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工事進行基準を利用した不正会計に関する一考察

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2017 年 10 月 <目次> はじめに 第 1 工事契約に係る会計基準及び適用指針 第 2 工事進行基準を利用した不正会計事例 第 3 工事進行基準が不正会計に利用される要因 むすびにかえて

はじめに

 上場企業において,不適切な会計・経理を公表 する企業が年々増加している。東京商工リサーチ の調査によれば,2016 年(平成 28 年)1 月から 12 月に不適切会計を公表した企業は 57 社で,前 年同期の 52 社より 5 社増加した(注 1)。不正会計 について調査を開始した 2008 年(平成 20 年)以 降から最多ペースで増加している。この背景に は,公認会計士監査の監査体制の脆弱性だけでな く,経営方針・風土上の問題として,「目標に向 けた従業員への過度なノルマや実現可能性の低い 経営計画の策定が不適切会計に走っている側面も 否めない」ことや,「適正会計に対するコンプラ イアンス意識の欠如」もあり,不適切会計の開示 企 業 は 高 止 ま り し て い る こ と 等 が あ げ ら れ る(注 2)。こうした背景の下,監査法人等による厳 格な監査が進められるなか,株式会社東芝の不正 会計事件など大手企業の不正会計が相次いで発覚 しており,企業のコンプライアンスが改めて問わ れている(注 3)  企業が行う不正会計の典型例として粉飾会計が 多くみられる。2015 年(平成 27 年)に,売上の 前倒し計上や売上原価の先送りを行い利益をかさ 上げして粉飾していた株式会社東芝の不正会計事 件は国内だけでなく海外にも大きな影響を与え た。同社事件で問題となった会計処理には「工事 進行基準」を利用した不正会計が含まれていた が,工事進行基準を用いた会計処理は度々不正会 計に利用されることがある。  本論文では,まず第 1 に,「工事契約に係る会 計基準及び適用指針」において工事契約における 会計基準・適用指針の内容について述べ,第 2 に,「工事進行基準を利用した不正会計事例」に おいて企業がどのような方法で工事契約に関わる 会計処理を不正に利用するかについて検討し,こ こで実際のケースを取り上げ検証する。さらに, 第 3 において「工事進行基準が不正会計に利用さ れる要因」で,その要因を具体的にあげ工事契約 に関する会計基準の諸問題を考察することにしょ う。

第 1 工事契約に係る会計基準及び適用指針

 企業会計基準委員会は,2007 年(平成 19 年)

工事進行基準を利用した不正会計に関する一考察

犬飼 玲子

A Review of Accounting Fraud Using the Percentage of Completion Method

INUKAI, Reiko

論文

   

*名古屋経済大学大学院会計学研究科会計学専攻後期課程  (指導教授 佐藤敏昭)

(2)

 収益の認識に関しては,一般に,商品等の販売 又は役務の給付によって実現したものに限るとさ れている(企業会計原則 第二 3B,同注解)。た だし,長期の未完成請負工事等については,合理 的に収益を見積って,これを当期の損益計算書に 計上することが認められてきた(企業会計原則 第二 3B,ただし書き同注解)。  工事契約に関して,工事の進行途上において も,その進捗部分について成果の確実性が認めら れる場合には工事進行基準を適用し,この要件を 満たさない場合には工事完成基準を適用する(工 事契約会計基準第 9 項)。成果の確実性が認めら れるためには,①工事収益総額(工事契約におい て定められた,施工者が受け取る対価の総額), ②工事原価総額(工事契約において定められた, 施工者の義務を果たすための支出の総額),③決 算日における工事進捗度,の①から③のすべての 要素について,信頼性をもって見積ることができ なければならない。  工事進行基準のメリットは「業績の平準化」で ある。「工事が完成して初めて利益や損失が計上 されて会社の損益が確定する。そのため,各年度 の損益のブレが大きくなる可能性がある。たとえ ば,ある年度に赤字工事が多く計上され,業績が 急に変わることが考えられる。それらの工事が長 期工事で損失の原因が過年度の施工にある場合, 工事が完成した事業年度の業績にすべてを反映さ せるのが良いか疑問である。工事進行基準を採用 した場合,…(中略)…業績のブレが少なくなる とともに,毎期,工事毎の損益も明らかになる。 損益の動向を早く把握できて見通しを立てること が容易になり,経営の舵取りがしやすく」な る(注 5)  工事進行基準のデメリットは,「業務負担の増 加」である。「工事完成基準では,完成工事高の 計上を完成・引渡しによって行うので客観的な資 料を揃えやすく,通常の事務手続きの中で処理が 可能である。これに対して,工事進行基準では, いろいろな要因で変化する総工事原価を適正に確 定し,期中に実際に発生した原価を把握し,その 割合を工事の進捗度とする方法が一般的である (原価比例法)。工事部門で的確な実行予算管理の 実施が要求され,支払ベースでの工事原価の集計 ではなく,実際の出来高の把握が求められる。さ 12 月 27 日に企業会計基準第 15 号「工事契約に 関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第 18 号「工事契約に関する会計基準の適用指針」 を公表した。「工事契約に関する会計基準」の目 的は,工事契約に係る収益(工事収益)及びその 原価(工事原価)に関し,施工者における会計処 理及び開示について定めることである(工事契約 会計基準第 1 項)。そして,「工事契約に関する会 計基準の適用指針」の目的は,企業会計基準第 15 号「工事契約に関する会計基準」を適用する 上での指針を示すこととされている(工事契約会 計基準適用指針第 1 項)。  工事契約会計基準は,工事契約に関して,施工 者における工事収益及び工事原価の会計処理並び に開示に適用され,工事契約とは,仕事の完成に 対して対価が支払われる請負契約のうち,土木, 建築,造船や一定の機械装置の製造等,基本的な 仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて行うもの をいう(工事契約会計基準第 4 項)。また,工事 契約に関して,工事の進行途上においても,その 進捗部分について成果の確実性が認められる場合 には工事進行基準を適用することとされている (工事契約会計基準第 9 項)。「工事」とは,工事 契約会計基準が解説するようにかなり広義のもの であり,「家屋やビル等の建築,道路,トンネル, 橋梁,河川治水等の土木に代表される建設業等の 実施する業務が中心になるが,ここには,ダム等 の電力系設備,固定・携帯通信装置等の電気通信 設備,軌道に代表される鉄道設備等の特定公益事 業設備建設が含まれる。さらには,顧客の指図に 基づく生産(いわゆる受注生産)の船舶,航空 機,重機械装置等の製造,大規模なエネルギー等 のプラント事業も,この会計基準の対象」とな る(注 4)  工事契約に関して工事収益と工事原価を認識す るための基準には,「工事完成基準」と「工事進 行基準」の二つの基準がある。「工事完成基準」 とは,工事契約に関して,工事が完成し,目的物 の引渡しを行った時点で,工事収益及び工事原価 を認識する方法をいい,「工事進行基準」とは, 工事契約に関して,工事収益総額,工事原価総額 及び決算日における工事進捗度を合理的に見積 り,これに応じて当期の工事収益及び工事原価を 認識する方法をいう(工事契約会計基準第 6 項)。

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誤謬や不正を伴うものであったのかの見極めが難 し」く,「完成工事高や完成工事総利益という重 要な数値を会計上の見積りに基づき計算上求める にあたり,現時点で想定される可能性を最大限見 込んで合理的な見積りができていたかどうか,見 積りを変更した場合には適時性と変更理由に合理 性があったかどうか,毎期(四半期を含む)最善 を尽くして見積りを行ったかどうか,過年度遡及 修正の要否も含めて後々問われる」(注 8)というこ とがあげられる。  工事契約会計基準における「工事進行基準を適 用するための 3 要件の 1 つとして,『工事原価総 額の信頼性をもった見積り』が挙げられている が,この要件を満たすためには,①工事原価総額 の見積りが工事の各段階における工事原価の見積 りの詳細な積上げ(実行予算)として行われてい ること,②実行予算と実際の工事原価を対比して 適切に見積りの見直しができる体制が整備されて いることが必要とされて」いる(注 9)。この「信頼 性をもった見積り」が実務上は非常に難しく,不 正会計が行われる大きな要因といえるだろう。

第2工事進行基準を利用した不正会計事例

(1)真柄建設株式会社の場合  それでは,実際に起きた工事進行基準を利用し た不正会計の事例をみていこう。真柄建設株式会 社は,工事進行基準を利用した不正会計を行い 2008 年(平成 20 年)2 月 4 日に不適切な原価処 理に関する社内調査委員会の調査結果について報 告している。  真柄建設株式会社が行っていた不正会計は,主 に,①工事原価の付替え②工事原価の一部先送り による原価計上の遅れ③工事未払金の過大計上④ 工事損失引当金の未計上の4点である(注 10)  ①の「工事原価の付替え」とは具体的に「請負 金額及び工事予算額を超える金額について,協力 業者等の了解の下,本来とは異なる工事案件のも のとして注文・支払をすること」(注 11)を言い, 真柄建設株式会社は,マンションの新築工事の原 価について,Aマンションの原価をBマンション の原価に付け替え損失を抑える会計処理を行って いた。例えば,Aマンション新築工事の請負金額 を 20 億円,工事原価 19 億円とすると利益は 1 億 円となる。実質工事原価は 21 億円であるのに, らに経理部門のデータとの整合が取られ,客観的 にチェックされることにより,信頼性のある工事 進捗度の見積りとすることが可能となる。工事部 門の役割が重要となり,業務負担が増加するこ と」になる(注 6)  2015 年(平成 27 年)4 月 30 日に日本公認会計 士協会より監査・保証実務委員会実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に関する監査上の取扱 い」が公表された。これは,企業会計基準第 15 号「工事契約に関する会計基準」及び企業会計基 準適用指針第 18 号「工事契約に関する会計基準 の適用指針」を適用して工事進行基準により施工 者における工事契約に係る収益(工事収益)及び その原価(工事原価)の認識を行っている企業の 財務諸表の監査において,関連する監査基準委員 会報告書の要求事項を適切に適用するために留意 する事項を適用指針として取りまとめたものであ る(実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に 関する監査上の取扱い」第 1 項)。  この実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用 に関する監査上の取扱い」が公表された背景とし て「工事進行基準では,一般的に会計上の見積り の不確実性の程度が大きく,会計上の見積りに関 する重要な虚偽表示リスクが高くなることが多 い」ことがあげられ,ここでいう「重要な虚偽表 示リスク」には,「会計上の見積りの判断を誤る ことによる誤謬のみならず,意図的に工事原価総 額の見積りを調整することや,発生した工事原価 を意図的に異なる工事契約に係る認識の単位に計 上すること(原価の付替え)による,決算日にお ける工事進捗度の調整を通じた工事収益の操作な どの不正によるもの」が含まれる(実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に関する監査上の 取扱い」第 5 項)。  実務指針第 91 号の「見積りの不確実性の程度 が大きくなる」状況の具体例としては,「過年度 の見積りと実績との乖離が大きい場合,今後の見 積りの精度に対する信頼性は低下せざるを得ず, 信頼性をもった見積りが可能という工事進行基準 の適用要件をそもそも満たしているかどうか,問 われる」(注 7)ということがあったり,「取引先と の交渉状況の影響も大きく受ける会計上の見積り の妥当性は,事後的に判明することからタイムラ グが生じ,最善の見積りであったのか,それとも

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を請負金額 10 億円で行い,指示工事予算書の金 額は 9 億 5 千万円とし利益が 5 千万円となる工事 について,本来実質工事原価は 11 億円となるも のを,工事原価の一部を先送りにし原価計上を遅 らせることによりCマンションの工事原価 1 億 5 千万円は月の工事まで簿外として処理してい た(注 16)  このような「工事原価の一部先送りによる原価 計上の遅れ」による財務諸表への影響額につい て,2008 年(平成 20 年)1 月時点で,原価の先 送りの額は最終的に 3 億 96 百万円であることが 判明した(注 17)。工事原価の先送りと工事原価の 未払計上の遅れとは,結局工事費用を損益計算書 に計上しないということになるため,費用計上し ない分利益が多く計算される。これは,工事経費 の計上のタイミングを業者と調整することで可能 となってしまうという背景もあると考える。工事 原価を先送りしたり,あえて遅らせるということ を行うと適正な期間損益計算ができなくなり,利 益が過大に計上され,その結果,不正会計が行わ れるということとなる。  ③の「工事未払金の過大計上」とは「工事進行 基準による売上を早期に計上するため,工事未払 金の過大計上により,工事進捗率計算の元となる 工事原価を過大計上すること」を意味する(注 18) 真柄建設株式会社においては,このような「工事 未払金の計上過多」による不正会計においては, 工事進行基準による売上を早期に計上するため, 工事未払金の過大計上をした結果,「工事未払金 の計上過多は,2007 年(平成 19 年)9 月末時点 で 1 億 93 百万円であることが判明」し,「工事原 価の付替えによる工事進行基準の売上高の減額修 正により,23 億 20 百万円が損失金として影響を 及ぼすことが判明」した(注 19)。また,「工事進行 基準の売上高計上基準は工事進捗率 10% 以上の 工事からなっているが,不適切な原価処理を訂正 した折に,工事進捗率が 10% を下回り,2 億 33 百 万 円 が 完 成 工 事 原 価 の 減 額 修 正 」 に な っ た(注 20)  ④の「工事損失引当金」をしなかった点につい てであるが,これについては赤字が認識された手 持ち工事について 11 億 89 百万円の引当金の計上 が必要と判明した(注 21)。工事損失引当金とは, 工事契約について,工事原価総額等(工事原価総 そのAマンションの原価をBマンションの原価の 原価として発注をすることで,2 億円の原価をB マンションに付け替えることにより赤字工事から 黒字工事にしていた。  これらの「工事原価の付替え」による財務諸表 への影響額は,2007 年(平成 19 年)9 月末の時 点において工事原価の付替えにより未成工事支出 金の中に完成工事分が 9 億 85 百万円含まれてい ることが判明している(注 12)。未成工事支出金と は,完成工事原価に計上していない工事費用をい う。貸借対照表上は流動資産の部に表示されるも のであるため,損益計算書には計上されない。真 柄建設株式会社のように,工事原価の付替えによ り未成工事支出金の中に完成工事分を含める処理 を行うと,本来損益計算書に工事費用として計上 される完成工事原価分が費用に計上されないとい うことになるため,その分利益が多く生じること となる。未成工事支出金の貸借対照表価額は,未 完成工事における工事原価であるため,完成工事 における工事原価を含めてはならない。適正な期 間損益計算が行われないこととなるからである。  このような「工事原価の付替え」による不正 は,建設業で多く行われる不正であり,「基本的 な不正手段としては,工事部門が協力会社に対し て工事代金の一部を別工事の代金として請求させ るという取引であり,本来赤字工事であった工事 に利益が計上されるとともに,工事原価が付け替 えられた別の工事では,工事原価が過大計上さ れ」る(注 13)。また,「別の工事代金として請求さ せる場合に,後日の工事で請求させることによっ て,工事原価が先送りされて,それが決算期をま たぐ場合もあり…(中略)…本来原価を計上すべ き完成工事では原価が過少となり,付け替えられ た別工事の進行基準計算においては,先送りされ た原価が発生原価として計上されることで,工事 進捗度が増え,決算時点で過大な売上・利益が計 上されること」となる(注 14)。このため工事原価 の先送りが決算に非常に大きな影響を与える。  ②の「工事原価の一部先送りによる原価計上の 遅れ」とは,「担当者が工事予算書の予算内での 交渉において,予算額を超えた金額について協力 業者等の了解の下(所謂・借り),注文・支払を 次の工事まで遅らせること」と意味する(注 15) 真柄建設株式会社は,C工事マンション新築工事

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ばし」(注 24)とされている。株式会社東芝は,① の工事進行基準を利用した売上の操作と工事損失 引当金の未処理により,工事原価の過少見積もり により売上を過大にし工事損失の引当金を処理せ ず原価を過少にしている(注 25)  工事原価について,「実際の工事原価以外は, 全部見積もり金額で計算」されており,「最新の 見積もりデータで計算をし直し,最終的に,実績 値となるよう集計」するため,「見積もり1つで, いくらでも数字がかわる可能性がある」というこ とになり,「データの信ぴょう性を確かめること が困難になる可能性」が高くなる(注 26)。株式会 社東芝は,「見積工事原価総額を過少に見積もる ことで,工事の進捗度合いを高くし,工事収益を 過大」にしており,さらに,「工事の赤字が見込 まれるにもかかわらず,その処理をしていない案 件」が見つかっている(注 27)  このように,株式会社東芝のケースでは「工事 原価総額の見積りが適切に会計処理に反映されな かったことが 1 つの原因であることが判明して」 おり,「最大の原因は合理的な根拠のない将来の コスト削減施設にあるとされ…(中略)…その他 の案件では,受注後の仕様変更等により追加工事 が発生したのにもかかわらず,正式な注文書を発 行せずに会計上工事原価を計上していなかった事 実も判明し…(中略)…さらには,海外から部材 を調達する案件において,契約受注時点の為替 レートにより円貨換算された工事原価見積額が, その後の為替変動,特に円安局面にあっても修正 されず,過小にも見積られていた事案も報告され て」いる(注 28)  工事契約原価には,「特定の契約に直接関連す る原価(現場労務費,建設工事の材料費,工事契 約に使用された工場および設備の減価償却費,工 場・現場間の移設費および移送費,工場または設 備の賃借などの原価,契約に直接関連する設計お よび技術援助料,調整および保証作業の見積原 価,第三者からのクレームなど),請負業務全般 に起因し,かつ,個別の契約に配分できる原価 (保険料,特定契約に直接関連しない設計および 技術援助料,工事間接費など),契約条件により, 発注者に個別に請求できるような,その他の原価 (契約条件によって支払いが特定されている場合 の一部の一般管理費や開発費など)」が含まれ 額のほか,販売直接経費がある場合にはその見積 額を含めた額)が工事収益総額を超過する可能性 が高く,かつ,その金額を合理的に見積ることが できる場合には,その超過すると見込まれる額 (工事損失)のうち,当該工事契約に関して既に 計上された損益の額を控除した残額を,工事損失 が見込まれた期の損失として処理し計上する引当 金をいう(工事会計基準第 19 項)。  上記の各点から,真柄建設株式会社の不適切な 原価処理の影響額は不適切な原価処理の社内調査 結果について,2005 年(平成 17 年)3 月期から 2007 年(平成 19 年)3 月期の過年度分及び 2007 年(平成 19 年)9 月中間期への影響額はそれぞ れ 34 億 29 百万円,10 億 60 百万円である(注 22)  真柄建設株式会社では,工事進行基準が適用さ れた数件の建築工事について,実際に施工した工 事出来高よりも早期に出来高が完成したと称して 工事出来高をかさ上げすることによって,工事原 価の未払金を過大計上して,第 64 期末(平成 18 年 3 月末)から第 66 期中間期末(平成 19 年 9 月 末)における利益を過大計上するに至」り,「そ の結果,第 66 期中間期末(平成 19 年 9 月末)時 点において,工事原価の付替えにより未成工事支 出金の中に完成工事分が 9 億 85 百万円含まれ, 工事代金等の一部未払額が 3 億 96 百万円存在し, 工事進行基準の工事未払金過大計上を精査したこ とにより,取り崩し額 1 億 93 百万円,工事原価 の付替えが工事進行基準の場合,売上高の訂正に よる損失計上が 23 億 20 百万円にも及んだという ものである。工事進行基準工事のうち不適切な原 価処理を修正することにより,進行基準出来高が 10% 下回り,完成工事原価の減額修正を 2 億 33 百万円,さらに工事損失引当金の見直しにより, 未成工事について 11 億 89 百万円の損失が発生 し,工事未払金の見込み計上分の修正が 22 百万 円追加発生」している(注 23) (2)株式会社東芝の場合  2015 年(平成 27 年)に株式会社東芝で発覚し た不正会計の主な内容は,「①工事進行基準を利 用した売上の操作と工事損失引当金の未処理②部 品加工取引を利用した押込販売③取引先への支払 いに関して請求書の発行を遅らせてもらうことに よる先延ばし④商品評価損の処理についての先延

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 株式会社東芝の工事進行基準の適用要件は, 「工事収益総額,工事原価総額,決算日における 工事進捗度を信頼性をもって見積もることができ る状態であるという要件を満たす案件のうち」以 下の①∼②については,工事進行基準適用案件と して取り扱うこととしており, ①見積工事収益総額が 10 億円以上,かつ工事 期間が 1 年以上の長期請負工事 ②見積工事収益総額が 10 億円以上で工期が 3 ヶ月以上 1 年未満の工事のうち,着工事業 年度中にその目的物の引渡しが行われない請 負工事  見積工事収益総額が 10 億円未満であっても, 成果の確実性が認められる場合には工事進行基準 を適用することができる」と定めている(注 33)  これについて株式会社東芝の第三者委員会報告 書では,「工事進行基準による会計処理など,も ともと個々の工事内容に精通した担当者による社 内のデータに基づく見積もりが会計処理の基礎と なる事案においては,外部の会計監査人がその見 積もりの合理性を独自に評価することは極めて困 難であり,基本的には適切な見積もりを確保する ための社内プロセスと内部統制の有効に機能して いることが前提となる。内部統制機能は,それを 有効に働かせようとする会社のトップマネジメン トの意思と関連組織によるサポートがなければ有 効に機能し得ない。経営トップや組織の不当な関 与により内部統制が有効に機能しない状況下で は,組織全体がごまかしや不正な操作による組織 防衛行動に走ってしまう余地が生ずる。このよう な会社組織による事実の隠ぺいや事実と異なるス トーリーの組み立てに対して,独立の第三者であ る会計監査人がそれをくつがえすような強力な証 拠を入手することは多くの場合極めて困難であ る」(注 34)という見解を示している。  株式会社東芝の第三者委員会調査報告書におい ては,「不適切な会計処理」という表現をとって いるが,「東芝の利益水増しの方法はどう見ても 意図的なものであり,公認会計士協会の基準にし たがえば「不正会計」ないし「粉飾」と呼ぶべ き」ものであろう(注 35)  株式会社東芝の不正会計により各事業分野の決 算修正については,工事進行基準の部分のみ見て みても,2008 年度の決算修正額マイナス 36 億円, る(注 29)  工事進行基準の一般的なリスクは「工事進行基 準の会計処理を行うには,各四半期末での工事収 益総額と工事原価総額の見積りと各四半期に発生 した工事原価の測定が必要になる。この点,工事 収益総額は見積もりではあるが主に顧客との交渉 によって定まり,また,工事原価は実際に発生し た費用の集計であることから,一般的には,社内 で行う工事原価総額の見積もりによる虚偽表示の リスクが高」くなり,具体的には,「工事原価総 額の過少見積もりとなった場合,「売上の過大計 上」と「工事損失引当金の過少計上又は未計上」 という内容の虚偽表示が発生」する(注 30)  「売上の過大計上」については,「工事原価総額 が過少見積もりとなった場合,工事進捗度が過大 となるため,売上が過大計上されることになる」 ということが生じ,「工事損失引当金の過少計上 又は未計上」については,工事において「工事原 価総額が過少見積もりとなった場合,工事損失引 当金が過少計上される又は計上されないことにな る」ということが生じる(注 31)  株式会社東芝は工事進捗度の見積もりに原価比 例法を採用している。「原価比例法とは,工事進 捗度を,累計工事原価発生総額を見積工事原価総 額で除した割合として見積る方法である。決算日 における工事進捗度を見積る方法として原価比例 法を採用する場合には,工事原価の事前の見積り と実績を対比することにより,適時・適切に工事 原価総額の見積りの見直しが行われていれば,通 常,決算日における工事進捗度も信頼性をもって 見積ることができる」(注 32)とされている。  工事進行基準とは,工事契約に関して,その工 事の完成以前に工事収益総額,工事原価総額及び 決算日における工事進捗度を合理的に見積り,こ れに応じて当期の工事収益及び工事原価を計上す る方法をいうが,具体的には,工事進行基準の適 用に際して,原価比例法を採用する場合には,工 事収益は見積工事収益総額に決算日における工事 進捗度を乗じ,そこから当該工事に関する過年度 工事収益計上額を控除する。ここでいう決算日に おける工事進捗度は,累計工事原価発生総額を見 積工事原価総額で割る。工事原価は,累計工事原 価発生総額から当期工事に関する過年度工事原価 計上額を控除して算出する。

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務経験を有する,当該工事契約の原価管理又 は進捗管理に直接的又は間接的に責任を有す る者による判断が恣意的に行われる可能性が あること。 (4)各工事契約に対する監視活動は,工事契約 所管部署等,取締役会,監査役等又は内部監 査部門等によって行われるが,労務安全管理 又は工程管理が重視される傾向にあること。 また,原価管理について監視活動が実施され ていても,工事進行基準の適用の妥当性とい う観点からは必ずしも十分に実施されていな い可能性がある こと。 (5)工事の進行途上においては,顧客や原材料 の納品業者及び外注業者又は監督官署等との 間で各種の協議が頻繁に行われ,このような 協議の結果が,工事進行基準の適用に関する 会計上の見積りに影響を及ぼし,工事収益総 額や工事原価総額の見直しが必要となる場合 がある。このような場合には,工事進行基準 の適用のための信頼性をもった見積りを実施 する部署が,当該協議の結果に関する情報を 適時かつ網羅的に収集できず,最新の状況を 会計上の見積りに適時に反映できない可能性 があること。  上記の各点から,「会計上の見積り」には,経 営者や現場責任者等の主観的要素が入り込むこと により,「不確実性の要素」が生じることとなる。 会計上の見積りには,工事に関わる様々な要素が 関連してくるため,見積り金額を算定することは 非常に難しいとされる。  一方,実務指針第 91 号「工事進行基準等の適 用に関する監査上の取扱い」では第 10 項におい て,不正リスク要因の検討に際しては,過去の不 正事例の理解が有用であると述べ,工事進行基準 を適用している企業において次の①から⑥ような 不正事例を挙げている。 ①意図的な工事契約の認識の単位の設定による 工事損益率の調整 ②工事収益総額が注文書又は契約書で確定して いない場合の工事収益総額の不適切な見積り ③実現可能性の低い原価低減活動による原価低 減を考慮した工事原価総額の不適切な見積り ④工事契約の管理者が故意に外注業者等又は会 社内部の者と共謀し,発生した工事原価を異 2009 年度の決算修正額プラス 1 億円,2010 年度 の決算修正額プラス 71 億円,2011 年度の決算修 正額マイナス 79 億円,2012 年度の決算修正額マ イナス 180 億円,2013 年度の決算修正額マイナ ス 245 億円,2014 年度の決算修正額マイナス 9 億円である。  これらを累計すると,実に決算の修正額はマイ ナス 477 億円にも及ぶこととなる。工事進行基準 を利用した不正会計の数字の部分だけでもマイナ ス 477 億円という巨額な金額が修正事項にあがっ たのは非常に問題であり,これにより株式会社東 芝を監査した新日本有限責任監査法人に対する信 頼は一気に崩れるものとなると考える。しかしな がら,株式会社東芝のように「単年度では企業規 模に比して巨額とはいえない「不適切会計」が, 数年間分積み上がって「不正会計」に至った場合 には,財務諸表監査がこれを指摘するのは必ずし も容易なことではない」という実態もある(注 36)

第 3 工事進行基準が不正会計に利用される

要因

 工事進行基準では,以下(1)から(5)のよう な「会計上の見積りの不確実性の要素」が存在す ることにより,一般的に会計上の見積りの不確実 性の程度が大きく,会計上の見積りに関する重要 な虚偽表示リスクが高くなることが多いとされる (実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に関す る監査上の取扱い」8 項)。 (1)工事進行基準の適用に当たっては,実行予 算に基づく工事損益率及び決算日における工 事進捗度等の会計上の見積りが不可欠である ため,経営者の偏向の存在を完全には排除で きないこと。 (2)一般的に工事契約は,工事の進行途上にお いて当事者間の新たな合意によって工事契約 の変更が行われる傾向にあるが,その変更金 額が工事契約の変更の都度決まらない場合が あること。 (3)工事契約は基本的な仕様や作業内容が顧客 の指図に基づいて行われるため,工事契約内 容の個別性が強い。したがって,工事原価総 額の見積りに当たっては,全ての工事契約に 適用可能な画一的な判断尺度を得られにく く,工事契約内容に関する専門的知識及び実

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どのように工事原価から控除することとなっ ているか。 ⑧他の工事契約の工事原価や関連性のない外注 費等が工事原価に含まれることにより,決算 日における工事進捗度が過大に見積もられる ことをどのように防止しているか。  ①から⑧までは,「工事進行基準等の適用に関 する監査上の取扱い」の第 42 項で述べられてお り,そこでは「決算日における工事進捗度の見積 方法として原価比例法を採用している場合であっ ても,発生した工事原価が工事原価総額との関係 で決算日における工事進捗度を合理的に反映して いない場合には,これを合理的に反映するように 調整することとされている。原価比例法により, 決算日における工事進捗度の見積りを行う場合に は,各決算期における発生した工事原価の不適切 な調整により,決算日における工事進捗度の見積 りが不適切に行われる可能性」があるため留意事 項として列挙されている。

むすびにかえて

 工事契約については「工事契約の内容の一部が 明らかでないのに工事が実施されたり,下請負業 者への工事原価の請求を止めたり,支払を不当に 遅らせたりすることに対しては,一定の法的規制 がなされて」(注 37)いるため,不正会計の発生を 抑止する効果があると考えられているが,実務的 な論点として重要性が指摘されるのは「工事内容 の一部が不明確な工事の実施,工事原価支払のタ イミングのずれ,見積り等の場面で契約内容が発 揮しないこと等による主観的要素を考慮すること の不可避性は引き続き虚偽表示リスクとして存在 しているのであり,今後も留意が必要」(注 38) されていることに注目すべきである。そのため, 工事現場レベルでの工事進捗状況の管理は当然の こと,それに合わせた工事収益及び工事費用の発 生を適時に計上することが必要になるものと考え る。  他方,現在企業の不正会計に対して Computer Assisted Audit Techniques (CAAT)と称されるコン ピュータ利用監査技法の導入が進んできている。 これは,監査法人が行う監査への不信感から近年 導入が進められているものである。「CAAT を導 入した場合,質問や証拠書類の閲覧といった監査 なる工事契約の工事原価とする等の原価の付 替えを実施することによる工事原価の操作 ⑤工事契約の管理者が故意に外注業者等又は会 社内部の者と共謀し,発生した工事原価を故 意に計上しない又は架空原価を計上すること による工事原価の操作 ⑥工事契約の管理者が故意に外注業者等又は会 社内部の者と共謀し,作業実績時間等の操作 を行うことによる工事原価の操作  このように過去の不正事例を十分に検討すれ は,不正がどのような方法で行われることが多い かを検討でき,予め防止する方法が考えられるた め,実務指針第 91 号「工事進行基準等の適用に 関する監査上の取扱い」第 10 項における不正リ スク要因の検討は非常に重要であると考える。  工事進行基準は,見積りの要素が大きいため, 原価管理が不十分な場合には,誤った損益計算と なる可能性が高い。また,恣意的な工事原価の調 整や工事収益の操作などの不正事例もみられるな ど,会計処理について慎重に行わなければならな い事項が多いため,以下の①から⑧までについて 注意する必要がある。 ①決算日における工事進捗度の算定において, どのような場合に調整を行うかについて方針 が明確になっているか。 ②決算日における工事進捗度を合理的に反映さ せるために行われる工事原価の調整につい て,規定が整備されているか。また,工事原 価の調整についてどのような承認を得ること となっているか。 ③決算日における工事進捗度の算定において, 発生した工事原価の調整を行う必要がある工 事の有無に関する情報をどのようにして網羅 的に収集することとなっているか。 ④外注費等を目的物の出来上がった部分に対応 して支払っている場合,どのように当該部分 を算定することとなっているか。 ⑤請求書締切日から決算日までの間に提供をう けた役務等を,工事原価に含めるよう調整す ることとなっているか。 ⑥支払留保金等を工事原価に反映されるように 調整することとなっているか。 ⑦工事契約の履行義務全体のうち,決算日まで に遂行した部分には含まれない前渡金等を,

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営陣幹部へのアクセス,監査人と企業の十分な連 携等を確保するための適切な体制整備に取り組む ことが求められて」いる(注 42)ことからも,会社 法や金融商品取引法上の法制度による体制強化が これからも再々にわたり必要になってくるかもし れない。 〔注〕 (1)東京商工リサーチ 2016 年度平成 29 年 3 月 15 日「不適切な会計・経理を開示した上 場企業」調査。 (2)東京商工リサーチ 2016 年度平成 28 年 12 月 5 日「不適切な会計・経理を開示した上場 企業」調査。 (3)東京商工リサーチ 2015 年度平成 28 年 4 月 14 日「不適切な会計・経理を開示した上 場企業」調査。 (4)東海幹夫・若松昭司「工事進行基準の戦略 的活用方法」建設産業経理研究所(2009 年) 1 頁。 (5)南武博「工事進行基準会計の基礎知識」(社) 京都府建設業協会(2009 年)5 頁。 (6)南武・前掲(注 5)5 頁。 (7)大村広樹・熊谷和哉「実務指針 91 号からヒ ントを得る建設業関係の監査・内部統制整備 の勘どころ」企業会計 67 巻 8 号(2015 年) 19 頁。 (8)大村・熊谷・前掲(注 7)19 頁。 (9)柴谷哲郎「実務指針 91 号からヒントを得る ソフト業関係の監査・内部統制整備勘どこ ろ」企業会計 67 巻 8 号(2015 年)29 頁。 (10)真柄建設株式会社「不適切な原価処理に関 する社内調査委員会の中間調査結果の報告に ついて」平成 20 年 2 月 4 日 8 頁参照。 (11)真柄建設・前掲(注 10)8 頁。 (12)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (13)櫻木宏明「建設業の原価計算・原価管理と 工事進行基準」建設業の経理 75 巻夏号(2016 年)35 頁− 36 頁。 (14)櫻木・前掲(注 13)36 頁。 (15)真柄建設・前掲(注 10)8 頁。 (16)真柄建設・前掲(注 10)9 頁参照。 (17)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (18)真柄建設・前掲(注 10)9 頁。 手続きだけではなく,データを対象にした監査手 続きを実施することが可能」となる(注 39)。しか し,CAAT はあくまでもコンピュータによる監査 技法であるため,工事進行基準の「見積り」等の 人間の主観による部分には対応できないというデ メリットがある。  これまで見てきたように,工事進行基準の会計 処理が不正に利用される最大の要因は「見積り」 による評価に主観的・恣意的な部分が介入するこ とである。したがって,見積り計算からなるべく 主観的・恣意的な部分を排除する必要がある。 AI(人工知能)は「正確かつ短時間での計算処 理」や「大量データの記憶・処理」,「網羅的な検 索」において非常に有効活用できるが,それとは 逆に「直観的な処理を伴う常識判断」や「文脈依 存的な推論」,「対人コミュニケーション」が必要 な場合には AI での対応は難しい(注 40)。IT や AI (人工知能)技術が大きく発展していく中で,「不 正会計の早期発見を効率化」していくことが求め られており,それは「財務諸表数値として公表さ れる前の段階で異常な取引や仕訳を検出できれば …(中略)…非常に有効なツールとなる」と考え られている(注 41)。このようにコンピュータによ る監査技法は万能ではないが,不正会計を防止す るためには,それなりに必要なツールとなってい るといってよいであろう。  いずれにせよ,CAAT の活用に頼るだけでは, 不正会計の対策としては,やはり不十分であろ う。工事進行基準のみならず各種の「見積り」計 算など人間の主観による部分に関する対応には, 以下の3点が,それ以前の肝要な視点として求め られるであろう。すなわち,不正リスクの排除 は,①現場レベルの元請・下請とのやりとりなど 企業グループ全体への目配り,②公認会計士・監 査法人自身の内部統制強化,会計監査技術そのも のの充実強化,③企業内の経理部署内における内 部統制のさらなる充実強化等々,それぞれの分野 で,不正会計を未然に防ぐための努力をすべきこ とである。このうえで,CAAT によるコンピュー タ利用監査技法等も取り入れて不正リスクを排除 することが望ましいものと考える。  「会計監査の信頼性確保のための取組みの中で, 企業の会計監査に関するガバナンスの強化とし て,…(中略)…十分な監査時間や監査人から経

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要なのか∼「高品質な監査の実施のための十 分な監査期間の確保のための説明ツール」を 使いこなそう!∼」会計・監査ジャーナル 29 巻 4 号(2017 年)21 頁。 (19)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (20)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (21)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (22)真柄建設・前掲(注 10)13 頁参照。 (23)真柄建設・前掲(注 10)別紙 3 頁。 (24)平林亮子『赤字はどこへ消えた?』プレジ デント社(2016 年)21 頁。 (25)平林・前掲(注 24)21 頁参照。 (26)平林・前掲(注 24)22 頁。 (27)平林・前掲(注 24)22 頁。 (28)平澤優・金城琢磨「東芝不適切会計と工事 進 行 基 準 」Seiwa Newsletter Vol.2(2015 年) 2 頁。 (29)坂尾栄治・原幹・青木幹雄・高見亮・竹政 昭利『会計士さんの書いた情シスのための IFRS』翔泳社(2011 年)142 頁。 (30)株式会社東芝・第三者委員会調査報告書 2015 年 7 月 20 日 32 頁。 (31)東芝・前掲(注 30)32 頁。 (32)東芝・前掲(注 30)31 頁。 (33)東芝・前掲(注 30)40 頁。 (34)東芝・前掲(注 30)286 頁。 (35)佐賀卓雄「東芝の不正会計問題とコーポ レート・ガバナンス改革」証券レビュー 55 巻 10 号(2015 年)128 頁。 (36)蟹江章「会計不正はなくせるか?−内部監 査への期待」企業会計 67 巻 12 号(2015 年) 4 頁。 (37)中野竹司「工事原価等をめぐる不適切事例 の法律・会計上の問題点」企業会計 67 巻 8 号(2015 年)40 頁。 (38)中野・前掲(注 37)40 頁。 (39)本木賢太郎「CAAT を活用した不正対応内 部 監 査 」 企 業 会 計 65 巻 7 号(2013 年)71 頁。 (40)日本公認会計士協会 IT 委員会未来の監査専 門委員会「AI の可能性と会計監査への活用 ∼山田誠二人工知能学会会長と未来の監査専 門委員会との意見交換∼」会計・監査ジャー ナル 29 巻 5 号(2017 年)15 頁。 (41)市原直通・首藤昭信「Fin Tech ×監査の現 状:AI で見抜く不正会計」企業会計 69 巻 6 号(2017 年)55 頁 (42)山田治彦「なぜ十分な監査期間の確保が必

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