「社会に開かれた教育課程」の系譜 (2) : 雑誌『初等教育資料』2000年代前半の「地域連携」に関する事例報告から
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第69巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 69, No.2. 平 成 31 年 2 月 February, 2019. 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵ ― 雑誌『初等教育資料』2000年代前半の「地域連携」に関する事例報告から ―. 山口 好和*・中村 吉秀** *. 北海道教育大学函館校 教育方法学研究室. **. 北海道教育大学大学院教育学研究科 高度教職実践専攻(函館校). The Circumstances of “Strong Connection between Curriculum and Community: part2” ― Organizing Articles of Magazine “Primary Education” at The Early 2000s ―. YAMAGUCHI Yoshikazu* and NAKAMURA Yoshihide** *. Educational Methodology, Hakodate Campus, Hokkaido University of Education. **. Department of Teacher Education of Graduate School, Hakodate Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 新学習指導要領で最重視される学校と地域との関係を探るために,雑誌『初等教育資料』の 過去記事から関連した実践報告を拾った。「総合的な学習の時間」導入直後から初期の「学校 運営協議会」制度導入付近までの記事について教育課程の特徴や連携先,活用教材などを時系 列で整理したところ, 「連携」の姿として,学校教育の取り組みが地域課題の実態に反映され るような連携方策や,外部団体の構成・活用,校種間の共通目標設定などの特徴がうかがえ た。更に当時の事例が,現在謳われている「社会に開かれた教育課程」の原型を作っているこ とも,併せて確認できた。. 1.問題と目的. り,従来にも増して学校の最重要課題となってい る。. 人口減少に伴う問題指摘が相次ぐ中,地域課題. 今年に入って,足立区での給食サービス充実に. を把握してどのような方策を講じるのかは,多く. 関する話題(1)や,学校事務職員の経費節減と教. の領域で焦眉の問題である。教育政策の文脈で. 育効果の向上に関する取り組み(2)が相次いで報. は,2017年3月の新学習指導要領に「社会に開か. 道された。前者は文字通りの地域課題に対応する. れた教育課程」の理念が大きく謳われたこともあ. 政策立案とその実行プロセスに光を当てたもので. 43.
(3) 山口 好和・中村 吉秀. あるし,後者は学校事務領域での創意による学習. 半から90年代前半にかけての報告では「開かれた. 環境改善(大学教育での「SD」にあたる)の好. 学校」のイメージのもとで,地域の人材・素材を. 例である。これらはいずれも,当該地域・校区の. 借用する報告が多いこと,さらに90年代後半から. 的確な状況把握とそれに応じた工夫例であるが,. 2000年代冒頭の「学校週5日制」実施時期にかけ. かつてならば教育分野での「専門的な取り組み」. ては,学校と地域の協働的な取り組みの萌芽が見. に収まっていたものが,一般市民にもすぐ目に入. られたことである。. るウェブ記事として掲載されるのは,学校と地域 課題との緊密性に社会的な関心が集まっている証 とも言える。また,地方都市から首都圏への進学. 2.研究の方法. 経験を振り返り,文化資本の厳然たる格差と地方. 『初等教育資料』誌のバックナンバーから,. 居住者にとってのリソース不足を指摘するエッセ. 「地域との関わり」について報告のある記事を拾. (3). イも, 掲載直後から多くの注目と反響を呼んだ. 。. い,各記載内容から「発行年月(巻号数)」「記事. 新学習指導要領で推奨される「社会に開かれた. の表題」 「報告母体」 「実践の経緯」 「連携の対象」. 教育課程」の理念をめぐり,特にその記述様式と. 「具体的な活動例」にあたる情報を抽出・要約し. 影響について筆者らは次のように考えている。. た。今回は,2003年度から2007年度までに発刊さ. まず, 「社会に開かれた教育課程」の理念は. れた巻号を,調査の範囲としている(7)。. 2015年冬の中教審による3つの答申(4)で示され たものであり,より広くは内閣府・内閣官房が主 導する「地方創生」政策の文脈下にある。またこ. 3.結果と考察. の理念は,幼稚園教育要領,小中高の各学習指導. ⑴ 雑誌記事の整理区分について. 要領「前文」にそれぞれごくわずかしか記述がな. 表1から表5は, 『初等教育資料』誌の記事から,. いが,それが共通フォーマットで示されているこ. 「地域との連携」に関連した実践報告を拾ったも. とを, 重大に受け止めるべきである(「資質・能力」. のである。要約の際に,煩雑を避けて発行年ごと. の共通書式と同じ)。. に分割した。2003(平成15)年は23件,2004年(平. さらに,旧来唱えられてきた「学社融合」や. 成16)年は22件,2005(平成17)年は13件,2006. 「地域連携」との違いを,各学校が単体で理解し. (平成18)年は17件,そして2007(平成19)年に. て実践に具現化するのは,原理的にも実務的にも. は19件の報告をそれぞれ拾うことができた(8)。. 大きな困難を伴う。猿田(2017)は,1989年以降. 以下では,各年度の報告内容が示す特徴を大ま. の学習指導要領「総則」欄の記述と近年の答申文. かに確認したうえで,この時期に「地域との連携」. 書の読解から,学校と地域社会の緊密な協働性・. として何がどう取り組まれたのかを掴みたい。さ. (5). 。その意味でも,一. らにそれを踏まえて,直近の理念「社会に開かれ. 連の政策プランの進行プロセスにおいて,教育実. た教育課程」に関する筆者たちの見解を,本稿末. 践レベルでどのような「下敷き」が展開されてき. 尾で併せて示しておきたい。. 当事者性を指摘している. たかを確かめることは,重要な作業である。 そこで本稿では,文部科学省が編集する『初等. ⑵ 2003(平成15)年の記事内容の特徴. 教育資料』の記事を題材に, 「地域連携」に関す. 2003年度の報告事例をまとめたものが表1であ. る実践報告の整理から今後の展望を見出したい。. る。通覧すると,およそ次の特徴があげられる。. 今回は,2000年代初頭から半ばにかけての実践報. まず,小規模校が多くを占める地域では,意図. 告を振り返ってみる。筆者らは先の報告におい. 的な合同活動を実施している(事例3-1,事例. (6). て,次の点を指摘していた. 44. 。つまり,80年代後. 3-13)。ボランティアは清掃活動,地域行事の手.
(4) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 伝いが多い。. (ただし対象範囲は,自治体の意向によってさま. また,従来からある組織・団体をコーディネー. ざまである。事例3-5,事例3-8,事例3-14)。. トするために,中間的な組織を設けている(事例. 総合的な学習の時間では,地域の特徴を理解す. 3-4,事例3-9) 。学校週5日制に対応して,地域. るための実習活動が学習の中心に据えられている. 側の学習・体験機会を設ける地区が多い。地域住. (事例3-1,事例3-4,事例3-12,事例3-15,事例. 民の声を拾って還元する取り組みも散見される. 3-18,事例3-21)。. 表1 雑誌『初等教育資料』における「地域連携」の紹介事例(2003年度) 発行年月・ 記事の表題 巻号数・頁. 報告母体. 実践の経緯. 連携の対象. 具体的な活動例. 事例3-1 小規模校に 香川県塩江 ・町内3小学校での修学旅行, ・町内3小学校 ・6 年生自主見学,廃止した 2003.4 おける学校 町立塩江小 学校を解体してグループ編 ・ホタル保存会 運動会に代わる親子ふれあ (No.760) 間連携を通 学校 成 ・高松市立四番丁 い大会,収穫祭 して,総合 ・合 同運動会,異学年混合で 小学校 (都市部) ・ホ タルの放流,調査を都市 的な学習の グループ対抗戦 ・町立上西小学校 部の学校と合同でおこなう 時間や教科 ・上西小との合同学級活動 (隣接校) 等の学習で も地域の特 色を生かし た教育課程 事例3-2 ボランティ 山形県南陽 ・6年生が福祉施設と交流 ・福祉施設に勤務 ・平 成13年 度 か ら 小 学 生 ボ ラ 2003.4 ア体験,ふ 市立宮内小 ・平 成12年 度 か ら 親 子 ボ ラ ン する保護者 ンティアサークル開始(4 (No.767) るさと学習 学校 テ ィ ア 体 験( 市 内10か 所 で ・市内の社会福祉 〜6年生26名) を柱に,進 「菊祭り」準備の清掃) 施設 ・4 年生担任による地域輩出 んで地域に 文化人の研究と学習会主催 かかわる心 豊かな子ど もの育成を めざす 事例3-3 21世紀を拓 尾鷲市教育 ・輪 内中:「熊野古道」を活用 2003.4 く尾鷲の教 委員会 した学習,平成14~16年「学 (No.767) 育 力向上フロンティアスクール」. -. ・九鬼小:創作音楽劇「ぶりっ こひのきっこ」,地域の「船 上神楽」と県民文化祭に出演. 事例3-4 地域社会と 宮崎県日向 ・平 成 9 年 県・ 市 指 定「 学 社 ・街並み保存会, ・地域活用の指導例作成 2003.5 共生する学 市教育委員 融合推進モデル事業」開始 耳川お舟出の会 ・地区公民館の「土曜教室」 (市 (No.768) 校教育 会 ・平 成9年「美々津教育ネッ など 内8地区75事業の体験講座) トワーク」設立(コーディ ・総合的な学習の ・自治公民館の 「寺子屋学習」, ネート組織) 時間などでの出 月例行事 ・平 成12~14年 度 文 科 省・ 県 前講座(大学・ ・小・中合同の研究協議会と 指定による中高一貫教育の 企業) 授業研究(総合的な学習の 実践研究 時間) 事例3-5 家庭教育応 長野県波田 ・2000年「波田教育一貫目標」 ・町内子育て世代 ・啓 発資料「波田町家庭教育 2003.6 援歌 町教育委員 ・平 成11年 度 末「 家 庭 教 育 推 の家庭 応援歌」の作成・配布 (No.769) 会 進委員会」 設置 (子育て世代, ・出 張講座「フレッシュアップ 保護者など12名) 子育て」 ,啓発資料を教科書に ・家庭教育の実態調査と分析 ・ 「お父さんの家庭教育応援 歌」作成と講座「お父さん 出番ですよ」開催 事例3-6 地域ととも 和歌山県か ・子ども会,育成会の活動 ・県教委 ・体験活動(子ども会,スポー 2003.7 に進めるか つらぎ町教 ・安全確保 ・和歌山大学との ツ少年団) ,週5日制に対応 (No.770) つらぎの教 育委員会 ・平 成9年から,伝統芸能等 へき地教育研究 した公民館活動, 図書館行事) 育 (歌舞伎,狂言,民話)鑑賞会 推進 ・期 間限定学校開放,敷地内禁 煙 事例3-7 地域に根ざ 青森県板柳 ・ 「土曜・日曜の教室」開催と ・ボランティア 2003.8 し夢はぐく 町教育委員 休日部活動の休止 (No.771) む教育のた 会 ・姉妹都市との国際交流 めに. ・8 月 県 下 席 書 大 会,10月 町 内俳句大会. 45.
(5) 山口 好和・中村 吉秀. 事例3-8 地域と歩む 埼玉県志木 ・平 成15年 に 学 校, 公 民 館, ・公民館の利用団 ・3 年生が店舗体験,5年生 2003.9 学校づくり 市立志木小 図書館の一体型で開設 体・130団体 が屋上ビオトープで田植え, (No.772) と学校評価 学校 ・学 校便りの地域配布,学校 ・図書館利用の住 地域住民によるクラブ活動 教育目標を共同で設定 民 指導 ・全 保護者,地域による学校 ・30分の子どもフリータイム 評価アンケート で地域住民と活動 事例3-9 特色ある学 佐賀県鳥栖 ・平 成13年 度 か ら「 校 長 裁 量 2003.9 校づくり 市教育委員 予算」を配分 (No.772) 会 ・5 月第2日曜日を「ボラン ティアの日」に指定 ・平成15年度から「鳥栖市民・ 社会交流事業」 (小中学校の 学習支援,講座提供). ・外部講師 ・鳥 栖 中: 高 校, 高 専, 大 学 ・留学生 等教員の講座 ・障害者施設 ・田 代 中: 文 化 講 演 会, 選 択 ・鳥栖市コンベン 教科での和裁体験,三味線 ション・シティー ・基 里小:地域人材による家 委員会 庭科指導,文化活動交流 ・麓小:親子陶芸,昔遊び. 事例3-10 心に夢と希 群馬県富岡 ・ 「自問教育」 「独創教育」 「生 ・マ タ ニ テ ィ ス ・神 農 原 地 区 の 祭 り, 清 掃, 2003.10 望と志をは 市教育委員 き方教育」 クール,ペアス 体験行事 (No.773) ぐくむ富岡 会 ・平 成14年「 と み お か 市 民 大 クール,子育て の教育 学校」開設(約100名) サロン 事例3-11 学校での学 富山県黒部 ・平 成14,15年 度「 豊 か な 体 ・地域農家,農協 ・稲作体験(5年生) , ビオトー 2003.11 習 を 生 か 市立若栗小 験活動推進校」指定 ・PTAの協力で学 プ作り(2年生),畑作体験 (No.774) し,家庭や 学校 ・学 校 の 発 展, 各 家 庭 で「 一 校田 (全学年) 地域へ広げ 坪菜園」「一袋栽培」 「一鉢 る体験活動 栽培」 事例3-12 地域の自然 茨城県常陸 ・JRC活動(ボランティア) , ・生 涯 学 習 セ ン ・生涯学習情報を「土日に元気 2003.11 を生かし, 太田市立太 宿泊自然体験学習,「源氏川 ター等の公共機 が出る通信」にまとめ配布 (No.774) 郷土愛や社 田小学校 物 語 」( 総 合 的 な 学 習 の 時 関など ・源 氏 川 を 素 材 に,29の 研 究 会性をはぐ 間 ), 花 い っ ぱ い・ う る お テーマで調査活動 くむ体験活 い・感動プラン,学年合唱, ・花の栽培と近隣施設への寄贈 動 三世代交流 事例3-13 高齢者との 栃木県茂木 ・10年前に3校が統合 ・高齢者との農業 ・なかよしふるさとふれあい活 2003.11 交流を生か 町立須藤小 ・平 成14年 度 か ら「 豊 か な 体 体験,奉仕,自 動(地域ボランティア) (No.774) し,豊かな 学校 験活動推進校」指定 然体験 ・須藤っ子なかよし運動会(地 心をはぐく ・な か よ し 班( 全 校 縦 割 り10 域交流) む体験活動 班)形成 事例3-14 豊かな学び 宮城県女川 ・平 成12,13年 度, 学 校 支 援 ・中学校区での合 ・ 「青少年健全育成アンケー 2003.11 を創造する 町教育委員 ボランティアに関する文科 同運動会 ト」を実施,2000戸に配布 (No.774) 女川の教育 会 省研究指定 ・へき地校と中規 ・土曜日の体験講座 ・平 成13年 度 か ら 全 校 2 学 期 模校の研究交流 ・女 川一中の「潮活動」:平成 制を導入 促進 8年より町民が指導 ・町臨時補助教員を5名配置 事例3-15 学力を確か 埼玉県飯能 ・総 合的な学習の時間(なん ・地域の商店街, ・5 年 生「 伝 え よ う 飯 能 の 2003.12 なものにす 市立飯能第 じゃもんじゃタイム)の「全 土蔵 昔発見!」 (No.775) る総合的な 一小学校 体計画」(テーマ系統,教科 学習の時間 との関連) のカリキュ ラムの改善 と展開 事例3-16 教育のまち 豊後高田市 ・ 「生き生き土曜日」事業(寺 ・ 「 講 座 」 講 師20 ・地 区公民館を母体に土曜日 豊後高田市 教育委員会 子 屋: 英 会 話・ 国 語・ そ ろ 名以上 「週末子ども育成教室」 , 「通 2003.12 (No.775) をめざして ば ん, パ ソ コ ン, 私 の 人 生 ・支援ボランティ 学合宿」を実施 「まなびの 講座) ア60名以上 ・ 「夏休み特別講座」 21世紀塾」 ・ 「わくわく体験活動」事業 ・市民合唱団 ・ 「寺子屋講座」から,少年少 の取組 ・ 「のびのび放課後活動」事業 女合唱団が結成(60名) 事例3-17 家庭や地域 鳥取県智頭 ・道徳教育を教育課程の要に ・近隣高等学校 ・ 「心のノート」の活用 2004.1 との連携で 町立土師小 ・プ ロジェクトDD(三者一体 ・土師公民館,土 ・ 「道徳シンポジウム」開催 (No.777) 培う子ども 学校 の共同体制づくり) 師財産区 ・ 「心の目標」を月例で設定, の豊かな心 ・地域教材の開発と活用 ・長生会 メッセージ掲載のポスター 作成. 46.
(6) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 事例3-18 学校,家庭, 岡山県熊山 ・平 成13~15年 度 文 科 省「 健 ・町「健康教育推 2004.2 地域が連携 町立豊田小 康教育総合推進モデル事業」 進協議会」 (No.778) した心の健 学校 ・生 活科,総合的な学習の時 ・豊 田 小: 保 育 康づくり 間で心の健康づくり 園,福祉施設と ・学 校 保 健 委 員 会・PTA母 親 の交流 委員会で,余暇のアンケー ・製材所の協力で ト実施,親子ウォーキング 造形活動 を開催. ・生 活習慣に関するアンケー ト実施と配布(幼保小中の 全保護者を対象) , 「あいさ つ」啓発 ・バ リアフリー探検隊,稲作 体験,川遊び,昔遊び交流会 ・ 「学校便り」による啓発 ・病 院 訪 問, し め 縄 づ く り, 豊田っ子フェスティバル. 事例3-19 ひびきあう 海老名市教 ・ 「海老名あそびっ子クラブ」 ・学校安全推進委 ・ 「富士ふれあいの森」で野外 2004.2 教育 育委員会 (市内6小学校から全校へ) 員会(自治会, 活動(中1生キャンプ) (No.778) ・平 成14年 文 科 省「 地 域 ぐ る 青少年育成協議 ・三世代ゲートボール大会 会,消防,警察, みの学校安全推進」委嘱(安 全マップ, ついでパトロール) 市教委) 事例3-20 保護者や地 東京都八丈 ・ 「おらが地域の学校」として ・漁業や農業に従 ・第5・6学年の農業体験(し 2004.3 域の人々と 町立三根小 大切にされている 事されている ろ か き 田 植 え 稲 作 ) と (No.779) の 連 携 を 学校 ・家 庭・地域に学力について 方々 遠泳 図った各教 説明するようになった ・海難救助隊 科の工夫 ・生 活の中で教科の学力を付 ・警察署 ける 事例3-21 学校・家庭 大阪府大阪 ・総 合的な学習の時間で6年 ・校区内にある商 ・さ らに活気づけるために学 2004.3 ・地域の連 市立苗代小 生が「商店街での体験学習」 店街 級でシンポジウムを行う (No.779) 携による豊 学校 ・4, 5 年 生 が「 高 齢 者 と の ・高齢者福祉事業 ・シルバースマイル計画 かな学習を ふれあい活動」 ・農家の方々 ・米作り 創造する授 ・5 年生が「都会の中での田 ・精米にしよう 業への取組 植え『苗代』 」 事例3-22 学校の自己 埼玉県加須 ・教 職員用,外部教育専門科 ・保護者地域,外 2004.3 評価と保護 市立加須南 家用,一般市民外部評価委 部教育専門家, (No.779) 者や地域の 小学校 員用,保護者用の四種類を 企業関係者,加 人々による 作成 須市教育委員会 外部評価へ ・保護者は,アンケートで評価 に協力してもら の取組 ・結果の公表について う外部評価の実 ①公表の内容 ②公表の範囲 践 ③公表の方法 ④次年度の改善策. ・外部評価委員会の設置 ・外 部評価委員会を2日実施 する ・外 部評価準備委員会に市教 育委員会が参加する ・評 価項目に説明を加えるこ とから,7~8項目にしぼ る必要がある. 事例3-23 子どもたち 藤沢市湘南 ・15年 前 に 文 化 ホ ー ル, 公 民 ・学校との連携 ・宇宙劇場 (プラネタリウム), 2004.3 の創造性を 台文化セン 館, 行 政 支 所, こ ど も 館 か ・教員が夏休み小 展示ホール,ワークショッ (No.779) はぐくむ ター・こど らなる複合施設として設置 中学生向け体験 プ も館 ・ 「こども・地域・対話」を基 教室での指導 ・夏 休み中に学校教員向けの 本理念にワークショップ構成 研修機会を提供. 表2 雑誌『初等教育資料』における「地域連携」の紹介事例(2004年度) 発行年月・ 記事の表題 巻号数・頁. 報告母体. 実践の経緯. 連携の対象. 具体的な活動例. 事例4-1 「 学 校 サ 兵庫県西宮 ・平 成14年 度 か ら 特 色 あ る 学 ・専門的な経験を ・図 書館ボランティア(市内 2004.4 ポートにし 市教育委員 校づくり支援事業「学校サ 持つ地域住民 1500人) が貸借, 登録・修理, (No.780) のみや」事 会 ポートにしのみや」を開始 (登録) 読み聞かせなどに従事 業-「ささ ・地域連携システム「ささえ」 ・NPO法人「子ど ・NPO法人が,酒造会社と学 え」の取組 (登録3000人が,花壇整備, も環境活動支援 校間の調整や,有馬川自然 から- 防 犯 安 全, 動 物 飼 育, コ ン 協会」 《リーフ》 観察のグループ指導を支援 ピュータ,総合的な学習の ( 文 科 省「NPO法 人 等 と の 時 間・ 外 国 語 活 動, 部 活 動 連携」に関する研究指定) 指導などに従事) 事例4-2 地域施設と 大分市立下 ・夏 休みに子ども対象の「サ ・学芸員と小・中 ・身 近な学習の場所として利 2004.5 連携したカ 郡小,大分 マースクール」を開催 学校の教諭との 用できる「カリキュラムづ (No.781) リキュラム 生態水族館 ・環 境教育,総合的な学習の 連携 くり」 づくり マリーンパ 時間で干潟や磯の観察会 ・直 接体験「タッチングプー レス ・実 験・体験型へと発展させ ル」 , 「海獣学習のプログラ ていくことを計画 ム」 「 ,水族館学習プログラム」 (施設・業務を学習素材に). 47.
(7) 山口 好和・中村 吉秀. 事例4-3 「こころ」 奈良市教育 ・平 成12,13年 度 の 不 登 校 児 ・NPO法人「都南 ・ 「地域スクールカウンセリン 2004.5 でつなぐ地 委員会 童生徒支援を契機にNPO法 地域教育振興会」 グ」 (臨床心理士の中学校派 (No.781) 域 ネ ッ ト 人「都南地域教育振興会」 ・都南中学校,校 遣) ワークNPO を設立 区内の小学校5 ・ 「ワーキンググループ研修」 と学校教育 ・小・ 中 学 校PTAが「 は ー と 校 (支援,教育相談に関する の連携 ネット運動」を開始 ・臨床心理士 月例の研修) ・平成15,16年度文科省「NPO ・ 「課外活動支援」 (地域人材, と学校教育との連携」委託 土曜日活動,校区を跨ぐプ ログラム) 事例4-4 わが街再発 岐阜県郡上 ・平 成6年度より小学校高学 ・地域の郷土史家 ・小 学校4,5年生が講座受 2004.6 見!『ちびっ 市教育委員 年むけ自然環境体験型教室 による指導 講 後 に, 毎 月 1, 2 回, 地 (No.782) 子観光ガイ 会(旧八幡 「屋根のない博物館」実施 域の観光案内を実施する ・小 学生時に参加した高校生 ド』 町) ・講 座終了後のボランティア 事業「ちびっ子観光ガイド」 や中学生が,ジュニアボラン (全5回)を企画 ティアスタッフとして協力 事例4-5 生 き る 力 日立市教育 ・ (助川小)平成13年から「次 ・広島市内の姉妹 ・TV会議による遠隔地交流学 2004.6 は,楽しい 委員会 世代ITを活用した未来型教 小学校 習 (No.782) 元気な学校 育研究開発事業」指定 ・日立製作所の外 ・校 内LAN活 用( 機 器 予 約, づくりから ・ (大みか小)文科省指定「放 国人労働者 資料共有,学級日誌の記録) 課後学習チューター」調査 ・茨城キリスト教 ・社 会 人, 大 学 生14名 が 週 3 研究 大学 回希望者に学習支援 ・国 際理解教育の一環として ・担任教員との学習記録交換 の英語活動を推進 ・ALTや海外経験者活用の「国 際理解ボランティア・リス ト」 事例4-6 地域で学ぶ 岩手県安代 ・高 齢者を運動会や学習発表 ・ 「ふれあいセン ・小 学校4年生による高齢者 2004.7 子 ど も た 町教育委員 会に招待 タ ー」( 高 齢 者 との交流(昔の道具や遊び (No.783) ち! 会 ・老 人ホーム訪問,農作物や 支援施設) など社会科の発展学習,学 花壇 ・社会福祉協議会 習発表会での合同合唱とそ ・独居老人宅への夕食配達 の練習) ・老 人クラブ運動会に参加・ ・中 学生が高齢者宅に月1回 補助 夕食弁当を配達,誕生日に 歌の贈呈 事例4-7 教育の北九 北九州市教 ・ 「北九州市教育改革プラン」 ・ 「教育改革アド ・放 課後・夏季休業時に希望 2004.7 州方式をめ 育委員会 (平成14~17年度)を策定, バイザー会議」 者向けの補習 (No.783) ざして 4本柱・120余の施策,事業 (有識者,教育 ・全 小学校3年生以上,全中 費約300億円,各施策に年次 関係者,企業経 学校でネイティブスピー 目標を設定 営者, 保護者等) カーによる英会話体験 ・11月 第 1 週 を 全 市「 学 校 開 ・学校,教育委員 ・平 成14年 度 か ら「 青 少 年 ボ 放週間」に設定(市内7万 会,警察 ランティアステーション」 人が来校) ・ス ク ー ル ヘ ル 開設(1700人が登録) ・ 「学校広報マニュアル」整備 パー(保護者, ・教員OBと警察OBで「少年サ と各校「学校通信員」指定 地域住民2700人 ポートチーム」を編成 ・平 成15年 5 月「 教 育 の 北 九 登録) ・有害環境対策事業 州方式検討会議」 (新しい学 ・校 長の裁量権拡大,教員評 校づくり部会,学校と地域 価システム策定と優秀教員 の連携部会)を設置 の表彰制度 事例4-8 柴山潟に集 石川県加賀 ・平 成14,15年 度 文 科 省「 豊 ・柴山潟流域環境 ・水質浄化,環境浄化(各校) 2004.8 う・地域の 市教育委員 かな体験活動推進事業」指 対策協議会 ・伊切浜の清掃活動(一斉) (No.784) 環境を守る 会 定で,柴山潟の環境浄化を ・農水省北陸農政 ・除草作業(一斉) 小,中,高8校で取組む 局石川農地防災 ・環 境浄化の啓発運動(ポス ・防 災事業所による除草作業 事業所 ター,看板づくり,一斉) の予算措置 ・小 学校4年生以上で「加賀 のふるさと教育」を実施 事例4-9 地域を学び 春日居町教 ・平 成15年 度 県 教 委「 地 域 を ・地域の環境保全 ・家 庭科「国府団子」,音楽集 2004.9 地域と共に 育委員会 育てる環境活動推進事業」 活動 会「熊野堂囃子」 「国附囃子」 (No.785) 歩む学校 指定,環境活動に参加 ・フィールドワー ・ 「お宝発見オリエンテーリン ・春 日居タイム(総合的な学 ク時の保護者引 グ 大 会 」( 地 図 と シ ー ル を 習の時間)で3年「春日居 率 ( 「見守り隊」 ) 使った巡検) 町を調べよう」 (全56時間) , ・地 域探検のマップ作成と発 6年「私たちがつくる未来 表,ポスターセッション の春日居町」. 48.
(8) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 事例4-10 ふれあいと 奈良県山添 ・田植え,稲刈り ・学 校 安 全 モ ニ ・正 月行事「とんど」の組み 2004.9 つながりの 村教育委員 ・平 成15年 度 文 化 庁「 伝 統 文 タ ー,110番 の 立て,書き初め,餅焼き (No.785) 中で~地域 会 化子ども教室」事業指定 家 ・狂言, わらべうた, 御殿万歳, の支援と子 ・郷 土芸能の発表会「伝統文 ・地域全体で見守 和太鼓などの活動 育て運動~ 化子どもフェスティバル」 る「人の垣根」 ・声 か け・ あ い さ つ 運 動, 地 域パトロール 事例4-11 地域に飛び 阿久根市教 ・キ ャッチフレーズ「飛び出 ・西目地区漁協と ・ 「PTA学力向上対策会議」の 2004.9 出し,地域 育委員会 せ学校,迎えよ人材」 尾崎地区ボンタ 設置 (No.785) とともに在 ・地引網漁とボンタン狩り ン生産農家の協 ・三沢棒踊りと山田楽の伝承 る学校 ・伝統芸能の伝承活動 力 ・運動会の中で「華の50歳組」 ・家庭との連携 の催しが風物詩に 事例4-12 「里山再生 岡崎市教育 2004.10 計画」を核 委員会 (No.786) とする特色 ある学校づ くり「創ろ うわたした ちのにこに こ山」. ・市 立秦梨小学校(福祉教育 ・校区内2か所の ・7 月 の 草 刈 り, 山 道 整 備, 推 進 校 ) が 平 成12年 度 か ら 老人介護施設 遊 具 補 修, 裏 山 レ ク( 親 子 学校裏山の再生に取り組む アウトドア大会) ,冬の炭焼 ・里山整備活動 き体験) ・地域お年寄りとの交流 ・里 山レスキュー隊(児童の ・老 人施設との春・秋の会食 下草刈り,間伐・枝打ち) (山菜と学校田のもち米) ・地 域名人の指導による竹ぼ うき作り,シイタケ菌打ち. 事例4-13 ブロック体 八幡浜市教 ・7 中 学 校 区 の 小 中 連 携 ブ ・中 学 校 区 内 の ・小 規模校で地域素材「版画 2004.10 制で生きる 育委員会 ロック別研究を18年継続 小・中連携 カレンダー」,地域住民と窯 (No.786) 力を ・地域活用,同和教育の連携 で焼き物 ・体 験 活 動 重 視( 蛍 の 保 護, ・ 「ふるさと先生」の指導(音 みかん栽培, 美化, 世代交流) 楽,理科,体育など127回) 事例4-14 むしの眼で 群馬県教委 ・平成17年8月開館にむけて, ・学校での理科, ・整 備済のフィールドを一般 2004.11 みるひと・ 員会 昆虫 観察施設「ぐんま昆虫の森」 総合的な学習の 開放 (No.787) も り・ ち の森建設室 を整備 時間 ・解 説ボランティア(110名登 きゅう 録)と養成講座 事例4-15 のびやかに 北海道阿寒 ・平成13年から 「すずらん運動」 ・阿寒湖のマリモ ・タ ンチョウ鶴の給餌と調査 2004.12 大地に心ふ 町教育委員 ・平 成14,15年 度 文 科 省「 児 保護会 活動(本町地区) (No.788) れあう阿寒 会 童生徒の心に響く道徳教育 ・タンチョウ鶴愛 ・マリモの観察活動と清掃(阿 の里 推進事業」指定 護会 寒湖地区) 事例4-16 人づくりの 八街市教育 ・連携教育の三本柱「幼・小・ ・幼・保, 小・中・ ・校 種別「コミュニケーショ 2004.12 まち やち 委員会 中・高継続指導6項目」「学 高 ン能力の育成」目標など (No.788) また 校・保育園改善の視点」「三 ・地域諸団体 位 一 体 の 連 携 」( 学 校・ 地 域・家庭) 事例4-17 地域のよさ 伊万里市教 ・全 小・ 中 学 校 対 象 に, 各 校 ・伝統産業会館, ・大坪小4年生「焼き物学習」 2005.1 にひたって 育委員会 の特色に応じた体験活動支 各窯元 (年間を通した調査,体験) (No.790) 「オンリー 援事業 ・市教委「郷土学習研修会」 ワン」のさ が体験活動 事例4-18 豊かな自然 静岡県/磐 ・幼 稚園での農作物栽培・収 ・地域住民,高齢 ・園 行事に高齢者の招待,公 2005.2 や温かな人 田市教育委 穫と地域交流 者 会堂で「出前劇場」の披露 (No.791) とのふれあ 員会 ・お 茶摘みや茶の葉料理,茶 いの中で育 わん製作 つ子どもた ち 事例4-19 サタデープ 西尾市教育 ・平 成14年 度 か ら 小 中 学 生 む ・文化協会,体育 ・スポーツ分野16講座,文化・ 2005.2 ランではぐ 委員会 け講座開設(自由参加) 協会,社会福祉 芸 能 分 野25講 座, 参 加 総 数 (No.791) くむ生きる ・ 「サタデープラン運営協議会」 協議会等 は小学生13.3%,中学生11.6% 力と地域の が統括(委員20名) (2004年5月) 力 事例4-20 地域の魅力 山形県南陽 平成13年「 完 全 学 校 週 五 日 制 ・各地区公民館, ・ 「きらきらEKUBO・キッズ」 2005.3 を生かし 市教育委員 対応プラン推進協議会」 地域団体,各学 (小学校3〜6年,年8回 (No.792) 地域の魅力 会 校「生涯学習」 体験活動) をつくる 担当者 ・ 「えくぼカレンダー」で市内 行事を網羅,全戸配布. 49.
(9) 山口 好和・中村 吉秀. 事例4-21 子どもたち 岡山市教育 ・新 興住宅地に市立城東台小 ・ 「ひらかれた学 ・ 「ふれあいタイム」 (昼休み 2005.3 が愛されて 委員会 学校が5年前開校 校づくり推進委 の地域参加・ミニ集会) , 「城 (No.792) いると実感 ・平 成14,15年 度 文 科 省「 幼 員会」設置 東台WaWaWaフェスタ」 (学 できる家 小連携にかかる総合的調査 ・平成15年度から 習発表会2部制)の開催 庭・学校・ 研究事業」指定(今幼稚園, 現役大学生が学 ・保 護 者・ 地 域・ 学 校 の 3 者 地域社会の 西小学校) 校単位で加入す 合同実行委員会による自主 実現 ・平 成14年 度 よ り 市 内「 学 校 るボランティア 的「公開研究会」の開催 支援ボランティア制度」 ・幼小での内容重複をもとに, (1631名) 交流活動のカリキュラム作 ・平 成16年 度 か ら 新 し い 学 校 成,「人とかかわる力」系統 運 営 モ デ ル 校「 岡 山『 地 域 表の作成 協働学校』づくり事業」開始. ⑶ 2004(平成16)年の記事内容の特徴. 欄が,2004年4月からは「家庭・地域との連携 . 表2は2004年度の報告である。これらが示す特. 地域からの発信」と改称されている。つまり,単. 徴として,以下の点が指摘できる。. なる生涯学習施設を〈箱もの〉として紹介するの. まず, 生涯学習施設や教育委員会の報告からは,. ではなく,どのような協働性を示しているのかに. 学校(教員)向けのガイダンス情報や研修機会の. 光を当てる誌面づくりの意向が示されている。そ. 提供に注力する様子がうかがえる(事例4-2,事. の他にも,各地の教育事情紹介を通じて,学校と. 例4-3,事例4-17)。. 地域の関係性をより具体的に示す編集意図が見受. また,主に都市部での取り組みとして,ボラン. けられる(9)。. ティア要員や学習支援スタッフの活動を運用する 基盤を準備している。自治体によっては,それを. ⑷ 2005(平成17)年の記事内容の特徴. 例えばNPO法人などの外部(に準じる)団体に. 表3は,2005年度の「地域連携」に関する記事. 委ねて,利便性向上につなげている(事例4-1,. を集約したものである。基本的に,2004年度まで. 事例4-7,事例4-21)。その一方,小規模自治体で. に見られた傾向が,引き続いてうかがえる。. の活動では,学校側が地域リソース(自然環境,. 組織的な「地域人材活用」 「学校支援ボランティ. 伝統行事など)を存分に活用する一方で,住民に. ア」「外国人児童の就学支援員」など人的資源の. とっても必要な活動場面づくり(高齢者対応,里. 整備事例が,複数地域で見られた(事例5-1,事. 山 整 備 な ど ) が な さ れ て い る( 郡 上 市( 事 例. 例5-2,事例5-7)。また,地域の環境保全や自然. 4-4) ,安代町(事例4-6),山添村(事例4-6),阿. 体験を核とした連携事業を推進する事例も数件報. 久根市(事例4-11),岡崎市(事例4-12),加賀市. 告があった(事例5-3,事例5-4,事例5-8)。. (事例4-8) ) 。. さらに,学校区近隣での生活に関わって深い参. また,当該時期で重点的な教育課題として掲げ. 画を促す活動が実施されていた。例えば,トンネ. られている政策(学力向上,総合的な学習の時間,. ルの壁画製作(事例5-6),近隣の資材を活用した. 学校評価など)について,地域リソースをどう活. 屋台作成(事例5-10),児童の町議会への参加・. 用すれば質的な充実が図れるのかを志向している. 質問(事例5-11)などがその代表例である。. (事例4-5,事例4-7,事例4-11,事例4-16)。. 学校種や機関を超えた共同的な活動も増えてい. これらの報告内容とは少し視角を変えて,誌面. る。日立市での大学・小学校間の学習支援提携. 構成にも注目してみよう。2004年度の『初等教育. (事例5-1),米原市での小学校・高校間の運動交. 資料』誌では,連載記事の構成に関して従来の編. 流や校園種を跨ぐ研究(事例5-4),川崎村の全教. 集方針から幾つかの変更が見られた。例えば,. 員による授業研究(事例5-5)などは先駆的な事. 「各地の文化施設めぐり」というシリーズ名で68. 例である。七ヶ浜町では,「開放講座」(30講座). 回にわたって生涯学習施設の紹介がなされてきた. と称して教員の得意分野による生涯学習講座を提. 50.
(10) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 表3 雑誌『初等教育資料』における「地域連携」の紹介事例(2005年度) 発行年月・ 記事の表題 巻号数・頁. 報告母体. 実践の経緯. 連携の対象. 具体的な活動例. 事例5-1 地域の教育 茨城県/日 ・市 内小学校を中心に「学生 ・平成15年度から ・大 み か 小 学 校 に て, 平 成11 2005.5 力を生かし 立市教育委 教育ボランティア支援事業」 茨城キリスト教 年から教育ボランティア受 (No.795) て活力と信 員会 を展開 大学と協定を結 入れ開始 頼を生む ・平 成15,16年 度 文 科 省「 放 ぶ ・学 生35名 が 登 録( 平 成17年 「学生チュー 課後学習チューターに係る 1月) ,放課後学習の指導に 調査研究」指定 あたる ター」の取. 組. 事例5-2 地域との連 熊本市五福 ・平成3年から五福小・地域開 ・婦人会, 老人会, ・敬老の日のお饅頭配り 2005.6 携 地域へ 公民館 発センター・公民館が併設 まちづくりの会 ・公園と周辺道路の清掃 (No.796) の発信 ・平 成11年 に 複 数 団 体 で「 地 ・小 学生と高齢者の定期交流 域人材活用会議」を設置 (ペタンク,かるた会) 事例5-3 学社融合に 雲南市教育 ・平成15年から「地域子育て支 ・ホタルに詳しい ・河 川環境をテーマにふるさ 2005.7 よる「ホタ 委員会吉田 援連絡会議」 (学校, 公民館, 住民 と学習(ホタルの生態調査) (No.797) ルの里づく 教育分室 民生児童委員,教育委員会) ・住 民向け「ホタル観察会」 り」をめっ の開催,啓発パンフレット ざして 事例5-4 地域を活か 米原市教育 ・平成17年2月に3町合併 ・県立養鱒場での 2005.7 し,地域と 委員会 ・平成14,15年度文科省「豊か 「魚教室」 (No.797) 連携した米 な体験活動推進事業」 (旧山 ・幼 保・ 小 学 校 原市の教育 東町大原小,伊吹高校)で 間,小中学校間 小学生と高校生の運動交流 の「入り込み」 「ジョイント」. ・小中合同の地域運動会 ・ホタルの保護を30年余継続 ・ビオトープ活用 ・校園種間の研究交流 ・総 合的な学習の時間での国 際理解(外国人教員). 事例5-5 ジ ョ イ ン 岩手県/川 ・平成15,16年度「川崎村ジョ 小・中学校,保護 ・学習・生活習慣の見直し 2005.8 ト・スクー 崎村教育委 イントスクール推進事業」 者 ・説明的文章の授業づくり (No.798) ルの推進に 員会 ・村内の小中学校教員全員で, ・小・中の指導内容,方法 ついて 4部会に分かれて研究 ・児童生徒の支援の在り方 事例5-6 地域みんな 滋賀県/草 ・平成10年度から「地域共同合 ・子どもの美術教 ・市 立笠縫東小学校で,道路 2005.9 の「チルド 津市教育委 校」事業と推進組織を作る 育をサポートす 下トンネルに壁画作成(図 (No.799) レンミュー 員会 (地域各団体, 学校, 公民館) る会,フレスコ 工,総合的な学習の時間) ジアム」 画専門家 事例5-7 木更津市の 木更津市教 ・平成10年度から全市的に「学 公民館,各中学校 ・中 学校区内の小4〜中1生 2005.10 学校支援ボ 育委員会 校支援ボランティア」推進 区住民会議,ボラ が通学合宿 (No.800) ランティア 事 業( 環 境 整 備 支 援, 教 育 ンティア ・近所での「もらい湯」 活動支援) ,紹介行事の継続 事例5-8 地域に開か 砺波市立出 ・平 成6年「学校夢づくり委 出町地区の各種団 ・用 水利用のビオトープと樹 2005.10 れ,地域と 町小学校 員会」,平成10年「出町小学 体 木 (No.800) 共に子ども 校建設推進委員会」,平成14 を育てる学 年から新校舎で活動 校づくりを ・校 舎建設終了後,推進委員 めざして 会を「ひとづくりまちづく り委員会」として継続 事例5-9 外国人の子 浜松市教育 ・外 国 人 児 童 生 徒40人 以 上 の 国 際 交 流 協 会, ・市民協働の運営 2005.11 ど も 支 援 委員会 学校に就学支援員が常駐 NPO,ボランティ (No.801) ネットワー ・市教委主管 「ことばの教室」 , ア団体 クづくり 国際課「カナリーニョ教室」 事例5-10 地域と連携 日向市市街 ・平 成14年 富 高 小 6 年 向 け の デザイナー,企業 ・杉 山, 木 材 市 場, 製 材 所 見 2005.12 した総合的 地開発課 まちづくり課外授業を再実 からの有志2名 学 か ら 始 ま り,50時 間 か け (No.802) な学習 施 屋台を作成 ・ 「杉でつくる移動式夢空間」 ・作成した屋台を市で再活用 事例5-11 七ヶ浜ジョ 七ヶ浜町教 ・ 「開放講座」開設(30講座) ・町内小・中学校 ・ 「ふるさと子どもゆめ議会」 2006.1 イント5 育委員会 ・得 意分野の講師希望教員83 5校による連携 (実際の町議会で質問) (No.804) 名(全体の58%) ・交流授業,担任 ・町 財源により,非常勤講師 間 の 交 流( リ の全校配置で教師支援 コーダー指導). 51.
(11) 山口 好和・中村 吉秀. 事例5-12 地 域 が 学 徳島県海部 ・町 費負担による「ふるさと 2006.2 校,地域で 町教育委員 教員」制度(構造改革特区 (No.805) 育てる豊か 会 認定) な心. -. ・地 域人材の掘り起こしと, 自 然・ 文 化・ 歴 史 に よ る 体 験学習の充実. 事例5-13 市民総参加 福岡県大野 ・1995年度から「心の教育」 「大野城市道徳推 ・各 学校の創意工夫による体 2006.3 の生き生き 城市教育委 ・ 「ふるさと創生じまん事業」 進協議会」と実働 験活動や地域参加事業 ((No.806) 「心の教育」 員会 ・毎 年11月, 生 涯 学 習 行 事 の 組織の運用 一部として「心の教育フェ スティバル」実施と,全校 での道徳授業の地域公開. 表4 雑誌『初等教育資料』における「地域連携」の紹介事例(2006年度) 発行年月・ 記事の表題 巻号数・頁. 報告母体. 実践の経緯. 連携の対象. 具体的な活動例. 事例6-1 体験し,考 北九州市環 ・小 学校教員を2年間市役所 ・ 「 環 境 学 習 サ ・ミ ュージアムでの特別授業 2006.4 え楽しむ参 境ミュージ に配属 ポ ー タ ー」 (90 (体験学習と入念な打合せ) (No.807) 加型ミュー アム 名,市民ボラン ・ 「出張環境ミュージアム」 ジアム ティア) 事例6-2 地域の自然 広島県北広 ・町 立豊平東小学校での自然 ・自 然 保 護 団 体 ・3・4年生総合的な学習の 2006.5 を媒介とし 島町教育委 観察会,地域調査 「三ちゃんS村」 , 時間「豊平の川や自然を守 (No.808) た家庭・地 員会 安佐動物公園 ろう」で,オオサンショウ 域との連携 ウオなどの生物調査 事例6-3 数学のワン オホーツク ・廃 校 再 利 用 に よ る, 算 数・ ・東海大学,ユネ ・小 学校から高校までに学習 2006.6 ダーランド 数 学 ワ ン 数学に関する文化体験施設 スコの支援 する定理・公式を具現化し (No.809) にようこそ ダーランド た体験型展示 事例6-4 “まちづく 神奈川県厚 ・中 学校PTA「地域ふれあい ・小・ 中 学 校 各 ・宿 泊防災キャンプ,鮎のつ 2006.7 り”は“地 木市森の里 事業」を契機に, 「パートナー PTA,地域自治 かみどり, 夏祭り, 教科学習, (No.810) 域の子ども パートナー 隊」が行事コーディネート 会間の相互交流 「フレンドリーデー」(特別 づくり” 隊 クラブ) , 「ふれあい喫茶」 等の相互参加 事例6-5 市民参加で 岡山市デジ ・住 民参加型の展示内容(「岡 ・公民館を拠点と ・学芸員に教員経験者を配置 2006.8 次世代を育 タルミュー 山情報宝庫」と移動式情報 した活動,市民 ・小 学校出前授業と,総合的 (No.811) てるデジタ ジアム 端末) 団体との連携, な学習の時間(班学習)で ルミュージ 市民学芸員制度 の市内ガイドブック製作, アム の導入 常設展示への反映 事例6-6 ミュージア 金沢市教育 ・美 術館活用を教育課程に組 ・金沢21世紀美術 ・ 「美術館・小中学校連携活動 2006.8 ム・クルー 委員会 み込む 館, 金 沢 市 立 研究会」での連携事業試行 (No.811) ズ・ プ ロ ・学 芸員による出前授業,学 小・中学校,金 ・ 「まるびいとの遭遇」 (子ど ジェクト 校教員との交流 沢美術工芸大 も用ガイドマップ)の作成 ・平 成16年 度 文 化 庁「 芸 術 拠 学,金沢市立工 と指導資料の配布 点形成事業」 業高校 事例6-7 学校間連携 山口県周南 ・ 「須々万地区総合的な学習の ・周南市立須々万 ・福祉領域での取り組み(小: 2006.9 ではぐくむ 市立沼城小 時間内容系列表」の作成 中学校,山口県 6年生の特別養護老人ホー (No.812) 子どもの姿 学校 ・平 成17年 度 文 科 省「 総 合 的 立徳山北高校 ム 訪 問, 中: 1 年 生 の ボ ラ な学習の時間モデル事業」 ンティア (乳幼児・高齢者), 高:縦割りコース別学習(シ ニ ア 体 験, 福 祉 施 設・ 幼 稚 園訪問) ) 事例6-8 地域と学校 新潟県/よ ・柏 崎市比角地区での河川環 ・地 域 コ ミ ュ ニ ・総 合 的 な 学 習 の 時 間 で の 2006.9 連携による しやぶ川夢 境 改 善 活 動,98年 か ら「 ふ ティセンター, テーマ調査 (No.812) 「よしやぶ プラン推進 れあいウォーキング」 ,2000 比角小学校,第 ・水 質浄化の水草定植・木炭 川」浄化活 委員会 年から小学生「よしやぶ川 二中学校,柏崎 埋没,川底清掃 動 再生プロジェクト」 市 ・行政による河岸整備 事例6-9 まちを遊び N P O 法 人 ・平 成12年 6 月 設 立, 商 店 街 ・商店,商工会議 ・ 「まちかど探検隊」 (小学生 2006.10 場に まち みやざき子 空き店舗に事務所 所,会社員,行 が撮影した写真を展示) (No.813) を学校に ども文化セ ・平 成13年 か ら「 ま ち ん な か 政 職 員,NPO ・ 「キッズカフェ」 (接客体験) ンター プレイパーク事業」 職員. 52.
(12) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 事例6-10 外ヶ浜の地 外ヶ浜町教 ・学校田を利用した学習 ・ボランティアグ ・小 学生の川柳作品を表彰, 2006.10 域に根ざし 育委員会 ・旧 街道での仮装行列と伝統 ループ 広報誌への掲載 (No.813) た教育 芸能演示 ・校内恒例の版画制作活動 ・地 域行事で児童が「よさこ ・読 み聞かせボランティアの いソーラン」を上演 協力 事例6-11 地域が育て 佐賀市教育 ・嘉 瀬校区「佐賀インターナ ・ 「KSVN(嘉瀬小 2006.11 る心豊かな 委員会 ショナルバルーンフェスタ」 学校ボランティ (No.814) 子どもたち ・生 活科,総合的な学習の時 アネットワーク) 」 間での地域連携. ・老人会との遊び,野菜づくり ・福祉グループとの体験 ・きゅうり農家と栽培・販売 ・職業体験. 事例6-12 算盤を生か 奥出雲町教 ・平 成14年 度 算 盤 学 習 の 地 域 ・算 盤 生 産 者 組 ・珠算塾講師と算数科でT.T 2006.12 した学習の 育委員会 指定,町内5小学校が連携 合,算盤塾経営 ・雲 州算盤工場,伝統産業会 (No.815) 展開 者,伝統工芸士 館 を 訪 問, 製 作( 社 会 科, 道徳,総合的な学習の時間) 事例6-13 小・中及び 熊本県嘉島 ・町 内3校による合同研修組 ・嘉島東小,嘉島 ・小学校6年国語「ガイドブッ 2006.12 地域の効果 町立嘉島西 織,授業研究会を含む協議 西小,嘉島中 クを作ろう」と,中学校3 (No.815) 的な連携に 小学校 会(月1,2回) ・幼稚園,老人養 年社会科「国の政治の仕組 よる活力あ ・小・中の国語教科書分析か 護施設 み」こつを身に付けること る学校教育 ら「身に付けさせようとす ができるように学習の流れ の創造 る力」と下位目標を設定 を立てた ・道徳教育での共通指導 ・道徳教育,幼稚園との交流, 老人養護施設でのワーク キャンプ,花植えボランティ ア活動 事例6-14 こころ豊か 茨城県鉾田 ・平 成16年 度 文 科 省「 子 ど も ・研究指定校と近 ・各家庭での生活実態調査(1 2006.12 な学校づく 市教育委員 の体力向上事業」と学校間 隣学校の連携 か月)による生活習慣の見 (No.815) りとまちづ 会 交流 ・ 「豊かな心育成 直し くり ・総 合運動部活動,学校林を 推進協議会」と ・養 護教諭,栄養職員による 活用したアスレチック等 関連団体 講演会 ・小中連携による食育推進 ・農 業 体 験, 読 書 推 進, 道 徳 教育と「マナーアップ推進」 事例6-15 広がる読み 兵庫県立養 ・平 成14年 度 か ら「 童 話 の ま ・幼児センター, ・ 「10か月育児相談」での読み 2007.1 聞かせの輪 父市公民館 ちづくり事業」 小中学校,校区 聞かせボランティア (No.817) 公民館 ・小学校でのおはなし会 ・公民館での三世代交流 事例6-16 阿蘇にこだ 産山村社会 ・従 来の地域見守り事業を拡 ・社 会 福 祉 協 議 ・高 齢者宅への訪問と生活支 2007.2 まする子ど 福祉協議会 張 し て 小・ 中 学 生 を ヘ ル 会,村内の小中 援, 集 会 場・ 公 民 館 で の サ (No.818) もヘルパー パーに任命 (2000年9月から) 学校 ロン活動など 活動 事例6-17 学校と一緒 青森県立美 ・ 「スクールプログラム」 (学 ・教育委員会,学 ・ 「教師のための利用ガイド 2007.3 に考える美 術館 校団体鑑賞ツアー,出前授 校,教科研究団 ブック」作成と配布 (No.819) 術館づくり 業など) 体で「学校連携 ・夏・ 冬 の 教 員 向 け 研 修 会, ・ 「こどもプログラム」 (週末, プログラム推進 県教育センター・教科研究 長期休暇時のワークショップ) 委員会」を構成 団体との連携講座. 表5 雑誌『初等教育資料』における「地域連携」の紹介事例(2007年度) 発行年月・ 記事の表題 巻号数・頁. 報告母体. 実践の経緯. 事例7-1 水族館にお アクアマリ ・食物連鎖を示す水槽 2007.4 ける環境教 ンふくしま ・ビオトープと干潟 (No.820) 育 ・ハンズオン型展示. 連携の対象. 具体的な活動例. ・小名浜漁協女性 ・味覚体験イベント 部による食堂営 ・職員交代で「ビオトーク」 (得 業 意分野の講義)を実施. 53.
(13) 山口 好和・中村 吉秀. 事例7-2 地域連携で 岩手県滝沢 ・平 成17,18年 度 文 科 省 か ら ・家庭,地域住民 ・コア学力を国,数,英で示す 2007.5 国語力を高 村立滝沢東 国語力向上モデル事業指定 ・ペアトークやペアリーディン (No.821) める教育課 小学校 ・村 全体で「滝沢村国語教育 グ,読書活動の推進を「共通 程の開発 推進協議会」を設置 実践項目」に据える(小学校) ・ 「滝沢村学校教育グランドデ ・家庭・地域と連携8項目(読 ザイン」「コア学力アクショ 書 実 態 調 査, 家 族 読 書, 全 ンプラン」を策定,「読解力 校 ブ ッ ク ウ ォ ー ク, 選 書, 向上プログラム」により読 読書ボランティア,公立図 書活動を教育課程に位置づ 書館との交流,学校図書館 ける 活用,司書教諭活用) 事例7-3 ホタルの光 横浜市教育 ・平 成6年設置の「三ツ沢ほ ・三ツ沢せせらぎ ・ホタルの「愛育集会」 2007.5 を三ツ沢の 委員会 たるの里」改良作業 緑道のほたるを ・ 「ほたるの里」への放流,夜 間の観察会 (No.821) せせらぎに 育てる会 ・花咲かせ隊 ・公園の草取り,苗植え 事例7-4 家庭・地域 福岡県芦屋 ・平成16年度県委嘱により「規 ・町内の知的障害 ・ 「よさカード」の収集掲示 2007.6 と学校の連 町教育委員 範意識の形成と指導の在り 者授産施設 ・小中学校で「月の目標」設定 (No.822) 携でさわや 会 方」を連携して実践 ・伝統舞踊の保存 ・福祉施設との交流活動 かな心の子 ・平 成18年 度 文 科 省 指 定「 豊 会 ・芦 屋町伝統芸能「はねそ」 どもを育て かな心を育てる地域連携推 ・教育委員会内で の学習(小4総合) る 進事業」の委嘱 学校教育課,社 ・10月 中 旬 か ら12月 ま で 教 育 ・4視点「子どもを見つめる」 会教育課の連携 関連の行事を集中開催(合 「めあてをもたせる」 「ネッ 同 音 楽 祭, フ ォ ー ラ ム, 講 トワークを広げる」 「子育て 演 会, 企 画 展, 各 学 校 オ ー を考える」 プンスクール等) 事例7-5 農業体験で 長野県須坂 ・平 成17年 4 月「 信 州 す ざ か 2007.6 育 つ 精 神 市教育委員 農業小学校豊丘校」 (週5日 (No.822) 力,創造力 会 制対応事業). -. ・年間18回の農作業体験 ・遠足, おやき作り, そば打ち, 御 射 山 祭, 焼 き 芋・ 餅 つ き 等. 事例7-6 心身ともに 草加市教育 ・昭 和55年 か ら 若 手 力 士 に よ ・草加市青少年相 2007.8 健やかな児 委員会 る相撲教室で青少年育成 撲振興会(昭和 (No.824) 童生徒の育 ・文 科省「小学校における武 58年設立,市内 成 道指導実践事業」委嘱(谷 学校に土俵を寄 塚小学校) 贈) ・青年会議所. ・5月相撲教室 ・6月草加市青少年相撲大会 ・8月夏休みちびっ子相撲大会 ・12月草加市学校対抗相撲大会. 事例7-7 郷土の文化 金沢市立味 ・平 成18年 度「 我 が 国 の 伝 統 ・名古屋・荒子小 2007.9 と豊かにふ 噌蔵町小学 文化を尊重する教育に関す 学校と20年以上 (No.825) れあう教育 校 る実践モデル校」指定 交流 課程 ・地域教材による生活科・総合 ・地域人材発掘 的な学習の時間の単元開発 ・学 年ごとに「伝統と文化」 の視点で教育内容一覧表を 作成. ・2年生生活科で名人調べ ・3年生総合で茶道,和菓子, 金箔皿を体験 ・4年生総合で加賀友禅染体験 ・5年生総合で加賀宝生,謡 ・6年生総合で「まいどさん」 (観光ガイド)体験. 事例7-8 ふるさと竹 鳥取県三朝 ・平 成18年 度「 我 が 国 の 伝 統 ・県指定無形文化 ・3, 4 年 生 複 式 学 級 で, 総 2007.9 田に誇りを 町立南小学 文化を尊重する教育に関す 財・ 民 俗 芸 能 合的な学習の時間「たかま (No.825) もつ子ども 校 る実践モデル校」指定 「さいとりさし る学習」 の育成 ・約10年前から「地域の先輩の 踊り」伝承 ・単 元「木地師のひみつ」 (仕 話を聞く会」を,主に総合的 事, 作 品, 歴 史 に 分 か れ て な学習の時間で開催 調査) ・単元「大谷かばん」づくり ・地 区文化祭で「オリジナル 博物館」として成果披露 事例7-9 美術館と学 北九州市教 ・ 「学習プログラム作成委員会」 ・市 内 の 担 当 教 ・対 話的な鑑賞活動(ギャラ 2007.9 校の連携か 育委員会, による教師向けガイドブッ 員, 教育委員会, リートークの導入)の手引き (No.825) ら芸術文化 北九州市立 クの作成と配布 センター研修員 ・鑑 賞から表現活動を導くガ 豊かな地域 美術館 イド情報 をつくる 事例7-10 我が国の伝 堺市教育委 ・平 成18,19年 度「 我 が 国 の ・百舌鳥八幡宮, ・生 活科「ふとん太鼓」 ,3, 2007.9 統文化を尊 員会,堺市 伝統文化を尊重する教育」 連合町会長,老 4年生総合的な学習の時間 (No.825) 重する教育 立百舌鳥小 モデル事業指定(百舌鳥小) 人会等 「八幡宮月見祭」 をめざして 学校 ・市立小中学校で「茶の湯」 ・大手新聞社の地 ・5 年生「茶の湯体験」「祭り ・ 「堺の地域リソース活用カリ 域事務所 紹介の新聞製作」 , 6年生「陶 キュラム開発推進事業」 芸体験」. 54.
(14) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 事例7-11 サイエンス 国立科学博 ・平成18年度から「国立科学博 ・大学・大学院 2007.10 コ ミ ュ ニ 物館 物館大学パートナーシップ」 (No.826) ケータがつ 事業 なぐ子ども と科学 事例7-12 篠 山 チ ル 2007.11 ドレンズ (No.827) ミュージア ム~子ども たちの夢の とりで. ・理系大学院生を対象にした, サイエンスコミュニケータ 養成実践講座の実施. 篠 山 チ ル ・平成11年に多紀郡4町合併 ・子ども会,幼稚 ・ハ ン ズ オ ン 展 示, ワ ー ク ド レ ン ズ ・隣 接校と統合の旧多紀中学 園保育所,学校 ショップ体験 ミュージア 校 を 再 利 用, 平 成13年 7 月 が来館 ・サ イエンスアート,季節に ム 開館(合併特例債で建設) 応じた体験プログラムなど ・平 成15年 度 文 科 省「 廃 校 リ ニューアル50選」選定. 事例7-13 地域に信頼 掛川市教育 ・総 合的な学習の時間を「個 ・森林組合 2007.11 される学校 委員会,掛 人別課題」 「集団による課題 ・校 区 内 の 幼 稚 (No.827) をめざして 川市立日坂 追究」の2期間に分ける 園,小・中学校 小学校 ・中 学校区内の4校園が平成 18年 度 か ら 県 指 定「 小 中 連 携研究実践校」. ・5 年 生 で 森 林 探 検, 間 伐・ 下草刈りの実体験,劇発表 ・お 茶, 福 祉, 地 域 在 住 外 国 人などをテーマに調査体験 ・ 「読解力育成」合同研修会 ・ 「ギャップ」を意識して授業 研究3グループを編成. 事例7-14 虫と友達に N P O 法 人 ・平 成11年 改 名・ 再 結 成, 平 ・行政当局 2007.12 なろう 新里昆虫研 成15年からNPO法人格,400 (No.828) 究会 数十名で活動. ・子ども自然体験教室(夏季) ・オオムラサキ越冬幼虫調査 ・ホタル生息地調査,保護 ・新 里昆虫フェスタ・アート 展. 事例7-15 福井県立音 財団法人福 ・平成9年開館 2008.1 楽堂「ハー 井県文化振 ・ (財)福井県文化振興事業団 (No.830) モニーふく 興事業団 による自主事業,教育普及 いの音楽 事業 ワ ー ク ショップ. ・ 「ふれあい教室」開催 ・ハ ー プ, マ リ ン バ, バ イ オ リン,チェロを配備 ・ 「ちびっ子コンサート」 ・専門家養成プログラム. 事例7-16 南島原市の 南島原市教 ・平成18年3月8町で合併 2008.1 教育につい 育委員会 ・教 員向け研修「あこうプラ (No.830) て ン」(年間34講座). -. -. ・市立幼稚園「論語に親しむ」 (週2時間) ・ 「元気フェスタ」 (幼児~小 学 生, 保 護 者 む け ) , 「放課 後子ども教室」 (文化, スポー ツ 交 流,341人 で58講 座 開 設,1283名の児童が参加). 事例7-17 社会に前向 仙台市立郡 ・平 成19年 全 国 小 学 校 社 会 科 ・ねぎ農家,近所 ・3年生 「郡山の曲がりねぎ」, 2008.2 きにかかわ 山小学校 研究協議会会場校 の店舗,疎開経 4年生「小倉三五郎と郡山 (No.831) る子どもを ・ 「確かな学力」にむけて各指 験者,祖父母 堀」 , 6年生 「秋保の学童疎開」 育てる社会 導案に「教材構造図」掲載 ・ス ーパー店舗にねぎの紹介 科学習 文掲示,疎開経験者への書 簡 事例7-18 子どもの生 飯塚市立庄 ・昭 和63年「 通 学 合 宿 」 拠 点 2008.2 活を育てる 内生活体験 として設置,1週間の自活 (No.831) 庄内生活体 学校 体験(通学合宿)を行う 験学校. -. ・小 学校2年生から6年生ま でが異年齢で合宿 ・食事, 風呂焚き, 動物の世話, 農作業,ものづくり体験等. 事例7-19 小さな町の 徳島県/上 ・上 勝 小: 第54回 全 国 へ き 地 ・菌床椎茸,香酸 ・森 林保護団体,県農林事務 2008.2 小学校から 勝町教育委 教育研究大会徳島大会分科 柑橘の栽培農家 所と連携して 「ふるさと教育」 (No.831) の情報発信 員会 会会場校 ・農林業の第3セ ・1, 2 年 生 森 林 ふ れ あ い, クター 3年生町のよさ,4年生野 菜 作 り, 5 年 生 ご み 分 別, 6年生環境. 供している(事例5-11)。. さと教員制度」とは,2003年当時特区認定を受け. また地域との緊密な関係が,従来からの特別活. た「市町村費負担」による独自の教員配置のこと. 動や総合的な学習の時間などにとどまらず,道徳. である。藤森(2010)が,全国的な制度導入後の. や幅広い地域行事へと拡大している(事例5-13)。. 継続課題について詳細な事例検討を行っている(10)。. ところで,徳島県海部町の報告にあった「ふる. 55.
(15) 山口 好和・中村 吉秀. ⑸ 2006(平成18)年の記事内容の特徴. 7-19)。「総合的な学習の時間」の活動モデルがよ. 表4は,2006年の「地域連携」に関する事例を. り充実・浸透してきたとも言えるだろう。. 集約したものである。. そして,近隣の伝統的な産業や文化の継承活動. まずボランティアなどの組織によって,人材資. が意図的・体系的に実施されている様子も,各地. 源を有効に利用する事例が,それまでよりも拡大. での報告からうかがえる(事例7-5,事例7-7,事. している(事例6-1,事例6-7,事例6-10,事例. 例7-8, 事 例7-10, 事 例7-14, 事 例7-17, 事 例. 6-11,事例6-13,事例6-15)。. 7-19)。. また,地域での活動団体どうしのつながりが契 機となって学校との関係性を作るという事例も見 受けられる。 例えば北広島町での自然保護団体(事. 4.本作業のまとめと補論. 例6-2) ,厚木市での自治会間交流(事例6-4),柏. 2000年代初頭から中盤にかけての報告から,学. 崎市の河川改善(事例6-8),宮崎市の商店街活用. 校と地域の「連携」の姿として,学校教育の取り. (事例6-9)がそれにあたる。. 組みが地域課題の実態に反映されるような方策. 一方,生涯学習機関での取り組みに,人材の相. や,外部団体の構成・活用,校種間の共通目標設. 互配置(事例6-1,事例6-5)や施設の新規開設に. 定などの特徴がうかがえた。更に当時の事例が,. 伴う重点施策の立案・実行(事例6-5,事例6-6,. 現在謳われている「社会に開かれた教育課程」の. 事例6-17)といった様子が見られる。これらはい. 原型を作っていたことも併せて確認できた。. ずれもが,北九州市,岡山市,金沢市,青森県な. 最後に,今後強い緊密性が求められる「地域連. ど当該地域における大規模自治体での事例である。. 携」問題について,重要論点を3点書き留めてお. 「連携・協働」の在り方については,従来の. こう。. 「参加・交流」よりも,さらに関係性を深めた実. まず,学校の内側に立って見た時,その営みを. 践がなされている。周南市や産山村では,それぞ. 「外」へと広げるイニシアチブは,どこがどのよ. れ 校 種 を こ え た 福 祉 領 域 で の 取 り 組 み( 事 例. うに担うのかである。藤川(2005)は,今回題材. 6-7,事例6-16),鉾田市では家庭での生活習慣改. とした『初等教育資料』誌の中で,自らが携わる. 善(事例6-14)が報告されており,子どもから高. NPO法人の取り組みを例に,学校での学びと実. 齢者まで一体となって暮らしを守る取り組みと. 社会との接続を強調している。同報告では,6年. なっている。. 生算数で展開図・見取り図の学習にデザイナーが 協力する授業や,5年生環境学習で自動車会社の. ⑹ 2007(平成19)年の記事内容の特徴. 開発担当者と交流・助言を得る取り組みなど,十. 表5には,2007年度の「地域連携」に関する記. 数件の教材例紹介とともに,子どもたちの知的好. 事をまとめた。報告が示す特徴として,次の3点. 奇心と承認欲求を満たす必要が説かれている(11)。. が指摘できる。. 2017年から改訂が進む学習指導要領とそれを裏. まず,学校間・校種間連携による指導方法の研. 支えする法制度改正では,主に「学校運営地域本. 究が,非常に具体度を増していることである(事. 部」が学校と地域社会とを結ぶ窓口役を担うこと. 例7-2,事例7-4,事例7-13)。目指す「学力」像. になっている。しかし,「地域本部」の設置が制. の具体化, 指導方法の共有などに進展が見られる。. 度上可能であることと,各学校でそもそも対応が. また,地域団体や各種機関との協力によって,. 可能なのか,また設置後どう運用するのかという. 学習活動やその材料・環境を作る取り組みが並ん. ことは別次元の問題であり,現状では実務レベル. でいる(事例7-4,事例7-5,事例7-7,事例7-8,. の問題が全て各現場に委ねられている点に困難が. 事例7-9,事例7-10,事例7-12,事例7-17,事例. (12) 。藤川らの取り組みが,教 ある(小針 2018). 56.
(16) 「社会に開かれた教育課程」の系譜 ⑵. 育のレリバンス獲得や学習意欲の向上に資するこ とは論を待たないが,恒常的に運営できる環境構 築には多くの検討が必要だろう(13)。 次の問題は,学校自身が「現在実施している地 域連携・協働」をどうとらえるのかの理解枠組み である。組織レベルの「メタ認知」と言ってもよ い。 自校の取り組みの位置を確認する手段として, 中塚・小田切(2016)による提案を参考にしたい。 学校種がかなり異なるが,大学の地域連携活動の 類型化からヒントを探ってみよう(14)。 中塚らは, 「主体の専門性」 「地域の当事者意識」 の2軸で4象限を作り,これらいずれもが低い. 図2 学校が「地域連携・協働」を理解するための 枠組み試案. 「交流型」から中程度の「価値発見型」 「課題解. 境が都市部か山間沿岸部なのか,児童生徒数が多. 決実践型」 ,そして2軸ともに高い「知識共有型. いか少ないか,推進母体が学校内外のどちらにあ. (協働型) 」へと進む4類型を示している(図1)。. るかなどは,あくまでも「体力」の一要素でしか. この提案を手掛かりにしつつ,上で拾った各学校. なく,それらのより好ましい組み合わせ,いわゆ. や生涯学習施設での「地域連携」事例を参照して. る「全体最適」が求められよう。後者は主に学校. 描いた類型が図2である(事例がもつ価値の高低. 内部の課題になるが,教科や領域を問わずカリ. を示すものではない)。. キュラムの編成を,初めからかっちりと作り込む 場合と,ある程度の柔軟な活動を志向する場合と では,「連携」「協働」の姿もおのずと異なってく るのではないだろうか。 校外から教育活動に参画できるリソースが少な い場合や,校内でその活用方途について議論する 余裕が乏しい場合には,交流機会を増やすことで 連携の実績を重ねられるだろう。これらの2軸が いずれも低い場合,それを支える仕組みがおそら くは校区をまたぐ形で必要になってくるだろう。 本稿の冒頭で引いた足立区や横浜市の取り組み は,教職員個人や単独の学校に「創意工夫」を押 し付けない「面」の取り組みとして, 注目に値する。. 図1. 「⼤学・地域連携の諸類型」(中塚・⼩⽥切 2016). 図1 「大学・地域連携の諸類型」 (中塚・小田切 2016). 3つめの問題として,学校と地域との緊密な協 働性が取れたとして,どんな情報でその「成果」 を確認すればいいのだろうか。前述の猿田(2017). まず縦横2軸を,それぞれ「地域が学校課題に. は,旧来の「学校教育>社会教育」の構図に戻さ. 参画できる『体力』」と「カリキュラム編成の自. ないための手立てや,コミュニティとアソシエー. 由度」としてみた。前者は,学校を取り巻く人. ションの異なる原理を同時に実現するための方策. 的・物的リソースの多寡やそれらを活用・運用す. について,議論が必要だと指摘している(15)。. る組織・予算,新しい着想を出せる人員や時間の. 一つのヒントとして考えられるのが,この数年. 余地などを含めて「体力」と呼んでいる。学校環. 間の「地方創生」政策で自治体に求められている. 57.
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