小学校校内マラソン大会のあり方についての研究 : 奈良女子大学附属小「歩走練習」を実践事例として
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(2) 匿ヨ. 次. はじめに. 子どもは校内マラソン大会が嫌いである!?一一……一一…一一…一一一…■. 第1章. 小学校校内マラソン大会,ことのおこり・…一一一…一一一一…一一一一一……一5. 第1節. 歴史にみる小学校校内マラソン大会一一…一一………一一………一一5. 第1項. 明治期………一…一……一……………一…一一…………一…一…一…一5. 第2項. 大正期一一一一一一一一一一一一一…一一一……一一………一一一一一一…一一一…一一…一一一一一一一…7. 第3項. 昭和期……一一……一一一一・一一………一一…一一……一………一一一一一一一一一……8. 第2節. 第2章 第1節 第1項 第2項. 第2節. :第3章. 第1節. 小学校校内マラソン大会の規範はあるカ、?____._8. 今の小学校校内マラソン大会はどうなっているのか……一…一一一一11. 教師の側からみた小学校校内マラソン大会…………一…一…一一一11. 小学校校内マラソン大会の実態調査の目的及び方法一…11 小学校校内マラソン大会の実態調査の結果及び考察・一一…一一12. 小学校校内マラソン大会,今,何が問題なのか・一一一一一一…一一一一39. 「歩走練習」とはいかなるものか……一一…一…一…一一…一…一一一一一…一一41. 木下竹次の時代一一一一一一…………一一一……一…………一一一…………一一一41. − 1 一.
(3) 第2節. 土谷正規の時代一……一一一…一…一…一………一……一一一……一……一44. 第3節. 現在の歩走練習 一………一一…一…一一…一…一…………一一…一……一…一46. 第4章. 子どもの側からみた歩走練習・……一…………一…一………一……一一一48. 第1節. 歩走練習実態調査の目的及び方法一一一一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一……48. 第2節. 歩走練習実態調査の結果及び考察………………一一……………48. 第3節. 歩走練習の良さ……一一一一……一…一一一一……一一………一…一…一…一一一一一一58. おわりに. 子どもは校内マラソン大会が好きになる!!・一一一一一…一一一一一一一一一一一一一一61. III.
(4) はじめに. 子どもはマラソン大会が嫌いである!?. 「小学校時代の私にとって,マラソン大会は心のアキレス腱であった.マラソン大会の 事を少しでも考えると『うっ』と心が痛くなるのである.嫌で嫌でたまらなかった.どう してあんな苦しい事の競走などわざわざ子供達にさせるのか.もっと楽しい事で競い合い をさせればよいではないか.私は常にそう思っていたが,そんな私のぼやきなど,とうて い学校側に届くものではなかった.. マラソン大会は,毎年二月の上旬に行われていた.二月の行事なのに,私の心は十月あ たりから重くなり初めていた.日が短くなるにつれ,あの苦しみが近づいてくるのである. 家にこたつが準備されたりすると『ああ,冬になってきたな…また一歩近づいてきたな』. と憂い,冬休みになればなったで『ああ,冬休みか…クリスマスやらお正月やら,つかの 間の楽しみはあるものの,そんなものはちょっとした気休めで,そのあとにはもうすぐア レがあるんだ…』と憂う始末であった.. 大げさに言っているのではなく,マラソン大会の存在は,そんなにも私にとって負担だ ったのである.あの行事さえなかったら,私の子供時代はもっと軽やかな笑顔をふりまけ たと強く感じている.」1). この文章は,「ちびまるこちゃん」の. /\ciii・i’h…i・ 漫画の作家さくらももこ刎洋校時代 の校内マラソン大会についての回想で. X一’K. N. ・.d’. 診.. @一り・. ・e・こ脚 1,{. 9UD’ @聞l. M甕,. し 1,:. 層艶. ある.大げさながらも,大部分の小学 生はマラソン大会についてはこの想い ではないだろうか.マラソン大会は難. sSi. 行苦行であり,「難難辛苦汝を玉にす ℃う明い,・椙勧帆ツい.一t・ R・6 ,マヲソ:.・・x.. る」の名言ではないが克服すべき類の 精神修養的スポーツ,行事なのであろ. さくらももこ「あのころ」より. うか.. また,子どもの好きな運動種目ベスト3を選ぶとすれば,マラソン,持久走という類の ものはまず入らないであろうし,逆に嫌いな運動種目ベスト3には確実に選ばれるであろ. 1.
(5) うものである.. そうであるからか,1994年3月に文部省から発表された「学校教育と学校週5日制に関 する意識調査」2)によれば,小学校での学校行事の年間授業時数削減は,90%の学校に及. び,その削減した行事の内訳は全般的に「健康安全・体育的行事」や,運動会の練習など の「学芸的行事」が目立っている.また,その細部をみれば,ご多分にもれず,校内マラ ソン大会を11.9%の学校が削減している.. とどのつまり,学校行事は安易に削減される傾向があり,安易に削減されるとそれが復 活する見込みはほとんどないので,その結果,子どもがその活動を経験する機会が失われ る.失われれば,どこかでそれを経験するように配慮しなければならないし,継続したと しても,土曜ふれあい学級や地域との交流の場とすれば,それぞれの目標が混同されたり あるいは相殺されることが起こりうる現況にあるといえよう.. 佐々木3)が私立大学の大学生に,小・中・高,各学校での一番の思い出を自由記述によ り調査したところによれば小学校での一番前思い出は,. ①友人との思い出. 280/0. ②学校行事. 210/0. ③学級活動. 90/0. ④修学旅行. 70/0. ⑤クラブ活動. 50/o. であり,友人との思い出を除くとすべて特別活動であった.. その内,学校行事が上位にあることの要因として,「人の思い出は,たんに事物や場所 との関わりから生じるのではなく,必ず他の人々との関わりのなかで生じるのであり,特. 別活動は思い出と自他の発見の場であって,人間の成長に欠かすことのできない役割を担 っているのである.」としている.つまりは,学校行事の中の健康安全・体育的行事であ る校内マラソン大会もこの流れ,想いの中に含まれるような目的,内容,方法を持ったも ののはずであるが,現実には逆にもつものが少ないために大部分の子どもは憂欝な気分と なっているのかもしれない.. しかし,このような状況下にあって,奈良女子大付属小5年生の大西さんは,「歩走練 習」に寄せて次のような日記を書いている.. 「1月11日(木) 『走る楽しさ』. 2.
(6) 冬に毎年ある歩走練習の三人組を決めるために走りました.わたしはぜんそくがあ り,いまいち自信がなかったのです.でた時の場合を考えなければいけません. (どうしょう) (出たらどうしょう). なぜか出た時を考えていると,不安になってきます.そこで,走る前は,そんなこ とを考えないようにしました.. 『一,二,三,四』 阪本先生のかけ声といっしょに準備の体操をしました. (今日はいけるかもしれない). そう感じたのは一歩ふみ出した時でした.わたしは,一周目に,三年生のころ,岩 井先生と走っていたことを思い出しました.そのころは体が弱く,少し走ると出る ぐらいでした.. (前に比べれば体が強くなった) そう思いました.二周目です. (ちょっと速いな). わたし達にしては最初が少し速いペースでした.だけど,そのペースをおとさずに 同じペースでいきました.. わたしは,しんどくなったときには自分で足を動かしているような気がしていまし たが,今回は足が勝手に進んでいくようでした. (走るのってこんなに楽しいんだ). はじめてそんなことに気づきました.今まで,みんなが 『走りたいです.』. とか言っているときにわたしは心の中で (走りたくないな). とそう思っていました.だけれど走るのがどんなに楽しいことかが分かりました. (走るのはこんなに楽しいことか.)」. このような,走る楽しさが実感できる「歩走練習」とはどんな行事なのであろうか.. そもそも,奈良女子大附属小の「歩走練習」は奈良女高師時代,1922年(大正11年)1 月より歩行練習として木下竹次が始め,大寒に毎日,若草山まで子どもを登山させて歩行 を訓練する行事で戦争により一時中断したものの,以降その内容を変えながらも,毎年続. 3.
(7) けられている.木下竹次時代は,寒中九日間を1里から3里までのところで各自で歩行距 離を決め,最後の十日目は納会と称して12里の行程を歩き通すものであった.山ではいく ら駆けてもよいが,平地は必ず歩くというルールになっていた.また,一人ひとりのタイ ムを記録した.当時の児童の感想によれば,「みんなひたすら歩いた.毎日寒風にさらさ れながら歩いても汗が流れた.」4)としている.鍛錬と快感が相交錯する行事であったよ うである.また,木下はその意義を「個性顕著な児童を導くには歩行によるのが一等よい 方法である.」5)として修練,鍛錬の場においても個性化を取り上げている.. この行事を根底として土谷正規は奈良女子大附属小時代,1954年(昭和29年)1月より 「歩走練習」として復活させた.個人競走ではなく,三年生以上は力の似通った者同士の. 三人組を作り,三人で助け合って走り,三人一緒にゴールインするのが独特のところであ る.低学年1.8Kmより始まり中学年2.4Km,高学年になると3.8Kmの歩走となる.納会で は距離が一段と長くなりそれぞれ3.8km,6.6Km,9.2㎞となる.現在においては歩走練習. といいながら走りに終始しているが,奈良女子大附属小の「歩走練習」は個性の伸長,協 力する態度,生活の充実をめあてとした70有余年継承されている歴史的行事である.. そこで本研究にあたっては,小学校校内マラソン大会がどのような成り立ちをもって学 校行事として計画され定着してきたのか,また教科体育とどのような関連づけをされてき たかを歴史的経緯から探るとともに,地域で行われている小学校校内マラソン大会の調査 を行い,その動向から教育実践上の課題を汲み取りたい.. そして,奈良女子大附属小の伝統行事として続いている「歩走練習」を実践事例として 取り上げ,そのねらいと意義を明らかにする中で,小学校校内マラソン大会のあり方にせ まる一方策としたい.. 4.
(8) 第1章. 小学校校内マラソン大会,ことのおこり. 第1節 歴史にみる小学校校内マラソン大会 第1項 明治期 日本最初のマラソン競走が行われたのは,1909年(明治42年3月)に大阪毎日新聞社が 主催した神戸の湊川埋立地を出発点とし大阪新淀川西成大橋を決勝点とする19,56皿ile (30.451㎞)であるとされている.6)しかし,棚田7)の調査によれば1872年(明治5年). に神戸KRACが主催して,摩耶山と居留地往復の長距離競技がありシム氏が1時間24分 30秒で優勝したことが確認されているので,これが近代になって一般的な日本人が運動と してあるいは競技として人が長い距離を走る光景を見た最初ではないかと考えられる. 同年に学制が発布され,翌年には文部省から体操書8)が公刊されているので何らかの影. 響があるのではないかと推測はするものの,同書においては,「騙足の速度バー分に二百 歩を以て中等と定む 此等足を行ふに初ハ時間を短くして漸々に永くするものとす騙足に 永く堪へしむるにハ肺及び呼吸筋を厭ひ成丈けこれを労せざる様に行ふことを肝要とす其 方法ハロを閉じ鼻にて呼吸すべし比の如くするときハ呼吸する空気の量少きが故に胸中の 運動甚はだきに至らず随て肺の働きも亦緩々なり因て疲と甚だ遅し」とあり,行軍様式と して記されているので,持久走的な指導があったとは考え難い.. また,同時期においては小学校の運動場はおろか専用の校舎さえまだ無きに等しいもの であったし,小学校の就学率が1872年(明治6年)で28.1%,1882年(明治15年)でも48. 5%であった9) から,行事あるいは運動のひ .ll・i・x,, iiiとつの翻として校内マラソン大会は存在しな. かったであろう.. 幽むしろ,校内マラソン大会の目的が身体の鍛 纐馨錬にあるという側面からみれ1ま当時盛んに行わ 晦れていた「遊歩」「遠足」が当てはまるのでは ないだろうか.それは,教育施設が充分でなか h含. つたことが,第一の原因と思われるが,行事と. 5.
(9) なれば広場を求めて神社や寺の境内,川尻の堤などに遠足し,そこで運動会を行うことが 多かったからである.はなはだ「運動会」「遠足」「行軍」とまったく未分化ではっきり と区別できない状態である.. 兵庫県内においては,1886年(明治19年11月)に豊岡小学校で全校生徒を数学に分け町 内遊歩をおこなったことが記されており,以降1887年(明治20年)から1892年(明治25年目 にかけては,湊川小,今津小でそれぞれ,遠足,行軍,教育遠足,遠足運動など名称は様 々であるが,実施されたことが豊小88年史10),湊川小沿革史11),今津小沿革史12)にお いてみられる. また,1892年(明治25年)に文部省が「夏季休業,学期末休業中,修学旅 行や課外運動にかんする通達」13)を出して,学徒の心身鍛練する旨の指示をし,同年に 「兵庫県小学校教則大綱」14) が公布され,第2条に「土地ノ状況二より依りテハ体操ノ. 教授時間,若クハ,教授時間外二於テ適宜ノ戸外運動ヲナサシメ,又夏季二於テ水泳ヲ授 クルコトアルベシ」と示されたことから小学校において校外での運動がより盛んになった もう一つの要因と考えられる.. もっとも,師範学校,中学校レベルにおいては,この時期ぐらいより,長い距離を速く 走り切る能力を持つ必要性が認識され始めたようである.. 御影師範60周年誌15)によれば兵庫県尋常師範学校四年生が体操の時間下級生に教練, 柔軟体操,執銃体操,駆け足,機械体操を教えたとあるのを始め,同50周遠野16)では, 1898年(明治31年)頃から,武田千代三郎兵庫県書記官が兵庫師範の体育講義や運動実技. の指導をはじめ,師範では毎日全校生が走ってからだを鍛え,その中から優秀な選手を選 び,その選手に「あぶらぬき」練習法を行い成績をあげたとある.. また1905年(明治38年),柏原中学校にお. ii叢話旛習総総ll長. 醗轄縛i}羅lll. 麟擁審 そして,神戸二中では1912年(明治45年) 陸軍記念日につき,1年・2年生は塩屋村へ, 「兵庫高校創立50周目記念誌」より. 3年生は垂水村へ校内駆け足競争を行ったこ. 6.
(10) とが記録に残されている.19)これらの推移から考えてみて,師範学校や中学校でこれだ け大々的に行われていたのだから,小学校にある程度は波及していたのではないかと推測 される.. 特筆すべきことは,1909年(明治42年)に「佐用郡の佐用尋常葉学校長の平井丈太郎は 『児童教育上第一にも留意すべきことは身体の発達如何にあり,本校は特に此の点に留意 し体操及び諸種の運動を奨励し,児童体力の増進ならびに身体の鍛錬を期し...』と職. 員の一致協力と熱心さ努力を結合させて体育㍉鍛繍蜘嚇禰1・: 点の教育を行った.合同体操を10∼30分間にわ たり整列,行進,身体各部の徒手体操,駆け足, }・轟. 行進,呼吸運動をして時折講評を行った.学級. 蒲’. 馨翻. 体操は協同的な運動と個人の類別的取り扱いを” s し駆け足を奨励した.」20)とあり,マラソン 大会といかないまでも体力の増進,身体の鍛錬 ヘ ゼ1憩’ 儀. .㌧..∴・L として駆け足が取り入れられてきていることで ある.. 獅. ... ・・. 「兵庫県体育・スホ。一ツ100年の歩み」より女子児童の体操(明治30年). 「体操書」に則って「オイッチ・ニー・サンシイ」 明治初期の段階において小学校は, とやっていたものと比べればかなりの進歩ではないだろうか.. 第2項 大正期 大正年間に入ると,一般的な史実では,金々四三が1914年(大正3年)にマラソンで, 2時間19分20秒3の世界最高記録を作っている.21). そして各小学校においても現代の校内マラソン大会の様子により近い感覚のものが実践. されている.1918年(大正7年差兵庫小学校尋常科5年以上が徒歩競争会を,翌月には3 年以上で,さらに翌年には全校で行っている.また,1922年(大正11年)には,名称も長. 距離競争として実施されている.22)同年には,豊岡小学校においても,夏休中の早起会 で体操と駆け足を,10)西脇の日野小学校では卒業生が「マラソンといって富田の方を廻 ったり,市原の愛宕山へ登って帰ってきたりしていた.」23)と回想している.. さらに,最も具体的な実践として,明石郡教育会誌24)によれば,櫨谷尋常高等小学校 で駆け足の指導として持続的駆け足を授業開始前5∼10分間行い跳躍的駆け足を体操科教 程中の向上運動として行い,遊戯を課し,吟歩と長大歩は耐久力を養成するため時々行う. 7.
(11) 等の方法をとって実施した.江井島尋常高等小学校では,児童の徒歩会を設け,全校生の 一万里徒歩を運動場に立てられた4本の柱の周囲を暇あるごとに駆け足で廻りその回数を. 記帳して,約1ケ年に徒歩距離が4万Kmに達するように奨励指導したとある.これらの実 践はまさに校内マラソン大会前によく実施されている耐寒駆け足やマラソン大会練習など ではないだろうか.. 第3項 昭和期 昭和期に入ると,明治期から大正期程の発展はあまりみられない.. 時代を反映してか,大会そのものとしてよりは,訓練であるとか鍛錬として実施されてい る.記録として残されているものも少なく,あるいは,記録に残す程の活動がなかったの かもしれない.めぼしいもので,. 1928年(昭和3年)豊岡小. 身体鍛錬デー,学年別の小遠足実施10). 1929年(昭和4年)諏訪山小 学年単位で始業前の50分間,12のコースで駆け足 を行い耐寒運動をした.25). 1931年(昭和6年)神戸市. 「校外教育,遠足運動,修学旅行に関する調査」. 歩行の標準距離を示唆26) 1936年(昭和11年)諏訪山小 全校生の鍛錬遠足25) 1940年(昭和15年)三樹小 耐寒訓練週間開始27). 豊岡小. 第一回全校駆け足訓練会を実施10). 1944年(昭和19年)三樹小. 耐寒訓練一週間実施27). とある程度である.. 戦後からは,1950年(昭和25年)に早くも三樹小学校において4年生以上であるが,マラ ソン大会が実施されている.27)1954年(昭和29年)には九会小学校で28),1958年(昭和 33年)には志染小学校でも実施29)されて現在に至っている.. 第2節 小学校校内マラソン大会の規範はあるか? 時代の変遷からみてみれば,小学校において長い距離を走って体を鍛えるということが 明治末期から大正時代にかけて盛んに行われ始めたことがわかる.それは,「体操書」や 「小学校体操教授書」に例示されているものではなく,単にトップダウンの富国強兵的な. 国家要請であるといえなくもないが,その集大成として小学校校内マラソン大会は,錬成. 8.
(12) 発揮の場,あるいは記念的行事としてその体裁を整えていったものと思われる.. 戦後からは,1949年の学習指導要領であろうか.基本的には1945年の「学校体育指導要 綱解説陸上競技篇」30)の「長距離走」の内容であって,「児童においては最初は競争と してよりも謂ゆる『持久走』よりはじめ,疲れたら休み,或いは歩き,恢復したらまた走 るといった程度から練習させるがよい」と示されている.. その後,1953年の学習指導要領では,特に触れられてはおらず,1958年の学習指導要領 31). ナは,走り方,ペース,呼吸法,距離とタイムのめやす,準備・整理運動,病弱者へ. の配慮,校外に出る時の注意などが説明されており,陸上運動の領域であった. 1977年の学習指導要領32)では,体操領域の「動きを持続する能力を高めるための運動」 として示された.その理由は,「競争を伴う長距離は,児童の心身の発達の状況からみて. 小学校では適当ではないと考えるため,体操の領域の動きを持続する能力を高める運動で 持久走として取り扱う」と説明されている.現行の学習指導要領においても同様である. また,久保33)は持久走の位置づけとして,. ①長距離走,マラソン,駅伝などにつながる教材として捉えながら,子どもの発達の 特性や健康・安全上の問題(突然死)などから,非競争的に導入すべきだとする考 え方 ②本質的に陸上競技とは区別して,持久力を高めるための教材(持久的運動)として 捉えるべきだとする考え方 の二点があるとしている.. 以上のような観点は,教科として,持久走は「何をどう教えるのか」という様々な規範 的要素から述べられているが,言うまでもなく,校内マラソン大会は行事であって,特別 活動の領域である.しかし,校内マラソン大会はそれだけで存在するものだけはなく,学 校の教育活動の全体を考え,その独自の役割とともに他の領域との関係をもちながら学校 教育目標を実現していくことが重要であるので,単一的な領域だけでは実践できない. したがって,基本的な教科と行事の関係のあり方を模索しなければならないのであるが, 八代34)はその関係は「補完」「強化」「相互依存」で示されるとしている.. つまり,日々の体育学習の動機づけを強化したり,体育の学習で学んだことが行事とい う別の場でどのように発揮されるかを確かめることができるし,何よりも,学級単位の単 元学習で競争したり,発表し合ったりする仲間や集団が狭く固定的であるのに対して,学 級や学年の枠を超えた他のクラスや他の学年との競争もできるということである.. 9.
(13) そのような意味で考察すれば,教科を基礎とするならば応用編・補完編として校内マラ ソン大会は位置づけされるが,いずれにしても,運動会が地域における祝祭文化としての 歩みを全国的に辿ったと同様にして,小学校校内マラソン大会もあくまでも地域性を踏ま えた学校内のスポーヅ・イベントや記念的行事として,教科体育とは一線を画した独特の 進展があったようであるので,これからの校内マラソン大会は,生涯学習の基礎を培うと いう側面も重視されてきていると考えられる.. 10.
(14) 第2章. 第1節. 今の小学校校内マラソン大会はどうなっているのか. 教師の側からみた小学校校内マラソン大会. 今の小学校校内マラソン大会は,転換期を迎えている.それは,学校週五日制の導入に よる行事精選の問題と体育授業との関連の問題である. 現場サイドでひらたく言えば,. ・子どもにとって必要な行事ではあると実感はできるのだけれど,今一つその根拠が はっきりと示せない.. ・学習指導要領に照らして,授業との関連付けを行おうとすれば実態とかけ離れてし まう.. ・本来,特別活動の領域なのになぜか体育主任が計画する. ・本質的にしんどいことは教師も子どもも嫌い.なくなればそれなりに「ほっと」する. などである.. そこで,地域の小学校校内マラソン大会の実態と動向から,実践上の課題を汲み取りた いと考え,下記の要領で実態調査を実施し,回答を得た.. 第1項 小学校校内マラソン大会の実態調査の目的及び方法 (1>目 的. 小学校校内マラソン大会の実態を明らかにする中で,そのマラソン大会. が抱える課題を探る. (2)方 法. 郵送による記名式アンケート調査(前年度実施状況による回答). (3)対 象. 兵庫県東播磨教育事務所管内の全小学校135校(国立2校,公立133校. (4)回答率. 回答実数120校(国立2校,公立118校) 回答率88.2%. 11.
(15) 第2項 小学校校内マラソン大会の実態調査の結果及び考察 1.校内マラソン大会の実施状況 校内マラソン大会について,3項目の内からの選択で実施状況の回答を求めたところ, 表1のような結果を得た.. 表1 校内マラソン大会の実施状況. 校麟 郷. 項園 ill;i項療i:iiliiilii臨海iiiiiiii㈱… 容. 1. 実施している. 2. 実施していない. 3. 以前実施していたが取り止めた. 97. 80.8. 6. 5.0. 17. 14.2. 実施している学校が97校(80.8%)であった.. 実施していない学校は6校(5.0%)であった.. また,以前実施していたが取り止めた学校17校の内,発展的解消として,他の運動種目 (なわとび大会など)に変更した学校7校(表3参照)も含めれば,何らかの形においてこの. 種の行事を存続させていると考えられる学校の占める割合は104校(86.7%)になる. 行事精選のために取り止めた学校がユ3校(表3参照)あるが,ほとんどの小学校では何らか. の形において校内マラソン大会が行われていると考えてよいであろう.. 2.今後の予定 校内マラソン大会を実施していない学校(以前実施していたが取り止めた学校も含む). 23校について,今後,校内マラソン大会を実施する予定の有無に関して,3項目の内から の選択で回答を求めたところ,表2のような結果を得た.. 表2 校内マラソン大会今後の予定. 蜘義義羅::黍、騰 @ 1予定している 2. 予定していない. 3. 未定. 12. 1%;…:…. 0. @0. 18. 78.3. 5. 21.7.
(16) 実施している学校でも,今後,校内マラソン大会を継続していくかどうかについては意 見,感想の項目(資料3参照)から推察しても先行きが不透明であり,取り止めとなれば復活 する見込みはないことが考えられる.. 3.校内マラソン大会が取り止めになった理由 以前校内マラソン大会を実施していたが,取り止めになった学校17校と例年実施してい るが例外的に本年度は実施していない学校13校,計30校について6項目による理由の選択 から回答を求めたところ,表3のような結果を得た.. 表3 校内マラソン大会が取り止めになった理由 :噴照1:・. 糠認概・角圏・聾. 壁被数馳、%…. 13. 1. 行事精選のため. 2. 運動種目等の変更による発展的解消. 7 23.3. 3. 道路事情悪化のため. 5 16.7. 4. 震災のため. 2. 6.7. 5. 不慮の事故発生のため. 1. 3.3. 6. その他. 2. 6.7. 43.3. 行事精選のために取り止めた学校が,13校(43%)と一番多かった.. 2番目は運動種目等の変更による発展的解消で取り止めた学校が,7校(23.3%)であっ た.この7校については,発展的解消であるから,行事そのものは形を変えて継続してい ると考えてよいだろう.. 4番目の震災のため取り止めた学校2校(6.7%)については,校舎改築等によって運 動場が使用できないためと付記があった.. 5番目の不慮の事故発生のための学校は,不幸にも児童の校内マラソン大会実施中によ る突然死ということであった.. 6番目のその他と回答を得た学校2校(6.7%)は,プール改修工事のため運動場が使 用できないということであった.. 13.
(17) そこで,. ・行事精選,運動種目等の変更,不慮の事故発生の項目を学校の内部事情による取 り止め,「内的要因」. ・道路事情,震災,その他の項目を環境の変化による取り止め,「外的要因」 として新たに分類した.. その結果は表4のようになり,. 表4 校内マラソン大会取り止めの理由の分類 雛蝿:. 由∴、…il、撒劃}ii……当膨 %’. 内的要因による取り止め. 外的要因による取り止め. 21. 70.0. 9 30.0. 取り止めの理由としては,学校内の事情で決定される内的要因によるものが多いことが わかった.. 14.
(18) 4.名称について 校内マラソン大会を実施している学校97校について,どのような名称を使用しているか を,名称そのものの記名で回答を求めたところ,表5のような結果を得た.. 表5 校内マラソン大会の名称 、膜 、………鯨:煮稼’. ;名称数・、:. 騨忌数. 匹蝋 鱒∴. 67. 69.1. 競技的. ふれあいマラソン大会. 6. 6.2. 交流的. 3. マラソン大会. 5. 5.2. 競技的. 4. 持久走記録会. 5. 5.2. 競技的. 5. 校内持久走大会. 5. 5.2. 競技的. 6. 親子ふれあいマラソン大会. 3. 3.1. 交流的. 7. 健康かけ足記録会. 1. 1.0. 催物的. 8. 走りっこ会. 1. 1.0. 催物的. 9. 親子マラソン大会. 1. 1.0. 交流的. 10. さわやかマラソン大会. 1. 1.0. 競技的. 11. かけあし大会. 1. 1.0. 催物的. 12. ニコニコマラソン記録会. 1. 1.0. 催物的. 1. 校内マラソン大会. 2. ほとんどの学校では,「校内マラソン大会」という名称が使用されているが,その他に も様々あり,合わせて12の名称が使用されていることがわかる. この12の名称をそれぞれ,. ・マラソン大会とか記録会と銘打っているものを「競技的名称」 (以下競技的と略 す).. ・ふれあいであるとか親子と銘打って,地域や親子での交流を目指したであろうと 考えられるものを「交流的名称」 (以下交流的と略す). ・その他,競技的にも交流的にも当てはまらない,楽しさ追求やイベント的色彩が 強そうな名称のものを「催物的名称」(以下催物的と略す) として分類した.(表5参照). 15.
(19) 名称上だけの分類ではあるが,. 表6 校内マラソン大会名称の分類 歎麟糾蘭.:…・. ・……券…:ぎ. 交流的. 83 10. 催物的. 4. 競技的. 85.6 10.5 4.1. という表6のような結果になった.. 実践内容はともかくも,この名称だけの分類によれば,小学校の校内マラソン大会は一 見すると,競技的色彩が強い名称を使用している学校が,大部分を占めるということがい える.. 5.校内マラソン大会の目的 校内マラソン大会を実施している学校97校について,どのような目的で実施しているの かを自由記述によって回答を求めた.自由記述によったので,記された内容をセンテンス で区切って分類したところ表7のような結果を得た.. 尚,内容上1校あたり,2件ないし3件の目的を得ることとなった.. 16.
(20) 表7 校内マラソン大会の目的の分類1 …i萬騰 葦il;…厨・;:;;・. ’::的;:i;. 件麺:i.. 59. 1. 体力つくり(持久力の養成). 2. 体育の授業や耐寒かけ足などの成果の発表の場として. 3. 忍耐力,克己心の養成. 4. 自分の能力に合った速度で一定の距離を走り通す技能を身につける. 5. 励まし合い,助け合う大切さを学ぶ. 6. 走ることの喜び,楽しさを味わう. 7. 自分の体の調子を整え,健康・安全に留意する態度. 8. 親子,地域の人々とのふれあう機会. 9. 目標をもって努力しようとする態度. 10. 45 44 30. %・1;. 分、、類:i;. 23.6. 体力技能. 18.0. 成果発表. 17.6. 精神修養. 12.0. 体力技能. 6.8. ふれあい. 17 16 12 10 10. 6.4. 走る喜び. 4.8. 体力技能. 4.0. ふれあい. 4.0. 精神修養. 記録の向上,挑戦. 4. 1.6. 体力技能. 11. 相手との競争を楽しむ. 2. 0.8. 走る喜び. 12. 基本的な集団行動の徹底. 1. 0.4. 精神修養. この12項目に上る目的を,さらにその内容から考えて. ・体力つくりや走の運動技能,走の運動技能の結果として記録をめあてとしたもの を「体力技能」. ・日々の体育実践や耐寒かけ丁丁で培ったものの発表する場としているものを「成 果発表」. ・忍耐力や克己心など内面的な態度にふれたものを「精神修養」 ・他の人々との交流を通して精神的充実感を得ようとするものを「ふれあい」 ・喜びや楽しさについてふれたものを「走る喜び」 と新たに分類した.(表7参照). 各々が,全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は,表8のようになった.. 17.
(21) 表8校内マラソン大会の目的の分類2 !:分類. フ力技能. 件数…ll、灘。. P05. ふれあい. 55 45 27. 走る喜び. 18. 精神修養 成果発表. 42.0 22.0 18.0. 10.8 7.2. この分類の結果によって考えられることは,小学校の校内マラソン大会の目的を「体力 技能」つまり体力の養成や技能の向上を第一義的とする学校が過半数近くを占めており,. 2番目に占める割合が多い体力の養成や技能の向上を通じて精神を高めることの「精神修 養」とを含めれば,およそ2/3の学校が,その目的を校内マラソン大会を通して,体力の 向上を図り,その活動の中で心の充実を求めていくと捉えているのではないかということ である.. 一方,校内マラソン大会を通じて友達との励まし合いや協力,親子や地域との交流とい った,自分以外の人々の関わり合いを通しての人間的高まりを目的としている学校は10.8 %と少数である.. これについては,運動の特質上,個人競技であり個々の体力及び精神の充実が第一義で あって,教育上大切さは認識してはいるものの,この行事を通しては得難い,あるいは第 二義的であると考えられているからであろう.. また,走ることの喜びや楽しさといった運動の本質そのものにふれることを目的として いる学校は10%にも満たない.これも,運動の特質上,喜びや楽しさといったものは得難 くく困難であると考えられているからであろう.. また,この目的を ・個人のかんばりや努力だけで結果が得られると思われるものを「個人活動」. ・自分以外の人々の関わり無しでは結果が得られないであろうと思われるものを 「仲間活動」 として新たに分類した.(表g参照). 18.
(22) 表9 校内マラソン大会の目的の分類3. 蝋i、.,函∵ 1. 的iiiili◎i:職. 59. 体力つくり(持久力の養成). 2 体育の授業や耐寒かけ足などの成果の発表の場として. 3 忍耐力,克己心の養成. 4. %、ii分類ゼ. 自分の能力に合った速度で一定の距離を走り通す技能を身につける. 45 44 30 17 16 12 10 10. 5 励まし合い,助け合う大切さを学ぶ 6 走ることの喜び,楽しさを味わう. 7. 自分の体の調子を整え,健康・安全に留意する態度. 8 親子,地域の人々とのふれあう機会 9. 目標をもって努力しようとする態度. 23.6. 個人活動. 18.0. 個人活動. 17.6. 個人活動. 12.0. 個人活動. 6.8. 仲間活動. 6.4. 個人活動. 4.8. 個人活動. 4.0. 仲問活動. 4.0. 個人活動. 10 記録の向上,挑戦. 4. 1.6. 個人活動. 11 相手との競争を楽しむ. 2. 0.8. 仲間活動. 12 基本的な集団行動の徹底. 1. 0.4. 仲間活動. この分類では,全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は,表10のような結 果となった.. 表10校内マラソン大会の目的の分類4 一券㌧翻. 鞠轍響1“::%=. 個人活動. 220. 88.4. 仲間活動. 30. 11.6. つまり,校内マラソン大会では,個人の努力やがんばりといったことを念頭に置く学校 が大半を占めるということであり,仲間や地域の人々といった自分以外の人々との関わり 合いを含めて実践していこうとする学校は非常に少ないと言える.. それは,何をおいてもまずは運動の特質から獲得していかなければという姿勢の現れで はないかと考えられる.. 19.
(23) 6.校内マラソン大会の実施時期 校内マラソン大会を実施している学校97校について,例年何月に実施しているかという ことで回答を求めたところ表11のような結果を得た.. 表11校内マラソン大会の実施月 、・懸……:…i. 11月. 3. 12月 2月. 28 22 42. 43.3. 3月. 2. 2.0. 1月. 3.1. 28.9 22.7. 一番実施校が多いのは,2月の42校(43.3%)である.以下,12月の28校(28.9%),. 1月の22校(22.7%),11月の3校(3.1%),3月の2校(2.0%)という順であった. 運動の特質や他の行事との兼ね合いなどを考えれば妥当なところと考えられる.. 厳寒期におけるインフルエンザなどの流行などで出来れば,この1月,2月を避けたい という事が,意見や感想の項目で寄せられていた.(資料3参照). 今後の推移として,12月に実施という学校が多くなるのではと予測される.. 7.校内マラソン大会の実施場所 校内マラソン大会を実施している学校97校について,例年どこで実施しているかという ことで,5項目の内からの選択で回答を求めたところ表12のような結果を得た.. 尚,1・2年生は校内で実施,3年生以上は校内と学校周辺の道路,主に学校周辺の道 路を使用するが,出発点とゴールは校内というような複数回答があったため,回答件数と して処理した.. 20.
(24) 表12校内マラソン大会の実施場所. 飾i}黒項鞠 内バ容く. 繊、ll:1鬼. 1. 校内. 2. 学校周辺の道路. 31 74. 3. 近隣の公園,競技場など. 11. 9.2. 4. 河川敷など. 2. 1.7. 5. その他. 1. 0.8. 26.1. 62.2. その他と回答した学校は,湖沼の周囲を利用してということであった. 校内だけで行うと回答した学校は,2校であった. 校内と学校周辺の道路を利用して行うと回答した学校は81校であった.. 実施上,校内をぐるぐる回るよりは,校外に出て走る方がメリハリもきいて楽しいであ ろうし,また,実施場所への移動の利便性もあるので,学校周辺の道路も利用して行うと した回答件数が一番多いのは妥当だと考えられる.. 今後,予想される事は,校内マラソン大会が取り止めになった理由として,道路事情の 悪化による,と5校の回答があったことや(表3参照),意見及び感想の項目のところでも安 全管理上の問題として道路使用を危惧するものがあった.(資料3参照). 校内マラソン大会実施校97校の内,81校が実施場所として道路を使用している以上,近 隣に安全な実施場所が確保されなければ,ますます取り止め,若しくは種目の変更を行う 学校が増えると考えられる.. 8.校内マラソン大会の実施距離 校内マラソン大会を実施している学校97校について,1年生から6年生まで,各々で実 施している距離の回答を求めた.. 実施距離を200m毎に区切り,各校の実施距離を当てはめ,校数で処理した.. 尚,距離ではなく時間で区切っている学校が1校あった.. 21.
(25) (1>1年生. 表13校内マラソン大会1年実施距離. 輿施.、矩離. 校紺%,. 600m未満. 2. 2.0. 600m以上 800m未満. 8. 8.0. 1000皿以上1200皿未満. 27 47. 1200m以上1400m未満. 5. 5.6. 1400m以上1600m未満. 6. 6.1. 1600m以上. 1. 1.0. 3分間. 1. 1.0. 800m以上1000m未満. 27.8 48.5. 一年生において,最も短い距離の学校で500m,最も長い距離の学校で1800mであった. 平均すると967mの実施距離である.. 1000m以上1200皿未満の距離帯で実施している学校が最も多く47校であった.次に多い のが800皿以上ユ000皿未満の距離帯で実施している27校であった.. この二つの距離帯の学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合は77.1%となり,. 一年生において,半数以上の学校が800m以上1200m未満の距離帯で実施していることにな る.. 学習指導要領35)では,かけ足(2,3分間程度)と例示されているので,これを基に 実施距離(時間)を計画したであろうと考えられるのは,600m未満の学校2校と3分間で 実施している学校1校であると考えられる.この3校が全体(校内マラソン大会実施校97 校)に占める割合は3.1%である.. 校内マラソン大会の位置づけにもよるが,学習指導要領を基として,普段の体育の授業 から関連づけて,校内マラソン大会を実施している学校は,わずかである.. 22.
(26) (2)2年生. 表14校内マラソン大会2年実施距離 ,実礁、;i;…、……蹄iiこ、離. :撫数. ・…. 燈U. 600m未満. 2. 2.0. 600m以上 800m未満. 5. 5.6. 1000皿以上1200m未満. 26 47. 48.5. 1200m以上1400m未満. 7. 7.1. 1400m以上1600m未満. 7. 7.1. 1600皿以上. 2. 2.0. 3分間. 1. 1.0. 800m以上1000m未満. 26.7. 二年生において,最も短い距離の学校で500m,最も長い距離の学校で1800mであった. 平均すると,994mの実施距離であった.一年生の平均実施距離が967皿であったから,そ. の差27mで,わずかながらも,全体的傾向として,平均距離においては,学年差をもたせ ていると考えられる.. 1000m以上1200m未満の距離帯で実施している学校が最も多く47校であった.次に多い のが800m以上1000m未満の距離帯で実施している26校であった. この二つの距離帯の学校が全体(距離で実施の96校)に占める割合は76.0%となり,二 年生において,半数以上の学校が800m以上1200m未満の距離帯で実施していることになる.. 学習指導要領35)では,かけ足(2,3分間程度)と例示されているので,これを基に 実施距離(時間)を計画したと考えられるのは,600皿未満の学校2校と3分間で実施して. いる学校1校である.この3校が全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は 3.1%である.この点においては,一年生と同様であるが,二年生においても,学習指導. 要領を基として,体育の授業を行い,その集大成として校内マラソン大会を実施している いう学校は,ほとんどない状態なのであろう.. 23.
(27) (3)3年生. 表15校内マラソン大会3年実施距離. 曳施、』距離. 襟隻. 驚. 800m未満. 1. 1.0. 800m以上1000m未満. 1. 1.0. 1000m以上1200m未満. 8. 8.3. 1200m以上1400m未満 1400m以上1600m未満. 33 29. 29.9. 1600皿以上1800m未満. 6. 6.2. 18. 18.5. 1. 1.0. 1800m以上. 3分間. 34.1. 三年生において,最も短い距離の学校で700m,最も長い距離の学校で2500mであった. 平均すると,1439mの実施距離であった. 1200m以上1400m未満の距離帯で実施している学校が最も多く33校であった. 次に多いのが1400m以上1600皿未満の距離帯で実施している29校であった.. また,1800m以上の距離において実施している学校も18校あった. 1200m以上1600m未満の距離帯での学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合は641. 6%となり,三年忌において,半数以上の学校が1200m以上1600m未満の距離帯で実施して いることになる.. 学習指導要領35)では,かけ足(3,4分間程度)と例示されているので,これを基に 実施距離(時間)を計画していると考えられるのは,800m未満の学校1校と3分間で実施 している学校1校である.この2校が全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合 は2.1%である.時間走3分として,実施している学校はともかく,最も短い距離の学校 の700mであっても,三年生で3,4分で走るとなると,かなり厳しい. 全体的傾向としては,学習指導要領うんぬんで関連を考えるのは,意味がないような状 況である.. 24.
(28) (4)4年生. 表16校内マラソン大会4年実施距離 態,警1……蔀髄離. 樵数……. %』,. 800m未満. 1. 1.0. 800m以上1000m未満. 1. 1.0. 1000m以上1200m未満. 6. 6.2. 1200m以上1400m未満 1400m以上1600m未満. 32 27. 27.7. 1600m以上1800m未満. 6. 6.2. 22. 22.7. 1. 1.0. 1800皿以上. 3分聞. 35.1. 四年生において,最も短い距離の学校で700m,最も長い距離の学校で2840mであった.こ の両校の差も,ほぼ2000mという距たりがある.. 平均すると,1533mの実施距離であった. 1200m以上1400m未満の距離帯で実施している学校が最も多く32校であった. 次に多いのが1400m以上1600m未満の距離帯で実施している27校であった. また,1800m以上の距離において実施している学校も22校あった. 1200m以上1600m未満の距離帯での学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合は51.. 0%となり,四年生において,ほぼ半数の学校が1200m以上1600m未満の距離帯で実施して いることになるが,実施距離において,かなりのばらつきがある.. 考えられることは,平均距離の1533mで校内で実施するとして,200mのトラックが確保で きたとしても,7週半走らなければならないから,かなり煩雑である. したがって,校外等の環境によって,実施距離が決定されるのであろう.. 学習指導要領35)では,かけ足(3,4分間程度)と例示されているので,これを基に 実施距離(時間)を計画したと考えられるのは,800m未満の学校1校と3分間で実施して いる学校1校である.この2校が全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は2. 1%であって三年生と同様であるが,最短距離の学校と最長距離の学校の差からみても,あ まり意味がないように考えられる.. 25.
(29) (5)5年生. 表17校内マラソン大会5年実施距離 実、施㍉:顯i…iii}:…離難;:辣数. 』%・. 1000m未満. 0. 0. 1000m以上1200m未満. 1. 1.0. 1200m以上1400m未満. 3. 3.1. 1400m以上1600m未満 1600m以上1800m未満. 21 15. 1800m以上2000m未満. 9. 9.3. 47. 48.5. 1. 1.0. 2000m以上. 3分間. 21.6 15.5. 五年生において,最も短い距離の学校で1000m,最も長い距離の学校で3200mであった. その差も2200mとかなりのものである. 平均すると,1933mの実施距離であった. 2000m以上の距離で実施している学校が最も多く47校であった. 次に多いのが1400m以上1600m未満の距離帯で実施している21校であった. 1000m未満の距離において実施している学校はなかった. 2000m以上の距離で実施の学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合は49.0%とな り,五年生において,半数に近い学校が2000m以上の距離で実施していることになる. また,1400皿以上1800m未満で実施の学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合も 37.1%となり,五年生では,1400m以上1800m未満と2000m以上に二分化される傾向がみられ. る.これは,2000m以上のコースを確保しようと思えば郊外の学校か,近郊にそれなりの 施設を使用できる環境でないと困難であることが要因ではないかと考えられる.. 学習指導要領35)では,無理のない速さでの5,6分間程度の持久走と例示されている ので,これを基に実施距離(時間)を計画したと考えられるのは,3分間で実施している 学校1校である.この1校が全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は1.0%で ある.. 26.
(30) (6)6年生. 表18校内マラソン大会6年実施距離. ∫鋒旛『距灘. 鱗数,%. 1000皿未満. 0. 0. 1000m以上1200m未満. 1. 1.0. 1200m以上1400m未満. 3. 3.1. 1400m以上1600m未満 1600皿以上1800m未満. 19 18. 1800m以上2000m未満. 7. 7.2. 48. 49.5. 1. 1.0. 2000m以上. 3分間. 19.6 18.6. 六年生において,最も短い距離の学校で1000m,最も長い距離の学校で3200mであった. その差2200mは五年忌と変わりはない.. 平均すると,2059mの実施距離であった.五年生が1933mであったから,六年生だから ということで,若干の差をもたせた学校があったのかもしれない.また,六年生で,平均 距離ではあるが,2000mを越えたことになる.. 2000m以上の距離で実施している学校が最も多く48校であった. 次に多いのが1400皿以上1600皿未満の距離帯で実施している19校であった.. また,1000皿未満の距離において実施している学校はなかった.. 2000m以上の距離で実施の学校数が全体(距離で実施の96校)に占める割合は50.0%とな り,六年生において,半数の学校が2000m以上の距離で実施していることになる.. 学習指導要領35)では,無理のない速さでの5,6分間程度の持久走と例示されている ので,これを基に実施距離(時間)を計画したと考えられるのは,3分間で実施している 学校1校である.この1校が全体(校内マラソン大会実施校97校)に占める割合は1.04% である.. 27.
(31) (7)実施距離の推移. ・. 各学年の実施距離の平均で,学年間の実施距離の変化を調べた.(図1参照). 1年と2年,3年と4年,5年と6年の間においては,大きな差はみられない. 2年と3年,4年と5年の間においては,各々,444.75m,400.31mという差がみられた. これは,学習指導要領の学年の区切りがおよそ低・中・高となっているので,それに対照 させて実施距離も合わせたようになっていると考えられ,また,運営上の簡易さも若干含 まれているであろう.. 実施距離の推移. (m ). 2200 2000 1800 1600 1400 1200 1000. 800. 1年. 2年. 4年. 3年. 5年. 6年. 図1)校内マラソン大会実施距離の推移. 9.児童への評価 (1)児童の表彰. 校内マラソン大会を実施している学校97校について,児童への評価として,上位入賞の 児童を表彰しているかどうかを,2項目の内からの選択で回答を求めた. 得られた結果は表19の通りである.. また,上位入賞の児童の表彰をしている場合,具体的に,何位まで表彰しているかの回 答も求めた.. 表19校内マラソン大会児童の表彰 灘韓、ii l,………1;……礁ii:;1;1;i緯…i;iiii::iiii;難:il;i:i:;;難:lii:il. 1. 表彰をしている. 2. 表彰をしていない. 28. 1鱗……継 %警. 77 20. 79.4 20.6.
(32) 上位入賞の児童を表彰している学校は77校(79.4%)であった. 上位入彰の児童を表彰していない学校は20校(20.6%)であった.. 上位入賞の児童を表彰している学校が,およそ80%近くもあるということは,積極的に いろいろな児童をいろいろな場面において,評価していこうとする学校が多いという現れ だと考える.. ただ,マラソン大会という性格上,表彰という概念を出せば,一部児童のための競技会 になりはしないかという危惧がある.. 根本的には,教育活動全般において,児童評価をどのように考えるかと,校内マラソン 大会の位置づけになろう.. 次に,上位入賞の児童を表彰している学校77校について,具体的に何位までの児童を表 彰しているのかについて得られた結果は,表20の通りである.. 表20校内マラソン大会表彰内訳 ・痛言麟…誌・,,. 校数1…1……. …………艶. 3位まで. 12. 15.6. 5位まで. 2. 2.6. 6位まで. 22. 28.6. 8位まで. 1. 1.3. 10位まで. 34. 44.1. 15位まで. 3. 3.9. 20位まで. 2. 2.6. 参話者の2割. 1. 1.3. 10位までの学校が一番多く34校(44.1%)であった.. 以下,6位まで22校(28.6%),3位まで12校(15.6%),15位まで3校(3.9%),. 5位までと20位までが2校であった. また,参加者の2割程度という学校も1校あった. 学校規模や参加人数によって一概には判断出来ないのが,10位というのは妥当な線なの であろう.. 表彰そのものの性格から,多すぎても価値がなくなるし,逆に少なすぎると,一部参加. 29.
(33) 者だけのものになってしまう.. 具体的に何位までという部分は,各学校の教育方針と実状によると考える.. (2)時間計時. 校内マラソン大会実施校97校について,参加児童の時間計時をしているかどうかを2項 目の内からの選択で回答をもとめた.. また,時間計時をしていると回答があった学校には,合わせて具体的に何位まで時間計 時をしているのかの回答も求めた.. 表21校内マラソン大会時問計時. 項圏門下:資内容、:、棟数 1.. 時間計時をしている. 2. 時間計時をしていない. ぜ…%. 95. 97.9. 2. 2.1. 時間計時をしている学校は95校(97.9%)であった.また,時間計時をしていない学校 は2校(2.1%)であった. 校内マラソン大会を実施している学校のほとんどが,時間計時をしているといえる.. また,時間計時をしていない学校2校については,親子ふれあいという実施形態で時間 計時をするのが困難か,あるいは,必要がないためと考えられる.. 次に,時間計時をしている学校95について,何位まで時間計時をしているかについては 表22のような結果を得た.. 尚,各々で得られた結果を5位ごとに区切り,集計した.. 表22校内マラソン大会時間計時内訳 填騒数 実施内容. 難業. %、::. 1. 5位まで. 1. 1.1. 2. 10位まで. 10. 10.5. 3. 15位まで. 1. 1.1. 4. 20位まで. 1. 1.1. 5. 全. 82. 86.2. 員. 30.
(34) 時間計時をしている学校95校の内,82校(86.2%)が全員の時間計時をしていた.. 時間計時そのものは,児童が走るためのめあてとして,実施形態に関わらず,必要なも のであると考えられるが,全員の時間計時をするための機材と人員について考慮すれば全 員の時間計時をし難い事情が各校においてあると推測される.. (3)完走証の発行. 校内マラソン大会実施校97校について,参加児童への評価として,完走証を発行してい るかどうかを,2項目の内からの選択で,回答を求めた. その結果は,表23の通りである.. 表23校内マラソン大会完走証の発行 三面、. 、順…凋…癖i…い容1’…. 1. 完走証を発行している. 2. 完走証を発行していない. 回流数. %. 95. 97.9. 2. 2.1. ほとんどの学校が完走証の発行をしていた.. 発行をしていないと回答があった学校についても,1校は記録証を参加児童全員に発行 していると付記してあった.. 完走証は,児童にとって走った証となるものであるから,何よりの評価であると考えら れ,教育的価値が高いものである.. よって,ほとんどの学校が,完走証を発行しているというは,上位入賞者の表彰と対照 的にすべての児童に対する心配りだと考える.. また,完走証自身も,学校一括のものではなく,学年毎であるとか,学級担任の手作り のものとか様々な工夫がみられる.(資料2参照). (4)着順判定. 校内マラソン大会を実施している学校97校について,着順判定をしているかどうかにつ いて,2項目の内からの選択で回答を求めた.. また,着順判定をしているという学校については,具体的に,何位まで着順判定をして いるのかの回答も合わせて求めた.. 31.
(35) 表24 校内マラソン大会着順判定 項翻項属・内容1検激;、%≦・ 1. している. 2. していない. 92. 94.8. 5. 5.2. 着順判定をしている学校が92校(94.8%) 着順判定をしていない学校が5校(5.2%)であった.. また,着順判定をしている学校92校ついて,具体的に何位まで,着順判定しているかの 結果は表25の通りである.. 表25校内マラソン大会着順判定内訳. 囎数輿雄鰍 稼数梶 1. 6位まで. 1. 1.1. 2. 10位まで. 1. 1.1. 3. 全. 90. 97.8. 員. この結果にから考えられることは,校内マラソン大会を実施している学校のほとんどが 着順判定をしており,その着順判定もほぼ全員についてである.. 着順判定そのものは,例えば,個々の時間計時について,正確に行うためであるなど事 務的な側面と,何より,参加する児童が,めあてを具体的に持ちやすいという側面がある.. 着順判定自体についての是非は,校内マラソン大会をどのように捉えるかによって変わ ってくるから,校内マラソン大会を実施している学校のほとんどが,着順判定をおこなっ ているという面だけでみれば,競技的取り扱いの傾向が強いといえる.. 10.耐寒かけ海釣の実施について 耐寒かけ足,業前かけ足,業間かけ足など名称は様々であるが,校内マラソン大会の準 備期間として,あるいは,体力つくりのためなど,一定期間継続的に実施されているかけ 足について,実施しているかどうかを,3項目の内からの選択で,回答を求めた. また,実施している学校には,その実施時期,期間,場所,児童への評価について合わ. 32.
(36) せて回答を求めた.. 尚,名称は一般的名称である,耐寒かけ足とした 回答があった学校120校の結果は,表26の通りである.. 表26 耐寒かけ足等の実施状況 項二十・iii;:項:…1::}:漕…,内・容. 1. 実施している. 2. 実施していない. 3. 他の運動種目で実施. 、櫃散. …iii…%. 106. 88.3. 1. 0.3. 13. 11.4. 校内マラソン大会は,一日だけの単発行事であるが,耐寒かけ足は何日か継続する言 わば習慣的行事である.それだけに,教育的な意味をもたせるならば,耐寒かけ足の方が 意味深い.. よって,校内マラソン大会を実施しないまでも,耐寒かけ足は実施するという学校が存 在し,校内マラソン大会の実施率80.8%(表1参照)よりは,高くなり88.3%の実施率となる のは当然かと考えられる.. 他の運動種目で実施という学校も含めて考えれば,何も実施していないという学校は1 校だけであるから,ほぼどこの学校でも,この種の運動実施期間が設けられているという ことであろう.. 尚,他の運動種目で実施という学校は,なわとび,ボール運動を主運動として,かけ足 も行うということであった.. (1)実施時期. 耐寒かけ足を実施している学校と他の運動種目で実施している学校計119校について, 例年何月に実施しているか,具体的な実施月で回答を求めたところ,表27のような結果を 得た.. 尚,二ヶ月,三ヶ月に渡って耐寒かけ足を実施している学校があったので,それぞれの 月での実施校数はのべの校数となる.. 33.
(37) 表27 耐寒かけ足の実施時期. 項騰……難薄繊叢1確 1. 10月. 2. 11月. 26 12月 43 1月 63 2月 36. 3. 4 5 6. 7. 1. 3月 通 年. 0.6. 15.0. 24.9 36.4 20.8. 1. 0.6. 3. 1.7. 冬場,運動する機会が少なくなる時に,かけ足で運動不足を補おうとするのが,耐寒か け足のだいたいのねらいであるから,一月に一番多く,のべ63校(36.4%)で,実施され ているのは,当然といえば当然である.. 二番目に多いのが12月,のべ43校(24.9%)というのは,逆に,インフルエンザなどが 流行する厳寒期をさけるという考え方に基づいているのであろう.. また,耐寒かけ足が校内マラソン大会の準備練習,あるいは,耐寒かけ足の成果発揮の 場が校内マラソン大会という考え方が根底にあれば,耐寒かけ足と校内マラソン大会の実 施時期との間に密接な関係があるのではと推測される.. そこで,校内マラソン大会の実施月それぞれがが校内マラソン大会実施校97校に占める 割合(表11参照)と耐寒かけ足の実施月それぞれが耐寒かけ足実施校106校に占める割合 (表27参照)を同軸上に表し検討してみた.(図2参照). 耐寒かけ足と校内マラソン大会の実施月の間には,特に,密接な関係はみられなかった. したがって,実施時期という観点では,単独的な色合いが強い.. 34.
(38) (%). かけ足とマラソン大会の時期1 熟. @. .職 / 、. 声くノ㌔\ 匿づ/. 10. ^/. 轟かけ足 oマラソン大会. \\. 0 10,月. 11月. 1 2月. 1,月. 2,月. 通年. 3月. 図2)耐寒かけ足と校内マラソン大会の時期. (2)実施期間. 耐寒かけ足を実施している学校と他の運動種目で実施している学校119校について,何 日間実施しているか,具体的な回答を求めた.. 尚,得られた結果を五日間ごとに区切り,表28のような結果を得た.. 表28 耐寒かけ足の実施期間 輩lil輿耀惹i期:illl顧…i:i・:ll:1. 難. 1:半数;繭. 5日未満. 4. 3.4. 5日以上10EI未満. 2. 1.7. 10日以上15日未満. 50. 42.0. 15日以上20日未満. 6. 5.0. 25日以上. 20 34. 28.6. 通年毎日. 2. 1.7. !. 0.7. 20日以上25日未満. 通年週3,4日程度. 17.8. 10日以上15日未満で実施しているが学校が50校(42.0%)であり,ほぼ半数を占める.. 継続して何日か実施していかなければいけないので,特に,体育に積極的な学校でない限 り,約2週間というというのが一般的なのであろう.この日数は,多分に他の行事との調 整の上計画されたものだから,何日程度の継続で体力(持久力)がっくのかといった考察 も必要であろうし,また,実施の時間帯など詳細が未確認なので,この面での調査も含め. 35.
(39) て今後,考察しなければいけない.. (3)実施場所. 耐寒かけ足と他の運動種目で実施している学校119校について,どこで実施しているか を5項目の内からの選択で回答を求めたところ,表29のような結果を得た.. 表29耐寒かけ足実施場所. i…厨匿内溶,1. 項臼. 1’、繭. 97 21. ,1%・. 1. 校内. 2. 学校周辺の道路. 3. 近隣の公園,競技場など. 1. 0.8. 4. 河川敷など. 0. 0. 5. その他. 0. 0. 81.6 17.6. 校内で実施している学校が,97校(81.6%)と一番多く,2番目に多いのは,学校周辺 の道路で21校(17.6%)であった.. 耐寒かけ足は,校内マラソン大会と違って,継続的な行事であるので,より安全かつ手 軽な場所が求められる.したがって,校内で実施というところに落ち着くのであろう.. (4)児童への評価. 耐寒かけ足を実施している学校と他の運動種目で実施している学校119校について,何 か児童に対しての評価を行っているか,2項目の内からの選択で回答を求めたところ,表 30のような結果を得た.. また,評価していると回答があった学校については,具体的に,どのように評価してい るのかを3項目の内からの選択で,回答を求めたところ,表31のような結果を得た.. 表30耐寒かけ足児童の評価の状況. 荒雄領羅内容鵡 1. 実施している. 2. 実施していない. 36. 室数:……髄. 109. 90.7. 11. 9.3.
(40) 表31 耐寒かけ足児童の評価の内容 蹟叫 屡.臥:杓ゴ蓉i:、、……li……:校魏・擁・・;1 1. がんばりカードなどの作成. 2. 完走証(皆勤証)などの発行. 3. その他. 75 31 3. 68.8. 28.4 2.8. 実施してている学校が109校(90.7%)あり,ほとんどの学校で実施されている.. がんばりカードなどの作成が一番多い.このがんばりカードというものは,画用紙に,. 印刷された双六風のものを走った分だけ塗りつぶしていくというものであり,児童が積極 的に自己評価できるものである.(資料2参照). 二番目の完走証(皆勤証)などの発行というものは言葉そのもので走った証として最終 日などに渡されるものである.. 三番目のその他は,記録証の発行ということであった.. いずれにしても,耐寒かけ足は継続的な行事だけに,いかに,飽きさせずに,めあてを もたせて実施していくか,各校の工夫がみられるところである.. 11,意見及び感想 最後に,校内マラソン大会について,意見及び感想,特長的な実施方法など自由記述に よって回答を求めたところ,39校から寄せられた.(資料3参照). 各校とも,決して現状に満足しているものではなく,何らかの変革を模索中であったり, 悪条件の元,なんとか行事を継続していこうと努力している様が伺える.. 具体的に,その内容から分類してみると主に,運営上に関する事,本質的な問題に関す る事である.. ①運営上の事項 安全管理 ・道路の使用については,だんだんと難しくなってきた.. ・PTAに動員をかけ,立番に協力してもらっているが,将来的には校外 開催が無理なってくる.. 健康管理 ・厳寒期には,風邪の流行もあり時期を早める方向にある. ・朝のかけ足よりも業間の方が健康的ではないか.. ・突然死の問題も含めて,校医による健康診断,既往症のある児童に対し. 37.
(41) ては,主治医の診断書の提出などを義務付けている.. 意欲付け. ・様々な賞を設けている.. ・なわとび大会として実施している.持久走より取り組みの継続がみられ る.. ・五年に一度ぐらい,招待選手を呼んでいる.. ②本質的事項 ・教科体育における体操領域での持久走と行事におけるマラソン大会の接 点をどこにみつけるか.. ・保護者,地域とのふれあいの場として実施している.やきいも大会,ぜ んざい会なども兼ねている. ・マラソンで自己主張できる子もいる.. ・小学生に長距離を競わせるというのは,運動特性から考えて問題がある.. ・駅伝形式やクロスカントリー形式で実施.多様な走る体験から自分のペ ースを知ることへと重点を移していくのがよい. 行事であっても,授業時間であっても何よりも最優先されることは,安全管理である.. それ故に,どの項目をとってみてもそこに帰結する.逆にそれを最大限に逆手にとって削 減あるいは種目変更の理由とされていなくもない.. 一番現場としての本音が出ている部分として,捉えてもよいのではと考える.. 38.
(42) 第2節. 小学校校内マラソン大会,今,何が問題か. 校内マラソン大会は,どこの学校にでもある学校行事のひとつである. 今回の調査で得られたことは,各学校間に,それほど大きな差はないということである. それだけに,各学校での問題点や課題は共通しているといえる.そこで総括して考えてみ ると,以下の4点に絞られてくるのではないだろうか.. ①なぜ,この時期,マラソン大会なのか 冬の問,どうしても室内にこもりがちで,体を動かすことが少ない.風邪も流行する. 体力もつけたい.児童も教師も楽しみながらやれることはないのだろうか.鬼ごっこやな わとび,すもう大会ではだめなのか.. 児童もいやいや走らされ,教師もいっしょに走るのはしんどい.双方がいやいややって いて,本当に効果があるのか.. ②子どもに,体力をっけさせたいのだが…. 厳寒期,外で遊ぶ子どもの姿はない.逆に,真夏の太陽の下で遊ぶ子どももいない.冷 房暖房のきいた部屋の中で,ファミコンをしたり,漫画を見て過ごす.こんな体力のない 子どもたちに体力をっけさせたい.子どもたちに,自分でがんばる力を高めていくように 自覚させたい.. 体育主任だけが,かけ声をかけるのではなく,全職員あげて,盛り上げていかなければ ならない.. ③走る楽しさを味わわせるには…. 競技会的にせず,順位なども決めずに,楽しく走らせようという意見がある一方で,毎 回タイムを計り,前回より少しでも速く走れるようになった. 「○位までに入るぞ」とい. う目標があってこそ,一生懸命に走る.それが子どもではないかという意見が支配的であ る.. 子どもにとって,本当の意味で楽しく走るということはどういうことなのか.. ④日頃の体育に対する取り組みはどうなのか 日頃の体育の授業を基にしょうとするなら,校内マラソン大会のあり方に矛盾が出てく る.. 「校内マラソン大会に向けて,完走できるために毎日できるだけ多く走らせたい.」と いう気持ちは受容できるのだが,果たしてこれでよいのだろうか.. 以上4点が,今後,校内マラソン大会を考えていく上で重要な視点となる.. 39.
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