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ソーラーカーレース支援のための気象情報可視化・配信システムの構築

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 78 回全国大会. 7D-04. ソーラーカーレース支援のための 気象情報可視化・配信システムの構築 船山貴光†. 渡邊武志‡. 竹中栄晶§. 木村英樹∥. 福田紘大⊥. 東海大学工学部電気電子工学科∥. 東海大学工学部航空宇宙学科航空宇宙学専攻⊥. 1. はじめに 本研究グループでは、2015 年 7 月 7 日に正式運 用が開始された静止気象衛星ひまわり 8 号による 高頻度、高解像度の観測データをもとに日射量 を高速に推定するシステムを開発している。ま た、気象データを再生可能エネルギーが導入さ れたエネルギーシステムのマネージメントに応 用する取り組みも行っている。これらの取り組 みの 1 つとして、2015 年 10 月 18 日からオースト ラリアで開催されたソーラーカーレース、WORLD SOLAR CHALLENGE 2015 に参戦した東海大学チーム へ気象情報を提供する支援を行った。本報告で は、この支援の際に構築した気象情報可視化・ 配信システムについて報告する。 2. ソーラーカーレースにおける気象データの 必要性 ソーラーカーは、車体へ搭載された太陽電池 を用いて発電し、その電気エネルギーを動力と して走行している。発電された電気エネルギー の、一部は走行のために消費され、残りは車体 へ搭載されたバッテリへ充電される。発電量が 少ないときはバッテリから放電したエネルギー により走行する。走行による消費エネルギーと 太陽電池による発電エネルギーの差分から求め られるバッテリ残量を考慮しながら状況判断を 行い、走行のための戦術を決定する。故に、ソ ーラーカーのレース展開は、日射量の変動に左 右される。走行時に生じる抵抗のうち空気抵抗 は約 8 割を占める。空気抵抗による走行電力は、 車体に対する相対速度の 3 乗に比例する。このた め地上付近での風の情報は、走行で使用される エネルギーを予想するのに重要となる。横風の 強さや気温もソーラーカーの消費パワー、走行 Development of weather information visualization and delivery system for support to solar car team †Takamitsu Funayama, †Takeshi Watanabe, ‡Hideaki Takenaka, †Hideki Kimura, †Kota Fukuda, †Yoshiro Yamamoto, †Takashi Y. Nakajima †Tokai University ‡JAXA. 中島孝‡. 東海大学情報技術センター‡. 東海大学大学院総合理工学研究科総合理工学専攻† 宇宙航空研究開発機構地球観測研究センター§. 山本義郎#. 東海大学理学部数学科#. ・操縦性能へ影響を与える。ソーラーカーの走 行には、このような気象の影響があるため、現 況の日射量や風向、風速、気温を把握すること ができれば良い戦術を立てることができる。. 3.使用した気象データ 日射量は、衛星観測データから日射に影響を 与える雲の物理特性を決定し、放射伝達理論に 基づいた計算コードを用いて計算することによ り推定できる[2]。これらの計算は竹中ら[1]に よって開発された、ニューラル・ネットワーク を用いた超高速放射伝達計算手法(EXAM システ ム)により算出している。気温と風向、風速のデ ータは、気象業務支援センターが配信している 全球数値予報モデルからの出力データ、GPV/GSM を基に計算されたものである。本研究グループ では、これらのデータをバイナリ形式で配信し ている。レース中は、これらの気象情報をソー ラーカーに同行する車両内で確認するため、バ イナリ形式の数値データでは扱い難い。そこで、 画像データに変換し、提供するシステムを構築 した。 4.システムの概要 データが更新されてから 2 分以内に提供するこ とを目標とした。また、都市部では現地の通信 会社のモバイル Wi-Fi ルータを使用して通信する ことができるが、コースの大半を占める郊外で は、インマルサット車載用衛星電話を使用する こ と に なる 。 故に 、 画像 デ ー タの 解 像度 を数 100kpbs 程度の速度の衛星通信でもストレス無く 受信できるサイズにする必要がある。 図1は、本システムの処理工程の概要であ る。本システムは、気象データとソーラーカー チームからの GPS 位置情報を取得し、可視化し た画像を配信する。画像ファイルは、ダウンロ ードできる Web ページを作成して配信した。こ の処理は LinuxOS で構築されたサーバへ Python 言語で実装し、cron を使い 2 分間隔でプログラ ムを定時実行した。. 1-501. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 78 回全国大会. 図1.本システムの処理工程. 5.気象情報の可視化 日射量の推定値と気温、風速のデータをヒー トマップの形で可視化した(図2,3)。風向 は、風速のヒートマップの上に矢印で可視化し た(図3)。画像を時系列順に見たときに雲の 動きなどを把握できるように可視化する範囲を 固定した。オーストラリア全体とコース周辺の 2種類の範囲の画像を提供した。さらにコース と GPS により取得したソーラーカーの位置を描き 加え、現在位置とこれから走行する位置を把握 できるようにし、状況判断をし易くした。また、 コース上の日射量と気温の状況を把握するため に図 4 のようなグラフも提供した。このグラフに ソーラーカーの位置情報とコースの標高を加え て進行方向の高低差を把握できるようにした。. 図2.オーストラリア全体の日射量の推定値の 画像. 図3.コース周辺の風向・風速の画像. 図4.日射量の推定値と気温のグラフ 横軸は スタートからのゴールまでの経路を100等分 した点である。実線はそれぞれ日射量(赤色)、 気温(青色)、車両の現在位置(緑)を示す。 影は標高を表す。. 6.おわりに 本研究では、ソーラーカーレースにおいて戦 術を立てるにあたり必要である現況の日射量や 風向、風速、気温の情報を配信するシステムを 構築した。本システムでは、気象情報をソーラ ーカーに同行する車両内で容易に扱うことがで きるように気象データを可視化した画像データ を配信した。 参考文献 [1] H. Takenaka, T. Y. Nakajima, A. Higurashi, A. Higuchi, T. Takamura, and R. Pinker:Estimation of solar radiation using a neural network based on radiative transfer, J. Geophys. Res., Vol.116, Issue.D8, doi: 10.1029/2009JD013337, 2011. [2] 中島孝, 竹中栄晶, 中島映至, 高村民雄, 渡邊武志:大気科学と太陽エネルギー, 太 陽エネルギー, Vol.39, No.6, pp57-64, 2013. 謝辞 本研究は、科学技術振興機構 JST/CREST/EMS の 支援を受けている。. 1-502. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

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