに区切り参加者を3分割した)グループ間の比較検討を試みた。 表13に、カラーワードテストでの色読み取り所要時間を3群(グループ1:36秒以内、グループ2:36.1~46秒、 グループ3:46.1秒以上)に分け、各群の指導員評価平均値を示した。グループ1(16名)の指導員評価平均値は4.31 (標準偏差0.17)、グループ2(25名)は4.28(標準偏差0.24)、グループ3(19名)は4.11(標準偏差0.29)であっ た。一元配置分散分析の結果3群には有意な差が認められた(F(2,57)=3.943, p=.025)。さらにTukey法によりグル ープごとの有意差を検定したところ、グループ1とグループ3の間に有意な差が認められた(図16)。 表13 ストループ効果と指導員評価 カラーワードテストで の色呼称所要時間 (ストループ効果) 指導員評価 度数 平均値 標準偏差 36 秒以内 16 4.31 0.17 36.1-46 秒 25 4.28 0.24 46.1 秒以上 19 4.11 0.29 4.00 4.05 4.10 4.15 4.20 4.25 4.30 4.35 指導員評価平 均値 36秒以内 36.1-46秒 46.1秒以上 図16 ストループ効果と指導員評価 文字または色の読み取り時間そのものが問題ではないかとの疑問について検討するために、とくにカラー テスト結果について分析を行い、色読み取りにかかる時間について検討を行った。ここでも、読み取り所要 時間を短・中・長の3群(グループ1~グループ3)に分けて、各々の指導員評価平均値の差の検定を行っ た。グループ1は20.05秒以内、グループ2は20.06~25.0秒、グループ3は25.0秒以上であった。各群の指導員 評価平均値は、グループ1(21名)の評価平均値は4.26(標準偏差0.20)、グループ2(20名)の評価平均値 は4.28(標準偏差0.22)、グループ3(19名)の評価平均値は4.15(標準偏差0.31)であった。一元配置分散 *
分析の結果3群には有意な差が認められなかった(F(2,57)=1.629, p=.205)。さらに多重比較よりグループごと の有意差を検定したが、最も差の認められたグループ2とグループ3の間にも有意な差は認められなかった。この結 果は、単に読みの所要時間が指導員評価と関連があるのではなく、文字と色の葛藤状態での色読み取り時間 が指導員評価すなわち運転の安全性と関係のあることを示すものと考えられる。 4.08 4.10 4.12 4.14 4.16 4.18 4.20 4.22 4.24 4.26 4.28 4.30 指導員評価平 均値 20.05秒以内 20.06 - 25.00 秒 25.01以上 図17 カラーテストにおけるカラー読み取り時間と指導員評価 4.3.2認知機能と教育効果 運転行動評価について 前節では、教育前の段階で、ストループ効果において見出された認知機能の違いが運転の安全性において 差のあることを述べたが、この認知機能の差が教育効果に影響を及ぼすか否かについて、教育直後および3 ヵ月後の指導員評価変化を指標として検討を行った。 結果を、表14に示した。教育前と比較した運転行動評価の変化率は以下の式による。 教育前と教育直後の評価変化率=(教育直後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価 教育前と3カ月後の評価変化率=(3か月後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価 カラーワード呼称所要時間について分けた3グループごとの運転行動評価変化率はグループ1(36秒以内) では、.06(標準偏差.06)、グループ2(36.1~46秒)では.05(標準偏差.05)、グループ3(46.1秒以上)では.06 (標準偏差.08)であり、いずれの群も教育による運転行動評価は改善された。3か月後では、グループ1(36秒以内) が、.05(標準偏差.05)、グループ2(36.1~46秒)が.05(標準偏差.05)、グループ3(46.1秒以上)が.08(標準 偏差.08)であり、いずれの群も3ヶ月後の教育による運転行動評価は持続していた。一元配置分散分析を行った結 果、いずれの時点においても3群の間に差は認められなかった(教育直後の評価変化率:F(2,57)=.139, p=.870、 3ヵ月後の評価変化率:F(2,52)=1.558, p=.220)。このことは、認知機能の高低によって教育効果(安全運転 評価の上昇率)に影響をもたらさなかったことを意味する。 n.s
表14 ストループ効果に見た認知機能の差と運転行動評価変化率 教育前と比較した運転 行動評価変化率平均 度数 平均値 標準偏差 教育直後 36 秒以内 16 0.06 0.06 36.1-46 秒 25 0.05 0.05 46.1 秒以上 19 0.06 0.08 3 か月後 36 秒以内 13 0.05 0.05 36.1-46 秒 24 0.05 0.05 46.1 秒以上 18 0.08 0.08 認知機能をいかなる測定方法を用いて特定するかは、それ自体大きな研究テーマである。今回の結果はストループ テストという認知機能検査の一つによって測られた認知機能状態を運転行動との関係の上で調べた結果であった。ま た、参加者も基本的にボランティアによるもので、サンプリングにも課題が残る。しかしながら、多くの認知機能検 査のなかでストループ効果も運転の安全性を評価するための指標としての可能性が示唆されたといえるであろう。 自己評価について 指導員による運転行動評価同様、自己評価の変化率についても教育実施群を3群に分けて比較を行った。教育前と 比較した教育直後、および3ヶ月後の自己評価変化率を表15に示した。表からわかるように、いずれの群も負の値を 示している。このことは、教育前に比べて、教育後が自己評価を低下させたことを意味する。3群の平均値の差異を 一元配置分散分析により統計検定をおこなったところ、教育直後においても、3ヶ月後においても3群の間に有意な差 は認められなかった(教育直後:F(2,57)=0.082, p=.921)3ヶ月後:F(2,52)=1.014, p =.370)。自己評価が低下し たことは、ドライバーの過大な自己評価によるリスクテイキング発生の問題からすると、安全上望ましい方 向への変化と言えよう。そして、この自己評価低下の傾向がストループ効果の違いに関わりなく生じたこと は、少なくとも本調査への参加者において、認知機能の高低が自己評価への教育効果に差異をもたらさなか ったことを意味する。 表15 自己評価変化 教育前と比較した自己評価変化率平 均 度数 平均値 標準偏差 教育直後 36 秒以内 16 -.0364 .05793 36.1-46秒 25 -.0310 .07906 46.1秒以上 19 -.0278 .03647 3 か月後 36 秒以内 13 -.0026 .06949 36.1-46秒 24 -.0589 .13703 46.1秒以上 18 -.0434 .10847
第 5 章 まとめと今後の課題
本研究では、個人対応型・参加型の教育方法を開発するために、「ミラーリング法」の応用を試みた。ミラーリン グ法はもともとフィンランドのコイビストとミッコネンによって開発された教育方法であるが、その内容は他人の運 転振りを見て、自分の運転振りを振り返り、正しい自己理解につなげるという考え方である。筆者はこの考え方をも とに新たな安全運転教育法「他者観察法」として作り直した。 昨年度の研究では、176名の高齢者の参加を得て、この「ミラーリング法」による教育の可能性を検討すべく、教 育効果測定を行った。参加者を教育実施群と教育非実施群(教育実施群には「ミラーリング法」の実施を行い、教育 非実施群には「ミラーリング法」は行わず、従来型の教育として道交法改正についての説明にとどめた)に分け、両 群の比較に基づきながら効果の有無を検討した。その結果、教育前に行われた実走行での指導員評価には両群に差が 認められなったが、教育直後は両群の間で評価平均に差が認められた。しかしながら、3ヵ月後に再び参加者の運転 行動を評価したところ、教育の効果は消滅してしまった。教育前の指導員評価を基準とした評価変化率を見ても同様 の結果であった。教育実施群の自己評価については教育直後に有意な低下が認められた。しかしながらこれも3ヶ月 後には教育前の水準に戻っていた。教育直後には指導員評価の上昇と自己評価の低下(過剰な自信の修正)という安 全性についていえば望ましい方向へ変化したにもかかわらず、3ヶ月後には教育前に戻ってしまったのである。 安全教育によって得られた安全運転の傾向を定着させる方法を考えなければならない。この方法を、森田療法など で利用されてきた「日記療法」に求めた。「日記療法」とは、日記をつけて毎日の出来事を記録に残すという形で今 日あった出来事、感じたこと、不安や怒りなどを素直に書きとめ、客観的に自分自身を振り返り、受け止め、修正す る契機にすることを目指した方法である。「日記療法」は広く認知療法において行われる手法といえる。 今年度の研究においては、この「日記療法」を参考にして、「日記法」と名付け、安全運転教育に導入した。本年 度のもう一つのテーマとして、高齢者に認められる認知機能の低下が運転の安全性と教育効果に及ぼす影響を検討す ることとした。認知機能を如何にして測定するかは多くの研究と、それに基づく診断が行われているが、本研究では、 特にストループ効果に着目して、ストループ効果の強さから推定した認知機能の高低と安全運転行動および教育効果 の関係を検討する。ストループ効果とは、色と語の意味とが不一致なカラーワードに対して、色命名(color naming) 反応がなされるとき、反応時間が増大し反応が困難であるという認知的葛藤現象ないし効果である。この現象は、注 意能力について言えば、二重課題場面での注意配分力に関連しており、先行研究によると軽度認知症(アルツハイマ ー型)の診断テストとして有効であることが指摘されている 昨年参加いただいた高齢ドライバーに再度参加を願い、「日記法」導入の効果を見るために再度調査計画を行った。 調査計画は以下の通りであった。 ① アンケート用紙記入(運転頻度、運転目的など) ② 自己評価(日ごろの運転ぶりについて、24項目からなる運転行動を5段階評価で記入を求めた) ③ ストループテスト ④ 実走行(教習所構内のコースを運転し、その運転ぶりを24項目について指導員が評価を行う。5段階評価法) ⑤ 「ミラーリング」による安全教育(教育のテーマを進路変更時の安全運転とした) ⑥ 自己評価(教育前に行った評価用紙を用いて、再度自己評価を求めた) ⑦ 実走行(再度、教習所構内のコースを運転し、その運転ぶりを24項目について指導員が評価を行う。5段階評 価法) 教育非実施群は⑤「ミラーリング」による安全教育の代わりに、従来型の教育(道路交通法の変更についてのティ ーチング方式の教育)を受けた。その他は教育実施群と同じ内容であった。 主な結果は以下の通りであった。 1、指導員評価について 3回の指導員評価の変化を図1に示した。教育前の指導員評価と教育直後、3ヶ月後の指導員評価の変化率を求め、 教育群と非教育群の間での有意差検定を行った。変化率は以下の計算式により行われた。 教育前と教育直後の評価変化率=(教育直後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価教育前と3カ月後の評価変化率=(3か月後の指導員評価-教育前の指導員評価)÷教育前の指導員評価 図1 教育実施群と教育非実施群の指導員評価平均の推移 教育直後の変化率は教育実施群が0.057(標準偏差0.068)、教育非実施群は0.026(標準偏差0.038)、教育後3カ月 の時点では教育実施群が0.064(標準偏差0.063)、教育非実施群は0.030(標準偏差0.068)であった。いずれの時点に おいても、教育実施群が教育非実施群に比べて高い変化率を示した(教育直後:F(1,120)=11.004, p=.001、3ヶ月後: F(1,111)=7.033, p=.009)。すなわち、指導員評価の伸び率が教育非実施群に比べ、教育実施群のほうが高い値を示し た。 参考として、前年度行われた教育結果についてみると、教育直後では教育実施群が教育非実施群に比較して指導員 評価変化率に有意差が認められた(教育実施群:平均値.05(標準偏差0.069)、教育非実施群:平均値0.02(標準偏差 0.054)F(1,156)=11.040, p=.001)が、3ヶ月後は消失した(教育実施群:平均値.043(標準偏差0.088)、教育非実施群: 平均値0.037(標準偏差0.089)F(1,144)=.155, p=..695)。 前年度との大きな違いは、教育後1週間にわたって毎日の運転後に車線変更についての自己評価表に記入するとい う「日記法」を導入した点であった。 2、自己評価について 図2に自己評価平均値の変化を教育実施群と教育非実施群について示した。教育実施群、教育非実施群ともに評価 測定を繰り返すにつれて、低下傾向を示しているが、教育実施群が教育非実施群に比べ、やや低下傾向が大きいよう に思われる。 図2 自己評価の変化 指導員評価の変化率計算と同様に、教育前の自己評価と教育直後、3ヶ月後の指導員評価の変化率を求め、教育群 と非教育群の間での有意差検定を行った。変化率は以下の計算式により行われた。
教育前と教育直後の評価変化率=(教育直後の自己評価-教育前の自己評価)÷教育前の自己評価 教育前と3カ月後の評価変化率=(3か月後の自己評価-教育前の自己評価)÷教育前の自己評価 教育直後の変化率は教育実施群が-0.031(標準偏差0.0618)、教育非実施群は0.047(標準偏差0.093)、教育後3カ 月の時点では教育実施群が-0.041(標準偏差0.115)、教育非実施群は-0.014(標準偏差0.08)であった。教育直後では 教育実施群が教育非実施群に比べて高い負の変化率を示した(F(1,124)=6.441, p=.012))、しかし、3ヶ月後には両群 の差が認められなかった(F(1,115)=2.106, p=.149)。 3.認知機能と安全運転 図3に参加者のうち教育実施群60名についてカラーワードテストにおける色呼称所要時間と1回目の実走 行での指導員評価平均値の関係を示した。両者の間には負の相関が認められた(r=-.298, n=60, p=.021)。すなわ ち、カラーワードテストでのカラー読み取り時間が遅い参加者ほど指導員による運転行動評価が低かったことを意味 する。類型別に運転行動評価を見ると、速度行動の評価について負の相関が認められた(r=-.292, n=60, p=.024)。確 認については傾向が認められた(r=-.242, n=60, p=.062)。この結果はストループ効果と運転行動の安全性との関連を 示唆するものであった。 図3 ストループ効果と指導員評価平均値 しかし、カラーワードテストにおける呼称遅延が、参加者の加齢に伴った呼称時間そのものの遅延による可能性も 疑われる。そこで、文字の色を黒で印刷し、文字と色が葛藤状態にないカードの読み取り(ワードテスト)と、文字 を使用せずに丸いマークに色を付けて、その色を読み取る所要時間(カラーテスト)も測定した。 その結果、ワードテストでの読み取り所要時間と指導員の運転行動評価平均値との間に有意な相関が認められなっ た(r=-.127, n=51, p=.373)。カラーテストでの読み取り時間との間でも有意な相関が認められなかった(r=-.127, n=51, p=.349)。このことは、運転行動評価との負の相関は、読み取り自体の遅さの問題ではなく、文字と色の葛藤状態で 起こる認知的葛藤場面(ストループ現象)が理由ではないかと考えられる。 さらに、認知機能の差と教育効果について、教育直後および3ヵ月後の指導員評価変化を指標として検討 を行った。 結果を、表1に示した。一元配置分散分析を行った結果、いずれの時点においても3群の間に差は認めら れなかった(教育直後の評価変化率:F(2,57)=.139, p=.870、3ヵ月後の評価変化率:F(2,52)=1.558, p=.220)。 このことは、認知機能の高低によって教育効果(安全運転評価の上昇率)に影響をもたらさなかったことを
意味する。 表1 ストループ効果に見た認知機能の差と運転行動評価変化率 教育前と比較した運転 行動評価変化率平均 度数 平均値 標準偏差 教育直後 36 秒以内 16 0.06 0.06 36.1-46 秒 25 0.05 0.05 46.1 秒以上 19 0.06 0.08 3 か月後 36 秒以内 13 0.05 0.05 36.1-46 秒 24 0.05 0.05 46.1 秒以上 18 0.08 0.08 認知機能をいかなる測定方法を用いて特定するかは、それ自体大きな研究テーマである。今回の結果はストループ テストという認知機能検査の一つによって測られた認知機能状態を運転行動との関係の上で調べた結果であった。ま た、参加者も基本的にボランティアによるもので、サンプリングにも課題が残る。しかしながら、多くの認知機能検 査のなかでストループ効果も運転の安全性を評価するための指標としての可能性が示唆されたといえるであろう。 本研究は、フィンランドで発案された「ミラーリング法」を導入し、学習者自らが自分の安全性に気づき、安全運 転行動へと自己修正することを目指した教育‐「他者観察法」-が新たな安全教育法として有効か否かを検討するた めに計画された。調査結果は、おおむね肯定的なものと言えよう。しかし、その効果の持続性にはまだ課題が残った。 その課題を解決する方法として、「日記法」の可能性が示唆された。この結果が確かなものか否かについては、さら なる教育の実践によって証明されなければならないが、これからの安全教育が、従来のようなトレーナーによって教 え込まれる形ではなく、運転者自身の責任のもとで、自らが安全行動を学習しうる技能教育に進むことが望まれると ころである。
参考文献
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3) 太田博雄他 2004 高齢ドライバーの自己評価スキルに関する研究、応用心理学研究(査読有)、Vol.30、No.1、
Pp.1-19.
4) Gadget 1999 Driver training, testing and licensing - towards theory-based management of young drivers' injury risk in road traffic. EU-project final report. Schweizerische Beratungsstelle für Unfallverhütung BfU, Berne.
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10) Parasuraman, R. and Nestor, P. 1993: Attention and Driving. Assessment in Elderly Individuals with Dementia. Clinics in Geriatric Medicine Vol.9, No.2, 377-389, 1993
11) 日本自動車工業会 2008 「いきいき運転講座」監修 高齢者交通安全教育推進委員会 発行 社団法人 日本自動車工業会
資料
1
白黒テスト
きいろ あか
あお
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あお きいろ きいろ
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あか
みどり
みどり あか
みどり みどり
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きいろ きいろ
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みどり きいろ
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資料
2
カラーテスト
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みどり みどり
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3
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4
(1 回目、2 回目) 受講者名 記入日時 年 月 日 記入日時 年 月 日 問1 日常の運転についておたずねします。 年齢 歳 性別 1 , 男性 2 , 女性 主に運転する 車の車種 ( 一つだけ選んで○) 1 , 普通乗用 2 , 普通貨物 3 , 軽乗用 4 , 軽貨物 5 , 大型乗用 6 , 大型貨物 7 , 自動二輪 8 , 原付 経験年数 年( 免許を 取得し てから の年数) 運転頻度 1, 毎日 2 , 週4 ~5 日 3 , 週2 ~3 回 4, 月数回程度 5 , 殆んど運転し ない 昨 年一 年間 の走 行キ ロ 数 約 km 位 前回受講後の事故数 件( 軽微な物損事故も 含む) 前 回受 講後 の事 故の 種 類 ( 該当 す る も の す べ て に○印) 1 , 出会い頭 2 , 追突 3 , 右折時 4 , 左折時 5 , 正面衝突 6 , 車輌単独 7 , 対歩行者 8 , 物損 9 , その他( ) 前回受講後の違反数 件( キッ プ を 切ら れた場合のみ) 前 回受 講後 の違 反の 種 類 ( 該当 す る も の す べ て に○印) 1 , 速度違反 2 , 信号無視 3 , 一時不停止 4 , 追い越 し 5 , 駐停車違反 6 , 酒酔い 7 , その他( ) 運転目的について つぎ のよ う な と き 、 ど の程度ご 自分で 車を 運転な さ いま す か? あてはまる 番号に○を 付けてく ださ い。いつも と き ど き ほと んど し ない 旅行や遊びに行く と き 1 2 3 買い物に行く と き 1 2 3 仕事に行く と き ( 該当す る 方のみ) 1 2 3 病院に行く と き 1 2 3 知 人や 友人 に 会 い に 行 く と き 1 2 3