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山梨大学医学会創立 30 周年,並びに山梨医 科学雑誌刊行 30 周年をお祝いし,一言挨拶申 し上げます。
山梨医科学雑誌(Yamanashi Medical Journal, YMJ)は,山梨大学医学会を発行母体として, 山梨医科大学(現,山梨大学医学部)創設期 の 1986 年に,山梨大学医師会のご協力,並び に賛助会員のご支援を戴いて刊行されたという 来歴をもちます。この年は,山梨医科大学に大 学院医学研究科博士課程が設置された年でもあ り,新設医科大学の創設期に,より良い教育・ 研究・診療環境の整備に尽力された教職員の皆 さまのご労苦が偲ばれます。 山梨県唯一の国立大学である本学の重要な使 命の一つは,地域と連携し,地域の抱える課題 を国際的に高いレベルで探究し,地域のみなら ず,全国,ひいては世界の課題解決にも応用で きる優れた研究成果を挙げることによって,社 会の持続的な繁栄に寄与することと思います。 今から 30 年前の山梨医科大学の創設期におい て,この使命を果たそうという皆さまの強い御 意志が,山梨大学医学会の創設,並びに YMJ の刊行に結晶したものと拝察します。 学校教育法の第八十三条に,「大学は,その 目的を実現するための教育研究を行い,その成 果を広く社会に提供することにより,社会の発 展に寄与するものとする」と記載されているこ とからも,教育,研究,社会貢献は,全ての大 学が果たさなければならない使命と認識され ます。ところで「地域を活性化する」ことと 「特定の分野で世界ないし全国的な教育研究を 推進する」ことは,決して二者択一できること ではなく,本学が地域社会の繁栄に寄与する大 学であるためには,先ず世界最高水準の研究成 果を生み出し,その成果を地域貢献に活用しな ければなりません。このため医学部においては, 若い優秀な医学・看護学研究者の養成に努める 必要があります。幸い,本学には,世界の医学 研究を牽引する優れた研究力をもつ多数の教員 方が在職しておられ,若い優秀な研究者を養成 する環境は整っています。これら教員方や学 部・大学院学生諸君の教育・研究情報交換の場 として,YMJ の存在意義は今後益々高まるこ とと推察します。このような観点からも,多年 YMJ 論文の質の向上に尽力され,2014 年には YMJ 電子版ホームページを開設されて,学外 への情報発信にも努めてこられた,歴代の編集 担当の先生方をはじめ関係各位に心から敬意を 表します。さらに,山梨大学医学会は,YMJ の発行の他にも本学の若手研究者の表彰,山梨 県医師会との協働による山梨県医師会優秀賞に よる研究者の表彰や教授就任講演の実施などの 種々の事業により,本学,並びに山梨県の医学, 医療の進展に貢献して来られました。このよう な実績を築いてこられた医学会歴代の役員方を はじめ関係各位に心から御礼申し上げます。 山梨大学医学会,並びに山梨医科学雑誌が, 本学医学部の「病める人の苦痛を自らの苦痛と 山梨医科学誌 31(2),31 ∼ 32,2016
山梨大学医学会創立 30 周年,山梨医科学雑誌刊行
30 周年をお祝いして
前 田 秀一郎
元医学会長,前山梨大学学長 山梨県総合理工学研究機構総長記念寄稿
32 前 田 秀一郎 感じることができ,生涯にわたって医学的知識, 技術の修得に努め,地域社会・国際社会の保健 医療・福祉に貢献する人材および疾患の原因解 明や治療法の開発に寄与できる研究者の養成を 目指します」という「教育目標」の達成,並び に山梨県地域医療のさらなる充実,高度化のた めに益々貢献されることを心から期待申し上 げ,簡単ですがお祝いの言葉とさせて戴きます。