林野火災時 の消防活動
岩手県久慈地区消防 本部 次長 三 船 進 一
1。 は じ め に 焼 損 面 積 : 山 林 1,855 ha (2 地 区 合 計 ) 林 野 火 災 は, 山 林 の形 態 , 気 象 及 び地 域 性 建 物 : 住 家 全 焼 98 棟
等 に 大 きく 左 右 さ れる 。 そ の発 生 状 況 を 見 る 久 慈 市 長 内 町
と, 春 先 に 日 本 列 島 を 南 か ら北 へ, 桜 前線 と 焼 損面 秘 : 山 林 620 ha と もに 北 上 す る と 言 わ れて い るが , 岩 手 県 内 (2) 昭 和44 年 5月 6日 〜10 日
を み る と 奥 羽 山 脈 か ら 北 上 山 脈 に か け て の 内 九 戸郡 山形 村 内 で 発 生 し 隣 接 の久 慈 市 へ 陸 地 方 と, 北 上 山 脈 か ら 太 平 洋 に か け て の 沿 延焼 ( 図 1参 照 )
岸 地 方 で は 発生 の時 期 等 に 大 きく 差 が あ る。 焼 損面 積 :山 林3,418 ha ( 山 形 村 , 久 慈 内 陸 地 方 は冬 期 間 にお け る 積 雪 が多 く, 雪 市 の 計)
解 け と と も に草 木 が芽 生 え, 山 林 が 乾 燥 す る 建 物 : 住 家 全 焼 22 棟 期 問 が 短 い が, 沿岸 の三 陸地 方 は 積雪 が少 な (3〉 昭 和58 年 4 月27 日 〜29 日 く , 春 先 の 3〜 4月 は北 上 山 脈 か ら 海 に吹 き 久 慈 市 長 内 町 ( 図 2参 照 ) お ろ す 季 節 風 が 強 く, 乾 燥 し た 期 間 が長 い の 焼 損 面 積 : 山 林 1,084.6ha で, 1 〜 2 月 頃 か ら 林 野 火 災 が 発 生 し て い 建 物 : 住 家 全 焼 45 棟 る。 こ の よ う な 地 域 で あ る当 久 慈 地 方 は, 昔
か ら 林 野 火 災 が多 く 消 防 の悩 み の種 で あ っ た 3. 昭 和58 年 の 久 慈 山 林 大 火 の 状 況 に つ い が, 消 防 関 係 者 の 努 力 に よ り 昭 和63 年 か ら て
平 成 元 年 に か け て 2 年 間以 上 の林 野 火 災 無 火 昭 和58 年 4月27 日, 正 午 頃 に 市内 長 内 町 災 を 記 録 し た。
2。 林 野 火 災 の 現 状
久 慈 地 方 に お い て 発 生 し た500 ha を 超 え る 林 野 火 災 を 紹 介 す る 。
(1 〉 昭 和36 年 5 月29 日 〜30 日 , 三 陸 フ ェ ー ン 大 火
氈@ 下 閉 伊 郡 普 代 村 : 2 ヵ 所 か ら 出 火
N0.30 1992( 秋季)
の 山 林 ( 標 高45m ) か ら 出 火 し た 林 野 火 災 は,3時 間 で 約10 ha を 焼 失 ,こ の間 久 慈 市 消 防 団 は12 時30 分 に 第 3 出動 を 指 令 , 全 分 団 が 防 ぎ ょに あ た った が, 火 勢 が 衰 え な い の で 15 時05 分 に 広 域 管 内 5町 村 消 防 団 に 応 援 要 請 し た。 そ の 後 ,15 時19 分 頃 の 突 風 に よ り 約600 m 東 側 の平 沢 山 林 に 飛 火, 松 林 を 北 東 方向 に 延 焼 拡 大 し, 平 沢 山 林 の 南北 に 走 る 稜
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線を 越え た 火 流 は, 沿 岸 集 落 で あ る 玉 の脇 方 面 と二 子 , 大 尻 方 面 の 2方 向 に 向 か って ,30 m 前 後 の強 風 に あ お ら れ て 急 速 に 延 焼 拡 大 し た。 15時20 分 に 設 織さ れた 市 災 害 対 策 本 部 は, 風 下 地 区 の 5部 落 に 避 難 命令 を 発 令 し た。 16時40 分 頃 か ら 玉 の 脇, 舟 渡 及 び二 子,
大 尻 地 区 の 建 物 が 山 林 か ら の 飛 火 に よ り 延 焼, 上 長 内 地 区 か ら転 戦し た消 防 隊 が 玉 の脇 に 到 着 し た 時 は, す で に道 路 両 側 の 建物 が 延 焼 倒 壊 し て い たた め , こ れよ り 南方 へ の進 入 が 出 来 ず , 玉 の脇 地 区 の防 ぎ ょ にあ た る とと もに 道 路 の開 通 を 待 って 各 部落 に消 防 隊 を 進 入 さ せ 防 ぎ ょ 活 動 を 行 っ た が , 住 家45 棟 を 含 む 建 物227 棟を 焼 損 し た。 消 防 隊 は交 代 要 員 も 無 く , 一 睡 もし な い で28 日 の日 没 ま で 消 火 活 動 を 続 行 し た。 久 慈 湾 に は救 援 ・救 助 の た めに 函館 , 八 戸 , 釜石 , 塩 釜 の各 海 上 保 安 部 か ら 山動 し た巡 視 船 5 隻 が待 機,28 日 に は陸 上 自 衛隊 の地 上 部 隊 ( 延 べ1,622 人 ) 及 び ヘ リ コプ タ ー部 隊( 延 べ14 機)が 出 動 ,延 べ51 時 間 燃 え 続 け た 林 野 火 災 は,29 日15 時 30 分 に 鎮 火 す る に 至 っ た。 こ の 間, 消 火活 動 に 出動 し た消 防 職 団 員 は 延 べ2,242 人 , ポン プ車 等198 台 であ っ た が, 特 に 消 火 用 水 の運 搬 に地 元 コ ン クリ ート ミキ サ ー車 が, 延 べ52 台 出動 し て 消 火 作業 に 協力 し た。
4。 消 防 活 動 につ い て
当地 方 に お い て 発 生 し た 大 規 模 林 野 火 災 を 見 る と, 約10 年 周 期 で 発生 し, い ず れ も建 物, 住 家 を 焼 損 し て い る。 こ の こ と は 大 規 模 な 林 野 火 災 と な っ た 場 合 , 山 林 内 に点 在 す る 集 落 の 建 物 防 ぎょ が 如 何 に 難 し い か と 言 う こ と で あ る。 林 野 火 災 の 消 防 活 動 に お け る 最 重 点 は , 人 命 の 安 全 と 住 宅 防 ぎ ょに あ ると 思 わ
れ る。
(1) 林 野 火 災 の 特 性
林 野 火 災 が 持 つ 特 性 を , 十 分 に承 知 し た 上 で の 状 況 判断 が必 要 で あ る 。
氈@気 象 の 変 化
林 野 火 災 は, 風 と 湿 度 に よ る 影響 が非 常 に 大 き く, 春 先 に 起 きる フ ェ ー ン 現象 下 に お け る 大 規 模 な 火 災 が多 い。 特 に当 地 で は, 朝 の う ち は静 穏 で あ っ た も のが , 時 間 の 経 過 と と もに 気 温 が 上 昇, 湿 度 が 急 に下 が り, 温 か い 西 風 が 昼 過 ぎ に 強 風 と な る時 があ る。 こ の よ う な 場 合 , 出 火 と 延 焼 拡 大 の 危 険 が 大 と な る。 58年 の大 火 が そ の 典型 であ り, た き 火 か
ら林 野 火 災 と な る 例 が 多 い 。 飛 火 の 危 険
強 風 下 に お い て 松 等 の針 葉 樹 林 で は飛 火 の 危 険 が 大 で あ り, そ の 飛 火 距 離 も1,000 m 近 くに 逹 す る こ と が あ る 。 数 m の 風 で も40 〜 50m の 飛 火 は よ く 起 こ り , 防 ぎ ょ 線 を 突 破 さ れる こ と が あ る 。
。 延 焼 方 向 と 速 度
延 焼 方 向 は必 ず し も風 下 方 向 と は限 ら ず,
横 及 び風 上 に も拡 大 す る の で, 現場 に お い て そ の方 向 を 即 断 す る こ と は困 難 であ り, 特 に 大 規 模 と なっ た場 合 に は, 多 量 の煙 に よ り 延 焼 火 面 の確 認 が出 来 ない 場 合 があ る。 ま た,
延 焼 速 度 は地 形 , 燃 焼 物 , 風 速等 に よ っ て 大 き く異 な る が, 枯 草等 の多 い地 表 火 の 場 合,
特 に延 焼 速度 が早 くて 火炎 の 見 え な い こ と が あ り, 延 焼 方 向 が一 定 で な い こ と もあ り 逃 げ 場 を 失 う 危険 があ る。
「 そ の 他
発 見通 報 の遅 れ, 地 理不 案 内 等 か ら 火 点 の 確 認, 進 入 路 の決 定 に時 間 を 要 す る し , ま た ポン プ 車等 が接 近 で き る 道 路 が 少 な い た め,
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消 防 科 学 と 情 報
部 隊 の展 問 に時 間 を 要 す る。
(2) 現 場 指 揮 体 制
林 野 火 災 時 に お け る指 揮 体 制 は, 全 体 の状 況 を 把 握 し て 各 部 隊 に 命 令 を 出 す 現 場 指 揮 本 部 が 設 置 さ れ , 現 場 指 揮 者 の もと に 前 進 指 揮 者, 飛 火 警 戒 隊 等 が 配 置 さ れ る こ と に な る。
し か し地 方 の小 規 模 消 防 に お い て は, 人 員 等 の関 係 か ら な か な か こ の 体 制 は と れ な い が,
火 災 が あ る規 模 を 超え た場 合 (20 〜30 ha 以 上 ), 経 験 のあ る 消 防 職 員 を 延 焼 方 向 の 前 線 方 面 指 揮 者 と し, また 飛 火 警 戒 隊 と して 配 置 し て, 火 勢 の 把 握 と 部 隊 等 の配 置決 定 を し な け れ ば な ら な い。 特 に 飛 火 に 対 して は, 直 接 消 火 隊 と は 別 に, 何 時 で も行 動 で きる 消 火 隊
( ジェ ッ ト シ ュ ー タ ー 隊 等 ) を 各 方 面 に 配 置 す る必 要 があ る。
な お , 傾斜 地 で の防 ぎ ょ 行動 に は 危 険 が多 い ので , 部隊 間 の みな ら ず 隊員 相互 に連 絡を 密 に し て , 声 を 掛 け 合 って 危険 防 止 に努 め る と と もに ロ ープ 等 の有 効 な 活 用 が望 ま れ る。
過 去 に お い て, 急 斜 面 にお け る急 速 炎 上 現 象 に よ り , 消防 職 員18 名 が 犠 牲 と な っ た 林 野 火 災 があ っ た こ と を 決 し て 忘 れ る こ と な く,
部 隊 の 進 入, 部 署 に あ た ら な け れ ば な ら な い。
(3) 地 上 にお け る消 火 活 動
山 林 内 で の消 火 活 動 に は 直接 消火 と間 接 消 火 の 方 法 が あ り , 我 々 は主 とし て 注 水 等 に よ る 直 接 消 火 に よ る 消 火 活 動 を 行 って い る 。 風 及 び 地 形, 地 被 物 等 の 状 況 に よ って は , 防 火 線 に よ る 闘 接 消 火 も効 果 が あ る が , こ の 場 合 に は完 全 消 火 で は な い の で, 鎮 火 後 も強 風 に よ り 再 燃 , 延 焼 拡 大 す る 危 険 が あ る の で, 長 時 間 の警 戒 が必 要 と な る。
氈@隊 貝 の進 入, 展 開 に あ た って は,消 防力 , N0.30 1992(秋 季)
火勢,地形, 林況,風向を 考慮し,隊 員の安 全を最優先として如何な る火災 の変化 に も対 応出来るような消防活動を行 わな ければなら ない。 特に,背丈 前後の笹等 の中 での防ぎょ 活動 にあ たっては, ホ ース延長線周囲 に対 す る予 備注 水,後続 部隊 の進入等を確認, 考慮 のうえで行動 しな ければならない。
○ その他留意事項
ア 延焼前面, 未燃焼地 での防ぎょはな る べく避ける( 風によ る彫響大)
イ 退避可能距離の確保 ウ 単独行動 の禁止
工 隊員 相互の安全確認と行動 範囲 オ 地形 の把 握 と避 難方 向を 考 慮 し た防
ぎょ 防 ぎょ方 法
林野火災の防 ぎょ方 法としては, 未燃焼地 から火勢を鎮圧,抑制 する方法と焼け跡か ら 進入して火頭を制圧する方 法,防火 線による 方法 等が あ る。 未燃 焼地 か ら の進 入防 ぎょ は, 水量 が豊 富 で地 被物 が 少 ない 場合 等 で あっても,飛火 または急な延焼方向 の変 化に よって退路を断 れる場 合がある。58年久慈 大 火 の際 に も, 未燃 焼地 に ホ ー スを延 長 し た 時,飛火により ホース延長附近 が延焼して,
ホース2本が焼損し た事例 があ る。
当 地 の山 林 は,地 被物 が比 較的 少 な いの で, 広葉樹林等の場合は主とし て焼 跡から進 入,火 頭を 制圧 する防 ぎょを行 っている。 こ の場 合, ポンプ側焼 跡進入周辺か ら消火を 始 め,延焼前面であ る火 頭へのホ ース延長 が遅 れることがある ので,指 揮者は火頭の位 置を 確認し たうえで最短距 離でホー ス延長して,
火頭とその周辺の制圧に努 めなければな らな い。
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。 送 水 体形 て は, 予 備 ポ ン プ の 配 置 が 必 要 とな る。 二 ア 水利部署にあたっては,後続進入車両等 口同時放水体形をとった場合,一方の筒先
の障 害 と な ら な い 場 所 を 選 定 す る と と も を シ ャッ ト し た時 , ホ ー ス の損 失 が半 分以 に, ポ ンプ 排 水 に よ り 地 面 が脆 くな るこ と 下 と な る の で, 中 ポ ンプ が 故 障 し た時 の措 も考 慮 し な け れば な らな い 。 ま た小 型 ポ ン 置 ま た は 一 口 放 水 に よ り 消 火 範 囲 を 広 く す プ 付 積 載 車 は, 小 型 ポ ンプ を 降 ろ し た の ち る 等 の 方 法 もあ る。
は ホ ー ス等 の搬 送 に使 用 し て か ら障 害 と な エ 燃 料 の 補 給 に つ い て , 小 型 動 力 ポ ンプ の らな い場 所 に と め て 置 く。 す べ て の 車両 は 場 合, 山 林 内 で の 補 給 に は金 属 携 行 缶以 外 車 輪 止 め の使 用 を 忘 れ て は な ら な い。 の容 器 に よ り ガソ リ ン の搬 送 が 行 わ れ る こ 吸 管 投 入 にあ た っ て 沢 水等 を 利 用 す る場 と が 多 く , 延 焼 山 林 内 の運 搬 も 行 う の で,
合, せ き 止 め 用 の 土 の うを 積 載 し て 利 用 す そ の 取 扱 い に は 十 分 な 注 意 が 必 要 で あ る る こ と と, 落 葉, 水 草 等 が スト レ ー ナ ー に し, 長 時 間 運 用 の小 型 ポ ンプ に 補 給 す る 場 詰 ま る の を防 止 す る た め の ザ ル 等 の 利 用 も 合 に は, 細 心 の注 意と 消 火 器 の 準 備 が 必 要 考 慮 し な け れ ば な ら な い。 特 に, 林 野 火 災 と な る( 隊 員 が疲 労 し て い る と 注 意 力 が 散 用 可 搬 式 送 水 装 置( ウ ォ ー タ ー ル ー ト, 漫と な る ので , 特 に注 意を 要 す る。)。 ウ ォー タ ーZ , … … ) の吸 水 の場 合 , 検 討 「 残 火 処 理と 現場 引 揚 げ
を 要 す る と思 わ れ る。
イ 林 野 火 災 に お け る 消 火 に は 多 量 の 放 水 は 必 要 な い の で , 筒 先 ノ ズ ル は 小 口 径 で シ ャッ ト 付 き軽 皿 で あ る こ と が 望 ま れる 。 な お , 林 道 ・ 山 道 等 を 利 用 し て ホ ー ス延 長 す る場 合 , 道 路 の山 側 路 肩 ま た は 溝に 沿 っ て 延 長 す れば , 車 両 の通 行障 害 と はな らな い 。 ま た急 斜 面 延 長 時 に は, ホ ー ス結 合 部 付 近 を ロ ープ 等 で 樹 木 に 確 保 し て, 送 水時 の ホ ー ス荷 重 を 分散 さ せ る方 法 が必 要 とな る。
ウ 送 水 体 形 は , 小 型 動 力 ポ ンプ に よ る 体 形 , ま た は ポ ン プ 車 と小 型動 力 ポ ンプ の 併 用 送 水 体形 に よ る こ と が多 い が, そ れ ぞ れ の ポン プ 性 能を 把 握 し て 能力 以 上 の 運 行を 行 わな い よ う に 注 意 す る。 な お , 直接 中 継 送 水 体 形 の 場 合, 小 型 動 力 ポ ンプ に は 吸 口 及 び 放 口 に 双 口 接 手 を 取 付 け る こ と を 忘 れ て は な らな い。 山 間 部 で の中 継 送 水 に あ っ
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残 火 処 理 に あ た っ て は , 焼 止 り 線 を 入 念 に 点 検 , 処 理 し な け れ ば な ら な い が , 地 形 , 地 被 物 , 気 象 に よ り 思 い も よ ら な い こ と が 起 き る 場 合 が あ る の で 注 意 を 要 す る 。 焼 止 り 線 未 燃 焼 地 側 に 対 し て 3 〜 5 m の 範 囲 に 放 水 し て 鎮 火 を 確 認 後 , 焼 跡 , 焼 止 り 線 を 点 検 , 異 常 の 無 い こ と を 確 認 し て か ら 約 2 時 間 後 に 下 山 し , 資 器 材 を 点 検 , 収 納 し て 引 揚 げ よ う と 思 い 山 を 見 た ら , 今 ま で 我 々 が 居 た 附 近 か ら 火 煙 が 見 え た の で , 再 度20 本 以 上 の ホ ー ス を 延 長 し て 消 火 し た と い う 事 例 が あ っ た 。 こ の 燃 え 出 し た 場 所 は , 完 全 に 消 火 し た 焼 止 り 線 か ら 約10m 以 上 離 れ た 位 置 で あ り , 地 表 面 に 延 焼 の 形 跡 は 認 め ら れ な か っ た 。 こ の よ う な こ と が,10 年 問 に 当 署 管 内 で 3 件 発 生 し て い る 。 完 全 な 残 火 処 理 と あ わ せ て 警 戒 監 視 に あ た る 隊 貝 ( ジ ェ ッ ト シ ュ ー タ ー 携 帯 )を , 必 ず 残 し て 置 か な け れ ば な ら な い 。
(4) 空 中 消 火 活 動 に つ い て は , 最 近 の 大 規 模 一 消防科学と情報
出 火 場所 出 火 日時 鎮 火 日時 焼 損 程度
岩 手 県九 戸 郡 山 形 村 平 庭 国 有 林 1 5 6 林 班 ロ ーl 昭 和44 年 5月 6 日 7 時 0 5 分 頃
昭 和 44 年 5月 1 0 日 4 時 0 0 分
5 , 0 0 0 m
(久 慈 市) 2 1 8h a 3 8, 2 4 1千 円 合 計 3 , 4 1 8h a 5 6 7 , 0 2 0千 円
図 1 九 戸 郡 山 形 村 林 野 火 災
・ 廴 ご. 戸 ⌒♂ ‑ S
1 : 5 0 , 0 0 0
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3 , 2 0 0 m
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図 2 久 慈 市 長 内 町 林 野火 災
6, 8 0 0 m
出火碍所 岩手県久慈市長内町揶17地剤77番地山林 出火 日時 昭和58年4月27日 12時05分頃 鎮火日時 畷和58年4月29日 15時30分
焼損程度 林野 1 ,084. 6ha(轟林1 ,035ha)
建物 17 ,371
、 住 家 全焼 45棟 焼損延 べ面積 7.097 非住家 全焼 17 9鉢 焼 換延 べ面積10, 274 鍋 害 額 総額 l , 274 , 128千円
り災世帯及ぴ人員 61 世帯 211人 9脇衂区 〔 煢頭 を543復18 世奮44 人〕
二子11区(詭擯全員15棟.:3世膏.50人)
16 畤50 分
林 野 火 災 で 多 く の成 果 を 上 げ てい る。 当 地 に 5 お わり に
お い て も, 昭 和58 年 の林 野 火 災 で は消 火 薬 建物 火 災 防 ぎ ょ等 で は 最 新 の技 術 で 機 械 器 剤( MAP)4,200 オ。62 年 の 釜 石 市 の 火 災 で R が開 発さ れ, 現 場 使 用 さ れ て い る。し か し , は同8,2200 kg を 散布 し た。 林 野火 災 にあ っ て は空 中 消 火 活 動 が本 格化 さ
岩 手 県 内 で は, 昭 和58 年 の 同 時 多 発 大 規 れ たと は言 え , 強 風 下 で は地 上 部 隊 が こ れ ま 模 林野 火 災を 契 機 に, 県, 広 域 消 防 本 部 等 6 で の方 法 で 人 海 戦 術 によ っ て 自 然 の猛 威 と も 地 区 に空 中 消火 等 補 給 基 地 が 整 備 さ れ, 消 火 言 え る 猛 火 に 立 ち向 か わ な け れ ば な ら な い 現 薬 剤約18,700 kgを 備 蓄 し て い る が, 保 管,管 状 はい ず こ も同 じ よ う に思 わ れ る。 今 後 の林 理 の問 題 と あ わ せて 地 上 部隊 と の連 携 によ る 野 火 災 防 ぎ ょ に 先 輩 諸 氏 の ご指 導 を よ ろ し く ヘ リ コプ タ ーを 使 用 し た実 地 訓練 の実 施が 必 お 願 い 申 し 上 げ る 次 第 で あ る。
要 と 思 わ れる。
N O。30 1992(秋季) −19 −