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U 字 型 回 復 かL 字 型 成 長 か %

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Academic year: 2021

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(1)

富士通総研 主席研究員

柯 隆

2016年2月

(2)

U字型回復かL字型成長か

6.9 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 19 78 19 80 19 82 19 84 19 86 19 88 19 90 19 92 19 94 19 96 19 98 20 00 20 02 20 04 20 06 20 08 20 10 20 12 20 14 20 16 20 18 20 20

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 1

(3)

四半期のGDP伸び率

10.2 9.9 9.4 8.7 8.0 7.5 7.4 8.0 7.8 7.5 7.9 7.6 7.3 7.4 7.1 7.2 7.0 7.0 6.9 6.8 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 1 年 1 Q 2Q 3Q 4Q 年 1 Q 2Q 3Q 4Q 年 1 Q 2Q 3Q 4Q 年 1 Q 2Q 3Q 4Q 年 1 Q 2Q 3Q 4Q

習近平政権の「新常態」

胡錦濤政権

(4)

2015年のGDP伸び率

3 Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

6.7 6.8 6.8 6.9 6.9 7.0 7.0 1Q 2Q 3Q 4Q 7.0 7.0 6.9 6.8 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 第 1次産業 第 2次産業 第 3次産業 3.9 6.0 8.3

(5)

2015年の主要産業のP伸び率

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 農林水産業 鉱工業 建設業 流通 交通運輸郵政 ホテ ル レ スト ラン 金融 不動産 そ の他サー ビ ス 業 4.0 5.9 6.8 6.1 4.6 6.2 15.9 3.8 9.2

(6)

主要経済指標(一)

5 Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

2011 2012 2013 2014 2015 GDP 9.2 7.8 7.7 7.4 6.9 第1次産業 4.3 4.5 3.8 4.0 3.9 第2次産業 10.3 8.1 7.9 7.3 6.0 第3次産業 9.4 8.1 8.3 8.1 8.3 固定資産投資 23.6 20.6 19.6 15.7 10.1 不動産投資 27.9 16.2 19.8 10.5 2.8 小売上高 17.1 14.3 13.1 12.0 10.6 M2 13.6 13.8 13.6 12.1 13.3

(7)

主要経済指標(二)

2011 2012 2013 2014 2015 国際貿易 22.5 6.2 7.5 3.4 -7.0 輸出 20.3 7.9 7.9 6.1 -1.8 輸入 24.9 4.3 7.3 0.4 -13.2 貿易収支(億㌦) 1,549 2,311 2,590 3,831 5,945 FDI 9.7 -3.7 -2.9 1.7 7.9 外貨準備(10億㌦) 3,181 3,310 3,821 3,843 3,330 消費者物価 5.4 2.6 2.6 2.0 1.4 失業率 4.1 4.1 5.0 5.1 5.1

(8)

中国のマクロ経済統計が信用できるか。

(9)

マクロ経済統計体系の推移

 1985年以前、国民所得統計:旧ソ連、東欧諸国から取り入れた物 的生産物バランス体系(MPS:A System of Material Product

Balances)

 1985年から、国連の国民勘定体系(SNA: System of National Accounts)を導入、国内総生産統計

1993年、MPS方式による国民所得勘定(国民所得)の作成を停止

し、GDP(国民経済計算)が中心指標となる

 四半期GDP推計は、農業、鉱工業、建設業、運輸・通信、商業・飲 食業、金融保険業、不動産とその他の8つの部分から構成される

(10)

マクロ経済統計の集計方法の見直し

 従来、マクロ経済統計は、地方の統計局から報告される統計を中 央の統計局が集計して計算されたもの。(県統計局→市統計局→ 省統計局→国家統計局) 国家統計局のGDP<Σ(省統計局のGDP)  経済の自由化にともない、統計報告制度が機能しなくなった。マク ロ経済に占める私営企業、株式制企業、外資企業、華僑系資本、 などは大きなウェイトを占めるようになった  マクロ経済統計の報告・集計制度に代わり、国家統計局によるサ ンプリング調査・推計を開始。地方の統計局の推計を参考にする が、国家統計局の直接サンプル集計を実施し、統計精度の向上が 図られた

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 9

(11)

現行マクロ経済統計の問題点

 産業部門分類が粗すぎる。一定規模以下の鉱工業サンプルが集 計されていないため、産業部門別の統計精度が低い  サービス業センサスがコンスタントに行われていないため、新しく発 展してきたサービス業の多く(会計士、弁護士、情報サービス、民 間教育・家庭教師など)が統計に十分に反映されていない  価格指数の整備が不十分である。とくに、サービス項目の価格指 数が作成されておらず、たとえば、広告などのサービス業統計の実 質化ができない  サービス貿易価格指数が作成されていないため、サービス貿易は 実質化されていない  未観測経済の捕捉・推計が不十分。未観測経済活動について OECDによれば、オーストラリアが3%、イタリアが15%、ロシアが 25%になっているといわれている。中国の未観測経済は少なくとも 20%以上に上るとの見方があるが、定かではない

(12)

実質GDP=名目GDP-CPI(食品)

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 11 名目GDP (9%) CPI (2%) 実質GDP (7%) CPI (4%) 実質GDP (5%)

GDP統計改ざんのやり方

(13)

中国消費者物価指数の構成とエンゲル係数

項 目 ウェイト 食費 34% 娯楽・教育・文化および 関連のサービス 14% 住居費 13% 交通・通信費 10% 医療保健 10% 衣服 9% 家電などの家庭用設備および 関連のサービス 6% 酒タバコ類 4% 過小評価 過小評価 0.458 0.437 0.417 0.39 0.354 0.326 0.275 0 0.2 0.4 0.6 最低所得層 低所得層 中低所得層 中所得層 中高所得層 高所得層 最高所得層 所得層別エンゲル係数

(14)

実質GDPの信ぴょう性

 中国国家統計局:GDP統計に信ぴょう性がある  Douglas-WestwoodのSteve Kopits:中国の実質GDP伸び率は0-3%  北京大学HSBCビジネススクールのChristopher Balding:不動産 価格と消費者物価が過小評価されているため、GDPが過大評価さ れている

 イギリスのCapital EconomicsのJulian Evans-Pritchard:実際の 経済成長率は中国政府の公式統計より1-2ポイント低いはず

 アメリカのRhodium GroupのDaniel Rosen:国民勘定体系におい て不動産取引集計が不十分だったため、GDPが過小評価されて いる

 中国外貨投資研究院:ECの消費がGDP統計に十分に反映されて いない、銀行の不良債権が過小評価されているため、貸出が過大 評価されている、海外での爆外は輸入を圧迫している

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(15)

国家統計局長は信用できるのか

王保安 1963年生まれ、中南財経大学卒業、経済学博士、 財政部長秘書、財政部次官を経て、国家統計局長に就任、

2016年1月26日午後、経済運営の記者会見で質問に答えたが、

(16)

中国経済の三つの過剰

過剰設備:重厚長大の国有企業を中心に過剰設備を抱

え重荷になっている

過剰債務:地方政府はこれまでの開発のなかで巨額の

債務を抱えているが、このままいくと、債務は膨らんでし

まう

過剰労働力:人口減少に転じる中国では、過剰労働力の

問題は生じないはずだが、産業構造の転換にともない、

過剰労働力が現れている

(17)

金融仲介の非効率性

正規金融システム

間接金融

直接金融

貯 蓄 主 体 投 資 主 体 家 計 金融緩和

国 務 院

人 民 銀 行 国 有 企 業 民 営 企 業

地下金融

(18)

中国の外貨準備の推移(1989-2015年4月)

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

3,993.2 3,230.0 0.0 500.0 1,000.0 1,500.0 2,000.0 2,500.0 3,000.0 3,500.0 4,000.0 4,500.0 19 89/ 01 19 90/ 04 19 91/ 07 19 92/ 10 19 94/ 01 19 95/ 04 19 96/ 07 19 97/ 10 19 99/ 01 20 00/ 04 20 01/ 07 20 02/ 10 20 04/ 01 20 05/ 04 20 06/ 07 20 07/ 10 20 09/ 01 20 10/ 04 20 11/ 07 20 12/ 10 20 14/ 01 20 15/ 04 10億ドル 17

(19)

中国の国際収支(実額:億㌦)

-1401.4 -2000 -1000 0 1000 2000 3000 4000 5000 19 83 19 85 19 87 19 89 19 91 19 93 19 95 19 97 19 99 20 01 20 03 20 05 20 07 20 09 20 11 20 13 経常収支 金融収支 誤差脱漏

(20)

人口の減少と男女インバランス

 2015年総人口: 13億7,462万人  男性:7億0,414万人  女性:6億7,048万人  男性‐女性: 3,366万人  出生男女比: 100:113.51  出生人口:1,655万 人(-32万人)  生産人口:487万人 減少

11月11日=独身男性の日

(21)

2016年の経済政策と経済改革

経済改革

・国有企業改革:国有企業体制の強化

・金融制度改革:金利の自由化と為替変動の自由化

・予算制度改革:中央政府と地方政府の財源シェア

・産業構造の高度化:イノベーションの促進

経済政策

・一段の金融緩和:利下げと預金準備率の引き下げに

加え、量的緩和の拡大

・財政出動:大規模公共工事の前倒し実施

・社会保障制度改革:低所得層家計への支援拡充

・技術型外資誘致の強化

・輸出の促進

(22)

世界における中国経済

 Sebastian Mallaby (米外交問題評議会国際経済担当シニアフェロー) ◆アメリカ経済は順調に回復に向かっている ◆ヨーロッパ経済は、ユーロメンバーの一部が債務問題を抱えて いるが、期待されているよりも、よいパフォーマンスを行っている ◆日本経済は米欧よりパフォーマンスがよくないが、それほど期 待されていないため、世界を失望させることがない ◆問題は中国経済の急減速にある。実は、経済の減速そのもの よりも、それに派生するさまざまなリスクこそ世界経済に大きなダメー ジを与える可能性がある

(23)

「改革・開放」政策の行方

 35年以上の高成長から「改革・開放」政策が評価されよう  中国社会の不安定化をみれば、市場経済化は間違ったといえるか もしれない  社会不安をもたらしたのは所得分配の格差が拡大しているからで ある  中国では、労働組合活動が合法化されていない  社会主義の場合、国は所得分配を行う。問題が生じれば、国がそ れを解決する。市場経済では、労使紛争が起きるため、労働組合 は重要な役割を果たす  社会主義の資本家は労働組合を恐れずに、労働者を搾取できる  国家資本主義に移行すると、国は労働者を搾取する  中国は社会主義に逆戻りするのか、資本主義に移行するのか

(24)

ジニ係数が示す所得格差の拡大

0.469 0.455 0.46 0.465 0.47 0.475 0.48 0.485 0.49 0.495 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 23

(25)

中国は社会主義国家?

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 資本分配率 労働分配率

(26)

不公平な税制

賃金所得には、最高

45%の所得税

(累進制)

賃金所得以外の雑所

得(移転所得や資産所

得)には一律20%の所

得税

相続税は導入されてい

ない

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 25 所得額 税率 0~ 1,500 3% 1,501~ 4,500 10% 4,501~ 9,000 20% 9,001~ 35,000 25% 35,001~ 55,000 30% 55,001~ 80,000 35% 80,001~ 45%

中国の個人所得税

(27)

2011年の灰色収入はGDPの12%相当

最高所得層, 53.5% 高所得層, 18.5% 中高所得層, 16.4% 中所得層, 6.9% 中低所得層, 2.5% 低所得層, 1.0% 最低所得層, 0.0% 資料:中国改革研究基金会・国民経済研究所

(28)

「灰色収入」の統計収入比

27 Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE

2005 2008 2011 最低所得層 99% 113% 131% 低所得層 102% 101% 118% 中低所得層 107% 117% 118% 中所得層 114% 128% 138% 中高所得層 131% 143% 171% 高所得層 139% 209% 224% 最高所得層 338% 319% 320% 資料:王小魯(2011)

(29)

中国経済の発展モデル

総需要:Y=f(投資)

↑+f(輸出)↓+f(消費)?

(投資と輸出に依存する「外向型発展モデル」)

総供給:Y=f(資本)

↑+f(労働)↓+f(生産性)?

(30)

経済の自由化 ナショナリズムの高揚 政治統制の強化 鄧小平時代 習近平時代 胡錦濤時代 江沢民時代 ①鄧小平時代において、政治統制を緩め、経済の自由化を進めた。②江沢民の時代は、 鄧小平時代より当時統制を強化しはじめた。③胡錦濤時代は、カリスマ性が弱かったため、 ナショナリズムを高揚させた。④習近平政権では、政治統制をあまりにも強化している結果、 経済の自由化は大幅に後退している。

Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE 29

(31)

2015年の中国経済の総括

迷走した一年、方向感が失われた

◆リコノミクスの転向

◆「新常態」の形骸化

◆構造転換の遅れ

◆強まる国有企業の市場独占

◆政府による市場介入の弊害

◆効果失われる経済政策

◆自信喪失の外資

◆加速する「資本逃避」

(32)

2016年の中国経済の展望

 続くチャイナショック ◆成長vs脱レバレッジ ◆いかに削減する過剰設備 ◆地方債務問題 ◆落ち込む国際貿易(輸入↓→輸出↓) ◆続く投資依存の成長 ◆外貨準備の減少→資本逃避 ◆伸び悩む消費 ◆強化される国有企業の独占 ◆弱いイノベーションに取り組むインセンティヴ ◆慢性的停滞に陥り、L字型成長になる可能性

(33)

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