太 田川 デ ル タ にお け る河 川 と沿 岸 帯 水層 で の水循 環
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(2) 1217. 太 田川 デル タにお ける河川 と沿 岸帯 水層 で の水循環. 図‑2. 地 下 水 位 観 測 地 点(St.1〜3‑2)に. お け る地 質 柱 状 図(柱. 状 図 の 左 の 数 字 は地 表 面 か らの 深 度(m)を. 示 す). ル タ沿 岸 域 で は潮 汐 の 影 響 が 重 要 と考 え られ るた め,ま ず,デ. ル タ の地 質 特 性 と地 下 水 位 お よ び水 質 の 潮 汐 変 動. と季 節 変 動 か ら太 田 川 デ ル タ の地 下 水 構 造 に つ い て 検 討 す る. 図‑3. (1) 解 析 対 象 デ ー タ. 太 田 川 デ ル タ 地 下(St.1〜3‑2)と. 河 川(St.4〜6)で. の水位 ・. 水 質特 性. 広 島市 内には国土交通省 中国地方整備局 で管理 されて い る4箇 所 の 観 測 井(祇 園:St.1,大 St.3‑1,八 丁 堀2:St.3‑2)が さ れ て い る.図‑1は 標 高,お. 芝:St.2,八. 丁 堀1:. あ り,毎 時 の 地 下 水 位 が 記 録. 太 田川 デ ル タ の河 岸 ・海 岸 線,地 盤. よ び本 論 文 で 用 い た デ ー タ の調 査 地 点 を示 して. い る.図‑2は. 観 測 地 点 に お け る地 質 柱 状 図 を 示 して い る.. 破 線 は ス トレー ナ の位 置,下. 線 付 き の数 字 は ス トレー ナ. の 幅 を 示 して お り,St.1〜3‑1で. は 透 水 性 が 低 い厚 さ1m. を 超 え る シル トあ る い は 粘 土 層 よ り深 い位 置,St.3‑2で は それ よ り浅 い 位 置 に ス トレ ー ナ が設 け られ て い る.各 観 測 井 で は地 下 水 位 の他,2006〜2007年 塩 分 を10分 毎 に連 続 測 定 した.測 ‑10m ,‑23m,‑34m,お. 図‑4. St.7に お け る 河 道 断 面 と観 測 地 点.1,2は. 大 潮 期,3,. 4は 小 潮 期 の 満 潮 位 と 干 潮 位 を 示 して い る.. に か け て水 温 と. 定高 はそれ ぞれ標 高. m以 上)が 不 圧 帯 水 層 で あ る た め に潮 汐 エ ネ ル ギ ー が 伝. 時期. 播 す る過 程 で 急 減 して い る こ とが 考 え ら れ る.St.3‑1と3‑. に は上 流 域(St.4)・ と河 口域(St.5)に お け る河 川 水 位(国 土. 2で は塩 分 が 浸 透 し,標 高 の 高 いSt.2に 比 べ て 海 水 の 影. 交 通 省)お よ び,上. 響 を 強 く受 け て い る.平 均 水 位 の差 は 標 高 の 違 い が 主 な. よ び‑15mで あ る.ま. た,同. 流 域(St.6)と 河 口域(St.5)の 水 温 ・塩. 分 が観 測 され て い る.. 原 因 で あ るが,St.3‑1で は 同 地 点 のSt.3‑2に 比 べ て 水 位 が. (2) 河 川 と沿 岸 帯 水 層 で の水 位 ・水 質 変 動 特 性. 約20cm低. 図‑3は デ ル タ沿 岸 の帯 水 層(St.1〜3‑2)で の地 下 水 位 と. 以 下 に あ る透 水 性 の低 い粘 土 層 が 下 部 の 帯 水 層 を 密 閉 し. く保 た れ て い る.図‑2に. 示 す よ う に,深 度11m. 温)の 変. て い る こ と,ま た そ の シル ト ・粘 土 層 が 形 成 さ れ て い る. 動 特 性 を 示 して い る.河 川 水 位 お よ び地 下 水 位 は東 京 湾. の はSt.1付 近 よ り下 流 側 で あ る こ と(建 設 省 中 国 地 方 建. 平 均 海 面 を 基 準 高 と して い る.平 均 値,潮. 設 局 太 田川 工 事 事 務 所,1993)か. 河 川(St.4〜6)で の 水 位,お. 変 動 成 分 の振 幅),お. よ び 水 質(塩 分,水. 差(半 日周 期. よ び年 較 差(年 周 期 変 動 成 分 の振 幅). は2003/1/1〜2005/12/31ま. で の3年 間 の 観 測 デ ー タを 調 和. 分 解 す る こ とで 求 め た.ま. た,塩 分,水 温 に つ い て はSt.. 2以 外 は2006/9/15〜2007/11/15,St.2は2007/7/12〜2007/. 河 口 水 位(St.5)はM2分 れ が 約12cmと. 潮 の 潮 汐 振 幅 が 約1mあ. り,そ. 約8cmの 潮 汐 振 幅 と な ってSt.2と3‑1ま で 伝. 播 して い る.一 方,St.3‑2で. 頭 を 伝 達 し,約30mよ. り深 層 の 被 圧 帯 水 層 の 地 下 水 位 を. 引 き下 げて い る もの と考 え られ る. 以 上 の よ う に,太 田 川 デ ル タ中 央 部 で は デ ル タ固 有 の 地 盤 特 性 に よ って 深 度 約11〜23mに. 11/15で の観 測 デ ー タを 用 い た.. ら,位 置 水 頭 の低 い 下. 流 域(海 域)で の水 が 連 続 した帯 水 層 を 通 じて負 の 圧 力 水. 存 在 す る シル ト ・粘. 土 層 の 上 下 で 異 な る地 下 水 構 造 が 形 成 さ れ て い る. 3. 河 川 表 流 水 と河 床 間 隙 水 の 循 環 機 構. は潮 汐 振 幅 が ほ とん ど現 れ. て い な い こ とか ら,シ ル ト ・粘 土 層 よ り上 の 表 層(約11. 太 田 川 デ ル タ沿 岸 域 で は大 潮 期 の 潮 差 が 約4mあ. るた.
(3) 1218. 図‑5. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). (a). (c). (b). (d). 矢 口第 一(St.4)での河川 流量 推定 値,広 島 地方 気象 台 で の降水 量,お よ び太 田川放 水 路 中流域(St7)の 低 水路 中央 にお け る 水 位,河 川 水塩 分 と河床 地盤 内塩分. め,河 岸 の 透 水 性 に よ って は河 道 流 量 の 変 化 を沿 岸 帯 水. にGL‑15cm以. 層 が 吸 収 す る 河 岸 貯 留 効 果(bank storage effect,Freezeら,. か ら の低 塩 分 水 の浸 透 が 示 唆 され る.た だ し,GL30cm. 1979)が 非 常 に大 き い と考 え られ る.ま た,太. 上 の地 盤 内 で 塩 分 が 低 下 して お り,河 床 面. 田川 河 口. で は河 床 面 か らの 低 塩 分 水 の 浸 透 の影 響 は小 さ く,最 低. に は干 潟 地 形 が 形 成 さ れ て い る こ とか ら,干 潟 生 物 の 棲. 地 下 水 位 面 よ り下 に位 置 し,間 隙 水 の 流 動 が 小 さ い こ と. 息 環 境 形 成 の か ぎ と な る河 道 内 と河 床 地 盤 内(hyporheic. が 影 響 して い る と考 え られ る.ま た,9月3〜4日. zone:河. 位 低 下 が 小 さ くな る と塩 分 低 下 も小 さ くな る.一 方,海. 道 内 の 水 面 下 部 お よ び 砂 州 や 河 岸 の伏 流 部 分). にお け る水 循 環 機構 に つ い て 現 地 観 測 結 果 か ら検 討 す る. (1) 現 地 観 測. 頃 に水. 水 遡 上 に伴 って 河 川 水 塩 分 が 上 昇 す る と,速 や か に地 盤 内塩 分 は回 復 して い る.以 上 の こ と か ら,大 潮 干 潮 付 近. 太 田川 放 水 路 中 流 域(St.7,図‑1参 照)の 河 道 断 面 は 図 ‑4に 示 す よ うに 複 断 面 形 状 を 有 して お り ,大 潮 干 潮 時 に. 盤 内 塩 分 が 低 下 し,一 方,高. は低 水 路 護 岸 前 面 に 幅 約30mの 砂 干 潟 が 現 れ,背 面 に は. くな り,地 盤 内塩 分 が 回 復 さ れ る と い う水 循 環 が 形 成 さ. タイ ドプ ー ル が 形 成 さ れ る.図. れ て い る.. 中 の ● 印 の 地 点(干 潟 最. 先 端 部)に お い て2007年8月25日. 〜9月16日(観. 月3日 〜15日(観 測(2))の2度,水. 温 ・塩 分 計 お よ び水 深 計. 測(1))と10. で 河 床 面 付 近 に 淡 水 が 供 給 され る こ と で 河 床 面 付 近 の 地 低 潮 時 に は 河 川 水 塩 分 が高. 観 測(2)の期 間 に は水 位 上 昇 時 にGL‑30cmの. 塩 分が河川. 水 よ り低 くな る時 間 が長 くな り,河 床 面 近 傍(GL‑10cmお. を地 中 に設 置 し,干 潟 地 盤 内 の 塩 分,水 温 の 鉛 直 分 布 と. よ び‑15cm)の 塩 分 が 期 間(1)より高 い.こ れ は9月18日 頃 に. 地 下 水 位 を連 続 測定 した.デ ー タの 測 定 間 隔 は10分,地. 150m3/s規 模 の 出水 に伴 っ て河 床 地 盤 内 の 塩 分 が 低 下 した. 下 水 位 の基 準 高 さ は河 床 面 か ら‑30cmと した.観. 後,河 川 流 量(淡 水 流入)の 減 少 と共 に河 川 水 塩 分 が 高 ま っ. 測(1)で. は河 床 面(図 中 でGLと 記 す)か ら‑10cm,‑15cm,‑30cm,. た た め に 河 床 面 近 傍 で 塩 分 が 速 や か に回 復 した の が 原 因. 観 測(2)で は‑5cm,‑10cm,‑30cmで. で あ る.GL‑30cmで. 間 隙 水 の 水 温 ・塩 分. は河 床 表 面 か らの 河 川 水 浸 透 の 影 響. を測 定 した.河 川 水 と間 隙 水 の交 流 を 考 察 す るた め,同. が 小 さ い た め,塩 分 が維 持 され た と考 え られ る.し たが っ. 時 に河 床 面 直 上 の河 川 水 の 塩 分 ・水 温 も測 定 して い る.. て,地 盤 内 の 水 環 境 を 安 定 的 に維 持 す る に は河 川 と浅 層 地下 水 の循 環 に も配慮 す る ことが 重 要 と考 え られ る.. (2) 河 川 表 流 水 と 河 床 間 隙水 の 循 環 機 構 図‑5は 矢 口 第 一(St.4)で の河 川 流 量(推 定 値),広 方 気 象 台 に お け る 降 水 量,お. 島地. よび太 田川放 水路 中流 域. (St.7)の 低 水 路 干 潟 に お け る 河 川 水 塩 分(GL+0cm),お よ び 河 床 地 盤 内 塩 分 を示 して い る.こ タ は除 か れ て い る.な お,8月31日. こ に干 出 時 の デ ー. 〜9月2日 と10月8日 〜. 9日 にか け て は広 島 地 方 気 象 台 にお い て10mm/h未. 満 の降. 雨 が 観 測 さ れ て お り,St.4の 河 川 流 量 が 増 加 して い る. 観 測(1),(2)の 両 期 間 と もに 河 川 水 塩 分 は 干 潮 付 近 で 地. 4. 出 水 に 伴 う地 下 水 位 変 動 と浅 層 地 下 水 の 貯 留 量 地 下 水 利 用 の 視 点 か らは 地 盤 内 へ の貯 留 が メ ンテ ナ ン ス ーフ リー で 自然 環 境 へ の影 響 が 小 さ い こ とや 雨 水 浸 透 に よ って 再 生 可 能 で あ る こ と等 の 利 点 が あ る.一 方 で, 適 地 選 定 の難 し さや 貯 水 効 率 の 低 さ,お よ び そ の容 量 の 見 積 り の 難 しさ 等 が 技 術 的 問 題 と して 挙 げ られ る(例 え ば,Tuinhofら,2002).本. 章 で は,デ. ル タ地盤 内で の. 盤 内 塩 分 よ り も低 い 状 態 に な る.観 測(1)の期 間 で は,河. 出水 に 対 す る地 下 水 位 の応 答 特 性 を 明 らか し,地 下 水 の. 床 面 よ り水 位 が低 下 す る大 潮 干 潮 時(8月31日 〜9月3日 頃). 貯 留 能 力 を 試 算 した..
(4) 太 田川 デル タに お ける河川 と沿岸 帯水 層 での水 循環. 1219. (a) (b). (c). 図‑6. 2004年7月. 〜9月 に お け る(a)海 面 気 圧(A:台 風10号,B:台. 風16号,C:台. (b)St.3‑1. (a) St・2. 図‑7. 2004〜2005年. 風18号),(b)河. よ び(c)地 下 水 位. (c)St.3‑2. に お け る河 川 水 位(St.4)の 変 動 に対 す る 地 下 水 位 の 応 答 特 性. 表‑1 地質毎に用いた粒径 の代表値. (1) 出 水 に 伴 う地 下 水 位 変 動 特 性 2005年9月7日. 川 水 位 と2日 間 降 水 量,お. に は 台 風14号(TYO514)が. 広 島周 辺 を通. 過 し,矢 口 第 一 地 点 で推 定 約7,200m3/sの 既 往 最 大 流 量 を 記 録 した.こ の 時 期 を含 め た2004〜2005年 水 位 と地 下 水 位 の 関 係 に つ い て,主. における河川. 要4分 潮 を 含 め た13. 分 潮 を考 慮 して 調 和 分 解 し,天 文 潮 成 分 を 除 いて 検 討 し た. 図‑6は2004年7〜9月 海 面 気 圧(SLP),(b)河. に お け る(a)広 島 地 方 気 象 台 で の 川 水 位(RWL,St.4)と. 象 台 で の2日 間 降 水 量,(c)地 下 水 位(GWL)の. 広 島地方 気. こで は潮 汐成 分 は除 去 され て お り,グ レー の記 号 は全 デ ー. 毎時変動 を. タ を 示 して い る.ま た,黒. の記 号 は2005年 台 風14号 接 近. 示 して い る.図 中 の 矢 印 の 時 期 に は瀬 戸 内 海 沿 岸 に甚 大. 時,破. な 被 害 を 及 ぼ し た台 風16号 と18号 を 含 む3つ の 台 風 が 接. 矢 印 は水 位 低 下 時 を 示 して い る.な お,14号. 近 し て い る.台. 2日 間 降 水 量 は約160mmで. 200mmに. 風10号 接 近 時 に は2日 間 降 水 量 が 約. 達 し,St.3‑1に 比 べ てSt.3‑2の 地 下 水 位 が 上 昇 し. 線 は そ の近 似 直 線,黒 矢 印 は水 位 上 昇 時,白 抜 き 接 近前後 の. あ る.河 川 水 位 に 対 す る地 下. 水 位 の 上 昇 率 はSt.2が 最 も大 きい.St.2と3で. は ヒス テ リ. て い る こ と か ら,St.3‑2で は潮 汐 よ り も 中 間 流 出 の 影 響. シス ル ープ が大 き く,地 下 水 位 の ピー クが 河 川 水 位 の ピー. が 卓 越 して い る と推 測 され る.St.2も 同 様 に 中 間 流 出 の. ク か ら約4時 間 後 に現 わ れ て い る.こ の こ とか ら,浅 層. 影 響 が 強 く現 れ て い る.降 水 量 は10号 よ り少 な いが 最 低. 地 下 水 に は海 面 上 昇 に伴 っ て河 岸 を 通 じて 直接 的 に水 が. 気 圧 が980hPaを 下 回 っ た台 風16号 お よ び18号 の 接 近 時 に. 供 給 され るが,シ. はSt.3‑2に 比 べ てSt.3‑1が上 昇 して お り,地 表 面 か らの 浸. の供 給 は間 接 的 で,中 間 流 出 の影 響 が 遅 れ て現 れ る こ と. 透 よ り も海 面 上 昇 に伴 って 河 岸 か ら浅 い帯 水 層 に効 率 的. が 推 察 され る.. に 地 下 水 が 浸 透 した と考 え られ る. 図‑7は2004〜2005年. に お け る 河 川 水 位(St.4)の 変 動 に. 対 す るSt.2〜3‑2の 地 下 水 位 の応 答 特 性 を示 して い る.こ. ル ト層 以 下 の深 層 地 下 水 に は 河 岸 か ら. (2) 浅 層 地 下 水 の 貯 留 水 量 の 推 定 デ ル タ の 地 質 状 況 に 関 して は,広 島 市 内 で 過 去(1957 〜2002年)に. 井 戸 掘 削 さ れ た際 の 深 度 毎 の地 質 デ ー タが.
(5) 1220 表‑2. 海. 岸. 工. 学. 論. 土 の空隙 率,保 水 率 と有 効空 隙率(土 木学 会,1999). 文. 集. 第55巻(2008) 図‑9は 台 風14号 に 伴 う 出水 に よ る帯 水 層 へ の 浸 透 ・流. 出 時 間 と浸 透 ・流 出 流 量 の比 較 を 示 して い る.台 風14号 時 に は 出水 に伴 う約50cm(St.3‑2の 実 測 値)の 地 下 水 面 上 昇 が 約8時 間 で 生 じ約20日 か けて 出水 前 の水 準 に戻 っ た こ とか ら,こ れ を デ ル タ帯 水 層 で の 代 表 値 と して 用 い れ ば この と きの 貯 留 水 量 は 約9.6×106m3と 推 算 さ れ る.こ れ は 地 下 へ の 総 貯 留 水 量 の 約3%に. 相 当 し,単 位 時 間 当. た りの 浸 透 率(地 表 か らの 浸 透 分 も含 む)は 約3.3×102m3/ sで あ る.こ. の こ と か ら,適 切 な 地 下 水 管 理 の 下 で効 率. 的 な貯 留 ・地 下 浸 透 を 行 え ば デ ル タ帯 水 層 の貯 留 能 力 を 出 水 期 の都 市 部 の 内水 排 除 等 に活 か せ る と考 え られ る. 5. お わ り に 本 論 文 で得 られ た結 論 を 以 下 に示 す. 1) 太 田 川 デ ル タ 中 央 部 の 浅 い 帯 水 層 で は 潮 汐 は 伝 播 せ ず,深. い被 圧 帯 水 層 で は 潮 汐 変 動 と海 水 の 浸 透 が生 じ. て い る等,深. 度 約10mの. シ ル ト ・粘 土 層 の 上 下 で 異 な. る地 下 水 特 性 を 有 して い る. 2) 大 潮 干 潮 期 に は 低 塩 分 水 の 河 床 地 盤 内 へ の浸 透 が 顕 著 に な り,季 節 的 な河 川 流 量 の 増 大 が河 床 面 付 近 へ の 図‑8. 太 田川 デル タの地 表面 か ら第1シ ル ト層 までの標高 分布. 浸 透 水 の塩 分 濃 度 を 低 下 さ せ て い る.一 方,河 30cmで. 床面下. は 河 川 水 の 浸 透 の 影 響 が 小 さ く,地 盤 内 の 水. 環 境 を 安 定 的 に 維 持 す る に は 河 川 と浅 層 地 下 水 の循 環 に も配 慮 す る こ とが 重 要 で あ る. 3) 海 面 上 昇 の 顕 著 な 台 風 接 近 時 に は浅 層 へ の 地 下 浸 透 が 速 や か に行 わ れ る.太 田川 デ ル タ に お け る浅 層 地 下 水 の 貯 留 水 量 は約3.6×108m3に 相 当 す る と 考 え られ る.. 図‑9. 出 水(TYO514)に. よ る地 下 浸 透 ・流 出 時 間 と流 量. 国 交 省 水 基 本 調 査 デ ー タ に ま とめ られ て い る.こ れ らの デ ー タを 用 い て空 間 的 に線 形 補 間 され た地 層 デ ー タ を緯 度 ・経 度 方 向 に0.01°間 隔 の メ ッ シ ュ 上 に 作 成 し た.こ の 際,表‑1の させ,平. よ うに簡 易 的 に地 質 と代 表 的 な粒 径 を 対 応. 均 粒 径 が0.04mm以. 上 を 浅 層 地 下 水 が 出 入 りで. き る貯 留 層 とみ な し,こ の メ ッ シュ デ ー タか ら貯 留 層 の 容 積 を算 出 した. 図‑8は 太 田 川 デ ル タ に お け る地 表 面 か ら第1シ ル ト層 ま で の 標 高 分 布 図 を示 して い る.濃 淡 は 標 高,破 線 は 等 高 線(2.5mピ. ッチ),実. 線 は 太 田 川 河 岸 線,●. は ボー リ. ン グ に よ る地 質 デ ー タ の平 面 位 置 で あ る.太 田川 デ ル タ の 地 表 面 か ら第1シ ル ト層 ま で の帯 水 層 が 存 在 す る エ リ ア の 水 平 面 積 は 約6.4×107m2で. あ り,容. 積 は1.2×10'm3. で あ る.こ の帯 水 層 の 地 質 デ ー タか ら求 め た 粒 径 の平 均 値 は約0.8mmで. あ る こ とか ら,表‑2を. 参 考 に して 間 隙 水. の 出入 りが 可 能 な有 効 空 隙 率 を30%と. 仮定 す るとデルタ. 地 中 に は 約3.6×108m3の 貯 留 水 量 が あ る.. 参. 考. 文. 献. 建設 省 中国 地方 建設 局 太 田川工 事事 務所 (1993): 太 田川 史, 283p. 駒井 克 昭 ・日比 野忠 史 ・水 野雅 光 (2007): 河 川 感潮 域 にお け る淡 水流 入量 の推 定, 海 岸工 学論 文集, 第54巻, pp.976‑ 980. 土木学 会編 (1999): 水理 公式 集, 713p. Alley, W., M., R. W. Healy, J. W. LaBaugh, and T. E. Reilly (2002): Flow and Storage in Groundwater Systems, Science, Vol.294, pp.1985-1990. Burnett, W. C., H. Bokuniewicz, M. Huettel, W. S. Moore, and M. Taniguchi (2003): Groundwater and pore water inputs to the coastal zone, Biogeochemistry, Vol.66, pp.3-33. Freeze, R. A. and J. A. Cherry (1979): Groundwater, Prentice Hall, pp.225-227. Moore, W. S.(1996): Large groundwater inputs to coastal waters revealed by 226Ra enrichments, Nature, Vol.380, pp.612-614. Simmons, G. M. Jr (1992): Importance of submarine groundwater discharge (SHWD) and seawater cycling to material flux across sediment/water interfaces in marine environments, Marine Ecology Progress Series, Vol.84, pp.173-184. Tuinhof, A. and J. P. Heederik (2002): Management of aquifer recharge and subsurface storage—Making better use of our largest reservoir, Netherlands National Committee-International Association of Hydrogeologists..
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