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保育園の0~2歳児における子ども同士の関係の発達(2) : 連絡帳による分析

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Academic year: 2021

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(1)Title. 保育園の0∼2歳児における子ども同士の関係の発達(2) : 連絡帳による 分析. Author(s). 遠藤, 純代. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 45(1): 57-72. Issue Date. 1994-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5334. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第45巻 第1号 f Educa 1of Hokka i do Un i i i i 和urna t t ve r s on(Sect on yo. 0月 平成6年1 1 )Vo ‐45 -. , No. oc tob制 一994. 保育園の0~2歳児にお ける. 2 ) 子ども同士の関係の発達(. --連絡帳による分析--. 遠. 藤. 問. 純. 代. 題. 3歳未満という年少期における子ども同士の関係の発達の問題は, 欧米の多くの研究で典型的にみられるような, 非 の接触場面での観察ではなく, 子ども同士の接触が日常的で自然な形, かつ長期的になされる保育園のよ 日常的で短期・ うな集団保育場面での観察を通して検討されるべきである. また大多数の研究で観察者は研究者自身である‐ この種の観察研究では観察の精密度は高い傾向はあるものの, 一般 に時間見本法・場面見本法がとられているため, 子どもが日常で示す重要な行動をどれだけ収集し得ているかという問 題点がある‐ ところで, 保育園児, 特に年少の保育園児については, 多くの園で, 保育園保母や親が保育者として行う 保育実践に関して, 日誌法による観察記録がとられている. 親と保母との共同の交換日誌である連絡帳・連絡ノー ト ‐ は, こうした保育実 践の観察記録を含んだ記録である. この保育記録は, 記録の正確さは相対的に劣るとはいえ, 親と 保母の双方の記録を持ち寄ると子どもの全一日を観察時間としたことになるため, 重要で代表的なエピソー ドに遭遇可 能であるという大きな長所がある‐ この他にも, 恒常的に保育者として子どもに接しているが故に, 重要な事実を把握 し, かつ重要な認識に到達し得るという長所がある. 本研究は, 保育者自身の観察記録の意義を上記のように押えた上で, 保育園児の0~2歳期の連絡帳に記述された保 育者の観察記録の分析を通 じて, この年齢期での子ども同士の関係の発達を明らかにすることを目的として行われた. 7名の保育園児を対象として, うち4名は約2年間, 3名は約1年間の各児の連絡帳に記載された0~2歳期におけ る保育記録から, 対象児と他児との間に社会的行動 (対象児から他児への行動, および双方による行動の交 測 が生じ ている箇所を, 前後の関連する文脈と共にエピソー ドとして抽出した‐ そして各エピソー ド内の子ども間の社会的行動 を, 大別して1 4個の行動カテ ゴリーに従い分類した‐ また本研究で分析検討したエピソー ドは, 保育園内の生活で生じ 4 )では I るもの, すなわち主に保母が記録したものに限定した. 前報告( , 4個の行動カテ ゴリー中, 5個 (見る, 身体接 触, 笑う, 発声・ことば, 追う・逃げる) について検討した‐ 引き続き本報告では, 残る9個のカテ ゴリーについて分 析・検討をおこなう. 、. 方. 法. 1. 対象 函館市内の認可A保育園に1 9 90年度に0歳児・1歳児として在籍した園児中, 0歳児3名 (男1名, 女2名, 第1子 2名, 第 2 子 1名:Sh ), 1 歳 児 4名 (男 3名, 女 1名, 第 1 子 2名, 第 2 子 2 名: K0 ‐ As ‐ Mo ‐ Ma ‐ Hd ‐ Mh), 計 7. 名‐ 当該園では0, 1歳児はひよこ組 (以下◎組とも略記) として同一保育室で4名の保母によって保育されている‐ 9 9 0年度は0歳児5名, 1歳児1 ひよこ組には1 0名, 2歳児2名, 計1 7名が在籍し, 前年の1 9 89年度には0歳児6名, 1 歳児8名, 2歳児2名, 計1 6名が在籍した‐ また日常は, 組内にさらに年齢順に4つのグループが作られ, 各グループ を主に担当する保母が決まっていた‐ 2. 分析方法. 対象児の1 990年度の連絡ノート, および1 9 89年度の連絡ノート ( 1 990年度に1歳児として在籍した対象児についての r 57.

(3) . 遠. 藤 純 代. み) に記載された保育記録を分析対象とした. 記録のある月齢期間は, 該当児の入園時の生活年齢により一定していな いが, 最小と最大の範囲で示すと, 0歳児については生後7カ月~2歳0ヵ月, 1歳児については5 カ月 ~ 2歳 6カ月 の範囲にあった. 連絡ノートは, 保母と親の共同による保育記録, 連絡事項等の記録であり, 保育園における記録者は 9 90年度もひき続き 89年度から在籍した対象児の グループ担当保母は,1 通常は, グループ担当の保母であった. なお19 その対象児のグループ担当保母であった‐ 連絡ノート内の保育記録に相当する記載部分のうち, 対象児と他の子どもとの間に社会的行動が生じている記載箇所 を 関 連 文 脈 と 共に 「エ ピソ ー ド」 と して 抽 出 した‐ 各 エ ピソ ー ドはB 6大のカー ドに転記した. 次に, 他児から対象児 に社会的行動が向けられているが対象児からは社会的行動がなされていない場合を除いたエ ピソー ド, すなわち, 「対 象児から他児へ社会的行動が向けられている場合」, または/および, 「社会的行動の交換が存在する場合」 のエピソー 1であった. ドを, 以下の分析の対象とした‐ この手順で抽出されたエピソー ド数は, 生後6~29ヵ月については, 計79 この中でさらに, 保母が記録 したエ ピソー ド (計646例) に焦点を当てて結果を整理 し, 親 が 記録 したエ ピソー ド ( 1 4 5例) は, 必要な時に参考資料とした‐ 2 3 )笑う,( 4 )発声・こと ば, 1 )見る,( )身体接触,( 続いて, 子ども同士の間に生じた社会的行動のカテ ゴリーとして,( 9 )人の独占 (やきもち), 回遊び, 回その 8 )物・場所の独占・確保,( 7 )模倣・同調,( ( 5 6 )攻撃・けんか,( )追う・逃げる,( 4の行動カテ ゴリーに従い各社会 8 ( 7 ) ( ) q の以外) の事物介在行動, 回向社会的行動, 回誘い・要請, 回その他, の計1 他( 的行動やそれらの交換を分類した. なお, 記述に複数の行動カテ ゴリーの内容が含まれる場合は, 該当するカテ ゴリー )ま でに つ いて 1 )か ら( 5 全 て に振 り分 け る (ダ ブル 力 ・ウ ソ トす る) こ と を 原 則 と した‐ こ の うち 前 報 告 で は, カ テ ゴリ ー(. 6 )~⑩について報告する‐ なお, 方法に関する詳細 (対象児の生年月日, 家族構 結果と考察を述べたので, 本報告では( 成, 集団保育歴, A保育園の保育内容の特徴, 担当グルー プの人的構成, 分析方法) については, 前報告を参照された し、.. 結. 果. と 考 察. 1‐ 各行動カテゴリー別の検討 {注1 ) ( ) 攻 撃 . けん か 1. カテ ゴリー全体, および攻撃・けんかの各々について, 年齢期毎の平均出現例数を付表に示す. 全体としては, 0~ 2歳期の 「攻撃・けんか」 のほとんどが身体攻撃を含んでおり, 言語のみによるケースは1例 (2歳前期の 「けんか」) で あ っ た. は じめ に 「攻 撃」 か ら みて いく‐. 0歳後期では, 形式上は身体攻撃だが, 他者もしくは他者の身体に対する関心, あるいは他者の身体に向けた行為へ 3%). 4 の関心, その行為による他者からの反応喚起に対する関心の表現として攻撃がかなりみられた ( (注2 ) sh( 〕 3 )- 〔o:7:19 〕 〔例58. このごろYu(o:4),To s(o:4) のそばに寄って行ってメンコメ ンコ (可愛いがる:筆者 注) したいっていうんだけど, Shのメ ンコメ ンコはたたいたり, つねったりするものだから, 目離しできないのです‐ 5 ) ニギニギが上手で友達の髪ひっぱりもさかん! (中略) 食事中も, 先に食べ終えたMh(0:7) 〕 Ma( )- (0:7:21 〔例59 ), Mhの髪をギュー が Maのイスにもたれていると (これまたおせっかいで, Maの口についているカボチャに手を伸していたMh ッ‐ Mhも負けずににその手を払いのけ, 2人でバタバタ… たくま しい姿の2人でした‐. 1歳期, 中でも1歳前期は, 攻撃のエ ピソー ド数がピークを示す時期である (付表参照)‐ 1歳前期では他児への攻撃 自体を楽しんでいるのかのようなケースが含まれてくる‐ こうした攻撃では, 相手に与える結果が予測されており, 攻 撃の手段化がなされていると考えられる‐ (注1) 本カテ ゴリー内のサ ブカテ ゴリーである 「攻撃」 と 「けんか」 の関係は相互に排他的とした‐ また 「けんか」 は 「けんか」 の 表現を記述に含む場合と し, 「攻撃」 は, 記述の具体的内容から攻撃と判 断される場合とした. なお, 攻撃に関する記述と 「けん か」 の表記の双方を含むエ ピソー ド (ごく少数であった) の場合は, 「攻撃」 としてカウントした‐ (注2) 例の瓶は, 前報告からの通し番号‐ ()内の数字は対象児別のエ ピソー ド飯を, ハイフンの次の数字は, エピソー ドの記述さ れた日における対象児の年齢 (月齢:日齢) を示す‐ 他児の名の後の括弧内の数字は, 他児の年齢を示す‐ 58.

(4) . . こおける子 ども同士の関係の発達( 2 ) 保育園の0~2歳児む. 付表 各行動カテ ゴリーの事例数. \\\\ 期 -\、\モ…. カ テ ゴリ ー. け ん か. {& 妻 倣. ・. 同. 調. と 橿驚喜 物・場所の独占・確保. {騨嬉』 の. 5‐1( 36) 0 28 4. ( ). ) 2 1 4 ‐4( 1 9( 11 ) ‐. 1 .6(5) 0 ‐3(1). 0‐2(1). 1‐1(8). 0.5(3). 1‐3(4). 2‐3(12 ) 1‐1(6). 8‐6( 60). 3‐3(19 ) 1.0(6). 1‐3(4) 0. 2‐3(13). 1‐3(4). 2 歳 前 期. 事 例 総 数. 1-1(6). 2‐1(15) 6-4( 45). 5‐8(31 ) 5.8(31 ). 8‐0( 56) 50) 7‐1(. 25) 4‐4( 21 3.7( ). 3‐1(10 ) 2,2(7). 122. 0 ‐9(6). 0 ‐7(4). 0 ‐9(3). 13. 0. 108. 占. 0.2(1). 1‐7(12). 0‐9(5). 0‐6(2). 20. び. 0‐4(2). 0‐9(6). 1‐2(7). 3‐8(12 ). 27. その他の事物介在行動. 0‐9(5). 1‐0(7). 0 .5(3). 0 ‐3(1). 16. 向 社 会 的 行 動. 0.4(2). 2‐0(14 ) 0‐6(4). 5‐8(33) 0.5(3). 1 ,9(6). 55. 1-4(10 ) 0. 3.2(18 ) 2.1(12). 1 ‐6(5). 35. 0‐3(1). 13. 1.6(11 ) 1‐4(10) 0.1(1). 2‐4(14). 2.8(9) 1‐9(6). 36. L9( 1 1 ) 0.5(3). 0.9(3). 7. 人. 独. 1 .5(8) 1 ‐3(7). 1 歳 後 期. % “ 総. 模. 1 歳 前 期. 7 6 総 4 1. ・. 攻 撃. 0 歳 後 期. 遊. O. 慰める. 誘. ・世話する・援助する 注意する. 0 -4(2). し・. 請. 0‐4(2). 誘う・呼びかけ. 0.4(2) 0. ・. 要. 要請・依頼. 0. 0. 7. 29. 数字は, 一人当りの平均事例数 (各期の出現事例数を平均人数 〔0歳後:5‐3人, 1歳前:7 ‐0人, 1歳後:5才人, 2歳前:3‐2人〕 で割った値)- ( ) 内は出現事例数‐. 〔例60 〕. Hd ( 52 ) - (1:2:14 ). 〔例61 〕. Mo( 10 )- (1:4:1 2 ). 歩くのが大好きなK0 (1:1) にちょっかいをかけてとうとう泣かせています‐ KO が いや がって急いで逃げる後から, ハイ ツ, ハイ ツ…で追いかけては, 洋服をひっつかんでゆさぶって転ばせてはアハハハ…と得意に なっています‐. いじめ発見, Moったら昨日から集中的にHe(1:5) ばかり髪をひっ ぱったり, たたいたり していじめるんです‐ ①がジロリとにらむと 「ニター」 と笑ってごまかすんです‐ そ して 「He ,Moにイ ヤーョって言いなさい」 と言うと, 反対に Moが Heを 「ヤーヨ, ヤーヨ」 とたたくんです‐ Heは自分より弱いと思うんだね‐. 1歳前期に過半数 ( 54%) を占めるのは, 物の独占・確保をめぐる争いの中で生じた身体攻撃である‐ 攻撃方法は, 手でたたく・物でたたく・髪をひっ ぱる・かむ・ひっかく・服をひっ ぱる等と多様で, これら身体攻撃の行為は皆, 事 物の確保という目的遂行のための手段として意図的に利用されている‐ Hd( 36 )- (1:0:26 ) デザートのぶどうを茶碗の中からつまんで食べていました‐ 横からヌーッと Mh(1:0) の手 がのびてきたら気がついたHd, 片手でペシッとMhの小さい頭をたたき, 片手はぶどう入りの茶碗を支え…日々めきめき強くなっ. 〔例62 〕. て きて い る よ う です-. /. As( 26 )- (1:3:12 ) (散歩時のこと‐ ③たちはくるみ拾い中) …近寄ってみると Mo (1:6) が拾った棒切れを Asが無理矢理とろうとしているんですよ‐ Moが 「イヤーヨ イヤーヨ」 と言っているのに‐ そのうち Asは Moの手にガブリと. 〔例63 〕. かみついていました‐ Moはかみつかれても絶対離さず, その結果Asは, そこらにあった別の棒切れを拾って来ていま した‐ そう なんですよ. その辺にいっぱい同じようなのが落ちてたんですよ.. また1歳前期では 「人の独占」 を囲って攻撃がなされる場合がみられた (1歳前期全体の14%). 後述するように, 59.

(5) . 遠. 藤 純. 代. 「人の独占 (やきもち) 」 は1歳前期に入ってから出現する‐ 嫉妬の対象は他児であるが, 独占しようとする人物は園で は保母 (⑦とも記す) である‐ Sh( 9 )一 (1:3:28 ) 出勤 してきたらShと Yu (1:0) と2人して私の後を追って大泣き‐ ⑨の着換えの間中, ド 4 ア下からのぞいて片方の手と足を ドア下から無理矢理突っこんで “早く抱け F と泣くの‐ 座ったら2人 して抱きついてきてお 互いに一番乗りをめざし, むしやぶりついてきたの ! やきもちを焼くShはYuをたたき, 落されては大変と Yuも◎の首にしが‐. 〔例64 〕. みつぎ,それはそれは大変だったんだよ-.ちょう どいた To sのお母さんが見かねて手を出してくれたのに, 2人ともいやだって① の胸の方がいいってお手上げだったよ- !. 攻撃の発生の契機として1歳後期に新たに加わる内容は, 争っている他児たちの一方に味方をして他方の子どもを攻 撃する場合である‐ Hh (1:5) と Hz(1:?) が紙鉄砲の取り合いをしていたら, ”どら, どら ! どっち が Hd( 9 3 )一 (1:6:2) ” 持ってたんだ と出て行き, 理由も分らず一方的に Mhをバ ジッとたたいています‐ それもニヤニヤしてだよ‐「Mh, 可哀相ね」 と私が Mhを抱っこしたら, 途端に怒って私をバ シッとたたきに来て…‐ 泣き真似をしたらメ ンコメ ンコだって !. 〔例65 〕. 他方,「けんか」 については, 出現事例数が相対的に少なく,「攻撃」 のように明白な ピークをもつ年齢期はない‐「攻 撃」 と比 べ 「け ん か」 の エ ピソ ー ド数 が 少 な い の は, (注 1) に 記 した よ う な サ ブ カ テ ゴリ ー 決 定 の 手 順 に よ る 部 分 も あ. るが, 今回分析対象とした保育記録では,「攻撃・けんか」 に関しては, 総体的記述 (例 「○○ (他児名) とけんかをし ました」) ではなく攻撃の具体的な記述内容を含む事例が多かったことにもよる‐ そして, けんかの発生契機を特定でき る記述を含むケースは2例のみ (1歳前期の 「人の独占」 と2歳前期の 「ふざけ」) であった‐ ただし, 結果に関する記 3%, 本人が 3%, 相手を 「泣かす」 は1 述は多くの例にみられ (けんか事例総数中73%), うち対象児本人が 「泣く」 は5 「身体攻撃を受ける」 は1 3%であった. ( 2 ) 模倣・同調 「模倣・同調」 の各年齢期毎の平均出現例数は付表の通りであるが, さらに模倣・同調の対象別にみた内訳に関して も付表に示してある.「単数他児に対する模倣・同調」 とは, ①-人の他児の行動が生じた後に同一行動 (の一部) をお こなう, ②一人の他児と同一行動 (の一部) を同時的, または交互におこなう, のことであり,「複数他児に対する模倣 ・同調」 とは複数の他児が一斉的な行動を行っている場面でその行動 (の一部) を行う, ことである‐ まず 「単数他児に対する模倣」 からみていく‐ 0歳後期でのそれらの内容は,「室内の水飲み場の所で並んでバケツ内 の 水を バ シ ャ バ シ ャ と た た く」 (3例), 「室 内用 す べ り 台 な どの 蔭 でイ ナイ イ ナイ バ ー を す る」, 「ス プ ー ン を 打 ち つ け る」 であ っ た‐ い ず れ も 生 後 8カ月 以 降 に 生 じて い る. イ ナイ イ ナイ バ ー の 例 と して は, 第 1 報 に お け る 例30の 他, 次 のよ うな のが ある‐ ) に合わせて, 20 )- (0:10:15 ) 今日はピアノの所で 「ナイ ナイ」 とイナイ ナイ バーをしている Mh (0:10 〔例66 〕 Ko( 「 ミ バ 「バァ」 と何回もやっていま した‐ 自分でタオルを持って 「 ノ ッ !」 ッ !」 って何回も! 上手だね-.. 1歳前期に入ると, 単数他児に対する模倣・同調の事例数が増加するばかりでなく, 模倣される行動の内容が多様と なる. 具体的には 「積み重ねた布団によじ登る」 「廊下を這う0歳児の隣で一緒に這う」 「他児が昼食を食べ終り室内す べり台で遊ぶのを見て, 自分もと食事中だが席を立って行く」, 「誕生会で呼ばれて前に出た他児をみて, ついて行く」 (注3 ) に 行 く」, 「バ ンザイ を す る」 「ガラ ス 戸 を た た く」 「発 語 の 模 倣」 な ど であ っ た. 特 に 「ト ), 「トイ レ (第 1報 の 例18. イ レ」 の事例は複数 (4例) みられた. 〔例67 〕. Mh( 6 2 )一 (1:3:4). パ ンツやズボンをはくのが上手になり, 他の子がトイ レに行くのを見ると, 自分もあわててパ. ンツを脱ごうとひッばってみたり…ユニークな Mhだよ‐ ) Mh(2:2) が 「アカイ ポール」 と言ってボールを持ってくると‐Shも 「アカ‐ アカ」 と真似 〔例6 8 〕 Sh( 36 )一 (1:2:17 していました. でも 「アカ」 が色なのか‐ 電気なのか‐ 丸いものなのかは, まだ不明です‐. 1歳後期では1歳前期に比べ事例数は半減する‐ 模倣された行動内容の中で, 遊びに関係したものとしては,「すべり ), 「トイ レで水いたずらをする」 「ままごと遊びで⑦になべを “ハイ” と渡す」 9 台に行きすべろうとする」 (下記の例6 が あ り, そ の 他の も の と して は, 「散 歩 中 に石 こ ろ を 拾 う」, 散 歩 の 仕 度 と して 「ジ ャ ン パ ー を 持 っ て く る」 「水 を 飲 み. “オイ シイネ” と言う」 であった なお2歳前期では 単数他児に対する模倣・同調の事例はなかった. . , (注3) A園のひよこ組のトイ レは, ひよこ組の保育室の一隅に, 仕切りや ドアがない状態で設けられている‐ 60.

(6) . 2 保育園の0~2歳児における子ども同士の関係の発達( ) 〔例6 9 〕. Mh( 94 )- (1:6:11 ). 赤ちゃんグループの Mo(1:0) がすべり台に登って行くのを見て “Mhも Mhも!” という. 感じで, 横入りしようと張り切っていたのに, N◎が 「あ一横入りだ!」 と言った途端, 足が釘づけになり泣き出しそうな顔… ‐◎! あ~あーとうとう泣いちゃった‐ Mhは本当はナイーブなのよネ‐ 分ってるの?N. 「複数他児による一斉行動に対する模倣・同調」 でどの年齢期にも共通して多かった行動内容は 園生活で日常なさ , れている集団的活動であった. 中でも多かったのは, ④リ ズム運動, ◎散歩の仕度・出発に関係した活動であった. リ ズム運動は, 当該園では日常保育の一環として乳児組より年長組に至るまで取り組まれている‐ ひよこ組のように 幼い年齢組では, 保育者がピアノで弾くメ ロディ の各々に合わせ, 他の保育者達が曲に対応した動作を行なって見せ, 一緒に子 どもたちも行なうといった形式をとる場合が多い‐ 従ってこうした場面での一斉行動に対する模倣・同調が, 保育者の行動に対するものか, それとも他児達の行動に対するものかを区別するのは実際に困難である‐ だが園児達の 集団的な一斉行動がなくては 「模倣・同調」 が生 じにくいと考えられるので,「複数他児を こ対する模倣・同調」 としてと ら え る こ と に す る‐. 次いで散歩の出発・仕度場面について説明すると, 散歩では担当保母が自分の担当グループの園児をそれぞれ連れて 行くのが原則であるが, 組全体として複数の保育者で複数のグループの子どもを合同で連れていく場合も多い‐ 休園児 や体調がすぐれず外出できない子 どもがいる日などは, 特に原則通りに行かない‐ だが歩行獲得以前や獲得後間もない 0歳後期や1歳前期では, 1歳後期から2歳前期の子どもと比べると, 移動形態の相違 (年少では散歩車に乗るなど) や歩行距離の相違があるため, 組内のより年長グループとは別行動をとる場合もある‐ こうした状況で, ひよこ組の子 どもたちが散歩の仕度を開始するのは, 例えば 「散歩に行こう一 等の保育者からの発言によるのが典型的な一つの場面 である. 子 どもたち皆の仕度が完了するまでは, 保育者からの複数回の指示的発言や, 散歩の仕度を整える上での援助 的行動を必要とする場合が多い‐ 従って, こうした場面で生じた行動を全面的に複数他児による一斉行動に帰結させる ことは正しくないが, また保育者と他児たちの各々の影響を分離できない点はリズム運動場面と同様である‐ ゆえにリ ズム運動場面と同様の理由で, 複数の他児たちの行動に対する模倣・同調が生じている場面ととらえることにする. 0歳後期では, 複数他児の行動に対する模倣・同調の記録は, 生後9カ月 以降, 中でも1 0 1カ月頃に認められ,「散 ,1 歩に出かけて行く他児たちの動きにつられてついていく」 (2例), 「リ ズム運動や運動会の応援歌の動作 ・拍手な どを 一緒におこなう」 (4例) であった‐ 「拍手をする」 「手を振る」 など, 単純な動作が模倣されている‐ As( 14 )- (0:11:17 ) この頃はやっ ぱり先輩たちを見習って何でも真似したがるんです‐ みんなが散歩に行こうと, ひ よこの部屋を出発すると, その波に乗って一緒に行こうとしたりするんです‐ 20 〔例71 〕 Ma( )- (0:9:24 ) 今日は7月の誕生会‐ タ ソタ ソタ ソタソジョウビ…の歌に合わせて皆がパチパチと手をたたく. 〔例70 〕. と, 抱っこされている Maもパ チパチ…キャーキャーと喜んでいま した‐. この他, 0歳後期では,「他児への模倣・同調」 カテ ゴリーには属さないが, リズム運動等の音楽に合わせて体を揺ら すという音楽リズムへの同期的行動や, 「リ ズム運動をしている所へ近づいていく」 との関心行動について述べた事例 が, 複数他児に対する模倣・同調とほぼ同数 (7例) みられた‐ こうした行動も, 複数他児への模倣・同調の展開に至 る直前の形態として, その意義を有していると考えられる‐ 以上から, 0歳後期は, 一斉行動への関心や初歩的な模倣 が生 じる時期ととらえれる‐ Ma( 28 )- (0:11:1) 保母との遊びも手応えのある遊びという感 じで, 廊下をただハイハイするのではなく,「待て待 て-」 と追いかけると, キャッキャッと喜んで逃げて, 時々 “来てるかな-?” と後を振り返ってみたり, 隠れると戻 っ てきた り…大人っ ぽい遊び方になりま したよ‐ リ ズム運動への反応も, ピアノの音に合わせてキャッキャッと上下に動いたり…, 楽しい. 〔例72 〕. ね え -‐. 〔例73 〕. Sh( 20 )- (0:11:11 ). ぞう組 (5歳児組) ときりん組 (4歳児組) のリズム運動を見学 しま した‐Shは 「オレもやれ. るぞ-」 とハイハイ してホールの真中にデビューしていま した‐. 1歳前期に入ると, 対単数他児の模倣・同調にみられる変化と同様に, 集団的行動への模倣・同調の事例数も増加す るが, その増加の程度は, 単数他児に対するのよりも一層大きかった‐ 内訳をみると, リ ズム運動が4 2%と最も多く, 次いで散歩の準備・出発に関連した行動 ( 31%) であった‐ リ ズム運動では, 必要な一連の動作のうちごく一部を再現するなど行動レパートリーは限定されており また個人差 , が大きい‐ 同じ子どもでも全く参加しない日もあるなど, 状況による変化は大きいようである‐ 〔例74 〕. As( 24 )- (1:2:23 ). 今日は大きいホールのリズム運動に行ってきました‐ Asは絶好調1きりん組の番の時も, うさ. 61.

(7) . 遠. 藤 純. 代. ぎ組 (3歳児組) の番の時も, とにかく ピアノが鳴るとまるで指揮者のように両手を振って歩いてたよ‐ Ko( ) リ ズム運動のピアノが鳴ると喜んでホールに行って. まだ地面から足は離れないけどそのつもり 36 )- (1:1:23. 〕 〔例75. で… 「うさぎ」 の膝の屈伸をしたり 「カメ」 にはちゃんと寝転がったり, 模倣もバッチリ‐ 可愛いい姿ですよ‐ “散歩に行く” というのが分 てきて M③ A①の大きいグルー プが “散歩に行こう” と出 〔例7 6 〕 Mo(1)- (1:2:25 ) っ , , 掛けると, 担任の私 を置いてさっさと部屋を抜け出し, 玄関でいい顔 してるのです‐. 散歩準備に関連した場面での 「一斉行動への志向」 は, ①上着を出す‐ 靴下をはくなど他の子どもたちの一連の行動 を手掛りとして状況を予測する能力の増大, ②散歩に行きたいという自らの要求の明確化, ③要求の主張の増大, と結 びついている. 予測能力の増大は,「後を追ってついていく」 だけでなく, 散歩に出発する前に必要な準備行動の取り組 みともなる. Sh( 4 3 )- (1:3:1 1 ) 1歳児グループがジャ ンパーを持って来て, 散歩に出かける用意を始めると, Shも “置いてい ” かれては大変 とジャ ンパーを持ってきて, そそくさと用意を始めるので, N⑨にお願いして連れて行ってもらいま した‐. 〔例77 〕. 1歳前期でみられた複数の他児に対する模倣・同調としては, リズム運動や散歩関連行動の他に, 拍手 (2例), 手遊 び・歌遊び (3例), 鬼ごっこ (2例), 運動会の応援歌の動作等, 0歳期よりはるかに多様となっている. 場面に保育 者の同様の動作が存在しているか否かに関して, 記述からは明確にできないエ ピソー ドが多い‐ だが, 中には, 食事時 のイス運び, 散歩時に缶ジュースの自動販売機の取り出し口にさわるなど, 保育者の行動への模倣の可能性がないこと がはっきりしている事例もある‐ 次はこうした例である. 〔例78 〕. As( ) )- (1:2:16 23. (散歩) Asは自動販売機で “ジュースだ. シュースだ” とわめくお兄ちゃん達と一緒になって. ジュースの取り出し口をいたずらしていました‐ 〔例79 )」 (1:4:0) 畳の部屋で, まるで呼び集めたかのように5人そろって遊んでいるのです‐ それがどうやらリ ズ 〕 Ko( 49 ム運動の “こまこま回れ” らしく, ぐる ぐる回っては “ドッシーン” と言いながら倒れ寝るのです‐ 楽しそうに5人でやっている ので見る方もくすくす笑って しまいました‐ 友達同士でいるのが楽 しくなってきたんですね‐. 1歳後期における複数他児の行動に対する模倣・同調は, その直前の時期と比べると大きく減少する (平均出現数で みると1歳前期の3 6%となる). この傾向はリズム運動と散歩仕度に関する事例において特に大きか っ た (リ ズム運動 の平均出現事例数は1歳前期:2 ‐3 ‐7であり, ‐7 ‐7であり, 散歩関連のそれは1歳前期:2 , 1歳後期:0 , 1歳後期:0 1 /4~1 /3ほどとなっている)‐ 事例数の減少は, 実際の生起数の減少を現しているのではなく, すでに獲得した行動とし て保育者にとって注目されにくくなっていることによると思われる‐ こうした推測は, たとえばリズム運動時に参加可 能な種目数や各種目での可能な動作内容の増加 が指摘されていることからも裏付けられる. 午睡前, 大きいホールでリズム運動‐ A◎の ピアノに合わせて全種類 ピカイ チでやっていまし た‐ Hdがこんなに全部やれる (ピアノを聞き分けられる) とは…すごい ! すごい!伊達に1年3カ月見学していたのではないん ですね‐ 素晴しかったですよ‐. 〔例80 〕. Hd( 138 )- (1:11:9). ところで, 単数, 複数いずれにせよ, 他の子どもの行動の模倣・同調の生ずる背景として,「同じようになりたい」 要 求を仮定できる‐ 同じようになることを求めるが, 何らかの理由でその実行ができなかった場合, また独力ではその行 動をおこなえず保育者の援助を求めた場合, これらの場合はいずれも 「模倣・同調」 としてカウントはしなかったが, 心理的メカニズムとしては, 模倣・同調と同様と考えられる‐ こうした場合-同一性の要求一のエピソー ドは全部で6 例 (1歳前期に2例, 1歳後期, 2歳前期に各2例) みられた‐ (なお, 他児と同じような物を保育者に要求する場合 は, 「同一物の要求」 として物の独占, 確保のカテ ゴリーで後述する) 〔例81 〕. Mo( ) 15 )- (1:5:22. 汽車を見に行った時, Mh (2:1) たちが汽車を見るのに金網によじ登ると, Moも登ると言. い張り, 乗せてみると, 手でしっかりつかんでいないとだめだというのが分かっていなかったらしく, どっ しり落ちて しまいま し た. 痛くて大泣きしながらも, もう1度登るとわがまま言うんですよ‐ 86 ) 10月の誕生会でした‐10月生れの Ma(2:0) がおしゃれしているを見て,「KOも!Koも着 〔例82 〕 Ko( )一 (2:0:19 KOも10月 生れなので) 着せてあげると周りが 「ブラウスが駄目 !」 と言うので,Toの白いブラウスを る !」 と張り切ってるの‐( 借りてバザーの蝶ネクタイ をつけてコーディ ネイ トしたんだよ !. 皆の前に出てニヤニヤはりきって,注目される快感を覚えてい たようでした.. 3 ( ) 物・場所の独占・確保 .はじめに, 物の独占・確保についてみていく‐ 他児の手中にある物, あるいは他児が操作中の物をとる (とろうとす る) 行動に関する事例は, 生後6~7カ月頃に初出していた (連絡ノートの記録が生後5カ月から開始されているMa , 62.

(8) . 2 ) 保育園の0~2歳児における子ども同士の関係の発達( Hd )で ,K0 , Mhの 4名 の 対 象児 に お け る 初 出 期 は, 6カ月 : 1名 (Mh), 7 カ月 : 2名 (Ma ,Hd), 9 カ月 : 1名 (KO. あった). また記述上は 「とり合い」 と表現されてはいるが (上述の4児の初出例は全てこの表現), 6~7カ月時では 対象児側における 「とられることへの抵抗・抗議」 に関する記述はない. Hd(5)- (0:7:26 ) 離乳食の時, Mh(0:7) と隣り同士で食べていたから, ニタニタ しながら目を合わせ手を伸 し合って, お互いにカボチャをむしりとり合いま した‐. 〔例8 3 〕. 勿論, 当該行動に関する記述がないことが, 即, 現実に生じなかったことを意味するものではないが,「不快トーンの 音声・泣きを伴う・とられまいと抵抗する」 に関する記述が示されるのは生後9カ月 頃からであった‐ Ma( 18 )- (0:9:0) 朝来て, Mh(0:8) と “オハョ-” の挨拶を交わした後, 着換えが入っているビニール袋を バサバサ振り回し, キャッキャッ‐ それを見ていた Mhが “私も!私も!” と寄ってきて 2人で両側 から引 っ 張り合い “イ ‐ , ヤーソ‐ イヤーソ” と泣く Mhに負けず, “ギャーギャー” と応戦‐ 一人前に2人でケンカらしきものをしていました (泣きなが ら 2人共, 袋は離さなかったのです) - 〔例8 5 〕 ,Mh( 23 )- (0:9:2 4 ) K0 (0:10 ) とオモチャの取り合いをして KOに取り上げられそうになると,「アーダーダァ‐. 〔例84 〕. ダーダ-」 と連発してイヤダコールを発しています‐ 発音もそれなりに聴えることが多くなってきて楽しみです‐. この時期以降は, 物の確保・独占に関したエピソー ド数が増加し, 不快・抗議の発声の他, とられまいとする・逃げ る, とりかえそうとする, 追う, たたく・押す・噛む・髪や服をひっ ぱる等の攻撃や, 自分や相手が泣く結果を伴う場 合が多くなる‐ いわゆる物をめぐる争いの様相を呈するようになる‐ 時としては一日に何回もこうした事態が生じる‐ “俺の物は俺の物” “お前の物も俺の物” の Ma 物の取り合いでは絶対に負けず “力 づく 〔例86 〕 Ma( 4 0 )- (1:0:14 ) ‐ , め”, “泣き落とし” と技もいっ ぱい持っています‐ 今日の相手はまず親友の Mz(1:2) に馬乗りして, シャツをいやという 程ひっぱって勝利‐ 次は1歳児のNa(2:0), 寝技で勝利‐ そ して2歳児のNr(3:1) とオモチャの取り合い-力づく, 泣き 落とし, 寝技, 振り切りの技で勝利‐ みーんな相手を泣かせて しまった Maです‐. 対象児本人が相手の子どもに何らかの身体攻撃を加えたことが記載されているエピソー ド数が, 各年齢期での当カテ ゴリ ー の エ ピソ ー ド数 に 占め る 百 分 率 は 0 歳 後 期 :3 2% 1 歳 前 期 :30 0% 1 歳 後 期 :95% 2 歳 前期 : 0% で ‐ , ‐ , , ,. あった‐ 1歳代, 中でも1歳前期にピークがあり, 他の年齢期では少ない‐ また対象児自身が泣いたエピソー ド数の百 分率 は, 0歳 後期 :16.1%, 1 歳 前 期 :22‐0%, 1 歳 後 期 :42‐9%, 2 歳 前 期 :14‐3% で こ れ ら は 身 体 攻 撃 を 与 える ,. 割合より全般に高く, そのピークは1歳代, 中でも1歳後期にある‐ 物をめぐる争いが身体攻撃という要求貫徹の手段を獲得した時期以降は, “争い” が織烈なものとなり, 保育者の介 入に至る場合もある‐ しかし, 保育者の介入に関する記述を含んだ事例はあまり多くなかった. 保育者が何らかの形で 介入した事例数は, 物の独占・確保の事例総数中の6 .4% (7例) のみであった‐ 介入記述例が少ないことが実際の介入 の少なさをどれだけ反映しているかについては, こごでは明確にできない‐ だが, 次に示すように, 当該園の保育者が 子ども同士の争いに直ちに介入しようとせず, 危険がない限りは見守り, 争い・けんか自体を発達途上 で必要な重要な 行動と考えていることが, 記述内容から推測される‐ Ma( 79 )- (1:4:18 ) 朝から Hd (1:5) のおもちゃを取ってひっかき, 乗っかって泣かせ, To (1:2) をオモ チャ でバ ンバ ンとたたき泣かせ, Mz(1:6) の顔をひっかいてオモチャをぶん取ってまたがり大喜びのMa‐(中略) それだけ友 達とのかかわりが多くて, だからこそ言葉や行動も豊かになっているんだなと思っています‐ お互いのか じっ たりか じられたり. 〔例87 〕. は, 目にしたらやめさせています (いつもすみません)‐ けれど, ケンカは大いに結構と, ガキ大将の Maを見守っています ‐ 〔例88 〕 As( 27 )- (1:3:1 3 ) Sh (1:1) が朝お母さんからなかなか離れられないでいたので, 大好きな箱を渡してあげる と, Shはうれ しそうに箱押し‐ それを横から AsがぱっくりとろうとしてShもなかなか引き下がらず 2人の様子と時計を見て ‐ いたら,1 5分位とったりとられたりの繰り返しでした‐ 2人ともいい根性だね‐. さらにいうならぼ, 物をめぐる争いは, 自己主張の衝突を保障し対人的技能の獲得を促す点で 自我の形成や社会性 , の発達において重要であり, 集団保育場面はこうした発達に貢献するととらえる保育観・発達観があることである‐ Hd( 67 )- (1:4:3) タンバリンをシャリン, シャリソと慣らして機嫌良く しているのに, Mh(1:3) が横から手 を出して取り上げたの. 頭に来たHd, すごい気合いを入れて泣くので, さすがの Mhも立ち止ま りま した‐ その隙に Hdと一緒 , に取り返して, 「Hd, 逃げるの, そっちの方に早く早く!」 と応援したのに, 私のところに逃げこん できて…‐ 見て いたS◎が 「これ じゃ勝てないわ-」 と大笑いです でも Hdの動きの速くなったこと 家でお兄ち んに鍛えてもら ているからだね ゃ ‐ っ ‐ ‐. 〔例89 〕. 物の独占・確保に関した事例では, 他の子どもから物をとった場合, その物をどのように扱ったかについての記述は さほど多くなかった‐ だか, 次の例のように, 他児と同一の行為を再現した点まで言及した事例もあった‐. 63.

(9) . 遠. 藤 純. 代. Mz(1:5) がオモチャの皿の中に足を2本並べて立っているのを見つけて, “私もやってみ たい” Mhは, すかさず Mzを押しのけたりひっぱったりして, とうとう Mzが泣き泣き皿から出てMhに貸してくれま した‐ “私 こちゃ一んと皿の中に小さな足を並べて得意になっています‐ もやってみるの1” とばかりを. 〔例90 〕. Mh( 74 )- (1:4:6). 独占・確保の対象となる事物は, 自分が現在使用中の物だけでなく, 少 し前に用いていた物や, 自分の所属物である ケースも見られる. こうした事物に対するとりこみの主張は, 確定しつつある自我領域の主張としてとらえられる. 〔例91 〕. 4 7 )- (1:8:14 Mo( ). おんぶひもでぬいぐるみを Moにおんぶさせると, 最初のうちは “ムッ” とした顔をしていま. した‐ でも皆も同じようにおんぶすると, 安心したように買物か ごに積み木を入れて買物をしたりしました. 保母が人形を降して やって,「お風呂, チャボチャボ入れて」 というと, それらしく箱の中に人形を入れて頭やら身体を撫でて洗ってやってたよ‐ その うち K0 (2:5) が Moのおぶっていたひもを 「KOモ」 と言ったので, おんぶさせると, それを見つけた Mo, KOに “ダメーダ メー, …ノ, …ノ” と言ったの‐ それで⑨が仲介に入って 「Moのだから駄目なのかい?」 と聞くと,「ウソ」 とうなづいたのだけ ど, KOもなかなか譲らないのです‐ 珍 しく Moが半ペンかいて ぐっと我慢のケースでした‐ ) 昼寝の時,「As 〔例92 〕 As( 50 )- (1:6:25 , 薬飲むよ-」 (風邪薬を持参してきていた:筆者注) と言うと, Asとその他沢 山の友達がやってきて, 薬の回りを取り囲みま した. Asは泣き出しそうに 「アーチャ ソノ, アーチャソノ, ダメ !」 と囲りのその 他大勢に怒っていま した‐. 自己の領域に所属する事物であるという主張の増大は, 他者の領域に所属する物に対する気づきの成長と表裏一体に あると考えられる. 他児の手中にある物 がほしい場合, その物を直接入手しよとするのではなく, その物と似ている代 替物 (別の個物) がほしいという要求行動の形をとることもある. このような行動は 「自分の分」, 「○○ (他者) の 分」 という意識に支えられていると考えられる‐ この行動の出現は1歳中頃以降である‐ ) 今日は4月生まれの誕生会‐ (中略) 4月 生れのお友達が前に出て プレゼ ントをも らうと 〔例93 〕 Hd( 11 1 )- (1:7:20 “Hdにも”● とでも言うように ”アーワー” と手を伸すので, 「Hdのは, ないんだよ」 というと‐ “ヮァ-” と泣き出してしまい ました‐ (中略) でも泣きで終って保母をほっとさせてくれま した‐ Mo( 54 )一 (1:11:9) 2月の誕生会に大ホールへとひよこ組の部屋を出発する前に, A①が Mh(2:5) の髪を結ん であげていると, すぐに 「モモコモー」 って言います‐ Moにも結んでやった後で, 今度は Mhの結んだ髪にリボンをつけてやる と, A◎の服をひっぱってまたまた 「モモコモー」 と言うんです‐ リボンをつけてあげたら, 満足そうにニッコリ !. 〕 〔例94. ところで自己領域の主張は, 持ち運び可能な小型の事物に限らず, 園庭のすべり台のような固定された大型遊具や, さらに場所の独占・確保という行動としても認められる. 「場所の独占・確保」 の事例数は, 「物の独占・確保」 の事例 数よりは少ないが, 1歳期以降に報告されている‐ 〔例9 5 〕. Mh( 76 )- (1:4:7). トイ レに行きま した‐ 隣りに他の子が来てしゃ がもうとすると, 自分の座っているトイ レから. あわてて立ち上がり, 隣りのトイ レに座ってトイ レを独占しています (トイ レを2つ我がものにして どうするつもりなのか しら ね) Hd( )- (1:9:16 ) 窓を開けて, 金網に雀が止まって時々ヒョイヒョイ と飛ぶ姿を, 皆で窓にへばりついて見てい 128 ました‐ そのうちトラブル発生‐ 場所争いをして Mh (1:7) と Hdが押 し合いへし合い…?‐ Hdが Mhの髪をひっぱったら, 反対に指をガブッとかみつかれて…‐ でも Mhの泣き声に Hdの泣き声も止まって しまいました‐ Hdも痛かったんだけどね--. 〔例96 〕. また 「物や場所の独占・確保」 に関した行動において, 拒否・禁止の発語や自己領域に属することの主張表現 (「00 「 (自分 の名) .ノ」) を 次 第 に 伴 っ てく る. な お, 要 請 の 発 語 (「カ シテ」) や 使 用 ル ー ル に 関 す る 発 語 ( ジ ュ ソ バ ソ」) を. 記述してある例は, 合わせて数例と少数であった‐ またこうした発語がその意味自体としての効果を持つのは1歳期で はまだ稀なようである‐ さらに, 争いの経過で 「譲る」 や 「慰める」 事例は大変わずかであった (対象児自身の行動で みる と, 各々 1例, 2 例). 今日も園庭で団子作りをしたよ‐ コンクリートにどっかりと座りこんで, シャベルやお皿を並 「 「 べて満足している Mo ‐ 後から来たお友達が カシテエー」 と頼んでいるのに ダメ, モモノ」 と独り占めしているんだよ‐ 11 5 )- (1:8:9) 初めてフラワー団地の公園に遊びに行ってきま した‐ (中略) 公園ではローラー式のすべり台 〕 Ma( 〔例98 が珍しくていっ ぱい遊 びま した‐ Mh(1:8) やK0(1:8) 達と階段で鉢合わせになると “僕が先だ” と足を割りこませるの で,「順番だよ, 待っててね」 と言うと, Maも 「ジュ ンバ ン?ジュ ンバ ン?」 と張り切って しゃべっているけど‐ “順番” の意味 〔例97 〕. Mo( 61 )- (2:0:7). はまだまだ理解し始めてきたばかり?の様でした‐. ( 4 ) 人の独占 他の子 どもとの関係で 「独占」 の対象となる人物は, 保育園では保育者である. このことは保育者が愛着の対象とし. 64.

(10) . 2 ) 保育園の0~2歳児における子 ども同士の関係の発達(. ての機能を有していることを表わしている‐ 食事の後片付けの忙 しい時間になると, “だっこ一” “だっこ-” と泣いて後追いをするんだ よ‐ 膝の中にお友達が座っていたりすると, 無理矢理入りこんできて手で押しのけて, “Mhだけ抱っこして !” と, 顔をすり寄. 〔例99 〕. Mh( 19 )- (0:8:21 ). せてきて, ペッタリと甘えっ こしてきます‐. この例9 9のように0歳期の記録は1例のみであったが, 1歳に入ると1 2カ月以降の各月齢にわたって事例が示されて いる‐ 保育者を独占しようとして時には他児に対し攻撃が生じることは, 攻撃の項で示した通りである (例64参照). 年度当初の時期において, 園児やグルー プ担当保母の異動, 新入園児の入園という対人環境面における大きな変化の 中で, 新入園児に対する保育の比重が一時的に大きくなる時期がある‐ 1歳後半以降では, そう した時期に 「人の独 占」 行動が頻発している‐ なお2歳期の例として次のように, 他児の行動が示されなくとも他児の発言のみで独占行動 が生じた例があった‐ 4月に入って “誰かオレの相手 しろよ !” とプンプンの Hd‐ 新入 H1(1:5) が⑨の膝に 座っていると怒るんです‐ 分かっているのですね… 〔例1 )一 (2:5:1) 散歩,「オバーチャソチニイク」 と Maが言うので, 顔を見にお邪魔 して しまいま した (保育 01 〕 Ma( 174 園から近い所に Maの祖父母宅がある:筆者注)‐ Maが 「マーチャソノオバーチャ ソダョ!」 と言っているのに 「ミソナノオバー チャ ソニショウョ!」 と誰かが言い, それを聞いてあわてて一番に走って行ったよ‐ おばあちゃんの顔を見て, 抱 きつ いて 「ダ メ ェ一」 だって1可愛いいねぇ‐ 〔例1 00 〕. Hd( 1 02 )- (1:7:0). 5 ( ) 遊び ここでは, 記述から保育者の介在がないと判断される 「子ども同士の遊び」 のみを分析対象として取り上げた. この 定義は, 他カテ ゴリーの多くが, 保育者の関与がある (可能性のあるもの含め) 場合をも分析対象としているのと比べ ると, 限定されている‐ 限定した定義を採用した理由は, 遊び全般に関する事例においては 「00をして遊びました」 のような包括的な記述が多くを占めており, こうした事例では, 子ども相互間の遊びが展開されていたかどうかについ ては, はっきりしない (例えば 「誰々と誰々と00をしました」 と複数の子どもの名前が挙がっていても, その子ども 相互間に遊びが存在したのか, それとも保育者と子 ども (たち) の間での展開が中心であったのか, はっきりしない) 場合がほとんどであったからである‐ その結果,「子ども同士の遊び」 事例の総数は27例とわずかなものとなった‐ 各年 齢期における対象児一人当りの平均事例数は, 0歳後期:0 .4 .9 , 1歳前期:0 , 1歳後期:1‐2, 2歳前期:3‐8であ が り, 年齢 高まるにつれ増加していく‐ 特に1歳後半から2歳前半にかけての増加が著しい‐ 子ども同士の遊びとして初期に展開されるのは, イナイイナイ バーや追いかけっこであった (またこの2つが組み合 わされて行なわれる場合もあった). この種の遊びは, 0歳後期と1歳前期における 「子ども同士の遊び」 の出現事例数 中,7 5%を占めていた‐ 前報告で紹介した例30と例56はこうしたエピソー ドである. この他1歳前期では,「布団上での 取っ組み合い」, 「身体を回転させ倒れる」 (例79参照) があった. 1歳後期では, まま ごと道具を用いた遊びが加わってくるが, 子どもだけによる展開においては, 物の渡し合いの形 態にとどまる例が多かった (1歳後期の子ども同士の遊び事例総数中,57%を占めていた)‐ 今日は鼻水が出ているので室内で遊びました‐ “Mo-Asコンビ” の2人は仲良くままごと遊 びをしてコッ プを渡し合ったり, お人形さんを抱っこしたり, それも2人とも無言のままのやりとりなんです‐ それなのに何か意. 〔例10 2 〕. As( 51 )- (1:7:0). 思が通じ合っているようですね‐. 1歳後半に入ると, 追いかけっこは, これまでのようなイ ナイイナイ バ ー遊びとの組み合わせによる展開は なくな り, 単独で展開されるようになる (例えば前報の例57 )‐ 追いかけっ こは1歳後期と2歳前期の子ども同士の遊びの事例 7%を占めていた‐ 中には役割遊びの初歩的な形態をとってなされる場合もみられている‐ 数中3 〔例1 03 〕. Mo( ) 追いかけっこが大好きな Ma 167 )- (2:3:20 ‐ 最近はJu (2:9) と Mz(2:5) と K0(2:3) とでオ バケごっ こ‐ 誰かがオバケになって追いかけると逃げるの‐ カーテンに隠れたりすべり台の隅に隠れたり キャッキャッやってる , よ‐ オバケの役になっている時は, 本人しっかりなりきって, 両手を前に出して垂らして声まで作ってるの‐ 楽しそうだよ‐. 1歳後期から2歳前期にかけての遊びのその他の内容としては, 水かけっこ, ぐるぐると体を回転 ふざけ合い 「竹 , , の子1本ちょうだいな一 のわらべ歌遊び (例10 4 ), イスを並べての汽車ごっこ, 砂場でのケーキ作り (カップに砂を入 れ逆さにする) であった‐. 65.

(11) . 遠. 藤 純、 代. Mh( 153 )- (2:4:27 ) 昼寝の前に男の子達を壁に並 ばせ座らせて 「“竹ノ子一本チョウダイナ” ショウ」 だって‐ あんなに 「竹ノ子一本イ ヤー」 と言っていたのに突然何を思ったのでしょうね‐ 男の子達も “マダ, メ ガ デーナイョー” と応え て数回のやりとりの後, 足をひっぱってケラケラ…- 「モウイ ッカイヤロウ!」 って子ども達だけでとっても楽 しそうでしたよ‐. 〔例104 〕. 〔例10 5〕. Hd( 174 )- (2:3:8). 惑も気にせず, ウヒヤヤ. ウキキ. 午睡時, 布団に入っても騒いで… (中略) …Kz(2:9) とJu(2:8) と3人で, 人の迷 ・ハとはしゃ ぎまくっています‐ ウノ. ( 6 ) その他の事物介在行動 「模倣・同調」 「物・場所の独占・確保」 「遊び」 以外の事物介在行動は 物の受け渡し行動に関係した行動がほとん , どであった‐ 物の受け渡しを除くと, 物の独占・確保と判断しにくい 「同一物の同時的関与」 と, 遊びと判断しにくい 「ポールの行き来」 が各1例 0歳後期にみられたのみであった‐ 従って 以下においては 物の受け渡しに関係した , , , 行動を中心に報告する. まず記述のほとんどが 「物を手渡す」 に関係した行動についてであり, 「受け取る」 に関しては大変少なかった‐ 「渡 ) 1 6~1 9ヵ月 (6例) に集中していた‐ 0~1 2カ月 (5例) と, 磁 す」 行動のエ ピソー ドを年齢の点からみると, 回生後1 7のように, 反復し 2カ月) のような例もあるが, 次の例1 0 6 0 1 1 0~1 2カ月頃では, 「ほしがる他児へ食物を渡す」 ( , 例1 て 「渡す」 事例が複数認められた‐ これら2例は, 当事者の双方が 「渡す-受け取る」 の反復に虚構性を認めていると はとらえにくいため 「遊び」 としなかったが, 一方の当事者は 「遊び」 的要素をもって行為を実行しているのかもしれ 云 工い- 寝坊組の Ma(0:9) と2人して他の子よりも少し遅めのランチタイムー デザートに出たリ こリンゴをさし出し, ンゴの一切を2人で争い, 何やらキャーキャーやっていました‐ しばらく見ていると “ハイ” と Mhが Maを それを何度もくり返している2人で Maはそれを素直にとる‐ するとすかさず 「エーソ」 と泣いてみせる Mh, あわてて返す Ma ,. 〔例106 〕. Mh( )- (0:10:?) 28. した. Mh, 完全に遊んでました‐ ちょっと見ると悪者は Maのようだけど, よく見ると Mhのようでしたよ‐ ) 離乳食後, 箱の中から小さい積木を1つずつ取り出して, そばにいたJu (2:2) に 「ハイ」 〔例107 〕 As( 12 )一 (0:11:1 5 と言いながら何度も手渡していました‐ju たら受け取ってあげていました‐ 大人ならとっくに 「もういいよ」 と言っているのに, 子 どもは根気があるね‐. 1 6~1 9ヵ月 で記述されている 「物の受け渡し」 は, 仰他児が落した物を拾い渡す (2例), (向社会的行動の例115参 c )保育者が他児に 「持ってきて」 や 「捜してきて」 と話しているのを聞 )他児の所属物を当該児に渡す (1例),( 照),( B き, その話題となっている事物を持って来て渡す (2例) などであった (なお, 遊びとしてなされている物の受け渡し は同じくこの月齢期にのみ3例みられた)‐ いずれも, 各自の持ち物に対する理解や現在使用している使用者の優先権 に対する配慮を前提とし, かつ他児に対する援助行動としての意義をも帯びた内容となっている. 2歳頃以降では, こ 0 ) もみられる‐ 0 9 ) とともに, 分け与えるという行動 (例11 うした手渡しの援助行動が一層自発的になされる (例1 ロールマットを He(2:1) がやり終え, ①が 「He , ズボン持っておいで一」 と言っている と, Shが Heのズボンをどこからか持って来て,heに 「ハイ」 と渡してあげて, めんこかったよ‐ 202 ) 散歩に出かける準備のし終った Hdは, のんびりしているTa(2:3) のスノーコンビをズ 〔例109 〕 Hd( )一 (2:5:27 ルズルとひきずってきて, 「ハーイ!」 と渡してやるんですよ‐ きっと 「Ta , 今日も留守番!」 と叱られるのを気の毒に思ったの かもしれません‐. 〔例108 〕. Sh( )- (1:6:6) 56. Ma( 132 )- (1:11:3) 私が遅番で登園したら, おせんべいタイムの Ma達でした‐ 気を使ってくれて, 私におせん べいを持って来てくれたんだよ‐ やさしいね‐ 袋に残りが3つ入っているのを, 1つは Mh (1:11 ), 1つは He(1:7) にあ. 〔例110 〕. げて, もう1つを食べる Maでした‐. なお 「物の手渡し・受け取る」 と必ずしもイコールとは限らない行動に 「配る」 行動がある‐ この行動の事例は少数 (4例) であったが, いずれも1歳期以降に報告されていた‐ 1歳前期では保育者の依頼により生じており (2例), 1 歳後期以降は自発的に生じている (2例)‐ 食事時, 自分の物をテー ブルに持っていくのかと思っていたら, キュウリの皿も友達に配って やり, ミートスパ ゲッティ, 煮物も配って働き物でした‐ どうもありがとう.. 〔例111 〕. Hd( 115 )一 (1:8:8). ( ) 向社会的行動 7 )注意 C このカテ ゴリー全体としては, 1歳代以降中でも1歳後期に多い (付表)‐ 回慰める, 回世話する・援助する,(. 66.

(12) . 保育園の0~2歳児における子ども同士の関係の発達( 2 ). する, の3つのサブカテ ゴリーに分けて検討する. 回 慰める 具体 的行動としては, 「頭を撫でる」,「抱く」 であっ たが, 前者が, 特に 「泣く他児の頭を撫 でる」 が 多か っ た 7 ( 1%). 「泣く他児の頭を撫でる」 は, 早いと1歳間もない時期から報告されている. 〔例112 〕. Sh( 25 )- (1:1:20 ). 今日, 大きいすべり台を出して遊んでいたら, Mo(1:7) がぶつかって大泣きしました‐ そ. ” した ら Sh が ”メ ンコ, メ ンコ !” と Moの頭を撫でて “Mo , 大丈夫かあ? と顔をのぞきこんでいたんだよ!それがとっても可 愛いくてやさしいShを見つけたよ‐ As( )- (1:4:0) 朝, Hd (2:6) が “バ シッバ シッ” とたたき合いのけんかを していたら, じっと見ていた 33 As , 相手がたたかれる度に目を細めて痛そうな顔をするの. 最後にHdが負けて泣き出したら頭を撫でて慰めていたよ‐. 〔例11 3 〕. また相手が泣く原因を自分が作 り出した (相手をたたくなど) 後で, 泣いた相手を撫でる場合もあった‐ 似た例とし ては, 前述の例6 5が挙げられる (相手が⑨であり, しかも泣いた真似であるが). これらの例では相手が 「泣く」 ことと 「撫でる」 行動の生起には密接な関係があるようだが 相手が泣いていない状況で 「撫でる」 と 「相手の手中の物をと , , 6 3 る」 を同時に行う例 (Ma( 4ヵ月時) のように,「撫でる」 行動が物確保の手段として利用されていると考えられる ):1 場合もあった‐ なお 「抱く」 行動 (1例) も泣いている他児に対しなされていた‐ 態 ) 世話する・援助する 表から分るように, このサブカテ ゴリーの事例数は向社会的行動の事例総数中, 最も多くを占めていた ( 6 7%)‐ 具体 的な行動内容は多様であったが, 場面別に大別すると, ①就寝場面 「世話・援助」 全体の34%), ②散歩 (の準備も含 31%), ③遊び場面 ( 1 7%), ④食事場面 ( 1 む) 場面 ( 1%) であった. 早い年齢期に多くみられたのは, 就寝場面での 「他児の背中や胸をタオルや布団等の上からトントンと軽くたたく」 という世話行動であった (0歳十1歳前期の世話・援助行動事例数中67%)‐ 早い対象児 (Mh児) だと0歳後半で記述 されているが, 寝かしつける際の保育者の行動の模倣としてであり, しかも動作が対象と切り離されて模倣されている (◎のそばで床をトントンとたたく)‐ 多くの対象児を こついて, かつ対他児行動として示されるのは1歳前半である (前 報告の例8参照)- また年齢的に早期の事例では①の行動の即時模倣として生じているが, 次第に, 直前に保育者の当該 動作が存在しない状況下で生じるようになる‐ 寝かしつけられる他児の抵抗を無視して続行する場合もみられ, 微妙な 状況判断はなされにくいようである‐ Mo( 39 )- (1:7:18 ) 昼寝の時, 無理矢理As(1:4) を布団の上に寝かせて, Asのタオルをかけて背中をトント ンして寝かしつけてるんですよ‐ Asがいやだって起き上がろうとすると, 頭を押えつけて寝かせていま した‐. 〔例114 〕. この他, 1歳前期で多く報告されていたのは, 食事場面における援助行動で, 他児が落した食物やスプー ンを拾って 渡す‐ 食物の入った皿を配る (②に言われてであるが) という内容であった (全5例). 〔例115 〕. Mh( 69 )- (1:3:16 ). 食べている時も, To(1:1) がスプーンを落すと, Mhが拾って 「ハイ !」 と渡 していま. す‐ お姉ちゃんですね-. なお散歩関連で1歳前期にみられた援助行動として, 次のようなエ ピソー ドがあった‐ Sh( 44 )- (1:3:1 2 ) 今日はShと◎の2人だけで散歩に出かけようと, そうっとひよこの部屋を出て玄関まで行き ま した‐ さあ行こうという矢先に, たまたま靴をしまいに来たAs(1:5) に見つかって しまいま した‐「サンポーオ」 とそのま ま外へ出ようとした Asに 「あっ ジャ ンパー持って来てね!」 と言うと戻って行きま した‐ 廊下を歩いているうちに多分忘れるだ ろうと考えて, 「さあ行こう」 とShを誘ったら 「ソーン」 と動かず, そればかりか しまってあった Asの靴まで並べて, その隣り にちょこんと座って待ってるの‐ 「いいから行こうよ」 と言っているうちに, しっかり Asは長い廊下を歩いても言いつけを忘れ ず, ジャ ンパーを持ってニタニタ しながら走ってきま した‐ 2人の仲は強かったね !. 〔例116 〕. 1歳後期で多かったのは, 散歩時の 「手をつなぐ」 に関連した世話・援助行動である ( 3 3%). 前報で述べたように, 散歩時に他児と手をないで歩けるようになるのは1歳後半であり, こうした手つなぎ場面でさまざまな援助・世話行動 がなされる‐ つなぐ相手が転ぶ (転びそうになる) とひっ ぱり上げる, 危くないようにひき寄せる, 道路端によける, 階段登りがうまくいかないと一緒に登ってやろうとする等の援助行動が, 1歳後期以降の記録がある6名の対象児中5 名について, 1歳後期に報告されている (残る1名は 「注意する」 という似た行動が報告されている)(例については前 報告の例20 ,21を参照されたい)- 〔例1 17 〕. As( 61 )一 (1:8:1 3 ). 大の赤ちゃんを見に行ってきま した‐ Asは, 段差に困っていた Mo(2:1) の所にスタスタ. 67.

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