岡山県奈義町における集落営農法人の展開と農業連携の可能性

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Ⅰ.はじめに

2010年代の日本の農業をみると、戸別所得補 償制度の開始、経済連携協定による農産物・加 工品の対日輸出圧力、40年以上続いた減反の廃 止など、農業者や生産組織がその対応に迫られ ている。農業関係者の参加反対が強かったTPP

(環太平洋経済連携協定)は、2015年に当時の 参加12カ国で大筋合意に至ったが、その後アメ リカ合衆国が離脱した。日本国内において、と くに基幹作物の米は、水田面積が大半を占める ためにその影響が懸念された。当面アメリカか らの米輸入の懸念は小さくなったといえる。つ ぎは、2018年の減反廃止が水田農業にどう作用 するか否かが注目される。減反廃止への政策対 応としては、収入保険制度1)と新規需要米へ の転作が考慮されている。後者のうち飼料用米 は、助成が始まった2008年の作付面積は1,410ha、

2015年同79,766ha(前年の2.4倍)となり、2016 年91,169ha、2017年91,510haへと拡大している2)

地域農業では、2000年代以降、農家の減少と 同時に農業の法人化や集落営農組織が増加傾向 にある。従来、農業経済学や農業地理学分野で はまず農家・農業者の数値で動向を把握してき たが、このような生産組織や法人の数、および これらの組織がカバーする耕地面積も看過でき なくなった。農業センサスでは、家族経営体と 組織経営体を農業経営体として計上している。

また、2009年の農地法改正により、一般法人も 農地を下限なく取得(借地)できるようになっ た。

近年の研究動向も、そうした組織に焦点を あてたものが多くなっている。集落営農を含む

大規模法人を取り上げた研究では、経営の成長 や維持への戦略を検討している(田林・菊地、

2016;鈴木ほか、2015)。とくに、北陸など平 野部において成功例がある。一方、中山間地域 においても、中小規模の集落営農や個別法人が 活動しているが、その展望は明るいとはいえな い。荒井(2017)は、岐阜県の平野のほか、中 山間地域においても集落営農の展開を論じてい る。すなわち、1集落の面積が小さく、担い手 もいないことがあり、近隣集落も含めて、他集 落との連携も視野に入れる必要があるという。

神田(2017a;2017b)は、岡山県津山市お よび久米南町の中山間地域を例に、集落営農組 織の特質を明らかにし、組織のかかえる問題点 や支援の方策、米価低迷の対応を検討した。調 査対象とした集落営農の現段階では、いずれの 組織も田代(2016)があげた集落営農の第3段 階3)で、地域から独立した経営体となることは 想定されない。組織の共通の問題である後継者 確保においては、主力となる60代よりも下の世 代への期待がうかがわれる。共同作業にはパー トとして従事する場合もある。今後の米作付へ の助成廃止や米価低迷の下では、米を中心に売 り上げを伸ばすことは困難で、飼料用米への転 換などが試行されている。そのような現実を直 視しつつ、今後の地域農業と政策対応のあり方 を模索していく必要がある。

本稿では、岡山県奈義町を例に、集落営農の 地域的展開を明らかにし、さらに組織間の農業 の連携と支援の可能性を検討する。奈義町の集 落営農組織は、県北各市町村のなかで法人化率 の高さが特筆される。また、町では組織経営体 や農業者の交流・連携を図る組織が結成され、

岡山県奈義町における集落営農法人の展開と農業連携の可能性

神 田 竜 也

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事業・運営の活性化や農業の支援が進められて いる。

本稿の構成は以下のとおりである。第1に、

奈義町の農業を概観する。第2に、町内の集落 営農組織のうち3法人について、法人設立の経 緯や経営状況を明らかにし、各特徴を比較検討 する。第3に、組織経営体や農業者の交流・連 携を図る組織「奈義アグリネット」を取り上げ、

これまでの成果と今後の農業連携と支援の可能 性を述べる。

本稿の調査においては、2017年2月~ 2018 年2月にかけて、勝英農業普及指導センター、

奈義町役場産業振興課、集落営農組織の関係者 に聞き取りを行った。

Ⅱ.奈義町の概要

奈義町は、岡山県の北東部に位置し、町域面 積69.54k㎡、人口は約5,900である。北は鳥取県 と接して中国山地が東西に連なり、東は兵庫県、

図1 研究対象地域

注)地図上の集落については、集落営農法人が設立されているものを示す。

□は、事例として取り上げた集落営農法人。

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西は津山市、南は美作市に接している(図1)。

行政区域は19地区(大字に相当する)があり、

町内には自衛隊の日本原演習場がある。那岐山 麓は緩やかな傾斜が続き、南側は長くのびた台 地と平野が広がる。農業構造改善や土地改良事 業が1960年代から進められ、圃場整備は現在農 地面積の98%が完了している4)。なお、2010年 に町は過疎法の適用を受け、全域が中山間地域 等直接支払制度の対象地域となっている。当町 や津山市勝北地域では、中国山地から吹く広戸 風によって、農作物への甚大な被害がみられる。

地域的には、県北の主要都市である津山市への 通勤がみられ、また町内には東山工業団地(1992 年完成)があり、兼業機会に恵まれた地域であ る。

2015年の農業センサスによると、農業経営体 は485、単一経営は339、このうち販売金額の第 1位が稲のものは292(85%)である(表1)。

借入耕地のある経営体は193、借入耕地面積は 271haで、借地経営が進んでいることがうかが われる。おもな農畜産物は、米、黒大豆、サト

イモ、白ネギ、生乳があげられる。畜産経営と 関連し、飼料作栽培も約70haと多い。

経営規模別農業経営体数では、販売金額50万 円未満の経営体が56%を占める(表2)。1,000 万円を超える経営が5%を占め、これには畜産

(酪農)や大型の法人経営が想定される。経営 面積別では、1~2ha、0.5 ~1ha規模層が全 体のそれぞれ35%前後を占め、10ha以上の層は 集落営農や個別の法人経営である。

集落営農組織は2017年現在11あり、このうち 10組織が法人である5)。法人設立年をみると、

2005年の1法人を嚆矢として、2007年、2008年、

2009年、2010年、2012年、2015年、2016年に各 1~2法人が成立している。すなわち、1~3 年の間隔で法人化がなされている。集落営農へ の参加数は28 ~ 82戸、法人代表はいずれも60 代以上、オペレーターは多い法人で5~6人程 表1 奈義町の農業経営体および農家と経

営耕地

(経営体・戸、ha)

2010年 2015年

農業経営体 612 483

 うち法人 13 13

単一経営 402 339

第1位が稲 344 292

経営面積 817 748

 田 710 657

 畑 98 84

 樹園地 9 7

借入耕地のある経営体 235 193

借入耕地面積 264 271

農家数 765 619

販売農家 597 468

 専業農家 168 138

 兼業農家 429 330

土地持ち非農家 269 225

経営耕地 734 618

資料:農業センサスによる。

 注)下段の経営耕地は販売農家の数値。

表2 奈義町の経営規模別農業経営    体数(2015年)

A.販売金額

販売金額 経営体数 割合

販売なし 23 4.8

50万未満 246 50.9 50 ~ 100万 105 21.7 100 ~ 200万 49 10.1 200 ~ 500万 26 5.4 500 ~ 1,000万 11 2.3 1,000 ~ 5,000万 12 2.5 5,000 ~ 1億 6 1.2

1億以上 5 1.0

計 483 100.0 B.経営面積

経営面積 経営体数 割合

なし 2 0.4

50a未満 69 14.3 50a ~ 1ha 168 34.8 1 ~ 2ha 169 35.0 2 ~ 5ha 59 12.2 5 ~ 10ha 8 1.7 10 ~ 50ha 7 1.4 50 ~ 100ha 1 0.2 計 483 100.0 資料:農業センサスによる。

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度である。経営耕地面積は0~ 20ha、作業受 託は多い法人で40haとなっている。また、新規 需要米として飼料用米や飼料稲、他に園芸品目 の導入による多角化がみられ、米価低迷下での 対応がうかがわれる。

町内の農業法人は、集落営農のほか、会社組 織が存在する(以下、A社とする)。この社長 のN氏は、1994年に50歳で就農した。しだいに 規模拡大し、後継者づくりや経営の継続性を図 るため、2009年に法人化した。2017年現在、従 業員は常雇7人、経営耕地面積は54.6haで町内 一の規模をほこる。作付は水稲24.9haをはじめ、

新規需要米や麦類、大豆、ソバがある。経営に は、水稲の湛水直播による省力化への取り組み や、水稲と麦類・大豆を組み合わせた2年3作 体系を実現している。出荷については、宅配や 米穀店加工業者へ販売、直売所、飲食店、など 多様である。

個別経営体については、奈義アグリネット会 員情報紙(2017年1月発行)よりその概要を述 べる6)。個別経営体の会員は23であるが、この うち情報紙には3経営の情報がないこと、大規 模経営体については前述したので、以上4をの ぞく19経営を集計した。経営規模は、5ha未満 が14経営体、5ha以上が5経営体、このうち 10haが1経営体でもっとも大きい。品目は、す べての経営体で飼料用米や飼料稲を含む新規需 要米の生産がみられる。多くは複合経営で、大 豆が12経営体、サトイモ5、アスパラガスと白 ネギがそれぞれ3となっている。単一経営は3 経営体ある。まとめると、個別担い手の経営規 模は10haまでで、土地利用型農業を主体に、野 菜などを栽培する複合的な経営が中心となって いる。

Ⅲ.集落営農3法人の地域的展開

Ⅱでは、奈義町の農業と集落営農の概要を 述べた。本章では、集落営農の各営農状況に迫 るため、西原営農組合、高円営農組合、中島西 営農組合の以上3法人を取り上げる。選定にあ

たっては、勝英農業普及指導センターの助言と、

組織的性格や経営状況を勘案した。いずれの法 人も、設立時から少なくとも8年以上経過して いるので、分析には差し支えないと考える。そ の報告内容は、法人への聞き取り結果と内部資 料にもとづき、法人設立の経緯、生産・出荷の 状況、オペレーターや共同作業の労働力、決算 報告、今後の動向である。

1.西原営農組合

西原地区は奈義町の東に位置し、中央には淀 川が北から南へ流れる。北部には構造改善によ り造成された西原ダム、他には前述の東山工業 団地がある。総戸数は76戸、高齢化は町内でも 非常に高く、4割に至る。

当地の農業は、水稲中心で野菜や畜産の主た る経営がなかった。2003年に町の農業用機械事 業7)が中止され、ここに作業依頼していた地区 の農家は、誰に依頼すればよいか困惑した。主 たる担い手もいないなか、このままでは農業が 廃れるとの懸念から、2003年に地区内15人程度 で農業のあり方を検討することとなった。その 結果、2005年に農事組合法人「西原営農組合」

を設立し、これが町内初の集落営農組織となっ た。

当法人の構成員は50戸とJA勝英で、農協を 除く世帯主の内訳は50代以下が10戸、60代が13 戸、70代が9戸、80代が18戸となっている。理 事は8人、監事は2人、任期は2年で、代表理 事のほか副代表をおく。理事の人数は法人設立 時が4人、2012年ごろから数人ずつ増員してい る。その理由は、作業に出る人が理事中心とな るため、その理事を増やしたとのことである。

組織体系は稲、豆、サトイモの各部門がある。

2017年には稲作との作業競合から、アスパラガ スの部門を中止した。

経営耕地面積は20.8ha、おもな作目は水稲 11.5ha、飼料用米98a、飼料稲4.1ha、備蓄用米 1.4ha、黒大豆90aがある。なお、設立初期に行っ ていた作業受託は減少する一方で、法人への農 地貸付が増加している。農産物はおもに農協へ

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出荷し、米の場合は収量の4~5割が農協、3 割が米穀店、2割が町内への流通となっている。

この町内流通は「那岐山麓菜の花米」8)という 減農薬栽培米で、町が買い取りするもの(学校 給食やふるさと納税の返礼品)と、奈義山麓山 の駅のレストランへの出荷である。

利用権設定は10年、農地中間管理機構を介 した借地がある。管理機構設立前は10aあたり 8,000円の地代であったが、設立後は5,000円に 下げた。借地は46戸分で、このうち25戸が自家 の全農地を法人へ貸付している。

オペレーターは理事を中心に5~6人で、田 植え時は機械2台による各ユニットが同時に稼 働、稲刈時は4~5人が従事する。モミの播種 には10人ほどが出役する。草刈りには、理事や 農外就業者のほか地元消防団も参加することが ある(計14人程度)。時給は草刈りが1,300円、

機械等の作業を含む通常が1,000円であり、年間 の決算で剰余があるときは従事分量配当とした こともある。

機械装備については、法人が各種補助事業 および法人の資金で導入したほか、中山間地域 等直接支払制度の受け皿となる「西農会」から リースする場合がある。前者は、田植機(6条)、

コンバイン(4条)、管理機2台、トラクター

(馬力不明)、ドライブハロー、畔塗り機などが ある。後者には、田植機(条不明)、トラクター

(馬力不明)、コンバイン(4条)、ウイングハロー などがあり、その使用料は1回あたりの料金設 定でなく、各機械の減価償却から差し引いた1 年単位の金額としている。

2016年の収支をみると、売上1,744.3万円に対 し、売上原価が2,247.8万円、一般管理費が299.4 万 円 で 営 業 利 益 は △802.9万 円 と な っ て い る

(1,000円以下は四捨五入)。営業外収益は840.1 万円、営業外費用1.7万円、特別損失は5.2万円、

税引き前利益がかろうじてプラスの35.5万円と なる。

今後は、労力的に現状維持でいきたいとし、

後継は下の世代で50代なかばまではいる。10年 後のことは不明だという。奈義アグリネットに

よる相互の交流と視察を行い、よい点を取り入 れるようにしたいという。

2.高円営農組合

高円地区は町の北側、那岐山の麓にあたると ころで、集落は標高270 ~ 360mの範囲に位置 する。総戸数は150戸である。地区内には前述 の山の駅がある。

地区では、2000年に中山間地域等直接支払制 度の受け皿組織として「高円振興組合」が設立 された。交付金については、5割を参加農家へ 配分、残り5割を振興組合で積み立てした。後 者においては、トラクターやコンバインを購入 するための原資とした。その後、当地も高齢化 が進行し、自家で耕作できない家が出てきた。

任意組合をつくっても借地は難しいので、2009 年に農事組合法人「高円営農組合」を設立した。

出資は1戸1万円、計82万円であった。

当法人の構成員は81戸とJA勝英で、地区の 農家はほぼ全戸を含む。世帯主の年代内訳は若 い者で40代後半、高齢者は80代にまでおよび、

60代がもっとも多いという。理事は5人、監事 は2人、任期は3年となっている。

経営耕地面積は18haで、水稲8.5ha、飼料用 米・飼料稲・備蓄米計5ha、ソルゴー2ha(緑 肥用)、黒大豆1.1ha、サトイモ60a、水稲のな かには町が推奨する菜の花米2ha分がある。農 協出荷が中心で、菜の花米の流通は西原営農組 合と同様である(町の買い取り、山の駅)。作 業受託は田植え8ha、稲刈り5ha、畦塗6km、

乾燥調製が個別農家の受託も含めて21,000kgと なっている。

利用権設定は通常5年、農地中間管理機構に よる借地が10年である。借地は43戸分、地代は 10aあたり5,000円、または玄米同30kgとなっ ている。時給は一般作業800円、草刈り1,000円、

役員報酬は5人で計20万円、剰余が生じた場合、

賃金に上乗せして配当したこともある。オぺ レーターは理事5人と、他に50代以下の3人が いる。なお、代表理事は、自家においても1.2ha 耕作している。自家で耕作できるところはやる

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という方針である。労働面については、地区の 消防団へ2ha分の草刈りを依頼している。

農作業機械は、前述の振興組合からリース している。料金の支払いも西原地区と同様で、

2016年は345万円であった。法人が機械を新規 購入するには財政的に乏しく、それを振興組合 の積み立てで賄う意図がうかがわれる。振興組 合の機械装備は、トラクター2台(29PS、51 PS)、田植え機2台(いずれも5条)モミ播 種機、ドライブハロー、畔塗り機、コンバイン 2台(3条、4条)、大豆播種機がある。

2016年 の 収 支 を み る と、 売 上13,463,256円 に 対 し て、 売 上 原 価 が17,083,212円、 販 売 費 および一般管理費が1,320,793円で、営業利益 は△4,940,749円となっている。営業外収益が 6,624,334円で、経常利益は1,683,585円となる。

今後の課題はまず後継者の確保で、現60代の 理事兼オペレーターから下の世代に、営農全般 を継承できるかが問われている。減反廃止の対 応(米直接支払7,500円/10aの廃止)は、総会 においても話題にのぼる。法人では、国が推奨 する飼料米への転換や収益性のよい品目の導入 などを考えたいとしている。

3.中島西営農組合

中島西地区は町の南側で勝央町と接し、滝川

と高殿川の合流する付近一帯にある。先の2地 区と異なり、当地区の大部分は平地で耕地条件 はよい。総戸数は140戸である。

地区では、2007年に地域農業において、農業 者の高齢化や機械の出資等コストの問題に対応 するため、中島西営農組合(任意組合、25人)

が設立された。当組合は3~4年後に法人化す ることを念頭におき、2010年に構成員を対象に 法人化検討のためアンケート調査を行った。結 果、法人化が決定し、発起人会が設立され出資 金200万円で法人となった。また、2010年には 中山間地域直接支払いの集落協定組織として、

「中島西振興組合」が設立された。

当法人の構成員は48戸とJA勝英で、その世 帯主の年代は40 ~ 70代、とくに60代未満は兼 業農家が占める。理事は6人、監事は2人、他 に会計・渉外・機械の各顧問3人をおく。理事 は町議会議員、森林組合、元役場職員、元国家 公務員などがいる。任期は3年で再任を妨げな い。組織体系は理事会のほか、経営企画、作業 労務、会計の各部門からなる。

経営耕地面積は18ha、作付は水稲12.4ha、飼 料稲1.2ha、飼料用米2.1ha、黒大豆1.4ha、小豆 51a、野菜62aとなっている。出荷は農協中 心で、野菜は直売所で販売される。菜の花米

(2.2ha)の流通は、前述2法人と同様である。

表3 中島西営農組合の主要作業料金

作業 料金(円) 特記

ロータリー耕起・荒起こし 7,000 ロータリー耕起・二番起こし 6,000

プラウ耕起 7,000

代掻き 6,000

田植 7,000 肥料・除草代は別

刈り取り 21,000 倒伏加算あり 畦塗り(畔塗り機使用) 80 1mあたり

水稲防除 3,500 出穂前1回、薬剤費込み

稲苗 700 1箱あたり

米の乾燥・調整 1,000 30㎏あたり、水分加算あり 黒大豆防除 10,200 3回セット、薬剤費込み 資料:中島西営農組合の第8回総会資料による。

1)特記のないものは10aあたり料金である。

2)構成員以外の場合は10%増となる。

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作業受託は田植えと稲刈でおのおの30ha、育苗 は2,600箱である。主要作業の料金は表3のとお りである。

利用権設定は5年(2013年までは10年)、借 地は15戸、料金は3,000 ~ 5,000円/10aとなっ ている。時給はオペレーターの作業1,000円、草 刈りなどが800円。法人には専従オペレーター 1人が存在する。かれは40代で元病院職員、現 在は農業専門で水稲等の個別経営もしている。

法人からの月給は20 ~ 25万円である。かれの 他に40代、50代の各1人、70代2人のオペレー ターがいる点も特筆される。作業補助(法人で はサブという)は9人程度いる。また、70代の 元自衛隊員2人を臨雇し、かれらは草刈りに従 事する。

法人の所有機械は、トラクター2台(41PS、

85PS)、コンバイン(4条)、田植え機(6条)、

反転プラウ、畔塗り機、ロータリー、代掻きハ ローなどがある。なお、大豆作については、中 島西農用地高度利用組合の所有機械をリースし ている。

2016年の収支をみると、売上15,010,021円に 対して、事業費用が21,765,102円、販売費・管 理 費 が1,370,456円 で、 事 業 利 益( 営 業 利 益 ) は△8,125,537円となっている。営業外収益が 8,659,582円、事業外費用が11,000円で、経常利 益は523,045円となる。

法人成立以降、経営耕地面積は年2~3ha程 度で増加傾向にあるという。専従オペレーター を中心に、どの程度まで耕地の維持管理ができ るか、その検討もしだいに必要となる。なお、

中島西では、当法人のほかに前述のA社に貸付 する家がある。しかし、営農組合とA社との間 で土地の競合は生じていない。

Ⅳ.集落営農法人の比較と考察 奈義町の集落営農組織の設立および法人化 は、2005年に西原地区で先行したが、その動機 は地域の農業を守ることであった。また、こ のころは農政が経営所得安定対策大綱を公表 し、担い手要件を都府県の個別農家4ha以上、

表4 集落営農3法人の概要と比較

西原 高円 中島西

設立年(法人化年)2005年(同) 2009年(同) 2007年(2010年)

構成員 50戸 81戸 48戸

経営面積 20.8ha 18ha 18ha

おもな作目 水稲、飼料用米、飼料稲、

黒大豆 水稲、飼料用米、飼料稲、

備蓄用米、黒大豆、里芋 水稲、飼料用米、飼料稲、

黒大豆、小豆、野菜

労働力の現状

実働オペレーターは5~

6人(理事)。モミなどは 10人程度確保。草刈りは 2016年から地元消防に依 頼。

実働オペレーターは、5 人の理事ほか、3人(い ずれも60代未満)。草刈り は消防に依頼。自家の経 営もある。

専従オペレーターが1人、

他に兼業で3人。サブは 9人程度いる。草刈り等 に 2 人( い ず れ も70代、

臨雇)。

機械の所有・利用 法人所有の機械を使用す るほか、西農会からリー

スする。 振興組合からリースする。法人所有の機械があるが、

農用地高度利用生産組合 からのリースもある。

アグリネットとの かかわりと参加の

意義

特殊な機械を借りたい。

良いものを取り入れる(消 防団への草刈り依頼)。

密苗の田植えに協力した。

要望があれば、オペと機 械を貸す。新しい事業な ど参考にしたい。

要望があれば、オペと機 械を貸す。情報交換と連 携を模索している。

資料:各法人の提供資料と聞き取りによる。

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5年後に法人化予定の集落営農20ha以上に限 定して、政策対象を絞った経緯がある(田代、

2012)。西原地区は設立時から法人でスタート したが、中島西は任意組合から法人へと移行し た。なお、法人化率の高さについては、必ずし も関係機関の強い指導があったというわけでな い。農業普及指導センターや町が設立にむけて の説明会を行うことはあるものの、あくまで地 域の創意で法人化が進んだようである。それを 後おししたものとしては、町単独の集落営農設 立助成9)、県など各種の充実した農業用機械等 導入事業があげられる。また、農地の利用権設 定をする際にも法人化が不可欠であった(高円 などでの聞き取り)。いずれにしても、政策対 応と地域農業の実状の両面から、集落営農の組 織化および法人化の素地があったといえる。以 下では、3つの集落営農を中心に、おもな作目 と出荷、労働力の現状、機械の利用、収支構造 について比較考察する(表4)。

まず、主要作物をみると、いずれの法人も 食用米のほか、新規需要米の飼料用米や飼料稲 も栽培している。このことは、神田(2017a;

2017b)でも同様の状況で、新規需要米への助 成の充実さもあり、集落営農の経営継続に大き く関係するものである。米価の低迷基調と2018 年の米作付の助成廃止により、今後も新規需要 米の作付が増加する可能性はある。町が推進す る菜の花米については、3法人とも栽培してい る。いずれの法人も面積2ha程度で付加価値は 高いとはいえず、その栽培においては、他の戦 略作物よりも助成単価は抑えられていることか ら、町への協力的な意味合いの方が大きい。ま た、勝英地域で広く生産奨励されている大豆や、

町特産のサトイモなどの生産も若干ながらみら

れた。出荷については農協主体で、一部の作物 は直売所などへ出荷される。大規模経営のA社 が、宅配や米穀店加工業者など多様な販路を有 し、作付前にすでに販売先が確定しているのと は対照的である。

主たる労働力については、機械を操作する オペレーターということになるが、それを西原 と高円では理事が中心に担い、高円の場合は60 代未満もいる。一方、中島西では、専従のオペ レーターが存在し、法人から月20 ~ 25万円ほ どを得ていた。当法人は、他にも兼業で3人の オペレーターを擁している。集落営農の全国的 動向において、オペレーターなどの中核的労働 力が不在の組織もあるなかで、以上3法人では オペレーターが確保されている点をまず指摘し ておきたい。しかし、このオペレーターへの農 作業が現状のままで10年以上も続くわけではな く、若い世代への営農継承が重要である(高円)。

西原では、オペレーターイコール理事という構 図のなかで、作業に出役することを前提に理事 の数を増やした。当法人の歴代代表3人をみる と、いずれも理事および副代表を経験した後に 就任している。すなわち、役職経験を積むこと で、段階的に集落営農をリードしていくことが 求められている(表5)。

また、人手を擁する草刈りには、地元消防団 を利用したり、臨時の作業者を雇用したりして いる。消防団への要請については、奈義アグリ ネットの情報提供から始まったケースであり、

未調査の他の集落営農法人でも導入されてきて いる。

集落営農組織は、各種事業だけで機械一式を 導入できず、当然自己負担による導入もあり、

その経費は無視できない。機械の過剰投資の問

表5 西原営農組合の理事の変化

年 2005~07 08~09 10~11 12~13 14~15 16~17

組合長 A A B B B G

副組合長 B B C C G I

理事 C、D C、E E、F E、F、G C、E、F B、C、F 資料:西原営農組合の内部資料による。

(9)

題である。本稿の例は、法人が機械一式を装備 するのでなく、地区内の他組織からリースして いた。このリース方式は、法人の売り上げに関 係なくかかる固定費の削減にほかならない。機 械にかかる経費を抑えている点で、法人の関係 組織との連携によるリース方式は興味深い。た とえば、中島西では、集落営農活動のなかに、

集落協定組織や他の生産組織との連携を明確に 位置づけている(総会資料による)。

最後に、法人の収支構造をふれておきたい。

決算書を検討した結果、いずれの法人も営業利 益のマイナスを各種補助金でカバーして、経常 利益がプラスとなる収益構造であった。

補助金の重要性があらためて認められ、とき の政策変更が法人経営にも影響をあたえる。事 実、中島西では、2014年度の決算が米作付助成 の減額、米価下落によって減収減益となった。

また、西原においても、2014年度は税引き前利

益がマイナスとなった(15年度以降はプラス)。

その後の回復には、地代の見直しも関係してい る。すなわち、支払地代が2015年は経費の7%

にあたる180.9万円であったが、2016年は半減し て99万円となっている。経費における地代や人 件費が決して高くない現状では、これ以上の経 営努力に限界がある。地代に関しては、今後地 代ゼロも出てくるのではないか。

地域農業の問題や政策への対応において、そ の情報の共有や組織間の連携も重要である。奈 義町において、その役割を担う組織が奈義アグ リネットである。次章では、この連携組織の可 能性を検証していきたい。

Ⅴ.農業連携組織の可能性 1.奈義アグリネットについて

奈義アグリネットは2014年6月に設立され

図2 奈義アグリネットの運営方針 資料:アグリネット提供資料による。

(10)

た。その目的は、集落営農組織と個別経営体(い わゆる担い手)の相互の交流や連携を図り、各 事業・運営の活性化、水田農業の維持・発展に つとめることである10)。会員は、人・農地プラ ンに位置づけられた経営体で、2017年現在、集 落営農10法人、個別経営体23、奈義町役場産業 振興課に事務局をおき、オブザーバーには勝英 農業普及指導センターと勝英農協営農生活部が 参加している。

運営方針は、図2のようになる。アグリネッ トでは、集落営農と個別経営体との交流により、

栽培技術・経営研修会や意見交換などの活動を 推進する。そうした活動では、会員相互の農作 業の受委託、機械の相互貸し借り、若手の確保 と育成が期待され、奈義町の水田農業の維持・

発展へとつなげることが念頭にある。

この4年間の活動をみると、役員会や総会を 含めて年間6~9回の活動がある。年間の活動 をみると、①栽培技術研修や実証圃の視察(乾 田直播、省力化作業、暗渠排水)、②栽培技術 の情報提供、③吉備路ネットワーク11)との交流 会(年1回)、④活動報告会などがある(表6)。

2.奈義アグリネットとのかかわりと農業連携 前述の表4には、集落営農とアグリネットと のかかわりと参加の意義を示している。西原と 高円は、集落営農活動で参考になることや新し い事業を取り入れたい意向をもつ。アグリネッ トの情報や働きかけによって取り入れた内容に は、地元消防団の草刈りや機械・オペレーター の相互貸し借りがある。

前者については、もとは関本地区の集落営農 組織が消防団に草刈りを依頼していたことがあ り、また農業者の多くが消防にもかかわってい た。このことにアグリネットは注目し、地元消 防団への意向調査、営農組織と消防との意見交 換会(2016年8月)を行った12)

一方、後者については、吉備路ネットワーク との交流会において、当組織が先行している機 械・オペレーターの相互貸し借りに関する情報 交換があった。また、町内の組織間における機 械とオペレーターの貸借の意向調査がなされた

(表6参照)。西原では、2017年に隣接の集落営 農のオペレーターに直播作業を依頼した。高円 と中島西においても、依頼があれば機械を貸す 意向をもつ。

表6 奈義アグリネットの活動

年度 内容

2014 栽培技術研修・実証圃視察・会員相互訪問(西原営農組合、個別経営体1)

栽培技術研修・実証圃視察・会員相互訪問(高円営農組合)

2015 湛水直播栽培研修会(西原地区)

吉備路ネットワークとの交流会・現地視察(個別経営体1)

乾田化対策研修会(高円地区)

乾田化対策研修会(荒内西地区)

2016 省力化作業検討会(西原地区、センチピード畦畔吹きつけ作業)

消防団との意見交換会

吉備路ネットワークとの交流会・技術研修会(広岡地区)

技術研修会・黒大豆の収穫・選別について 2017 GPS・自動操舵補助システム実演研修会

水稲密播き栽培の実演研修会(高円営農組合)

吉備路ネットワークとの交流会・技術研修会(総社市)

機械の相互貸し借りについての実態調査

資料:奈義アグリネット会員情報誌、奈義町産業振興課資料による。

注)おもな活動のうち、役員会、活動報告会はのぞく。

(11)

また、アグリネットでは栽培技術や農作業の 省力化が検討されてきた。その際、先行してい た地区が研修や視察に協力したり、試験的な栽 培技術を導入したりしている。たとえば、西原 では、センチピードグラスの畦畔ふきつけを行 い、草刈りの省力化を図る。また、高円では、

密播苗の田植えを試験的に開始している。

以上のように、アグリネットはゆるやかな組 織とはいえ、水田農業の維持・発展のため、栽 培技術の提供、組織間の連携を図ってきた。ま た、アグリネットがモデルとなった外部の組織 とのネットワークのなかで、新たな情報を得た り、学習したりする点は非常に興味深く、今後 の地域農業のあり方にも一石を投じるものであ る。ただし、これまでの活動をみると、組織経 営に関するものが多い。事実、各種会合への参 加率は集落営農組織の方が高い13)。個別経営体 も集落営農組織も、水田農業を進めるという共 通点をもつ一方、前者は稲作以外の経営のウエ イトが大きい場合があり、両者の間で意見や課 題を集約しにくいのではないか。本稿ではとく に組織経営に焦点をあててきたが、個別経営も 土地利用型農業の主体でかつ水田農業の維持と 発展を図るならば、個別経営の参加の意義も問 われる必要があろう。

Ⅵ.おわりに

本稿では、岡山県奈義町を例に、集落営農 の地域的展開と農業連携組織の可能性を検討し た。当町の集落営農は、経営耕地面積が10 ~ 20haの間で大きいとはいえないものの、法人化 率がきわめて高いことが特徴である。調査した 3法人では、オペレーターが少なくとも5~6 人程度確保され、そのオペレーターを中心にす えながら、人手を擁する作業には地元消防団や パートを利用するなどの対応がみられた。生産 面では、食用米のほか新規需要米を導入して政 策対応を図り、また豆やサトイモなどとの複合 経営を特徴としている。集落営農の現段階は、

法人への利用権設定、オペレーター中核方式

(中島西では専従オペが農作業を行う)、作業出 役に労賃を配分、などが特徴で、やはり地域か ら自立した経営体となることは想定されていな い。

奈義アグリネットは、水田農業の維持・発展 のため、栽培技術の提供、組織間の連携を進め てきた。集落営農においては、オペレーター・

機械の貸し借り、地元消防団への意向調査と農 業への参加などを検討したり、実施したりして いる。事例とした法人も、アグリネットとかか わるなかで新たな事業を参考にしたい意向をも つ。

本稿を閉じる前に、県北地域の組織的な営農 のあり方と地域農業の維持について、これまで の研究(神田、2017a;2017b)にもよりなが ら考えてみたい。まず、2015年農業センサスに よると、岡山県備前・備中地域には経営耕地面 積が100ha超の農業法人がみられる。一方、県 北の美作地域には、100ha超の大規模法人はな く、せいぜい50 ~ 100haの間で2法人がみられ るのみである。集落営農組織は、とくに美作地 域で組織率が高い。しかし、当地は中山間地域 が多くを占め、その規模は20ha前後の規模で、

協業的な任意組織の段階も多い。主たる個別の 担い手農家もいないなかで、地域農業における 集落営農の果たす役割はますます高まるであろ う。その営農活動のカギは、既存の営農組織や 直接支払いの受け皿組織との連携であり、本稿 でみたように、たとえば法人の機械所有を最低 限にして、既存の組織から借り受けるというも のである。また、組織間の連携では、やはり地 域資源の共同管理、遊休農地の防止と利用、獣 害防止、交流事業なども視野に入ってくる。こ のようにみると、長野県の集落営農法人の例の ように、利益追求型で突き進むのでなく、地域 の存続をめざす「農村経営」(鈴木ほか、2015)

がのぞましい姿といえる。ただし、美作地域で は、少なくともこのような「農村経営」にまで 踏み込んだ集落営農はほとんどない。

他の美作地域と異なり、奈義町の場合は、前 述のとおり50ha規模の法人経営がある。A社は

(12)

町内に管理農地を有するが、それが集落営農の 農地と競合することはない。また、当社は地域 との関係も重視しつつ、集落営農への支援や新 規就農者への指導も行い、地域農業へかかわろ うとする意識が高い14)。大規模法人といえども、

利益追求だけで進むわけでなく、地域との関係 にも配慮していることがうかがわれた。そのよ うな集落営農と大規模法人との共生関係が今後 求められる。

本稿の調査は、減反廃止が迫る直前の2017年 に重点的に行った。減反廃止は、地域農業をど のようにかえていくのか、それとも現状の状態 をそう変えずにすすむのか。首相官邸での議論 とは異なる、現場での実態調査がこれからも求 められる。集落営農は地域農業の担い手として 重要で、その崩壊が地域に及ぼす影響は大きい。

その動向にこれからも注視していくつもりであ る。

[追記]本稿の調査にあたって、勝英地域農業 普及センター、奈義町役場産業振興課、集落 営農組織、法人組織の代表者の皆さまには、

聞き取りと資料提供にご協力いただきまし た。以上記して心よりお礼申し上げます。な お、本稿の骨子は、2018年度日本地理学会秋 季学術大会(和歌山大学)にて報告しました。

1)農産物の収入が、過去5年平均(基準収入)

の9割を下回った場合に補償される。補償 額は、基準収入の9割相当の額と実際の収 入との差を「減収部分」として、その9割(最 大)となっている。本制度は2019年1月か ら開始される。

2)農林水産省政策統括官編(2018):「飼料用 米の推進について」による。http://www.

maff.go.jp/j/seisan/kokumotu/attach/pdf/

siryouqa-26.pdf(2018年2月20日閲覧)

3)田代(2012)では、集落営農の類型を任意 組織の段階、法人化の第1段階、法人化の 第2段階を提示した。すなわち、第1段階

は、法人への利用権設定、一部作業の地権 者への再委託、従事分量配当制などを特徴 とし、第2段階は特定のオペレーターが専 従で農作業を行い、かれらの生活を保障す るだけの配分を受け、地域から自立した存 在となる。その後の田代(2016)では、こ の類型を修正し、任意組織成立前の準備段 階(第1段階)を加えて計4段階とした。

4)「奈義町過疎地域自立促進市町村計画(平 成22年度~平成27年度)」による。

5)集落営農の概要については、勝英農業普及 指導センターの提供資料による(2017年現 在)。

6)ここで取り上げる個別経営体とは、「人・

農地プラン」に位置づけられた経営体であ る。すなわち、奈義町における農業の中心 的担い手ということができる。

7)町では、1993年から農業公社設立にむけた 準備室の開設や検討が進められた。そのな かで、農家の作業委託に対応するため、町 の直営方式により農業用機械事業が開始さ れた。しかし、機械の老朽化と修理費など の経費増大により、事業は中止された(奈 義町誌編さん委員会編、2014)。

8)菜の花米は、菜の花を緑肥として化学肥料 の低減と減農薬栽培(いずれも慣行栽培の 5割低減)によって生産される。その栽培 には、エコファーマーの認定を受ける必要 があり、栽培農家および組織は現在、環境 保全型農業直接支払いの助成を受けてい る。カバークロップ(緑肥)の作付には、

10aあたり8,000円が助成される。町の買い 取りは慣行栽培米の価格+2,000円/60kgで ある。2017年は、16経営体、計18haで栽培 された。

9)任意の集落営農組織では、地区内参加農家 が5割未満10万円、同5割以上20万円、集 落営農法人組織では、地区内参加農家が5 割未満30万円、同5割以上40万円の助成が 受けられる。したがって、法人設立の方が 助成額が多い。

(13)

10)勝英農業普及指導センター資料および奈義 アグリネット会員情報紙(2017年1月発行)

による。

11)県南の総社市のネットワーク型組織である。

奈義アグリネットは、当組織をモデルに結 成された。

12)聞き取りおよび情報紙「はればれ 平成28 年度版」による。

13)産業振興課での聞き取りによる。各会合の 集落営農組織の出席は、組織全体の2/3程 度である。

14)A社が所在する柿地区では、2015年に集落 営農組織が設立された。当社は、この集落 営農が軌道にのるまで、農作業や農業用機 械の貸与などで支援する方針を示す。

〔文献〕

荒井 聡(2017)『米政策改革による水田農業 の変貌と集落営農-兼業農業地帯・岐阜か らのアプローチ-』筑波書房,309p 安藤光義(2016)「水田農業に与える政策の影

響-飼料用米と集落営農-」(星 勉・小 沢 亙・吉仲 怜・大仲克俊・安藤光義編『水 田利用の実態-我が国の水田農業を考える

-』筑波書房)pp.51-62

神田竜也(2017a)「岡山県津山市における集 落営農組織の特質と課題-2つの法人組織 の例から-」奈良大地理23,pp.44-55 神田竜也(2017b)「岡山県久米南町北庄にお

ける集落営農の地域的展開とその役割」棚 田学会誌18,pp.83-96

田代洋一(2012)『農業・食料問題入門』大月書店,

310p

田代洋一(2016)『地域農業の持続システム-

48の事例に探る世代継承性-』農山漁村文 化協会,293p

田 林  明・ 菊 地 俊 夫(2016)「 北 陸 地 方 に お け る 農 業 の 存 続・ 成 長 戦 略 」E-journal GEO11(2),pp.425-447

鈴木宣弘・姜 薈・大仲克俊・竹島久美子・星  勉・曲木若葉・安藤光義編(2015)『我

が国の水田農業を考える(下巻)-構造展 望と大規模経営体の実証分析-』筑波書房,

62p

奈義町誌編さん委員会編(2014)『奈義町誌(第 3巻)』奈義町,579p

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