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Negative regulation of The LKB1(Liver kinase B1)/AMPK (AMP-activated protein kinase)pathway by ERK(Extracellular Signal-regulated Kinase) in human acute myeloid leukemia cells 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 川島 一郎 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博4甲 第155号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年3月18日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 Negative regulation of the LKB1(Liver kinase B1)/AMPK (AMP-activated protein kinase)pathway by ERK(Extracellular Signal-regulated Kinase) in human acute myeloid leukemia cells

( ヒ ト 急 性 骨 髄 性 白 血 病 細 胞 に お け る ERK(Extracellular Signal-regulated Kinase) に よ る LKB1(Liver kinase B1)/AMPK(AMP-activated protein kinase)経路の抑制)

論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 中尾 篤人 委 員 教 授 久保田 健夫 委 員 講 師 尾畑 純栄

学位論文内容の要旨

(研究の目的)

AMPK(AMP-activated protein kinase)は細胞のエネルギーセンサーであり、低糖環境などで活性化 され、蛋白合成や脂質合成を抑制する役割を果たす。近年、薬剤を用いAMPKを活性化させることによ り、様々な血液腫瘍細胞において、アポトーシスが誘導されるとの報告が散見されている。また、血 液腫瘍細胞では、AMPKの機能が抑制されているとの報告もある。これより、血液腫瘍細胞ではAMPK が抑制されていることが推察されるが、その機序は明らかにはなっていない。今回、我々は急性骨髄 性白血病(AML;acute myeloid leukemia)の細胞株において、ERK(Extracellular Signal-regulated Kinase)の異常活性化がAMPKを抑制していることを見出し、ERK経路の阻害剤であるU0126との併用に より、AMPK活性化剤Metforminの抗腫瘍効果が相乗的に増強されることを確認した。

(方法)

細胞培養:AML細胞株であるMV4-11、MOLM-13、PL-21、KU812、SET-2に加えて、臨床検体6検体を用 いた。細胞培養は37℃、5%CO2で行い、MEDIUMはRPMI-1640を用いた。AMPK刺激薬としてMetformin を、MEK阻害剤としてU0126を、AMPK阻害剤としてCompound Cを使用した。蛋白回収はWhole cell lysates、核と細胞質の蛋白を分離して行った。蛋白質の解析は主にウエスタンブロット法で行った。 AMPKのノックダウンは、AMPKα1/2に対するsiRNAを用いて行った。また、アポトーシスについては、 Annexin V(Azami-Green)を用いたキットで、フローサイトメトリーで解析した。

(2)

(結果)

① FLT3-ITD(FMS-like tyrosine kinase 3-Internal Tandem Duplication)変異を持つ細胞株 であるMV4-11、PL21、MOLM-13は、それらを持たない細胞株であるKU812、SET-2と比較して、低 糖環境でのAMPKの活性化は軽度に留まり、AMPK活性が抑制されていることが示唆された。一方、 これらの細胞株ではERKが強く活性化されていた。 ② AMPKの抑制にERKが関与するかについて、ERK経路の阻害剤であるU0126を用いて検討した。その 結果、U0126により低糖環境でのAMPKの活性化が回復した。MV4-11、PL21、MOLM-13では、Metformin の投与後の、AMPKの活性化とその下流であるp70S6K(p70 S6 kinase)の抑制は軽度に留まった。 ③ AMLの臨床検体でも同様の検証を行ったが、ERK活性が強い細胞ではMetformin投与でもAMPKの活 性は低下していた。 ④ U0126とMetforminを同時に投与したところ、ERKによるAMPKの抑制は解除され、相乗的なAMPKの 活性化が認められた。また、アポトーシスにも相乗効果が認められた。 ⑤ MetforminやAICARは、AMPKを介して、ERKの活性化を誘導するとの報告があることから、 そ れ ら につ い ても 検 証し た 。低 糖 環境 で の培養 、Metformin投 与 後 のい ず れ の状 態 でも 、 AMPKの 活 性 化 と共 に ERKの 活 性 化が 認 めら れ た。さ らに 、siRNAを 用 いて AMPKを ノ ッ クダ ウ ン す る と 、 ERK活 性 の 低 下 も 認 め ら れ 、 AMPK阻 害 剤 で あ る Compound Cで も 同 様 の 結 果 が 得 ら れた 。こ の ことか ら 、AMPKが ERKを 活 性化 し て おり 、AMPKと ERKの 間 に はク ロ スト ー ク が 存在 す るこ と が示 唆 さ れた 。

⑥ Metforminが ERK活 性 を誘 導 する 分子 につ いての 検 討も 行っ た。 Metformin投 与 によ り 、 ERK の 上 流 分 子 で あ る Raf(mitogen-activated protein kinase kinase kinase) 、 MEK(mitogen-activated protein kinase kinase)、 Rheb(Ras homolog enriched in brain) な ど に 動 き は 認 め ら れ な か っ た が 、 ERKを 抑 制 的 に 調 節 す る DUSP-6(Dual Specificity Phosphatase-6)の 発 現低 下 が 認め ら れた 。 (考察) AMPKとその上流の調節分子であるLKB1(Liver kinase B1)経路は細胞の恒常性を維持するためのエ ネルギーセンサーとして広く知られている。AMPKは蛋白合成、脂質代謝、細胞増殖、オートファジー などに関与しており、腫瘍細胞の増殖や生存に対して抑制的に働くことが知られている。また、肺癌、 乳癌、悪性リンパ腫の細胞などでは、LKB1/AMPK経路は抑制されているとの報告もある。しかしなが ら、血液腫瘍について、この経路が抑制されている機序については、明らかにされていなかった。今 回の我々の研究では、恒常的なERK活性がAMPKの機能を抑制していることを明らかにし得た。さらに、 ERK経路の阻害剤であるU0126と併用することによりAMPK活性化剤であるMetforminの抗白血病効果が 増強することを見出した。一方、Metforminにより活性化されたAMPKはERKを負に調節する分子である DUSP-6の発現を抑制することにより、ERKを活性化することがわかった。すなわち、Metforminによる AMPK活性化には自己抑制的なフィードバックが存在することが推察された。ERK阻害剤U0126との併用 は、この自己抑制的なフィードバックの解除という観点からも有用な戦略であると想定された。 (結論) AMLの細胞株においてもERKの異常活性化によるLKB1/AMPK経路の抑制が認められた。また、AMPKは DUSP-6を介して、ERKを活性化するというクロストークも存在する。MetforminなどのAMPK刺激薬に U0126などのERK経路の抑制剤を併用することで、抗腫瘍効果を高めることができる。

(3)

論文審査結果の要旨

本申請者は、急性骨髄性白血病細胞株、とくにFLT3-ITD 変異を持つ細胞株において

ERK 経路の活性化がみられ同時に AMPK 経路の活性化が抑制されていることを低グルコース環境 の実験条件下で見出した。さらにERK 経路の活性化を抑制すると AMPK 経路の抑制が

解除されること、また逆にAMPK 経路を活性化させると ERK 経路の活性化が起ることも

見出した。以上のことからFLT3-ITD 変異を持つ急性白血病細胞株では ERK 経路と AMPK 経路と の間には拮抗的なクロストーク機構が存在することを提唱した。 さらに本申請者は、実際の急性骨髄性白血病患者由来の白血病細胞でも同様のERK/AMPK 経路 間の拮抗的なクロストーク機構が存在すること、両経路を同時に阻害するとそれぞれの 経路を単独で阻害したときに比べてFLT3-ITD 変異を持つ急性白血病細胞株のアポトーシスの割合 が亢進することを見出した。 以上の結果は急性骨髄性白血病細胞の生存に関与する細胞内シグナル伝達経路の新しいクロスト ーク機構の発見として高く評価できる。 今後、本論文の知見が、臨床に実際に応用可能かどうかを検証することが大事な課題の1つである。 以上のことから本論文は医学博士の学位に値するものであると審査委員一致で同意した。

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