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幼稚園における遊びの援助の構想過程

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幼稚園における遊びの援助の構想過程

1学期の週の指導計画を通して

Processes of Planning Assistance for Playing in Kindergartens – through Weekly Nursing Planning for the First Term -

保育科 榎本 眞実

1.目的と問題の所存

 本研究の目的は、教師の週の指導計画から幼稚園における遊びの援助の構想過程を明らかにすることで ある。このことにより、学生が教育実習中に難しさを感じる遊びの援助について考える際の手がかりにな ると考える。

 平成30年度より実施の幼稚園教育要領は10年振りの改定であり、『幼稚園教育要領解説』には改定の経 緯や基本方針、要点等が記載されている1)。しかし、変わらずに「幼稚園教育の基本」とされていること があり、それは「幼児の自発的活動としての遊びは、心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な学習で あることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として第2章に示すねらいが総合的に達成されるように すること」とある通り遊びの重要性である2)。さらに、「幼児と共によりよい教育環境を創造すること」3)

が求められる幼稚園教育では、「幼児の主体的な活動が確保されるよう幼児一人一人の行動の理解と予想 に基づき、計画的に環境を構成しなければならない」4)とされ、その際、教師は「幼児が何に関心を抱い てるのか、何に意欲的に取り組んでいるのか、あるいは取り組もうとしているのか、何に行き詰まってい るのかなどを捉える必要があり、その捉えた姿から、幼児の生活や発達を見通して指導の計画を立てるこ とになる」5)とある。

 そこで、教師は指導計画を作成する。指導計画には長期と短期があり、長期は年間、学期、月、短期は 週、一日の計画とされている。遊びについても同様と言えよう。しかし、学生によっては「遊びに指導計 画が必要か」という問いをもつことがある。そのことについては小川の『保育援助論』6)に詳しい。小川 は、大人の場合の遊びは他者の援助を必要としないとしたうえで「幼児の場合、自らの自発的・自主的行 為としてやりきることが難しい段階にある。そこで、保育者の援助によって自発的・自主的行為としてそ の活動を行い、充実感・達成感を味わうことができるようにすることが求められている」と遊びの援助の 必要性を述べている。「幼児は自覚しているとはいえないが、自分の遊びが楽しくなるようにしたいとい う願望(志向性)をもっている。しかし、その願いだけで遊びがおもしろくなることはない。どうすれば おもしろくなるかに気づかないで、壊れてしまう遊びも多い。もちろん遊び方を知るのは、見よう見まね、

試行錯誤が必要である。遊び方を体で覚えていくからだ。しかし中には、幼児の遊びへの願望を実現する 条件を整えていないこともある」7)とし、幼児自身による活動の選択が常に成就せず失敗に終わるのでは なく、うまくいかない体験もきっとうまくいくという確信へと結びつくことが必要だと述べている。ここ で、小川の言う「援助」についても説明を加えたい。小川は、「「援助」とは、幼児に対し、どうかかわる ことが可能なのかを見極めた上で、子どもが望ましい状態に達してほしいという大人の願いをもって子ど もにかかわること」とし、「保育における「指導」とは、原則として「援助」でなければならない」と述 べている。その理由として、「幼児が自ら意欲をもって環境に取り組むことによって展開される活動を通 して、自らの目標を達成できるよう援助することが保育という行為」だからだとしているのである8)  ところが、この遊びの援助が学生にとっては難しい。2回目の教育実習では責任実習(登園から降園ま での一日を担任の代わりに担当する日)がある。当然、遊びの時間の計画をたて援助をしなければならな

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教員養成教育推進室年報 第6号

いが、これが計画段階から難しく、一日の主な一斉活動である製作等の計画をたてる方が考えやすいとい うことだ。

 授業においては「保育課程総論」の授業で遊びの指導計画や援助について学ぶ。しかし、教師がどのよ うに具体的に遊びの援助を構想していくかを1学期、1年間等の実際の指導計画を通して学ぶことは難し い。文献においては河邉の『遊びを中心とした保育-保育記録から読み解く「援助」と「展開」-』9) ある。これも実際の週や一日の指導計画や記録を用いて述べているが、やはり長いスパンの指導計画や記 録ではない。

 そこで、ある教師の1年間の週の指導計画からその構想課程を明らかにすることとする。本稿では、ま ず1学期間を対象とするが、このことにより学生が遊びの援助について考える際の手がかりとなると考え る。

2.研究方法

(1)研究対象および対象とした理由

 公立A幼稚園B教師の2年保育4歳児1学期の12週の指導計画を研究対象とする。学級は2年保育4 歳児 19 名である。これを対象とした理由は、次の2点である。まず、B 教師が「遊びを中心として総合 的にねらいを達成したい」と明確に考えていること。2点目は、B教師ができるだけ具体的に子どもの姿 を記録し、翌週の援助につなげたいと考えていることである。

(2)研究方法

 ①B教師の指導計画の内、「前週の子どもの姿」と「環境と援助」を抜粋する。さらに、A園で計画の 柱としている4点、「遊び」「人との関わり」「一斉活動」「生活」の内の「遊び」「人との関わり」部分を 抜粋する。(下記のA幼稚園の週の指導計画の表の内の色かけの部分)

  4歳児 ○○組週案  ○月○日~○月○日       担任名 ○○○○○

週のねらい

前週の子どもの姿 内容 環境と援助

〈遊び〉

〈人との関わり〉

〈一斉活動〉

〈生活〉

〈遊び〉

〈人との関わり〉

〈一斉活動〉

〈生活〉

〈遊び〉

〈人との関わり〉

〈一斉活動〉

〈生活〉

週の流れ 月

②「前週の子どもの姿」には各週①から、「環境と援助」はaから番号とアルファベットを付与する。子 どもは登場順にアルファベットを付与する。なお、同じアルファベットは同一の子どもである。(アル ファベットはY児まで付与されているが、これは隣の学級の子ども6名が加えられていることによる)

③1学期を期(子どもの発達や生活の節目をとらえて各園で年間指導計画を作成する際に区切りとするも のであり、A園では1学期を3期に分けている)ごとに分けて分析考察する。視点は2点、すなわち、教 師が子どもの姿のどのようにとらえているか、どのように援助を構想しているか、とする。

(3)倫理的配慮

 園名、学級名、教師および子どもの名前、保育年度など特定できないように記載する。さらに、所属の 園長の承諾を得ることで倫理的配慮を行う。

〈遊び〉

〈人との関わり〉

〈遊び〉

〈人との関わり〉

(3)

3.分析・考察

 では、Ⅰ期から順に週の指導計画を繙いていくこととする。

(1)Ⅰ期〈入園~5月の連休前頃まで〉

1)週の指導計画 入園後2週目(4月3週)

前週の姿

遊び ① 立ち尽くす子どもがいず表情の固いA児・B児・C児・D児は何とか物に関わっている。次第に表情がほ ぐれている。

    ②H児・B児・C児・D児は日ごとに比較的人に関わっていく。

    ③E児・F児・G児・I児・J児・K児・L児・M児は、自分のペースで物に関わっている。

    ④ 粘土は下降気味か。塗り絵は、棒・箱と変化があることでまだまだ楽しめる。電車はいいが、ブロックも 下降気味か。

    ⑤ 後半、積み木を動かし出し、囲うことで関わりが出てきた。ままごとの中で顔なじみの子ども同士は言葉 が出ている。「お家を作る」という気持ちが出ている。物の取り込みは早い。

人との関わり ⑥B児・H児・C児等つながりが出てきている。探したり、追いかけたりし始めている。

        ⑦I児・D児等、物の取り合いも始まっている。

環境と援助

遊び a.コーナーは様子を見ながら、広げたり片付けたりする。(ついたて・ござ・積み木など)

    b.体を動かすコーナーを作る。(滑り台・丸いウレタン積み木・ビニールテープ等)

    c. 場を作る時には、人数が多くならないようにする。自分の場所ができる安心感や嬉しさが感じられるよ うにする。

    d. 塗り絵は様子によって棒・ベルト・箱を出す。遊びになっていくように、一緒に動いたり場を確保した しりする。

人との関わり e. 一人とていねいにかかわり、担任に親しみを感じられるようにする。子どもの目線で話しか け、笑顔でスキンシップを繰り返し、一日も早く安心感がもてるようにする。

        f. 友達とのいざこざがあった場合には双方の気持ちを受け止め早急に解決する。(入園当初なの で、手が出たり泣いたりする前に気付いて解決したい。悲しい思いをした場合には、気持ちを しっかり受け止めて保護者にも伝え翌日に持ち越さないようにする)

入園後3週目(4月4週)

前週の姿

遊び ① 順調に慣れて物や人への関わりが増えている。物の在りかが分かり動きが広がっている。教師への要求も 増えている。

    ② A児・N児は絵やモノに自分から関われるようになっている。O児・P児は表情がほぐれてきてM児・Q 児とそれぞれ関わりだした。B児とC児・L児とE児は二人で動くことが楽しい様子。

    ③E児・G児・I児・J児・K児・L児・M児は自分のペースで物に関わっている。

    ④ 粘土・塗り絵・ブロックは過ごしやすい遊具。電車は子ども同士がつながりやすい。その中で、R児が少 し友達の動きを気にするようになった。積み木は、ただ積むのではなくお家・お寿司屋・車等と言い始め ている。もちろんその場限りだったり、一人の思いだったりするが、場に魅かれて他の子どもが来ること もある。

    ⑤家の中にままごとの皿等を持ち込み始めている。

    ⑥ 個で体を動かす場所を作ったのは、全体の動きが安定しとてもよかった。(N児)次の日には、滑り台の 周りに丸いウレタン積み木を並べる子ども(S児・J児)が出てきて、物を取り込み始めている。

    ⑦ 園庭は、固定遊具をする子どもが増えている。できることで自信ができ、繰り返す様子がある。(O児・

N児・T児)

    ⑧ 砂場はそれぞれのペースで安定して楽しんでいる。白砂や貝殻を集めながら、関わり始めている様子もあ る(I児・S児・D児)

人との関わり ⑨ 上記のようにつながりが出たり、楽しみ始めたりしている。探したり、一緒に動いたり、追いか けたりしている。

        ⑩ 他の子どもの遊び、動きに気がついて真似したり、自分も一緒に動いたり、物の取り合いをした りしている。

        ⑪ 「入れて」「いいよ」「やめて」「ごめんね」等教師に知らされていったり、自分から言ったりしている。

        ⑫集まった時におしゃべりが始まる。つながりが楽しそう。

        ⑬ 同調行動を楽しんでいる様子が見られる(「やだなやだな」と声を合わせる・並ぶときにピョン ピョン跳ぶ)

環境と援助 遊び a.ついたての数や使い方、積み木の使い方等はその都度注意する。

    b.体を動かすコーナーは安全に、かつ変化もつけたい。(滑り台・丸いウレタン積み木・トンネル等)

    c. 場を作る時には、人数が多くならないようにする。自分の場所ができる安心感や嬉しさが感じられるよ うにする。

    d.ごちそう作りは教師同士も目的・物・方法等よく話し合う。

    e. 塗り絵は、様子によって棒・ベルト・箱を出す。遊びになっていくように一緒に動いたり場を確保した りする。

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教員養成教育推進室年報 第6号

環境と援助

人との関わり f.子ども同士が関わっている時には、タイミングをみて意識化していく。

        g. 友達とのいざこざがあった場合には双方の気持ちを受け止め、早急に解決する。(始まったば かりなので、手が出たり泣いたりする前に気付いて解決したい。悲しい思いをした場合には、

気持ちをしっかり受け止めて、保護者にも伝えて次の日の持ち越さないようにしたい。)

入園後4週目(5月1週)

前週の姿

遊び ① 週明けに泣いたN児は時々遊びの様子を見ていることがあったが、他の子どもは、一人で遊ぶことの多い A 児を含めて自分から遊びを見つけている。遊んでいるうちに散らかることもあり、それを直すことは まったくできない。バイクは自分のを作り、数人で乗って楽しんでいる様子はあるが、家より持続しない。

    ② 滑り台は午後の遊びとして定着。繰り返し楽しむ様子がある。友達と並ぶことも楽しく滑り方をその都度 考える様子もある。

    ③砂場は、○○を作ろう! という大まかな自分の思いをもって遊び出している。水はまだ必要としていない。

    ④ 登り棒の辺り、滑り台の下、テーブルの辺り等場所が広がっている。その中で、名前を呼んだり、姿を探 したり、一緒の場にいたがったり等、全くの個ではなくなっている。

人との関わり ⑤ P 児- K 児・O児- M 児・まさる-かずや・こうた-ももか・すずな-かずは・そうたろう-

なおう-さとし等つながっている。

        ⑥ つながりを楽しむ子どもがいる一方、ふうきはうまく関わることができず、いざこざが起こりや すい。友達のしていることに興味があり、友達の物がすぐに欲しくなり、順番も先に入りたくな り…という状態。

環境と援助

遊び a. ブロック・レールを片付けるので、それに代わる遊びや拠点を様子を見ながら用意する。(積み木を増 やす・製作コーナー・簡単な電車・床上積み木)

    b. 場を作る時には、人数が多くならないようにする。自分の場所ができる安心感や嬉しさが感じられるよ うにする。

    c.ごちそう作りは教師同士も目的・物・方法等よく話し合う。

    d. 塗り絵は、様子によって棒・ベルト・箱を出す。遊びになっていくように、一緒に動いたり場を確保し たしりする

人との関わり e.子ども同士が関わっている時には、タイミングをみて意識化していく。

        f. 友達とのいざこざがあった場合には双方の気持ちを受け止め、早急に解決する。(始まったば かりなので、手が出たり泣いたりする前に気付いて解決したい。悲しい思いをした場合には、

気持ちをしっかり受け止めて、保護者にも伝えて次の日の持ち越さないようにしたい。)

2)遊びの援助の構想過程の分析考察

ⅰ.一人一人の子どもの姿

 2週目①②③で子どもの姿の把握をし、eで「ていねいに関わり親しみを感じられるようにする」とし ている。⑦でいざこざが始まっていることも把握しているが、fで入園当初を踏まえて大きないざこざに ならないように事前に気付き翌日に持ち越さないことを援助しようとしている。

 3週目の①②③⑦で変容や新たな姿を把握している。子ども同士の関わりについては、f で「意識化」

できるようにと計画する。これは「同じだと嬉しいね」「お友達になっちゃったね」等だと考えられる。

ⅱ.遊びで使う物

 2週目①③、3週目①で物への関わりを記録している。dで教師同士で物の提示を共通にしようとして いる。

ⅲ.遊びへの集中

 2週目の④では、ブロックと粘土については集中時間が短く飽きている様子を「下降気味」と表してい る。塗り絵と電車については、dのように援助の計画をすることで展開の可能性を感じている。

ⅳ.遊びの目的

 2週目⑤で目的をもって遊び出す姿をとらえている。3週目④では積み木の遊び方について「家・寿司 屋・車等と言い始めている」とある。目的をもって積む場合と後から見立てる場合があると考えるが、楽 しさにつながる様子をとらえている。⑦の固定遊具の姿も目的をもち取り組み、できたことで繰り返すと している。

 4週目③の砂遊びについては、水をまだ必要としていないと理解し、この時点で水を出さない判断をす る。

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ⅴ.子ども同士の関係

 2週目⑤で「積み木で場を囲う」動きから言葉のやりとりが増えていることに着目する。それに伴い、

aで「ついたて、ござ、積み木」と物を増やそうとしている。cでは場の人数に言及し、安心感につなが る援助を計画している。同じく⑥の「探したり追いかけたり」、⑦の「物の取り合い」と子ども同士の関 わりがでてきたことに着目する。いざこざについては、f で「双方の気持ちを受けとめ早急に解決する」

とある。

 3週目⑩では、他の子どもの遊びに気がつき始めていることをとらえている。⑫⑬になると「おしゃべ り」「同調行動」とあり、fで、その楽しさを「タイミングをみて意識化」と前週に引き続き計画している。

たとえば、「2人で運ぶと楽しいね」「手伝ってくれて嬉しいね」などと言えよう。4週目④⑤⑥になると、

偶然のつながりだけではなく2人組ができていることを把握している。

ⅵ.遊びの拠点

 2週目⑤で、遊びの拠点を作る姿をとらえ、それに対して、a「様子を見ながら広げたり片づけたりす る」、c「人数が多くならないようにする」とある。3週目④では拠点に意味を持ち始めているとしている。

ⅶ.遊びの展開

 2週目dでは塗り絵をするだけで終わってしまいがちの遊びが展開するような援助が計画されている。

4週目①に、簡単な「バイク」と見立てる物を作り乗るものの、遊びの展開がしにくいとしている。

ⅷ.遊びの潜在的意味

 3週目④では、粘土等を「過ごしやすい遊び」、電車の遊びを「つながりやすい遊び」、⑥では、体を動 かすコーナーの遊びを「安定する遊び」としている。

ⅸ.子どもの姿の予想

 3週目aでは、子どもたちの物の扱い方に危うい面も見られることを予想し、援助の計画をしている。

ⅹ.この時期の発達の特徴

 4週目①では再構成ができない姿を記録している。また、新しい「バイク」の遊びが持続しない、つま り文脈が生成しにくいことも把握している。

(1)Ⅱ期〈5月の連休後~プール遊びが始まる頃まで〉

1)週の指導計画 入園後5週目(5月2週)

前週の姿

遊び ①休み明けは遊び出せない子どももいたので、滑り台を早めに出すことで安定できるようにした。

    ② 積み木の数を出し、足りなくなり数を増やした。場を作りたい! という気持ちが出ているが、無駄に置 いていることもある。囲いの中にいる数人は、それなりのつながりが出ている。

    ③ ままごとの遊具を自分たちの場に持ち込むことが予想より早くできている。乱雑になりやすくその都度再 構成する必要がある。

    ④ 年長の部屋に行き、興味津々でいた。時期が早いと思うが自然な流れだったか。この動きは、落ち着かな くなることもあるので配慮が必要。

人との関わり ⑤休み明けだったが、親しくなっている同士は変わらずに関わっていた。

        ⑥G児は一進一退の感。ただ、教師との関係はついてきたので少し解決は早くなっている。

環境と援助

遊び a. 積み木は様子を見ながら数や種類を増やし片付けやすいように指示をする。ウレタン積み木も場所が安 定するようにする。

    b. 場は人数が多くならないようにし、シンプルに楽しめるようにする。賑わいも考慮して設定場所を指示 する。

    c. 製作コーナーは、紙テープ・細い紙等を用意し、先週の続き(輪つなぎ・風船作り等)を楽しめるよう にする。様子により、簡単なパーツも出し、個で楽しめるようにしたり同じ物を持って楽しんだりでき るようにする。

    d.ごちそう作りは教師同士も目的・物・方法等よく話し合う(先週と同様)

    e. 塗り絵は、様子によって棒・ベルト・箱を出す。遊びになっていくように一緒に動いたり場を確保した しりする。

(6)

教員養成教育推進室年報 第6号

環境と援助

人との関わり f. 関わりを楽しみ始めている子どもが積み重ねていかれるように、遊びの空間を保証する。一 方、そうでない場合は、教師との関係を楽しみ、自分の遊びが見つかるよう援助する。

        g. 友達とのいざこざの場面は、気持ちを受け止め早急に解決する。手が出たり泣いたりする前に 気付いて解決に向かいたい。

入園後6週目(5月3週)

前週の姿

遊び ① ウレタン積み木の場所を変えたり、床上積み木と電車の遊具を置いたり、巧技第の種類を増やしたり…。

実態を見ながら変えた環境が子どもにヒットする様子が見られた。積み木の数を増やしたことも、前週の ままごと遊具の置き場所を変えたことと共に必要な措置だった。→興味をもったことに自分から関わり自 分(たち)の拠点を作りやすくなった。

    ②ごっこ遊び以外に、電車や巧技台で安定し、自分の思いを表していた。

    ③ 製作コーナーでは「紙を丸める」ことがU児から伝播している。戦いのイメージになるので動きが荒れな いように配慮が必要。

    ④ 園庭は、砂場から動きが相当広がっている。校庭にも全員が出ているし、固定遊具はP児・K児・R児が あまりしないが、動きは活発になっている。

人との関わり ⑤安定する友達とのつながりがほぼできている。なんとなく固まりでいるのは、R児・D児・J児。

        ⑥ G児が、V児・W児とのつながりで、合わせることも少し感じ始めている様子。

        ⑦ C児は全開で自分の思いを表している。一方、B児への思いを表しているものの硬いのはA児。

特に教師への言葉が出にくい。

環境と援助

遊び a. 場を作る時には人数が多くならないようにし、自分の場所ができる安心感や嬉しさが感じられるように する。また、自分の思いが表しやすくなるようにする。(先週と同様)

    b. ごちそう作りは教師同士も目的・モノ・方法等よく話し合う。(先週と同様)まずは、塗り絵のごちそ うを提案する。

    c. 塗り絵は、様子によって棒・ベルト・箱を出す。遊びになっていくように、一緒に動いたり場を確保し たしりする。

    d. 戦いの動きは、体を動かす場所、拠点等を作り、動きが荒くならないようにしたい。本当には叩かない こと、持っていない友達にはしないこと、走らないこと等、この時期なりに考えさせたい。

    e. 安定しやすいように様子によって巧技台を設定する。動きのバリエーションを増やし運動会に自然につ ながるようにする。

    f.製作コーナーのバリエーションも増やし、経験が広がるようにする。(あり作り・形の紙等)

人との関わり g.子ども同士が関わっている時には、タイミングをみて意識化していく。

        h. 友達とのいざこざは、相手の気持ちを受け止めながら、相手の気持ちにも気が付く機会とする。

入園後7週目(5月4週)

前週の姿

遊び ① 砂場の水の使い方を知らせる方法が生じてきて(年長の後の水かあることから)水を使い始めた。水の量 を少なくしたことで、今までの遊びを壊さずに水を加える、という形ができつつある。それぞれに知恵を 使い、自然にあるいは偶然に役割分担をしている場面もある。砂遊びに明らかに弾みがつき、心が動く感 があちらこちらにある。

    ② ジャンプの棒を使って、偶然に船のイメージが起こり(E児)一瞬動きや思いが同じ方向に向かったり、

一瞬実現する楽しさを感じていた。個の思いが強く、修正できず、相手の言葉をなかなか聞けないこの時 期の特徴も感じられておもしろかった。

    ③H児・L児・D児等がダンゴムシを探し出した。それぞれの興味にていねいに付き合いたい。

人との関わり ④ 慣れてきて言葉は増えてきている。自分の思いも出ていて船やカセットデッキの所でいざこざが 起こりやすい。

        ⑤ ままごとでは友達が使っている物を黙って取ることは少ないが、ふうきはまだある。「貸して」

「いいよ」は仲裁すれば言える。

環境と援助

遊び a. 遊びの様子に配慮し、居場所がなかった遊びが見つからなかったりしないように、一緒に動いたり、製 作コーナーを魅力的にしたり、体操・ピクニック等新しいエッセンスを入れたりしていく。

    b. 場を作る時には、人数が多くならないようにし、自分の場所ができる安心感や嬉しさが感じられるよう にすえる。また、自分の思いが表しやすくするようにする。

    c.多少の流れができるように、ピクニック・洗濯物を干す・公園に行く等を提案する。

    d. 棒は数本を室内の近くで使えるようにする。くぐる等の動きのバリエーションを増やし、運動会に自然 につながるようにする。

    e. 製作コーナーのバリエーションを増やし、経験を広げたり安定したりするようする。(あり作り・形の 紙・オタマジャクシ等)

    f.オタマジャクシを近くに置き関心がもてるようにする。

人との関わり g.子ども同士が関わっている時には、タイミングをみて意識化していく。

        h.友達とのいざこざは、相手の気持ちを受け止めながら、相手の気持ちにも気が付く機会とする。

(7)

入園後8週目(6月1週)

前週の姿 遊び ① 砂は、ままごと的な遊びが少し停滞気味。一方、水を使ったお団子や、山、川等が面白い! 水を繰り返し よく運んでいるし、偶発的に水を媒介につながりやすい。

    ②室内は、魚釣りや弁当が新しい刺激となっている。電車も定着するか。

    ③遊びの時間が短くなっているのは新しい魅力が足りなかったかり流れが途切れたりするからか。

人との関わり ④ P児が一人でいることがめだつ。A児もB児以外はなかなか関わらない。2人のペースを大事に しながら、友達と過ごす楽しさが感じられる援助が必要。

環境と援助

遊び a.魚釣りは自分たちで楽しめるよう物を使いやすくする。

    b.戦いは、様子により遊び方を一緒に考え、コーナーや拠点を作る。(互いの遊びを保証するため)

    c.積み木は様子を見て、数を増やす。

    d.電車は既成の遊具を減らしながら、空き箱で自分なりに作っていかれるように援助したい。

    e.製作コーナーに空き箱も置き、作る楽しさを感じて欲しい。

    f.砂遊びでは、いろいろな楽しさが感じられるよう教師がモデルとなって動いたり、誘ったりする。

    g. 子どもの始めた遊びが楽しくなるように、気持ちに添いながら援助し、この時期なりに「楽しかった」

という思いが感じられるようにする。

人との関わり h. P児・A児の遊びにていねいにつきあい、興味を探りながら遊びの楽しさを感じさせ、教師と の関係、友達とのつながり等つけていきたい。

        i. 物や場所の仲介は、その場に応じてどのような援助があるか、教師が様々な可能性の中から一 緒に考えていくようにする。

入園後9週目(6月2週)

前週の姿

遊び ① P児・A児が教師とのつながりで遊びを進めたり(砂遊び、アスレチック、製作、ままごと等)、自分か ら動き出したり(電車、お化け等)変化がみられる。

    ② 魚釣りからピクニックで焼く、怪獣や忍者、お化け等新しいイメージや動きが出てきて楽しみ出している。

教師の援助が必要なことが、まさにこの時期の特徴!

    ③まだまだ個の動きだが、明らかに“大まかなイメージの傘の下”にいることを楽しんでいる。

    ④ 電車作りが広がり(それなりに伝播する)板積み木を新たに出した。床上積み木や丸井ウレタン積み木と組 み合わせて作っている。言葉で共通にするというよりは動きながら何となく一緒の方向になっている感。

人との関わり ⑤ P児はていねいに関わることで安定の方向か。A児・X児と関わり出し、やはり一人より表情が 良い。特に、引っ越し鬼とお化けごっこの時に嬉しそうにしていた。興味を探ることが大切!

        ⑥ D児はY児以外の相互性を感じていない様子。教師を求めたり、遊びの持続が短いのはその辺り か。忍者ごっこは楽しんでいるのできっかけにしたい。周りに対する硬さがとれるとよい。

        ⑦ 友達に対する親密性ができている一方、友達に対する拒否がでている。ステップととらえられる が、言われた相手の気持ちに気がつけるようにしたい。拒否だけではなく他の友達と過ごす楽し さや良さに気がついていかれるようにしたい。

環境と援助

遊び a. 先週の環境や働きかけを大事にし今週も続けたり(魚釣り-焼く、忍者、お化け、でんしゃ等)、様子 によっては新しい援助をする。

    b. 子どもの始めた遊びが楽しくなるように、気持ちに添いながら援助し、この時期なりに「楽しかった」

という思いが感じられるようにする。(P 児・A 児・D 児等が始めた遊びはていねいに対応して、楽し さやこの時期なりの自信が感じられるようにしたい)

    c. 必要な物を作る時には、自分でも作ることができるシンプルな作り方にしたり、新しい素材を提示した りし、楽しく経験できるようにする。

    d. 砂場では、天候によってビーチサンダルを使い始める。教師がモデルとなってままごと以外の楽しさも 感じられるようにする

人との関わり e. P児・A児に加え、D児の遊びにもていねいにつきあい、興味を探りながら遊びの楽しさを感 じさせ、教師との関係、友達とのつながり等をつけていきたい。

        f. 物や場所の仲介は、その時に応じて、どのような方法があるか教師がいろいろな可能性の中か ら一緒に考えていくようにする。

入園後10週目(6月3週)

前週の姿

遊び ① 遠足、カレーパーティー、おひさまタイム、誕生会、元気タイム、プールと、4日間の中にあれこれと予 定の多い1週間だった。子どもは落ち着いて話を聞くことが多く、一つ一つスムーズにすすめられた。

    ② 室内にしても園庭にしても、自分からめあてを見つけて動き出している。P児・N児が時々教師を頼って くるが、一緒にいることでまた動き出す。

    ③ 少しずつ、イメージ、物が広がりながら遊びをかたちづくっている感がある。(秘密基地→武器、ゲーム ボックス、病院)ままごとの方は、新しい流れや物の刺激がなく少し停滞気味。

    ④E児が始めた紙皿の手裏剣作り。L児・A児・N児等がうれしそうにキャッチ。この類の遊びも必要。

人との関わり ⑤ I児がどんどん自分を表していて、C児・G児といざこざ。互いの気持ちに気づくきっかけとし たい。

(8)

教員養成教育推進室年報 第6号

環境と援助 遊び a. 紙皿の手裏剣は、今週中に全員に経験させ、作った物で遊ぶ楽しさ、試しながら繰り返し遊ぶ楽しさを

感じさせたい。

    b. ままごとは様子を見て、拠点の作り方や流れ(選択やバックを持ったお出かけ、病院等)を楽しめるよ うにしたい。また、G児・J児等に一つの見方だけをすることのないようにする。

人との関わり c.いざこざは、少し自分たちで考えられるように方向づけする。

2)遊びの援助の構想過程の分析考察 

ⅰ.遊びの目的

 5週目②③、9週目②、10 週目②では、教師の援助は必要なものの目的をもち遊び始めている姿が記 録されている。

ⅱ.遊びで使う物

 5週目③ではままごとの遊具を場に持ち込むことが記録され、cで製作コーナーの物を増やし「個で楽 しめるようにしたり、同じ物を持って楽しんだりできるようにする」とある。7週目②では運動用具(棒)

のことに触れ、dで「室内の近くで使えるようにする」と計画している。

ⅲ.子どもの姿の予想

 5週目④では、年長組の保育室に行くことを「落ち着かなくなることがある」とし、6週目③では「戦 いごっこ」になりそうと予想し、dで援助を計画している。7週目aで「居場所がなかったり遊びが見つ からなかったりしないように」と、そのようになることも予想している。

ⅳ.この時期の発達の特徴

 5週目③、7週目②、9週目②では、それぞれ「この時期の特徴」として姿をとらえている。

ⅴ.一人一人の子どもの姿

 G児については、5週目⑥、6週目⑥、7週目⑤と記録がある。8週目④で記録のあるP児が9週目①

⑤で変容する。8週目hにP児・A児についての援助が計画され、9週目⑤で「P児はていねいに関わる ことで安定の方向か」とある。B教師の援助が有効だった可能性が考えられる。同様にD児への援助を計 画している。

 9週目⑦では、「友達に対する拒否」の動きにも着目し援助を計画する。10週目②⑤で、N児・I児が「教 師と一緒にいることでまた動き出す」としている。

ⅵ.経験や行事への見通し

 6週目 ef では、間近にある運動会(小学校の運動会に少しだけ参加する予定)や製作の経験を増やし ていきたい等、見通しをもって援助している。7週目efも同様と言えよう。

ⅶ.遊びの拠点

 環境の再構成をしたことで、子どもたちが拠点を作りやすくなったとしている。

ⅷ.子ども同士の関係

 6週目⑤⑥⑦の姿は、友達の存在に興味をもち、関わってみて楽しさや嬉しさを感じる姿と言えよう。

いざこざについては、hで入園当初のいざこざの援助との違いが明確となっていると言えよう。

ⅸ.子どもの興味の把握

 7週目③では、数人の子どもたちのダンゴムシへの興味を記録している。「それぞれの興味にていねい につきあう」と援助を計画している。

ⅹ.遊びの展開

 7週目①では、砂場で水を使い始めたことを大きな区切りとしている。水を使うことによる変容に着目 している。9週目②では、ごっこ遊びに流れがあることで子どもたちが楽しく遊んでいるとある。④で は、電車の遊びが定着してきた様子がある。

(9)

ⅺ.遊びの潜在的意味

 6週目②で、電車や巧技台で安定しているとあり、8週目①では「偶発的に水を媒介につながりやすい」

としている。遊びの潜在的な意味をとらえていると言えよう。

ⅻ.遊びの種類

 10 週目④に「この類の遊びも必要」とある。これは、ごっこ遊びや体を動かす遊びではなく「簡単に 作ることができて、一人でも遊ぶことができ、誰でも楽しさを感じることのできる遊び」「同じ物を作り 遊ぶことで友達とつながることができる」ということと考えられる。

(3)Ⅲ期〈プール遊びが始まる頃~1学期終了まで〉

1)週の指導計画 入園後11週目(7月1週)

前週の姿

遊び ① 休み明けの月曜から、よく場を作り遊び出していた。ままごとは停滞を心配していたが、作り方が立体に なってきて、教師の提案を受け入れる素地ができてきて変化が見られた。また、言葉が増えてきた感。役 割を宣言した、受け止めたりし始めている。

    ②E児やL児は新しい場(飛行場)を作り出し、相当やりとりをしながら遊び出していた。

    ③折り返しリレーが定着の感。 自分たちで始めて驚いた。

人との関わり ④ D児が彼女なりのこだわりが強い。良い方向に向かい安定してきているだけに、様子に気をつけ たい。

        ⑤J児もずいぶん関わり方が変わってきている。

環境と援助 遊び a.紙皿のブーメランは、声をかけて全体に広げていく。

    b. ままごとは、様子を見て、拠点の作り方や流れ(洗濯やバックを持ったお出かけ、病院等)を楽しめる ようにしたい。動線を考え、それぞれの空間や移動を確保する。

人との関わり c. いざこざは、少し自分たちで考えられるように方向づけする。また、G児・J児等に一つの見 方だけをすることのないようにする。

入園後12週目(7月2週)

前週の姿

遊び ①A児がせっせと場を作るようになる。P児も自分から動き出し、積み重ねが見られ嬉しい!

    ② 場を広く作り、アイデアを出したり受けたりする様子がある。また、選択やアイロン、車等新しいイメー ジを取り入れようとする動きもある。J児も調整しようとしたり、周りに声をかけようとしていて変化。

    ③ D 児も安定してきた。また、M 児と O 児も少しほどけてきている。1学期にそれぞれの変化の糸口が見 られたことは収穫!

人との関わり ④G児のいざこざが何回か。一進一退…。

        ⑤言葉のやりとりが増えている。P児・A児の変化が嬉しい!

環境と援助

遊び a. ままごとは、様子を見て、拠点の作り方や流れ(洗濯やバックを持ったお出かけ、病院等)を楽しめる ようにしたい。動線を考え、それぞれの空間や移動を確保する。

人との関わり b. いざこざは、少し自分たちで考えられるように方向づけする。また、G児・J児等に一つの見 方だけをすることのないようにする。

2)遊びの援助の構想過程の分析考察

ⅰ.遊びの変容

 11週目①では、ままごとの変容を、物の扱い、言葉、役割、調整の視点から記録している。

ⅱ.一人一人の子どもの姿

 12週目①③に、P児・A児・D児・M児・O児等の大きな変容の姿を記録している。

ⅲ.遊びの拠点

 12週目①に今まで場を作り出さなかったA児の変容をとらえている。

4.結果

 以上のことから、B教師が子どもの姿をどのようにとらえ翌週の計画を構想するのか浮かび上がってき た。視点は合計14点になり、子どもに関すること、遊びに関すること、教師の願いに関することの三つ に分かれることが分かった。さらに、B教師がこの三つを織り交ぜながら遊びの援助を構想していること

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教員養成教育推進室年報 第6号

も明らかになった。結果は以下の通りである。

子どもに関すること 遊びに関すること 教師の願いに関すること

1)一人一人の子どもの姿 2)子ども同士の関係 3)子どもの姿の予想 4)この時期の発達の特徴 5)子どもの興味の把握

6)遊びで使う物 10)遊び展開

7)遊びへの集中 11)遊びの潜在的意味 8)遊びの目的  12)遊びの種類 9)遊びの拠点  13)遊びの変容

14)経験や行事への見通し

5.総合考察

 最後に、結果を踏まえ2点について総合考察を進めたい。

(1)「子どもの姿を予想し遊びの援助の計画をたてること」と「子どもの姿を把握し遊びの援助をすること」

 まず、子どもの姿を予想し、遊びの援助の計画をたてることについてである。2週目cを見ると、場の 人数が多いと安心感を感じられない状況になることを予想していて、この援助の計画は6週続けている。

3週目aには、「ついたての数や使い方、積み木の使い方などはその都度注意する」とある。これは、注 意をしないと乱雑な状況、危険な状況が生成されることを予想していると言えよう。5月の連休明けの5 週目aを見ると、製作コーナーに新しく教材を用意する。そうすることにより、一人でも安心して取り組 みやすく、結果として子ども同士で楽しむこともできるだろうと予想しているのである。さらに、5週目

④では年長組の保育室に行く動きを「落ち着かなくなることもある」、6週目③では、紙を丸める動きを「戦 いのイメージになる」と予想している。砂遊びでは7週目まで水を使わない。入園直後の子どもたちの中 には砂の感触をゆっくり楽しみたい子どもがいることを予想している。

 次に、子どもの姿を把握し遊びの援助をすることについてである。5週目①では、5月の連休明けの月 曜日に遊び出せない子どもの姿を把握し、滑り台を早めに出すことで安心して楽しさに向かえるようにす る。ごっこ遊びでは、2週目⑤で「中型積み木を動かし出し、囲うことで関わりが出てきた」という姿を 把握する。そこでB教師はacで、積み木の数を増やす援助を計画する。7週目cになると、「多少の流れ ができるよう」援助の計画をする。ごっこ遊びは、「イメージ」「場」「物」が援助のポイントとなるが、「流 れ」の援助を考えたと言えよう。つまり、ごっこ遊びの中で子どもの動きや言葉のやりとりが少なくなり、

子どもが楽しさを感じていない姿を把握し、次の援助をしたと言える。

(2)「今ある楽しさを保障したり強化したりすること」と「新しい楽しさや経験を取り入れること」

 始めに「今ある楽しさを保障したり強化したりする」についてである。「保障」は、2週目cの「場を 作る時には、人数が多くならないようにする」が該当する。また、7週目③に、何人かがダンゴムシを探 し出したことが記録され、「それぞれの興味にていねいに付き合いたい」としている。「強化」は、ごっこ 遊びの援助が該当する。前述のように、子どもたちが始めたごっこ遊びが楽しくない状況になった時に、

「次の一手」として「場」「物」「流れ」と援助の計画をしている。始めからあれもこれも援助するのでは なく、子どもの姿を把握し次の一手を打つことでそこにあった楽しさを強化しているのである。

 次に、「新しい経験や楽しさを取り入れること」についてである。2週目dに、塗り絵に様々な援助を してさら楽しい遊びになるような援助を計画している。これは、翌週から4週続いている。6週目eには 併設小学校の運動会に部分的に参加するという間近の予定を見通し、新しい楽しさや経験を取り入れよう としている。7週目eに「製作コーナーのバリエーションを増やし、経験を広げたり安定したりするよう にする」とある。11 週目③の折り返しリレーと共に、計画的に新しい楽しさや経験を取り入れようとし ていることが分かる。

6.おわりに

 教育実習中の遊びの計画と援助が難しいという学生の現状から本研究を進めた。教師がどのような過程 で援助を構想するのかと同時に、学生にとっての難しさも明らかになったと言えよう。しかし、担任の代

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わりとして一日を担う以上は遊びの援助は避けられない。その際に、教師の構想過程を理解することは手 掛かりになるに違いない。今後の課題は、期や週のねらいとの整合性、さらに引き続き2学期以降の週の 指導計画を検討したい。

1)文部科学省『幼稚園教育要領解説』pp.2-9

2)同上p.26 第1章 第1節 幼稚園教育の基本3点のうちの2点目として記載されている。

3)同上p.26 L.8-9 第1章 第1節 幼稚園教育の基本 に明記されている。

4)同上p.26 L.24-26 5)同上p.29 L.29-32

6)小川博久『保育援助論』2000 萌文書林 7)同上p.190 L.9-12 p.84 L.26-p.85 L.3 8)同上p.5-6

9)河邉貴子『遊びを中心とした保育 保育記録から読み解く「援助」と「展開」』2005 萌文書林

参照

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