Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
医療連携を重視した口腔外科の歩み
Author(s)
柴原, 孝彦
Journal
歯科学報, 119(5): 444-444
URL
http://hdl.handle.net/10130/5029
Right
Description
大学口腔外科の使命は地域歯科医療のサポート,診療職域の保全,そして関連施設継承のための人材の育 成,と言われている。本学においてもその使命を遵守すべく,活動を続けている。2004年に教授職を拝命して から現在までの歩みの中で,特に地域医療のサポート体制に焦点をおき解説を試みたい。 診療領域での major な疾病として唇顎口蓋裂,顎変形症,そして口腔がんがあるが,同門先輩諸兄のご薫 陶によって理論体系と手術技量は脈々と引き継がれ,どの疾病に対しても卓越した指導者がおり,他施設が流 涎するほどの実績と業績を誇っている。我々は治療実績のみに専念することなく,患者および医療従事者への 予防と教育にも力を注いでいる。すなわち,「アジアへの無償医療ネットワーク」による患者支援,「外科的矯 正治療勉強会」を発足させ口腔外科医と矯正医の連携強化,そして28年間継続している「口腔がん検診」の普 及活動である。 口腔がん検診では,地域歯科医師会と協力して早期発見・早期治療システムの構築を図っている。一般開業 歯科医院のレベルアップのみならず,患者教育の必要性を解き,口腔がん認知度向上に向けての社会活動も実 践している。今回の講演では,教室員による「口腔がん検診」の歩みと現状,そしてその有効性についても述 べる。 1992年に千葉市歯科医師会と共催で始めた集団検診は,その後周辺の郡市歯科医師会の参加も得て普及し, いまでは埼玉県そして東京都へも拡大している。現在,我々がコーディネートしている集団検診事業は3都県 15地域(被検診者37,309名)になっている。更に個別検診としては3都県5地域(被検診者29,144名)での実 施を可能にし,すべて各地方自治体からの委託事業となっている。地域や方法によって口腔がん発見率は若干 異なるが,平均して0.15%となり,厚生労働省推奨の他がん検診の結果と遜色のないプロセス評価を示してい る。口腔がん検診の精度を上げるためナビシステム,蛍光観察装置の開発も行ったので,その概要も紹介した い。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 昭和54年3月 東京歯科大学卒業 昭和59年12月 東京歯科大学口腔外科学第一講座助手 (平成元年7月まで) 昭和61年7月 国立東京第二病院歯科口腔外科に出向 (昭和63年12月まで) 平成元年8月 東京歯科大学口腔外科学第一講座講師 平成5年6月 学命によりドイツハノーバー医科大学に 留学(平成6年9月まで) 平成12年6月 東京歯科大学口腔外科学第一講座助教授 (平成16年7月まで) 平成16年8月 東京歯科大学口腔外科学第一講座主任教 授(平成17年3月まで) 平成17年4月 東京歯科大学口腔外科学講座主任教授 現在に至る 平成22年6月 東京歯科大学千葉病院副院長 現在に至 る (平成30年4月から東京歯科医療セ ン ターに名称変更) 平成24年9月 東京歯科大学市川総合病院口腔がんセン ター長(平成25年5月まで) 令和元年6月 東京歯科大学市川総合病院口腔がんセン ター長 現在に至る <その他> 日本口腔外科学会代議員,日本口腔科学会理事,日本頭 頸部腫瘍学会評議員,日本口腔腫瘍学会評議員,日本有 病者歯科医療学会理事,日本小児口腔外科学会理事,日 本口腔顎顔面外傷学会理事,日本癌学会評議員,日本癌 治療学会評議員, 日本口腔外科学会専門医・指導医,日本顎顔面インプラ ント学会指導医, 日本老年歯科医学会老年歯科専門医,日本有病者歯科医 療学会指導医,日本がん治療機構暫定教育医,日本口腔 がん教育医。 厚労省疾病・傷害及び死因分類(ICD)専門委員 文科省大学設置・学校法人審議会委員 日本歯科医学会用語検討委員