二枚貝の開閉殻運動に関する生理学的研究(第2報

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 二枚貝の開閉殻運動に関する生理学的研究(第2報) : エチル・アルコールに対する反応 三宅, 正人 九州大学農学部水産学教室. https://doi.org/10.15017/21302 出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 14 (2), pp.297-300, 1953-09. 九州大學農學部 バージョン: 権利関係:.

(2) エチル. 297. 二 枚 旦 の 開 閉殻 運 動 に関 す る生 理 学 的 研 究(第2報) ・アルコール に 対 す る反 応 三. Physiological. studies. 宅. 正. on the. Behaviour. shell movements. of shell-fish Masato. 工. 人. to ethyl. of bivalves.. 2. alcohol. Miyake. 緒. 言. ア ル コ ー ル類 の 魚 貝 類 に 対 す る 作 用 に 関 す る 研 究 は 極 め て 少 く魚 類 に 対 し て はOtto1)及 びFUhner2)の FUhner2)は. 研 究,貝. 魚 貝 類 を 用 い 室 温,1時. を 比 較 調 査 し,二 (重 量)溶. 類 に 対 し て はFUhner2)の. 研 究 が あ る に 過 ぎ な い よ う で あ る.. 間 に て 麻 痺 に 陥 ら し め る1価. の各 種 アル コ ール の濃 度. 枚 貝 の ホ タテ ガ イ 及 び マ テ ガ イの 類 に 対 し て エ チ ル ・ア ル コ ー ル の1.5%. 液 は 麻 痺 に 陥 ら し め る 力 の あ る こ と を 報 告 し て い る.実. 用 的 の面 では 米 国で アル. コー ル叉 は 炭 酸 瓦 斯 に よ りカ キを 少 し く開殻 せ しめ て置 き次 に そ の剥 身 を採 取 す る方 法 が 考 え られ た との こ と で あ る.3、 之 等 の 事 実 か ら只 が ア ル コ ー ル に よ り麻 輝 せ し め られ 開 殻 す る こ と は 明 ら か で あ る が, 著 者 は 之 を 利 用 し て 化 学 的 剥 身 採 取 法4)を に 之 等 の 事 実 を 調 査 し た.叉. 改 良 し よ う と考 え ア サ リ,シ オ フ キ に 就 て 具 体 的. エ チ ル ・ア ル コ ー ル に よ つ て 開 閉 殻 運 動 が 如 何 様 に 変 化 す る. か 並 に ア ル コー ル に よ り麻 痺 せ しめ られ る に 至 る経 過 を 観 察 し て 興 味 あ る事 実 を 見 出 し た.. II.エチル A,実験. 方. ・ アルコール. に よ る 只 の開殻. 及 び麻 痙 の 状 態. 法. ア サ リを 容 一 吊%で1,2,3,4,5,7,10,15,20,40,60の 食 塩 水 溶 液 中 に 浸 漬 し,叉. エ チ ル ・ア ル コ ー ル を 合 む3%. シ ジ ミ に 対 して はLと. 水 溶 液 中 に 於 け る行 動 を 夫1観. 察 し た.但. 同 じ割 合 の 但 し食 塩 を 含 ま ぬ ア ル コー ル. し ア サ リ,シ. ジ ミ共 に4%以. 度 で は 必 ず 閉 殼 し て し ま う為 ア ル コ ー ル の 影 響 を 知 り難 い の で,予 入 し 少 し く開 殻 せ し め て 置 い た 貝 を 各 溶 液 に 浸 漬 し,こ て ア ル コ ー ル の 影 響 を 明 らか に した.次 B.尖 結 果 は 第1表. 験. 結. に 只20個. 上 の ア ル コール 濃. め 木 片 を貝 殻 の 間 に挿. の処置 を 施 さ ぬ も の と 比 較 対 照 し. 宛 を 用 い 試 験 し た 結 果 を し る す.. 果. に 示 し た.ア. サ リに 於 て は 麻 痺 状 態 に 陥 つ て 開 殻 す る の は2〜3%の. の も の で 処 理 し た 場r}が 早 く7〜15時. 間 で 麻 痺 して 少 し く開 殻 す る が4%以Eの. 濃度 濃度にな. る と只 が 閉 殻 す る為 設 問 を 通 つ て 内 部 に ア ル コ ー ル の 侵 入 す る の が 遅 くな り従 つ て 麻 痺 に.

(3) 298. 達 す る時 間 が 反対 に長 くな り30時 間 後 に漸 く4%及 少 し く閑 殻 す る.但. 改良 に は応 用 し得 な い.何 あ る.20%以. び5%液中. 浸 漬 の ア サ リが 麻 痺 に 陥 り. し この 場合 の麻 痺 に よ る開 殻状 態 は著 者 の 目的 とす る化 学 的開殻 法 の となれ ば大 半 の貝 は 閉 開 した まζ麻 痺 状 態 に陥 つ て い るか らで. 上 の濃 度 に な る と 少量 の ア ル コー ル の侵 入 す ら も致 命 的 に な る らしい. 第1表.ア. サリ 及 び シ 飛 に 対 す る エ チ ル ・アルコー ル の 影 響.. 表 中の マ ヒ と云 う言 葉 は反 応 が な くな つた 状 態 を指 す ので あ つ て純 粋 の意 味 の 麻痺 とは 限 らな い・. シ ジ ミの場 合 に 於 て も大 体 同様 の こ とが 認 め られ た.即 ち3%位 が,麻 痺 に 陥 る と漸 次 閉殻 し4%以 死 亡す る.予. 迄 は最 初 開殻 して い る. 上 で は 閉殻 の まkか 或 は そ れ に 近 い 状 態 で 麻 痺 を経 て. め 開殻 せ しめ て 置 い た場 合 は ア ル コ ール濃 度 と麻 痺 との 関 係 が 判 然 とす.然. し生 態 の ま まで は前 記 の如 く麻 痺状 態 は判 然 と しな い.敦 れ の貝 に於 て もFUhner2)の. 実. 験結 果 に比 して 麻 痺 に 陥 ら しめ るア ル コール 濃 度 は高 い値 を示 して い る. Ill.アルコール A.実 第1報5)と. 験. 方. に よる開閉殼運 動 の変化. 法. 同様 の方 法 を以 て キモ グ ラ フに記 録 し て調 査 した.但. ル 海 水 中 に貝 を入 れ る と閉 殻 して し ま うので,普 アル コ ール(1.5%重. し最 初 か ら含 ア ル コ ー. 通 の海 水中に 貝 を 入 れ て 置 いて 徐 ζ に 含. 量)海 水 を注 加 す る よ うに した.従. つ て一 定 濃 度 の ア ル コ ール 濃 度. に な る迄 に は 可 成 の 時 間 を要 した, B.実. 験. 結. 果. 貝 が ア ル コ ール に よ り麻 痺 せ しめ られ る過 程 をそ の 開 閉殼 運 動 の変 化 か ら 観 察す る と興 味 あ る現 象 が 見 られ る.観 察 した結 果 をFig.1に. 示 す.. 即 ち ア ル コ ール 液 を 注 入 し始 め て か ら後 の 開 閉殻 運 動 は γサ リ,シ オ フキ共 に 恰 も酩 酊 した よ うな感 じの非 常 に 不 規則 な運 動 に変 る.ア サ リで はA点. で1.5%ア. ル コー ル 海 水.

(4) 299. Fig.1.開 a.ア. サリ,A点. 閉 殻 運 動 に 及 ぼ す アルコール は1,59/oア. 線 は 閉 殻 時 を,下. の 影 響.. ル コール 液 を 注 入 し 始 め た 時 を,上 の 線 は 時 間 を 示 し,時間. は4時間. の 毎. に 区 切 つ て あ る.21〜23℃. b.シ. オ フ キ,同. c.アサ d.シ. 上,. リ,109/oアルコール オ フ キ,同. 液 をA点. よ り注 入,21〜23℃. 、. 上.T点. は 外 套膜 に触 れ て も反 応 を 示 さなか つ た 時. を 示 す.以. 後 普通 の 海 水 を注 入 し貝 を 恢復 せ しめ た 状. 態 を 示 し た.. を 注 入後4時 間 目位 か ら,シ. オ フ キで ば4〜8時. 間 目位 か ら常 態 の開 閉 殻 運 動*と. 全 く異. つ た も のに な る こ とが 観 察 され た. 次 に10%ア. ル コー ル海 水 に よ る麻 痺 の状 態 を 見る とアサ リとシ オ フ キで は 少 し く異 る.. 即 ち ア サ リは 一・ 度 閉 殻 した 後 徐 ヒ に 少 し く開殻 して来 るが シ オ フキ で は 大 き く開 い て し ま う.シ. オ フキ の 記録 で は麻 痺 後 海 水 を流 し た 為 貝 の恢 復 し て行 く状 態 が示 され て い るが,. こ の場合 の 運 動 は 標 準 状 態 の そ れ に 比 して 激 しい もの で あ る.. IV.摘 1.化. 要. 学 的 剥 身 採 取 法 改 良 の 目的 を 以 て ア サ リ,シ ジ ミ,シ. オ フ キの エ チ ル ・ア ル コー. ル に よ る麻 痺 状 態 を調 査 し た. 2.貝. を普 通 の状 態 に 置 い た ま1で. ア ル コー ルに よ る影 響 を 調 べ る と,液 中 で は そ の濃. 度 が 高 ま るに つ れ て 閉 殼 す る傾 向 が あ る 為 反 つ て麻 痺 に 陥 る迄 の時 間 が長 くな る.然 殻 出来 ぬ よ うに予 め 木 片等 を 殻 間 に 挿 入 して置 い た 貝 で は,麻. し閉. 痺 に要 す る時 間 とア ル コ ー. ル濃 度 とは反 比 例 す る こ とが 明 らか に認 め られ た. 3.ア. ル コ ール に よ り開 閉 殻 運 動 が 如 何 様 に 変 化 す るか を調 査 し,低. 濃 度 の アル コ ール. で は 非 常 に 不 規 則 な 変 つ た 開 閉殼 運 動 を 示 す こ と,麻痺 に陥 る状 態 は ア サ リで ば 一 ・ 度閉殻 し た 後麻 痺 に よ り少 し く開殻 して来 るが シ オ フキで は大 き く開 い て し ま うこ と等 を 認 め た. *二文 献(5)参. 照..

(5) 300. 本 研 究 は 九 州 大学 農 学 部 水 産 化 学教 室 に て行 つ た もの で 富 安教授 の 懇 篤 な御 指 導 に対 し 謝 意 を表 す る.. 文. 献. 1.Otto,G.:Z.f.Biol.弱,165(1913). 2.FUhner,H.:Z.f.Biol.,57,465(1912). 3.Prytherch,H.F.:TheScientificMonthly,38,118(1934)。 4.冨. 安 行 雄,三. 宅 正 入:醸. 工.,27,109(1949).. 5.三. 〜 『極E人:九. 大 農 学 芸 雑 誌,12,155(1953).. Résumé The author,. shell-fish therefore,. opens. the. intended. the basis of this fact,. and. shells. In normal concentration. the method. investigated. how the. however, tration Very alcohol,. paralysed. by alcohols.. of "Chemical shell. Shucking". movements. and Mactra veneriformis resulting paralysis would. The on. of Paphia. would be changed happen, and found. facts.. states,. the shell-fishes. of alcohol. becomes longer. In the shells. when. to improve. philippinarum, Corbicula leana with ethyl alcohol and how the out the following. a little. opened. the time needed. have a tendency. to close the shells as the. increases,. and therefore. the time required. a little. by inserting. a wood. for paralysis. is inversely. wedge. for paralysis between. proportional. them,. to the concen-. of alcohol. irregular and. the. shell. movements. states. at which. differ from each other as is shown. are. recognizable. the paralysis in Fig. 1.. begins. at low concentration in Paphia. of. and Mactra.

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