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超軽量飛行機用 FRP フロートの開発 日大生産工 邉 吾一

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Academic year: 2021

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(1)

超軽量飛行機用 FRP フロートの開発

日大生産工 邉 吾一 日大生産工(院) ○佐竹 大介

1. 緒言緒言緒言緒言

日本は陸地面積が世界で61位であるのに対 し海洋面積は6位と,広い海洋を有している.

この海洋を有効に活用するには適切な輸送手 段の確立が必須である.そこで,水上飛行機に 注目が集まりつつある.戦後,重量や腐食,天 候による運行の制限などの問題から,航空業界 から姿を消していった水上飛行機だが,今日の 技術をもってすれば軽量で耐腐食性,耐波性に 優れた水上飛行機やその離着水のためのフロ ートの開発が実現できる.繊維強化プラスチッ ク(Fiber Reinforced Plastics,FRP)は比強度・比 剛性,耐腐食性に優れ,重量や腐食に敏感な水 上飛行機用フロートとしては最適の材料 1)で ある.さらに,フロートの心材を発泡材,表板 を FRP としたサンドイッチ構造にすることに より,更なる軽量化・耐腐食性・耐海水性の向 上を図ることができ,高性能な水上飛行機用フ ロートの開発が可能となる.

本研究では既存の離着陸用の超軽量飛行機 (Ultra Light Airplanes,ULP)を海や湖で使用す るため,FRP製フロートの開発と設計を行なっ た結果について述べる.特に FRP 製のフロー トを取り付けた場合の水上飛行機の着水時の 挙 動 を 動 的 陽 解 法 有 限 要 素 法 ソ フ ト

PAM-CRASH と,その中の機能の一つであり,

隕石の衝突や航空機の不時着水などの超大変 形解析に用いられている平滑粒子流体力学 (Smoothed Particle Hydrodynamics,SPH)法3)を 用いて解析を行なった.この解析結果から機体 軸に関しては対称であるが,フロート軸に関し

て左右対称のフロート(以下対称フロート)と 左右非対称のフロート(以下非対称フロート) の着水挙動について比較・評価する.

2. 解析解析解析解析モデルモデルモデルモデルとととと条件条件条件条件 2.1 解析モデル

Fig.1に水上飛行機(機体,フロートのアッ

センブリ)と着水領域のモデルを示す.第一 段階としては,水しぶきの挙動と水上飛行 機の加速度の傾向を明らかにするために,

水上飛行機モデルは全て剛体とした.着水 領 域 は 全 長 9300mm, 幅 4000mm, 深 さ 800mm,SPHピッチは3方向共に100mmと し,着水領域の周囲 5 面すべてを剛体シェ ル要素で囲んだ.

2.2 解析条件

水上飛行機には進行方向速度20m/s,沈下速 度-1m/sを与え,着水領域の周囲の壁は全自由 度を拘束した.また,解析の時間間隔は1msec として,全体として250msecの間解析した.

耐空性審査要領2)によれば,着水条件は進行 Fig.1 Model of Floatplane and

Analytical Region of the Sea

Development of FRP Floats for Ultra light plane Goichi BEN andDaisuke SATAKE

(2)

方向に対して前方に傾いた着水,傾いていない 着水,後方に傾いた着水(以下前部着水,中部 着水,後部着水),またそれぞれに対して両フ ロートで着水する場合,片フロートで着水する 場合の6通りに分類され,それぞれを検討する ことになっている.本研究では前部着水・後部 着水に関しては5°,10°傾けたモデルを製作 し,中部着水と合わせて合計5通りの解析を両 フロートで着水する場合,5°傾けた片フロー トで着水する場合各々について解析を行ない ます.また対称フロート・非対称フロートそれ ぞれ解析を行ない,比較をしていきます.合計 の解析モデルは20通りとなります.(Fig2)

3.3.

3.3. 解析結果解析結果解析結果解析結果 3.1 着水領域の検討

海や湖のような広大な着水領域をモデル 化することは計算機の容量上困難 4)であり,

ある評価値が領域の大きさを変えてもほぼ 一定になる着水領域の検討が必要である.

そこで,ある評価値は壁面付近の SPH 要素 最大速度と水上飛行機着水時のフロートに 作用する垂直方向加速度とした.着水領域 決定に使用するフロートモデルは非対称フ ロート,着水条件は両フロートで着水する 場合で中部着水とし,解析を行なった.

まず着水深さを800mmと固定し,評価値 を壁面付近のSPH要素最大速度とした場合 の 解 析 結 果 を Fig.3 に 示 す が , 着 水 幅

4000mm 以降におけるSPH要素速度は一定

となり,着水幅 4000mm で十分であるとい

える.また,深さは800mmから深くしても SPH 要素速度は一定値をとり,評価値を壁 面付近のSPH要素最大速度とした場合の着 水幅・深さは4000 x 800mmと決定した.

次に評価値を水上飛行機着水時のフロー トに作用する垂直方向加速度とした場合の 着水幅・深さは Table 1に示す16通りとし たが,塗りつぶした着水領域はコンピュー タの性能上,解析不可能であったため,塗 りつぶしていない 9 通りの着水領域に関し て比較を行ない,着水領域を決定する.ま

ず深さを800mmと固定し,幅を変化させた

場合で,着水の瞬間(30msec)の解析結果を

Fig.4に示すが,幅4000mm以降における垂

直方向加速度は一定となった.次に幅を

4000mmと固定し,深さを変化させた場合で,

着水後の解析結果を Fig.5 に示すが,深さ

1000mm以降は一定となった.この結果と評

価値を壁面付近のSPH要素最大速度とした 場合の解析結果を考慮し,着水幅・深さの 決定値を4000 x 1000mmとした.最後に着 水幅・深さを4000 x 1000mmとし,着水距 離を決定する.着水距離9300mm,解析時間 250msecと12000mm,350msecの2通りで比 較を行なったが,水上飛行機が前方の壁面 に近づく影響から加速度応答の挙動がずれ,

フロートに作用する垂直方向加速度のピー ク値に影響を及ぼすことが考えられる.し た が っ て 着 水 距 離 は 長 い 12000mm, 幅

4000mm,深さ1000mmとし,前述の着水条

件で解析を行なう.

Fig.3 Results of Analysis (Variation of Width) Fig.2 Pattern of Landing

0 1 2 3 4 5 6 7

2000 3000 4000 5000 6000

Width (mm)

Velocity of SPH (m/s)

(3)

3.2 対称フロートと非対称フロートの比較 決定した着水領域を用いて対称フロート と非対称フロートの着水衝撃解析を行ない,

比較・評価する.対称フロートと非対称フ ロートの正面図をFig.6に示す.対称フロー トと非対称フロートは全長 4000mm と共通 し,その他寸法をTable 2に示すが,排水量 はほぼ同じ値とした.非対称フロートは内

側をFig.6のような形状にすることにより着

水時にフロート内側の水しぶきが抑制され,

その分フロートの外側に飛ぶ.そのため機

体に取り付けられているエンジンやプロペ ラに水しぶきがかからず,エンジンの腐食 やプロペラの破損を防ぐことができる.こ のことで,機体のライフサイクルが長くな り,経済的に利点となる.

中部着水の正面から見た解析結果を Fig.7 に示す.対称フロートと非対称フロートの 解析結果を比較した結果,水しぶきの観点 からの非対称フロートの優位性を示すこと が出来た.他の全ての解析結果でも同様の 結果を得ており,全ての着水条件下で非対 称フロートの優位性を示した.次にフロー トに作用する垂直方向加速度の観点から両 フロートを比較するが,加速度時刻歴応答 を比較しても着水条件によって応答は大き く異なる(Fig.8).そこで,垂直方向最大加速 度で比較を行ない,両フロート着水の結果 をTable 3に,片フロート着水の場合をTable 4に示すが,各着水条件で若干非対称フロー トの方が小さいものの,加速度応答に差は 見られなかった.

Fig.4 Maximum Vertical Acceleration vs. Width

(Depth=800mm)

Table 1 Variation of Width and Depth Width

Depth 800 1000 1200 1400 800 1000 1200 1400 Width

Depth 800 1000 1200 1400 800 1000 1200 1400 6000

Unit : mm

3000 4000

5000

Fig.5 Maximum Vertical Acceleration vs. Depth (Width=4000)

1.89 1.9 1.91 1.92 1.93 1.94 1.95 1.96

800 1000 1200

Depth (mm)

Vertical Acceleration (g)

0 0.5 1 1.5 2 2.5

3000 4000 5000 6000

Width (mm)

Vertical Acceleration (g)

Symmetrical Float Asymmetrical Float Fig.6 Type of Float

Table 2 Float Dimensions Total

Length (mm)

Maximum Width

(mm)

Maximum Height

(mm)

Displacement Volume

(litter)

Surface Area (m2)

4000 523 480 443 4.91

4000 450 580 430 5.03

Symmerical Float Asymmetrical Float

(4)

4. 結言結言結言結言

1) SPH要素の使用により着水時の水しぶき

のモデル化が可能であることを示した.

2) 水しぶきの挙動に関してフロート軸に対 して左右非対称フロートの優位性を明ら かにした.

参考文献参考文献参考文献 参考文献

1) 伊藤佑造,邉吾一,櫻井達美:水上飛行機 用 FRPフロートの着水衝撃解析と強度評 価,52nd FRP CON-EX講演要旨集,(2007) 2) 運輸省航空局航空機安全課:耐空性審査要

領,鳳文書林出版販売,(2003)

3) 伊藤佑造,邉吾一,櫻井達美:水上飛行機 用FRPフロートの開発・設計,第49回構 造 強 度 に 関 す る 講 演 会 講 演 要 旨 集 , (2007)

4) 伊藤佑造,邉吾一:SPH法によるFRPフ ロートの着水衝撃解析,PUCA講演要旨集,

(2007) Fig.7 Results of Analysis

a) Symmetrical Float

b) Asymmetrical Float

-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

0 100 200 300

Time (msec)

Vertical Acceleration (g)

Central Landing Rear Landing (5 degree) Rear Landing (10 degree) Front Landing (5 degree) Front Landing (10 degree)

-1 0 1 2 3 4 5 6 7 8

0 100 200 300

Time (msec)

Vertical Acceleration (g)

Central Landing Rear Landing (5 degree) Rear Landing (10 degree) Front Landing (5 degree) Front Landing (10 degree)

a) Symmetrical Float

b) Asymmetrical Float

Fig.8 Analytical Results of Vertical Acceleration vs. Time

Table 3 Maximum Vertical Acceleration (Landing with double Float) Attack Angle

(degree) Symmetrical Float Asymmetrical Float

5 5.20 6.26

10 6.78 4.91

5 5.33 5.24

10 4.70 3.76

ave. 5.28 5.12

Unit (g) Front

Central Rear

4.39 5.42

Attack Angle

(degree) Symmetrical Float Asymmetrical Float

5 6.35 5.06

10 5.61 4.59

5 3.82 6.69

10 4.84 5.39

ave. 4.81 5.10

Unit (g) Front

Central Rear

3.43 3.75

Table 4 Maximum Vertical Acceleration (Landing with single Float)

Table 1 Variation of Width and Depth  Width Depth 800 1000 1200 1400 800 1000 1200 1400 Width Depth 800 1000 1200 1400 800 1000 1200 14006000 Unit : mm300040005000
Table 4 Maximum Vertical Acceleration  (Landing with single Float)

参照

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