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山本有三 『路傍の石』論(二〇〇七年度卒業論文要旨集)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 山本有三 『路傍の石』論(二〇〇七年度卒業論文要旨集). Author(s). 三戸, 渉. Citation. 札幌国語研究, 13: 59-59. Issue Date. 2008. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2498. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) ワードが﹁死と明るさ﹂ である。ゆっくりと死に向かう妻の側. 改稿や本文から﹁思想﹂を探ってきたところ、見えてきたキー. 近代文学研究室 四四二九 吉野 里美. 横光利一﹁花園の思想﹂論. 先行研究において﹁路傍の石﹂は児童文学とカテゴライズさ. で﹁虚無﹂ に陥り、﹁眼に触れる空間の存在物を尽く美しく見. 渉. れたり、金権主義や出世主義だと言われることがあるが、その. ようと努力し﹂ ていた﹁彼﹂は、﹁新しい意志﹂を確立し、﹁総. 近代文学研究室 四〇六五 三戸. 山本有三 ﹃路傍の石﹄論. らし合わせて考察した。. ﹁彼﹂ の努力は作品の最後に報われる。作品中において最後. ゆる心の暗さを明るさに感覚しょうと﹂する。. 評価は正しいのかどうかを登場人物の分析と、作者の思想を照 まず第一章において、主要人物の吾一との関わりを、第二章. の場面までかかれなかった、﹁死と美﹂ の繋がりである。﹁彼﹂. では、吾一の出会う苦難と、あまり目立たず、先行研究では触 れられてこなかった登場人物について、本文から詳しく分析し. が﹁鮮麗な曙のやうに、忽然として彼女の面上に浮き上った﹂. たのは、死にゆく妾を書くというテーマが、身近な人の死に直. 横光が作品の題名を﹁花園の﹂ ︵病人︶から︵思想︶ に変え. が得ようとしていたものなのである。. ように、最後に理解した ﹁死の美しさ﹂こそがそれまで﹁彼﹂. ﹁死﹂を見て思った﹁ − これだ。﹂という内言からもわかる. た。第三章では、山本有三と父親の関係や、有三の国語に関す これらのことから、﹁路傍の石﹂が児童文学と評価されるのは、. る考え方、その文体への評価を一部紹介した。 主人公が少年であることと、文章が平明であること、また有三. 面Lた人間 ︵﹁彼﹂︶ の思想を書くというテーマに変わったから. の﹁向日性﹂と評される前向きな人生観が措かれた作品である ため、大人から子どもに読ませたい作品であることが原因で. の葛藤の方が多い。題名の変更の際に横光が描こうとしたもの. だと考えられる。作品に描かれているのは妻の様子よりも﹁彼﹂. 注目されなかったじいやの言葉に表れていると指摘した。さら. の死に関わる﹁彼﹂ の ︵思想︶を描いたのである。そしてその. が﹁妻﹂から﹁彼﹂に変わった。横光はこの作品において、妻. また、その平明な文章は有三の信条であり、それが、今まで. あって、どのような世代にも受け入れられる作品であるとした。. に、吾一と庄吾の関係と、有三と父親の関係から作者の心境を. という考えそのものである。. ︵思想︶とは、﹁彼﹂が最終的に気付いた﹁死は美しいものだ﹂. 考察した。このように﹁路傍の石﹂は作者の人生観や、国語や 父親への考え方を映した作品であり、山本有三を知る上で重要 な位置を占める作品であるとした。. 59.

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〔追記〕  校正の段階で、山﨑俊恵「刑事訴訟法判例研究」

〔付記〕

十四 スチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法 十五 エチレン 日本工業規格K〇一一四又は日本工業規格K〇一二三に定める方法

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(六) 化学的酸素要求量 新設 一五 三〇. 既設 三五